JP4169740B2 - 冷却式のリング支持体を製造する方法 - Google Patents

Description

本発明は、請求項１の上位概念部に記載の、冷却式のリング支持体を製造する方法に関する。

鋳造法で製造される冷却通路ピストンでは、この場合に設けられる冷却通路を、圧縮された塩核の形で前成形し、スリーブを介して鋳型内に固定し、次いで融体が鋳型に充填されることが一般に知られている。熱的に特に負荷されたリング支持体が有利に冷却されるような形で冷却通路を配置するためには、フランス特許第２０４４２４２号明細書につき、内燃機関のピストンのためのリング支持体が提案されている。このリング支持体は内側に、下方へ開かれた切欠きを有している。この切欠きは、まず良好に融解可能な材料により充填され、次いでリング支持体が、まずアルフィン浴に浸漬されることなしに、ピストンのための鋳型内に挿入され、次いで流体の金属を鋳型に充填することによりピストンが形成される。この場合に、リング支持体のアルフィン浴が行われないことにより、この公知の方法では、リング支持体と鋳込まれたピストンとの間に十分に堅固な結合がもたらされず、これにより、従来技術により公知のピストンの使用時には、内燃機関に機能問題が起こり得る。

次いで材料が適宜な流体により溶解され、リング支持体の切欠きから取り除かれ、これにより、この場合にピストン内に冷却通路が生じる。上に述べた従来技術には、切欠きに充填されるのがどの種の材料であり、どの流体によりこの材料が溶解可能であるのかについての記述は見られない。特に従来技術につき公知の、冷却通路ピストンを製造する方法は、切欠きの単純な充填時に、切欠きの壁と、この場合に使用される材料との間に中空室が形成されることがあり、この中空室は、冷却通路ピストンの引き続く鋳込時に金属融体により充填され、このことにより、形成された冷却通路の横断面が減じられるという欠点を有する。

このことから出発して、本発明の課題は、冷却通路を有するリング支持体を製造するための公知の方法を改良して、簡単な形式で実施可能であり、かつ従来技術の欠点を阻止しているものを提供することである。

この課題は、請求項１の特徴部に記載の特徴を有する、冷却式のリング支持体を製造する方法により解決される。この場合にリング支持体後部に設けられた溝が型として働き、この溝に、塩核を形成するための塩顆粒が圧入されることにより、塩核はちょうど溝の形状をとり、これにより、塩核と溝との間に中空室が形成されることはあり得ない。

本発明の別の構成によれば、溝には既に圧縮された塩核が挿入される。この塩核は、接着結合を介して保持部内に固定される。これにより、冷却通路を有するリング支持体を製造する方法が著しく簡易化され、ひいては安価にもなる。

次に本発明の方法を図面につきさらに詳しく説明する。

図１に横断面図で示した、外側に配置されたピストンリング２のためのリング支承体１が、リング支持体後部３に、下方に開かれた切欠きの形の溝を有している。リング支持体１は、公知の形式で１８％ニッケル含有率を有する鋳鉄から成る合金により形成される。

リング支持体１を設けられるピストンの製造法の枠内では、リング支持体１が鋳型内に挿入される。この鋳型は、例えばアルミニウムにより充填される。この場合に、溝４がアルミニウムにより充填されずに、ピストンが製造された場合に冷却通路６の形で提供されていることを達成するためには、本発明による方法の第１のステップで塩顆粒が１００〜３００Ｎ／ｍｍ^２までの圧力により前記溝４内に圧入され、これにより、塩顆粒により塩核５が形成される。この場合に塩顆粒の容量損失により、冷却通路６の壁に突出したウェブがもたらされる。このウェブは必要に応じて切削される。

これに対して択一的に、溝４内には既に圧縮された塩核５が挿入されてもよい。この場合には溝４内における塩核の保持は接着結合を介して行うことができる。

第２の方法ステップでは、リング支持体１と塩核５とから成る結合体が２００℃〜２５０℃までの温度にあらかじめ加熱され、次いで第３の方法ステップにおいてリング支持体−塩核−結合体は２分半〜５分半までの時間、約７３０℃の熱いアルミニウム融体から成るアルフィン浴に浸漬される。このことの意味は次のことにある、すなわち、アルミニウムピストンを製造するためのこれに続く方法ステップで、鋳造工具内へのリング支持体１の挿入及びピストンの鋳込み後に、この場合に使用されるアルミニウムが、リング支持体１を構成する鋳鉄と良好に結合されることにある。

アルミニウムピストンを製造するための鋳造プロセスに続いて、さらに塩核５により充填された冷却通路６には流入部及び流出部が穿孔される。これにより、塩核５を水を使用して冷却通路６から取り出すことが可能である。

図２は、図１に符号Ａにより示した領域の拡大図を示している。この図では、ピストンリング２を備えたリング支持体１、このリング支持体１の後部３に設けられた溝４及びこの溝に圧入された塩核５を明確に見ることができる。

塩核を収容するための溝を備えたリング支持体の横断面図である。

図１に符号Ａにより示したリング支持体の領域を拡大して示す横断面図である。

符号の説明

Ａ 領域、 １ リング支持体、 ２ ピストンリング、 ３ リング支持体、 ４ 溝、 ５ 塩核、 ６ 冷却通路、

Claims (3)

1. 鋳造法で製造される、内燃機関のアルミニウムピストンのための、ニッケル含有物を有する鋳鉄合金から成る冷却式のリング支持体（１）を製造する方法であって、リング支持体後部（３）に、下方へ開かれた溝（４）の形で形成された冷却通路（６）が設けられている形式の方法において、次の方法ステップ、すなわち、
   −溝（４）に、１００〜３００Ｎ／ｍｍ２までの圧力により塩顆粒を圧入し、これにより、前記溝（４）に塩核（５）を形成し、
   −リング支持体（１）と塩核（５）とから成る結合体を、２００〜２５０℃までの温度にあらかじめ加熱し、
   −前記リング支持体（１）と塩核（５）とから成る結合体を、アルミニウム融体から成るアルフィン浴に浸漬する、
   方法ステップを用いる、冷却式のリング支持体（１）を製造する方法。
2. リング支持体（１）と塩核（５）とから成る結合体を、２分半〜５分半の時間、アルミニウム融体から成るアルフィン浴に浸漬する、請求項１記載の、冷却式のリング支持体（１）を製造する方法。
3. 鋳造法で製造される、内燃機関のアルミニウムピストンのための、ニッケル含有物を有する鋳鉄合金から成る冷却式のリング支持体（１）を製造する方法であって、リング支持体後部（３）に、下方へ開かれた溝（４）の形で形成された冷却通路（６）が設けられている形式の方法において、次の方法ステップ、すなわち、
   −溝（４）に、既に圧縮された塩核（５）を挿入し、該塩核（５）を、接着結合を介して前記溝（４）内に固定し、
   −リング支持体（１）と塩核（５）とから成る結合体を、２００℃〜２５０℃までの温度にあらかじめ加熱し、
   −前記リング支持体（１）と塩核（５）とから成る結合体を、アルミニウム融体から成るアルフィン浴に浸漬する、
   方法ステップを用いることを特徴とする、冷却式のリング支持体（１）を製造する方法。

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