JP4165075B2 - 画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置などの、静電潜像担持体の表面に静電潜像を形成し、さらに現像手段に現像バイアスを与えてその静電潜像をトナーにより顕像化してトナー像を形成する画像形成装置および画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の画像形成装置の一例として、負帯電トナーを用いるレーザービームプリンタの主要部を図8に示す。この画像形成装置では、静電潜像担持体20たる感光体の表面が負の表面電位Voに帯電されており、その表面に露光手段たる半導体レーザー60からの光LLが照射されると、照射された部分の電荷の一部が中和されてその表面電位がVonに変化する。このように、光LLを画像信号に対応させてオン・オフしながら感光体上を走査露光することにより、図8(b)に示すように、画像信号に対応して画像部に対応する表面領域の電位がVon(≠Vo)となる一方、非画像部に対応する表面領域の電位は帯電直後の表面電位Voから暗減衰によりVd(|Vd|≦|Vo|)まで減衰し、こうして画像信号に対応する静電潜像が静電潜像担持体20上に形成される。
【0003】
こうして形成された静電潜像は、静電潜像担持体20の矢印方向への回転によって現像手段を構成する現像ローラ40と対向する現像位置Pに搬送される。この現像ローラ40には負に帯電したトナーが担持されるとともに、静電潜像担持体20の画像部へのトナー付着を促進すべく現像バイアスVbが与えられている。この現像バイアスVbの電位は、図8(b)に示すように、非画像部電位Vdと画像部電位Vonとの間の値に設定されており、したがって現像位置Pにおいて、非画像部では静電潜像担持体20の表面が現像ローラ40より低電位となっているのに対し、画像部では静電潜像担持体20の表面が現像ローラ40より高電位となっている。そのため、現像ローラ40に担持された負帯電トナーのうち画像部に対向する位置にあるトナーは静電気力によって静電潜像担持体20側に移行される一方、非画像部に対向する位置にあるトナーに対しては現像ローラ40側に引き寄せる方向の力が作用することとなる。このように、画像部にのみトナーを付着させることによって、静電潜像担持体20上の静電潜像がトナーにより顕像化される。
【0004】
このようにしてトナー像を形成する画像形成プロセスにおいては、照射光LLの露光エネルギー、非画像部電位Vd、画像部電位Von、現像バイアス電位Vbのそれぞれが最終的なトナー像の画像濃度に大きく影響を及ぼすことが知られており、これらのパラメータのうちいくつかを画像濃度制御因子として適宜調節することによって画像濃度を最適化する技術が従来より数多く提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、実際の画像形成プロセスにおいてはこれらのパラメータが相互に関連しながらトナー像が形成されてゆくため、必ずしもこれらを独立にかつ任意に制御できるわけではない。なかでも、現像バイアス電位Vbと非画像部電位Vdとの相対的な電位関係は、単に画像の濃淡のみならず、以下に述べるように、得られるトナー像の画像品質や装置内部へのトナー飛散量に対しても大きな影響を及ぼすため、より画像品質の良好なトナー像を形成するためにはこれらの値を適切に設定することが重要となる。
【0006】
なお、本明細書では、この現像バイアス電位Vbと非画像部電位Vdとの電位差の絶対値を逆コントラスト電位Vrと称する。すなわち、逆コントラスト電位Vr=|Vb−Vd|である。
【0007】
ここで、上記電位関係による影響について検討するために、まず最初に、現像バイアス電位Vbを非画像部電位Vdのレベルに近づけて逆コントラスト電位Vrを小さくした場合を考える。このとき、画像部電位Vonと現像バイアス電位Vbとの間の電位差、つまりコントラスト電位(=|Vb−Von|)が大きくなり、画像部においては現像ローラ40から静電潜像担持体20へのトナー移行が促進されるため、高い画像濃度を得ることができる。しかしながら、その一方で、静電潜像担持体20の非画像部においては現像ローラ40との電位差が小さくなっているため、余剰のトナーを現像ローラ40側に引き戻す作用は弱くなっている。そのため、現像ローラ40から遊離して装置内部に飛散するトナーの量が増加することとなる。
【0008】
一方、現像バイアス電位Vbはそのままで非画像部電位Vdの絶対値を大きくし逆コントラスト電位Vrを大きくすると、装置内部へのトナー飛散量を少なくすることができるものの、静電潜像担持体20の非画像部に保持された負電荷が負帯電トナーを斥ける力が強くなるため、図8に示すような、静電潜像のうち特に非画像部に挟まれた狭い領域の画像部にはトナーが付着しにくくなり、その結果、孤立ドットや細線がかすれたり、線幅の均一性が損なわれるなど、ドットの面積率が比較的低い低濃度画像での画像品質の劣化を招くこととなる。
【0009】
このように、トナー飛散を抑制するためには逆コントラスト電位Vrを大きくするのが好ましいのに対し、細線の均一性などの画像品質を確保するためには逆コントラスト電位Vrを小さくしたいという相反する要求があり、装置内部へのトナー飛散を抑制しつつ画質の良好な画像形成を行うためには、逆コントラスト電位Vrが常に適正値となるように、現像バイアス電位Vb等のパラメータを設定する必要がある。
【0010】
しかしながら、画像濃度の調節を目的としてこれらのパラメータを可変制御している従来の画像形成装置においては上記のような問題が考慮されておらず、したがって、画質の良好な画像を安定して形成する上で改善の余地が大きく残されていた。
【0011】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、装置内へのトナー飛散を防止しながら画質の良好なトナー像を安定して形成することのできる画像形成装置および画像形成方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかる画像形成装置は、上記目的を達成するため、その表面のうち画像部に対応する表面領域の画像部電位と、該表面の非画像部に対応する表面領域の非画像部電位とを互いに相違させることによって該表面に静電潜像を担持する静電潜像担持体と、与えられる現像バイアス電位に応じて、前記静電潜像をトナーにより顕像化してトナー像を形成する現像手段と、前記現像手段によって前記静電潜像担持体上に形成された所定のトナー像、あるいは当該トナー像が転写媒体に転写されてなるトナー像をパッチ画像としてその画像濃度を検出する濃度検出手段と、トナー像の画像濃度に影響を与える画像濃度制御因子を最適化することによって前記現像手段により形成されるトナー像の画像濃度を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記非画像部電位をその可変範囲における最大値に保持した状態で、前記現像バイアス電位を前記画像濃度制御因子として多段階に変更設定しながら各現像バイアス電位で、パッチ画像として該パッチ画像全体に対するドットの面積率が20%以上の高濃度画像を形成し、前記濃度検出手段によって該パッチ画像の画像濃度を求め、その画像濃度が予め設定された目標画像濃度に最も近くなる現像バイアス電位を最適現像バイアス電位として設定することで現像バイアス電位を最適化するとともに、前記最適現像バイアス電位に所定のオフセット値を加えた値を前記非画像部電位とすることで、前記トナー像を形成するときの前記現像バイアス電位と前記非画像部電位との電位差を一定に保つことを特徴としている。
【0013】
このように構成された発明では、現像バイアス電位に一定のオフセット値を加算した値を非画像部電位としているので、画像濃度制御のために現像バイアス電位を変更した後であっても、両者の電位差つまり逆コントラスト電位はこのオフセット値に保たれて一定となる。そして、この逆コントラスト電位を適正に設定することにより、装置内部へのトナー飛散を効果的に抑制しつつ、画像品質の良好なトナー像形成を行うことができる。
【0014】
また、現像バイアス電位を変化させてパッチ画像として高濃度画像を形成するときに、潜像担持体の非画像部電位を最大にして現像バイアス電位との電位差ができるだけ大きくなるようにしている。そのため、画像濃度への影響を抑えながら、パッチ画像形成時のトナー飛散を最小限に抑えることができる。
【0015】
また、実際に形成したパッチ画像の画像濃度に基づいて現像バイアス電位を最適化することによって、通常の画像形成動作時に近い状態で画像濃度の調節を行うことができるので、得られるトナー像の画像濃度をより精度よく調節することができる。しかも、非画像部電位を一定のまま最適化処理を行うことができるので、処理に要する時間の短縮を図ることができる。
【0016】
ここで、前記パッチ画像は、該パッチ画像全体に対するドットの面積率が20%以上である高濃度画像であることが好ましい。というのは、前述したように、パッチ画像全体に対するドットの面積率が低い低濃度画像では逆コントラスト電位の変化に伴う画質の変化が発生するのに対し、このような高濃度画像では逆コントラスト電位の影響は少なく、したがって非画像部電位を一定としてパッチ画像を形成しても最適化処理の結果に大きな誤差を生じることはないからである。
【0017】
また、この画像形成装置は、前記現像手段がジャンピング現像により前記静電潜像を顕像化してトナー像を形成する装置であってもよい。ここで、「ジャンピング現像」とは、非接触状態に保持した現像手段と静電潜像担持体との間でトナーを飛翔させて静電潜像担持体上の静電潜像にトナーを付着させる現像方式である。このジャンピング現像方式の画像形成装置では、上記したように現像手段と静電潜像担持体との間でトナーを飛翔させているため、画像形成時には両者の間でトナーが浮遊した状態となっており、このトナーが周囲に飛散しやすくなっている。したがって、このような装置において逆コントラスト電位を一定に保つことは、画像品質を保持しつつトナー飛散を抑制する上で効果的である。また、トナーの飛翔性を向上させるべく、現像バイアスに交流成分を加えている場合には、その電位の平均値と非画像部電位との電位差を一定に保つようにすればよい。
【0018】
また、前記現像手段は、互いに異なるトナー色に対応した複数の現像器を備えており、前記複数の現像器を順番に所定の現像位置に位置させて当該トナー色でのトナー像を形成することでカラー画像を形成してもよい。このようなカラー画像形成装置では、トナー色の切替に際して現像器の機械的移動を伴うためトナー飛散が起こりやすく、しかも色再現性のよいカラー画像を得るためには各トナー色による微細なドットをも精度よく安定して形成する必要があるため、このような画像形成装置において逆コントラスト電位を一定に保つことは、画質の良好なトナー像を安定して形成するためにきわめて有効である。
【0019】
また、前記現像バイアス電位および前記画像部電位の組合せを変更可能となっている場合には、その可変範囲内での前記現像バイアス電位と前記画像部電位との電位差の最大値と最小値との差が30V以下、より好ましくは20V以下であることが望ましい。というのは、これらの電位差は前述したコントラスト電位であり、このコントラスト電位を可変とすることで画像濃度を調整することが可能であるが、コントラスト電位の変化が画像濃度に与える影響は形成すべき画像の内容、つまりある面積内における画像部と非画像部との比率やその配置によって異なるため、コントラスト電位をあまり大きな範囲で変化させると細線画像での画像濃度の変動が大きくなったり階調再現性が低下するなどの弊害を招くおそれがあるからである。
【0020】
そこで、上記のように、コントラスト電位の可変幅を30V以下、より好ましくは20V以下に限定することにより、画像濃度の変動や階調再現性の低下を抑えることが可能となる。
【0021】
また、この発明にかかる画像形成装置は、前記静電潜像担持体の表面に設けられて所定の初期表面電位に帯電された感光体と、前記感光体表面に向けて光ビームを照射して、前記感光体表面のうち前記光ビームを照射した照射域の表面電位を前記初期表面電位と異なる照射域電位に変化させることで前記感光体上に静電潜像を形成する露光手段とをさらに備え、前記露光手段は、前記光ビームのエネルギー密度を変化させることで前記照射域電位を変更可能となっている装置であってもよい。
【0022】
このような画像形成装置としては、感光体表面のうち画像部に相当する領域に光ビームを照射して静電潜像(ネガ潜像)を形成するタイプと、非画像部に相当する領域に光ビームを照射して静電潜像(ポジ潜像)を形成するタイプとがあるが、いずれの装置においても照射する光ビームのエネルギー密度を画像濃度制御因子の1つとして用いることが可能であり、しかも逆コントラスト電位を一定に保つことによって、細線の再現性とトナー飛散の抑制とを両立させつつ画質の良好なトナー像形成を行うことが可能である。なお、上記した前者のタイプでは照射域電位が画像部電位に対応し、光ビームのエネルギー密度を変化させることにより画像部電位を制御するが、後者のタイプでは逆に照射域電位が非画像部電位に対応するので、光ビームのエネルギー密度を変化させることにより非画像部電位を制御することとなる。
【0023】
また、この発明にかかる画像形成方法は、静電潜像担持体の表面のうち、画像部に対応する表面領域の画像部電位と、非画像部に対応する表面領域の非画像部電位とを互いに相違させることにより該静電潜像担持体上に静電潜像を形成するとともに、現像手段に対して最適現像バイアス電位を与えながら前記静電潜像をトナーにより顕像化して画像信号に応じたトナー像を形成する画像形成方法であって、上記目的を達成するため、画像信号に応じたトナー像を形成するのに先立って、前記非画像部電位を一定に保持した状態で、前記現像バイアス電位を多段階に変化させて、その都度所定のパッチ画像を形成するとともに、各パッチ画像の画像濃度に基づいて、前記パッチ画像の画像濃度が予め設定された目標画像濃度に最も近くなる前記現像バイアス電位を前記最適現像バイアス電位として設定する一方、前記最適現像バイアス電位に所定のオフセット値を加えた値を前記非画像部電位として設定することで前記現像バイアス電位と前記非画像部電位との電位差を一定に保ちつつ、画像信号に応じたトナー像を形成することを特徴としている。
【0024】
このように構成された画像形成方法では、形成されるパッチ画像の画像濃度に基づいて現像バイアス電位を最適値に設定することで所望の画像濃度を得ており、しかも、その最適値に所定のオフセット値を加えた値を非画像部電位として設定するので、逆コントラスト電位を適正値に保ちながら画像形成を行うことができ、上記した画像形成装置と同様に、装置内部へのトナー飛散を抑制しつつ、画像品質の良好なトナー像を安定して形成することが可能である。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明にかかる画像形成装置の一の実施形態を示す図である。また、図2は図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。この画像形成装置は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナーを重ね合わせてフルカラー画像を形成したり、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成する装置である。この画像形成装置では、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号が制御ユニット1のメインコントローラ11に与えられると、このメインコントローラ11からの指令に応じてエンジンコントローラ12がエンジン部EGの各部を制御してシートSに画像信号に対応する画像を形成する。
【0026】
このエンジン部EGでは、感光体2が図1の矢印方向D1に回転自在に設けられている。また、この感光体2の周りにその回転方向D1に沿って、感光体2表面を所定の表面電位に帯電させるための帯電ユニット3、現像手段としてのロータリー現像ユニット4およびクリーニング部5がそれぞれ配置されている。帯電ユニット3は帯電バイアス発生部121から帯電バイアスが印加されており、感光体2の外周面を表面電位Voに均一に帯電させる。このため、この装置では、帯電バイアスを調整することによって感光体2の表面電位Voを制御可能となっている。
【0027】
そして、この帯電ユニット3によって帯電された感光体2の外周面に向けて露光ユニット6から光ビームLが照射される。この露光ユニット6は、図2に示すように、画像信号切換部122と電気的に接続されており、この画像信号切換部122を介して与えられる画像信号に応じて露光パワー制御部123が露光ユニット6を制御し、光ビームLを感光体2上に露光して感光体2上に画像信号に対応する静電潜像を形成する。例えば、エンジンコントローラ12のCPU124からの指令に基づき、画像信号切換部122がパッチ作成モジュール125と導通している際には、パッチ作成モジュール125から出力されるパッチ画像信号が露光パワー制御部123に与えられてパッチ潜像が形成される。一方、画像信号切換部122がメインコントローラ11のCPU111と導通している際には、ホストコンピュータなどの外部装置よりインターフェース112を介して与えられた画像信号に応じて光ビームLが感光体2上に露光されて画像信号に対応する静電潜像が感光体2上に形成される。このように、この実施形態では、感光体2が本発明の「静電潜像担持体」として機能している。
【0028】
この画像形成装置では、均一の表面電位Voに帯電した感光体2表面のうち画像部に対応する部分に露光ユニット6からの光ビームLを照射してその部分の電荷の一部を中和させることによって静電潜像を形成している。したがって、光ビームLの照射を受けて電位の変化した部分の電位、つまり照射域電位が画像部電位Vonに、また光ビームLの照射を受けなかった部分の電位、すなわち帯電ユニット3によって付与された感光体2の初期表面電位Voが暗減衰により減衰した後の電位が非画像部電位Vdに相当する。
【0029】
こうして形成された静電潜像は現像ユニット4によってトナー現像される。すなわち、この実施形態では現像ユニット4として、ブラック用の現像器4K、シアン用の現像器4C、マゼンタ用の現像器4M、およびイエロー用の現像器4Yが軸中心に回転自在に設けられている。そして、これらの現像器4K、4C、4M、4Yは回転位置決めされるとともに、感光体2に対して選択的に当接位置決めされ、現像バイアス発生部126によって現像バイアスが印加されて選択された色のトナーを感光体2の表面に付与する。これによって、感光体2上の静電潜像が選択トナー色で顕像化される。
【0030】
上記のようにして現像ユニット4で現像されたトナー像は、一次転写領域TR1で転写ユニット7の中間転写ベルト71上に一次転写される。また、この一次転写領域TR1の近傍位置では、中間転写ベルト71の表面に対向してパッチセンサPSが本発明の「濃度検出手段」として配置されており、後述するようにして中間転写ベルト71の外周面に形成されるパッチ画像の光学濃度を測定する。さらに、この一次転写領域TR1から周方向(図1の回転方向D1)に進んだ位置には、クリーニング部5が配置されており、一次転写後に感光体2の外周面に残留付着しているトナーを掻き落とす。また、必要に応じて不図示の除電部にて、感光体2の表面電位がリセットされる。
【0031】
転写ユニット7は、複数のローラに掛け渡された中間転写ベルト71と、中間転写ベルト71を回転駆動する駆動部(図示省略)とを備えている。そして、カラー画像をシートSに転写する場合には、感光体2上に形成される各色のトナー像を中間転写ベルト71上に重ね合わせてカラー画像を形成するとともに、所定の二次転写領域TR2において、カセット8から取り出されたシートS上にカラー画像を二次転写する。また、こうしてカラー画像が形成されたシートSは定着ユニット9を経由して装置本体の上面部に設けられた排出トレイ部に搬送される。
【0032】
なお二次転写後、中間転写ベルト71は不図示のクリーニング部にて中間転写ベルト71に残留付着しているトナーが除去される。
【0033】
なお、図2において、符号113はホストコンピュータなどの外部装置よりインターフェース112を介して与えられた画像を記憶するためにメインコントローラ11に設けられた画像メモリであり、符号127はCPU124で行う演算プログラム、CPU124における演算結果、ならびにエンジン部EGを制御するための制御データなどを記憶するためのメモリ(記憶手段)である。
【0034】
次に、上記のように構成された画像形成装置において実行される画像濃度制御因子の最適化処理について説明する。この画像形成装置では、適当なタイミング、例えば装置電源の投入時などに図3に示す最適化処理を実行することによって、トナー像の画像濃度に影響を与える画像濃度制御因子として露光エネルギーおよび現像バイアスを最適化して各色のトナー像の画像濃度を調整している。
【0035】
図3は、図1の画像形成装置における画像濃度制御因子の最適化処理を示すフローチャートである。この最適化処理では、各トナー色ごとに、画像濃度制御因子を多段階に変更設定しながらパッチ画像を形成し、そのパッチ画像の画像濃度に基づいて現像バイアス電位Vbおよび露光エネルギーEを最適化している。まず、各トナー色のうち1つ、例えばブラック(K)を選択しパッチ作成色として設定し(ステップS1)、該現像ユニット4Kを感光体2に対向する現像位置に位置決めする。そして、後述する現像バイアス最適化処理(ステップS2)および露光エネルギー最適化処理(ステップS3)を順次行って、ブラック色における現像バイアス電位Vbおよび露光エネルギーEの最適値を求める。こうして1つのトナー色について現像バイアス電位Vbおよび露光エネルギーEの最適値が求まると、引き続き他の現像ユニット4C、4M、4Yを順次現像位置に位置させて、各トナー色について同様に現像バイアス電位Vbおよび露光エネルギーEの最適値を求め、全トナー色について最適値が求まれば(ステップS4)、最適化処理を終了する。
【0036】
なお、この画像形成装置における画像濃度制御因子の最適化処理においては、まず高濃度画像、すなわちパッチ画像全体に対するドットの面積率の高い画像、例えばベタ画像や面積率20%以上の画像などをパッチ画像として形成し、その画像濃度に基づいて現像バイアス電位Vbの最適値を求めた後に、低濃度パッチ画像を形成してその画像濃度に基づいて露光エネルギーEの最適値を求めている。その理由は以下の通りである。
【0037】
すなわち、感光体2の画像部電位Vonは、露光エネルギーEに依存する。まず、感光体2の全面、若しくは比較的広い範囲を光ビームLで照射した場合、その露光エネルギーEが感光体2の光減衰特性曲線、いわゆるPIDC(Photo Induced Discharge Curve)の電位飽和領域(露光エネルギーEの変化に対する感光体2の表面電位の変化率が十分小さい領域)に入るほどに大きければ、露光エネルギーEを変化させても画像部電位Vonは概ね一定となる。したがって、同じ現像バイアス電位Vbで画像形成を行った場合、コントラスト電位が概ね一定であるため、画像濃度も概ね一定である。一方、低濃度パッチ画像のように、露光される領域が小さくスポット状である場合、露光エネルギーEを変化させる範囲が上記したPIDCの電位飽和領域の範囲内であったとしても、露光エネルギーEが大きくなると画像部に対応する潜像の幅が大きくなる。したがって、同じ現像バイアス条件で画像形成を行っても、露光エネルギーEの大小により画像濃度は変化することとなる。
【0038】
そこで、この画像形成装置では、露光エネルギーEの大小による濃度の違いが比較的少ない高濃度パッチ画像を用いてまず現像バイアスVbの最適値を求め、その後に低濃度パッチ画像を用いて露光エネルギーEの最適値を求めている。しかも、後述するように、現像バイアス電位Vbと非画像部電位Vdとの電位差、すなわち逆コントラスト電位Vrを適正値に保持した状態で低濃度パッチ画像を形成しているので、このような低濃度画像を再現性よく作成することが可能となっており、そのためより高い精度で露光エネルギーEの最適化を行うことができるのである。
【0039】
なお、前述したように、この実施形態では露光エネルギーEの大小により画像部電位Vonを変化させることができるが、その可変範囲としては、感光体2の表面の比較的広い範囲を照射したときの画像部電位Vonの変動が30V以下、より好ましくは20V以下となるように設定するのが望ましい。こうすることで、露光エネルギーEの変更に伴うコントラスト電位の変動も30V以下、あるいは20V以下に抑えられ、画像濃度の変動を最小限とすることができる。
【0040】
次に、図3のステップS2に示した現像バイアス最適化処理について、図4を参照しつつ詳述する。図4は、図1の画像形成装置における現像バイアス最適化処理を示すフローチャートである。この現像バイアス最適化処理では、例えば露光エネルギーEおよび非画像部電位Vdの絶対値をその可変範囲において最大値に固定した状態で、現像バイアス電位Vbを多段階に変更設定してパッチ画像を形成している。
【0041】
ここで、非画像部電位Vdの絶対値をその可変範囲において最大値に設定している理由は以下の通りである。すなわち、非画像部電位Vdの絶対値を最大とすることにより、いずれの現像バイアス電位Vbにおいても逆コントラスト電位Vr=|Vb−Vd|は最大となる。そのため、前述したように、このとき装置内へのトナー飛散は最少限に抑えられている。一方、このとき細線の均一性は悪くなっているが、後述するように、この条件で作成するパッチ画像は高濃度画像であるので逆コントラスト電位Vrが大きくなることによる画像濃度への影響は少ない。したがって、逆コントラスト電位Vrを最大、すなわち非画像部電位Vdの絶対値を最大に保ちつつ高濃度パッチ画像を形成することで、画像濃度への影響と装置内へのトナー飛散とを最少限に抑えながら、しかも感光体2の表面電位Voを変更する必要がないので短時間で最適化処理を行うことができる。
【0042】
まず、現像バイアス電位Vbをその可変範囲における最小値に設定する(ステップS21)。そして、この条件で高濃度パッチ画像、例えばベタ画像に相当するトナー像を形成する(ステップS22)。次に、現像バイアス電位Vbを1ステップ増加させて再びパッチ画像を形成し、現像バイアス電位Vbがその可変範囲における最大値となるまでこれを繰り返す(ステップS23、S24)。こうして形成され中間転写ベルト71に転写された各現像バイアスでのパッチ画像について、パッチセンサPSにより各パッチ画像の画像濃度を測定する(ステップS25)。そして、その画像濃度が予め設定された目標濃度、例えば光学濃度OD=1.2に最も近くなる現像バイアスを求め、その値を最適現像バイアスとする(ステップS26)。
【0043】
このようにして最適現像バイアスを求めた後、引き続いて図5に示す露光エネルギー最適化処理(図3におけるステップS3)を行う。図5は、図1の画像形成装置における露光エネルギー最適化処理を示すフローチャートである。この露光エネルギー最適化処理においては、現像バイアス電位Vbとして先に求めた最適値を用いるとともに、これに伴い非画像部電位Vdを逆コントラスト電位Vrが一定となるように設定する(ステップS31)。つまり、感光体2の表面電位Voが最適現像バイアスに所定の逆コントラスト電位Vrおよび感光体2の暗減衰分を加算した最適値となるように、帯電バイアス発生部121から帯電ユニット3に与える帯電バイアスを制御する。ここで、先に述べたように、感光体2の非画像部電位Vdは、帯電直後の初期表面電位Voが感光体2の現像位置までの回転移動の間に暗減衰した値となるが、帯電バイアスの大きさと感光体2の表面電位Voとの関係および暗減衰による減衰量は既知であるため、帯電ユニット3の帯電バイアスを制御することで所望の非画像部電位Vdを得ることができ、これにより逆コントラスト電位Vrを一定値に保つことができる。
【0044】
そして、露光エネルギーEをその可変範囲の最小値から1ステップずつ増加させながら、各露光エネルギーでパッチ画像を形成する(ステップS32〜S35)。
【0045】
このとき用いるパッチ画像としては、例えば図6に示す1オン5オフの1ドットライン画像LIを用いることができる。というのは、前述したように、露光される領域が小さくスポット状である画像では露光エネルギーEの大小が画質に与える影響が大きく、中でも図6のような隣接するライン間相互の干渉のない孤立ドットライン画像LIではその差が明確に現れるため、このような画像をパッチ画像として用いることで露光エネルギーEの最適値を精度よく求めることができるのである。このように好ましい低濃度パッチ画像は、画像全体に対するドットの面積率が20%以下、さらに好ましくは16.7%以下の画像である。
【0046】
なお、先にも述べたように、このような細線画像の画質に対しては、逆コントラスト電位Vrの値も大きな影響を及ぼしている。そのため、逆コントラスト電位Vrを考慮していない従来の画像形成装置においては、低濃度画像における画像濃度の調整を露光エネルギーEの制御によって精度よく行うことは困難であった。これに対して、この実施形態では、上記した逆コントラスト電位Vrを適正値に保ちながらライン画像LIを形成しており、その画像濃度に基づいて露光エネルギーEの最適値を求めることによって、より高い精度で露光エネルギーEを最適化することが可能となっている。
【0047】
こうして各露光エネルギーでのパッチ画像を形成した後、パッチセンサPSにより各パッチ画像の画像濃度を測定し(ステップS36)、その画像濃度が予め設定された目標濃度、例えば光学濃度OD=0.35に最も近くなる露光エネルギーEを求め、その値を最適露光エネルギーとする(ステップS37)。
【0048】
こうして求められた各トナー色における最適現像バイアス値および最適露光エネルギー値については、メモリ127に記憶しておき、以後の画像形成処理において各トナー色でのトナー像形成を行うときにはこれらの値を随時読み出し、現像バイアス電位Vbおよび露光エネルギーEとして設定する。
【0049】
なお、このようにして中間転写ベルト71上に形成された各パッチ画像は、パッチセンサPSにより画像濃度が測定された後、図示しないクリーニング部にて中間転写ベルト71表面から除去される。
【0050】
以上のように、この実施形態の画像濃度制御因子の最適化処理では、パッチ画像の画像濃度の測定結果に基づいて現像バイアス電位Vbの最適値を求め、その最適値にオフセット値として逆コントラスト電位Vrを加算した値を感光体2の非画像部電位Vdとしている。そして、以後の露光エネルギー最適化処理や通常の画像形成処理を行う際にはこの逆コントラスト電位Vrを常に一定となるように制御している。したがって、細線画像の形成を伴う露光エネルギー最適化処理や通常の画像形成処理におけるトナー飛散の抑制と画像品質の確保との両立が図られている。しかも、多量のトナーを現像させて高濃度パッチ画像を形成するときにもトナーの飛散は少なくなっており、さらに微小ドットを良好に形成できる状態で低濃度パッチ画像を形成しているのでこのパッチ画像を使用して行う露光エネルギー最適化処理の精度を向上させることができる。
【0051】
そして、このようにして最適化された現像バイアス電位Vbおよび露光エネルギーEを用いるとともに、逆コントラスト電位Vrを一定に保った状態で画像形成を行っているので、この画像形成装置では、細線や微小ドットからなる画像においてもかすれや線幅の不均一などの問題が発生せず、画像品質の優れたトナー像を安定して形成することが可能であると同時に、装置内部へのトナー飛散も効果的に抑制されている。
【0052】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記した実施形態では、高濃度パッチ画像を用いて現像バイアス電位Vbの最適化を行い、その後に低濃度パッチ画像を用いて露光エネルギーEの最適化を行っているが、さらに画像品質を高めるために、露光エネルギー最適化処理の後に低濃度パッチ画像を形成して再度現像バイアス電位Vbの微調整を行うようにしてもよい。また、装置構成を簡略化してコスト低減を図るために、露光エネルギーEを固定値として、現像バイアス電位Vbのみを画像濃度制御因子として用いるようにしてもよい。
【0053】
これらの場合においても、逆コントラスト電位Vrを一定に保ちながら低濃度パッチ画像を形成し、その画像濃度に基づいて最適化処理を行うことによって、装置内部へのトナー飛散を効果的に抑制しながら画像品質の優れたトナー像を安定して形成することが可能となる。
【0054】
また、上記した実施形態では低濃度パッチ画像として1オン5オフの1ドットライン画像LIを用いているが、低濃度パッチ画像としてはこれに限定されるものではなく、これ以外にも種々のハーフトーン画像やライン画像を用いることができる。例えば、互いに離隔配置された複数の孤立ドットからなる画像を用いてもよく、また上記と異なるオフ本数を有するライン画像を用いてもよい。ただし、極端に低濃度の画像を用いるとパッチセンサPSの測定感度の面で問題がある場合があり、また必要以上に高濃度の画像を用いると低濃度での画像品質のチェックが適切に行えないこととなるので、装置の仕様やトナーの特性に応じて形成すべきパッチ画像を適切に設定する必要がある。
【0055】
また、上記した実施形態における画像濃度制御因子の最適化処理では、画像濃度制御因子としての現像バイアス電位Vbまたは露光エネルギーEを、その最小値から順に1ステップずつ増加させてパッチ画像を形成し、その画像濃度が目標濃度に最も近くなるときの値を最適値としているが、これに限定されるものではなく、例えば、これらの画像濃度制御因子を最大値から1ステップずつ減少させながらパッチ画像形成を行ってもよいし、また、例えば、各パッチ画像ごとの画像濃度の変化分に基づいて画像濃度制御因子の最適値を算出するようにしてもよい。さらに、この実施形態の現像バイアス最適化処理は露光エネルギーEを最大値に固定して行っているが、これ以外にも例えば露光エネルギーEの中央値を用いて行ってもよい。
【0056】
また、上記した実施形態は、各現像器4Y、4M、4C、4Kが感光体2に当接した状態で現像を行う接触現像方式による画像形成装置であるが、これ以外に、現像器と感光体とが離間配置された、例えばジャンピング現像などの非接触現像方式による画像形成装置に対しても本発明を適用することが可能である。このような非接触現像方式では、トナーが現像位置にある現像器と感光体との間を飛翔することによって現像を行っているため、上記した接触現像方式の装置よりトナーがさらに飛散しやすくなっている。そのため、このような装置に本発明を適用することによるトナー飛散防止の効果はより顕著なものとなる。
【0057】
ジャンピング現像方式の画像形成装置では、トナーの飛翔性を向上させて現像効率を高めるべく、各現像器に与える現像バイアスとしては、図7に示すように、直流成分に交流成分を重畳したもの(同図(a))や正負のデューティ比を変えた交流電圧(同図(b))を用いるのが好ましい。このような現像バイアスを用いる場合には、その現像バイアスの平均値(各図に示す「Vmean」)を先に述べた「現像バイアス電位」と考えればよい。
【0058】
また、上記した実施形態は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の4色のトナーを用いてフルカラー画像を形成する画像形成装置であるが、単色(例えばブラック)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成する装置に対しても本発明を適用することができる。このようなモノクロ画像形成装置は主に文字等の細線で構成された画像の形成に多用されると考えられるから、このような装置に対して本発明を適用し、細線の画像品質を向上させることはきわめて有効である。
【0059】
また、上記実施形態では、感光体2上に形成したトナー像を中間転写ベルト71に転写しているが、中間転写ベルト以外の転写媒体(転写ドラム、転写ベルト、転写シート、中間転写ドラム、中間転写シート、反射型または透過型記録シートなど)にトナー像を転写して画像を形成する画像形成装置にも本発明を適用することができる。また、パッチセンサを感光体上に形成したトナー像の画像濃度を検出できる位置に設け、このパッチセンサによって感光体上のパッチ画像の画像濃度を測定するようにしてもよい。
【0060】
また、上記した実施形態は、各トナー色に対応した現像器4Y、4M、4Cおよび4Kが軸中心に配置されたロータリー現像ユニット4を備える画像形成装置であるが、これ以外にも、例えば、各トナー色の現像器を転写媒体の搬送方向に沿って一列に並ぶように設けた、いわゆるタンデム方式の画像形成装置に対しても本発明を適用することができる。
【0061】
また、上記した実施形態は、負帯電トナーを用いており、また画像部に対応する位置に光ビームLを照射することで感光体2上に静電潜像を形成する画像形成装置であるが、これに限定されるものではなく、正帯電トナーを用いる装置や、非画像部に光を照射して静電潜像を形成するタイプの画像形成装置に対しても、本発明を適用することができる。
【0062】
【発明の効果】
以上のように、この発明では、現像バイアス電位に一定のオフセット値を加算した値を非画像部電位としているので、画像濃度制御のために現像バイアス電位を変更した後であっても、両者の電位差つまり逆コントラスト電位はこのオフセット値に保たれて一定となる。そして、この逆コントラスト電位を適正に設定することにより、装置内部へのトナー飛散を効果的に抑制しつつ、画像品質の良好なトナー像形成を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる画像形成装置の一の実施形態を示す図である。
【図2】図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】図1の画像形成装置における画像濃度制御因子の最適化処理を示すフローチャートである。
【図4】図1の画像形成装置における現像バイアス最適化処理を示すフローチャートである。
【図5】図1の画像形成装置における露光エネルギー最適化処理を示すフローチャートである。
【図6】ラインパッチ画像を示す図である。
【図7】ジャンピング現像方式における現像バイアス波形の例を示す図である。
【図8】レーザービームプリンタの原理図である。
【符号の説明】
1…制御ユニット(制御手段)
2…感光体(静電潜像担持体)
3…帯電ユニット
4…現像ユニット(現像手段)
6…露光ユニット
71…中間転写ベルト(転写媒体)
LI…ラインパッチ画像
PS…パッチセンサ(濃度検出手段)
Vb…現像バイアス電位
Vd…非画像部電位
Von…画像部電位
Vr…逆コントラスト電位
Claims (8)
- その表面のうち画像部に対応する表面領域の画像部電位と、該表面の非画像部に対応する表面領域の非画像部電位とを互いに相違させることによって該表面に静電潜像を担持する静電潜像担持体と、
与えられる現像バイアス電位に応じて、前記静電潜像をトナーにより顕像化してトナー像を形成する現像手段と、
前記現像手段によって前記静電潜像担持体上に形成された所定のトナー像、あるいは当該トナー像が転写媒体に転写されてなるトナー像をパッチ画像としてその画像濃度を検出する濃度検出手段と、
トナー像の画像濃度に影響を与える画像濃度制御因子を最適化することによって前記現像手段により形成されるトナー像の画像濃度を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記非画像部電位をその可変範囲における最大値に保持した状態で、前記現像バイアス電位を前記画像濃度制御因子として多段階に変更設定しながら各現像バイアス電位で、パッチ画像として該パッチ画像全体に対するドットの面積率が20%以上の高濃度画像を形成し、前記濃度検出手段によって該パッチ画像の画像濃度を求め、その画像濃度が予め設定された目標画像濃度に最も近くなる現像バイアス電位を最適現像バイアス電位として設定することで現像バイアス電位を最適化するとともに、前記最適現像バイアス電位に所定のオフセット値を加えた値を前記非画像部電位とすることで、前記トナー像を形成するときの前記現像バイアス電位と前記非画像部電位との電位差を一定に保つことを特徴とする画像形成装置。 - 前記パッチ画像としてベタ画像を形成する請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記現像手段は、ジャンピング現像により前記静電潜像を顕像化してトナー像を形成する請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 前記現像手段は、互いに異なるトナー色に対応した複数の現像器を備えており、前記複数の現像器を順番に所定の現像位置に位置させて当該トナー色でのトナー像を形成することでカラー画像を形成する請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記現像バイアス電位および前記画像部電位の組合せが所定の範囲内で変更可能となっており、かつ、該範囲内での前記現像バイアス電位と前記画像部電位との電位差の最大値と最小値との差が30V以下である請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記現像バイアス電位および前記画像部電位の組合せが所定の範囲内で変更可能となっており、かつ、該範囲内での前記現像バイアス電位と前記画像部電位との電位差の最大値と最小値との差が20V以下である請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記静電潜像担持体の表面に設けられて、所定の初期表面電位に帯電された感光体と、
前記感光体表面に向けて光ビームを照射して、前記感光体表面のうち前記光ビームを照射した照射域の表面電位を前記初期表面電位と異なる照射域電位に変化させることで前記感光体上に静電潜像を形成する露光手段と
をさらに備え、
前記露光手段は、前記光ビームのエネルギー密度を変化させることで前記照射域電位を変更可能となっており、
前記制御手段は、前記現像バイアス電位を最適化した後、前記最適現像バイアス電位に前記オフセット値を加えた値に前記非画像部電位を設定した状態で前記光ビームのエネルギー密度を多段階に変更設定しながら各エネルギー密度でパッチ画像を形成し、その画像濃度に基づいて前記光ビームのエネルギー密度を最適化する請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置。 - 静電潜像担持体の表面のうち、画像部に対応する表面領域の画像部電位と、非画像部に対応する表面領域の非画像部電位とを互いに相違させることにより該静電潜像担持体上に静電潜像を形成するとともに、現像手段に対して最適現像バイアス電位を与えながら前記静電潜像をトナーにより顕像化して画像信号に応じたトナー像を形成する画像形成方法において、
画像信号に応じたトナー像を形成するのに先立って、前記非画像部電位をその可変範囲における最大値に保持した状態で、前記現像バイアス電位を多段階に変化させて、その都度パッチ画像として該パッチ画像全体に対するドットの面積率が20%以上の高濃度画像を形成するとともに、各パッチ画像の画像濃度に基づいて、前記パッチ画像の画像濃度が予め設定された目標画像濃度に最も近くなる前記現像バイアス電位を前記最適現像バイアス電位として設定する一方、
前記最適現像バイアス電位に所定のオフセット値を加えた値を前記非画像部電位として設定することで前記現像バイアス電位と前記非画像部電位との電位差を一定に保ちつつ、画像信号に応じたトナー像を形成することを特徴とする画像形成方法。
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