JP4167437B2 - パチンコ球タンクにおける球排出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、パチンコ遊戯台又はパチンコ球貸機等において、タンクから賞球や貸球等を所定の量で排出するために具備されるパチンコ球タンクにおける球排出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ遊戯台においては、図7に示すように、上部に賞球払出し用パチンコ球タンク50を設け、その排出口に接合して賞球払出し用レール52がジグザグ状に下へ配設され、その中途に賞球数カウンター54が設けてある。そして、入賞した場合にパチンコ球がタンク50から排出され、所定の量がカウンター54で正確に払出しされる。
【0003】
従来のパチンコ球タンクにおける球排出装置は、スリットに沿ってスクリューの羽根で送るようにしたもので、タンクの底部に排出口へ向かってスリットを形成し、その下に送りスクリューが配設される。スリットは、パチンコ球のほぼ直径程度の幅に形成されているので、スリットに落ち込んだパチンコ球が送りスクリューの各羽根と羽根との間に挟まれながらその羽根で排出口に送られる。この送り量は回転数によるため、サーボモータで回転数を制御することにより、排出数量を設定することができるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、パチンコ遊戯台においては、パチンコ球タンク側へ入賞した信号が伝達されると、サーボモータが所定の回転数だけ回転して送りスクリューを回転させることにより、タンクからは所定の数のパチンコ球が排出される。しかし、従来では、その数が必ずしも正確にはならないので、それが賞球払出しレールのカウンターで計算されて所定の数だけ賞球皿に排出される。そのため、賞球払出しレール52の上部に予備のパチンコ球が溜められ、タンクからの排出数量の過不足がその予備で調整されるようになっていた。
【0005】
客に対するパチンコ球の排出がタンクでは不正確な場合があってもこのようにカウンターで補正されるようになっているが、タンクでの排出数に過不足が有りすぎると、カウンターの上部で溜めておく予備のパチンコ球の数が多くなることから、賞球払出しレール52がジグザグに長く又は太くなるためにコンパクト化に適しなく、また、パチンコ台一台当たりにパチンコ球が循環している数を少なくしたいという要求にも適しなかった。
【0006】
この発明は、上記のような実情に鑑みて、パチンコ球を正確な数で排出できるパチンコ球タンクにおける球排出装置を提供することを目的とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明は、パチンコ球タンクの底部における低い落ち込み箇所に、その下に設けられる送りスクリューの収納室に開口する案内スリットを設け、案内スリットの前進側に設けた排出口に、タンク内のパチンコ球を送りスクリューの羽根で送り出すようにした球排出装置であって、タンク内には、案内スリットに接近したすぐ横に、送りスクリューの送り方向とは逆方向にパチンコ球を送るよう回転する1の逆流スクリューを設けると共に、その逆流スクリューの羽根が両端部において欠如され、且つ、両端に行くにつれて低く細く形成され、更に、その逆流スクリューの回転が送りスクリューの回転よりも遅くなるよう設定されていることを特徴とするパチンコ球タンクにおける球排出装置を構成した。
【0008】
【作 用】
上記の構成によれば、送りスクリューに対して、逆流スクリューが送りスクリューとは逆に球を送るために送りスクリューの羽根に引っ掛かりやすく、この引っ掛かりが生じると、スリットにパチンコ球が確実に落ち込む。そして、落ち込みがこのように促進されることによって、送りスクリューの各羽根と羽根との間に送球が欠けることがなくなり、その結果、送りスクリューの回転数に応じた所定数量のパチンコ球が正確に排出されることになる。
【0009】
【発明の実施の形態】
この発明は、パチンコ遊戯台ばかりでなく、パチンコ球の貸出機、その他の装置においても実施でき、いずれにおいても排出球の数量に正確性が得られる。これは、送りスクリュー3の各羽根29,29の間の全てにパチンコ球10が落ち込むからであるが、1個程度で必ずしも一定しない場合が稀ながらあり得るので、賞球の払出しや貸出球の払出しのように、間違いが許されない場合には、カウンター54が必要である(図7参照)。しかし、過不足の数量が少なく且つ稀になることから、レール52の溜り箇所における予備球を極力少なくすることができる。
【0010】
また、逆流スクリュー5は、送りスクリュー3とは独自形状となる。しかし、多くの実験から、羽根31が両端部に行くにつれて低く細く形成され、両端部で欠如されていたり、回転を遅くしたりすると、欠球が生じないことが分かった。さらに、逆流スクリュー5が1の場合と、1対の場合(請求項3)とがあるが、1の場合には、逆流スクリュー5と反対側のスリット縁を高くすると、それがガイドとなるために、案内スリット11にパチンコ球10が落ち込みやすくなる(請求項2)。
【0011】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、案内スリットにおいて送りスクリューの各羽根と羽根との間への球の落込みが促進され、欠球がなくなることから、タンクから正確な数量でパチンコ球を排出でき、後続するカウンターで数量補正をするような場合でも、そのための予備球を極力少なくできるため、機械全体がコンパクトとなるとともに、パチンコ球の循環数量を都合良く少なくできるという優れた効果がある。
【0012】
【実施例】
次に、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1ないし図3は一実施例を示したもので、そのパチンコ球タンクにおける球排出装置は、パチンコ球タンク1に排出用の送りスクリュー3を内装するほか、送りスクリュー3に対する逆流スクリュー5を内装して構成される。
【0014】
パチンコ球タンク1は、左右側壁7,7と前後面壁9,9とで枠組みされる中の底部に、右端寄りにおいて排出用の案内スリット11を設け、後面壁9に排出口13を開口したもので、底部の構成については、案内スリット11に寄る位置に幅狭く厚い鋼鉄の底板15を最も低く設け、その両側に湾曲内面壁17,19を両側壁7,7から底へ入り込むように設け、両湾曲内面壁17,19の間にパチンコ球10が溜められるようになっている。
【0015】
そして、底板15と湾曲内面壁19との間に案内スリット11が開口され、それが左へ傾斜している。つまり、湾曲内面壁19のスリット縁20が底板15のスリット縁16よりも高くなっている。この高いスリット縁20が逆流スクリュー5による逆流球のガイドとなるために、さらに羽根29,29間への球の落ち込みが確実となる。また、右側壁7と底板15との間には、半円弧断面のチャネル部材21を取り付けることにより、案内スリット11の下に送りスクリュー3の収納室23が設けられ、その両端が前後面壁9,9の突部により封じられている。
【0016】
逆流スクリュー5は、送りスクリュー3と案内スリット11とに平行に配設され、底板15と案内スリット11とに球10が余裕をもって流動する間隔をおいて接近している。また、送りスクリュー3とこの逆流スクリュー5とは、軸25,26が前後面壁9,9に軸支され、それにはベアリング30が用いられる。そして、前面において、両軸25,26に歯車27,28が相互に噛み合わせて取り付けられる。
【0017】
送りスクリュー3が図示しないサーボモータにより回転されるので、その軸25を原動軸として両歯車27,28を介し逆流スクリュー5が逆回転する。また、送りスクリュー3と逆流スクリュー5とは、羽根29,31が同じ螺進方向に形成されるが(図3)、このように相互に逆回転となるために、パチンコ球10が送りスクリュー3では排出口13に向かって繰り出されるのに対して、逆流スクリュー5ではその反対側に繰り込まれる。
【0018】
しかし、逆流スクリュー5の回転数が比較的に少ないことと、その羽根31が両端にゆくにつれて細く形成され、両端で欠如されていることから、球の繰り込みに窮屈さがなくなり、跳ねることもなく円滑に球が流動する結果、これによっても欠球がなくなる。
【0019】
図4は、逆流スクリュー5の形状が異なる他の実施例を示したもので、その形状については、両端間が中央に行くにつれて膨大する葉巻形であって、中央部にのみ羽根31を設け、両端に行くにつれて低く細く形成される。このようにすると、さらにパチンコ球10の跳ねを少なくできる。
【0020】
図5は、逆流スクリュー5を逆流方向に径が大きくなる円錐形に形成し、この場合も、羽根31を中央部のみであって両端に低く細く形成される。この形状のものでは、案内スリット11から比較的離れた位置(高い位置)に設けるのに適している。
【0021】
図6は、パチンコ球タンク1が左右対称形状であって、その底部に案内スリット11を挟んで左右一対において逆流スクリュー5,5を配設した場合を示したもので、中央の案内スリット11の下に送りスクリュー3の収納室23が設けられ、案内スリット11に沿って送りスクリュー3の送りとは反対に、パチンコ球10の逆流が生じるようになっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明のパチンコ球タンクにおける球排出装置を示す縦断面図である。
【図2】 図1のA−A線矢視の断面図である。
【図3】 同球排出装置における逆流スクリューを送りスクリューとの関係において示す平面図である。
【図4】 他の実施例を示す図3に対応する平面図である。
【図5】 他の実施例を示す図3に対応する平面図である。
【図6】 逆流スクリューが1対である場合における球排出装置の要部を示す断面図である。
【図7】 従来例の説明図である。
【符号の説明】
1 パチンコ球タンク
3 送りスクリュー
5 逆流スクリュー
10 パチンコ球
11 案内スリット
13 排出口
16 一側のスリット縁
20 他側のスリット縁
23 収納室
29,31 羽根
Claims (3)
- パチンコ球タンクの底部における低い落ち込み箇所に、その下に設けられる送りスクリューの収納室に開口する案内スリットを設け、案内スリットの前進側に設けた排出口に、タンク内のパチンコ球を送りスクリューの羽根で送り出すようにした球排出装置であって、タンク内には、案内スリットに接近したすぐ横に、送りスクリューの送り方向とは逆方向にパチンコ球を送るよう回転する1の逆流スクリューを設けると共に、その逆流スクリューの羽根が両端部において欠如され、且つ、両端に行くにつれて低く細く形成され、更に、その逆流スクリューの回転が送りスクリューの回転よりも遅くなるよう設定されていることを特徴とするパチンコ球タンクにおける球排出装置。
- 一側に逆流スクリューを有する案内スリットが、その一側のスリット縁よりも他側のスリット縁を高く形成してあることを特徴とする請求項1記載のパチンコ球タンクにおける球排出装置。
- パチンコ球タンクの底部における低い落ち込み箇所に、その下に設けられる送りスクリューの収納室に開口する案内スリットを設け、案内スリットの前進側に設けた排出口に、タンク内のパチンコ球を送りスクリューの羽根で送り出すようにした球排出装置であって、タンク内には、案内スリットを挟むようにして、送りスクリューの送り方向とは逆方向にパチンコ球を送るよう回転する1対の逆流スクリューを設けたことを特徴とするパチンコ球タンクにおける球排出装置。
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