JP4171822B2 - 液体を収容した軟質容器に被着する外容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願の発明は、軟質の熱可塑性合成樹脂からなる袋状その他の可撓性容器や紙製箱体の内部に合成樹脂製の袋体を内挿した容器、あるいは、合成樹脂フィルムやアルミニウム箔で内張りされた紙製容器等からなる軟質容器に、ジュースやその他の液体飲料、または、シャンプーやその他の洗剤、あるいは、化粧品等の各種液状物が充填されてなる軟質容器の外側に、合成樹脂や金属その他からなる硬質の容器を被着して保護すると共に、外観の見栄えをよくするようにした外容器に係わるもので、特に、外容器内に挿入した液状物が充填されている軟質容器に液体注出装置を取り付けて、内容器が破損することがないようにして、容器内の溶液を簡単に注出可能にした液体注出容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従前には、ジュースやビールその他の各種の液体飲料は、ガラス製の容器に充填されたものが一般的であったが、これらの容器に充填されたものは重くて、破損し易いことから、近年は金属缶や合成樹脂製の中空容器からなる各種容器に充填したものが多用されるようになった。
しかし、上記アルミ等の金属容器や熱可塑性合成樹脂をブロー成形した容器等は、空の容器を移送する際に大きな容積を取り、また、容器の大きさや容量にも制限があり、更には、容器の製造コストの低減が難しい等の理由から、収容する内容物によっては大きな容量をして、価格の安い容器が求められる場合には、合成樹脂製の袋状をした容器や合成樹脂フィルムやアルミ箔等で内張りされた紙製容器、あるいは、袋状容器を内蔵した紙製容器等の各種容器が用いられることがある。
【0003】
上記したような容器として用いられている袋状をした容器には、実開昭62−134826号や実開昭63−34070号公報等に記載されるようなものが、また、紙製その他の箱体内に軟質の袋状容器を内蔵した、所謂、パウチ容器としては、実公昭44−20871号や実開昭51−61518号公報等に記載されるようなものが、内張りをした紙製容器としては、特開平7−187235号や特開平9−202357号公報等に記載されるような、所謂、バックインボックスと称する容器が、一般的に知られている。
【0004】
上記した容器の中で、特開平7−187235号や特開平9−202357号公報等に記載されるようなバックインボックスの容器は、容器の構造がある程度の剛性を備えており、そのままの状態で使用して内溶液を注出したとしても、ある程度の範囲内であれば、容器が変形したり、破損して液漏れを生じたりするようなこともないし、また、外形上の考慮もなされた自立性を有するように形成されている。
しかし、実開昭62−134826号や実開昭63−34070号公報等に記載されるような袋状をした容器は、安定性がなくてややもすると破損し易くて、自立性に欠けて見栄えの悪い点もあり、安定した状態で使用することが難しく、また、実公昭44−20871号や実開昭51−61518号公報等に記載されるようなパウチ状の紙容器等は、破損し易い点はやや改良されたが、容器が変形したり、見栄えがあまり良くない点があり、まだ改善の余地がある。
【0005】
そこで、これらの液体を収容した袋状またはパウチ状の容器60は、図11に示すように、軟質の材料で作られた袋状の液体を収容する容器本体61の開口端部61aに、吐出口と蓋部63を有する注出具64に導出管62を設けたものが固着されていて、容器内の延設された導出管の先端部62bから内容液を吸引して、吐出口62aから注出可能に構成されている。
そして、上記のように構成された軟質容器に、別体に成形された外容器を被せて該容器全体を覆うことにより、内部の軟質容器を保護すると共に容器に安定性を持たせて、また、外見の見栄えも良くするようにすることが考えられる。
そのような一つの例としては、実開平6−49353号公報に記載されているように、軟質性の内部容器の外側に別体の外容器を被着して、内部容器の保護と自立性とを有するようにした保護容器が、従来から一般に知られている。
【0006】
上記の考案は、図11に示すような軟質材で形成された容器本体61に各種の溶液が収容されて、上端部に吐出具64が設けられてなる液体容器60に対して、硬質の材料で成形された外容器65を被着せしめることにより、外容器65の内部に液体が収容された内部容器60を挿入して一体に固定した液体容器に於いて、図13に示されるように、前記内部液体容器60の注出具64を取り除いてから、代わりに液体注出装置67を螺着して、内部の液体容器60の内溶液を注出可能に形成した液体注出容器68を構成したものである。
このように形成された注出装置を備えた液体注出容器68は、軟質の内部液体容器60が外容器65により保護されているので破損するようなこともなくて、また、前記液体注出容器自体も安定した自立性を有することとなり、更に、外部容器65は、内部容器の形状と直接に関係した形状に成形する必要もないので、ある程度はデザインその他で好みの形状に成形することができることから、外容器は外見の見栄えの良いものにすることができる。
【0007】
しかし、上記のように構成された液体注出容器68に於いては、図12に示されたものからも分かるように、軟質の内部液体容器60に被着せしめる硬質の外容器65は、軟質の内部容器に対して上部から被せる上半部分65aと、軟質の内部容器の胴部を収容する下半部分65bとに二分割された構造に形成されていて、内部に軟質容器を収容した外容器の下半部分65bに上部から上半分65aを被せるようにして嵌合せしめて、箱状に形成された外容器に内部容器が装着された液体注出容器68に構成されたものである。
そして、前記外容器の上半部分65aには注出装置67を突出せしめる開口部65cが設けられていて、また、下半部分65bには胴壁に連接した底壁65dが設けられていて、前記外容器は、上半分と下半分とが開口端部で接合されて一体になる構造をしている。
【0008】
従って、上記のような構造をした外容器65内に、注出装置67が固着された軟質の内部容器60を収容して、内溶液を注出可能にした液体注出容器68を構成するには、前記外容器を上半部分65aと下半部分65bとを分離してから、下半部分65bに内部容器60を収容した後で、内部容器60の上端部に設けられた注出具64の吐出口に螺着された蓋部63が、外容器を上半部分65aの開口部から突出するように被せて、上半部分を下半部分に嵌合せしめて一体にしてから、前記蓋部を除いてから液体注出装置67の注出ポンプを吐出口内に挿入して固定するか、あるいは、注出具64を抜き取って交換した液体注出装置67を螺着して固定しなければならない。
【0009】
上記のようにして液体注出装置67を装着して構成された液体注出容器68に、一般的に用いられる液体注出装置としては、図13に示すように、構造が簡単で、組み立てが容易である往復動式の注出ポンプが使用される。
上記の往復動式注出ポンプの一般的な構造は、容器の口頸部に螺着される蓋体からなる装着部材52に注出ポンプを構成する大径のシリンダー53と小径の管状ピストン54とを垂設して、大径のシリンダー53内に環状ピストン55を摺動可能に設けて、前記シリンダー53の先端部に加圧室Aを形成するピストン棒56と逆止弁57を設けると共に、該心棒の先端部と環状ピストンとの間に圧縮バネ58を設けて、上下動可能に保持された前記ピストンを付勢するように構成して、前記管状ピストン54の上端部に吐出弁59を有する噴射ヘッド50を嵌着すると共に、前記大径シリンダー53の底部に吸い上げ管55を接続して、噴射ヘッド部50の往復動操作により溶液を注出するようにしたものである。
【0010】
上記したような液体注出容器は、噴射ヘッド部50を手先で押圧するだけで注出できるので便利であるが、しかし、上記のような構造をした外容器65に軟質の内部容器60を収容して、液体注出装置67を取り付けて注出可能に構成するには、組み立てるのにやや手間が掛かり過ぎて面倒な点があり、また、上記のように上下の二つに分割された容器を嵌合可能な構造にして外容器65に成形するには、成形金型その他の面から製造コストを低減するのが難しい点がある。
そこで、液体を収容した軟質の容器に、別体に成形された外容器を被せて該容器全体を覆うことにより、内部の軟質容器を保護すると共に容器に安定した自立性を持たせて、その外見の見栄えを良くする液体注出装置を構成するのに、従来のような手間が掛からずに、もう少し簡単に組み立てることができるようにした外容器であって、且つ、そのような外容器を安価に製造することができて、見栄えもよくて、安定性がある構造をした外容器の出現が望まれる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記したような袋状またはパウチ状に形成された軟質容器に各種の溶液が収容された内部容器に、別体に成形された硬質の外容器を被せて前記軟質容器全体を覆って、内部の軟質容器を保護すると共に、容器に安定した自立性を付与するように形成した液体注出容器に於いて、前記外容器を外見の見栄えが良くて、外容器を軟質容器に容易に被着させることができるように簡単な構造にすると共に、該外容器を安価に製造することができるような構造にして、且つ、前記のような構造に形成した外容器を前記内部容器に被着して形成されてなる液体注出容器を手で把持し易い構造にしたものを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、上記したような課題を解決するために、袋状やパウチ状に形成された軟質容器に各種溶液が収容されてなる内部容器に被着して保護する硬質の外容器を、合成樹脂の射出成形により前記溶液が収容された軟質の内部容器を収容するのに適した形状に成形するのに、前記外容器の頂壁部には内部に挿入される液体を収容した内部容器の注出具の口頸部を突出せしめて装着可能な開口部を形成すると共に、該外容器の底部には壁面を設けずに底抜け状に形成した一体構造に外容器を形成して、前記内部容器に外容器を底部から被着可能に構成する。
【0013】
そして、各種溶液が収容されてなる軟質の内部容器に対して上記のように形成した外容器を底部から被着せしめて、内部容器に装着、固定されてなる注出具の口頸部を外容器の頂壁部に設けた開口部から突出せしめて固定して、前記注出具の口頸部に注出ポンプを有する液体注出装置を装着して、袋状やパウチ状の軟質容器からなる内部容器と硬質の外容器が一体になるように固定されていて、内溶液を注出ポンプにより注出可能にした液体注出容器を構成する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本願発明の外容器は、その内部に各種の溶液が収容された軟質の内部容器を収容するのに適した形をした箱状の容器に合成樹脂の射出成形により成形して、該箱状をした容器の頂壁部には、内部に溶液を収容した内部容器の注出具の口頸部を突出せしめて装着できるように開口部を形成すると共に、該箱状をした容器の底部には、底壁を設けずに底抜け状に形成することにより、前記底部の開口部から内部容器を装着できるように一体構造をした外容器を形成する。
【0015】
上記のように形成された外容器に、液体を収容した袋状やパウチ状の軟質容器の開口端部に吐出用の口頸部を有する注出具が密着状に固定された内部容器を、外容器の底部の開口部から挿入して、前記注出具の吐出口を前記頂壁の開口部から突出せしめた状態にして固定して、該注出具の口頸部に設けられたネジ蓋等を外してから、前記口頸部内に液体注出装置の注出ポンプ部分を挿入せしめて、該注出装置を前記注出具の口頸部に装着、固定して液体注出容器を構成する。
このように構成された液体注出容器は、液体注出装置の噴射ヘッド部を押圧することにより軟質の内容器に収容された各種溶液を吸い上げて、噴射ヘッドに設けた噴射ノズルから噴射せしめて注出する。
【0016】
【実施例】
以下に、本願発明である変形し易い軟質容器を保護する外容器と、該外容器を用いてなる液体注出容器について、最適な一つの実施例に基づいて、図面を参照しつつ詳細に説明する。
本願発明の第一の実施例に係わる外容器1は、図4に示すように、熱可塑性合成樹脂の射出成形により成形された、底壁のない略直方形の箱状体をした外容器本体2と、該容器本体の平坦面と側壁部からなる頂壁部2aに摺動可能に装着されるコの字形に成形された板状体からなる保持体3とから構成される。
そして、前記箱状体の頂壁部2aの平坦面の中央部には、図5に見るように、内部に装着される軟質容器11の上端部に設けられた注出具12の吐出口を有する口頸部15が突出する開口部4が形成されると共に、該開口部から突出した前記口頸部に装着される液体注出装置を固定するための保持体3を係合して摺動させる係合溝5が形成されている。
【0017】
上記のようにして開口部4が形成された前記外容器本体2の頂壁部2aには、図4に見るように、軟質の内部容器に設けられた吐出口を有する口頸部を突出可能にした円形状の孔が形成されて、該円形状の孔の両側には、内部容器の口頸部を固定する前記保持体3の裏面に設けられた係合片を係合するための係合溝5が、頂壁部2aの前後方向に延びるように形成されている。
そして、前記外容器本体2の頂壁部2aの平坦面と側壁面を跨ぐようにして装着される保持体3は、その裏面に設けられた係合片6を前記係合溝5に係合して、図2に示すように、前後方向へ摺動できるように装着されていて、開口部から突出した内容器の口頸部に装着された液体注出装置を前記保持体3により挟着して固定できるようになっている。
【0018】
尚、上記した外容器本体2の頂壁部2aに形成される開口部4を、円形状をした孔の周縁部に長孔状の切り欠き4aを設けた形にしておけば、収容される内部容器11に設けられた注出具12が噴射ノズルを有する液体注出装置であっても、噴射ノズルが開口部の切り欠き4aを通ってスムーズに突出させることができるので、内部容器11は噴射ノズルを外さなくても簡単に装着して固定することができて、一層便利であるが、本願発明に於ける開口部は、このような形状をしたものに限定されるものではなくて、内部容器の構造や注出具、あるいは、装着される注出装置の形状等に合わせて、適当な形状のものにすることができる。
【0019】
上記した内部容器の口頸部や液体注出装置を固定するための前記保持体3は、図4に見るように、箱状体をした外容器本体2の頂壁部の上に跨げるように中央部分の平坦面3aの両端部に垂直面状の脚部3bが直角に垂設されたコの字形をした板状体からなり、該板状体の平坦面3aには略U字状の切り欠き3cが設けられると共に、該平坦面3aの裏側にはコ字状の切り欠き部3cを挟んだ位置に前記頂壁部の係合溝5に係合する係合片6が突設されている。
このように形状をした液体注出装置を固定するための保持体3は、前記外容器本体2の上部に跨がるようにして頂壁部2aに設けられた係合溝5に係合片6が嵌合せしめられてスライド可能に形成されて、軟質の内部容器に被着可能となした外容器1が構成される。
【0020】
上記のように構成された外容器1は、図5に示すように、内部に各種の溶液が充填された注出具12を備えた軟質の容器11に対して、上方から被せるようにして被着されると、前記注出具12の先端部が外容器1の開口部4から突出した状態となって、軟質容器11は外容器1内に挿入される。
このようにして外容器1内に挿入された軟質の容器11は、図6に示したように、外容器1の開口部4から注出具12の口頸部15が突出した状態になるが、前記注出具の口頸部の外周面には、成形工程で容器を移送したり、内容液を充填したりする際に、容器を把持したり、位置決めしたりするために設けられた複数の鍔部13が、丁度外容器1の頂壁部の開口部4の部分に突出するので、外容器1の頂壁部2aに設けられている前記保持体3を前方へスライドさせると、前記保持体3のU字状をした切り欠き部3cの周縁部が前記鍔部13の間に押し込まれて、外容器1の開口部4に挟着されるので、軟質の内容器11は外容器1に固定されて一体になる。
【0021】
このようにして外容器1に内部容器11を挿入して一体に固定したら、内部容器11の吸い上げ管(導出管)16を有する注出具12の口頸部分15に螺着されている蓋体14を取り外して、液体注出装置7の注出ポンプ部分を挿入するか、あるいは、前記注出具全体を引き抜いて、代わりに液体注出装置7の注出ポンプ部分を装着せしめるかして、図1に示されるように、前記口頸部部分15に噴射ヘッド部9を有する液体注出装置の円筒状をした蓋部8を螺着して液体注出装置7を固定することにより、液体を収容した軟質の内部容器11が保護用の外容器1に収容されて、注出ポンプ装置を備えた液体注出容器が構成される。
【0022】
上記のように構成された液体注出容器に装着される注出ポンプ装置の基本的な構造は、図14に示すものと同じ往復動式の注出ポンプが一般的であるから、詳しい説明は省略するが、上記のような構成をした液体注出容器に於いては、図3に示すように、液体注出装置7の噴射ヘッド部9を蓋部8から外すことにより、シリンダー内部に設けたスプリングにより上下方向に往復動可能となしてから、前記注出装置7の噴射ヘッド部9を押圧して注出操作を行うと、ピストン9bが往復動して液体注出装置7のシリンダー部が加圧されるので、シリンダーの内部にあった溶液は、噴射ヘッド部9のノズル9aから噴射して注出される。
従って、上記のように構成された液体注出容器にあっては、軟質容器からなる溶液を収容した内部容器11は、硬質の外容器1で覆われているので、変形したり、破損することもなく、また、自立性があるので、テーブルや洗面台等の色々な場所に置いて簡単に使用することができる。
【0023】
そして、前記した実施例に於いては、軟質の内部容器を収容した底壁のない略直方形の箱状体をした外容器本体2の頂壁部2aに跨がった状態でスライドする垂直な両脚部3bと中央部分の平坦面3aとで形成されるコの字形をした板状体からなる保持体3を、その中央平坦面3aの裏面に突設した係合片6を外容器の頂壁部2aの平坦面に設けた係合溝5にスライド可能に係合せしめることにより、内部容器に設けられた液体注出装置を前記保持体3により挟着して固定できるような構造にしたものであったが、本願の発明は、このような構造をしたものに限定する必要はない。
【0024】
例えば、外容器1の上部に跨がった前記した垂直な両脚部3bと中央部分の平坦面3aからなるコの字形をした保持体3を、頂壁部2aの平坦面に係合させるようにせずに、前記保持体3の垂直な両脚部3bの内側に係合片をを形成して、図4に点線で示すように、頂壁部2aの側壁面に設けた係合溝5aにスライド可能に係合させても、内部容器に設けられた液体注出装置を挟着して外容器に一体に固定することもできる。
また、上記実施例に於いては、液体注出容器を構成する外容器の頂壁部の開口部に往復動式の注出ポンプからなる液体注出装置を設けたが、本願の発明は、このような注出装置に限らず、トリガー式の液体注出装置であってもよいし、開閉蓋を有するもっと簡単な液体注出具であってもよい。
【0025】
上記したような構造にした本願発明の外容器は、液体を収容した軟質性の容器を保護すると共、該容器内の溶液を注出する注出装置を簡単に装着できて、非常に便利ではあるが、しかし、外容器本体の頂壁部に保持体をスライド可能に装着する際に、誤って保持体を逆向きに装着することがあり、そのような場合には、外容器内に収容された内部容器が安定した状態で固定されずに不都合を生ずることがある。
【0026】
そこで、誤って保持体が逆向きに装着されるようなことがないようにするために、本願発明に於いては、図8に示すように、箱状体をした外容器本体32の頂壁部32aにコの字形をした保持体33をスライド可能に設けるために平行に形成された一対の係合溝35の脇に逆装着防止片を設けて、逆向きに装着されるのを防止するようにしたもので、一方には二個の逆装着防止片38を、他方には一個の逆装着防止片38をそれぞれ立設して、また、前記保持体33には、裏側に設けられた外容器の頂壁部の係合溝に係合する係合片36の前方に逆装着防止用の突起片37を突設して、更に、保持体33の両脚部33bの外面には装着し易いように複数の滑り止め用のリブ33dを設けている。
【0027】
図7に示す実施例に於いては、上記した逆装着防止片38は、保持体33をスライド可能に係合する一方の係合溝35には、その溝を挟んで両脇に二つの逆装着防止片38が立設されていて、他方の係合溝35には、溝の内側に一つの逆装着防止片38が立設されていて、更に、前記係合溝35の内側に立設した逆装着防止片38の外側面には、前記保持体33が戻るのを防止するリブ38dが設けられている。
そして、上記した保持体33は、図8に示すように、中央部の平坦面33aの裏面に設けられた外容器の頂壁部の係合溝35に係合する一対の係合片36のうち、逆装着防止片38が両脇に立設した係合溝35に係合する係合片36の前方内側には逆装着防止用の突起片37が突設されて、また、逆装着防止片38が内側に一個だけ立設した係合溝35に係合する係合片36の前方外側には逆装着防止用の突起片37が突設されている。
【0028】
このように形成された保持体33が、図7に示すような正しい向きに装着される場合には、保持体は外容器の頂壁部を跨いだ状態で、その係合片36の先端部が両側の係合溝35にそれぞれ係合して係止されると共に、逆装着防止用の突起片37は係合溝脇の頂壁部に密着してスライド可能に装着される。
しかし、前記保持体33が、図7に示すのとは反対の逆向きに装着される場合には、保持体は外容器の頂壁部を跨いだ状態で、その係合片36の先端部が両側の係合溝35にそれぞれ係合して係止されるが、スライドさせようとしても、逆装着防止用の突起片37が係合溝35の脇に立設した逆装着防止片38に引っ掛かって、スライドさせることが不可能となる。
【0029】
尚、本願発明の液体注出容器に於いては、図10に示すように、外容器本体2の側壁部に把手10を付けることにより、該注出容器が非常に持ち易くなるので、少々大きな容器であっても使用する際に色々な場所に持ち運びするのが容易で、且つ、便利になる。
また、外容器本体2に図9に示すような把手を設けたものは、成形がやや複雑になり、また、把手部分が外側へ余分に突出しているので、外容積がやや大きくなって、収納するのに場所をとることから、図10に示すように、外容器本体2の胴壁部に指先が掛かるように切り欠き部10aを形成することにより、把手の代わりとして容易に持ち運びできるようにすると、収納場所も取らなくなり、また、積み重ねて収納することができるようにもなり、梱包が楽になると共に安価に製造することができる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本願の発明は、袋状やパウチ状をした軟質容器を収容する外容器には底部を設けていないので、外容器を軟質容器の上部から被せるだけで被着できるように箱体状をした簡単な構造に形成したので、ある程度の範囲内の形状をした各種の軟質容器からなる内部容器であれば、外容器を被着して簡単に固定して一体にすることができて、安全で取扱いが非常に容易となり、また、外容器は、熱可塑性合成樹脂の射出成形により簡単に成形することができるので、生産性がよくて、安価に製造することができる。
また、外容器の装着部に逆セット防止片を設けることにより確実に装着することができて、更に、外容器に把持部を設けることにより、大きな容器であっても、持ち運びするのが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の第一発明の外容器を内部容器に被着した液体注出容器を示す側面図である。
【図2】図1に示す液体注出容器の平面図である。
【図3】本願発明の外容器に内容器を収容した容器に液体注出装置を設けた側面図である。
【図4】本願の第一発明の外容器を示す斜視図である。
【図5】本願の第一発明の外容器を内部容器に被着する説明の断面図である。
【図6】本願の第一発明の外容器を示す斜視図である。
【図7】本願発明の外容器に逆装着防止を設けた第三発明の側面図である。
【図8】図4に示す外容器に装着する保持体の断面図(a)と斜視図(b)である。
【図9】本願発明の外容器に把手を設けた液体注出容器の側面図である。
【図10】本願発明の外容器の胴壁部に把持部を設けた液体注出容器の側面図である。
【図11】溶液を収容した軟質容器を示す斜視図である。
【図12】従来の外容器を軟質容器に被着した液体注出容器を示す斜視図である。
【図13】液体注出容器に用いる一般的な往復動式の注出ポンプを示す断面図である。
【符号の説明】
1. 外容器
2. 外容器本体
2a.頂壁部
3. 保持体
3a.平坦面
3b.脚部
3c.切り欠き部
4. 開口部
5. 係合溝
6. 係合片
7. 注出装置
8. 蓋部
9. 噴射ヘッド
Claims (10)
- 液体を収容した軟質の容器に被着せしめて、内溶液を注出可能に固定する概略箱状をした外容器体であって、前記外容器体の頂壁部には、軟質の内部容器に設けらた注出用の口頸部を突出せしめて、該口頸部に液体注出具を取り付け可能にした開口部を設けて、該開口部の両側には、前記外容器体の頂壁部に装着可能な概略コの字状をした保持体の裏面に設けた係合片が係合して前記内部容器を注出可能に保持して固定する係合溝を設けると共に、前記外容器体の底部には壁面を設けずに底抜け状に形成して、前記液体を収容した軟質の内部容器に前記外容器体を底部から被着せしめて、前記係合溝にスライド可能に係合した前記保持体の端部と開口部の端部とにより前記内部容器の口頸部を挟着して一体となすように固定可能に形成されてなることを特徴とする液体を収容した軟質容器に被着する外容器体。
- 前記頂壁部には、平坦面の中央部分に円形状をした孔の一端部に長孔状の切り欠きを設けた形状に開口部が形成されて、前記内部容器の口頸部を突出可能にしてなることを特徴とする請求項1に記載する液体を収容した容器に被着する外容器体。
- 前記頂壁部には、前記平坦面に設けられた開口部の両側に前記保持体の裏面に設けた係合片を係合してスライド可能に保持する係合溝が平行に形成されてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載する液体を収容した軟質容器に被着する外容器体。
- 前記頂壁部には、前記保持体の係合片を係合する前記係合溝の脇に逆装着防止片を設けると共に、前記一方の係合溝には片側にのみ逆装着防止片を立設して、他方の係合溝には両側に逆装着防止片を対向するように立設せしめて、前記保持体が逆向きに装着されると保持体の裏面に設けた突起片によりスライドを阻止するように形成されてなることを特徴とする請求項1に記載する液体を収容した軟質容器に被着する外容器体。
- 前記保持体は、中央部の平坦面の両端に垂設する脚部からなる概略コの字状をして、前記平坦面には中央部分にU字状の切り欠き部が形成されると共に、裏面には前記係合溝にスライド可能に係合する係合片が突設されてなることを特徴とする請求項1に記載する液体を収容した軟質容器に被着する外容器体。
- 前記保持体は、前記平坦面には中央部分にU字状の切り欠き部が形成されて、裏面には前記係合溝にスライド可能に係合する係合片が突設されると共に、該係合片の前方部には保持体が逆向きに装着された場合には、前記係合溝の両脇に立設する逆装着防止片に係止してスライド不能となる突起片が設けられて、逆装着を防止するようにしてなることを特徴とする請求項5に記載する液体を収容した軟質容器に被着する外容器体。
- 前記保持体は、前記平板状の両側端に脚部を垂設してコの字状に形成して、容器本体の頂壁部を跨ぐように装着して前後にスライド可能に形成されてなることを特徴とする請求項6に記載する液体を収容した軟質容器に被着する外容器体。
- 前記保持体は、前記中央にU字状の切り欠き部が形成された平板状の両側端に脚部を垂設してコの字状に形成して、頂壁部を跨ぐように形成された脚部の内側面に前記係合溝にスライド可能に係合する係合片が設けられてなることを特徴とする請求項1に記載する液体を収容した軟質容器に被着する外容器体。
- 前記外容器体は、胴壁部に把手が設けられてなることを特徴とする請求項1に記載する液体を収容した軟質容器に被着する外容器体。
- 前記外容器体は、胴壁部に指先を挿入可能な開口部が設けられてなることを特徴とする請求項1に記載する液体を収容した軟質容器に被着する外容器体。
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