JP4163761B2 - N,N′−ジ置換されたp−キノンジイミンの製造方法、該ジイミンからなる安定剤、オルガノシラン組成物、その安定化法、および相転移触媒法 - Google Patents

N,N′−ジ置換されたp−キノンジイミンの製造方法、該ジイミンからなる安定剤、オルガノシラン組成物、その安定化法、および相転移触媒法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般式I:
【0002】
【化16】
Figure 0004163761
【0003】
[式中、R1およびR2は同じかまたは異なり、かつフェニル基および/または3〜8個のC原子を有する直鎖および/または分枝鎖状のアルキル基および/またはシクロヘキシル基を表す]で表されるN,N′−ジ置換されたp−キノンジイミンの製造方法およびその使用に関する。
【0004】
更に本発明は、一般式II:
【0005】
【化17】
Figure 0004163761
【0006】
[式中、R3は水素原子またはメチル基を表し、R4およびR5は同じかまたは異なる1〜4個のC原子を有するアルキル基を表し、mは0、1または2である]で表されるメタクリルオキシ基またはアクリルオキシ基を含有するオルガノシランおよびその製造方法およびその安定化法に関する。一般式IIのオルガノシランは以下にアクリルシランと記載する。
【0007】
【従来の技術】
一般式IのN,N′−ジ置換されたp−キノンジイミンは市販の製品でないが、それにもかかわらず有利な化学的および物理的特性を有する化合物である。
【0008】
N,N′−ジ置換されたp−キノンジイミン(以下にジイミンと記載する)の公知の製造方法のために、出発物質として相当するN,N′−ジ置換されたp−フェニレンジアミンを使用し、これに酸化剤を作用させて相当するジイミンに移行する。以下にN,N′−ジ置換されたp−フェニレンジアミンをジアミンと記載する。ジイミンの製造方法は技術水準によりごくわずかの収率または不純な生成物を生じるかまたは不経済であり、またはきわめて有毒な化合物を使用する。
【0009】
たとえば、希釈した酢酸溶液中でクロム酸で酸化することにより相当するジアミンからN,N′−ジフェニル−p−キノンジイミンを製造することが記載されている(Chem.Ber.46(1913)S.1853)。この場合に形成されるジイミンは無定形の精製されにくい形で沈殿し、数回の再結晶により精製しなければならない。副生成物としてかなり多くの量のクロムを含有する酢酸水溶液が生じ、これを除去するために経費がかかる。
【0010】
更に、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミンのベンゼン溶液をフェリシアン化カリウム水溶液と振出することによりN,N′−ジフェニル−p−キノンジイミンを製造することは公知である(F.Feichtmayr u.F.Wuerstlin,Berichte der Bunsengesellschaft Bd.67(1963)S.435)。反応成分が別々の相に存在するために、反応がきわめて緩慢に進行し、かつ収率が不十分である。
【0011】
同様の方法がN−フェニル−N′−イソプロピル−p−キノンジイミンおよびN−フェニル−N′−シクロヘキシル−p−キノンジイミンを製造するために記載されている(L.Kotulak et al.Collect.Czech.Chem.Commun.48(1983)12,S.3384〜3395)。
【0012】
酸化剤としてフェリシアン化カリウムの代りに酸化銀を使用することが提案されている(L.Kotulak et al.Collect.Czech.Chem.Commun.48(1983)12,S.3384〜3395)。しかしながら酸化銀はきわめて高価であり、処理しにくい化学製品である。
【0013】
相当するジアミンの空気酸化によりN,N′−ジ置換されたp−キノンジイミンを製造することは公知である。
【0014】
たとえばN,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミンを大過剰のアゾイソ酪酸ジニトリル(AIBN)の存在下で空気酸素によりジイミンに変換する(C.E.Boozer et al.,Journ.Amer.Chem.Soc.77(1955)S.3233)。使用されるAIBNの毒性、溶剤としてクロロベンゼンの使用およびこの方法での低い収率が欠点である。
【0015】
米国特許第2118826号明細書には、N,N′−ジ置換されたp−アリーレンジアミンを固体のアルカリ金属酸化物またはアルカリ土類金属酸化物、−水酸化物、−炭酸塩または−アミドの存在下で空気と酸化することにより相当するp−キノンジイミンを製造することが記載されている。固体反応、130〜180℃の高い反応温度および8時間までの長い反応時間が欠点であり、その際形成されるジイミンのかなりの分解が起こりうる。
【0016】
触媒として重金属塩の付加的な使用により反応温度を低下することができるが、この塩は得られたN,N′−ジ置換された−p−キノンジイミンから除去しにくい。
【0017】
欧州特許第0437653号明細書には、メタクリル酸またはアクリル酸のアルカリ金属塩をテトラアルキルアンモニウムタイプの相転移触媒の存在下で一般式III:
【0018】
【化18】
Figure 0004163761
【0019】
[R4,R5およびmは前記のものを表す]で表されるクロロプロピルシランと反応させることによる一般式IIのオルガノシランの製造が記載されており、この場合に好ましくないポリマー形成、特に“ポップコーン”ポリマーの形成を阻止するために安定剤として前記の例のN,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミンを使用する。たとえば重金属塩が好ましくないアクリルシランの重合を引き起こし、かつアルコキシシラン官能基のシロキサン形成を促進しうることは公知である。アクリルシランの精製は蒸留による手段により行う。
【0020】
相転移触媒法(以下にPTC法と記載する)によるアクリルシランの製造は一般に4つの個々の工程からなる。
【0021】
工程1:アルカリ金属メタクリレートまたはアクリレートの製造、
工程2:前記塩を相転移触媒の存在下でクロロプロピルアルコキシシランと反応させることによるアクリルシランの製造、
工程3:随伴生成物アルカリ金属塩化物の分離、
工程4:粗製生成物の蒸留による処理、
安定剤系の添加は、一般に第1工程、アルカリ金属アクリレートの製造後に行う。
【0022】
前記の安定剤が第四工程、一般式IIの粗製のオルガノシランの蒸留による処理においてその揮発しにくさのために気相にならないことはPTC法ではあまり有利でない。これは特に連続的に方法を実施する場合に蒸留カラムまたは管系において“ポップコーン”ポリマーの形成を生じ、それにより運転障害または装置の損失を生じることがある。
【0023】
ドイツ特許第3832621号明細書においては、触媒としてH2PtCl6を使用してトリアルキルシランをアリルメタクリレートに付加する方法により製造したアクリルシランの安定化を改良するために、N,N′−ジ置換されたp−フェニレンジアミンおよび立体障害フェノールからなる安定剤の組合せが記載されており、この場合にジアミンが粗製のアクリルシランの蒸留による後処理の際に底部生成物を安定化させ、揮発性のフェノールが気相を安定化させる。この方法の工業的な実施には製造工程の前または終了後に安定剤の添加が用意されている。しかしながら達成可能なアクリルシランの収率は不十分である。
【0024】
更にN,N′−ジ置換されたジアミンおよび立体障害フェノールからなる安定剤の組合せはPTC法によりアクリルシランの製造を実施する場合に有効でないと示された。この場合に、第1工程、アルコールのアルカリ金属アルコラート溶液およびメタクリル酸またはアクリル酸からアルカリ金属メタクリレートまたはアクリレートを一般的な方法で製造する工程の経過中または終了後の安定剤組合せの添加により、フェノール成分を非揮発性のアルカリ金属フェノラートに移行し、しかも塩を製造する場合に酸またはアルコラートが存在するかどうかに無関係である。従って粗製のアクリルシランを蒸留により後処理する場合に遊離した揮発性のフェノールを使用せず、それによりカラム中に“ポップコーン”ポリマーの形成を生じ、生成物の収率を劣化させる。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題は、N,N′−ジ置換されたp−キノンジイミンの経済的なかつ環境に問題のない製造方法を提供し、製造工程中に、特に蒸留による生成物の後処理の際に一般式IIのオルガノシランの重合を阻止する安定剤系を提供することである。
【0026】
【課題を解決するための手段】
意想外にも、アルカリ/アルコール溶液中で適当な酸化剤の存在下で相当するN,N′−ジ置換されたジアミンからp−キノンジイミンの形成が特に良好に行われることが判明した。ここで相当するジアミンとは、一般式IV:
【0027】
【化19】
Figure 0004163761
【0028】
[式中、R1およびR2は、一般式IのN,N′−ジ置換されたp−キノンジイミンにおけるような同一の有機基である]で表されるN,N′−ジ置換されたp−フェニレンジアミンのことである。適当な酸化剤としてたとえば分子の酸素が挙げられる。これに対して酸性または中性媒体中では酸化は行われないかまたは十分に行われない。更にアルカリ/アルコール媒体としてジアミンの酸化の際にアルカリ金属アルコラート溶液が特に適していることが判明した。好ましくはアルコールをベースとするアルカリ金属水酸化物溶液を使用することができる。
【0029】
更に、一般式IのN,N′−ジ置換されたp−キノンジイミンがアクリルシランの安定化をその製造中に、特に蒸留による後処理の際に底部および気相において同じように引き起こし、改良された収率を生じることが判明した。
【0030】
N,N′−ジ置換されたp−キノンジイミンをPTC法の間に一般式IVのN,N′−ジ置換されたp−フェニレンジアミンの適当な酸化により製造することができ、方法の実施およびアクリルシランの製造にその他の点で不利に影響しないことは特に意想外である。従って、簡単かつ経済的な方法でPTC法をなお明らかに改良することができる。
【0031】
従って、本発明の対象は、一般式I:
【0032】
【化20】
Figure 0004163761
【0033】
[式中、R1およびR2は同じかまたは異なり、かつフェニル基および/または3〜8個のC原子を有する直鎖および/または分枝鎖状のアルキル基および/またはシクロヘキシル基を表す]で表されるN,N′−ジ置換されたp−キノンジイミンの製造方法であり、該方法は相当するN,N′−ジ置換されたp−フェニレンジアミンをアルカリ/アルコール溶液中で酸化することを特徴とする。
【0034】
更に、本発明の対象は、一般式I:
【0035】
【化21】
Figure 0004163761
【0036】
[式中、R1およびR2は同じかまたは異なり、かつフェニル基および/または3〜8個のC原子を有する直鎖および/または分枝鎖状のアルキル基および/またはシクロヘキシル基を表す]で表されるN,N′−ジ置換されたp−キノンジイミンを、一般式II:
【0037】
【化22】
Figure 0004163761
【0038】
[式中、R3は水素原子またはメチル基を表し、R4およびR5は同じかまたは異なる1〜4個のC原子を有するアルキル基を表し、mは0、1または2である]で表されるメタクリルオキシ基またはアクリルオキシ基を含有するオルガノシランを安定化するために使用することである。
【0039】
本発明の対象は、更に安定剤として一般式I:
【0040】
【化23】
Figure 0004163761
【0041】
[式中、R1およびR2は同じかまたは異なり、かつフェニル基および/または3〜8個のC原子を有する直鎖および/または分枝鎖状のアルキル基および/またはシクロヘキシル基を表す]で表される1種以上のN,N′−ジ置換されたp−キノンジイミンを含有する一般式II:
【0042】
【化24】
Figure 0004163761
【0043】
[式中、R3は水素原子またはメチル基を表し、R4およびR5は同じかまたは異なる1〜4個のC原子を有するアルキル基を表し、mは0、1または2である]で表されるメタクリルオキシ基またはアクリルオキシ基を含有するオルガノシランである。
【0044】
更に、本発明の対象は、一般式II:
【0045】
【化25】
Figure 0004163761
【0046】
[式中、R3は水素原子またはメチル基を表し、R4およびR5は同じかまたは異なる1〜4個のC原子を有するアルキル基を表し、mは0、1または2である]で表されるメタクリルオキシ基またはアクリルオキシ基を含有するオルガノシランを安定化する方法であり、該方法は、安定剤として一般式I:
【0047】
【化26】
Figure 0004163761
【0048】
[式中、R1およびR2は同じかまたは異なり、かつフェニル基および/または3〜8個のC原子を有する直鎖および/または分枝鎖状のアルキル基および/またはシクロヘキシル基を表す]で表されるN,N′−ジ置換されたp−キノンジイミンを使用することを特徴とする。
【0049】
本発明のほかの対象は、一般式II:
【0050】
【化27】
Figure 0004163761
【0051】
[式中、R3は水素原子またはメチル基を表し、R4およびR5は同じかまたは異なる1〜4個のC原子を有するアルキル基を表し、mは0、1または2である]で表されるメタクリルオキシ基またはアクリルオキシ基を含有するオルガノシランを製造するための相転移触媒法(PTC法)であり、該方法は、一般式IIの粗製のオルガノシランをPTC法の間に、一般式I:
【0052】
【化28】
Figure 0004163761
【0053】
[式中、R1およびR2は同じかまたは異なり、かつフェニル基および/または3〜8個のC原子を有する直鎖および/または分枝鎖状のアルキル基および/またはシクロヘキシル基を表す]で表されるN,N′−ジ置換されたp−キノンジイミンにより安定化することを特徴とする。
【0054】
本発明による一般式Iのp−キノンジイミンの製造方法においては、相当するジアミンの酸化の際にアルカリ/アルコール溶液のアルカリ成分としてアルカリ金属アルコラートおよび/またはアルカリ金属水酸化物を使用することができる。
【0055】
アルカリ/アルコール溶液は有利にはアルカリ金属アルコラートを5〜15重量%含有する。これより高いまたは低いアルコラート濃度を使用することができるが、15重量%より高い濃度では増加する程度で副生成物としてN,N′−ジ置換された2,5−ジアルコキシ−p−キノンジイミンを生じ、5重量%より低い濃度では酸化がますます緩慢に進行する。アルカリ金属アルコラートは有利にはナトリウムおよびカリウムのメチラートおよびエチラートである。
【0056】
この場合にアルコールとして、たとえば炭素骨格中に1〜6個のC原子を有する一級、二級または三級アルコールを使用することができ、メタノールおよびエタノールが有利である。
【0057】
酸化のために、使用される一般式IVのジアミンは完全にまたは一部分だけ使用されるアルコラート溶液に溶けて存在してもよい。
【0058】
副生成物の形成を少なく維持するために、急速な酸化が有利である。酸化は有利には10〜60℃の温度で、より有利には20〜40℃の温度で、特に有利には25〜35℃の温度で実施する。
【0059】
酸化剤として分子の酸素を使用することができる。酸化剤として有利には窒素との混合物の酸素を使用する。その際、酸化剤として有利には0.1容量%以上および21容量%以下の酸素、特に有利には0.1容量%以上および8.4容量%以下の酸素を含有する酸素/窒素混合物を使用する。有利には放圧で作動する。しかしながら高圧で、好ましくは5バールで作動することができる。
【0060】
本発明により製造されるまたは使用されるジイミンは純粋でない形で存在してもよく、その際酸化反応の生成物はN,N′−ジ置換されたp−フェニレンジアミンおよびN,N′−ジ置換されたp−キノンジイミンの混合物を含有することができる。すでにジアミンからジイミンへの10%の転化率において一般式IIのオルガノシランへの添加は安定化作用することができるが、ジアミン転化率は30%以上でなければならない。
【0061】
本発明により製造されるジイミンは、通常の後処理法、たとえば減圧下の蒸留による後処理、再結晶またはカラムクロマトグラフィーにより、純粋の形で製造することができる。しかしながら分析による純粋の形の使用は本発明によるジイミンの使用の前提条件でない。本発明による一般式IIのオルガノシランのためには、一般式Iのp−キノンジイミン含量は、有利には0.0005重量%以上1.5重量%まで、より有利には0.01〜1.0重量%、特に有利には0.1〜0.5重量%である。
【0062】
付加的な安定剤として、本発明によるオルガノシランは、一般式IV:
【0063】
【化29】
Figure 0004163761
【0064】
[式中、R1およびR2は同じかまたは異なり、かつフェニル基および/または3〜8個のC原子を有する直鎖および/または分枝鎖状のアルキル基および/またはシクロヘキシル基を表す]で表されるN,N′−ジ置換されたp−フェニレンジアミンおよび/または一般式V:
【0065】
【化30】
Figure 0004163761
【0066】
[式中、R6は1〜4個のC原子を有するアルキル基またはアルコキシ基を表す]で表される揮発性の立体障害フェノールを含有することができる。
【0067】
冒頭に記載のPTC法においては、一般式IIのオルガノシランはアルカリ金属メタクリレートまたはアルカリ金属アクリレートおよび一般式III:
【0068】
【化31】
Figure 0004163761
【0069】
[式中、R4およびR5は同じかまたは異なる1〜4個のC原子を有するアルキル基を表し、mは0,1または2である]で表されるクロロプロピルアルコキシシランから得られる。
【0070】
本発明による一般式IIのメタクリルオキシ基またはアクリルオキシ基を含有するオルガノシランの安定化法により、安定剤として使用される一般式Iのp−キノンジイミンを一般式IIのオルガノシランの製造工程中に添加することができる。
【0071】
しかしながら、安定剤として使用される一般式Iのp−キノンジイミンを一般式IIのオルガノシランの製造工程中に製造することもできる。この場合は一般式Iのp−キノンジイミンを相当する一般式IVのp−フェニレンジアミンの酸化により製造することができる。酸化剤として、有利には窒素との混合物の酸素を使用する。酸化は有利には10〜60℃の温度で、より有利には20〜40℃の温度で、特に有利には25〜35℃の温度で実施する。
【0072】
一般式Iのp−キノンジイミンはたとえばPTC法の第1工程の反応媒体中で相当する一般式IVのp−フェニレンジアミンの酸化により製造することができる。
【0073】
従って、まず装入したアルカリ金属アルコラート量をメタクリル酸またはアクリル酸の添加により中和し、たとえばメタノール溶液中に生じた塩量を取り去った後に残った、溶けたアルカリ金属アルコラートの重量割合が5〜15重量%であるように実施することができる。
【0074】
一般式IVのN,N′−ジ置換されたジアミンを導入後、適当なO2酸化によりジアミンからジイミンへの所望の転化を生じることができる。酸化剤として使用される分子の酸素を、前記の系に存在する成分のいずれとも爆発可能の混合物を生じないように不活性ガス、有利には窒素により希釈することができる。
【0075】
引き続き、化学量論的な塩の形成のために更に酸を加えることができる。しかしながら、わずかに過剰のアルコラートが残留してもよく、従って水で1:1の比に混合した均一のアルコール塩試料は8〜11のpH値に達する。
【0076】
このアルカリ/アルコール媒体中で本発明により製造されたジイミンは長時間にわたって安定であると示された。
【0077】
第2工程の相転移触媒作用した反応の実施後にまたは第3工程の塩の分離後に今や一般式IIの粗製のオルガノシランが存在する。本発明によりここで安定化した一般式IIの粗製のオルガノシランは、一般式Iのp−キノンジイミンを有利には0.0005重量%より多く1.5重量%まで、より有利には0.01〜1.0重量%、特に有利には0.1〜0.5重量%含有する。
【0078】
有利にはN,N′−ジ置換されたp−キノンジイミンは、安定化すべきアクリルシランの沸点より高くない揮発性を有するものである。有利にはジイミンの揮発性はアクリルシランの沸点よりわずかに低い。
【0079】
実際に示されるように、PTC工程中に安定剤として使用される一般式Iのp−キノンジイミンを添加および/または製造することができる。
【0080】
しかしながら、一般式IIのオルガノシランを安定化する本発明による方法のために、付加的な安定剤として、一般式IV:
【0081】
【化32】
Figure 0004163761
【0082】
[式中、R1およびR2は同じかまたは異なり、かつフェニル基および/または3〜8個のC原子を有する直鎖および/または分枝鎖状のアルキル基および/またはシクロヘキシル基を表す]で表されるN,N′−ジ置換されたp−フェニレンジアミンおよび/または一般式V:
【0083】
【化33】
Figure 0004163761
【0084】
[式中、R6は1〜4個のC原子を有するアルキル基またはアルコキシ基を表す]で表される揮発性の立体障害フェノールを使用することもできる。好ましくはフェノール安定剤は一般式IIのアクリルシランに匹敵する沸点を有する。
【0085】
一般式IIのオルガノシランの精製は一般に蒸留処理により行う。これは簡単な蒸発または薄層蒸発および/または精留塔蒸留により行うことができる。
【0086】
一般式Iのp−キノンジイミンを含有する一般式IIの粗製のオルガノシランは高沸点物を分離するために有利にはフラッシュ蒸留する。フラッシュ蒸留とはたとえば薄層蒸発機による蒸留による前精製のことである。
【0087】
アクリルシランの粗製生成物の蒸留による後処理の有利な構成はフラッシュ蒸留(前工程)と精留塔蒸留の組合せである。前工程で触媒、未反応のジアミン、残留塩およびわずかの量のポリマーを分離することができる。
【0088】
フラッシュ留出物は、有利には5重量ppmより多く15000重量ppmまで、より有利には10〜3000重量ppmおよび特に有利には50〜1000重量ppmの量の一般式Iのp−キノンジイミンを用いて安定化する。
【0089】
引き続きフラッシュ留出物を好ましくは分別蒸留する。
【0090】
本発明により製造されるおよび使用されるジイミンの利点は、該ジイミンが高い揮発性を有し、アクリルシランの蒸留の際に気相になり、更にそこで安定化する、すなわち重合阻止作用をすることである。その際カラムの頭部を介して蒸留したメタクリルオキシ基またはアクリルオキシ基を含有するオルガノシランが、有利には一般式Iのp−キノンジイミンを含まずに得られる。
【0091】
一般式IIのメタクリルオキシ基またはアクリルオキシ基を含有するオルガノシランに、有利には分別蒸留後に、一般式Vの無色の、立体障害フェノールを更に安定化するために添加する。有利には2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを添加する。蒸留による後処理はバッチ法でおよび連続法で実施可能である。
【0092】
N,N′−ジ置換されたジイミンの濃度測定は好ましくは光度測定法により行う。
【0093】
本発明によるPTC法においては、一般式Iのp−キノンジイミンおよび一般式IV:
【0094】
【化34】
Figure 0004163761
【0095】
[式中、R1およびR2は同じかまたは異なり、かつフェニル基および/または3〜8個のC原子を有する直鎖および/または分枝鎖状のアルキル基および/またはシクロヘキシル基を表す]で表されるN,N′−ジ置換されたp−フェニレンジアミンをエダクト混合物におよび/または反応混合物におよび/または一般式IIの粗製のオルガノシランにおよび/またはフラッシュ留出物におよび/または蒸留による後処理のほかの箇所に添加することができる。更に一般式IIの粗製のオルガノシランにおよび/またはフラッシュ留出物におよび/または蒸留による後処理のほかの箇所におよび/または純粋留出物に、一般式V:
【0096】
【化35】
Figure 0004163761
【0097】
[式中、R6は1〜4個のC原子を有するアルキル基またはアルコキシ基を表す]の揮発性の、立体障害フェノールを添加することができる。
【0098】
すべての蒸留は好ましくは減圧下で実施し、有利には作動圧は0.01〜50ミリバールである。
【0099】
適当なN,N′−ジ置換されたジイミンは、たとえば
N,N′−ジフェニル−p−キノンジイミン、
N,N′−ジ−(1−メチルヘプチル)−p−キノンジイミン、
N,N′−ジ−(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−キノンジイミン、
N,N′−ジ−(1,4−ジメチルペンチル)−p−キノンジイミン、
N,N′−ジ−s−ブチル−p−キノンジイミン、
N−フェニル−N′−シクロヘキシル−p−キノンジイミン、
N−フェニル−N′−イソプロピル−キノンジイミンである。
【0100】
適当なN,N′−ジ置換されたジアミンは、たとえば
N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、
N,N′−ジナフチル−p−フェニレンジアミン、
N,N′−ジ−(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、
N,N′−ジ−(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、
N,N′−ジ−(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、
N,N′−ジ−s−ブチル−p−フェニレンジアミン、
N−フェニル−N′−シクロヘキシル−p−フェニレンジアミンまたは
N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミンである。
【0101】
適当な立体障害フェノールは、たとえば
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、
2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、
2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェノールである。
【0102】
N,N′−ジ置換されたp−キノンジイミンを製造する本発明による方法は、特にPTC法で一般式IIのメタクリルオキシ基またはアクリルオキシ基を含有するオルガノシランを製造する場合に、簡単なやり方で“ポップコーン”重合を阻止し、アクリルシランを高い純度で無色の外観で得ることを可能にする。特にポリマーを製造するために使用される一般式IIのオルガノシランは、前記の高い品質要求に相当する。
【0103】
本発明による方法のほかの重要な利点は、本発明に定義したアクリルシランの収率およびこれによりPTC法の経済効率を更になお向上できることである。
【0104】
【実施例】
本発明を以下の実施例により詳細に説明する。
【0105】

例1
N,N′−ジフェニル−p−キノンジイミンの製造
溶融範囲134〜140℃を有する工業的に製造したN,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(Akzo社の市販の製品 Permanax DPPD(R))57gを窒素下で0.1ミリバールで蒸留した。196〜200℃で留出するフラクションを収集した。収量44.5g、ほぼ理論値の78.1%、融点135〜138℃。留出物33gをアセトン/メタノールから再結晶した。収率、理論値の82.0%、融点149〜150℃。
【0106】
8%カリウムメチラート/−メタノール溶液5l中のN,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン22gの溶液中に、撹拌しながらほぼ30℃の温度で、O2およびN2(1:11)からなる強いガス流を導入した。3時間後N,N′−ジフェニル−p−キノンジイミン収率は78%であった。この収率は吸収最大442nmでの吸光から光度測定法により測定した。沈殿した固形物を濾過した。融点はアセトン/メタノールから再結晶後に決定した。181〜183℃。
【0107】
例2
25.4%カリウムメチラート溶液926.1gに撹拌および冷却しながらメタクリル酸289.0gを加えた。例1により製造したN,N′−ジフェニル−p−キノンジイミン4.2g、テトラブチルアンモニウムブロミド15.2gおよび3−クロロプロピルトリメトキシシラン680.3gを加え、短いカラムを介して、場合により真空に設定して、115℃で発熱反応が開始するまでメタノールを留去した。鎮静した後で120℃で更に2時間加熱した。冷却した混合物から沈殿した塩化カリウムを濾過し、これをメタノールで洗浄した。メタノールを分離した濾液を0.4ミリバールでクライゼン橋を介してフラッシュした。沸点88〜90℃。留出物量766.8g、ほぼ理論値の92.1%。黄色−オレンジ色に着色した留出物は光度測定法によりN,N′−ジフェニル−p−キノンジイミン80mg/kgを含有した。
【0108】
ラッシヒリングを装備した充填体カラムを介した分別蒸留により、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン722.3g、ほぼ理論値の86.7%が得られた。沸点81〜82℃/0.2ミリバール。GC純度99.7%。
【0109】
純粋蒸留の開始前に、蒸留受け器に2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(Shell社の市販の製品IonolCP)144mgを装入した。フラッシュ蒸留および純粋蒸留の間にカラム底部にO2:N2の比1:11.5を有するわずかの量のO2/N2混合物を導入した。
【0110】
蒸留後利用した装置、留出物および底部に“ポップコーン”ポリマーが確認されなかった。
【0111】
例3
撹拌反応器中で、メタノールの25.7%カリウムメチラート溶液13.613kgに冷却しながら水不含のメタクリル酸2.868kgを加え、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン62.5gを添加後、ほぼ20〜30℃で酸素/窒素1:12の量の混合物からなる強いガス流を、光度測定可能なN,N′−ジフェニル−p−キノンジイミンに関して55%のジアミン転化率が示されるまで貫流させた。更にメタクリル酸1.432kgを添加後、再びカリウムメチラート溶液を、水で1:1の比に希釈後、取り出された均一化されたメタノール/塩混合物がpH値9.5を有するまで加えた。
【0112】
テトラブチルアンモニウムブロミド225.8gおよび3−クロロプロピルトリメトキシシラン10.0kgを添加後、短いカラムを介して118℃で発熱反応が開始するまでメタノールを留去し、反応混合物を冷却することにより120℃未満の温度に保った。発熱反応が鎮静した後で120℃でなお2時間加熱した。冷却した反応混合物から形成された塩化カリウムを遠心分離し、メタノールで洗浄した。メタノール不含の濾液中に、光度測定法によりジイミン含量2.8g/kgを測定した。
【0113】
毎時1750mlの酸素/窒素流(量比1:12)下で、蒸発温度94℃および作動圧0.4ミリバールで簡単な蒸発機(Leybold−Heraeus社の形式KD10)を介して蒸留した後で、蒸留収量11.557kg、ほぼ93.2%が達成された。光度測定法により測定したジイミン含量は留出物1kg当り92mgであった。
【0114】
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール3.467gを添加後、長さ40cmのカラム(充填体V4A金網)を介して毎時150lのO2/N2流(量比1:11.9)下で分別蒸留した。3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、収量11.146kg、理論値の90.0%、沸点76〜77℃/0.25ミリバール、GC純度99.6%。
【0115】
蒸留残留物にも簡単な蒸発機にも蒸留カラムにも“ポップコーン”ポリマーが確認されなかった。
【0116】
例4
撹拌反応器中で25.7%のメタノールのカリウムメチラート溶液9.807kgに冷却しながらアクリル酸1.711kgを加え、粉末状のN,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン45gを添加後ほぼ30〜40℃で2時間、酸素/窒素混合物(1:11.5)からなる強いガス流が反応混合物を貫流した。この時間後、光度測定法により測定したジアミン転化率は63%であった。更にアクリル酸0.882kgを添加し、試料を取り出した後でこの試料は水で1:1の比に希釈後pH値8.5を示した。
【0117】
テトラブチルアンモニウムブロミド163gおよび3−クロロプロピルトリメトキシシラン7.190kgを添加後、115℃で発熱反応が開始するまで短いカラムを介してメタノールを留去した。鎮静した後で120℃で1.5時間更に加熱した。冷却後、形成された塩化カリウムを遠心分離し、メタノールで洗浄した。メタノールを分離した濾液中で、光度測定法により濾液1kg当りジイミン含量3.2gが測定された。
【0118】
簡単な蒸発機(Leybold−Heraeus社の形式KD10)を介して蒸留した後で、蒸発機温度95℃および作動圧0.4ミリバールで、毎時1050mlの酸素/窒素混合物(量比1:15)を導入して理論値の94.3%の蒸留収率が達成された。光度測定法により測定したジイミン含量は留出物1kg当り80mgであった。
【0119】
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール1.9gを添加後、高さ40cmの充填体カラムを介して前記の酸素/窒素比および導入されるガス量毎時100mlで分別蒸留した。3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、純収量、7.991kg、ほぼ89.5%。沸点63〜64℃/0.1〜0.15ミリバール。GC純度99.3%。
【0120】
蒸留残留物にも簡単な蒸発機にも蒸留カラムにも“ポップコーン”ポリマーが含まれていなかった。
【0121】
例5
撹拌器、滴下漏斗、温度計および冷却器を有する多口フラスコ中でアリルメタクリレート255gおよび2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール3gを装入し、弱い酸素/窒素混合物(量比1:11.9)を貫流させて105℃に加熱した。滴下漏斗からトリメトキシシラン240gを滴加した。シランの1/4の添加後、1/2の添加後および3/4の添加後およびシラン添加終了後に、H2PtCl6の10%アセトン溶液それぞれ250mgを加えた。反応中に温度を100〜105℃に保った。2時間の反応時間後に得られた粗製生成物を真空下でフラッシュした。
【0122】
N−フェニル−N′−イソプロピル−p−キノンジイミン4.5gを添加後、残留物を減圧下で短い充填体カラムを介して蒸留し、その際主要フラクションとして110〜112℃(3ミリバール)で3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン417.6gを留出し、これは使用されるアリルメタクリレートに対して85.6%の収率に相当した。
【0123】
カラム中に“ポップコーン”ポリマーが存在せず、蒸留残留物は希溶液状であり、留出物は10以下のハーゼン数を有した。
【0124】
比較例A
例2と異なり、ここではN,N′−ジフェニル−p−キノンジイミンの代りにN,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン4.2gを十分に酸素を排除して使用した。フラッシュ留出物はほとんど無色であり、留出物1kg当りジイミン5mg以下を含有した。酸素を含有する保護ガスを使用しないカラムを介した純粋蒸留においてはカラムおよび底部にかなりの量の“ポップコーン”ポリマー形成を生じた。収率は42%であった。
【0125】
比較例B
例2と異なり、N,N′−ジフェニル−p−キノンジイミンの代りにN,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン4.2gおよび2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.23gをカリウムメタクリレートの形成後すぐに添加した。反応を十分に酸素を排除して実施した。
【0126】
フラッシュ留出物は実際に無色であり、留出物1kg当りジイミン5mg以下を有した。GC分析によりフラッシュ留出物中に2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールは確認されなかった。
【0127】
酸素を含有する保護ガスを使用しないカラムを介した純粋蒸留においてはカラムおよび底部にかなりの量の“ポップコーン”ポリマー形成を生じた。収率は39%であった。

Claims (6)

  1. 一般式I:
    Figure 0004163761
    [式中、RおよびRは同じかまたは異なり、かつフェニル基、3〜8個のC原子を有する直鎖または分枝鎖状のアルキル基およびシクロヘキシル基のいずれかを表す]で表されるN,N′−ジ置換されたp−キノンジイミンの製造方法において、相当するN,N′−ジ置換されたp−フェニレンジアミンを、酸化剤として分子の酸素を使用して、アルカリ金属アルコラート5〜15質量%を含有するアルカリ/アルコール溶液中で、10〜60℃の温度で酸化することを特徴とする、N,N′−ジ置換されたp−キノンジイミンの製造方法。
  2. 酸化剤として窒素との混合物の酸素を使用する請求項1記載の方法。
  3. 酸化剤として0.1容量%以上および21容量%以下の酸素を含有する酸素/窒素混合物を使用する請求項1または2記載の方法。
  4. 酸化剤として0.1容量%以上および8.4容量%以下の酸素を含有する酸素/窒素混合物を使用する請求項3記載の方法。
  5. 酸化を20〜40℃の温度で実施する請求項1記載の方法。
  6. 酸化を25〜35℃の温度で実施する請求項5記載の方法。
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