JP3566490B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、像担持体上の静電潜像を現像装置により現像して画像を形成する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カラー画像形成装置では、像担持体に対し帯電、露光、現像を行ない、得られた記録像を記録紙上に転写する工程を複数色分繰り返すことにより、記録紙上に複数色の記録像を重ねたカラー画像を得る方法が知られている。この種の画像形成装置は、DAS2607727、特開昭50−50935号等に記載されている構成で実用化されている。
【0003】
図11は、従来のカラー画像形成装置の断面図であり、装置内の略中央部には像担持体であるところの感光ドラム1が設置され、この感光ドラム1は、本例では、直径80mmのアルミニウムシリンダーの外周面に、光導電体として有機感光体(OPC)を塗布してなっているが、光導電体としてはA−Si、CdS、Se等でもよい。
【0004】
この感光ドラム1が図示しない駆動手段によって、100mm/秒の周速度で矢印D方向に回転され、感光ドラム1の上側に設置した帯電ローラ3により、感光ドラム1の表面がほぼ−500Vの電位に均一帯電される。均一帯電された感光ドラム1は、その左上方に設置された露光装置5によりレーザビームLを照射され、感光ドラム1の表面に第1色目のたとえばイエローの画像模様に従った静電潜像が形成される。
【0005】
露光装置5は、図示しないレーザダイオード、高速モータによって回転駆動される回転多面鏡、レンズを含む光学ユニットおよび折り返しミラー等からなり、レーザダイオードにたとえばイエローの画像模様に従った画像信号が入力されると、その画像信号がレーザダイオードの発光を変調してイエローの画像模様に従ったレーザビームLを発生する。発生したレーザビームは、感光ドラム1への光路を通って感光ドラム1の表面を照射し、感光ドラム1のレーザビームの照射された表面の箇所が、ほぼ−100Vの電位に減衰して静電潜像部に形成される。
【0006】
感光ドラムの左側には、回転可能な複数個の現像器4、すなわちイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの現像器4a、4b、4c、4dが設置されており、感光ドラム1上に形成された潜像は、予め感光ドラム1と対面した現像位置に移動されたイエロー現像器4aにより現像されて、イエロートナー像として可視化される。
【0007】
現像器4a〜4dは、回転する支持体9に取付けて、それら現像器4a〜4dの現像用開口面が支持体中心軸9aを中心とした同一円筒上に位置するように配置されている。この現像器4a、4b、4cには、それぞれ非磁性トナーのイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーが収容され、現像器4dには磁性トナーのブラックトナーが収容されている。これら各現像器4a〜4dは、支持体9の回転により感光ドラム1と対面した現像位置に順次搬送され、ついで感光ドラム1に対し位置決めされる。支持体9に取付けた現像器4a〜4dの駆動方法の詳細は、一例として特開昭50−93437号に述べられている。
【0008】
現像器4a、4b、4c、すなわち非磁性トナーを使用する現像器4の構成を図12により説明する。
【0009】
図12に示すように、現像器4はトナー室102と現像室103とを備え、トナー室102には非磁性トナーが収容され、またそのトナーを現像室103に搬送する搬送手段111が設置されている。現像室103は、感光ドラム1に対向する開口部103aを有し、また、導電性の現像スリーブ110、トナー供給ローラ112および規制ブレード113が設置されている。
【0010】
供給ローラ112は、トナー室102から搬送されたトナーを現像スリーブ110に供給するためのもので、矢印A方向に回転する現像スリーブ110の周面に弾性当接して矢印B方向に回転する。
【0011】
現像スリーブ110は、供給ローラ4によって供給されたトナーを担持して矢印A方向に回転することにより、感光ドラム1と対向した現像領域へ向けて搬送するためのもので、この現像スリーブ110は、現像室103内に開口部103aから外周面の一部が外部に露出する態様で回転自在に配置され、感光ドラム1と50〜500μmの間隙をおいて位置されている。
【0012】
規制ブレード113は、現像スリーブ110上に担持したトナーの層厚を規制するためのもので、開口部103aの上側の現像室103の壁に取付けて現像スリーブ110の周面に弾性当接されている。開口部103aの下側の現像室103の壁には、現像スリーブ110の下面に弾性当接して現像室103の下部からトナーが吹出すのを防止するシート108が設けられている。
【0013】
現像時、搬送手段111がトナー室102に収容された非磁性トナーを現像室103に向けて搬送し、供給ローラ112が搬送されたトナーを現像スリーブ110上に供給して担持させ、規制スリーブ113がそのトナーを所定の層厚に規制し、現像スリーブ110が所定層厚に規制されたトナーを現像領域へ搬送する。そして現像領域において、感光ドラム1との間で現像スリーブ110に印加した現像バイアスによって電界が形成され、その現像電界の力によりトナーが感光ドラム1に向けて飛翔し、感光ドラム1上に形成されている潜像部に付着して現像し、潜像をトナー像として可視化する。
【0014】
現像器4d、すなわち磁性トナーを使用する現像器4の構成を図13により説明する。図13に示すように、現像器4はトナー室102と現像室103とを備え、トナー室102には磁性トナーが収容され、またそのトナーを現像室103に搬送する搬送手段111が設置されている。現像室103は、感光ドラム1に対向する開口部103aを有し、また、複数の磁極を有する磁石116を非回転に内蔵した非磁性の現像スリーブ115、および規制ブレード113が設置されている。
【0015】
磁石116は、搬送手段111によってトナー室102から供給されたトナーを磁力により現像スリーブ115上に担持させるもので、現像スリーブ115は、担持したトナーを矢印A方向に回転することにより、感光ドラム1と対向した現像領域へ向けて搬送する。この現像スリーブ115は、現像室103内に開口部103aから外周面の一部が外部に露出する態様で回転自在に配置され、感光ドラム1と50〜500μmの間隙をおいて位置されている。現像スリーブ115には、直流電圧に交流電圧を重畳した現像バイアスを印加する図示しないバイアス電源が接続されている。
【0016】
規制ブレード113は、現像スリーブ115上に担持したトナーの層厚を規制するためのもので、開口部103aの上側の現像室103の壁に取付けて現像スリーブ115の周面に弾性当接されている。開口部103aの下側の現像室103の壁には、現像スリーブ115の下面に弾性当接して現像室103の下部からトナーが吹出すのを防止するシート108が設けられている。
【0017】
現像時、搬送手段111がトナー室102に収容された磁性トナーを現像室103に向けて搬送し、搬送されたトナーを磁石116を内蔵した現像スリーブ115が担持して、規制スリーブ113がそのトナーを所定の層厚に規制し、現像スリーブ115が所定層厚に規制されたトナーを現像領域へ搬送する。そして現像領域において現像スリーブ115に感光ドラム1との間で、図示しないバイアス電源により交流電圧に直流電圧を重畳した現像バイアスを印加することにより、発生した現像電界の力でトナーが感光ドラム1に向けて飛翔し、感光ドラム1上に形成されている潜像部に付着して現像し、潜像をトナー像として可視化する。
【0018】
図11の画像形成装置に戻ると、感光ドラム1の右側には中間転写体6が設置されており、中間転写体6は、感光ドラム1と圧接してこれと同周速度で矢印C方向に回転されている。現像器4aによる現像で得られた感光ドラム1上のイエロートナー像は、感光ドラム1の回転にともない中間転写体6とのニップ部に搬送される。そして図示しないバイアス電源から中間転写体6にトナーとは逆極性の転写バイアス(1次転写バイアス)を印加することにより、中間転写体6とのニップ部を通過する過程で、転写バイアスによる転写電界の力と上記の押圧力とにより、中間転写体6上に転写される(1次転写)。
【0019】
トナー像の転写が終了した感光ドラム1の表面は、これに当接したクリーニングブレード10aにより転写残りのトナーを除去した後、上記の帯電以下の画像形成工程を繰り返して、感光ドラム1上に第2色目のマゼンタトナー像が形成される。得られたマゼンタトナー像は、中間転写体6にイエロートナー像の上から重ね合わせて転写される。以下、同様にシアン、ブラックについても繰り返して、中間転写体6上に目的のカラー画像に対応した合成カラー画像が、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナー像を重ね合わせたカラー画像として得られる。
【0020】
中間転写体6上に形成されたカラー画像を構成する4色のトナー像は、転写ベルト7によって転写材カセット17から中間転写体6に搬送された転写材に一括して転写される(2次転写)。
【0021】
転写ベルト7は、テンションローラ61とバイアスローラ62とに掛け廻して、その幅方向を中間転写体6の軸方向と平行にして配設され、転写ベルト7のバイアスローラ62側の端部は、中間転写体6に離接自在に設置されている。このバイアスローラ62は転写バイアスを印加するローラで、他方のテンションローラ61は接地されている。転写ベルト7は矢印の方向に回転駆動される。
【0022】
中間転写体6での4色目のトナー像の1次転写と同期して所定のタイミングで、転写ベルト7が中間転写体6に当接するとともに、カセット17から転写材が給紙ローラ18を経て中間転写体と転写ベルト7のニップ部に供給され、転写ベルト7による駆動でニップ部を通過する。さらにこれと同時に図示しない電源からバイアスローラ62に所定の転写バイアス(2次転写バイアス)が印加され、中間転写体6上の4色のトナー像が、ニップ部を通過する転写材に一括して2次転写される。
【0023】
4色のトナー像が転写された転写材は、自身の剛性、自重および中間転写体6との曲率差で中間転写体6から分離して、転写ベルト7による走行で図示しない搬送路を通って定着器25に搬送される。定着器25に搬送された転写材は、そこを通過する間に加熱および加圧されることにより、トナーの溶融混色および転写材の繊維への固定が行なわれて、フルカラーのプリント画像に形成された後、装置上面の排出部34に廃止される。
【0024】
図11に示すように、本画像形成装置は、中間転写体6の近くに受・発光素子を内蔵した濃度検知センサー63を備え、中間転写体6上のトナー像の濃度を検知することにより、現像器、感光ドラムの使用度合、使用環境の変動等で発生する濃度の変動を識って、所望の画像濃度を得るように濃度制御している。濃度制御の方法は、現像器4に印加する現像バイアスを変化しながら印加して検知用トナー像を現像し、この検知用トナー像の濃度を濃度センサー63で検知して、所望の濃度が得られる適切な現像バイアスを求めて、その現像バイアスに変更するものである。
【0025】
本画像形成装置では、図14に示すように、トナーを現像スリーブから感光ドラムに向かう方向に付勢する電界を形成する電位Vmax を−1300Vに固定し、現像バイアスの実行値を示す積分平均値Vdcを変化させるために、トナーを感光ドラムから現像スリーブに向かう方向に付勢する電界を形成する電位Vmin を可変としている。
図15に、感光ドラムの表面電位および現像バイアスの電位関係を示す。
【0026】
上記のような現像バイアスの制御法の1例は、キヤノン(株)製のレーザビームプリンタLBP2030(登録商標)で実施されている。これは、特に低湿環境下でベタ画像のような画像の静電潜像のエッジ部を忠実に再現させるために、限られた火花放電の限界のなかで最大限にVmax の値を確保するために行なっているものである。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記のような現像バイアスの制御を行なった場合、図14の網掛け部分のような画像濃度をより淡くする方向に制御する領域では、Vmin をプラス方向に大きくし、現像バイアスの交流成分のピーク間電圧Vppが2000Vを超えるようになると、そのあたりからトナー飛散が顕著になるという問題があった。
【0028】
すなわち、網掛け部分のような制御領域では、高温高湿環境下の過剰な水分で帯電しにくいようなトナーは、現像スリーブに引き付けられる力(鏡映力)が低下して、感光ドラム側に飛びやすい状態になっている反面、Vppが大きくなると、現像スリーブと感光ドラム間の現像領域の幅が大きい、現像領域の周方向端部の部分で、トナーの飛翔運動が電界の向きに従わず、トナーが現像領域から外れて飛散する。
【0029】
磁性トナーの場合には、磁気力による現像スリーブへの拘束力が働くので、上記の網掛け部分でのトナーの飛散は発生しないが、現像スリーブ上のトナー層が厚いので、正規の帯電をしていないいわゆる反転トナーが生成されやすい。このため、網掛け部分で感光ドラム上の非画像部分の電位VD とVdcの電位差Vbackが大きくなると、このプラスの電荷を持った反転トナーが非画像部に転移してしまい、画像上に地かぶりとなって現れるという問題がある。
【0030】
本発明の目的は、高温高湿環境下等でのトナーの帯電電荷の低下による画像濃度の上昇や、感光ドラムの使用による特性変化等にともなう画像濃度の上昇に対し、画像濃度をより淡い方向に制御するに際し、現像バイアスの交流成分のピーク間電圧が過大になるのを防いで、それによる飛散トナーの増大を防止することを可能とした画像形成装置を提供することである。
【0031】
本発明の他の目的は、磁性トナーで現像した画像の環境変動等に対応した濃度制御を行なうに際し、反転トナーの非画像部への転移によるかぶりの発生を防止することを可能とした画像形成装置を提供することである。
【0032】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、本発明にかかる画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、現像剤担持体上に現像剤を担持して像担持体と対向した現像部へ搬送し、前記現像部において現像剤担持体に像担持体との間で交流電圧と直流電圧を重畳した現像バイアスを印加して、像担持体上に形成された静電潜像を現像剤で現像し、そして現像バイアスの強度の調整により画像濃度の制御を行なっており、前記現像バイアスの強度の調整は、所定の現像バイアス値と比較してより高濃度方向へ制御する領域においては、現像バイアスの交流成分の1周期における、現像剤を現像剤担持体から像担持体に向かう方向に付勢する電位Vmaxを所定値とし、現像剤を像担持体から現像剤担持体に向かう方向に付勢する電位Vminを調節することからなる画像形成装置において、
前記画像濃度を前記所定の現像バイアス値と比較してより低濃度方向へ制御する領域においては、前記電位Vminと連動させて前記電位Vmaxを制御することを特徴とする画像形成装置である。
【0033】
本発明によれば、前記低濃度方向へ制御する領域においては、前記電位Vmin と電位Vmax の電位差Vppが所定値またはそれ以下となるように、前記電位Vmax の制御を行なうことができる。また、前記像担持体上に濃度制御用の画像を形成し、その濃度を検知することにより画像形成条件の自動制御を行なう機構を有しており、前記検知した画像濃度が所定以上の濃度になったときに、前記低濃度方向へ制御する領域における前記電位Vmin と連動した前記電位Vmax の制御を、自動制御により行なうことができる。
【0034】
本発明の他の態様は、現像剤担持体上に現像剤を担持して像担持体と対向した現像部へ搬送し、前記現像部において現像剤担持体に像担持体との間で交流電圧と直流電圧を重畳した現像バイアスを印加して、像担持体上に形成された静電潜像を現像剤で現像し、そして現像バイアスの強度の調整により画像濃度の制御を行なっており、前記現像バイアスの強度の調整は、現像バイアスの交流成分の1周期における、現像剤を現像剤担持体から像担持体に向かう方向に付勢する電位Vmax を所定値とし、現像剤を像担持体から現像剤担持体に向かう方向に付勢する電位Vmin を調節することからなる画像形成装置において、前記画像濃度を所定の現像バイアス値と比較してより低濃度方向へ制御する領域においては、前記電位Vmin と連動させて前記現像剤担持体の回転速度を制御することを特徴とする画像形成装置である。
【0035】
本発明のさらに他の態様は、現像剤担持体上に現像剤を担持して像担持体と対向した現像部へ搬送し、前記現像部において現像剤担持体に像担持体との間で交流電圧と直流電圧を重畳した現像バイアスを印加して、像担持体上に形成された静電潜像を現像剤で現像し、そして現像バイアスの強度の調整により画像濃度の制御を行なっており、前記現像バイアスの強度の調整は、所定の現像バイアス値と比較してより高濃度方向へ制御する領域においては、現像バイアスの交流成分の1周期における、現像剤を現像剤担持体から像担持体に向かう方向に付勢する電位Vmaxを所定値とし、現像剤を像担持体から現像剤担持体に向かう方向に付勢する電位Vminを調節することからなる画像形成装置において、
前記画像濃度を前記所定の現像バイアス値と比較してより低濃度方向へ制御する領域においては、前記電位V min とV max の値を所定値にし、前記像担持体上の電位を制御することを特徴とする画像形成装置である。
【0036】
本発明のさらに他の態様は、像担持体と、前記像担持体上に形成された静電潜像を非磁性1成分現像剤により現像する第1現像手段と、前記像担持体上に形成された静電潜像を磁性1成分現像剤により現像する第2現像手段とを有し、前記第1、第2の現像手段による現像時、第1、第2の現像手段の現像剤担持体に像担持体との間で交流電圧と直流電圧を重畳した現像バイアスを印加し、そして現像バイアスの強度の調整により画像濃度の制御を行なっており、前記第1現像手段の現像バイアスの強度の調整は、所定の現像バイアス値と比較してより高濃度方向へ制御する領域においては、現像バイアスの交流成分の1周期における、現像剤を現像剤担持体から像担持体に向かう方向に付勢する電位Vmaxを所定値とし、現像剤を像担持体から現像剤担持体に向かう方向に付勢する電位Vminを調節することからなり、前記所定の現像バイアス値と比較してより低濃度方向へ制御する領域においては、前記電位V min と連動させて前記電位V max を制御する、又は前記電位V min とV max の値を所定値にし前記像担持体上の電位を制御する画像形成装置において、
前記第2現像手段の現像バイアスの強度の調整は、前記電位VminとVmaxの電位差Vppが所定値となるように、前記電位VminとVmaxを連動して制御し、前記画像濃度を所定の現像バイアス値と比較してより高濃度方向へ制御する領域においては、像担持体上の非画像部の帯電電位V Dと現像バイアスの積分平均値Vdcの差分が略一定値になるように、前記電位Vmin、Vmax、VDを調整し、前記画像濃度を所定の現像バイアス値と比較してより低濃度方向へ制御する領域においては、前記帯電電位VDの絶対値を前記所定の現像バイアス値におけるV D の絶対値以上に保ち、現像バイアスを調整して前記像担持体上の非画像部分の電位V D と現像バイアスの積分平均値V dc との電位差V back が前記所定の現像バイアス値におけるV back より大きくなるようにすることを特徴とする画像形成装置である。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
【0038】
実施例1
図1は、本発明の画像形成装置の一実施例を示す概略構成図である。本発明の画像形成装置は、中間転写体6上のトナー像の濃度を検知する濃度検知センサー63に接続した濃度制御部64で、現像器4に印加する現像バイアスを以下のように制御することにより、高温高湿環境下での現像器4のトナーの飛散を防止したことが大きな特徴である。
【0039】
本発明のその他の構成は先の図11に示した従来の画像形成装置と同様で、図1において図11と同じ構成および機能を有するものは同一の符号を付してその説明を省略し、また現像器4a〜4cについて言及するときには図12の図面を、現像器4dについて言及するときには図13の図面を援用する。
【0040】
さて、本実施例において、高温高湿環境下で非磁性トナーを使用する現像器4a〜4c、すなわち図12の現像器4のトナー飛散を防止するために、その現像スリーブ110に印加する現像バイアスについて、つぎの実験を行なった。
【0041】
すなわち、30℃、80%RHの高温高湿環境下で、感光ドラム1に対し現像器4を現像位置で位置決めし、感光ドラム1の帯電を行なわず0Vのままとし、現像スリーブ110に現像バイアスを印加した状態で、感光ドラム1および現像スリーブ110を、通常の画像形成時と同じ周速、回転方向の条件で60分間、空回転した。その際、現像器4と感光ドラム1の下に紙を敷き、現像器4から飛散したトナーを捕捉し、飛散トナー量を測定した。これを、現像バイアスの交流成分のピーク間電圧Vppを数ポンイトで変えて実施した。その結果を図2に示す。
【0042】
図2に示されるように、Vppが1.9kVを超えると、急激に飛散トナー量が増加することが分かる。
【0043】
そこで、本実施例では、制御部64により、図3に示すように、画像濃度を淡い側に制御する網掛けで表示した領域で、Vppが1.9kVを超えるのを防ぐために、Vmax (トナーを現像スリーブから感光ドラムに向かう方向に付勢する電界を形成する電位)の値を固定せず、プラス方向にシフトさせていき、その際、現像バイアスデータに対するVdcの値をリニアにするために、Vmin (トナーを感光ドラムから現像スリーブに向かう方向に付勢する電界を形成する電位)の値をマイナス方向にシフトさせるようにした。
【0044】
以上のようにすることにより、図3に示すように、画像濃度を淡い側に制御する網掛け領域で、Vppの値が1.9kVを上回ることがなくなり、高温高湿環境下でのトナーの飛散を防止できる。また、現像バイアスデータに対しVdcの値をリニアに変化させたので、低温低湿から高温高湿に至るあらゆる環境下で画像を損なうこともなく、十分な画像濃度を得ることができる。
【0045】
実施例2
本実施例は、トナー飛散の低減のために現像スリーブの周速に着目したことが特徴である。
【0046】
本実施例において、図1の画像形成装置により、高温高湿(HH)、常温常湿(NN)、低温低湿(LL)の3つの環境下で、現像器4の現像スリーブの感光ドラム1に対する周速比を変更しながらベタ画像を画像形成して出力し、ベタ画像の濃度を測定した。現像バイアスの制御は、図14で示した従来法と同様と、現像バイアスデータは中心値の128とした。濃度と周速比の結果を図4に示す。
【0047】
図4に示されるように、1.5以上の十分な画像濃度を満足するためには、LL環境下では、感光ドラムに対する現像スリーブの周速比が1.7を要するが、HH環境下では周速比を1.6まで下げても、同様な濃度を満足することが分かる。
【0048】
そこで、本実施例では、HH環境下でのトナー飛散を防止するために、HH環境下では現像スリーブの周速を下げても、画像濃度を十分に達成できることを利用して、以下のようにした。
【0049】
すなわち、図5のフローチャートに示すように、まず、電源をオン(ステップ1)し、感光ドラムに対する現像スリーブの通常の周速比1.7で、濃度検知用の画像形成を行なって濃度検知し(ステップ2)、適正な画像濃度になっているかを判断し(ステップ3)、つまり適正な画像濃度を達成する現像バイアスの交流成分Vppが、図14の網掛け部のように大きくなるかを判断する。大きくなっていない場合には、その検知結果に基づき現像バイアス強度を決定する(ステップ4)。
【0050】
ステップ3でVppが大きくなったと判断した場合、周速比が1.6になるように現像スリーブの周速を下げて濃度検知用の画像形成を行ない(ステップ5)、再度濃度検知を行なった(ステップ6)後、ステップ4に行き、検知結果に基づき現像バイアス強度を決定し、以後、スタンバイ(ステップ7)、プリント信号入力(ステップ8)を経てステップ9で画像形成し、適正な画像を得るものである。
【0051】
本実施例では、以上のように、感光ドラム1に対する現像スリーブの周速比を、通常の環境下では、十分な画像濃度が得られるたとえば1.7以上とし、そして、画像濃度は得やすいが、トナーが特に飛散しやすい高温高湿環境下等では、トナー飛散の起こりにくいたとえば1.6に下げたので、低温低湿から高温高湿に至るあらゆる環境下で、トナー飛散を生じることなく濃度が十分な画像を得ることが可能となる。また同時に、現像バイアスの交流成分のVppも一定値以下に抑えることが可能であり、トナー飛散防止を一層向上できる。
【0052】
さらに、本実施例によれば、特にトナーが昇温等でストレスを受けやすい高温高湿環境下で現像スリーブの周速を下げることが可能であるため、現像器の高耐久化にも貢献することができるという効果も有する。
【0053】
実施例3
本実施例は、実施例2と同様、トナー飛散を防止するために、感光ドラムに対する現像スリーブの周速比を変化させたが、その際に、現像スリーブの周速比をを現像バイアスデータに対して直線的に変化させるようにしたことが特徴である。
【0054】
本実施例において、現像バイアスの交流成分のピーク間電圧Vppを、図6に示すように、現像バイアスデータのフルレンジで直線的に変化するようにし、可変範囲を1500V〜1900Vとした。また感光ドラムに対する現像スリーブの周速比を、実施例2と同様、1.5〜1.7の範囲とし、その周速比が現像バイアスのデータの変化とともに直線的に変化するようにした。
【0055】
そして、Vppと周速比の組合せがそれぞれ(1600V、1.675)、(1700V、1.650)、(1800V、1.625)となるところで、濃度検知用の画像形成を行ない、その濃度を検知して、検知結果を基に適正なVppと周速比の組合せを選ぶようにした。
【0056】
本実施例では、以上のようにしたので、実施例2の効果に加えて、濃度が薄くなりがちな低温低湿環境下からトナーが飛散しやすい高温高湿環境下まで、濃度およびトナー飛散に対する対応を、きめ細かく採ることが可能となる。
【0057】
実施例4
本実施例は、実施例3と同様、高温高湿環境下で現像バイアスのVppが大きくなり飛散トナー量が増すのを防止するために、現像バイアス以外の手段、特に図1の感光ドラムの露光装置5に着目したことが特徴である。
【0058】
すなわち、本実施例では、高温高湿環境下でVppが大きくなるのを防止するために、感光ドラム1への露光を行なう露光装置5のレーザの光量を下げ、感光ドラム上の画像部の電位VL をよりプラス方向にシフトするようにした。
【0059】
図7のフローチャートに示すように、まず、電源をオンし(ステップ)1、通常のレーザ光量で濃度検知用の画像形成を行なって濃度検知し(ステップ2)、適正な画像濃度になっているかを判断し(ステップ3)、つまり適正な画像濃度を達成する現像バイアスの交流成分Vppが、図14の網掛け部のように大きくなるかを判断する。大きくなっていない場合には、その検知結果に基づき現像バイアス強度を決定する(ステップ4)。
【0060】
ステップ3でVppが大きくなったと判断した場合、レーザ光量を下げて濃度検知用の画像形成を行ない(ステップ5)、再度濃度検知を行なった(ステップ6)後、ステップ4に行き、検知結果に基づき現像バイアス強度を決定し、以後、スタンバイ(ステップ7)、プリント信号入力(ステップ8)を経てステップ9で画像形成し、適正な画像を得るものである。
【0061】
本実施例では、通常のレーザ光量は十分な画像濃度が得られるVL が−100Vとなる値とし、高温高湿環境下等で光量を低下させたレーザ光量はVL が−200Vとなるようにした。これにより、VL とVdcの差分で、潜像に対して現像バイアスがトナーを飛ばす力の指標となるVcontの値も100V減らすことになり、図8に示すように、Vppが1900Vとなるところで通常時の最小値と同じ150Vになった。その結果、従来、高温高湿環境下でVppを2140Vまで上げないと抑制できなかった濃度を、Vppを1900V以上にすることなく抑制することが可能となり、トナー飛散を防止することが可能となった。
【0062】
本実施例によれば、特に高温高湿環境下で現像特性が変わり、たとえば細線が太くなりすぎるのを、VL をシフトさせることにより防止する効果もある。
【0063】
実施例5
本実施例は、実施例4と同様に、高温高湿環境下で現像バイアスのVppが大きくなり飛散トナー量が増すのを防止するために、感光ドラム上の電位を変化させたが、その可変手段として図1の感光ドラムの一次帯電器、すなわち帯電ローラ3を使用したことが特徴である。
【0064】
すなわち、高温高湿環境下で現像バイアスのVppが大きくなるのを防止するために、感光ドラム1を一次帯電する帯電ローラ3による帯電量を増大して、感光ドラム1の帯電電位Vd を、通常時の−500Vから高温高湿環境時の−700Vまで上げた。これにより、レーザで露光された感光ドラム上の画像部の電位VL は、通常時の−100Vから高温高湿環境時に−200Vにシフトした。
【0065】
図9のフローチャートに示すように、まず、電源をオン(ステップ1)し、感光ドラムを通常の帯電電位である−500Vで帯電し、濃度検知用の画像形成を行なって濃度検知し(ステップ2)、適正な画像濃度になっているかを判断し(ステップ3)、つまり適正な画像濃度を達成する現像バイアスの交流成分Vppが、図14の網掛け部のように大きくなるかを判断する。大きくなっていない場合には、その検知結果に基づき現像バイアス強度を決定する(ステップ4)。
【0066】
ステップ3でVppが大きくなったと判断した場合、−700Vまで上げて感光ドラムを帯電し、濃度検知用の画像形成を行ない(ステップ5)、再度濃度検知を行なった(ステップ6)後、ステップ4に行き、検知結果に基づき現像バイアス強度を決定し、以後、スタンバイ(ステップ7)、プリント信号入力(ステップ8)を経てステップ9で画像形成し、適正な画像を得るものである。
【0067】
これにより、実施例4と同様、図8の現像コントラストVcontの値をVppが1900Vとなるところで、通常時の240Vから光量低下時に120Vに低減することができる。
【0068】
以上のように、本実施例では、高温高湿環境下等で感光ドラムの一次帯電量を増加したので、画像部の電位VL を、実施例4と同様、通常の環境下では画像濃度が得られるたとえば−100Vとし、特にトナーが飛散しやすい高温高湿環境下等では、レーザ光量を変更することなしにたとえば−200Vにとすることにより、現像バイアスのVppを一定値以下に抑えることが可能となる。
【0069】
さらに、本実施例によれば、高温高湿環境下で感光ドラムの暗部電位VD をよりマイナス方向にシフトさせることにより、高温高湿環境下で生じやすい帯電不十分なトナーが感光ドラムの非画像部へ転移して、いわゆる地かぶり現象を発生するのを防止することができる利点も有する。
【0070】
実施例6
本実施例では、非磁性トナーを用いる現像器4a〜4cは、実施例1〜5と同様な構成として、高温高湿環境下でのトナー飛散を減少させた。磁性トナーを用いる現像器4dは、反転かぶりを防止し、かつ転写バイアス等の影響を受けにくくして、安定した画質を達成可能とした。
【0071】
すなわち、本実施例では、図13の磁性トナーを用いる現像器4の現像スリーブ116に印加する現像バイアスは、交流成分のピーク間電圧Vppを1500Vに固定し、Vmax とVmin を平行移動させて、現像バイアスの実行値を示す積分平均値Vdcを増減させるようにした。
【0072】
感光ドラム上の暗部電位VDを固定したままでVdcを変化させると、図15のVback(感光ドラム上の非画像部分の電位V D と現像バイアスの積分平均値V dc との電位差)が大きくなったところで反転かぶりが発生する。このため従来は、磁性トナーの場合、現像バイアスのVdcと平行してVDもシフトさせるように措置している。しかし、本実施例のように、中間転写体6と感光ドラム1が当接する構成の場合、感光ドラム上の電位が転写バイアスの影響を受けてしまう。
【0073】
具体的には、中間転写体にトナー像を転写する1次転写バイアスの値が1色目と4色目とでは大きく違ってくるため、特に感光ドラム上のVD の値が小さいところで、転写バイアスの影響を受けやすくなり、前の色のトナー像のゴーストが次の色のトナー像に出てくるという問題がある。本実施例の場合、VD が−400Vよりプラス方向にいくと、このゴースト(転写メモリーによるゴースト)が出やすくなった。
【0074】
そこで、本実施例では、図10のように、現像バイアスのVdcとVDを連動させてVbackを一定に維持しながらも、従来はVDがプラス方向に行きすぎてしまうような、画像をより淡く制御する領域でのみ、VDが−400Vよりプラス方向に行かないように制限する、すなわちVbackを増加させるようにした。
【0075】
本実施例では、以上のようにしたので、磁性トナーを用いた現像器での現像により、濃度が適正でかぶりもなく、転写メモリーによるゴースト等もない良好な画像を得ることができる。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、環境の変化、トナーや感光ドラムの使用による変化等の影響を補正するようにしたので、良好な多色画質を安定して得ることができ、またトナー飛散による機内汚れがなく、メンテナンス性の良好な画像形成装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施例を示す概略構成図である。
【図2】図1の実施例における非磁性トナーを使用する現像器の現像バイアスのVppと飛散トナー量の関係を示すグラフである。
【図3】非磁性トナーを使用する現像器の現像バイアスデータと現像バイアスのVpp等の各種電位の関係を示すグラフである。
【図4】本発明の他の実施例における非磁性トナーを使用する現像器の感光ドラムに対する現像スリーブ周速比と画像濃度との関係を示すグラフである。
【図5】図4の実施例における現像スリーブの周速変更を組込んだ制御を示すフローチャートである。
【図6】本発明のさらにの他の実施例における磁性トナーを使用する現像器の現像バイアスデータとVppおよび現像スリーブ周速比との関係を示すグラフである。
【図7】本発明のさらに他の実施例におけるレーザ光量変更を組込んだ制御を示すフローチャートである。
【図8】図7の実施例における非磁性トナーを使用する現像器の現像バイアスデータと現像バイアスのVpp等の各種電位の関係を示すグラフである。
【図9】本発明のさらに他の実施例における一次帯電量変更を組込んだ制御を示すフローチャートである。
【図10】図9の実施例における非磁性トナーを使用する現像器の現像バイアスデータと現像バイアスのVbackの各種電位の関係を示すグラフである。
【図11】従来の画像形成装置を示す概略構成図である。
【図12】図11の画像形成装置に設置された非磁性トナーを使用する現像器を示す概略構成図である。
【図13】図11の画像形成装置に設置された磁性トナーを使用する現像器を示す概略構成図である。
【図14】図12の非磁性トナーを使用する現像器の現像バイアスデータと現像バイアスのVpp等の各種電位の関係を示すグラフである。
【図15】感光ドラムの表面電位および現像バイアスの電位関係を示す概念図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム
3 帯電ローラ
4 現像器
4a〜4c 非磁性トナーを使用する現像器
4d 磁性トナーを使用する現像器
5 露光装置
64 制御部
110、116 現像スリーブ
Claims (10)
- 現像剤担持体上に現像剤を担持して像担持体と対向した現像部へ搬送し、前記現像部において現像剤担持体に像担持体との間で交流電圧と直流電圧を重畳した現像バイアスを印加して、像担持体上に形成された静電潜像を現像剤で現像し、そして現像バイアスの強度の調整により画像濃度の制御を行なっており、前記現像バイアスの強度の調整は、所定の現像バイアス値と比較してより高濃度方向へ制御する領域においては、現像バイアスの交流成分の1周期における、現像剤を現像剤担持体から像担持体に向かう方向に付勢する電位Vmaxを所定値とし、現像剤を像担持体から現像剤担持体に向かう方向に付勢する電位Vminを調節することからなる画像形成装置において、
前記画像濃度を前記所定の現像バイアス値と比較してより低濃度方向へ制御する領域においては、前記電位Vminと連動させて前記電位Vmaxを制御することを特徴とする画像形成装置。 - 前記低濃度方向へ制御する領域においては、前記電位Vminと電位Vmaxの電位差Vppが所定値またはそれ以下となるように、前記電位Vmaxの制御を行なう請求項1の画像形成装置。
- 前記像担持体上に濃度制御用の画像を形成し、その濃度を検知することにより画像形成条件の自動制御を行なう機構を有しており、前記検知した画像濃度が所定以上の濃度になったときに、前記低濃度方向へ制御する領域における前記電位Vminと連動した前記電位Vmaxの制御を、自動制御により行なう請求項1または2の画像形成装置。
- 現像剤担持体上に現像剤を担持して像担持体と対向した現像部へ搬送し、前記現像部において現像剤担持体に像担持体との間で交流電圧と直流電圧を重畳した現像バイアスを印加して、像担持体上に形成された静電潜像を現像剤で現像し、そして現像バイアスの強度の調整により画像濃度の制御を行なっており、前記現像バイアスの強度の調整は、現像バイアスの交流成分の1周期における、現像剤を現像剤担持体から像担持体に向かう方向に付勢する電位Vmaxを所定値とし、現像剤を像担持体から現像剤担持体に向かう方向に付勢する電位Vminを調節することからなる画像形成装置において、
前記画像濃度を所定の現像バイアス値と比較してより低濃度方向へ制御する領域においては、前記電位Vminと連動させて前記現像剤担持体の回転速度を制御することを特徴とする画像形成装置。 - 前記像担持体上に濃度制御用の画像を形成し、その濃度を検知することにより画像形成条件の自動制御を行なう機構を有しており、前記検知した画像濃度が所定以上の濃度になったときに、前記低濃度方向へ制御する領域における前記電位Vminと連動した前記現像剤担持体の回転速度の制御を、自動制御により行なう請求項4の画像形成装置。
- 現像剤担持体上に現像剤を担持して像担持体と対向した現像部へ搬送し、前記現像部において現像剤担持体に像担持体との間で交流電圧と直流電圧を重畳した現像バイアスを印加して、像担持体上に形成された静電潜像を現像剤で現像し、そして現像バイアスの強度の調整により画像濃度の制御を行なっており、前記現像バイアスの強度の調整は、所定の現像バイアス値と比較してより高濃度方向へ制御する領域においては、現像バイアスの交流成分の1周期における、現像剤を現像剤担持体から像担持体に向かう方向に付勢する電位Vmaxを所定値とし、現像剤を像担持体から現像剤担持体に向かう方向に付勢する電位Vminを調節することからなる画像形成装置において、
前記画像濃度を前記所定の現像バイアス値と比較してより低濃度方向へ制御する領域においては、前記電位V min とV max の値を所定値にし、前記像担持体上の電位を制御することを特徴とする画像形成装置。 - 前記像担持体上の電位の制御は、露光手段による像担持体の露光強度を制御することにより行なう請求項6の画像形成装置。
- 前記像担持体上の電位の制御は、帯電手段による像担持体の帯電強度を制御することにより行なう請求項6の画像形成装置。
- 前記像担持体上に濃度制御用の画像を形成し、その濃度を検知することにより画像形成条件の自動制御を行なう機構を有しており、前記検知した画像濃度が所定以上の濃度になったときに、前記低濃度方向へ制御する領域における前記電位Vminと連動した前記像担持体上の電位の制御を、自動制御により行なう請求項6〜8のいずれかの項に記載の画像形成装置。
- 像担持体と、前記像担持体上に形成された静電潜像を非磁性1成分現像剤により現像する第1現像手段と、前記像担持体上に形成された静電潜像を磁性1成分現像剤により現像する第2現像手段とを有し、前記第1、第2の現像手段による現像時、第1、第2の現像手段の現像剤担持体に像担持体との間で交流電圧と直流電圧を重畳した現像バイアスを印加し、そして現像バイアスの強度の調整により画像濃度の制御を行なっており、前記第1現像手段の現像バイアスの強度の調整は、所定の現像バイアス値と比較してより高濃度方向へ制御する領域においては、現像バイアスの交流成分の1周期における、現像剤を現像剤担持体から像担持体に向かう方向に付勢する電位Vmaxを所定値とし、現像剤を像担持体から現像剤担持体に向かう方向に付勢する電位Vminを調節することからなり、前記所定の現像バイアス値と比較してより低濃度方向へ制御する領域においては、前記電位V min と連動させて前記電位V max を制御する、又は前記電位V min とV max の値を所定値にし前記像担持体上の電位を制御する画像形成装置において、
前記第2現像手段の現像バイアスの強度の調整は、前記電位VminとVmaxの電位差Vppが所定値となるように、前記電位VminとVmaxを連動して制御し、前記画像濃度を所定の現像バイアス値と比較してより高濃度方向へ制御する領域においては、像担持体上の非画像部の帯電電位V Dと現像バイアスの積分平均値Vdcの差分が略一定値になるように、前記電位Vmin、Vmax、VDを調整し、前記画像濃度を所定の現像バイアス値と比較してより低濃度方向へ制御する領域においては、前記帯電電位VDの絶対値を前記所定の現像バイアス値におけるV D の絶対値以上に保ち、現像バイアスを調整して前記像担持体上の非画像部分の電位V D と現像バイアスの積分平均値V dc との電位差V back が前記所定の現像バイアス値におけるV back より大きくなるようにすることを特徴とする画像形成装置。
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