JP4171906B2 - 焙煎コーヒーの処理方法、それにより得られるコーヒー液および粉末コーヒー - Google Patents

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本発明は、焙煎コーヒーの処理方法に関する。詳しくは、乾式粉砕では得られないような細かな粒子径を有する焙煎コーヒーの製造技術である。
湿式粉砕を用いて、コーヒーを微粉砕する技術が知られている(特許文献1を参照)。この技術は、食用油(コーヒー油を含む)と焙煎コーヒーを同時に粉砕する湿式粉砕であり、比較として、焙煎コーヒーと水による湿式粉砕に関する事項が記載されている。その記載によると、焙煎コーヒーと水の混合の湿式粉砕は、焙煎コーヒーの比率が5 %を超えると高い粘度のために微粉砕は失敗に終わったと報告されている。すなわち、微細な粒子径を得るための焙煎コーヒーと水との混合系における湿式粉砕は、事実上不可能であるということがわかる。
また、微粉末可溶性レギュラーコーヒーを製造する技術が知られている(特許文献2を参照)。この技術では、焙煎コーヒーと水とを粉砕機に入れて粉砕する工程があるが、使用する粉砕機はディスク型のミルであり、このような粉砕機を用いた場合、その機構からも結果からも20μm未満の微粉末の構成比は3 %程度である。
特開平6−38681号公報 特開2003−23967号公報
上記特許文献1では湿式粉砕で食用油を用いるため、粉砕後の用途が限定される。また、湿式粉砕で焙煎コーヒーと水との混合系の微粉砕を考えた場合に、その弊害となる粘度上昇防止策を講じる必要がある。
そこで、本発明の目的は、コーヒーの湿式粉砕において、通常の粉砕よりもより細かい粒径に粉砕でき、かつ安定的に粉砕できる焙煎コーヒーの処理方法などを提供することにある。
本発明者らは、上記問題点を鑑みて鋭意研究したところ、水を用いた湿式粉砕でより細かい粒子径を有するコーヒーを得るため、微粉砕中の粘度上昇を防ぐ方法を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、焙煎コーヒー豆の粗粉砕物を含有するコーヒー懸濁液にガラクトマンナン分解酵素を添加して微粉砕機で微粉砕する工程を含む焙煎コーヒーの処理方法、に関する。
前記微粉砕工程の前に、焙煎コーヒー豆と水とを粉砕機に入れて粗粉砕し、コーヒー懸濁液を調製する工程をさらに有することが好ましい。前記コーヒー懸濁液中の焙煎コーヒー豆と水との重量比が20:80〜30:70であることが好ましい。前記ガラクトマンナン分解酵素がアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来のマンナナーゼであって、前記焙煎コーヒー豆1gに対して300〜500units添加することが好ましい。前記微粉砕工程は、2回以上繰り返すことが好ましい。
本発明は、本発明の処理方法により得られるコーヒー液、に関する。
本発明は、焙煎コーヒー豆の粗粉砕物を含有するコーヒー懸濁液にガラクトマンナン分解酵素を添加して微粉砕機で微粉砕する工程および前記微粉砕工程で得られたコーヒー液を乾燥する工程を含む粉末コーヒーの製造方法、に関する。
前記微粉砕工程の前に、焙煎コーヒー豆と水とを粉砕機に入れて粗粉砕し、コーヒー懸濁液を調製する工程をさらに有することが好ましい。前記コーヒー懸濁液中の焙煎コーヒー豆と水との重量比が20:80〜30:70であることが好ましい。前記ガラクトマンナン分解酵素がアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来のマンナナーゼであって、前記焙煎コーヒー豆1gに対して300〜500units添加することが好ましい。前記微粉砕工程は、2回以上繰り返すことが好ましい。前記乾燥工程が噴霧乾燥機または凍結乾燥機を用いて行なわれることが好ましい。
また、本発明は、本発明の製造方法により得られる粉末コーヒー、に関する。
[作用効果]
本発明の焙煎コーヒーの処理方法によれば、コーヒー懸濁液にガラクトマンナン分解酵素を添加して微粉砕時の粘度上昇を防止することにより、焙煎コーヒーと水との混合系の微粉砕工程を良好に進行させてこれまでにない粒度の微粉砕コーヒーを得ることができる。前記微粉砕工程の前に、コーヒー懸濁液を調製する粗粉砕工程を設けることにより、焙煎コーヒーの処理を連続的に効率よく進行させることができる。前記コーヒー懸濁液中の焙煎コーヒー豆と水との重量比を適切な範囲に設定することにより、効率よく微粉砕コーヒーを得ることができる。前記ガラクトマンナン分解酵素を適切な量添加することにより、微粉砕時の剪断力を適切な範囲に保持することができ、効率よく微粉砕工程を進行させることができる。本発明の焙煎コーヒーの処理方法は、微粉砕の程度を見極めながら所望のメジアン径を達成するまで、前記微粉砕工程を2回以上繰り返すことができる。
本発明のコーヒー液は、前記処理方法により得られたものであり、微粉砕化された焙煎コーヒーを含有していることによりそのまま飲食してもざらつき感がなく、良好な食感を呈するものである。前記コーヒー液はコーヒーと水とからなるものであるから、多彩な用途があり、下記乾燥工程に付せば容易に粉末コーヒーに加工することができる。
本発明の粉末コーヒーの製造方法によれば、前記処理方法により得られたコーヒー液を乾燥させる工程を有することにより、焙煎コーヒーを丸ごと利用可能な粉末コーヒーを提供することができる。前記乾燥工程により、常温で長期間の保存が可能な粉末コーヒーを提供することができる。乾燥工程は、目的に応じて、微細な粒子を低コストで提供することができる噴霧乾燥機、または高品質な粉末コーヒーを提供することができる凍結乾燥機を用いて行なうことができる。
本発明の粉末コーヒーは、その粒子径が非常に細かく、テクスチャーに違和感のないものであるため、さらに加水して液体状態に戻して飲用することもでき、また、様々な食品と混合して食することもできる。
さらに、本発明によれば、コーヒーの廃棄率がほぼ0%で全工程を行なうことができ、コーヒー残渣が生じないことから、コーヒー豆を有効利用するとともに環境にも配慮しつつコーヒー液および粉末コーヒーを製造することができる。
本発明において使用するコーヒー豆の種類は、特に制限されるものではなく、アラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種等のものが挙げられる。複数の種類をブレンドした豆を用いてもよい。
本発明においては、コーヒー豆を全量飲用に供するため、コーヒーのパーチメント、シルバースキン等の夾雑物を豆の表面から十分に除去することが好ましい。
除去方法は、水洗い、超音波洗浄、ポリシィング(表皮の研磨)等の公知の方法で行えばよい。
コーヒー豆の焙煎は、公知の方法及び装置で行えばよく、焙煎の程度は、目的に応じて適宜選択することができる。
焙煎されたコーヒー豆は、粗粉砕して用いられる。粗粉砕は、後の微粉砕工程を円滑に行なえる程度に行なえばよく、特に限定されるものではないが、粉砕後の粒径がメジアン径で1mm以下、好ましくは500μm以下となるようにすることが望ましい。
本発明において、メジアン径とは、レーザー回折散乱法により粒度を測定し、積算粒径分布においてその値が50%に相当する粒径のことをいう。
本発明の焙煎コーヒー豆の処理方法においては、粗粉砕済の焙煎コーヒー豆を用いて直接微粉砕工程を行なってもよく、汎用の粉砕機を用いて粗粉砕してコーヒー懸濁液を調製する工程を含んでもよい。
粗粉砕の段階で、焙煎コーヒー豆と水とを混合する(湿式粉砕)か混合しない(乾式粉砕)かについては特に限定はないが、工程を簡略化するためには、粗粉砕の段階で豆と水とを混合して湿式粉砕した方が好ましい。
その際の豆と水との混合比率(重量比)は任意であるが、後の微粉砕工程を考慮して、通常、5:95〜35:65であり、20:80〜30:70が好ましい。かかる範囲内であれば、得られるコーヒー懸濁液の粘度が適正であり、作業効率も良好である。
前記湿式粉砕による粗粉砕により、焙煎コーヒー豆の粗粉砕物を含有するコーヒー懸濁液を得ることができる。
前記粗粉砕済焙煎コーヒー豆または乾式粉砕により得られた粗粉砕物は、水と混合することにより、コーヒー懸濁液を調製することができる。本発明で用いられる水は、イオン交換水、蒸留水、ショ糖溶液等が挙げられる。前記コーヒー懸濁液中の焙煎コーヒー豆と水との重量比は、通常5:95〜35:65であり、20:80〜30:70が好ましい。かかる範囲内であれば、コーヒー懸濁液の粘度が適正であり、作業効率も良好である。
次に、前記コーヒー懸濁液にガラクトマンナン分解酵素を添加して微粉砕機で微粉砕する工程を行なう。
前記ガラクトマンナン分解酵素は、ガラクトマンナンを分解し、かつ食品製造に使用される酵素であれば特に制限されるものではないが、ガラクトマンナンに対する特異性が高いアスペルギウス・ニガー由来のマンナナーゼが好ましい。市販品として、セルロシンGM5(商品名、阪急バイオインダストリー製、Aspergillus niger 由来、10000units/g)が好ましく用いられる。
前記マンナナーゼの力価(ガラクトマンナン糖化力)は、ローカストビーンガム(pH5.0)を基質とし、40℃、1分間に1μmoleのマンノースに相当する還元力の増加をもたらす酵素量を1unitとする。
前記ガラクトマンナン分解酵素の添加量は、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来のマンナナーゼの場合、前記焙煎コーヒー豆1gに対して通常300〜800unitsであり、300〜500unitsが好ましい。800unitsを超えると、コーヒー懸濁液の粘度が低下しすぎて微粉砕時に剪断力がかからず、メジアン径が小さくならないし、さらに味覚にも悪影響を及ぼす傾向がある。一方、300units未満では、コーヒー懸濁液の粘度の低下が得られず、微粉砕できなくなる傾向がある。
また、酵素の添加量と関係するコーヒー懸濁液の粘度は、添加量が多く微粉砕前後の粘度が、0.1Pa・s以下のものは、上述のように剪断力がかかりにくい。微粉砕前で0.3Pa・s程度、微粉砕後で0.6〜1.4Pa・s程度の粘度となるような添加量が、効果的な微粉砕をもたらす。なお、その中でも0.8〜1.0Pa・sの範囲が粉砕後の粒子径が良好で、かつ粉砕工程そのものも良好である。
前記コーヒー懸濁液にガラクトマンナン分解酵素を添加した後、酵素反応を行なう。酵素反応条件は、使用する酵素に応じて適応する条件下で実施すればよい。反応温度は、通常30〜75℃、好ましくは40〜65℃、反応時間は1時間程度である。
その後、前記酵素を添加したコーヒー懸濁液を85〜130℃で60分〜30秒間加熱することにより、酵素の失活を行う。
次に、酵素処理後のコーヒー懸濁液を微粉砕機を用いて微粉砕する。
前記微粉砕機としては、例えば、アイメックス(株)製の湿式グラインダー(NVMタイプ)のような機構を持つビーズミルが好適に用いられる。
前記湿式グラインダーを用いた場合、酵素処理後のコーヒー懸濁液を直径0. 5mmのセラミックボール(ジルコニア)を含む水平室に通して微粉砕に供する。水平室の中でディスク付きの回転軸が高速で回転し、ビーズとコーヒー懸濁液中の粗粉砕物を衝突させる。この場合のディスクの周速は、6m/秒程度の高速が好ましい。
この粉砕機の機構は、水平室内の一端に一定の間隙のスリットが設けられており、微粉砕されたコーヒー懸濁液を連続的に取り出すことが可能である。さらに、前記調整された間隔のスリットにより、セラミックボールは水平室内にとどまり、微粉砕物と分離される。
前記微粉砕工程は、所望のメジアン径になるまで2回以上繰り返すことができる。作業時間との関係から、2〜7回が好ましく、2〜4回がより好ましい。
このようにして、本発明のコーヒー液が得られる。
また、本発明は、前記本発明の処理方法に続いて、前記微粉砕工程で得られたコーヒー液を乾燥する工程を含む粉末コーヒーの製造方法を提供する。
前記乾燥工程は、特に限定されないが、公知の乾燥機および方法を用いて行なうことができる。乾燥工程は、目的に応じて、微細な粒子を低コストで提供することができる噴霧乾燥機、または高品質な粉末コーヒーを提供することができる凍結乾燥機を用いて行なうことができる。乾燥方法は、噴霧乾燥機または凍結乾燥機の装置規模と形式に応じた条件で行えばよいが、含水率2〜3%まで乾燥させる。
このようにして、本発明の粉末コーヒーが得られる。前記粉末コーヒーは、目的に応じて所定のふるいにかけ、一定の粒度以下に分粒することができる。
本発明のコーヒー液または粉末コーヒーは、そのすべてを飲用または食用に供することができ、密封包装されて市場に供給される。本発明のコーヒー液は、そのままでまたは適当な濃度に希釈して飲用または食することができる。本発明の粉末コーヒーをコーヒー飲料として供するには、通常のコーヒーカップ1杯当たり2g〜6g程度入れ、温水または冷水を加えて適宜撹拌すればよい。好みにより、砂糖、ミルク等を添加してもよい。
[実施例]
以下、実施例等により本発明を詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例等により何ら限定されるものではない。
下記実施例等で共通する方法、装置および測定法を説明する。
[粗粉砕工程]
石うす式の粉砕機(商品名、セレンディピターミニ、増幸産業(株)製)を用いて、粗粉砕を行なった。ディスクのクリアランスを40μmに設定し、粉砕したい焙煎コーヒーと水とを混合し、粉砕機に供給して湿式粉砕した。供給速度は、0.7kg/分で、ディスクの回転数は2000rpmとした。
[酵素処理]
アスペルギウス・ニガー由来のマンナナーゼであるセルロシンGM5(商品名、阪急バイオインダストリー製、Aspergillus niger 由来、10000units/g)をコーヒー懸濁液に添加し、60℃で60分間酵素処理をした後、90℃で10分間加熱して酵素を失活させた。
[微粉砕工程]
アイメックス(株)製の湿式グラインダー(NVM型)を用いて、酵素処理後のコーヒー懸濁液を直径約0. 5mmのセラミックボール(ジルコニア)を含む水平室に通して微粉砕に供した。水平室の中でディスク付きの回転軸を高速で回転させ、ビーズとコーヒー懸濁液中の粗粉砕物を衝突させた。ディスクの周速は、6〜9m/秒であった。前記水平室内の一端に一定の間隙のスリットが設けられており、微粉砕されたコーヒー懸濁液を連続的に取り出した。セラミックボールは水平室内にとどまり、微粉砕物と分離した。
[粘度測定]
B型粘度計にて、各粘度ごとにローターと回転数を選択して、測定した。
[粒度測定]
日機装(株)製のマイクロトラックHRA型9320−X100を用いて、測定時の溶媒にメタノールを用い、測定前に1分間超音波処理を施した後、粒度を測定し、累積分布からメジアン径を求めた。
試験例1
湿式粉砕によるコーヒーの性状を調べるため、以下の実験を行なった。本実験においては焙煎コーヒー豆と水との重量比が26:74で粗粉砕機に投入し、粗粉砕を行なった。得られたコーヒー懸濁液に、焙煎コーヒー豆の4重量%の酵素を添加して酵素処理を行った。また、比較のため、酵素処理しないコーヒー懸濁液も準備した。これらのコーヒー懸濁液の粘度と粒度を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0004171906
表1より、コーヒー豆を粗粉砕した後のコーヒー懸濁液は、酵素処理の有無に関わらず同様の粘度を示した。
実施例1
前記試験例1による粗粉砕して酵素処理をしたコーヒー懸濁液を、焙煎コーヒーの濃度を10重量%に調整し、第二段階の微粉砕工程に供した。この場合、コーヒー懸濁液を、0.35ml/分の速度で微粉砕機の水平室内へ供給した。セラミックボールの充填量は、間隙容積の85%とし、回転軸に固定されているディスクの直径は50mmとした。ディスクの周速は、6m/秒であった。得られたコーヒー液について、結果を表2に示す。
比較例1
前記試験例1の酵素処理しないコーヒー懸濁液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、コーヒー液を得た。結果を表2に示す。
Figure 0004171906
表2より、酵素処理をしたコーヒー懸濁液を微粉砕工程に供すると、粘度が0.148Pa・sとほとんど変化しないが、酵素処理をしないコーヒー懸濁液の粘度は1.0Pa・sにまで上昇することがわかる。コーヒー液のメジアン径は、同等であった。
実施例2
前記実施例1により得られた微粉砕後のコーヒー液をさらに同一の微粉砕装置に供給し、実施例1と同様の微粉砕工程を繰り返した。結果を表3に示す。
Figure 0004171906
表3より、30.05μmのメジアン径を有するコーヒー懸濁液を、さらに2パス、3パス、4パス微粉砕して得られたコーヒー液のメジアン径は、それぞれ16.11μm、14.89μm、14.50μmというように徐々にダウンサイズしていることがわかる。
実施例3
前記実施例1により得られた微粉砕後のコーヒー液をさらに同一の微粉砕装置に供給し、ディスクの周速を6m/秒から9m/秒に変更したこと以外は実施例1と同様の微粉砕工程を繰り返した。結果を表4に示す。
Figure 0004171906
表2および4より、ディスクの周速を6m/秒から9m/秒に増加させることにより、低粘度のコーヒー液が得られることがわかる。
実施例4
前記実施例3により得られた微粉砕後のコーヒー液をさらに同一の微粉砕装置に供給し、ディスクの周速を9m/秒に設定して実施例3と同様の微粉砕工程を繰り返した。結果を表5に示す。
Figure 0004171906
表3および表5より、微粉砕工程でのディスクの周速を6m/秒から9m/秒に増加させることにより、粉砕効率が向上していることがわかる。
実施例5
前記試験例1による粗粉砕後のコーヒー懸濁液(焙煎コーヒーの濃度が26重量%)に、焙煎コーヒー豆の4重量%の酵素を添加して処理し、濃度調整せずに第二段階の微粉砕工程に供した。この場合、コーヒー懸濁液を、0.35ml/分の速度で微粉砕機の水平室内へ供給した。セラミックボールの充填量は、間隙容積の85%とし、回転軸に固定されているディスクの直径は50mmとした。ディスクの周速は、6m/秒であった。得られたコーヒー液について、結果を表6に示す。
Figure 0004171906
表2および6より、コーヒー濃度が10重量%よりも26重量%の方が小さいメジアン径を有し、かつ粒度分布の幅の狭いコーヒー液となることができ、微粉砕工程も良好に進行した。
実施例6
前記試験例1による粗粉砕後のコーヒー懸濁液(焙煎コーヒーの濃度が26重量%)に、焙煎コーヒー豆の8重量%の酵素を添加して処理し、濃度調整せずに第二段階の微粉砕工程に供した。この場合、コーヒー懸濁液を、0.35ml/分の速度で微粉砕機の水平室内へ供給した。セラミックボールの充填量は、間隙容積の85%とし、回転軸に固定されているディスクの直径は50mmとした。ディスクの周速は、6m/秒であった。得られたコーヒー液について、結果を表7に示す。
実施例7
前記実施例6において、酵素処理後のコーヒー懸濁液のコーヒーの濃度を10重量%に調整したこと以外は実施例6と同様にして、コーヒー液を得た。得られたコーヒー液について、結果を表7に示す。
Figure 0004171906
表6および7より、酵素の添加量を8重量%に増やすことによりコーヒー液の粘度は低下するが、それにより剪断力も低下して、得られるコーヒー液のメジアン径は酵素添加量が4重量%のものよりも大きいことがわかる。
比較例3
実施例5において、酵素処理を施さなかったこと以外は実施例5と同様にして、微粉砕工程を行なった。ただし、本比較例の実験は、粉砕そのものが懸濁液の有する非常に高い粘度のために困難を窮め、連続的な粉砕が安定的に行えず、単に少量の粉砕物を得るにとどまった。粉砕物の粘度は383.7Pa・s、メジアン径は17.76μmであったが、この値は少量の粉砕物から得られたデータに過ぎない。
[官能試験]
実施例1〜7および比較例1で得られたコーヒー液を、95℃の温水で焙煎コーヒー量として1.43重量%含有するように希釈し、3名のパネラーにより味覚および舌触りを評価した。
その結果、実施例のコーヒー液は、味覚が良好であり、舌触りも滑らかであった。ただし、実施例6および7のコーヒー液は、酵素量の添加量が他の実施例品に比べて多いため酸味を強く感じた。比較例のコーヒー液は、味覚は実施例品と同等であったが、飲用後にざらつき感が残った。

Claims (13)

  1. 焙煎コーヒー豆の粗粉砕物を含有するコーヒー懸濁液にガラクトマンナン分解酵素を添加して微粉砕機で微粉砕する工程を含む焙煎コーヒーの処理方法。
  2. 前記微粉砕工程の前に、焙煎コーヒー豆と水とを粉砕機に入れて粗粉砕し、コーヒー懸濁液を調製する工程をさらに有する請求項1に記載の処理方法。
  3. 前記コーヒー懸濁液中の焙煎コーヒー豆と水との重量比が20:80〜30:70である請求項1または2に記載の処理方法。
  4. 前記ガラクトマンナン分解酵素がアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来のマンナナーゼであって、前記焙煎コーヒー豆1gに対して300〜500units添加する請求項1〜3いずれかに記載の処理方法。
  5. 前記微粉砕工程を2回以上繰り返す請求項1〜4いずれかに記載の処理方法。
  6. 請求項1〜5いずれかに記載の処理方法により得られたコーヒー液。
  7. 焙煎コーヒー豆の粗粉砕物を含有するコーヒー懸濁液にガラクトマンナン分解酵素を添加して微粉砕機で微粉砕する工程および前記微粉砕工程で得られたコーヒー液を乾燥する工程を含む粉末コーヒーの製造方法。
  8. 前記微粉砕工程の前に、焙煎コーヒー豆と水とを粉砕機に入れて粗粉砕し、コーヒー懸濁液を調製する工程をさらに有する請求項7に記載の製造方法。
  9. 前記コーヒー懸濁液中の焙煎コーヒー豆と水との重量比が20:80〜30:70である請求項7または8に記載の製造方法。
  10. 前記ガラクトマンナン分解酵素がアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来のマンナナーゼであって、前記焙煎コーヒー豆1gに対して300〜500units添加する請求項7〜9いずれかに記載の製造方法。
  11. 前記微粉砕工程を2回以上繰り返す請求項7〜10いずれかに記載の製造方法。
  12. 前記乾燥工程が噴霧乾燥機または凍結乾燥機を用いて行なわれる請求項7〜11いずれかに記載の製造方法。
  13. 請求項7〜12いずれかに記載の製造方法により得られた粉末コーヒー。
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