JP4163533B2 - モータファンシュラウドの取付構造 - Google Patents

モータファンシュラウドの取付構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車のラジエータの後面に固定されるモータファンシュラウドの取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車のラジエータの後面には、ファンを備える樹脂製のモータファンシュラウドが固定されている。
【0003】
従来のモータファンシュラウドの取付構造は、例えば、図6に示すように、モータファンシュラウド01の左右下部に突設されたピン02を上方からラジエータ03の左右下部に設けられた受け部04の取付孔05に挿入した後、モータファンシュラウド01の左右上部に設けられた係止片部06とラジエータ03の左右上部に形成された固定部07を前後方向に重ね合わせた状態で、該係止片部06と固定部07にボルト08やクリップ等を用いて固定している(特許文献1、2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−114025号公報 (第1−3頁、第1図)
【特許文献2】
特開2002−98113号公報 (第1−3頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のラジエータとモータファンシュラウドの固定構造では、該ラジエータとモータファンシュラウドの下部において、ピンと取付孔の間に隙間が生じており、結果、自動車の走行時やファンの稼動中にピンと受け部が振動・衝突し、がたつきによる異音が発生するという問題点があった。
【0006】
なお、前記受け部の取付孔にウレタンやラバーなどを設けて異音対策をすることは考えられるが、これらはコスト高となる上、組立て工数が増えるため好ましくない。
【0007】
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、モータファンシュラウドとラジエータの下部におけるピンと取付孔のがたつきをなくして異音の発生を防止すると共に、これら両者の固定を強化できるモータファンシュラウドの取付構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、モータファンシュラウドの下部から下方に突設されたピンをラジエータの後面に設けられた受け部の取付孔に上方から挿入して固定した後、該モータファンシュラウドの上部をラジエータに固定するモータファンシュラウドの取付構造において、前記ピンの後方下部に突部を形成し、前記取付孔に、ピンが挿入される入口側を出口側よりも狭くしたテーパー部を形成し、前記モータファンシュラウドをラジエータに対して傾斜させた状態で前記ピンを取付孔に挿入し、モータファンシュラウドを正立させた後、該モータファンシュラウドとラジエータの上部を固定した際、該ピンの後方下部において突部がテーパー部に当接し、前記ピンの前方上部において該ピンとテーパー部が当接するように構成し、ピンはその前方上部を支点として突部がテーパ部に付勢するようテンションが掛かった状態で、突部がテーパー部に係止した状態となることを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明では、請求項1記載のモータファンシュラウドの取付構造において、ピンの突部を含む下部先端を面取り加工したことを特徴とする。
【0010】
【発明の作用及び効果】
請求項1記載の発明にあっては、前記ピンの後方下部に突部が形成される。
【0011】
また、前記ピンが挿入される取付孔に、該ピンが挿入される入口側を出口側よりも狭くしたテーパー部が形成される。
【0012】
そして、前記モータファンシュラウドをラジエータに対して傾斜させた状態で前記ピンを取付孔に挿入し、モータファンシュラウドを正立させた後、該モータファンシュラウドとラジエータの上部を固定した際、該ピンの後方下部において突部がテーパー部に当接し、前記ピンの前方上部において該ピンとテーパー部が当接するように構成される。
【0013】
従って、モータファンシュラウドとラジエータの下部は、前記テーパー部に該ピンの後方下部と前方上部が当接するため、自動車の走行時やファンの稼動中にピンと取付孔が振動・衝突することがなく、異音の発生を防止できる。
【0014】
また、テーパー部は、ピンが挿入される入口側を出口側より狭く形成したため、突部がテーパー部に当接するとピンが上方への移動を規制され、結果、該ピンの抜け防止を図ることができ、モータファンシュラウドとラジエータの固定を強化できる。
【0015】
請求項2記載の発明にあっては、ピンの突部を含む下部先端を面取り加工したため、該ピンを取付孔にスムーズに挿入させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のの実施の形態を説明する。
【0017】
図1は本発明の実施の形態のモータファンシュラウドの取付構造を示す斜視図、図2はラジエータの下部の側面図(一部断面図)である。
【0018】
図3はモータファンシュラウドの下部の側面図、図4はピンの底面図、図5はラジエータにモータファンシュラウドを取付ける際の動作を説明する断面図である。
【0019】
先ず、全体構成を説明する。
【0020】
図1に示すように、本実施の形態のモータファンシュラウドの取付構造では、ラジエータ1の後面に樹脂製のモータファンシュラウド2が固定され、これら両者が一体的に組み付けられる。
【0021】
前記ラジエータ1は、上下の樹脂製のタンクT1,T2と、該タンクT1,T2間にチューブとフィンが配設されたコア部Kを主要な構成としている。
【0022】
前記ラジエータ1のモータファンシュラウド2側の左右上部には、ネジ孔1aを備える固定部1bが前記タンクT1と一体的にそれぞれ形成されている。
【0023】
また、図1、2に示すように、前記ラジエータ1のモータファンシュラウド2側の左右下部には、取付孔1cが開口された水平な受け部1dが前記タンクT2と一体的にそれぞれ形成されている。
【0024】
前記受け部1dの取付孔1cには、後述するピン20が挿入される入り口側の開口幅W1を出口側の開口幅W2よりも少なくとも前後方向において狭く形成したテーパー部12が形成されている。
【0025】
なお、前記ラジエータ1の左右上下端に突設されたピンP1は、該ラジエータ1を図外のラジエータコアサポートに固定するための取り付けピンである。
【0026】
前記モータファンシュラウド2は、樹脂製の本体2aと該本体2aの左右から後方にそれぞれ突設された円筒状のカバー2bと、該カバー2b内にそれぞれ配置されるモータファン2cを主要な構成としている。
【0027】
前記モータファンシュラウド2の左右上部には、ネジ挿通孔2dを備えた取付片部2dがそれぞれ形成されている。
【0028】
また、前記モータファンシュラウド2の左右下部には、下方に向けて突設された円柱状のピン20が本体2aと一体的にそれぞれ形成されている。
【0029】
また、図3、4に示すように、前記ピン20の下部には、後方側へ突出した突部21が該ピン20と一体的に形成されると共に、該突部21を含むピン20の先端下部は面取り加工され、先端が尖った形状となっている。
【0030】
なお、22は、前記ピン20の成形時に熱が引くときの変形を防止するために内部に設けた切欠部である。
【0031】
以下、図5を用いて本実施の形態のモータファンシュラウドをラジエータに取付ける際の動作について説明する。
【0032】
先ず、図5(a)に示すように、モータファンシュラウド2をラジエータ1に対して傾斜した状態で該モータファンシュラウド2の左右下端のピン20を斜め上方からラジエータ2受け部1dの取付孔1cに挿入する。
【0033】
この際、突部21を含むピン20の先端下部が面取り加工されているため、該ピン20を取付孔1cに容易に挿入させることができるようになっている。
【0034】
次に、モータファンシュラウド2をラジエータ1に対して矢印方向に正立させた後、モータファンシュラウド2の取付片部2eとラジエータ1の固定部1bを重ね合わせた状態でネジ挿通孔2dからネジ孔1aにネジBを挿通させて該モータファンシュラウド2とラジエータ1の上部を固定する。
【0035】
この際、図4(b)に示すように、前記ピン20の後方下部において突部21がテーパー部12に当接し、該ピン20の前方上部31において該ピン20とテーパー部12が当接した状態となる。
【0036】
具体的には、モータファンシュラウド2の上部がラジエータ1に固定されることにより、ピン20は前方上部31を支点として突部21がテーパ部12に付勢するようテンションが掛かった状態となり、結果、突部21がテーパー部12に係止した状態となる。
【0037】
従って、本実施の形態のモータファンシュラウドの取付構造にあっては、モータファンシュラウド2とラジエータ1の下部において、ピン20の後方下部において突部21がテーパー部12に当接し、前記ピン20の前方上部31において該ピン20とテーパー部12が当接した状態となるため、従来の発明のようにピン20と取付孔1cにがたつきが生じず、自動車の走行時やファンの稼動時における異音の発生を防止できる。
【0038】
また、テーパー部12によって取付孔1cのピン20が挿入される入り口側を出口側よりも狭く形成しているため、該テーパー部12に突部21が当接した際にピン20が上方へ移動するのを防止して該ピン20の抜け防止を図ることができ、モータファンシュラウド2を安定してラジエータ1に固定することができる。
【0039】
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明の具体的構成は本実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更などがあっても本発明に含まれる。
【0040】
例えば、ピン20、突部21の形状については適宜設定できる。
【0041】
また、モータファンシュラウド2とラジエータ1の上部の固定方法については、ボルト、クリップ、ブラケット等を用いて適宜の固定方法で行うことは当然考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態のモータファンシュラウドの取付構造を示す斜視図である。
【図2】ラジエータの下部の側面図(一部断面図)である。
【図3】モータファンシュラウドの下部の側面図である。
【図4】モータファンシュラウドのピンの底面図である。
【図5】ラジエータにモータファンシュラウドを取付ける際の動作を説明する断面図である。
【図6】従来のモータファンシュラウドの取付構造を説明する図である。
【符号の説明】
B ネジ
K コア部
P1 取付ピン
T1、T2 タンク
1 ラジエータ
1a ネジ孔
1b 固定部
1c 取付孔
1d 受け部
12 テーパー部
2 モータファンシュラウド
2a 本体
2b カバー
2c ファン
2d ネジ挿通孔
2e 係止片部
20 ピン
21 突部
22 切欠部
31 前方上部

Claims (2)

  1. モータファンシュラウドの下部から下方に突設されたピンをラジエータの後面に設けられた受け部の取付孔に上方から挿入して固定した後、該モータファンシュラウドの上部をラジエータに固定するモータファンシュラウドの取付構造において、
    前記ピンの後方下部に突部を形成し、
    前記取付孔に、ピンが挿入される入口側を出口側よりも狭くしたテーパー部を形成し、
    前記モータファンシュラウドをラジエータに対して傾斜させた状態で前記ピンを取付孔に挿入し、モータファンシュラウドを正立させた後、該モータファンシュラウドとラジエータの上部を固定した際、該ピンの後方下部において突部がテーパー部に当接し、前記ピンの前方上部において該ピンとテーパー部が当接するように構成し、ピンはその前方上部を支点として突部がテーパ部に付勢するようテンションが掛かった状態で、突部がテーパー部に係止した状態となることを特徴とするモータファンシュラウドの取付構造。
  2. 請求項1記載のモータファンシュラウドの取付構造において、
    前記ピンの突部を含む下部先端を面取り加工したことを特徴とするモータファンシュラウドの取付構造。
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