JP4167339B2 - スリーブ固定治具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄筋コンクリート構造物に設けられる貫通孔と鉄筋との間のかぶり厚さを確保するスリーブ固定治具に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
布基礎やコンクリート梁、コンクリート柱等の鉄筋コンクリート構造物には、給排水設備や電気設備、空調設備等の配管や配線を行うための貫通孔が設けられる場合がある。これらの貫通孔は、コンクリート型枠内の所望の位置に、防水性を有する硬質な紙製の筒状管や、塩化ビニル管等からなる配管(配線を含む)用スリーブを配設し、しかる後にコンクリートを型枠内に打設することによって鉄筋コンクリート構造物に形成される。
【0003】
かかる配管用スリーブは、鉄筋の組立作業を行う際に、あるいは鉄筋の組立作業の後に型枠内に配設固定されることになるが、鉄筋の間を縫って配設されるため、鉄筋に乗せ掛けたり鉄筋に近接してセットされる場合が多い。従って、特に配管用スリーブがコンクリートの硬化後に撤去される紙質の筒状管等である場合には、形成された貫通孔の内面と鉄筋との間に有効なかぶり厚を確保することができなくなって、鉄筋の発錆を早め、ひいては鉄筋コンクリート構造物の耐力の劣化を促進することになる。
【0004】
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、鉄筋コンクリート構造物に配管用スリーブを用いて形成された貫通孔と鉄筋との間の有効なかぶり厚を確保して、鉄筋コンクリート構造物の劣化の促進を回避することのできるスリーブ固定治具を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、塑性変形可能な軟鋼からなり、カシメることにより鉄筋に係合固定される鉄筋係合部と、配管用スリーブを保持するスリーブ保持部と、該鉄筋係合部及び該スリーブ保持部間に介在し、該鉄筋と該配管用スリーブとの間に所定の間隔を保持する、塑性変形可能な軟鋼からなる間隔保持部とからなり、上記鉄筋係合部が係合固定された一本の鉄筋から一つの上記間隔保持部によって上記配管用スリーブを支持するようになされていると共に、上記間隔保持部は、塑性変形可能でフレキシブルな構造により、上記鉄筋と上記配管用スリーブとの間の距離を、曲折することによって増減調整し得るようになされていることを特徴とするスリーブ固定治具を提供することにより、上記目的と達成したものである(請求項1記載の発明)。
【0006】
また、本発明のスリーブ固定治具は、上記スリーブ保持部を配管用スリーブの外周面に係合する環状の囲繞部によって構成し、該囲繞部内に配管用スリーブを保持するようにすることが好ましい(請求項2記載の発明)。
【0007】
さらに、本発明のスリーブ固定治具は、上記囲繞部に、その内径を増減する内径調整手段を設けることが好ましい(請求項3記載の発明)。
【0009】
なお、上記記載における配管用スリーブは、配管のみならず配線も行い得る貫通孔を、鉄筋コンクリート構造物の内部に形成するためのスリーブを意味する。ここで鉄筋コンクリート構造物とは、鉄筋等の補強用の鋼棒を内部に配設したセメント系硬化材による構造物を意味し、モルタル構造物等も含むものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態に係るスリーブ固定治具10は、図1に示すように、鉄筋コンクリート構造物である例えば家屋建物の布基礎に、例えば給排水設備用の配管や配線を横断配設するための貫通孔を設けるべく、配管用スリーブ11をコンクリート型枠12,12内に固定配置するために用いられる。
【0011】
すなわち、例えば15cm程度の間隔をおいて対向配置された一対の型枠12,12の内側には、その中央部分に複数の鉄筋13が、型枠12,12と平行な方向に例えば20cm程度の間隔をおいて立設状態で連設配置される。また、貫通孔を設けるべき位置には、一対の型枠12,12の間を横断して、防水性ダンボールからなる例えば外径が10cm程度の円筒形状の配管用スリーブ11が、その両端開口部を一対の型枠12,12の内面に各々当接させた状態で、本実施形態のスリーブ固定治具10を用いて固定配置されている。そして、鉄筋13及び配管用スリーブ11が配設された型枠12,12の内側にはコンクリートが打設され、これが硬化する事によって、貫通孔を有する布基礎が形成される。
【0012】
なお、一対の型枠12,12の内側には、必要に応じて、補助用の鉄筋を、例えば複数の主鉄筋13を連結一体化するようにして型枠12,12と平行に横方向に配設することができる。また、型枠12,12の内面に当接する配管用スリーブ11の両端開口部には、適宜固定釘等を打ち込み、スリーブ固定治具10による配管用スリーブ11の固定状態を補強することもできる。
【0013】
そして、本実施形態に係るスリーブ固定治具10は、鉄筋13に係合固定される鉄筋係合部14と、配管用スリーブ11を保持するスリーブ保持部15と、鉄筋係合部14及びスリーブ保持部15の間に介在し、鉄筋13と配管用スリーブ11との間に、必要なかぶり厚に相当する例えば3cmの間隔を保持する間隔保持部16とによって構成される。
【0014】
鉄筋係合部14は、例えば1〜3cm程度の高さの、断面が略半円形状に湾曲した塑性変形が可能な軟鋼による係合部材からなり、この略半円形状の内側に鉄筋13を配置して、その外側をペンチ等で挟み込んでカシメることにより、スリーブ固定治具10を鉄筋13に容易に係合固定することができる。なお、略半円形状の背面側中央部分には、間隔保持部16の一端部が接合一体化している。
【0015】
スリーブ保持部15は、弾性変形が可能な帯状の薄い鋼製プレートを、その両端を互いに重ね合わせた状態で円形に湾曲するようにくせ付けして形成される、環状の囲繞部からなるもので、この囲繞部内に配管用スリーブ11を保持する。また、このスリーブ保持部15は、帯状鋼製プレートの両端の重ね合わせ量を変化させることにより、囲繞部の内径を増減調整する機能を備える。
【0016】
さらに、図2にも示すように、下側に重ね合される一方の端部の上面には、その中央部分に、帯状鋼製プレートの延長方向に例えば5mm程度の間隔をおいて一対の係止用突起17が突出形成されると共に、上側に重ね合される他方の端部には、上記一対の係止用突起17と係合する係止孔18が、例えば5mm程度の間隔をおいて、帯状鋼製プレートの延長方向に複数形成されている。従って、複数の係止孔18から隣接する一対の係止孔18を選択して、係止用突起17を各々係合することにより、保持すべき配管用スリーブ11の径の大きさに応じて環状の囲繞部の内径を増減調整し、配管用スリーブ11の外周面に密着させることにより、スリーブ保持部15によって配管用スリーブ11を固定した状態で保持することが可能になる。
【0017】
間隔保持部16は、塑性変形が可能な軟鋼からなる1cm程度の幅の帯状のプレート部材からなり、その一端部が鉄筋係合部14の背面側中央部分に接合一体化している。また、間隔保持部16の他端部には、スリーブ保持部15を構成する帯状鋼製プレートを挿通可能なバックル部19が設けられおり、このバックル部19に折り帯状鋼製プレートを挿通した後にカシメ止めすることにより、スリーブ保持部15を間隔保持部16に接合固定する。さらに、間隔保持部16は、バックル部19と鉄筋係合部14への接合部との間の本体部分が、塑性変形可能でフレキシブルな構造となっているので、この間隔保持部16を曲折して鉄筋13と配管用スリーブ11との間隔を調整することにより、必要な大きさのかぶり厚を容易に確保することができる。
【0018】
そして、本実施形態によれば、配管用スリーブ11は、スリーブ固定治具10を介して、鉄筋13との間に、必要なかぶり厚に相当する間隔を保持して固定され、この状態でコンクリートが打設されるので、コンクリートの硬化後に配管用スリーブ11を撤去して形成された貫通孔の内面と、鉄筋13との間には、例えば3cmの有効なかぶり厚が確実に確保されることになる。従って、鉄筋の発錆を早めることなく、布基礎の劣化が促進するのを回避することが可能になる。
【0019】
本発明は、上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、スリーブ保持部は、必ずしも囲繞部の内径を増減調整して配管用スリーブを固定状態で保持するものである必要はなく、配管用スリーブの外径より大きな内径の囲繞部に配管用スリーブを挿通することにより保持するものであっても良い。
【0020】
さらに、配管用スリーブは、必ずしも円筒状のものである必要はなく、スリーブ保持部の形状を変更して、種々の断面形状の配管用スリーブを保持することができる。さらにまた、鉄筋コンクリート構造物であれば、布基礎に限らず、コンクリート梁、コンクリート柱の他、各種の土木構造物に対しても貫通孔を設けるべく本発明のスリーブ固定治具を採用することができる。
【0021】
【発明の効果】
本発明のスリーブ固定治具によれば、鉄筋コンクリート構造物に配管用スリーブを用いて形成された貫通孔と鉄筋との間の有効なかぶり厚を確保して、鉄筋コンクリート構造物の劣化の促進を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るスリーブ固定治具を用いて配管用スリーブを保持した状況を示す斜視図である。
【図2】図1のA−Aに沿った部分拡大断面図である。
【符号の説明】
10 スリーブ固定治具
11 配管用スリーブ
12 コンクリート型枠
13 鉄筋
14 鉄筋係合部
15 スリーブ保持部
16 間隔保持部
17 係止用突起
18 係止孔
19 バックル部
Claims (3)
- 塑性変形可能な軟鋼からなり、カシメることにより鉄筋に係合固定される鉄筋係合部と、配管用スリーブを保持するスリーブ保持部と、該鉄筋係合部及び該スリーブ保持部間に介在し、該鉄筋と該配管用スリーブとの間に所定の間隔を保持する、塑性変形可能な軟鋼からなる間隔保持部とからなり、上記鉄筋係合部が係合固定された一本の鉄筋から一つの上記間隔保持部によって上記配管用スリーブを支持するようになされていると共に、上記間隔保持部は、塑性変形可能でフレキシブルな構造により、上記鉄筋と上記配管用スリーブとの間の距離を、曲折することによって増減調整し得るようになされていることを特徴とするスリーブ固定治具。
- 上記スリーブ保持部は、配管用スリーブの外周面に係合する環状の囲繞部からなり、該囲繞部内に配管用スリーブを保持するようになされている請求項1記載のスリーブ固定治具。
- 上記囲繞部は、その内径を増減する内径調整手段を有している請求項2記載のスリーブ固定治具。
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