以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
主に図1〜図15において、本発明の前提となる構成を説明し、主に図16〜図40において、本発明の特徴部分の構成を説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る画像出力装置が適用される画像処理システムにおける画像出力装置の一例としての画像処理装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態においては、画像処理装置は、複数の機能を有するデジタル複合機(MFP)100であるとする。本実施の形態の画像出力装置が適用される画像処理システムの全体構成は、図16で後述する。
デジタル複合機100は、図1に示すように、複数のホストコンピュータ(以下、PCという)601、602とともに、イーサネット(登録商標)などのLAN(Local Area Network)600に接続される。デジタル複合機100は、原稿上の画像を読み取るためのリーダ装置200と、画像を用紙上に形成するプリンタ装置300と、操作部150と、画像記憶部160と、制御装置110とを備える。
リーダ装置200は、原稿を1枚ずつ給紙する原稿給紙ユニット250と、原稿給紙ユニット250から給紙された原稿上の画像を光学的に読み取り、その読み取られた画像を画像データに変換して出力するスキャナユニット210とを有する。
プリンタ装置300は、用紙を収容する複数段の給紙カセットを備える給紙ユニット310と、画像データを用紙上に転写し、定着するマーキングユニット320とを有する。また、画像が形成された用紙に対してソート処理やステイプル処理を施し、外部に排出する排紙ユニット330を有する。操作部150は、各種ハードキーおよび画像データや各種機能の表示/設定などを行う液晶パネルを有する。画像記憶部160は、リーダ装置200により読み取られた画像データ、PC601、602からLAN600を介して受信されたコードデータから生成される画像データなどを格納するためのハードディスク装置(HDD)からなる。また、画像記憶部160を構成する記憶装置として、CD−R装置、DVD−R装置などを用いてもよい。
制御装置110は、リーダ装置200およびプリンタ装置300を制御し、リーダ装置200により原稿から画像データを読み取り、プリンタ装置300により読み取られた画像データに基づいて画像を用紙上に形成するコピー機能を提供する。また、制御装置110の制御により、リーダ装置200により原稿から読み取られた画像データをコードデータに変換し、該コードデータを、ネットワーク600を介してPC601、602へ送信するスキャナ機能を提供する。さらには、PC601、602からネットワーク600を介して受信したコードデータを画像データに変換し、該画像データをプリンタ装置300へ出力するプリンタ機能、その他の機能を提供する。
本実施の形態のデジタル複合機100は、リーダ装置200およびプリンタ装置300が一体的に構成されたものであり、そのメカニカル的な構成について図2を参照しながら説明する。図2は図1のデジタル複合機100のメカニカル的な構成を示す縦断面図である。
リーダ装置200においては、原稿給紙ユニット250が積載された原稿を所定の順に1枚ずつプラテンガラス211上へ給紙し、スキャナユニット210(図1)が、給紙された原稿に対して読み取り動作を行う。この読み取り動作終了後、プラテンガラス211上の原稿は排出トレイ219に排出される。
ここで、スキャナユニット210の読み取り動作においては、原稿がプラテンガラス211上に搬送されると、原稿を下方から照明するためのランプ212が点灯され、光学ユニット213の移動が開始されて、原稿の走査が開始される。そして、原稿からの反射光は、複数のミラー214、215、216およびレンズ217を介してCCDイメージセンサ(以下、CCDという)218へ導かれ、CCD218は、走査により得られた原稿上の画像を画像データに変換して出力する。CCD218から出力された画像データは、所定の処理が施された後、制御装置110(図1)に転送される。
また、原稿流し読み機能を行うことが可能であり、この場合、原稿給紙ユニット250から給紙された原稿は、プラテンガラス211上の原稿流し読み位置240を一定の速度で通過する。光学ユニット213は、原稿流し読み位置240に移動され、当該位置において、等速で搬送される原稿がランプ212によって照明され、CCD218によって原稿上の画像が読み取られる。
プリンタ装置300は、制御装置110から出力される画像データに基づいてレーザ発光部322を駆動するレーザドライバ321を有する。そして、レーザドライバ321により駆動されてレーザ発光部322から発光されたレーザ光は、感光ドラム323上を露光走査する。これにより、感光ドラム323上には、レーザ光に応じた静電潜像が形成され、この静電潜像は、現像器324から供給されるトナーによりトナー像として可視像化される。
上記トナー像は、転写部325により、レーザ光の照射開始と同期したタイミングで、給紙ユニット310を構成するカセット311、312、313、314または手差し給紙段315のいずれかから搬送路331を経て給紙された用紙に転写される。トナー像が転写された用紙は、搬送ベルト326により、定着部327に搬送され、定着部327において、用紙上のトナー像が熱圧されて用紙上に定着される。定着部327を通過した用紙は、搬送路335および搬送路334を経て、排紙ユニット330へ送られる。排紙ユニット330は、用紙に対して処理のシート処理(用紙の仕分け、ステイプル処理)を施し、シート処理後の用紙を排紙ビン328に排出する。
用紙の画像形成面を反転して排出する場合は、用紙が搬送路336および搬送路338まで一旦導かれた後に逆方向に搬送され、搬送路337および搬送路334を経て、排紙ユニット330へ送られる。
また、両面印刷を行う場合、定着部327を通過した用紙は、搬送路336からフラッパ329によって搬送路333に導かれた後、逆方向に搬送され、フラッパ329によって搬送路338を経て再給紙搬送路332へ導かれる。再給紙搬送路332へ導かれた用紙は、搬送路331を経て、転写部325へ給紙される。
次に、制御装置110の詳細について図3を参照しながら説明する。図3は図1の制御装置の内部構成を示すブロック図である。
制御装置110は、図3に示すように、メインコントローラ111を有する。メインコントローラ111は、CPU112と、バスコントローラ113と、後述する各種コントローラ回路を含む機能ブロック(図示せず)を内蔵する。また、ROMI/F115を介してROM114と、DRAMI/F117を介してDRAM116と、それぞれ接続される。さらに、コーデックI/F118を介してコーデック(Codec)119と、ネットワークI/F123を介してネットワークコントローラ(Network Controller)121と、それぞれ接続される。
ROM114には、メインコントローラ111のCPU112で実行される各種制御プログラムや演算データが格納されている。DRAM116は、CPU112が動作するための作業領域や画像データを蓄積するための領域として使用される。コーデック119はDRAM116に蓄積されたラスターイメージデータをMH/MR/MMR/JBIGなどの周知の圧縮方式で圧縮し、また圧縮されたデータをラスターイメージに伸長する。また、コーデック119には、SRAM120が接続されており、該SRAM120はコーデック119の一時的な作業領域として使用される。ネットワークコントローラ121は、コネクタ122を介してLAN600と接続され、LAN600との間で所定の通信制御を行う。
また、メインコントローラ111は、スキャナバス141を介してスキャナI/F140と接続される。また、プリンタバス146を介してプリンタI/F145と接続される。さらには、PCIバス等の汎用高速バス125を介して、拡張ボードを接続するための拡張コネクタ124及び入出力制御部(I/O制御部)126と接続される。
また、I/O制御部126には、リーダ装置200やプリンタ装置300との間で制御コマンドを送受信するための調歩同期式のシリアル通信コントローラ127が2チャンネル分設けられている。そして、該シリアル通信コントローラ127は、I/Oバス128を介してスキャナI/F140およびプリンタI/F145と接続される。
スキャナI/F140は、第1の調歩同期シリアルI/F143および第1のビデオI/F144を介してスキャナコネクタ142と接続され、スキャナコネクタ142はリーダ装置200のスキャナユニット210と接続される。そして、スキャナI/F140はスキャナユニット210から受信した画像データに対し2値化処理、主走査方向および/または副走査方向の変倍処理を行い、またスキャナユニット210から受信したビデオ信号に基づいて制御信号を生成する。そして、画像データおよび制御信号を、スキャナバス141を介してメインコントローラ111へ転送する。
また、プリンタI/F145は、第2の調歩同期シリアルI/F148および第2のビデオI/F149を介してプリンタコネクタ147と接続され、プリンタコネクタ147はプリンタ装置300のマーキングユニット320と接続される。そして、プリンタI/F145は、メインコントローラ111から出力された画像データにスムージング処理を施して該画像データをマーキングユニット320に出力する。さらにマーキングユニット320から送られたビデオ信号に基づいて生成された制御信号をプリンタバス146に出力する。
CPU112は、ROM114からROMI/F115を介して読み込まれた制御プログラムに基づいて動作し、例えば、PC601、602から受信したPDL(ページ記述言語)データを解釈し、ラスターイメージデータに展開処理を行う。
バスコントローラ113は、スキャナI/F140プリンタI/F145、その他拡張コネクタ124等に接続された外部機器から入出力されるデータ転送を制御するものであり、バス競合時のアービトレーション(調停)やDMAデータ転送の制御を行う。すなわち、例えば、上述したDRAM116とコーデック119との間のデータ転送、スキャナユニット210からDRAM116へのデータ転送、DRAM116からマーキングユニット320へのデータ転送などは、バスコントローラ113によって制御される。
I/O制御部126は、LCDコントローラ131およびキー入力I/F130を介してパネルI/F132と接続され、パネルI/F132は、操作部150と接続される。また、I/O制御部126は不揮発性メモリとしてのEEPROM135と、E−IDEコネクタ161を介して画像データの書き込み/読み出しが可能な画像記憶部(HDD)160と接続される。さらに、機器内で管理する日付と時刻を更新/保存するリアルタイムクロックモジュール133と接続される。ここで、リアルタイムクロックモジュール133はバックアップ用電池134と接続され、該バックアップ用電池134によりバックアップされている。
次に、メインコントローラ111の詳細について図4を参照しながら説明する。図4は図3のメインコントローラ111の内部構成を示すブロック図である。
メインコントローラ111は、図4に示すように、CPU112を構成するプロセッサコア401を有する。プロセッサコア401は、64ビットのプロセッサバス(SCバス)を介して、システムバスブリッジ(SBB)402と接続される。SBB402は、4×4の64ビットクロスバスイッチであり、プロセッサコア401の他に、キャッシュメモリを備えたSDRAMやROMを制御するメモリコントローラ403と専用のローカルバス(MCバス)を介して接続される。さらに、グラフィックバスであるGバス404、IOバスであるBバス405と接続され、合計4つのバスと接続される。SBB402は、これら4モジュール間を、可能な限り同時並行接続を確保することができるように設計されている。また、SBB402は、データの圧縮伸張ユニット(CODEC)418とCODECI/Fを介して接続される。
Gバス404は、Gバスアービタ(GBA)406により協調制御されており、スキャナやプリンタと接続するためのスキャナ/プリンタコントローラ(SPC)408に接続される。また、Bバス405は、Bバスアービタ(BBA)407により協調制御されており、SPC408と接続される。この他、電力管理ユニット(PMU)409、インタラプトコントローラ(IC)410、UARTを用いたシリアルインタフェースコントローラ(SIC)411と接続される。さらに、USBコントローラ412、IEEE1284を用いたパラレルインタフェースコントローラ(PIC)413、イーサネット(登録商標)を用いたLANコントローラ(LANC)414と接続される。さらに、汎用入出力コントローラ(MISC)415、PCIバスインタフェース(PCIC)416とも接続される。
Bバスアービタ407は、Bバス405を協調制御するアービトレーションであり、Bバス405のバス使用要求を受け付け、調停の後、使用許可が選択された1つのマスタに与えられ、これにより同時に2つ以上のマスタがバスアクセスを行うのを禁止する。ここで、アービトレーション方式は、3段階の優先権を有し、それぞれの優先権に複数のマスタが割り当てられる。
インタラプトコントローラ410は、上述した各機能ブロックおよび制御装置110の外部からインタラプトを集積し、プロセッサコア401がサポートするコントローラ類408、411−416およびノンマスカブルインタラプト(NMI)に再配分する。
電力管理ユニット409は、機能ブロック毎に電力を管理し、制御装置110の消費電力量の監視を行う。すなわち、制御装置110は、プロセッサコア401を内蔵した大規模なASIC(特定用途向けIC)で構成されており、このため全ての機能ブロックが同時に動作すると大量の熱を発生し、制御装置110自体が破壊されてしまう恐れがある。そこで、このような事態を防止するために、機能ブロック毎に消費電力が管理され、各機能ブロックの消費電力量はパワーマネージメントレベルとして電力管理ユニット409に集積される。そして、電力管理ユニット409は、各機能ブロックの消費電力量を合計し、該消費電力量が限界消費電力を超えないように各機能ブロックの消費電力量を一括して監視する。
Gバスアービタ406は、中央アービトレーション方式によりGバス404を協調制御しており、各バスマスタに対して専用の要求信号と許可信号とを有する。ここで、バスマスタへの優先権の付与方式として、次のいずれかのモードを指定することができる。1つは、全てのバスマスタを同じ優先権として、公平にバス権を付与する公平アービトレーションモードである。もう1つは、いずれか一つのバスマスタに対して優先的にバスを使用させる優先アービトレーションモードである。
次に、制御装置110の内部ソフトウェア構造について図5および図6を参照しながら説明する。図5は図1の制御装置の内部ソフトウェア構造を示すブロック図、図6は図5のジョブ制御部およびデバイス部の構成を示すブロック図である。
制御装置110においては、図5に示すように、コントローラソフトウェア700により、プロトコル解釈部701、ジョブ制御部702、およびデバイス部703が構成される。プロトコル解釈部701は、PC601、602または操作部150から各インタフェース411〜414を介して送られたコマンド(プロトコル)を解釈し、ジョブ制御部702に対してジョブの実行を依頼する。ジョブ制御部702は、プロトコル解釈部701の依頼に基づき種々のジョブを実行する。デバイス部703は、デジタル複合機100を構成する各ユニットをそれぞれ制御するドライバソフトを含み、これらのドライバソフトは、ジョブ制御部702がジョブを実行する際に使用される。
ジョブ制御部702は、図6に示すように、ジョブ生成部800、ジョブ処理部810、ドキュメント処理部820、ページ処理部830、バンド処理部840、およびデバイス割り当て部850を有する。ジョブ処理部810は、ジョブ管理部811、バインダ管理部812、およびドキュメント管理部813を含む。デバイス部703は、第1デバイス851、第2デバイス852、第3デバイス853などの複数のデバイスを含む。
ホストコンピュータ601、602、または操作部150からの一連の操作依頼が、コマンド(プロトコル)という形式で、各インタフェース411〜414を介して入力される。入力されたコマンドは、プロトコル解釈部701で解釈された後、ジョブ制御部702のジョブ生成部800に送られる。この際、コマンドは、ジョブ制御部702が理解可能な形式に変換される。
ジョブ生成部800は、プロトコル解釈部701により解釈されたコマンドに基づいてジョブ814を生成する。ジョブ814としては、コピージョブ、プリントジョブ、スキャンジョブ、ファックスジョブなどの各種ジョブがある。プロトコル解釈部701により解釈されたプロトコルには、例えば、プリントジョブならば、印刷する文書の名前、印刷部数、出力先の排紙トレイの指定などの様々な設定情報、印刷データ自体(PDLデータ)などが含まれる。生成されたジョブ814は、ジョブ処理部810に送られ、処理される。
ジョブ処理部810は、ジョブ管理部811、バインダ管理部812、ドキュメント管理部813を含み、ジョブ814全体に関する設定や処理を行う。ジョブ管理部811では、ジョブ814を構成する複数のバインダ815の出力順など、ジョブ814全体に関わる設定がされる。バインダ管理部812では、バインダ815を構成する複数のドキュメント816の出力順など、バインダ815全体に関わる設定がされる。ドキュメント管理部813では、ドキュメント816を構成する複数のページ831の出力順など、ドキュメント816全体に関わる設定がされる。
また、ジョブ処理部810は、ジョブ814全体に関する設定や処理以外に、ジョブ814を構成するさらに小さな仕事の単位であるバインダ815に分割する。また、バインダ815を構成するさらに小さな仕事の単位であるドキュメント816に分割するなどの処理を行う。
ドキュメント816は、入力ドキュメント821と1対1に対応付けられており、入力ドキュメント821は、ドキュメント処理部820により出力ドキュメント822に変換される。例えば、原稿束をリーダ装置200で読み取り、読み取られた複数の画像をそれぞれ画像データに変換するスキャンジョブを考えると、次のようになる。すなわち、入力ドキュメント821には、原稿束に関する設定や操作の手順が書かれ、出力ドキュメント822には、複数のイメージデータに関する設定や操作の手順が書かれる。そして、ドキュメント処理部820が、原稿束から読み取られた複数の画像をそれぞれ画像データに変換する役割を行う。
ドキュメント処理部820は、ドキュメント単位の入力ドキュメント821から出力ドキュメント822への変換処理を行う。そして、ドキュメント全体に関する設定や処理以外に、更に小さな仕事の単位である入力ページ831に分割し、ページ処理部830に処理を依頼する。これは、ちょうどジョブ処理部815がジョブ単位の処理に専念して、さらに細かい仕事のためにバインダ815、ドキュメント816を生成するのと同じである。ドキュメント単位の設定および操作は、具体的にはページの並び替え、両面印刷の指定、表紙の付加、OHP中差しなどのページ順序に関するものである。
ページ処理部830は、ページ単位の入力ページ831から出力ページ832への変換処理を行う。例えば、上述したスキャンジョブの場合、入力ページ831には、読み取りの解像度、読み取りの向き(ランドスケープ/ポートレイト)などの各種設定や手順が書かれており、出力ページ832にはイメージデータの格納場所などの設定や手順が書かれている。
このように、ジョブの単位を徐々に小さくして、ジョブをページ単位で扱う場合、システムは1ページ分のページメモリを持つことによって高価になるが、最終的にページ単位までジョブを細分化して処理すればよい。しかしながら、現実には、メモリのコストなどの点から1ページ分のページメモリを持つことができない場合、数ライン分のメモリ(バンドメモリ)でジョブ814を処理するシステムが構築されることになる。このような場合、ページをさらに細かい単位であるバンドに分割する処理が行われる。それが、入力バンド841、バンド処理部840、出力バンド842であり、これらの動作に関してはページの場合と同様である。
ジョブ処理部810、ドキュメント処理部820、ページ処理部830およびバンド処理部840は、いずれも処理を進める際に、画像入出力システムを構成する種々の物理デバイスを使用する。当然、複数の処理部が同時に仕事を進めると、デバイスの競合が発生するので、それは、デバイス割り当て部850により調停される。例として図に示した第1〜第3デバイス851〜853は、デバイス割り当て部850により上述した各処理部に割り当てられる論理デバイスである。これらのデバイスとしては、例えば、ページメモリやバンドメモリ、原稿給紙ユニット250、マーキングユニット320およびスキャナユニット210などである。
次に、画像記憶部160に蓄積される画像データを管理する文書管理部900について図7を参照しながら説明する。図7は図1の画像記憶部に蓄積される画像データを管理する文書管理部の管理構造を示す図である。
文書管理部900は、図7に示すように、フォルダ管理部901、ジョブ管理部902、バインダ管理部903、ドキュメント管理部904、およびページ管理部905から構成され、それぞれ管理情報(属性値)を有する。文書管理部900は、1または複数のフォルダ管理部901から構成され、文書管理部900には、フォルダ管理部901の管理情報が格納されている。フォルダ管理部901は、1または複数のジョブ管理部902から構成され、フォルダ管理部901には、ジョブ管理部902の管理情報が格納されている。ジョブ管理部902は、1または複数のバインダ管理部903から構成され、ジョブ管理部902には、バインダ管理部903の管理情報が格納されている。さらに、ジョブ管理部902は、ジョブ制御部702において処理されるジョブ814の動作に必要な情報であってジョブ管理部811に格納されている属性値を格納/保存することができる。バインダ管理部903は、1または複数のドキュメント管理部904から構成され、バインダ管理部903には、ドキュメント管理部904の管理情報が格納されている。さらに、バインダ管理部903は、ジョブ制御部702において処理されるバインダ815の動作に必要な情報であってバインダ管理部812に格納されている属性値を格納/保存することができる。
ドキュメント管理部904は、1または複数のページ管理部905から構成され、ページ管理部905の管理情報が格納されている。さらに、ドキュメント管理部904は、ジョブ制御部702において処理されるドキュメント管理部813に格納されている属性値や、ドキュメント処理部820により処理された出力ドキュメント822の属性値を格納/保存することができる。ページ905は、画像記憶部160に保存されている、リーダ装置200で読み込まれた1ページ分の画像データと対応付けられている。さらには、ホストコンピュータ601、602から送信されたPDLを展開した1ページ分の画像データ、FAXで受信した1ページ分の画像データなどと対応付けられている。さらに、ページ管理部905は、ジョブ制御部702のページ処理部830により処理された出力ページ832の属性値を格納/保存することができる。すなわち、文書管理部900に保存された情報と、画像記憶部160に保存された画像データから画像蓄積時に投入されたジョブ814を再現することが可能である。また、保存されている情報を再設定することによって、投入時のジョブと異なる動作をさせることも可能である。
次に、制御装置110により実行されるジョブ814の一つであるコピージョブについて図8を参照しながら説明する。図8は図1の制御装置により実行されるコピージョブの構成の一例を示す図である。
ホストコンピュータ601、602あるいは操作部150からの一連の操作依頼として、コピージョブのコマンドを受信した場合、次のようになる。すなわち、図8に示すように、プロトコル解釈部701は、受信したコマンドを解釈してジョブ生成部800が理解可能な形式のコマンドに変換し、当該コマンドをジョブ生成部800に渡す。ジョブ生成部800は、上記コマンドに基づいてコピージョブ1001を生成する。コピージョブ1001は、コピー動作を実現するための機能を有する。そして、当該機能により、スキャンジョブ1002、イメージエージェントジョブ1003およびプリントジョブ1006を生成し、これらのジョブに関する動作を制御することによってコピー処理を実現する。イメージエージェントジョブ1003は、イメージエージェントバインダ1004を、イメージエージェントバインダ1004は、イメージエージェントドキュメント1005をというように、自身を構成する細かい単位に処理を依頼し、それぞれの動作を制御する。イメージエージェントドキュメント1006は、ドキュメント処理部(紙→イメージ)1010の出力ドキュメントであるイメージドキュメント1011の生成を行う。生成されたイメージドキュメント1011は、イメージエージェントドキュメント1005、イメージエージェントバインダ1004、イメージエージェントジョブ1003、コピージョブ1001を経由する。そして、これらを経由して、スキャンジョブ1002、プリントジョブ1006に渡される。
スキャンジョブ1002は、ドキュメント処理部(紙→イメージ)1010の入力ドキュメントであるスキャン紙ドキュメント1009の生成を行った後に、ドキュメント処理部(紙→イメージ)1010を生成する。このとき、ドキュメント処理部(紙→イメージ)1010に対して、入力ドキュメントのスキャン紙ドキュメント1009、出力ドキュメントのイメージドキュメント1011が伝えられる。さらに、スキャンジョブ1002は、ドキュメント処理部(紙→イメージ)1010に処理を依頼し、動作の制御を行う。なお、スキャンジョブ1002においては、ジョブ処理部810で、スキャンジョブ1002全体に関する設定や処理、およびバインダに関する設定や処理が行われる。また、スキャンジョブ1002においては、スキャナユニット210、スキャナ原稿ユニット250の物理的構造から、1回のスキャン動作が、1ジョブ、1バインダ、1ドキュメントの構成で制御可能である。そのため、本実施の形態においては、バインダ815、ドキュメント816が省略されている。
スキャン紙ドキュメント1009は、原稿に関する情報が属性として管理され、また、イメージドキュメント1011は、読込み結果である画像データに関する情報が属性として管理される。これらの属性に基づいて、ドキュメント処理部(紙→イメージ)1010は、入力ドキュメントであるスキャン紙ドキュメント1009から出力ドキュメントであるイメージドキュメント1011への変換を制御する。ドキュメント処理部(紙→イメージ)1010は、ドキュメント単位の処理のみを行い、さらに細かい仕事は、小さな仕事の単位であるスキャン紙ページ1017、ページ処理部(紙→イメージ)1018、イメージページ1019で行われる。スキャン紙ドキュメント1009は、原稿の枚数に対応したスキャン紙1014を順次生成する。スキャン紙1014が生成されると、スキャン紙1014は、原稿の処理順を制御するスキャナ紙管理部1016に識別子を付加して登録した後、スキャン紙ページ1017の生成を行う。スキャン紙ページ1017は、原稿の表ページ/裏ページに対応しており、両面原稿の場合は、1つのスキャン紙1014に対して2つのスキャン紙ページ1017が生成される。
スキャナ紙管理部1016は、スキャン紙1014に付加された識別子やデバイスの仕様(原稿読み取り順など)によりスキャン紙ページ1017の処理順序の決定を行う。スキャン紙ページ1017には、原稿の各ページに関する情報が管理され、イメージドキュメント1011により生成されるイメージページ1019には、各ページの読込画像データに関する情報が管理される。ページ処理部(紙→イメージ)1018は、入力ページであるスキャン紙ページ1017から出力ページであるイメージページ1019への変換を制御する。また、ページ処理部(紙→イメージ)1018は、実際のスキャナデバイスを制御するためのシーケンスを把握しており、スキャナデバイス制御部1023に用意されたエンジン制御コマンドを発行することにより、原稿読み取り動作(スキャン動作)の制御を行う。また、スキャン紙ページ1017、イメージページ1019に管理されている属性を画像処理部1025aに設定し制御することにより、読み取られた原稿が画像データとして画像記憶部160に蓄積される。
蓄積された画像データは、文書管理部900により管理されており、文書管理部900により、上記画像データに対して、読み出し、複製、移動、削除などの操作をすることが可能である。また、画像処理部1025a、1025bには、解像度変換、符号変換などの制御が含まれている。
一方、プリントジョブ1006は、ジョブ全体に関わる設定や処理とともに、さらに小さな仕事の単位であるプリントバインダ1007に分割する。そして、バインダ全体に関わる設定や処理とともに、さらに小さな仕事の単位であるプリントドキュメント1008に分割し、プリント処理全体に関する設定や処理の制御を行う。プリントドキュメント1008は、ドキュメント処理部(イメージ→紙)1012の出力ドキュメントであるプリント紙ドキュメント1013の生成を行った後に、ドキュメント処理部(イメージ→紙)1012を生成する。このとき、ドキュメント処理部(イメージ→紙)1012に、入力ドキュメントのイメージドキュメント1011、出力ドキュメントのプリント紙ドキュメント1013が渡される。さらに、プリントドキュメント1008は、ドキュメント処理部(イメージ→紙)1012に処理を依頼し動作の制御を行う。
プリント紙ドキュメント1013には、印刷出力に関する情報が属性として管理され、イメージドキュメント1011には、画像データに関する情報が属性として管理される。これらの属性に基づいて、ドキュメント処理部(イメージ→紙)1012は、入力ドキュメントであるイメージドキュメント1011から出力ドキュメントであるプリント紙ドキュメント1013への変換を制御する。ドキュメント処理部(イメージ→紙)1012は、ドキュメント単位の処理のみを行い、さらに細かい仕事は、小さな仕事の単位であるイメージページ1019、ページ処理部(イメージ→紙)1020、プリント紙ページ1021によって行われる。
プリント紙ドキュメント1013は、印刷出力する枚数分のプリント紙1015を順次生成する。生成されたプリント紙1015は、印字の処理順を制御するプリンタ紙管理部1022に識別子を付加して登録した後、プリントン紙ページ1021の生成を行う。プリント紙ページ1021は、出力用紙の表ページ/裏ページに対応しており、両面印刷の場合は、1つのプリント紙1015に対して2つのプリント紙ページ1021が生成される。プリンタ紙管理部1022は、プリント紙1015に付加された識別子やデバイスの仕様(内部循環枚数や両面出力時の紙制御順など)に基づいて、プリント紙ページ1021の処理順序の決定を行う。
プリント紙ページ1021には、印字する各ページに関する情報が管理され、イメージページ1019には、各ページの画像データに関する情報が管理される。ページ処理部(イメージ→紙)1020は、入力ページであるイメージページ1019から出力ページであるプリント紙ページ1021への変換を制御する。また、ページ処理部(イメージ→紙)1020は、実際のプリンタデバイスを制御するためのシーケンスを把握しており、プリンタデバイス制御部1024に用意されたエンジン制御コマンドを発行することで印刷動作(プリント動作)の制御を行う。また、イメージページ1019、プリント紙ページ1021に管理されている属性を画像処理部1025bに設定し、制御することよって、画像記憶部160に蓄積された画像データが印刷用紙に印字される。
このような一連の動作により、より小さな仕事の単位である処理部に制御を任せることによって、コピー動作を実現することが可能となる。
次に、図8に示されていない、コピージョブ実行時に行われる文書管理部900への属性の格納例について図9を参照しながら説明する。図9はコピージョブ実行時に行われる文書管理900への属性の格納例を示す図である。
上述した通り(図7)、文書管理部900は、フォルダ管理部901、ジョブ管理部902、バインダ管理部903、ドキュメント管理部904、ページ管理部905から構成され、それぞれが管理情報(属性値)を有する。ジョブ制御部702において処理されるジョブ814の動作に必要な情報であってジョブ管理部811に格納されている属性値は、イメージエージェントジョブ1003により文書管理部900のジョブ管理部902に格納/保存される。また、ジョブ制御部702において処理されるバインダ815の動作に必要な情報であってバインダ管理部812に格納されている属性値は、イメージエージェントバインダ1004により文書管理部900のバインダ管理部903に格納/保存される。また、ジョブ制御部702において処理されるドキュメント管理部813に格納されている属性値は、出力ドキュメントに該当するイメージドキュメント1011により文書管理部900のドキュメント管理部904に格納/保存される。ドキュメント処理部820により処理された出力ドキュメント822の属性値も、同様に、出力ドキュメントに該当するイメージドキュメント1011により文書管理部900のドキュメント管理部904に格納/保存される。また、ジョブ制御部702のページ処理部830により処理された出力ページ832の属性値は、出力ページに該当するイメージページ1019により文書管理部900のページ管理部905に格納/保存される。
次に、操作部150の構成について、図10〜図12を参照しながら説明する。図10は図1の操作部の外観構成を示す図、図11は操作部に表示される原稿読込設定画面の一例を示す図、図12は操作部に表示される原稿読込確認画面の一例を示す図である。
操作部150は、図10に示すように、ユーザインタフェース画面を提供するタッチパネル付液晶表示パネル500と、スタートボタン501を含む各種ハードキーとを有する。液晶表示パネル500が提供するユーザインタフェース画面により、各種のコピーモード(例えば、両面設定、グループ、ソート、ステイプル出力など)を設定することが可能である。なお、これらのコピーモードを設定する手段としては、ハードキーであっても、タッチパネルに表示されるソフトキーであってもよい。
スタートボタン501が押下されると、コピー処理が開始される。ここで、コピーモードとして、原稿の読み取りおよび読み取られた画像の蓄積を繰り返し行う「連続読込モード」が選択されているとすると、液晶表示パネル500には、図11に示す原稿読込設定画面502が表示される。原稿読込設定画面502には、現在までに読み込まれた画像を表示するモードに入るための「確認」ボタン503と、現在までに読み込まれた画像を一括出力するための「読込終了」ボタン504が表示される。
原稿読込設定画面502上で「確認」ボタン503が押下されると、液晶表示パネル500には、図12に示す読込画像確認画面513が表示される。読込画像確認画面513には、現在までに蓄積された画像の総ページ数および表示中のページ番号が表示される表示欄505、蓄積された画像のページを移動させるための「ページ移動」ボタン506、507が表示される。また、確認用画像の拡大/縮小表示を行うための「縮小」ボタン508および「拡大」ボタン509、表示欄505に表示されているページの内容が表示される蓄積画像確認画面510が表示される。さらに、現在表示されているページを記憶し、読込画像確認画面513を閉じるための「再読込」ボタン511、および、読込画像確認画面513を閉じるための「閉じる」ボタン512が表示される。
ここで、「ページ移動」ボタン506が押下されると、ページが前ページへ移動され、「ページ移動」ボタン507が押下されると、ページが次ページへ移動される。また、「縮小」ボタン508が押下されると、確認用画像が縮小表示され、「拡大」ボタン509が押下されると、確認用画像が拡大表示される。「再読込」ボタン511が押下されると、そのときに表示されているページが記憶され、読込画像確認画面513が閉じられる。読込画像確認画面513が閉じられると、画面が原稿読込設定画面502へ戻り、原稿読込が可能になる。このとき、原稿読込は、再読込モードで実行される。「閉じる」ボタン512の押下により読込画像確認画面513が閉じられる場合も同様に、画面が原稿読込設定画面502へ戻り、原稿読込が可能になる。但し、この場合、原稿読込は連続読込モードで実行される。
上述の連続読込モードとは、読込んだ画像データが蓄積記憶された最後尾(最終画像データ)から再度画像データの蓄積記憶を行い、処理中に蓄積記憶された全画像データを1組の画像データとして扱うモードである。これに対し、再読込モードとは、蓄積記憶された特定の画像データを、新たに読み込んだ画像データに置き換えるモードである。また、何れの場合も、原稿読込指示は、スタートボタン501の押下により行われる。
次に、連続読込コピー処理について図13を参照しながら説明する。図13は連続読込コピー処理の手順を示すフローチャートである。この図13のフローチャートで示される手順は、制御装置110(CPU112)の制御下で実行されるものである。
制御装置110は、図13に示すように、まずステップS1001において、スタートボタン501の押下によるスタート指示がされたか否かを監視する。そして、スタートボタン501の押下によりスタート指示がされると、ステップS1002において、「連続読込モード」が設定されているか否かを判定する。ここで、「連続読込モード」が設定されていない場合、制御装置110は、ステップS1012において、通常のコピー処理を行い、本処理を終了する。これに対し、「連続読込モード」が設定されている場合、制御装置110は、ステップS1003において、原稿給紙ユニット250にセットされた原稿束を読み込むまたはプラテンガラス211上に置かれた原稿の読み込むための原稿読込処理を実行する。この原稿読込処理が終了すると、操作部150からの指示が可能になる。
次いで、制御装置110は、ステップS1004において、画像記憶部160に蓄積された画像のプレビュー処理が指示されたか否かを判定する。画像のプレビュー処理が指示された場合、制御装置110は、ステップS1005において、プレビュー処理を行う。そして、制御装置110は、ステップS1006へ進む。これに対し、プレビュー処理の指示がない場合、制御装置110は、上記ステップS1005をスキップして、ステップS1006へ進む。
制御装置110は、ステップS1006において、再読込が指示されたか否かを判定する。ここで、再読込の指示は、上記ステップS1005のプレビュー処理内で行われ、再読込が指示されると、再読込の対象となるページ画像の格納場所が記憶さる。再読込が指示された場合、制御装置110は、ステップS1007において、再読込が指示されたときに記憶されたページの画像データの破棄(削除)処理を実行する。そして、制御装置110は、上記ステップS1003へ戻り、原稿読込処理を実行し、再読込み対象ページの画像データを置き換える。ここで、原稿読込処理は、原稿給紙ユニット250にセットされた全原稿の読込処理、プラテンガラス211上に置かれた原稿の読込処理の他、原稿給紙ユニット250にセットされた原稿から指定枚数の読込処理を行うことが可能である。そして、再読込時は、読込枚数を1ページとする指定が行われる。
上記ステップS1006において再読込が指示されないと判定された場合、制御装置110は、ステップS1008において、連続読込の中止が指示されたか否かを判定する。ここで、連続読込の中止が指示された場合、制御装置110は、ステップS1009において、現在までに読み込まれて蓄積された画像データの全てを破棄し、本処理を終了する。
上記ステップS1008において連続読込の中止が指示されないと判定された場合、制御装置110は、ステップS1010において、読込終了が指示されたか否かを判定する。ここで、読込終了が指示された場合、制御装置110は、ステップS1011において、現在までに読み込まれた画像データの全てを印刷する読込画像印刷処理を実行し、本処理を終了する。
上記ステップS1010において読込終了が指示されないと判定された場合、制御装置110は、ステップS1013において、読込が指示されたか否かを判定する。ここで、読込が指示された場合、制御装置110は、上記ステップS1003へ戻り、原稿読込処理を実行する。これに対し、読込が指示されない場合、制御装置110は、上記ステップS1004へ戻る。このように、操作部150から何ら指示が入力されないときには、制御装置110は、画像確認、再読込、中止、読込終了、読込の何れかの指示を待つ状態になる。
次に、上記ステップS1003の原稿読込処理の詳細について図14を参照しながら説明する。図14は図10のステップS1003における原稿読込処理の手順を示すフローチャートである。
原稿読込処理時、図14に示すように、制御装置110は、まずステップS2001において、原稿給紙ユニット(DF)250が装置本体に対して閉じられている状態にあるか否かを判定する。ここで、原稿給紙ユニット(DF)250が閉じられている状態にないすなわち開かれている状態にある場合、制御装置110は、ステップS2006において、プラテンガラス211上に置かれた原稿を読み込むための処理を行い、本処理を終了する。
上記ステップS2001において原稿給紙ユニット(DF)250が開かれている状態にある場合、制御装置110は、ステップS2002において、原稿給紙ユニット(DF)250に原稿がセットされているか否かを判定する。そして、原稿がセットされていない場合、ステップS2006において、プラテンガラス211上に置かれた原稿を読み込むための処理を行い、本処理を終了する。
上記ステップS2002において原稿給紙ユニット(DF)250に原稿がセットされていると判定された場合、制御装置110は、ステップS2003において、再読込が指示されているか否かを判定する。ここで、再読込が指示されている場合、制御装置110は、ステップS2004において、原稿給紙ユニット(DF)250にセットされた原稿束から1枚の原稿のみを給紙し、この給紙された原稿の読み込むための処理を行い、本処理を終了する。
上記ステップS2003において再読込が指示されていないと判定された場合、制御装置110は、ステップS2005において、原稿給紙ユニット(DF)250にセットされた原稿束の全ての原稿を読み込むための処理を行い、本処理を終了する。
次に、上記ステップS1005のプレビュー処理の詳細について図15を参照しながら説明する。図15は図13のステップS1005におけるプレビュー処理の手順を示すフローチャートである。
プレビュー処理時、図15に示すように、制御装置110は、まずステップS3001において、確認する画像の格納先の指定があるか否かを判定する。ここで、連続読込モードで繰り返し読込まれる画像データは、実行中のコピー処理が使用する画像格納先である文書管理部900のジョブ管理部902の配下に管理されている。そして、ジョブ管理部902を指定することで、それまでに読込蓄積した画像データの先頭ページから最終ページまでたどることが可能なように管理されている。ここで、格納先の指定がない場合は、制御装置110は、本処理を終了する。すなわち、プレビュー処理は実行されない。
上記ステップS3001において格納先の指定があると判定された場合、制御装置110は、ステップS3002において、蓄積されている画像の先頭ページを特定する。次いで、制御装置110は、ステップS3003において、蓄積されている先頭ページの画像データから、蓄積画像確認画面510(図12)に表示する画像データの生成を行う。本実施の形態においては、蓄積画像確認画面510に表示する直前に画像データの生成が行われるが、原稿読込蓄積時に蓄積画像確認画面表示用の画像データを生成し、オリジナル画像と対応付けて画像記憶部160に格納するようにしてもよい。そして、制御装置110は、ステップS3004において、上記ステップS3003で生成された画像データを蓄積画像確認画面510に表示する。
次いで、制御装置110は、ステップS3005において、指示が入力されるのを待ち、指示が入力されると、ステップS3006において、入力された指示が、次ページを表示する指示であるか否かを判定する。ここで、指示が次ページの表示の指示である場合、制御装置110は、ステップS3007において、次ページが最終ページであるか否かを判定し、次ページが最終ページであれば、上記ステップS3005へ戻る。これに対し、次ページが最終ページでなければ、制御装置110は、上記ステップS3003へ戻る。
上記ステップS3006において入力された指示が次ページを表示する指示でないと判定された場合、制御装置110は、ステップ3008において、入力された指示が前ページを表示する指示であるか否かを判定する。ここで、入力された指示が前ページを表示する指示であれば、制御装置110は、ステップS3009において、前ページが先頭ページであるか否かを判定し、前ページが先頭ページあれば、上記ステップS3005へ戻る。これに対し、前ページが先頭ページでなければ、制御装置110は、上記ステップS3003へ戻る。
上記ステップS3008において入力された指示が前ページを表示する指示でないと判定された場合、ステップS3010に進む。ステップS3010では、制御装置110は、入力された指示が、蓄積画像確認画面510に表示されている画像を縮小表示する指示であるか否かを判定する。ここで、入力された指示が縮小表示の指示である場合、制御装置110は、上記ステップS3003へ戻り、特定されたページの蓄積画像確認画面表示用画像データ(縮小表示する画像データ)の生成を行い、以降のステップを繰り返す。
上記ステップS3010において入力された指示が縮小表示の指示でないと判定された場合、制御装置110は、ステップS3011において、蓄積画像確認画面510に表示されている画像を拡大表示する指示であるか否かを判定する。ここで、入力された指示が拡大表示の指示である場合、制御装置110は、上記ステップS3003へ戻り、特定されたページの蓄積画像確認画面表示用画像データ(拡大表示する画像データ)の生成を行い、以降のステップを繰り返す。
上記ステップS3011において入力された指示が拡大表示の指示でないと判定された場合、制御装置110は、ステップS3012において、入力された指示が画像再読込の指示であるか否かを判定する。ここで、入力された指示が画像再読込の指示でない場合、制御装置110は、上記ステップS3005へ戻り、指示の入力を待つ。これに対し、入力された指示が画像再読込の指示である場合、制御装置110は、ステップS3013において、現在表示されているページが文書管理部900のどこで管理されているかなどを特定する識別情報を記憶(保持)し、本処理を終了する。ここで保持された識別情報が上述した画像読込処理に渡され、再読込処理が実行される。
図16は、本発明の画像出力装置が適用される画像処理システムの全体構成の一例を示す図である。この画像処理システムは、上述したデジタル複合機100のほか、ユーザ認証サーバ3100、文書セキュリティサーバ3000、及び、「端末装置」であるクライアントPC3103が、ネットワークであるLAN600を介して互いに接続されて構成される。
ユーザ認証サーバ3100は、ネットワークやネットワーク上のシステムを利用するユーザを管理する。クライアントPC3103は、「文書管理装置」である文書セキュリティサーバ3000でそのアクセス権を管理されている電子文書(以下管理電子文書という)に対する操作を要求する。後述するように、文書セキュリティサーバ3000は、特定の電子文書のアクセス権をユーザレベルで一括管理を行い、アクセスログをアクセス履歴としてアクセス履歴データベース3001に保存する。デジタル複合機100は、ユーザから要求があった画像を形成して出力し、操作ログを操作履歴としてジョブ履歴データベース3011に保存する。
図17は、本発明の処理の全体像を示した概念図である。文書セキュリティサーバ3000は、管理している文書に対するクライアントPC3103からのアクセスの履歴を保存するアクセス履歴DB(データベース)3001を保持、管理している。一方、デジタル複合機100は、当該デジタル複合機100におけるジョブの履歴(操作履歴)を保存するジョブ履歴DB3011を保持、管理している。
これら履歴DB3001、3011は、装置内部に保持する必要はなく、文書セキュリティサーバ3000、デジタル複合機100がそれぞれアクセス可能である外部記憶装置に保持されていてもよい。図31で後述するように、履歴DB3001、3011から文書に対する履歴が取得され、履歴がマージされて、全ジョブ履歴DB3020として表示される。
図18は、文書セキュリティサーバ3000でそのアクセス権が管理されている管理電子文書の構成を示す図である。
全ての管理電子文書3200には、専用アプリケーション等を通してでは表示されないヘッダ3201がある。専用のアプリケーションを通して電子文書を閲覧する場合は、メインデータ部3202が画像データに変換され表示される。また、ヘッダ3201には、文書セキュリティサーバ3000で管理電子文書3200を管理するために必要なライセンス情報3203が含まれている。さらに、このライセンス情報3203には、管理電子文書を特定するライセンスID3211のほか、バージョン3211、オフライン権限3213等の文書のプロパティが含まれている。更に図示されていないが、文書セキュリティサーバ3000を特定する情報、例えば文書セキュリティサーバ3000のIPアドレスが含まれる。
次に、文書セキュリティサーバ3000でアクセス権が管理される管理電子文書3200のアクセス制限方法について、図18、図19を用いて説明する。図19は、文書セキュリティサーバ3000によって管理されるアクセス権情報DBの一例を示す図である。文書セキュリティサーバ3000は、ライセンス情報3203中のライセンスID3211を利用して、アクセス制限を行っている。
図19に示すように、ライセンスID「000001」、「000002」等に対してのアクセス権限がユーザレベルで指定されている。従って、管理電子文書3200の各々について、ユーザ毎及び権限項目(操作内容)毎にアクセス権限が設定されている。例えば、各ユーザに対し、権限項目が「○」であれば、その権限項目に対応する操作が許可されていることを意味し、逆に「×」であれば操作が不許可であることを意味している。また、ここに指定されているユーザは、ユーザ認証サーバ3100で管理されているユーザである。権限項目の例として、「閲覧」、「編集」、「削除」、「印刷」、「コピー」を挙げたが、他にカラー印刷権限や片面印刷などの「印刷設定」の権限等を指定することも可能である。
もし、クライアントPC3103を操作するユーザが、管理電子文書を閲覧しようとする場合、管理電子文書を閲覧するための専用アプリケーションを起動して当該管理電子文書を開く操作を行う。専用アプリケーションは、閲覧権限があるか文書セキュリティサーバ3000に問い合わせ、権限ありと判断された場合のみ、ファイルを開くよう制御する。なお、ユーザはクライアントPC3103を起動する際にユーザ認証サーバを用いてログイン処理を行っているものとする。そして、専用アプリケーションはセキュリティサーバ3000への問合せを行う際にはクライアントPC3103にログインしたユーザを特定する情報を送信する。したがって、セキュリティサーバ3000は問合せを受けた文書(ライセンスIDで特定される)の、問合せとともに送信されたユーザに対するアクセス権限を特定することが出来る。また、閲覧操作に関わらず、文書セキュリティサーバ3000で指定されている他の権限項目に対しても全て同様である。従って、図19の例では、ライセンスID「000001」に対し、ユーザAは「閲覧」、「編集」、「削除」、「印刷」、「コピー」全ての操作ができるが、ユーザEは全ての操作ができないことになる。
また、図18に示すライセンス情報3203に含まれているオフライン権限(3213)とは、文書セキュリティサーバ3000に権限の問い合わせができないときに適用される権限設定である。権限の問い合わせができないとき、例えば、文書セキュリティサーバ3000がダウンしていたり、ネットワークから切断されていたりしているとき等である。従って、図18の例では、ライセンスID「000001」に対し、サーバオフライン時には、「閲覧」、「印刷」、「コピー」操作はできるが、「変更」、「削除」操作が行えないということになる。
図20は、文書セキュリティサーバ3000にそのアクセス権が管理される管理電子文書に対するアクセス履歴DB3001の一例を示す図である。
アクセス履歴DB3001には、ユーザが管理電子文書に対し、アクセスし、何らかの操作を行ったとき、その操作の詳細が保存される。従って、アクセスがあった毎に内容が更新される。アクセス履歴DB3001において記録の対象になっているユーザは、ユーザ認証サーバ3100で管理されているユーザである。
アクセス履歴DB3001において、履歴項目の例として、「操作日時」、「ユーザ」、操作対象の管理電子文書の「ライセンスID」、「バージョン」、「操作内容」、「備考」を挙げた。しかし、この他にも、操作したクライアントPC3103のアドレスやホスト名を保存する「操作経由識別子」等を指定することも可能である。
次に、管理電子文書3200が紙などのハードデータに変換されたときの、管理文書の識別方法について、図21を用いて説明する。
図21は、管理電子文書3200が紙に出力された原稿の一例を示す図である。この原稿3500において、専用アプリケーションで表示される部分であるメインデータが3502の部分に画像出力されている。さらに、文書セキュリティサーバ3000で管理する際に必要なライセンス情報3203(図18参照)が、2次元画像などの圧縮画像3501に変換され、可読化できないような形で出力画像に埋め込まれている。この圧縮画像3501は、デコードされることで、ライセンス情報3203が取得され、それにより、当該原稿の元となった管理電子文書3200が識別、特定可能である。なお、ユーザによる設定により、可読化可能な画像に変換してもよい。圧縮画像3501としては、例えばQRコード等のバーコードを用いるものとする。また、ライセンス情報3203を電子透かしなどの情報としてメインデータを出力した部分3502に埋め込むようにしても良い。
以上、本発明の特徴的な部分と前提について概略的に述べたが、以降、図22〜図31、及び図32〜図40のフローチャートを用いて、より具体的な内容を説明する。ここで、後述する図40は、図32〜図38の処理の全体像を把握しやすいように集約して表現したフローチャートである。
図32は、デジタル複合機100におけるジョブメイン処理のフローチャートである。本処理は、ROM114あるいは画像記憶部160にあらかじめ記憶されているプログラムをCPU112が実行することによって行われる。本処理は、デジタル複合機100が、ジョブパケットを受信する等によりユーザからジョブ要求をされたことにより開始される。
ジョブ要求の受け取り経路には2種類ある。1つは、端末装置であるクライアントPC3103から、LAN600経由で、LANコントローラ414を介してジョブ要求を受け取る場合である。もう1つは、本デジタル複合機100において操作部150等をユーザが操作することによりジョブ要求を直接受け取る場合である。まず、ステップS5001において、ジョブ要求がクライアントPC3103からのものであるか否かを判別する。
その判別の結果、ジョブ要求がクライアントPC3103からのものである場合は、後述する図33の電子ジョブデータ処理を実行して(ステップS5002)、本処理を終了する。一方、ジョブ要求が操作部150等の操作により直接受けたものである場合は、後述する図34のスキャン画像データ処理を実行して(ステップS5003)、本処理を終了する。電子ジョブデータ処理については図22、図33を用い、またスキャン画像データ処理については、図23、図24、図34を用いて、後に詳述する。
図22は、クライアントPC3103よりデジタル複合機100にLAN600経由で印刷ジョブが送信される様子の一例を示す図である。この印刷ジョブ3603には、ヘッダ部分3604及び印刷データ3605が含まれる。ヘッダ部分3604には、ユーザ情報3606、ライセンス情報3203及びアクセス権限チェック情報3608が含まれている。
ユーザ情報3606により、ジョブ要求をしてきたユーザが特定される。ライセンス情報3203により、印刷対象となる管理電子文書が特定される。ユーザ情報3606は、ユーザ認証サーバ3100において、認証が成功したことで得られるものであり、ユーザ情報3606があることは認証済みであることを示している。従って、同図に例示する印刷ジョブ3603は、ユーザAが、ライセンスID「000001」の管理電子文書を要求するジョブであることになる。
図33は、図32のステップS5002で実行される電子ジョブデータ処理のフローチャートである。
まず、ステップS5101において、デジタル複合機100は、クライアントPC3103からの印刷ジョブ3603をLANコントローラ414より受信、取得する。次に、ステップS5102において、印刷ジョブ3603からユーザ情報3606とライセンス情報3203とを抽出する。これにより、ジョブ要求ユーザと、印刷対象となる管理電子文書が特定できる。
続く、ステップS5103において、今回受信したジョブが、文書セキュリティサーバ3000で権限がチェックされたジョブであるか否かを判別する。これは、印刷ジョブ3603のアクセス権限チェック情報3608から判別できる。すなわち、アクセス権限チェック情報3608が「○」であれば権限チェック済みとなる。しかし、「×」であれば、権限が未チェックである。
その判別の結果、権限チェック済みであれば、後述する図36のオンライン処理を実行して(ステップS5104)、本処理を終了する。一方、権限チェック済みでない場合は、後述する図35のオフライン処理を実行して(ステップS5105)、本処理を終了する。
図23は、デジタル複合機100の操作部150に表示されるユーザ認証画面の一例を示す図である。図24は、デジタル複合機100から文書セキュリティサーバ3000にアクセス権限有無を問い合わせる様子の一例を示す図である。
図34は、図32のステップS5003で実行されるスキャン画像データ処理のフローチャートである。本処理では、一例として、ユーザが、ジョブ要求として、図21に示す原稿3500のコピー処理を要求した場合を説明する。すなわち、文書セキュリティサーバ3000で管理電子文書として管理されている文書がハードデータである原稿3500として出力されているものを、コピーする要求をした場合である。本処理に際し、ユーザは、原稿給送ユニット250に原稿3500をセットする。
まず、ステップS5201において、操作部150により、ユーザからのユーザ情報3606の入力を受け付ける。これは、どのユーザがジョブ要求元であるのかを特定するために行うものである。ユーザは、図23に示すように、操作部150に表示されているユーザ情報入力画面3700の指示に従い、ユーザ情報3606として、ユーザID3701、パスワード3702及びドメイン3703を入力する。
続く、ステップS5202では、前記ステップS5201で入力されたデータを基に、ユーザ認証サーバ3100で認証を行う。認証が成功し、ユーザが特定できるまで行う。ユーザが特定されると、ジョブ要求元であるユーザ(例えば、図23の入力例では「ユーザA」)のユーザ情報3606(図24参照)が取得される。
次に、ステップS5203において、ユーザがスタートボタン501(図10参照)を押すことにより、原稿給送ユニット250にセットされている原稿3500(図21参照)をスキャンする。次に、ステップS5204において、前記ステップS5203でスキャンした画像から、圧縮画像3501を抽出し、デコードする。デコードした結果、ライセンス情報3203(図24参照)を取得することができる。これにより、スキャンした原稿画像が、例えば、ライセンスID「000001」の管理電子文書であることを特定することができる。
なお、原稿給送ユニット250にセットされた原稿に、圧縮画像3501が含まれていない場合は、その原稿は管理電子文書ではなく一般の文書である。その場合は、操作要求に従って、一般的なコピー処理がなされることになるが、その説明は省略する。
続く、ステップS5205において、文書セキュリティサーバ3000にアクセス可能であるか否かを判別する。すなわち、文書セキュリティサーバ3000と通信してアクセス権限の有無を問い合わせることが可能であるかどうかを判別する。その判別の結果、アクセス可能である場合は、ステップS5206に進む一方、アクセス可能でない場合は、後述する図35のオフライン処理を実行して(ステップS5209)、本処理を終了する。
前記ステップS5206では、ジョブ要求元のユーザに対する操作対象の管理電子文書に対するアクセス権限を調べる。すなわち、デジタル複合機100は、アクセス権限調査パケット3810を文書セキュリティサーバ3000に送信する。アクセス権限調査パケット3810には、前記ステップS5202で取得したユーザ情報3606と、前記ステップS5204で取得したライセンスID「000001」を示すライセンス情報3203とが含まれる。
文書セキュリティサーバ3000は、受信したアクセス権限調査パケット3810から、アクセス権情報DB内で対応するレコード3301(図19参照)を抽出し、アクセス権限調査結果3820を作成する。そして、文書セキュリティサーバ3000は、作成したアクセス権限調査結果3820をデジタル複合機100に返信する(図24参照)。ここで、図19の例によれば、例えば、ライセンスID「000001」のコピージョブの要求元が、ユーザAである場合は、アクセス権限調査結果3820Aが作成、返信される。一方、ユーザCである場合は、アクセス権限調査結果3820Bが作成、返信される(図24参照)。
図24に示すように、アクセス権限調査結果3820には、操作権限3821が含まれる。操作権限3821には、閲覧権限、編集権限、削除権限、印刷権限のほか、コピー権限3822が含まれる。これらの各権限については、「○」であれば操作が許可されており、「×」であれば操作が不許可であることを意味している。
例えば、ライセンスID「000001」の管理電子文書のコピーに関して、ユーザAについては、コピー権限3822が「○」であるので、ユーザAはコピーを行うことができることを意味している。しかし、ユーザCについては、コピー権限3822が「×」であるので、ユーザCはコピーを行うことができないことを意味している。
図34に戻り、続くステップS5207では、アクセス権限の有無を判定する。すなわち、前記ステップS5206で取得したアクセス権限調査結果3820から、ジョブ要求元のユーザが、コピー権限を有しているかどうかを調べる。そして、コピー権限がある、すなわち、アクセス権限がある場合は、後述する図36のオンライン処理を実行して(ステップS5208)、本処理を終了する。一方、コピー権限がない、すなわち、アクセス権限がない場合は、本処理を終了する。
次に、図25、図26、図35を用いて、オフライン処理を詳細に説明する。図25は、オフライン処理における出力処理において出力される画像の一例を示す図である。図26は、セキュリティレベルを設定するセキュリティレベル設定画面の一例を示す図である。図35は、図33のステップS5105または図34のステップS5209で実行されるオフライン処理のフローチャートである。
図26に示すオフラインセキュリティレベル設定画面4000は、操作部150に表示される。あるいは、管理者が、クライアントPC3103から管理者モードでデジタル複合機100にアクセスすることで、クライアントPC3103の表示部においてWebブラウザに表示される。操作許可条件であるオフラインセキュリティレベルで設定される項目には、オフライン処理を実行する場合における、1ユーザ当たりの印刷枚数の制限であるユーザ単位制限4010、1文書当たりの総出力制限である文書単位制限4020、及び、オフライン継続時間4030がある。
例えば、1ユーザからの出力枚数を計20枚と設定する場合は、枚数を指定するフィールド4011に「20」と入力し、設定ボタン4001を押す。設定されたセキュリティレベルは、デジタル複合機100の画像記憶部160等の記憶領域に保存される。セキュリティレベルの設定は、例えば、管理者が行えるものとし、設定後でも変更することができる。
オフライン処理時に、ある1ユーザが計20枚を超える枚数の印刷を要求したとすると、セキュリティレベルが保てないと判断される。また、1文書に対しての総出力要求数、あるいはオフライン継続時間が設定された制限を超えると、セキュリティレベルが保てないと判断される。セキュリティレベルの項目のうち、実際に指定するのは、1項目でも複数項目でもよい。なお、これら以外の項目を追加してもよい。
図35のステップS5301において、今回のジョブ要求が、設定されているオフラインセキュリティレベルをクリアしているか(保てるか)どうかを判別する。更に、文書に付加されたライセンス情報3203(図18)のオフライン権限3213をクリアしているか否かも判別する。その判別の結果、オフラインセキュリティレベルをクリアしている場合は、ステップS5302に進む。ステップS5302では、ジョブ要求対象となっている管理電子文書の出力画像(スキャン画像データ処理の場合は、読み取った原稿画像)に、地紋パターンを合成し、これを出力用の画像とする。これは、オフライン処理では、文書セキュリティサーバ3000にアクセス権限の有無を問い合わせることができないので、不正な複製を抑制するためになされる。地紋パターンの例としては、例えば、「コピー防止」などである(図25の地紋パターン3901)。地紋パターンはデジタル複合機100の画像記憶部100に予め記憶されているものとする。
続く、ステップS5303では、オフライン処理であることを明確にするため、オフラインフラグ(無権利操作情報)を立てる。続く、ステップS5304では、後述する図37の出力処理を実行して、本処理を終了する。一方、前記ステップS5301において、オフラインセキュリティレベルをクリアしていない場合は、ステップS5305で、出力禁止、すなわち、ジョブ要求に基づく操作を禁止して、本処理を終了する。なお、ステップS5301において、セキュリティレベルをクリアしていない場合には、オフラインセキュリティレベルで制限されている範囲内で出力処理を実行するようにしても良い。
図36は、図33のステップS5104または図34のステップS5208で実行されるオンライン処理のフローチャートである。
まず、ステップS5401において、後述する図38のオフラインジョブ誤操作処理を実行する。次に、後述する図37の出力処理を実行して(ステップS5402)、本処理を終了する。
図27は、クライアントPC3103からのジョブをデジタル複合機100から出力するとき、出力画像の履歴が保存される出力画像履歴DBの一例を示す図である。図28は、デジタル複合機100の操作部150からのジョブの履歴及びオフライン処理時のジョブの履歴からなるジョブ履歴DBの一例を示す図である。図37は、図35のステップS5304または図36のステップS5402で実行される出力処理のフローチャートである。
まず、ステップS5501において、出力画像履歴/ジョブ履歴に保存する処理を実行する。ここで、ジョブ要求がクライアントPC3103から送られたものであり、且つオンライン処理(図33のステップS5104)を経た場合は、印刷出力する出力画像の履歴を出力画像履歴DB(図27参照)に保存する。一方、ジョブ要求が操作部150を介してなされた場合、または、クライアントPC3103から送られたものであるがオフライン処理(図33のステップS5105)を経た場合は、出力画像の履歴をジョブ履歴DB(図28参照)に保存する。これら、出力画像履歴DB、ジョブ履歴DBが、どのような操作がなされたかを示す「操作履歴」であり、上記ジョブ履歴DB3011(図16、図17参照)に相当する。
具体的には、出力画像履歴DBには、出力対象の文書の「ライセンスID」、「バージョン情報」、「出力画像」が保存される。例えば、アクセス履歴DB3001(図20)を参照すると、レコード3401において、ライセンスIDが「000001」、文書のバージョンが1.0の文書の印刷が要求されている。同様に、ライセンスIDが「000001」で文書のバージョンが1.1の文書の印刷が要求されている(レコード3402、3403)。また、ライセンスIDが「000002」で文書のバージョンが2.0の文書印刷が要求されている(レコード3404)。
これらの場合、出力画像履歴DB(図27)には、レコード3401対応する画像4101、レコード3402、3404に対応する画像4102、さらにレコード3404に対応する画像4103が保存される。一方、ジョブ履歴DB(図28)には、操作日時を示す「日時」、「ユーザ」、「ライセンスID」、「バージョン」、「操作内容」、「画像」、「オフライン」、「備考」が保存される。
「オフライン」フィールドとは、オフライン処理であることを明確にするものである。従って、図35のステップS5303においてオフラインフラグが立てられた操作に関し、無権利操作情報として「○」等の印を入れ、その他には何も入れない。例えば、履歴レコード4201、4202はオンライン処理を経たものであり、履歴レコード4203〜4206はオフライン処理を経たものであることがわかる。
続くステップS5502では、図33のステップS5102または図34のステップS5204で取得したライセンス情報3203を画像化、すなわち、圧縮画像3501、3902(図21、図25参照)に変換する。具体的には、ジョブ要求がクライアントPC3103から送られたものであり、且つオンライン処理を経た場合は、圧縮画像3501に変換され、それ以外の場合は、圧縮画像3902に変換される。これら圧縮画像3501、3902は、一見しただけでは内容がわからない画像であればよく、変換の形式は問わない。また、これらの圧縮画像は、ユーザ設定に応じて、可視化可能な画像あるいは可視化できない画像にしてもよい。
続くステップS5503では、前記ステップS5502で生成した圧縮画像3501、3902を、本来の出力画像に合成し、出力して、本処理を終了する。ここで、本来の出力画像は、オフライン処理を経ている場合は、図35のステップS5302において地紋パターン3901が合成された出力用の画像のことである。従って、オフライン処理時は、地紋パターン3901と圧縮画像3902を含む画像3900として出力される(図25参照)。一方、オンライン処理時は、圧縮画像3501を含む原稿3500として出力される(図21参照)。
図38は、図36のステップS5401で実行されるオフラインジョブ誤操作処理のフローチャートである。図29は、オフライン処理で誤操作が行われた誤操作ジョブ履歴を示す図である。ここで、本実施の形態における「誤操作されたジョブあるいは誤操作ジョブ」とは、図28のジョブ履歴DBにおいて、オフラインフラグが立っている履歴レコードのうち、操作要求対象の文書に対するアクセス権限がなかったジョブのことである。
まず、図38のステップS5601では、ジョブ履歴DB(図28)において、オフライン処理時おいて誤操作ジョブ履歴であるかどうかの誤操作確認を行っていない履歴レコードが残っているか否かを判別する。ジョブ履歴DB(図28)中の履歴レコードのうち、「オフライン」フィールドが「○」になっている履歴レコード(無権利操作履歴)は、誤操作確認を行っていないものである。
その判別の結果、未処理のジョブ、すなわち、誤操作確認がなされていない履歴レコードがない場合は、本処理を終了する。一方、未処理の履歴レコードが残っている場合は、ステップSS5602に進む。次に、ステップS5602では、「オフライン」フィールドが「○」になっている履歴レコードを抽出する。ジョブ履歴DB(図28)では、履歴レコード4203〜4206が抽出される。
次に、ステップS5603では、まず、誤操作確認を行う。すなわち、図34のステップS5206、S5207と同様の方法で、抽出した履歴レコードのユーザ情報とライセンスIDを用いてアクセス権限調査パケット3810を作成する。そしてそれを、セキュリティサーバ3000に送信して、ジョブ要求元のユーザに対する操作対象の管理電子文書に対するアクセス権限を問い合わせる。そして、アクセス権限がなかった履歴レコードについては、管理者のメールアドレス宛に、その旨及びその履歴レコードがわかるような情報を電子メールで通知する。具体的には、アクセス権限がなかった履歴レコードを抽出して誤操作ジョブ履歴を作成し(図29参照)、該誤操作ジョブ履歴を電子メールで送信する。
次に、ステップS5604では、ジョブ履歴DB(図28)を更新する。図30は、図34のステップS5604の処理により更新された後のジョブ履歴DBの一例を示す図である。ここで、誤操作確認の結果に基づき、ジョブ履歴DB(図28)の履歴レコードのうち、「オフライン」フィールドの「○」の記号を更新する。これにより、次回のオフライン誤操作処理で抽出されないようにする。
例えば、履歴レコードのうち、アクセス権限があった(誤操作でなかった)ものについては、「○」を、誤操作確認済みで且つ誤操作でなかった旨を示す記号、例えば、「◎」に変更する。一方、アクセス権限がなかった(誤操作であった)ものについては、「○」を、誤操作であった旨を示す「●」に変更する。なお、用いるマークは、誤操作確認の判定結果を示すマークであればよく、「◎」、「●」に限られない。
ジョブ履歴DBは、ジョブが発生するとレコードが追加されるが、オンライン処理がなされる毎に更新されることになる。
なお、オフラインジョブ誤操作処理は、デジタル複合機100が文書セキュリティサーバ3001にアクセス可能であれば、図36のオンライン処理におけるステップS5401以外の他のタイミングで実行しても構わない。
次に、全履歴をマージして表示するマージ処理を説明する。図39は、デジタル複合機100で実行されるマージ処理のフローチャートである。本処理は、例えば、デジタル複合機100の操作部150から、管理者により、マージ処理の実行指示がなされたことにより開始される。
まず、ステップS5701では、文書セキュリティサーバ3000からアクセス履歴DB3001(図20)に記録されている情報を取得する。これにより、オンライン処理時におけるクライアントPC3103からの管理電子文書に対する全アクセス履歴がわかる。次に、ステップS5702では、ジョブ履歴DB(図30)に記録されている情報を取得する。これにより、操作部150からの操作ジョブ、及びオフライン時の操作ジョブの全履歴がわかる。
続くステップS5703では、前記ステップS5701で取得したアクセス履歴DB3001中において、デジタル複合機100から出力した画像がある履歴レコードを抽出する。そして、その履歴レコードについては、そのライセンスIDとバージョン情報を基に、出力画像履歴DB(図27)に関連付ける。さらに、上記出力画像履歴DBが関連付けられた履歴レコードと前記ステップS5702で取得したジョブ履歴DBとを併合(マージ)して、全ジョブ履歴DB3020を生成する。次に、ステップS5704では、前記ステップS5703で生成した全ジョブ履歴DB3020を一覧で表示させる。マージ処理の要求がデジタル複合機100の外部の例えば管理者が操作するクライアントPCから受け付けたものである場合には、全ジョブ履歴DBの一覧を要求元であるクライアントPCへ出力するようにしても良い。
図31は、この全ジョブ履歴DB3020の一例を示す図である。この表示は管理者が操作するクライアントPC上に表示されるようにしても良いし、デジタル複合機100の操作部150の表示パネル500に表示するようにしても良い。この全ジョブ履歴DB3020から、管理者は、クライアントPC3103からのジョブ要求、操作部150を介したジョブ要求のいずれについても、アクセスがなされたこと、及びどのような操作がなされたかを容易に把握することができる。なお、操作経由(クライアントPC経由かデジタル複合機100での直接操作か)もわかるので、デジタル複合機100が関係するジョブ履歴のみ表示させることも可能である。
なお、図39のフローチャートでのマージ処理はデジタル複合機100で実行せずに、文書セキュリティサーバ3000で実行するようにしても良い。
図40は、上述したように、図32〜図38の処理を集約したフローチャートである。従って、詳細な処理内容は、図32〜図38で説明した通りである。
本実施の形態によれば、文書セキュリティサーバで管理されている管理文書全てのアクセス履歴、及びジョブ履歴を残すことができる。そして、それらの履歴をマージして表示することで、管理者は容易に全履歴を閲覧することができる。
また、クライアントPC3103からのジョブ要求であって且つアクセス権限がない場合は、セキュリティレベルがチェックされる(ステップS5301)。また、操作部150を介したジョブ要求であって且つ文書セキュリティサーバ3000にアクセスできない場合も、セキュリティレベルがチェックされる。そして、セキュリティレベルをクリアしていなければ、出力が禁止される。これにより、アクセス権が無い場合、及びアクセス権を確認できない場合は、一定の条件の下で操作を許容し、無制限の操作を禁止することができる。なお、セキュリティレベルをチェックすることなく、一律に出力を気にするようにしてもよい。
また、ジョブ履歴DBにおいて、オフライン処理を経た操作については、ジョブ履歴保存時(ステップS5501)において、「○」等の無権利操作情報が付加される。これにより、アクセス権の無い状態、またはアクセス権有無が不明の状態で操作された文書を把握することができる。
また、オンライン処理時には、オフライン時の誤操作確認を行うので(図38)、過去にアクセス権が無いまま、またはアクセス権有無の判定ができないまま操作された文書について、事後的にアクセス権の有無を再確認することができる。さらには、アクセス権限がなかった履歴レコードについては、管理者に通知するので、アクセス権が無いまま、またはアクセス権有無の判定ができないまま操作された文書について、当該文書を認識させて、追跡を容易にすることができる。
また、操作履歴であるジョブ履歴DB及び出力画像履歴DBと、アクセス履歴DBとをマージして表示するので(図39)、管理電子文書のすべてのアクセス履歴と操作履歴の閲覧を容易にすることができる。
また、操作として印刷またはコピーによる出力を行う場合は、ライセンス情報3203を、デコード可能な圧縮画像3501、3902に変換して画像に付加する(図37)。これにより、原稿化された後においても、文書のセキュリティ管理が可能となる。