JP4172238B2 - 電子部品の実装構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品の実装構造に関し、更に詳しくは、1個または複数個の半導体チップを搭載したBGA(Ball Grid Array)型の半導体装置を高い信頼性の下で実装することができる電子部品の実装構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話やノート型コンピュータの小型軽量化・高機能化を実現するために、半導体装置の主流はQFP(Quad Flat Package)に代表されるリード付きのパッケージからBGA等の面実装タイプに移行しつつある。特に最近では、BGAよりもさらに狭ピッチであるCSP(Chip Size Package)の使用が進みつつある。
【0003】
また、ハイエンド向けのパッケージとしては、1枚の絶縁基板上に別々に作製した複数個の半導体チップを搭載し、一つのモジュールとして組み上げたBGA型半導体装置も提案されている。
【0004】
現在、BGA型半導体装置とプリント配線基板を接続する方法の一つとして、はんだボールを用いる手法が確立されている。BGA型半導体装置は、はんだを介してプリント配線基板上に形成された導電性パッドと接続されている。
【0005】
しかし、BGA型半導体装置とプリント配線基板とは熱膨張係数が異なるため、はんだ接合部には温度変化による熱膨張量や熱収縮量の差に起因する応力が加わり、はんだ接合部でクラックが発生するという技術的な問題がある。このため、高い接続信頼性を実現することが困難となっている。
【0006】
こうした中、はんだに加わる応力を緩和する最近の方法として、はんだ接合部に、樹脂ボールの表面を金属膜でコートした導電性樹脂ボールを入れる方法が提案されている(特許文献1、2を参照)。
【0007】
また、はんだに加わる応力を緩和する他の方法として、導電性パッド上に突起状の樹脂バンプを形成し、その樹脂バンプの上部にはんだバンプを形成し、そのはんだバンプを介して半導体装置を接続する方法が提案されている(特許文献3を参照)。
【0008】
また、はんだに加わる応力を緩和するさらに他の方法として、プリント配線基板上に突起状の低弾性絶縁樹脂を形成し、その樹脂の上に金属層を形成して電極パッド部とし、その電極パッド部にはんだボールを介してBGA型半導体装置を接続する方法が提案されている(特許文献4を参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開平10−173006号公報(図6)
【特許文献2】
特開平11−284029号公報(図1)
【特許文献3】
特開平2−207532号公報(実施例、第1図)
【特許文献4】
特開2000−277923号公報(図1)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1、2に記載されている方法では、はんだ接合部の導電性樹脂ボールによりはんだに加わる応力を緩和することは可能であるが、導電性樹脂ボールは、はんだ溶融中、はんだの対流やフラックスの気化により、はんだ接合部の中を激しく動き、導電性樹脂ボールがはんだ接合部から欠落するおそれがあるなど、実装プロセスで問題が生じ易い。また、はんだ接合部から導電性樹脂ボールが欠落しなくても、はんだ接合部における導電性樹脂ボールの位置は必ずしも一定でなく、導電性樹脂ボールの位置によっては、はんだ接合部に応力が集中し易い構造となり、信頼性が低下するおそれがある。そのため、より一層の狭ピッチ化が要請されている現状において、さらに高い水準の接続信頼性を実現することが困難となっている。
【0011】
また、特許文献3、4に記載されている方法では、突起状の樹脂により、応力が緩和されてクラックの発生が抑制されるが、より一層の狭ピッチ化が要請されている現状においては、さらにその応力を緩和してより一層信頼性の高いプリント配線基板に対する要求が依然として存在する。
【0012】
本発明は、上記問題を解決すると共に上記要請に応えるべくなされたものであって、その目的は、BGA型半導体装置とプリント配線基板との熱膨張差に起因するはんだ接合部の応力を低減すると共に狭ピッチ化を可能とする電子部品の実装構造を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するための本発明の電子部品の実装構造は、1個または複数個の半導体チップを搭載したBGA型半導体装置をプリント配線基板上にはんだで実装した電子部品の実装構造において、前記プリント配線基板が、導電性パッドと、該導電性パッド上に形成された該導電性パッド径よりも小さく且つ上面が平坦面からなる突起状の樹脂と、該樹脂の表面を被覆する金属薄膜とを有する電極パッド部を有し、前記BGA型半導体装置が、前記プリント配線基板上の電極パッド部と対向する位置に、該電極パッド部と同一または略同一形状に形成された電極パッド部を有し、前記プリント配線基板上の電極パッド部の平坦面と前記BGA型半導体装置上の電極パッド部の平坦面とが突き合わされてなり且つ前記樹脂が前記はんだの内部に存在してなるはんだ接合構造を有し、前記プリント配線基板の表面とBGA型半導体装置の表面との間に空隙を有するように前記突き合わされた電極パッド部が所定の高さで形成されていることを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、プリント配線基板とBGA型半導体装置の両側に電極パッド部が形成されているので、はんだバンプに加わる応力を両側から緩和することができると共に、はんだバンプの大きさを小さくでき、より一層の狭ピッチ化を達成できる。
【0020】
本発明の電子部品の実装構造において、前記BGA型半導体装置は、半導体チップを両面に搭載したモジュール構造であり、前記空隙は、前記プリント配線基板の表面とBGA型半導体装置の基板表面に搭載された半導体チップとの間の空隙であることに特徴を有する。
【0021】
この発明によれば、BGA型半導体装置とプリント配線基板とが干渉することがなく、BGA型半導体装置がプリント配線基板の表面に押しつけられることがないので、接続信頼性に問題が生じるおそれがなく、さらに放熱性の観点からも効果的である。
【0022】
本発明の電子部品の実装構造において、前記突起状の樹脂が、角柱状又は円柱状の樹脂であることに特徴を有する。
また、本発明の電子部品の実装構造において、前記樹脂の弾性率が、少なくとも室温においてはんだの弾性率より小さいことに特徴を有する。こうした樹脂は半導体装置とプリント配線基板との熱膨張差に起因する応力を効果的に吸収するので、半導体装置とプリント配線基板の接続信頼性が向上する。
また、本発明の電子部品の実装構造において、前記樹脂の材料が、プリント配線基板の表面に形成されるソルダレジストと同じ材料であることに特徴を有する。この発明によれば、樹脂とソルダレジスを同一工程で形成できるので、コストメリットのある実装構造となる。
また、本発明の電子部品の実装構造において、前記樹脂の表面が、金属薄膜で被覆されていることに特徴を有し、その金属薄膜が、銅薄膜または銅とニッケルと金の3層薄膜であることに特徴を有する。
【0025】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0026】
(プリント配線基板)
図1は、本発明のプリント配線基板の一例を説明するための断面図である。本発明のプリント配線基板は、図1に示すように、絶縁基板1の表面に形成された導電性パッド2と、その導電性パッド2上で且つその導電性パッド2の表面領域内に形成された突起状の樹脂3と、その樹脂3の表面に形成された金属薄膜10とから主に構成された電極パッド部5を有している。この電極バッド5は、1個または複数個の半導体チップを搭載したBGA型半導体装置をはんだで実装するために設けられる。
【0027】
導電性パッド2としては、主に銅が用いられる。樹脂3は、この導電性パッド2上で、その表面領域内に形成される。なお、導電性パッド2を有する電極パッド部5間には、図1に示すように、ソルダレジスト7が形成されている。このソルダレジスト7は、はんだ付け時において、電極パッド部5間のはんだブリッジの発生を防止するという作用がある。
【0028】
樹脂3は、低弾性の樹脂であり、少なくとも室温(例えば、15℃〜30℃)においてはんだより弾性率が小さい絶縁樹脂であることが好ましい。弾性率が小さい樹脂3は、BGA型半導体装置とプリント配線基板との熱膨張差に起因する応力を吸収し、半導体装置とプリント配線基板の接続信頼性を向上させる。樹脂の具体例としては、熱硬化性のエポキシ樹脂等が挙げられる。樹脂3には、金属薄膜10を無電解めっきで形成するための触媒が含まれていることが好ましい。また、樹脂3の材料が、プリント配線基板の表面に形成されるソルダレジスト7と同じ材料であることが好ましい。こうすることにより、ソルダレジスト形成工程時に樹脂3の形成を同時に行うことができるので、ハンドリングやコストの面で特に有利である。なお、ソルダレジストと同じ材料としては、低弾性率のアクリル樹脂、または、アクリル樹脂にエポキシ樹脂を配合したものが挙げられる。樹脂3は突起状に形成されており、具体的には、角柱状または円柱状であり、直角柱や直角円柱でも角錘台や円錐台でもよい。
【0029】
本発明においては、突起状の樹脂3の径が導電性パッド2の径よりも小さく形成されていることに特徴がある。こうした関係で樹脂を形成することにより、熱膨張差により生じた応力が効果的に吸収され、はんだバンプに加わる応力が緩和され、さらに、BAG型半導体装置の基板の挟ピッチ化にも寄与する。
【0030】
樹脂3の表面には、金属薄膜10が形成される。金属薄膜10は、はんだとの接合性を向上させるために設けられる。金属薄膜10の材料としては、銅または銅とニッケルと金の3層薄膜が好ましい。
【0031】
図2は、本発明のプリント配線基板にBGA型半導体装置100を実装した構造の一例を示す断面図である。この図を用いて、導電性パッド2より小さい突起状の樹脂3が応力を緩和する原理を説明する。
【0032】
プリント配線基板とBGA型半導体装置100は、図2に示すように、はんだ50により接続されている。導電性パッド2上に形成された樹脂3は、その導電性パッド2よりも小さい径で形成されているので、その樹脂3ははんだ50に包まれるようにその内部に存在することとなる。はんだのヤング率は、SnPb共晶はんだでは25GPa、SnAgCu系の鉛フリーはんだでは45GPaであるのに対して、エポキシ系樹脂のヤング率は10GPa以下である。本発明のプリント配線基板を用いれば、そうした低弾性の樹脂3がはんだ50の内部に存在したはんだ接合部が構成されるので、プリント配線基板とBGA型半導体装置100との熱膨張差によりそのはんだ接合部に熱応力が加わった場合であっても、低弾性の樹脂3が収縮することによりその応力が吸収される。その結果、はんだ接合部における応力集中部の応力を緩和する効果が得られる。したがって、BGA型半導体装置100を実装したプリント配線基板に繰り返しの熱負荷が加わった場合であっても、こうした応力緩和効果により高い信頼性を示すことができるのである。
【0033】
また、プリント配線基板とBGA型半導体装置100は、はんだ50により接続されているため、BGA型半導体装置100に不良が発生した場合は、はんだを加熱することにより容易にBGA型半導体装置100をプリント配線基板から取り外すことができるという効果もある。
【0034】
次に、突起状の樹脂3の大きさを導電性パッド2の径よりも小さくした理由について、ソルダレジストで突起状の樹脂3を形成した例により具体的に説明する。
【0035】
図3は、有限要素法によるはんだ接合部の応力解析の結果を示すグラフである。このグラフは、図2に示す構造において、例えば導電性パッド2の径を0.25mmとした場合の樹脂3の径と、はんだ50に加わる応力との関係について調べたものである。なお、有限要素法とは、無限の自由度を持つ連続体を、有限の自由度を持つ部分領域の集合体として近似し、この集合体に対して成り立つ方程式を解く手法である。
【0036】
先ず、ソルダレジストで突起状の樹脂3を形成しない場合は、はんだ接合部において最も応力が集中する箇所は、BGA型半導体装置100の導電性パッド2の近辺となる。ソルダレジストで突起状の樹脂3を形成し、図3に示すように樹脂3の径を大きくしていくと、樹脂3による応力緩和効果により、半導体装置100の導電性パッド2付近のはんだの応力は低下していくが、逆に突起状の樹脂3の周囲のはんだの応力は、樹脂3の影響により上昇する。半導体装置の導電性パッド2付近のはんだの応力と、樹脂3の周囲のはんだの応力とが同じになるのは、樹脂3の径が約0.15mmのときであり、その結果、この場合においては、信頼性向上が最も期待できる樹脂3の径は約0.15mmであることが分かる。樹脂3の径が0.15mmより大きくなると、樹脂3の周囲のはんだの応力が半導体装置の導電性パッド2付近のはんだの応力を上回り、樹脂3の径が0.18mmのとき、樹脂3を形成していない場合の応力、すなわち半導体装置の導電性パッド2付近のはんだに加わる応力より大きくなる。したがって、導電性パッド2の径を0.25mmとした場合において、その導電性パッド2上に形成する樹脂3の径としては0.18mm以下であることが望ましい。なお、樹脂3の径の下限値としては、応力緩和効果、作製の容易さの点から、0.1mm程度であることが望ましい。
【0037】
(電子部品の実装構造)
図4は、本発明の電子部品の実装構造の一例を示す断面構成図である。本発明の実装構造は、1個または複数個の半導体チップを搭載したBGA型半導体装置をプリント配線基板上にはんだで実装したものであり、その特徴は、上述した本発明に係るプリント配線基板が有する電極パッド部を、BGA型半導体装置のインターボーザ基板52も有する点にある。すなわち、インターボーザ基板52には、プリント配線基板上に形成された電極パッド部5と対向する位置に、その電極パッド部5と同一または略同一形状に形成された電極パッド部5’が形成されている。本発明の実装構造は、それらの電極パッド部5、5’が突き合わされてなるはんだ接合構造を有するものである。こうした構造からなる実装構造は、両側に形成された電極パッド部5、5’それぞれの応力緩和効果により、はんだバンプに加わる応力を両側から緩和することができると共に、はんだバンプの大きさを小さくでき、より一層の狭ピッチ化を達成できる。
【0038】
なお、図4において、BGA型半導体装置100とプリント配線基板との間に、硬化収縮性の樹脂を充填することにより、それらの接合をより十分なものとすることができる。硬化収縮性の樹脂としては、エポキシ系樹脂などが用いられる。硬化収縮性の樹脂は、硬化後に収縮する特性があるため、電極パッド部におけるはんだ接合部の接合状態を安定させることができる。なお、突起状の樹脂3は、熱応力を緩和する効果の他に、プリント配線基板の反り等による電極パッド部5、5’の高さのばらつきを、突起状の樹脂3が収縮することにより低減する効果がある。すなわち、高さの低いところに合わせて、高く形成されたところの樹脂が収縮することにより、全体として電極パッド部5のバラツキが低減されるという効果もある。
【0039】
図5は、本発明の電子部品の実装構造の他の一例を示す断面構成図である。この実装構造を構成するBGA型半導体装置は、半導体チップをインターポーザ基板52の両面に搭載したモジュール構造である。そして、この実装構造の特徴は、両電極パッド部5、5’が突き合わされてなるはんだ結合構造が、プリント配線基板の表面とBGA型半導体装置の基板表面に搭載された半導体チップとの間に空隙を有する高さとなるように構成されていることである。すなわち、図5に示されているように、インターボーザ基板52に搭載された半導体チップの下面と、プリント配線基板の表面との間に空隙が形成されるように、両電極パッド部5、5’の基板間の高さが制御される。本発明の実装構造においては、電極パッド部5、5’が、プリント配線基板とBGA型半導体装置の両側に形成されているので、個々の電極パッド部5、5’の高さを制御しやすい。そのため、その電極パッド部5、5’を突き合わせた高さ制御が容易であり、両基板の間隔をコントロールできる。その結果、プリント配線基板の表面とBGA型半導体装置の基板表面に搭載された半導体チップとの間に一定の空隙を容易に確保することができ、半導体チップ51が押しつぶされることなく実装される。また、この空隙は、放熱性の観点からも効果的である。
【0040】
(プリント配線基板の製造方法)
次に、本発明に係るプリント配線基板の製造方法について図面を参照して説明する。
【0041】
図6〜図14は、本発明のプリント配線基板の製造方法の一例を説明するための各工程の基板断面図である。
【0042】
先ず、図6に示すように、絶縁基板1の両面に銅箔などの導体層19を張り合わせた銅張り積層板20を用意する。銅箔の厚さは、10μm〜40μm程度が望ましい。銅張り積層板20は、内層基板の表面に絶縁樹脂を介して銅箔を積層した公知のビルドアップ基板を使用してもよい。次に、図7に示すように、パネルの全表面に触媒22を吸着させる。触媒としてはパラジウム金属が望ましい。なお、部品挿入または基板の表裏若しくは内層との接続を行うためのスルーホール21を形成する場合には、予めドリルやレーザなどにより穴あけ加工を行った後に、スルーホール21を含むパネルの全表面に触媒22を吸着させる。次に、図8に示すように、この触媒を核として化学的に銅を析出させ、さらにこの銅膜の上にめっき層23を厚付けする。次に、図9に示すように、感光性のドライフィルム24を表裏両面に貼り付けた後、製造用フィルムを用いて導体パターン部だけを露光・現像し、感光性のドライフィルム24をエッチングレジスト膜として残す。次に、図10に示すように、エッチング液を表裏両面に吹き付け、レジスト膜の被覆のない露出銅の部分を溶解除去する。次に、図11に示すように、レジストを剥離し、導電性パッド2と配線パターンを形成する。次に、図12に示すように、このようにして形成されたプリント配線基板の導電性パッド2間および配線パターン間に、ソルダレジスト7を印刷する。印刷方法としては、スクリーン印刷法などがある。次に、図13に示すように、導電性パッド2上に熱硬化性の低弾性絶縁樹脂3を印刷した後、熱硬化して突起形状を形成する。次に、図14に示すように、導電性パッド2上の低弾性絶縁樹脂3上に金属薄膜10を形成し、本発明のプリント配線基板が完成する。金属薄膜10の形成方法は、プリント配線基板を無電解めっき浴に浸せきし、導電性パッド2上の低弾性絶縁樹脂3に含まれる触媒を核として無電解めっき層を析出させる。めっき層は銅が好ましい。さらにその後、はんだとの接合性を向上させるために、先の工程で形成されためっき層の上に、ニッケルおよび金を無電解めっきで積層する。
【0043】
図15〜図18は、本発明のプリント配線基板の製造方法の他の一例を説明するための各工程の基板断面図である。
【0044】
この製造方法は、先ず、上述した図6〜図11に示す工程によって導体部をパターニングし、その後の工程として、図15に示すように、ソルダレジスト7を形成する。ソルダレジスト7をプリント配線基板の導電性パッド2に接着させるためには、導電性パッド2の表面を研磨等により予め粗化させておく必要がある。ソルダレジスト7の形成方法としては、スクリーン印刷法や感光性レジストを用いた写真法による形成方法などがある。ソルダレジスト7は、通常、はんだを付けない部分に形成する被覆材料であるが、本発明の製造方法では、導電性パッド2上にも形成する。ただし、導電性パッド2上に形成するソルダレジスト7は、導電性パッド2の径より小さくする。
【0045】
次に、図16に示すように、プリント配線基板の全面に触媒22を付与する。その後、図17に示すように、電極パッド部を除くその他の箇所にめっきレジスト60を塗布する。最後に、図18に示すように、導電性パッド2上に形成されたソルダレジスト7の表面に、無電解めっきで金属薄膜10を形成し、本発明のプリント配線基板が完成する。電極パッド部間のソルダレジスト7は、はんだが溶融した際に濡れ広がり、電極パッド部間がショートしてしまうのを防ぐ効果がある。
【0046】
なお、本発明は上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。
【0047】
【実施例】
本発明のプリント配線基板およびその製造方法について具体的に説明する。
【0048】
絶縁基板の両面に、厚さ20μmの銅箔を張り合わせた銅張り積層板を用意した。次に、ドリルにより穴あけ加工を行った後に、この貫通孔を含むパネルの全表面にパラジウムを吸着させた。次に、このパラジウムを触媒として無電解銅を析出させ、さらにこの無電解銅の上に電解銅めっき層を30μmの厚さで積層した。次に、感光性のドライフィルムを表裏両面に貼り付けた後、製造用フィルムを用いて導体パターン部だけを露光・現像し、エッチングレジスト膜を残した。次いで、エッチング液を表裏両面に吹き付け、レジスト膜被覆のない露出銅の部分を溶解除去し、最後にレジストを剥離することにより、所要の導電性パッドおよび配線パターンを得ることができた。
【0049】
このようにして形成されたプリント配線基板の導電性パッド2間および配線パターン間に、ソルダレジスト7をスクリーン印刷法により形成した。次に、導電性パッド2上にパラジウムの粒子を含有したエポキシ系樹脂を100μmの厚さで印刷した後、100℃で15分熱硬化して突起状の樹脂3を形成した。次に、このプリント配線基板を無電解銅めっき浴に浸せきし、エポキシ系樹脂に含まれるパラジウムを核として無電解銅めっき層を析出させた。その後、はんだとの接合性を向上させるために、先の工程で形成されためっき層の上に、ニッケルおよび金を無電解めっきで積層し、本発明のプリント配線基板を製造した。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にプリント配線基板によれば、BGA型半導体装置を実装する電極パッド部が小径の突起状樹脂を有しているので、BGA型半導体装置とプリント配線基板の接合部に加わる熱膨張差に起因する応力を緩和することを実現し、高い接続信頼性が得られる。
【0051】
また、本発明のプリント配線基板は、電極パッド部の高さ制御が容易なので、BGA型半導体装置を搭載した際のプリント配線基板とのスペースを制御できるという効果がある。
【0052】
また、プリント配線基板とBGA型半導体装置は、はんだにより接続されているため、BGA型半導体装置に不良が発生した場合は、加熱することにより容易にBGA型半導体装置をプリント配線基板から取り外すことができる。
【0053】
また、導電性パッド上に低弾性の絶縁材料を形成することは、従来からのプリント配線基板の製造工程の延長上で実現できるため、製造コストを抑制できる。
【0054】
また、リワークの際にも、本発明の樹脂部分またははんだ部分のどこかで切断すれば良く、アンダーフィル材などで充填した場合と比較すると、作業性もよく、歩留まりも向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプリント配線基板の一例を説明するための断面図である。
【図2】本発明のプリント配線基板にBGA型半導体装置を実装した構造の一例を示す断面図である。
【図3】有限要素法によるはんだ接合部の応力解析の結果を示すグラフである。
【図4】本発明の電子部品の実装構造の一例を示す断面構成図である。
【図5】本発明の電子部品の実装構造の他の一例を示す断面構成図である。
【図6】本発明のプリント配線基板の製造方法の一例を説明する一工程の基板断面図である。
【図7】本発明のプリント配線基板の製造方法の一例を説明する一工程の基板断面図である。
【図8】本発明のプリント配線基板の製造方法の一例を説明する一工程の基板断面図である。
【図9】本発明のプリント配線基板の製造方法の一例を説明する一工程の基板断面図である。
【図10】本発明のプリント配線基板の製造方法の一例を説明する一工程の基板断面図である。
【図11】本発明のプリント配線基板の製造方法の一例を説明する一工程の基板断面図である。
【図12】本発明のプリント配線基板の製造方法の一例を説明する一工程の基板断面図である。
【図13】本発明のプリント配線基板の製造方法の一例を説明する一工程の基板断面図である。
【図14】本発明のプリント配線基板の製造方法の一例を説明する一工程の基板断面図である。
【図15】本発明のプリント配線基板の製造方法の他の一例を説明する一工程の基板断面図である。
【図16】本発明のプリント配線基板の製造方法の他の一例を説明する一工程の基板断面図である。
【図17】本発明のプリント配線基板の製造方法の他の一例を説明する一工程の基板断面図である。
【図18】本発明のプリント配線基板の製造方法の他の一例を説明する一工程の基板断面図である。
【符号の説明】
1 絶縁基板
2 導電性パッド
3 樹脂
5 電極パッド部
7 ソルダレジスト
10 金属薄膜
19 導体層
20 銅張り積層板
21 スルーホール
22 触媒
23 めっき層
24 ドライフィルム
50 はんだ
51 半導体チップ
52 インターポーザ
60 めっきレジスト
100 BGA型半導体装置
Claims (6)
- 1個または複数個の半導体チップを搭載したBGA型半導体装置をプリント配線基板上にはんだで実装した電子部品の実装構造において、
前記プリント配線基板が、導電性パッドと、該導電性パッド上に形成された該導電性パッド径よりも小さく且つ上面が平坦面からなる突起状の樹脂と、該樹脂の表面を被覆する金属薄膜とを有する電極パッド部を有し、
前記BGA型半導体装置が、前記プリント配線基板上の電極パッド部と対向する位置に、該電極パッド部と同一または略同一形状に形成された電極パッド部を有し、
前記プリント配線基板上の電極パッド部の平坦面と前記BGA型半導体装置上の電極パッド部の平坦面とが突き合わされてなり且つ前記樹脂が前記はんだの内部に存在してなるはんだ接合構造を有し、
前記プリント配線基板の表面とBGA型半導体装置の表面との間に空隙を有するように前記突き合わされた電極パッド部が所定の高さで形成されていることを特徴とする電子部品の実装構造。 - 前記BGA型半導体装置は、半導体チップを両面に搭載したモジュール構造であり、前記空隙は、前記プリント配線基板の表面とBGA型半導体装置の基板表面に搭載された半導体チップとの間の空隙であることを特徴とする請求項1に記載の電子部品の実装構造。
- 前記突起状の樹脂が、角柱状又は円柱状の樹脂であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子部品の実装構造。
- 前記樹脂の弾性率が、少なくとも室温においてはんだの弾性率より小さいことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の電子部品の実装構造。
- 前記樹脂の材料が、プリント配線基板の表面に形成されるソルダレジストと同じ材料であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の電子部品の実装構造。
- 前記金属薄膜が、銅薄膜または銅とニッケルと金の3層薄膜であることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の電子部品の実装構造。
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