JP4170086B2 - エンボスキャリアテープの製造方法、及び、エンボスキャリアテープ製造装置 - Google Patents

エンボスキャリアテープの製造方法、及び、エンボスキャリアテープ製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品を収納し搬送時の衝撃や静電気等から保護するためのエンボスキャリアテープ製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンボスキャリアテープは比較的小さい電子部品を収納するエンボス部を有するテープであり、通常、カーボンブラックなどの導電性付加材が添加された熱可塑性樹脂(ポリスチレン等)などから形成される。
【0003】
ここで、エンボスキャリアテープの例を図1(a)及び図1(b)に示す。図1(a)には複数のエンボスが1列に形成されている例を、図1(b)には5列に形成された例を示した。
【0004】
なお、図1(a)に示すエンボスキャリアテープは最初からこのままの形で製造されても良く、また、図1(b)に示すような複数のエンボスからなるエンボス列を複数有するキャリアテープを幅方向にスリットすることによっても得ることができる。
【0005】
このようなエンボスキャリアテープに収納された電子部品は、自動化された部品実装装置などで目的とする基板等に実装される。このとき、エンボスキャリアテープに設けられた複数のエンボス部は高精度に等間隔で形成されていないと、自動化された部品実装装置などによる取り扱いができない。また、収納される電子部品の保護、あるいは実装装置などの取り扱い上、エンボス部自体の形状・寸法も精度が高いことが求められる。
【0006】
このようなエンボスキャリアテープの製造方法として、従来のレシプロ式金型を用いた製造方法よりも生産性を高めるため、特開平11−207811号公報(特許文献1)、特開平11−151749号(特許文献2)などで知られるロータリー式金型を用いたエンボスキャリアテープ製造装置が用いられるようになってきた。
ここで、このようなロータリー式金型を用いたエンボスキャリアテープ製造装置について、モデル図である図2を用いて説明する。
【0007】
図2において、熱可塑性樹脂からなる基材樹脂テープ1’は図示しないローラによってテンションが調整され、円筒状の側面に複数の凹状成形用型部3a’を有するロータリー式金型(金属製)3’に供給される。
【0008】
ロータリー式金型3’はモータ(図示しない)によって駆動されて、図中、時計回り方向に回転している。
ロータリー式金型3’に接している基材樹脂テープ1’はヒータ4’により加熱されて、軟化する。次いで真空吸引部5’によって、凹状成形用型部3a’に設けられた微小な吸引孔(図示しない)から吸気されて減圧状態となった凹状成形用型部3a’に吸い付けられて、エンボス部1a’が形成される。
【0009】
このように複数のエンボス部1a’が形成された基材樹脂テープ1’はロータリー式金型3’から離型し、次いで、クーラ(図示しない)等により冷却され、その後必要に応じて巻き取られる。
【0010】
しかしながら、最近の実装技術の向上により、電子基板への背高部品の自動実装が可能となり、それに伴い、エンボス部の深さ(図1(b)及び図1(c)における「D」)が大きい深絞りのエンボスキャリアテープが求められるようになってきた。
【0011】
しかし、このようなエンボス部の深いエンボスキャリアテープを製造する場合、ロータリー式金型ではレシプロ式金型とは異なり、離型時に金型を後退させることができないため、エンボス部1a’は図中二点鎖線からなる丸で囲んだ箇所に示されるように離型時に凹状成形用型部3a’の壁面に押しつけられるために、変形し、あるいは、へこんでしまい、エンボスキャリアテープのエンボス部として求められる寸法精度が得られなくなることが判った。
【0012】
【特許文献1】
特開平11−207811号公報(第1−3頁)
【特許文献2】
特開平11−151749号公報(第1−3頁)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した従来の問題点を改善する、すなわち、生産性の良いロータリー式金型を用いるエンボスキャリアテープの製造装置において、形成されるエンボス部の深さを大きくしても、エンボス部の変形の発生がなく、エンボスキャリアテープとして要求される精度を満足することができるエンボスキャリアテープ製造装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、請求項1に記載の通り、熱可塑性樹脂からなる基材樹脂テープを、略円筒形であって、その側面にエンボスキャリアテープのエンボス部形成のための複数の凹状成形用型部からなる凹状成形用型部列を1列以上有する、回転するロータリー式金型の側面に接触させて、エンボス部を連続的に真空成形するエンボスキャリアテープの製造方法において、ロータリー式金型から、エンボス部が形成されたエンボスキャリアテープを離型する際に、上記エンボスキャリアテープを、一旦、ロータリー式金型の側面から該側面の接線方向に誘導することにより該エンボスキャリアテープのエンボス部をロータリー式金型側面の凹状成形用型部の壁面から離間させ、次いで、エンボスキャリアテープを前記接線面よりロータリー式金型側に寄った面に沿って誘導することによって該エンボスキャリアテープのエンボス部を前記凹状成形用型部から取り出すことを特徴とするエンボスキャリアテープの製造方法である。
【0015】
このような構成を有する本発明のエンボスキャリアテープの製造方法により、形成されるエンボス部の深さを大きくしても、エンボス部の変形の発生がなく、要求される精度を満足するエンボスキャリアテープを極めて生産性良く得ることができる。
【0016】
本発明は上記課題を解決するために、請求項2に記載の通り、熱可塑性樹脂からなる基材樹脂テープを、略円筒形であって、その側面にエンボスキャリアテープのエンボス部形成のための複数の凹状成形用型部からなる凹状成形用型部列を1列以上有する、回転するロータリー式金型の側面に接触させて、エンボス部を連続的に真空成形するエンボスキャリアテープ製造装置において上記エンボスキャリアテープを、一旦、ロータリー式金型の側面から該側面の接線方向に誘導して上記エンボス部を上記ロータリー式金型側面の凹状成形用型部の壁面から離間させる一次誘導部と該一次誘導部から供給されるエンボスキャリアテープを前記接線面よりロータリー式金型側に寄った面に沿って誘導して上記形成されたエンボス部を前記凹状成形用型部から取り出す二次誘導部とを有することを特徴とするエンボスキャリアテープ製造装置である。
【0017】
このような構成を有する本発明のエンボスキャリアテープ製造装置によれば、エンボスキャリアテープの製造方法により、形成されるエンボス部の深さを大きくしても、エンボス部の変形の発生がなく、要求される精度を満足するエンボスキャリアテープを極めて生産性良く得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明のエンボスキャリアテープ製造方法についてその原理をモデル図を用いて説明する。
【0019】
図3は、図面中、時計回りに回転するロータリー式金型3からエンボス部1aが形成されたエンボスキャリアテープが連続的に離型されている様子をモデル的に示した図である。
【0020】
エンボスキャリアテープの離型に際して、図中に「ロータリー式金型の側面の接線面方向に誘導」と付せられた部分については、エンボスキャリアテープを、ロータリー式金型の側面からこの側面の接線面方向に誘導することにより、エンボスキャリアテープのエンボス部1aをロータリー式金型3側面の凹状成形用型部3aの壁面から離間させる。
【0021】
次いで、図中に「接線面よりロータリー式金型側に寄った面に沿って誘導する」と付せられた部分については、エンボスキャリアテープを接線面よりロータリー式金型側に寄った面に沿って誘導することによってエンボスキャリアテープのエンボス部を前記凹状成形用型部から完全に取り出す。
【0022】
上記のようにエンボスキャリアテープのエンボス部1aをロータリー式金型3側面の凹状成形用型部3aの壁面から離間させる際にロータリー式金型の側面の接線方向に誘導することにより、これらを確実に離間させることができる。
【0023】
エンボスキャリアテープのエンボス部1aとロータリー式金型3側面の凹状成形用型部3aの壁面との離間後に接線面よりロータリー式金型側に寄った面に沿って誘導することにより、凹状成形用型部3aの壁面によるエンボスキャリアテープのエンボス部1aの変形を効果的に防止することができる。
【0024】
なお、エンボスキャリアテープのエンボス部1aの、ロータリー式金型3側面の凹状成形用型部3aの壁面から離間させる際にロータリー式金型の側面の接線方向に誘導する距離、離間後にエンボスキャリアテープを誘導する「接線面よりロータリー式金型側に寄った面」と接線面とがなす角度については形成されるエンボス部及び凹状成形用型部3aの形状、エンボスとエンボスとの相互距離、ロータリ式金型の太さ等によって異なるため、予め各種シミュレーション、試作等によって適宜決定する。また「接線面よりロータリー式金型側に寄った面」はこの構成を満足する限りにおいて、平面である必要がなく、曲面であっても良い。
【0025】
図4はこのような本発明に係るエンボスキャリアテープの製造方法を可能とするエンボスキャリアテープ製造装置の一例を示すモデル図である。
【0026】
この装置は熱可塑性樹脂からなる基材樹脂テープ1を、略円筒形であって、その側面にエンボスキャリアテープのエンボス部形成のための複数の凹状成形用型部3aからなる凹状成形用型部列を1列以上有する、回転するロータリー式金型3の側面に接触させて、エンボス部1aを連続的に真空成形するエンボスキャリアテープ製造装置であって、上記ロータリー式金型3の凹状成形用型部3aより小さく、かつ、該凹状成形用型部3aに咬合する凸部6aを有する略円筒形でロータリー式金型の回転とは逆方向に回転可能な補助金型6を有し、かつ、該補助金型6の凸部6aが、ロータリー式金型3側面の凹状成形用型部3a内の減圧により該凹状成形用型部3aに位置した基材樹脂テープ1の部分に生じる凹状成形用型部3a内部への移動を、基材樹脂テープ1のロータリー式金型3とは反対の面から補助する位置に上記エンボスキャリアテープを、一旦、ロータリー式金型の側面から該側面の接線方向に誘導して上記エンボス部を上記ロータリー式金型側面の凹状成形用型部の壁面から離間させる一次誘導部と該一次誘導部から供給されるエンボスキャリアテープを前記接線面よりロータリー式金型側に寄った面に沿って誘導して上記形成されたエンボス部を前記凹状成形用型部から取り出す二次誘導部とを有するエンボスキャリアテープ製造装置である。
【0027】
図中基材樹脂テープ1は予加熱ローラ2aおよび予加熱ローラ2bの間を経て、ロータリー式金型3側面に供給される。このとき予加熱ローラ2aおよび予加熱ローラ2bにより、ロータリー式金型3への基材樹脂テープ1の供給のテンションむらは防止される。
【0028】
略円筒状のロータリー式金型3は図中時計回りに回転している。その側面にはエンボスキャリアテープのエンボス部形成のための複数の凹状成形用型部3aが形成されている。なお、複数の凹状成形用型部からなる凹状成形用型部列は1列以上設けることができる(図中には凹状成形用型部列は1列だけ示されている)。
【0029】
ロータリー式金型3表面に供給された基材樹脂テープ1はヒータ4から供給される熱風により成形可能な温度に加熱されるが、ロータリー式金型3はクーラ7により供給される冷風によって冷却されているために、金型表面に基材樹脂テープ1が融着することはない。
【0030】
充分に加熱され、真空吸引部5により図示しない連通孔より凹状成形用型部3a内部が真空吸引される位置に達した基材樹脂テープ1の部分は凹状成形用型部3a内部へ吸引される。
【0031】
このとき補助金型6の凸部6aがロータリー式金型3の凹状成形用型部3aに咬合するように補助金型6が設けられているため、ロータリー式金型3側面の凹状成形用型部3aに位置した基材樹脂テープ1の部分を、補助金型の上記凸部6aが、基材樹脂テープ1に対してロータリー式金型とは反対の面から、ロータリー式金型3側面の凹状成形用型部3a内側へ移動する補助操作が凸部6aによって同時に行われる。
【0032】
ここで、上記のように基材樹脂テープ1を介して、ロータリー式金型3の凹状成形用型部3aに咬合しながらロータリー式金型3と補助金型6との両者が滑らかに回転でき、かつ、エンボス部1aが均一な厚さで型形状再現性の良く形成できるよう、ロータリー式金型3側面の凹状成形用型部3aの形状(ロータリー式金型3の凹状成形用型部3aよりも小さい)、金型の回転速度、用いる樹脂の柔軟性等を勘案して、補助金型6の凸部6aの形状を決定する必要がある。
【0033】
また、上記装置の運転に際しては、ロータリー式金型3の回転の方向と補助金型6回転の方向は互いに逆であり、かつ、それらの速度は厳密に制御されて凹状成形用型部3aと凸部6aとの咬合の同期が常に保たれている必要がある。これらの間の同期が正常でないと、精度の良い、充分な強度を有するエンボスキャリアテープが得られないばかりか、高価なロータリー式金型3や補助金型6に傷がついたり、破損したりするおそれが生じる。
【0034】
なお、上記のようにロータリー式金型3の温度は加熱された基材樹脂テープ1の温度より低く設定されているため、基材樹脂テープ1のロータリー式金型3に接触している部分はロータリー式金型3の凹状成形用型部3aに位置している部分より相対的に温度が低くなる。
【0035】
このため従来では基材樹脂テープ1のうち、ロータリー式金型3の凹状成形用型部3aに位置している、相対的に温度が高い部分のみ、特に主としてその中央部が吸引により延伸されていた。
【0036】
しかし、ここで示されているのは補助金型を用いる成形装置であり、補助金型は積極的に加熱せず、さらに高温供給源からの距離が大きいので、その温度は、加熱され吸引動作される直前の基材樹脂テープ1の、ロータリー式金型3の凹状成形用型部3aに位置している部分より低い。
【0037】
そのためこの補助金型6の凸部6a、基材樹脂テープ1のうち、ロータリー式金型3の凹状成形用型部3aに位置している部分、特にその中央部に接触させることにより、成形時の基材樹脂テープ1の部分的な温度差を小さくすることが可能となり、局部的な延伸が防止され、得られるエンボス部1aの強度を保つことが可能となる。なお、このとき必要に応じクーラ等を設けて補助金型6の温度管理を行ってもよい。
【0038】
以上のように、エンボス部1aが形成された基材樹脂テープ1の部分は金型3への伝熱とクーラ8からの冷風とにより、冷却されてその形状が固定される。
冷却後のテープ1はロータリー式金型3から不用意に離型しやすくなるが、離型してしまうとエンボス部1aの変形などの障害が発生するおそれがあるので、補助ローラ10でその離型を防止しながら、離型アシストA及びB(符号はそれぞれ9a及び9b)に供給される。
【0039】
ここで、ロータリー式金型3と離型アシストA及びBとのモデル分解斜視図を図5に示す。
図5(a)は離型アシストA及びB側から見たモデル分解斜視図、図5(b)はロータリー式金型3側から見たモデル分解斜視図である。
【0040】
このロータリー式金型3の側面にエンボスキャリアテープのエンボス部形成のための複数の凹状成形用型部3aからなる凹状成形用型部列が5列設けられている。
【0041】
離型アシストB9bには円筒状のロータリー式金型3に対してガイド面9b1が設けられている。離型アシストAには離型アシストB9bのガイド面9b1に対応する曲面になるように櫛形ガイド部9a1が設けられていて、櫛形ガイド部9a1の凹部は基材樹脂テープ1のエンボス部1aが通過可能な寸法に設けられている。
【0042】
さらに、離型アシストAのガイド面は図6に示すようにロータリー式金型3の近くに位置する部分が「ロータリー式金型の側面の接線面となる部分(一次誘導部)」となっており、次いで「接線面よりロータリー式金型側に寄った面となる部分(二次誘導部)」となっている。また、この離型アシストAのガイド面に対応する離型アシストBのガイド面も同様にロータリー式金型3の近くに位置する部分が「ロータリー式金型の側面の接線面となる部分(一次誘導部)」となっており、次いで「接線面よりロータリー式金型側に寄った面となる部分(二次誘導部)」となっている。
【0043】
このように、このエンボスキャリアテープ製造装置は、ロータリー式金型3から、エンボス部1aが形成されたエンボスキャリアテープを離型する際に、上記エンボスキャリアテープを、一旦、ロータリー式金型の側面から該側面の接線方向に誘導して上記エンボス部を上記ロータリー式金型側面の凹状成形用型部の壁面から離間させる一次誘導部と該一次誘導部から供給されるエンボスキャリアテープを前記接線面よりロータリー式金型側に寄った面に沿って誘導して上記形成されたエンボス部を前記凹状成形用型部から取り出す二次誘導部とを有する。
【0044】
このような一組の離型アシストA及びBを備えた装置によれば図3を用いて上記で説明した本発明のエンボスキャリアテープの製造方法を容易に実施することができる。
【0045】
このような一組の離型アシストA及びBの誘導によるエンボス部1aのロータリー式金型3の凹状成形用型部3aからの引き離しにより、すなわち、エンボス部1aが円筒状のロータリー式金型3の接線方向に離型された後、接線角度(接線方向)よりも小さい角度で引き離されていくことにより、ロータリー式金型を用いた深絞りのエンボス部を有するエンボスキャリアテープの製造であっても、エンボス部の角部が凹状成形用型部3aへの壁面に押しつけられることによる変形、傷の発生をなくする、ないし、著しく減少させることが可能となる、あるいは、従来技術よりも深絞りのエンボス部を有するエンボスキャリアテープの製造に対応することができる。
【0046】
なお、離型アシストはロータリー式金型3側の離型アシストAだけでその所期の目的を果たすことができるが、上記のような離型アシストBを併用することにより、離型直後のテープのバタ付きを効果的に防止し、その結果高速運転が可能となり生産性が向上する。
【0047】
これら一組の離型アシストA及びBは図7に示すように組み付けられる。
図7(a)は離型アシストA及びB側から見たモデル斜視図、図7(b)はロータリー式金型3側から見たモデル斜視図である。
【0048】
以上のようにロータリー式金型3から離型された、エンボス部1aが形成された基材樹脂テープは製品のエンボスキャリアテープとなる。
なお、この後、さらに、プレス処理、スリット処理などにより、穿孔、切断や寸法調整等の後加工を行っても良い。
【0049】
また、ロータリー式金型3から離型されたテープをさらに冷却したい場合には例えば、離型アシストA及びBに図8(a)及び図8(b)にそれぞれ示すようにガイド面に至る通気孔(符号9a2’及び9b2’)をそれぞれ設け、これら通気孔の部分からガイド面に向けて冷却された空気等を流すことで効果的に達成することができる。なお、これらアシストA及びBのガイド面は図6を用いて上記で説明したように、それぞれ、ロータリー式金型3に近い位置となる部分が「ロータリー式金型の側面の接線面となる部分(一次誘導部)」となっており、次いで「接線面よりロータリー式金型側によった面となる部分(二次誘導部)」となっている。
【0050】
本発明のエンボスキャリアテープ製造装置において、運転開始時や、装置のメンテナンス(ロータリー式金型3の分解掃除等)等を勘案すると、上記咬合は解除可能であることが望ましい。
【0051】
その場合、図4において補助金型はその凸部がロータリー式金型側面の凹状成形用型部とは咬合しない位置、例えば図中右方向に退避可能であることが望ましい。
【0052】
このとき、退避解除し、その凸部をロータリー式金型側面の凹状成形用型部に咬合する位置に戻す際、その咬合の同期が正常になるよう厳密に設定する必要がある。この設定が不充分であると、精度の良い、充分な強度を有するエンボスキャリアテープが得られないばかりか、高価なロータリー式金型3や補助金型6に傷がついたり、破損したりするおそれが生じる。
【0053】
しかしながらロータリー式金型の回転駆動と補助金型の回転駆動とが、1つのモータで行われるものであると、その咬合の調整が困難であったり、不充分で合ったりするおそれがある。そのため、補助金型とロータリー式金型とがそれぞれ独立して回転駆動されるものであることが望ましい。
【0054】
【発明の効果】
本発明のエンボスキャリアテープの製造方法は、熱可塑性樹脂からなる基材樹脂テープを、略円筒形であって、その側面にエンボスキャリアテープのエンボス部形成のための複数の凹状成形用型部からなる凹状成形用型部列を1列以上有する、回転するロータリー式金型の側面に接触させて、エンボス部を連続的に真空成形するエンボスキャリアテープの製造方法において、ロータリー式金型から、エンボス部が形成されたエンボスキャリアテープを離型する際に、上記エンボスキャリアテープを、一旦、ロータリー式金型の側面から該側面の接線方向に誘導することにより該エンボスキャリアテープのエンボス部をロータリー式金型側面の凹状成形用型部の壁面から離間させ、次いで、エンボスキャリアテープを前記接線面よりロータリー式金型側に寄った面に沿って誘導することによって該エンボスキャリアテープのエンボス部を前記凹状成形用型部から取り出す構成を有するため、深いエンボス部を有するエンボスキャリアテープを製造しても、変形等の瑕疵のない高い型再現精度のエンボス部が形成され、あるいは、従来よりも深いエンボス部が可能となる優れたエンボスキャリアテープの製造方法である。
【0055】
本発明のエンボスキャリアテープ製造装置は、熱可塑性樹脂からなる基材樹脂テープを、略円筒形であって、その側面にエンボスキャリアテープのエンボス部形成のための複数の凹状成形用型部からなる凹状成形用型部列を1列以上有する、回転するロータリー式金型の側面に接触させて、エンボス部を連続的に真空成形するエンボスキャリアテープ製造装置において、上記エンボスキャリアテープを、一旦、ロータリー式金型の側面から該側面の接線方向に誘導して上記エンボス部を上記ロータリー式金型側面の凹状成形用型部の壁面から離間させる一次誘導部と該一次誘導部から供給されるエンボスキャリアテープを前記接線面よりロータリー式金型側に寄った面に沿って誘導して上記形成されたエンボス部を前記凹状成形用型部から取り出す二次誘導部とを有する構成を有するため、深いエンボス部を有するエンボスキャリアテープを製造しても変形等の瑕疵のない高い型再現精度のエンボス部が形成され、あるいは、従来よりも深いエンボス部を可能とする優れたエンボスキャリアテープの製造装置である。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンボスキャリアテープの例を示す図である。
(a)複数のエンボスが1列に形成されている例
(b)複数のエンボスからなる列が複数形成されている例
(c)エンボスキャリアテープの断面を示すモデル図である。
【図2】従来技術に係るエンボスキャリアテープの製造方法を示すモデル図である。
【図3】本発明の原理を示すモデル図である。
【図4】本発明に係るエンボスキャリアテープの製造装置を示すモデル図である。
【図5】ロータリー式金型3と離型アシストA及びBとのモデル分解斜視図である。
(a)離型アシストA及びB側から見たモデル分解斜視図である。
(b)ロータリー式金型3側から見たモデル分解斜視図である。
【図6】上記離型アシストA及びBのガイド面の状態を説明するモデル分解斜視図である。
【図7】ロータリー式金型3と離型アシストA及びBとを組み付けた状態を示す斜視図である。
(a)離型アシストA及びB側から見たモデル斜視図である。
(b)ロータリー式金型3側から見たモデル斜視図である。
【図8】離型アシストA及びBに通気孔を設けた状態を示す図である。
【符号の説明】
1 基材樹脂テープ
1a エンボス部
2a、2b 予加熱ローラ
3 ロータリー式金型
3a 凹状成形用型部
4 ヒータ
5 真空吸引部
6 補助金型
6a 凸部
7、8 クーラ
9a 離型アシストA
9a1 櫛形ガイド
9a2’,9b2’ 通気孔
9b 離型アシストB
9b1 ガイド面
10 補助ローラ

Claims (2)

  1. 熱可塑性樹脂からなる基材樹脂テープを、略円筒形であって、その側面にエンボスキャリアテープのエンボス部形成のための複数の凹状成形用型部からなる凹状成形用型部列を1列以上有する、回転するロータリー式金型の側面に接触させて、エンボス部を連続的に真空成形するエンボスキャリアテープの製造方法において、
    ロータリー式金型から、エンボス部が形成されたエンボスキャリアテープを離型する際に、上記エンボスキャリアテープを、一旦、ロータリー式金型の側面から該側面の接線方向に誘導することにより該エンボスキャリアテープのエンボス部をロータリー式金型側面の凹状成形用型部の壁面から離間させ、次いで、エンボスキャリアテープを前記接線面よりロータリー式金型側に寄った面に沿って誘導することによって該エンボスキャリアテープのエンボス部を前記凹状成形用型部から取り出すことを特徴とするエンボスキャリアテープの製造方法。
  2. 熱可塑性樹脂からなる基材樹脂テープを、略円筒形であって、その側面にエンボスキャリアテープのエンボス部形成のための複数の凹状成形用型部からなる凹状成形用型部列を1列以上有する、回転するロータリー式金型の側面に接触させて、エンボス部を連続的に真空成形するエンボスキャリアテープ製造装置において
    上記エンボスキャリアテープを、一旦、ロータリー式金型の側面から該側面の接線方向に誘導して上記エンボス部を上記ロータリー式金型側面の凹状成形用型部の壁面から離間させる一次誘導部と
    該一次誘導部から供給されるエンボスキャリアテープを前記接線面よりロータリー式金型側に寄った面に沿って誘導して上記形成されたエンボス部を前記凹状成形用型部から取り出す二次誘導部とを有することを特徴とするエンボスキャリアテープ製造装置。
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