JP4163828B2 - 熱接着性複合繊維 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱接着性複合繊維に関し、更に詳しくは、ポリエステル繊維との熱接着性、特に低温下での熱接着性に優れ、その製造工程及び使用工程においてトラブルがなく、且つポリエステル繊維との熱接着後に柔軟性の優れた製品を提供することのできる、熱接着性複合繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、不織布用途においては、その構成繊維としてポリエステル繊維が用いられる割合が大きくなってきたことに伴ない、該ポリエステル繊維との熱接着性が良好なポリエステル系ポリマーを熱接着成分とする熱接着性複合繊維が望まれるようになってきている。さらに、不織布等の製造においては、生産効率、省エネルギーの観点から、100〜150℃の比較的低温で且つ短時間の熱処理で接着させる方法が多く用いられているため、特に低温で接着性の良好なポリエステル系熱接着性複合繊維が望まれている。
【0003】
また、該熱接着性複合繊維には、該繊維を製造する工程でのトラブル、例えば溶融ポリマーを重合槽から取り出してチップ化する際のカッター工程でのチップ同士の融着や紡糸延伸工程での熱接着性複合繊維同士での膠着がなく、この熱接着性複合繊維を用いて不織布を製造する工程でのトラブル、例えば熱接着処理時における熱接着性複合繊維の装置への粘着、融着が起こらないことも要求される。
【0004】
これらの要求を満たすため、特公平1−30926号公報では、該熱接着成分として非晶性共重合ポリエステルを用いた繊維が提案されている。しかし、該繊維は、熱接着性の点では十分な性能を有するものの、繊維の製造工程、不織布の製造工程における上述したようなトラブルを満足できる程度まで解消できるものではなかった。
【0005】
これらの問題点を解消すべく、特開平7−34327号公報では共重合ポリエステル中に脂肪族ジカルボン酸を添加して熱接着成分とした熱接着性複合繊維が提案されている。該繊維では熱接着性、粘着・融着の問題は解消されて、不織布の製造工程でのトラブルを低減させることが可能であるが、得られる不織布製品は風合いがやや硬めとなり、柔らかさを要求される、例えば衛生材料等に適用することは困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ポリエチレンテレフタレートをはじめとするポリエステル繊維に対する低温での熱接着性に優れ、かつ熱接着性成分に起因する、製造工程でのトラブルが発生することなく、且つ柔らかい風合いを有する不織布を提供することのできる熱接着性複合繊維を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の目的を達成すべく前述の従来技術に鑑み鋭意検討した結果、特定の共重合ポリエステルを熱接着性成分として配した複合繊維が、熱接着性及び製造、使用時の工程安定性、不織布とした際における風合い、のいずれにおいても優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明の目的は、
ポリエチレンテレフタレート系ポリエステル、ポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート系ポリエステルからなる群から選ばれた少なくとも一種のポリエステルと、共重合ポリエステルとからなり、該共重合ポリエステルが少なくとも繊維表面に露出するように配された複合繊維であって、該共重合ポリエステルが、下記(a)〜(d)の各要件を同時に満足することを特徴とする熱接着性複合繊維によって達成することができる。
【0009】
(a)共重合ポリエステルを構成する全ジカルボン酸成分を基準として、テレフタル酸成分が50〜86モル%占めていること。
(b)共重合ポリエステルを構成する全ジカルボン酸成分を基準として、構成炭素数6〜12の脂肪族及び/又は脂環式ジカルボン酸成分が0〜5モル%占めていること。
(c)共重合ポリエステルを構成する全ジカルボン酸成分を基準として、イソフタル酸成分と構成炭素数6〜12の脂肪族及び/又は脂環式ジカルボン酸成分との和が14〜50モル%を占めていること。
(d)共重合ポリエステルを構成する全グリコール成分を基準としてトリメチレングリコール成分が90モル%以上を占めていること。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の共重合ポリエステルが満足すべき(a)〜(d)の各要件について説明する。
本発明の共重合ポリエステルは、該共重合ポリエステルを構成する全ジカルボン酸成分を基準として、テレフタル酸成分が50〜90モル%占めていることが必要である。該テレフタル酸成分が50モル%未満であると、得られるポリマーや繊維が融着、膠着を起こしやすくなる。一方、90モル%を越えると風合いが硬くなる他、接着性も低下する。
【0011】
また、構成炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸及び/又は脂環式ジカルボン酸成分が5モル%を越えると、ポリマーチップの融着、あるいは得られる熱接着性複合繊維の膠着が起こり易くなって、チップ化工程、繊維製造工程でのトラブルが多発し、さらには、不織布製造工程で装置への粘着、融着が起こるため好ましくない。脂肪族ジカルボン酸及び/又は脂環式ジカルボン成分の量は4モル%以下が好ましく、3モル%以下が更に好ましい。更に、該構成炭素数が6未満では低温での熱接着性が低下し、12を越えるとポリマーチップの融着、繊維の膠着及び不織布製造工程での装置への粘着、融着が起こり不適当である。
【0012】
なお、該構成炭素数が6〜12の脂肪族及び/又は脂環式ジカルボン酸としては、アジピン酸、ヘプタン二酸、オクタン二酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジクロヘキサンジメチレンジカルボン酸等の脂環式ジカルボンが挙げられ、これらの中でもアジピン酸、セバシン酸がコスト的にも特に好ましい。
【0013】
また、共重合ポリエステルを構成する全ジカルボン酸成分を基準としてイソフタル酸成分と構成炭素数6〜12の脂肪族及び/又は脂環式ジカルボン酸成分との和が、10モル%未満であると、熱接着性が低下し好ましくない。また、50モル%を越えるとと、コスト的に不利となる他、共重合ポリエステルチップ、更には得られる熱接着性複合繊維の融着が起こりやすくなる。該イソフタル酸成分と構成炭素数6〜12の脂肪族及び/又は脂環式ジカルボン酸成分との和は12モル%以上が好ましく14モル%以上が更に好ましい。
【0014】
更に、本発明の共重合ポリエステルは、該共重合ポリエステルを構成する全グリコール成分を基準としてトリメチレングリコール成分が90モル%以上占めていることが必要である。該トリメチレングリコール成分が90モル%未満であると、柔軟性が低下し好ましくない。該トリメチレングリコール成分の好ましい範囲は95モル%以上である。
【0015】
本発明の共重合ポリエステルの固有粘度(オルトクロロフェノール溶媒中30℃で測定)は、0.40〜1.00であることが好ましい。固有粘度が0.40より低いと、共重合ポリエステルの機械的特性が低下し、最終的に得られる不織布等の熱接着処理製品の強度が不十分なものとなり易い。また、1.00よりも高いと、ポリマーの流動性が低下して、熱接着性能が低下する傾向がある。共重合ポリエステルの固有粘度は0.45〜0.90の範囲が好ましく、0.50〜0.80の範囲が更に好ましい。
【0016】
本発明の共重合ポリエステルはその特性を損なわない範囲、好ましくは5モル%以下の範囲でテレフタル酸成分、イソフタル酸成分、脂肪族ジカルボン酸成分、脂環式ジカルボン酸成分、トリメチレングリコール成分以外の成分を共重合していても良く、例えばナフタレンジカルボン酸、オルトフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ベンゾフェノンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸、5−スルホキシイソフタル酸金属塩、5−スルホキシイソフタル酸ホスホニウム塩等の芳香族ジカルボン酸、エチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、、ポリテトラメチレングリコール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環式グリコール、o−キシリレングリコール、m−キシリレングリコール、p−キシリレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシエトキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシエトキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシエトキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシエトキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2−ヒドロキシエトキシエトキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシエトキシ)ジフェニルスルホン等の芳香族グリコール、ヒドロキノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、レゾルシン、カテコール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシビフェニル、ジヒドロキシジフェニルスルホン等のジフェノール類等が挙げられる。これらは1種を単独で用いても2種以上を併用してもどちらでも良い。
【0017】
上述したような共重合ポリエステルは、従来から公知の方法で製造することができる。例えば、上記ジカルボン酸成分とトリメチレングリコールとをエステル化反応させるか、上記ジカルボン酸の低級アルキルエステル成分とトリメチレングリコールとをエステル交換触媒の存在下エステル交換反応させて、ビスグリコールエステル及び/又はその初期縮合物を得、次いで重縮合触媒の存在下で重縮合反応させるか、あるいは、共重合成分として使用するイソフタル酸、脂肪族ジカルボン酸及び/又はこれらのトリメチレングリコールエステルをテレフタル酸成分とトリメチレングリコールとのビスグリコールエステル及び/又はその初期重合物に添加して重縮合触媒の存在下で重縮合反応させる方法を採用することが出来る。
【0018】
本発明で用いられる共重合ポリエステル中には、必要に応じて少量の添加剤、例えば滑剤、顔料、染料、酸化防止剤、固相重合促進剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、遮光剤、艶消剤等を含んでいてもよい。
【0019】
本発明における熱接着性複合繊維は、ポリエチレンテレフタレート系ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート系ポリエステルあるいはポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステルからなる群から選ばれた少なくとも一種のポリエステルと上記共重合ポリエステルとからなる複合繊維である。
【0020】
ここで、ポリエチレンテレフタレート系ポリエステルとは、該ポリエステルの全繰り返し単位を基準として、エチレンテレフタレート繰り返し単位が90モル%以上、好ましくは95モル%以上、ポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステルとは、該ポリエステルの全繰り返し単位を基準として、トリメチレンテレフタレート繰り返し単位が90モル%以上、好ましくは95モル%以上、ポリブチレンテレフタレート系ポリエステルとは、該ポリエステルの全繰り返し単位を基準として、ブチレンテレフタレート繰り返し単位が、90モル%以上、好ましくは95モル%以上を占めるポリエステルを夫々いう。これらポリエステル中にはそのポリエステル自身の特性を損なわない範囲で別の共重合成分が共重合されていても良い。
【0021】
本発明の熱接着性複合繊維に使用するポリエチレンテレフタレート系ポリエステル、ポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート系ポリエステルの固有粘度は通常繊維やフィルム、ボトル等の成形品に使用される0.50〜1.00のものが用いられる。
【0022】
本発明の熱接着性複合繊維において、接着成分として配される共重合ポリエステルは、少なくとも該複合繊維表面に露出する必要があり、該表面の40%以上を占めているように露出していることが好ましい。共重合ポリエテルが複合繊維表面に露出していない場合には、接着効果が得られないので不適当である。なお、複合繊維の任意の横断面における共重合ポリエステルの面積率は、好ましくは10〜70%、より好ましくは30〜70%、特に好ましくは30〜50%である。
【0023】
このような複合形態を持つ複合繊維としては、芯鞘型複合繊維、偏芯芯鞘型複合繊維、サイドバイサイド型複合繊維等の形態を採り得ることができる。芯鞘型複合繊維の場合、共重合ポリエステルを鞘成分として配し、ポリエチレンテレフタレート系ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート系ポリエステル、あるいはポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステルのいずれかを芯成分として配した芯鞘型複合繊維が特に好ましい。また、芯鞘型複合繊維の場合で共重合ポリエステルを芯成分に用いる場合は、偏芯型とし該芯成分が繊維表面に少なくとも露出するように配する必要がある。さらに、サイドバイサイド型複合繊維としても好ましく使用することが出来る。
【0024】
本発明の熱接着性複合繊維は、この熱接着性複合繊維のみの集合体とした後、不織布となしてもよいが、通常は、該熱接着性複合繊維を10重量%以上含む他繊維との混合繊維集合体とした後、不織布として用いられる。
【0025】
本発明の熱接着性複合繊維は、ポリエステル繊維を熱接着させて不織布を製造する際に使用するのに適しているが、その他の熱接着用途、例えば、クッション材料、詰め綿等にも広く用いることができる。
【0026】
【実施例】
以下、実施例を挙げて更に具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお実施例中の部は重量部を示す。また各種特性は下記の方法により評価した。
(1)固有粘度[η]:
オルトクロルフェノールを溶媒として30℃で測定し、その相対粘度から常法により求めた。
(2)接着強度:
JIS L1096記載の方法に準拠して、つかみ間隔10cm、伸長速度20cm/分にて引張破断力を測定した。接着強度は、引張破断力を試験片重量で除した値とした。
(3)チップ融着:
ポリマーをチップカッターで切断する際に、チップ同士の融着が発生しなかった場合を○、融着が少しでも発生した場合を×で示した。
(4)繊維膠着:
熱接着性複合繊維の紡糸時および/または延伸時に繊維間の膠着が発生しなかった場合を○、少しでも膠着が発生した場合を×で示した。
(5)不織布製造装置への粘着:
不織布製造工程において、製造装置への熱接着性複合繊維の粘着・融着が発生しなかった場合を○、少しでも粘着・融着が発生した場合を×で示した。
【0027】
[実施例1]
テレフタル酸ジメチル60部、イソフタル酸ジメチル38部、セバシン酸ジメチル2.37部、トリメチレングリコール54.9部及び触媒としてチタンテトラブトキシド0.078部を、撹拌機、精留塔及びメタノール留出コンデンサーを設けた反応器に仕込み、140℃から徐々に昇温し、反応の結果生成するメタノールを系外に留出させながら、エステル交換反応を行なった。反応開始後3時間で内温は210℃に達した。
【0028】
次いで、得られた反応生成物を撹拌機及びグリコール留出コンデンサーを設けた別の反応器に移し、210℃から265℃に徐々に昇温すると共に、常圧から70Paの高真空に圧力を下げながら重合反応を行なった。反応系の溶融粘度を追跡し、固有粘度[η]が0.6となる時点で重合反応を打ち切った。
【0029】
溶融ポリマーを反応器底部よりストランド状に冷却水中に押出し、ストランドカッターを用いて切断してチップ化した。チップの融着は全く起こらず、カッター工程での工程通過性は極めて良好であった。
【0030】
得られた共重合ポリエステルを鞘成分とし、固有粘度0.64のポリエチレンテレフタレートを芯成分として、鞘/芯=50/50(重量比)で芯鞘型複合紡糸口金から溶融吐出し、800m/分の速度で引取った。この際、鞘成分の溶融温度は240℃、芯成分の溶融温度は280℃とした。
【0031】
得られた未延伸糸を延伸温度60℃、延伸倍率3.0倍で延伸し、さらに捲縮率10%の捲縮を与えた。次いで、得られた捲縮糸条を51mmの長さに切断して、10dtex(9de)の熱接着性複合短繊維を得た。
【0032】
繊維の横断面における共重合ポリエステルの面積率は、50%であり、紡糸、延伸中に繊維間の膠着はなく、安定に製造することができた。
【0033】
この熱接着性複合短繊維20重量部と、カット長51mmのポリエチレンテレフタレート短繊維80重量部とを混綿し、130℃で接着熱処理して、不織布を得た。不織布製造中に熱接着性複合繊維が装置に粘着することはなく、工程性は良好であった。また、得られた不織布の接着強度は195N/gであった。以上の結果を表1及び表2にまとめて示す。
【0034】
[実施例2〜5、比較例1、2]
実施例1において、共重合ポリエステルの組成を表1に記載のように変更したこと以外は同様の操作を行って、共重合ポリエステル、熱接着性複合繊維及び不織布を得た。結果は表2に示す通りであったが比較例1ではチップ、繊維が膠着し評価不能であった。
【0035】
【表1】
Figure 0004163828
【0036】
【表2】
Figure 0004163828
【0037】
[実施例6、比較例3]
実施例1において、紡糸口金をサイドバイサイド型に変更してサイドバイサイド型複合繊維としたこと以外は同様の操作を行って、共重合ポリエステル、熱接着性複合繊維及び不織布を得た。結果は表3および表4に示す通りであった。
【0038】
【表3】
Figure 0004163828
【0039】
【表4】
Figure 0004163828
【0040】
【発明の効果】
本発明の熱接着性複合繊維は、ポリエチレンテレフタレートをはじめとするポリエステル繊維に対する低温での熱接着性能が優れていると同時に、熱接着性成分である共重合ポリエステルをチップ化する際にチップが融着することなく、紡糸延伸工程での繊維の膠着も起こらず、さらに不織布製造時に装置へ粘着、融着するようなこともなく、安定に生産、使用することができ、更に得られる不織布の風合いにも優れ幅広い不織布用途に有用に用いることが出来る。

Claims (6)

  1. ポリエチレンテレフタレート系ポリエステル、ポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート系ポリエステルからなる群から選ばれた少なくとも一種のポリエステルと、共重合ポリエステルとからなり、該共重合ポリエステルが少なくとも繊維表面に露出するように配された複合繊維であって、該共重合ポリエステルが、下記(a)〜(d)の各要件を同時に満足することを特徴とする熱接着性複合繊維。
    (a)共重合ポリエステルを構成する全ジカルボン酸成分を基準として、テレフタル酸成分が50〜86モル%占めていること。
    (b)共重合ポリエステルを構成する全ジカルボン酸成分を基準として、構成炭素数6〜12の脂肪族及び/又は脂環式ジカルボン酸成分が0〜5モル%占めていること。
    (c)共重合ポリエステルを構成する全ジカルボン酸成分を基準として、イソフタル酸成分と構成炭素数6〜12の脂肪族及び/又は脂環式ジカルボン酸成分との和が14〜50モル%を占めていること。
    (d)共重合ポリエステルを構成する全グリコール成分を基準としてトリメチレングリコール成分が90モル%以上を占めていること。
  2. 共重合ポリエステルの固有粘度が0.4〜1.0である、請求項1記載の熱接着性複合繊維。
  3. 複合繊維が、芯成分にポリエチレンテレフタレート系ポリエステルを配し、鞘成分に共重合ポリエステルを配した芯鞘型複合繊維である、請求項1記載の熱接着性複合繊維。
  4. 複合繊維が、芯成分にポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステルを配し、鞘成分に共重合ポリエステルを配した芯鞘型複合繊維である、請求項1記載の熱接着性複合繊維。
  5. 複合繊維が、芯成分にポリブチレンテレフタレート系ポリエステルを配し、鞘成分に共重合ポリエステルを配した芯鞘型複合繊維である、請求項1記載の熱接着性複合繊維。
  6. 複合繊維がサイドバイサイド型複合繊維である、請求項1記載の熱接着性複合繊維。
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