JP4163353B2 - 画像処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置、より詳しくは、異なる露光条件で撮像された複数の画像から一の広ダイナミックレンジ画像を生成する画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
異なる露光条件で撮像された複数の画像を合成してダイナミックレンジの広い画像を生成する画像処理装置は、従来より種々のものが提案されていて、こうした画像処理装置により合成したダイナミックレンジの広い画像を、モニタやプリンタ等の濃度レンジが比較的狭い表示系によって表示する際には、ダイナミックレンジを圧縮することにより対応していた。
【0003】
このダイナミックレンジの圧縮は、通常のγ特性に準じた特性(対数特性に類似している)により行われるのが一般的であり、なるべく主要被写体や背景のコントラストを損なうことのないようにしたものとなっている。
【0004】
このような技術の一例としては、特開平5−314253号公報に、高輝度域については輝度の対数に比例した特性で圧縮を行い、低輝度域については輝度にほぼ比例した特性で圧縮するものが記載されている。
【0005】
こうした従来のダイナミックレンジの圧縮手段の例を、図16を参照して説明する。
【0006】
例えば、露光量比1:8の短時間露光信号SIGSEと長時間露光信号SIGLEに基づいて、広ダイナミックレンジ画像を作成し、それを圧縮する場合について説明する。
【0007】
この場合には、長時間露光信号SIGLEの出力レベルが飽和(100%)に達する入射光量をαとすると、露光量比が1:8となる場合を例にとっているために、短時間露光信号SIGSEの出力レベルが飽和に達する入射光量は8αとなる。
【0008】
まず、短時間露光信号SIGSEの出力レベルを8倍して、さらにそれを上記長時間露光信号SIGLEと合成することにより、広ダイナミックレンジ信号SIGWDRを作成する。
【0009】
次に、この広ダイナミックレンジ信号SIGWDRを、濃度レンジの狭いモニタやプリンタ等に合わせるために、出力レベルが小さい部分では入射光量に比例するように、出力レベルが大きい部分では入射光量に対して対数的となるように出力レベルを圧縮して、最終的に補正された信号SIGLSTを得るようにしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の技術手段による圧縮特性では、低輝度域については広ダイナミックレンジ画像のコントラストはほぼ撮影時の状態に保たれるが、高輝度域になるほど入射光量の変化量に対する出力レベルの変化量が小さくなるために、コントラストが低下してしまうことになる。
【0011】
実際の撮影においては、主要被写体が必ずしも低輝度域に存在するとは限らず、例えば暗いシーンにいる人物をストロボを使用して撮影すると、人物はシーンの中では比較的高輝度域に存在することになるために、上記従来の圧縮を適用すると、人物のコントラストが損なわれてしまって、いわゆるねむい画像といわれるのっぺりした感じの画像になってしまうことになる。
【0012】
また、上述した従来の技術では、エッジや輝度分布などの画像の特徴を考慮することなく常に同一の圧縮特性を取っているために、画像によってはあまり見栄えが良くない広ダイナミックレンジ画像が生成されることもある。
【0013】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、濃度レンジの狭い表示系に表示しても低輝度域から高輝度域までコントラストを保持し得る広ダイナミックレンジ画像を生成することができる画像処理装置を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、第1の発明による画像処理装置は、同一被写体に対して異なる露光条件で撮像された複数の画像からなる画像群を処理して一の広ダイナミックレンジ画像を生成する画像処理装置であって、上記画像群中の各画像毎に階調補正を行う画像補正手段と、この画像補正手段により階調補正された各画像を合成して一の広ダイナミックレンジ画像を生成する画像合成手段と、を具備し、上記画像補正手段は、上記画像群中の各画像毎に該画像信号からフィルタリングにより特徴成分を抽出する特徴抽出手段と、この特徴抽出手段により抽出された特徴成分に関するヒストグラムを生成する特徴成分ヒストグラム生成手段と、この特徴成分ヒストグラム生成手段により生成された特徴成分ヒストグラムの分布状態から対象画素を選択するための閾値を算出する閾値算出手段と、この閾値算出手段により算出された閾値に基づいて該画像信号から対象画素を選択する対象画素選択手段と、この対象画素選択手段により選択された対象画素からヒストグラムを生成するヒストグラム生成手段と、このヒストグラム生成手段により生成された対象画素のヒストグラムを所定の分布にモデル化する分布モデル化手段と、上記ヒストグラム生成手段により生成された対象画素のヒストグラムと上記分布モデル化手段によりモデル化されたヒストグラムとに基づいて階調補正特性を生成する階調補正特性生成手段と、この階調補正特性生成手段により生成された階調補正特性を用いて該画像信号の階調補正を行う階調補正手段と、を有してなる。
【0015】
また、第2の発明による画像処理装置は、同一被写体に対して異なる露光条件で撮像された複数の画像からなる画像群を処理して一の広ダイナミックレンジ画像を生成する画像処理装置であって、上記画像群中の各画像について所定の画像信号レベルに基づき適正露光領域と不適正露光領域に分割する分割手段と、この分割手段により分割された適正露光領域の階調補正を上記各画像毎に行う画像補正手段と、この画像補正手段により階調補正された各画像毎の適正露光領域を合成して一の広ダイナミックレンジ画像を生成する画像合成手段と、を具備し、上記画像補正手段は、上記画像群中の各画像毎に該画像信号からフィルタリングにより特徴成分を抽出する特徴抽出手段と、この特徴抽出手段により抽出された特徴成分に関するヒストグラムを生成する特徴成分ヒストグラム生成手段と、この特徴成分ヒストグラム生成手段により生成された特徴成分ヒストグラムの分布状態から対象画素を選択するための閾値を算出する閾値算出手段と、この閾値算出手段により算出された閾値に基づいて該画像信号から対象画素を選択する対象画素選択手段と、この対象画素選択手段により選択された対象画素からヒストグラムを生成するヒストグラム生成手段と、このヒストグラム生成手段により生成された対象画素のヒストグラムを所定の分布にモデル化する分布モデル化手段と、上記ヒストグラム生成手段により生成された対象画素のヒストグラムと上記分布モデル化手段によりモデル化されたヒストグラムとに基づいて階調補正特性を生成する階調補正特性生成手段と、この階調補正特性生成手段により生成された階調補正特性を用いて該画像信号の階調補正を行う階調補正手段と、を有してなる。
【0016】
さらに、第3の発明による画像処理装置は、上記第1または第2の発明による画像処理装置において、上記画像合成手段は、上記画像補正手段により階調補正された画像信号が同一画素位置について複数存在する場合に、これらの加算平均を計算する加算平均手段と、この加算平均手段により処理された画素に対して平滑化処理を施す平滑化手段と、を有してなる。
【0017】
第4の発明による画像処理装置は、上記第1の発明による画像処理装置において、上記画像合成手段は、上記画像補正手段により階調補正された上記画像群中の各画像に対して、同一画素位置の画素群中の適正露光に近い画素を広ダイナミックレンジ画像を構成する画素として各画素位置毎に選択する適正露光画素選択手段を有してなる。
【0018】
第5の発明による画像処理装置は、上記第1または第2の発明による画像処理装置において、上記画像合成手段は、複数の適正露光領域を合成して一の広ダイナミックレンジ画像を生成する際に、上記画像群中の各画像の全てにおいて不適正露光領域となる欠落領域が存在する場合には、該欠落領域が露光オーバーであるときには上記画像群中の最小露光画像の該当領域を用い、一方、該欠落領域が露光アンダーであるときには上記画像群中の最大露光画像の該当領域を用いることにより、上記欠落領域を補填する領域調整手段を有してなる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1から図9は本発明の第1の実施形態を示したものであり、図1は電子カメラの基本的な構成を示すブロック図である。
【0025】
この電子カメラは、電子シャッタ機能を有する単板式のカラーCCD等でなり、被写体像を光電変換して画像信号として出力するための撮像素子1と、この撮像素子1上に被写体像を結像するためのレンズ2と、このレンズ2を通過した光束の通過範囲や通過時間を制御するための絞り・シャッタ機構3と、上記撮像素子1から出力された後に図示しない相関二重サンプリング回路等でノイズ成分の除去が行われた画像信号を増幅するアンプ4と、このアンプ4により増幅されたアナログ信号をデジタル信号に変換するためのA/D変換器5と、このA/D変換器5によりデジタル化された信号に後述するような各種の処理を施す画像処理装置たるカメラ信号処理回路6と、上記A/D変換器5からのデジタル出力を受けて、AF(オートフォーカス)情報,AE(オートエクスポージャー)情報,AWB(オートホワイトバランス)情報を検出するためのAF,AE,AWB検波回路7と、上記カメラ信号処理回路6からの画像データを圧縮処理する圧縮回路(JPEG)9と、この圧縮回路9により圧縮された画像データを後述するメモリカード15に記録するための制御を行うメモリカードI/F14と、このメモリカードI/F14の制御により画像データを記録するメモリカード15と、画像データの色処理等を行う際に作業用メモリとして用いられるDRAM11と、このDRAM11の制御を行うメモリコントローラ10と、上記メモリカード15に記録されている画像データをパーソナルコンピュータ(PC)17等へ転送するためのインターフェースであるPCI/F16と、後述するLCD13の制御を行う表示回路12と、この表示回路12の制御により上記メモリカード15に記録された画像データを再生して表示したり、この電子カメラに係る各種の撮影状態等を表示したりするLCD13と、被写体を照明するための照明光を発光するストロボ19と、上記CCD1を駆動するためのタイミングパルスを発生するタイミングジェネレータ(TG)18と、各種の撮影モードを設定するためのスイッチや撮影動作を指示入力するためのトリガスイッチ等を有してなる入力キー20と、上記カメラ信号処理回路6,圧縮回路9,メモリコントローラ10,表示回路12,メモリカードI/F14,PCI/F16とバスラインを介して接続されていて、上記AF,AE,AWB検波回路7の検出結果や上記入力キー20による入力、あるいは上記ストロボ19による発光情報等を受け取るとともに、上記レンズ2,絞り・シャッタ機構3,タイミングジェネレータ18,カメラ信号処理回路6,ストロボ19,入力キー20や上記バスラインに接続された各回路を含むこの電子カメラ全体の制御を行うCPU8と、を有して構成されている。
【0026】
この電子カメラでは、一画像を撮影してそれを画像データとする通常撮影モードと、露光の異なる複数画像の撮影を時間的に近接して行い、これらの画像を合成して一の広ダイナミックレンジ画像を得る広ダイナミックレンジ撮影モードと、を上記入力キー20の操作により手動的に選択するか、あるいは上記撮像素子1からの画像信号の白飛びを検出するなどしてCPU8が自動的に判断を行って撮影モードの選択を行うようにするかし、その選択した撮影モードに応じてCPU8により撮影動作を制御するようになっている。
【0027】
すなわち、通常撮影モードが選択された場合には、撮影動作によって一回の撮影で上記撮像素子1から1画面分の画像信号を取得し、一方、広ダイナミックレンジ撮影モードが選択された場合には、撮像素子1の電子シャッタ機能、あるいはこの電子シャッタ機能と絞り・シャッタ機構3との組み合わせによる公知の手段によって一被写体に対する撮影で撮像素子1からの露光量の異なる複数画面分(例えば2画面分)の画像信号を得て、上記カメラ信号処理回路6において撮影モードに応じた画像データの処理を行うようになっている。
【0028】
次に、図2は上記カメラ信号処理回路6の構成を示すブロック図である。この図2に示す構成は、一例として短時間露光SEによる画像と長時間露光LEによる画像とに基づいて一の画像を合成するための回路を示しており、さらに、撮影順序としては、まず短時間露光SEを行い、その後に長時間露光LEを行う場合を想定した例となっている。
【0029】
このカメラ信号処理回路6は、上記CPU8から出力されるAWB情報等を受けて、上記A/D変換器5から出力される映像信号aaに種々の処理を施して画像信号の生成を行うカメラ信号処理プロセス回路31と、このカメラ信号処理プロセス回路31から出力される画像信号bbの出力先を撮影モードが通常撮影モードであるか広ダイナミックレンジ撮影モードであるかを示すCPU8からの信号jjに基づいて切り換えるスイッチ32と、このスイッチ32により広ダイナミックレンジ撮影モード側に切り換えられた際に、さらにその画像信号が短時間露光SEに係るものであるかあるいは長時間露光LEに係るものであるかに応じてその出力先を切り換えるスイッチ34と、上記CPU8からの画像切換制御信号kkに基づいてこのスイッチ34の切り換え動作を制御する切り換え制御回路35と、上記スイッチ34からの出力が短時間露光SEに係るもの(bb−SE)である場合に、その1画面分の短時間露光SEに係る画像データを蓄積しておく画像データバッファ36と、上記スイッチ34からの出力が長時間露光LEに係るもの(bb−LE)である場合に、該データから後述するように画像領域分割データを演算する分割手段たる画像領域分割回路37と、上記画像データバッファ36から読み出した短時間露光SEに係る画像データと、上記スイッチ34からの長時間露光LEに係る画像データとを入力して、上記画像領域分割回路37により演算した分割領域情報ccに基づいて各画像データの分割を行い分割画像情報を抽出する同分割手段たる分割領域画像情報抽出回路38と、この分割領域画像情報抽出回路38により分割された短時間露光SEに係る分割画像情報ddを階調補正する画像補正手段たる階調補正回路39と、上記分割領域画像情報抽出回路38により分割された長時間露光LEに係る分割画像情報eeを階調補正する同画像補正手段たる階調補正回路40と、上記階調補正回路39から出力される階調補正後の短時間露光SEに係る分割画像情報ffと上記階調補正回路40から出力される階調補正後の長時間露光LEに係る分割画像情報ggとを合成して一の広ダイナミックレンジ画像を生成する画像合成手段たる画像合成処理回路41と、一入力端子がこの画像合成処理回路41に接続され他の入力端子が上記スイッチ32に接続されていて上記CPU8からの信号jjに基づいて該スイッチ32に連動して切り換えられることにより通常撮影モードの画像信号または広ダイナミックレンジ撮影モードの画像情報を示す信号hhを出力信号iiとして出力するスイッチ33と、を有して構成されている。
【0030】
図3は、広ダイナミックレンジ撮影モード時のカメラ信号処理回路6における処理信号の様子を示す図である。
【0031】
例えば明るい背景の下で逆光になっている人物を撮影する場合について考える。
【0032】
まず、短時間露光SEを行うと、明るい背景については比較的適正な露出で撮影されるが、人物は暗くなり黒くつぶれたような画像が得られる(bb−SE参照)。
【0033】
一方、長時間露光LEを行うと、明るい背景については白飛びしてしまうが、人物については比較的適正な露出となる(bb−LE参照)。
【0034】
これらbb−SEとbb−LEの少なくとも一方、ここでは人物を主体とした撮影であるために、bb−LEを参照して、該長時間露光画像中の適正な露出となる領域と、不適切な露出となる領域とに分割するための分割領域情報ccを上記画像領域分割回路37において作成する。
【0035】
この分割領域情報ccは、後述するように、画面全体を構成する各画素について、その画素が、適切な露出であるか、不適切な露出であるか、これらの中間の露出であるかを判別する情報を含むものである。
【0036】
そして、この分割領域情報ccを参照しながら、上記分割領域画像情報抽出回路38は、上記短時間露光画像bb−SEから短時間露光SEに係る分割画像情報ddを作成し、一方で、該分割領域情報ccを参照しながら上記長時間露光画像bb−LEから長時間露光LEに係る分割画像情報eeを作成する。
【0037】
このとき、図示の例においては、短時間露光SEに係る分割画像情報ddは背景部分の画像情報が取り出され、一方、長時間露光LEに係る分割画像情報eeは人物部分の画像情報が取り出されている。
【0038】
さらに、これらの各分割画像情報dd,eeを、画像の合成を行う前に、各階調補正回路39,40によりそれぞれ別個に階調補正して、補正後の分割画像情報ff,ggを出力し、上記画像合成処理回路41において背景も人物も共に適正露出となっている広ダイナミックレンジ(DR)画像情報hhを作成する。
【0039】
次に、図4は上記画像領域分割回路37における処理を示すフローチャートである。
【0040】
この図4においては、長時間露光LEに係る画像情報に基づいて分割領域情報ccを生成する例について説明するが、短時間露光SEに係る画像情報に基づいて生成しても良いし、長時間露光LEと短時間露光SEの双方の画像情報に基づいて生成しても構わないし、さらに、3つ以上の画像により広ダイナミックレンジ画像を生成する場合には、それらの内の一以上の画像情報に基づいて分割領域情報ccを生成すれば良い。
【0041】
この処理が開始されると、まず、上記撮像素子1により撮像され上記各回路を経て入力された長時間露光LEに係る画像の全色信号LE(x,y)を読み込む(ステップS1)。
【0042】
この全色信号LE(x,y)は、例えばr(赤),g(緑),b(青)の各色の信号LEr(x,y),LEg(x,y),LEb(x,y)として出力されるようになっていて、ここに、x,yは2次元状をなして配列されている各画素の、配列に係る座標を示しており、整数値をとるようになっている。以下では、(x,y)座標の特定位置を指し示すのに、整数i,jを用いて(i,j)などと記載する。
【0043】
次に、分割領域情報を格納するための2次元配列Seg(x,y)を初期化する(ステップS2)。
【0044】
そして、LE画像の走査を行う(ステップS3)。具体的には、上記i,jをインクリメントしながら上記画像信号LE(i,j)を順次読み込んで行くことになる。
【0045】
読み込んだ参照画素LE(i,j)の各色信号LEr(i,j),LEg(i,j),LEb(i,j)の内の最大値を検出して、その値を変数CSに格納する(ステップS4)。このステップS4により、当該画像領域分割回路37が最大色信号検出手段としての機能を果たしている。
【0046】
この変数CSに格納された値が適正露出の上限を示す所定の閾値Th1以上であるか否かを判断して(ステップS5)、閾値Th1に達していない場合には、座標(i,j)の画素のデータとして長時間露光LEのデータを使用する旨の情報を示す値LEDataを分割領域情報Seg(i,j)に格納する(ステップS7)。
【0047】
また、上記変数CSの値が閾値Th1以上である場合には、さらに、不適正露出の下限を示す所定の閾値Th2(ここに、Th1<Th2である。)未満であるか否かを判断し(ステップS6)、この閾値Th2以上である場合には、座標(i,j)の画素のデータとして短時間露光SEのデータを使用する旨の情報を示す値SEDataを分割領域情報Seg(i,j)に格納する(ステップS9)。
【0048】
一方、上記ステップS6において、変数CSの値が閾値Th2に達していない場合には、適正露出と不適正露出の中間であるとして、座標(i,j)の画素のデータとして長時間露光LEのデータと短時間露光SEのデータとの両方を使用する旨の情報を示す値MIXDataを分割領域情報Seg(i,j)に格納する(ステップS8)。
【0049】
これらステップS5からステップS9により、画像領域分割回路37が最大色信号比較手段としての機能を果たしている。
【0050】
上記ステップS7,S8,S9の何れかが終了したら、画面全体の走査が終了したか否かを判断し(ステップS10)、終了していない場合には、上記ステップS3に戻って次の画素の走査を行い、一方、終了した場合には、分割領域情報Seg(x,y)を出力して(ステップS11)、終了する。なお、出力される分割領域情報Seg(x,y)は、ブロック図(図2)中でccと記載された信号になる。
【0051】
続いて、図5は上記分割領域画像情報抽出回路38における処理を示すフローチャートである。
【0052】
この処理が開始されると、上記画像データバッファ36から読み出した短時間露光SEの全色の画像信号SE(x,y)と、上記スイッチ34を介して送られる長時間露光LEの全色の画像信号LE(x,y)と、上記画像領域分割回路37から出力される上記分割領域情報Seg(x,y)とを読み込む(ステップS21)。
【0053】
そして、分割画像情報を格納する領域SegSE(x,y)とSegLE(x,y)とを初期化する(ステップS22)。
【0054】
次に、上記ステップS21で読み込んだ分割領域情報の走査を行い(ステップS23)、まず、分割領域情報Seg(i,j)がLEDataであるか否かを判断する(ステップS24)。
【0055】
ここで、LEDataである場合には、r,g,bの各色について、SegLE(i,j)にLE(i,j)の値を格納する(ステップS26)。
【0056】
また、上記ステップS24において、LEDataでない場合には、次に分割領域情報Seg(i,j)がSEDataであるか否かを判断し(ステップS25)、SEDataである場合には、r,g,bの各色について、SegSE(i,j)にSE(i,j)の値を格納する(ステップS27)。
【0057】
さらに、上記ステップS25において、SEDataでない場合には、上記MIXDataであることになるために、r,g,bの各色について、SegLE(i,j)にLE(i,j)の値を格納するとともに、SegSE(i,j)にSE(i,j)の値を格納する(ステップS28)。
【0058】
こうして、上記ステップS26,S27,S28の何れかが終了したら、分割領域情報全体の走査が終了したか否かを判断し(ステップS29)、終了していない場合には、上記ステップS23に戻って次の分割領域情報の走査を行い、一方、終了した場合には、分割画像情報SegSE(x,y)およびSegLE(x,y)を出力して(ステップS30)、終了する。
【0059】
なお、上記ステップS30において出力される分割画像情報SegSE(x,y)はブロック図(図2)中でddと記載された信号に、分割画像情報SegLE(x,y)はブロック図(図2)中でeeと記載された信号にそれぞれなる。
【0060】
次に、図6は上記階調補正回路39,40の構成を示すブロック図である。
【0061】
この階調補正回路39,40は、上記分割領域画像情報抽出回路38から出力される分割画像情報dd,eeから輝度信号(Y信号)を検出するY信号検出回路51と、このY信号検出回路51から出力される輝度信号mmから画像内の各画素について該画素がエッジを構成する画素であるか否かを検出する特徴抽出手段たるエッジ検出回路52と、このエッジ検出回路52のエッジ検出信号nnと上記輝度信号mmとに基づいて、エッジを構成する画素やその近傍画素について、輝度レベルに対する出現頻度を示すエッジヒストグラムを算出するヒストグラム生成手段たるエッジヒストグラム計算回路53と、このエッジヒストグラム計算回路53から出力される累積エッジヒストグラム信号ooに基づいて階調補正特性となるトーンカーブを算出する階調補正特性生成手段たるトーンカーブ設定回路54と、このトーンカーブ設定回路54から出力されるトーンカーブ特性信号ppと上記輝度信号mmと上記分割領域情報ccとに基づいて上記分割画像情報dd,eeの階調補正を行い補正後の分割画像情報ff,ggを出力する階調補正手段たる分割領域画像信号補正回路55とを有して構成されている。
【0062】
なお、上記エッジ検出回路52は、例えばSobel等の一般的なエッジ検出オペレータによりフィルタリングを行う回路でなり、このエッジオペレータによる強度が所定の閾値(例えば上記A/D変換器5のレンジにおける最大値)以上であれば、参照位置にはエッジが存在するとして、エッジ情報を「EG」とし、そうでなければエッジ情報を「0」とする2値情報を出力するものである。
【0063】
こうして図6に示したような回路により階調補正を行うことで、ヒストグラムの平坦化がなされるために、特に原画像のヒストグラムが特定の値域に集中するものである場合などには、画像のコントラストを改善することができる。このような階調補正は、後で画像合成処理回路41により生成しようとする広ダイナミックレンジ画像の濃度レンジの中央部付近で画像合成を行うことができるようにする階調補正となっている。
【0064】
また、図7は上記エッジヒストグラム計算回路53において、累積エッジヒストグラムを計算する際に、画像中の画素位置に応じて重みを変化させる例を示す図である。
【0065】
まず、図7(A)は、中央部だけを考慮した重み付けを行う例であり、例えば周辺部分にエッジが存在する場合には該画素を1としてカウントするのに対して、中央部分にエッジが存在する場合には該画素を例えば16としてカウントするようになっている。
【0066】
一方、図7(B)は、中央部分を中心として周辺部に向かってなだらかな重み付けを行う例であり、例えば四辺の角部の画素がエッジである場合に該画素を1とカウントするのに対して、中央部分の画素がエッジである場合には該画素を例えば64としてカウントし、それらの中間の画素については中央部に近いほど高いカウントを行い、周辺部に行くに従ってカウント数を減らすようになっている。
【0067】
なお、これら図7(A),図7(B)の何れの例においても、演算を容易にするために、2のべき乗の重み付けが行われているが、もちろん、これに限定されるものではない。
【0068】
ここで、図8を参照して、上記画像合成処理回路41により生成しようとする広ダイナミックレンジ画像の濃度レンジの中央部付近で画像合成できるように階調補正を行う例について説明する。
【0069】
図8(A)は、被写体の輝度が比較的明るい輝度と比較的暗い輝度に分かれて集中するときの輝度信号のヒストグラムである。
【0070】
例えば、窓のある比較的暗い室内に主要被写体が存在し、窓の外には晴天等の比較的明るい外景が広がっているときに、室内の被写体と窓の外の背景の両方を画像として再現したい場合を考える。
【0071】
このときには、それぞれの画像における輝度信号のヒストグラムは、例えばこの図8(A)に示すようになり、被写体の部分(LE−Image)は比較的暗い方に偏って幅の狭いピークを形成し、背景の部分(SE−Image)は比較的明るい方に偏って同様に幅の狭いピークを形成している。
【0072】
そこで、上記図6に示したような階調補正回路39,40において、生成しようとする広ダイナミックレンジ画像の濃度レンジの中央部(YMAX/2)付近で画像合成できるように階調補正の処理を行う。
【0073】
図8(B)は、上記図8(A)の被写体を濃度レンジの中央部付近で画像合成ができるように階調補正を行ったときの輝度信号のヒストグラムであり、合成画像のダイナミックレンジが実質的に拡大して、明るいところから暗いところまでそれぞれの画像情報を適切に再現することができるようになっている。
【0074】
こうして、限られたダイナミックレンジの中で多くの画像情報を再現することができ、結果的に、濃度レンジを有効に用いて見易い広ダイナミックレンジ画像を生成することができる。
【0075】
次に、図9は、上記画像合成処理回路41における処理を示すフローチャートである。
【0076】
この処理が開始されると、まず、上記階調補正回路39,40から出力される階調補正された分割画像情報SegSE(x,y),SegLE(x,y)と、上記画像領域分割回路37から出力される分割領域情報Seg(x,y)を読み込む(ステップS41)。
【0077】
その後、広ダイナミックレンジ画像情報を格納する領域WDR(x,y)の初期化を行って(ステップS42)、分割領域情報を走査する(ステップS43)。
【0078】
そして、分割領域情報Seg(i,j)がLEDataであるか否かを判断し(ステップS44)、LEDataである場合には、各r,g,bに関してSegLE(i,j)のデータを上記領域WDR(i,j)に格納する(ステップS49)。
【0079】
一方、上記ステップS44において、LEDataでない場合には、次に、分割領域情報Seg(i,j)がSEDataであるか否かを判断し(ステップS45)、SEDataである場合には、各r,g,bに関してSegSE(i,j)のデータを上記領域WDR(i,j)に格納する(ステップS50)。
【0080】
また、上記ステップS45において、SEDataでない場合には、SegLE(i,j)の各色成分、SegLEr,SegLEg,SegLEbの内の最大値CSを検出して(ステップS46)、次に乱数Rを発生させて取得し、その乱数RおよびCSの大きさに応じて、選択特性値STを0または1に設定する(ステップS47)。
【0081】
ここに、この選択特性値STの設定方法としては、例えば色信号最大値CSについて、分割領域情報がMIXDataとなり得る範囲(図4における閾値Th1および閾値Th2の範囲)において、CSがどの程度の大きさであるかを示す関数Cst(CS)を数式1のように定義する。
【0082】
【数1】
Figure 0004163353
【0083】
この関数Cst(CS)は、定義域(Th1≦CS<Th2)内において0から1に単調増加するために、CSの大きさに合わせて分割画像情報(SegLE(i,j),SegSE(i,j))を選択する割合を変化させることができる。
【0084】
次に、乱数Rを取得したところで、上記関数Cst(CS)に乱数Rの最大値RMAXを乗じることで、CSの大きさを考慮しながら、どちらの分割画像情報を選択するかの判断をランダムに行うことができる。この判断によって選択特性値STを決定する。こうして選択特性値STは、数式2のように表される。
【0085】
【数2】
Figure 0004163353
【0086】
この数式2では、色信号最大値CSの大きさに依存した形で、選択特性値STの設定を行う。すなわち、関数Cst(CS)が小さい(参照している分割画像情報SegLE(i,j)に関して白飛びの度合いが比較的弱く、長時間露光LE画像の特性が残っている)場合にはSTは1となる傾向が強くなり、反対に関数Cst(CS)が大きい(参照している分割画像情報SegLE(i,j)に関して白飛びの度合いが比較的強く、長時間露光LE画像の特性が残っていない)場合にはSTは0となる傾向が強くなる。
【0087】
そして、その選択特性値STが1であるか否かを判断し(ステップS48)、1である場合には上記ステップS49へ行って、各r,g,bに関してSegLE(i,j)のデータを上記領域WDR(i,j)に格納し、一方、0である場合には上記ステップS50へ行って、SegSE(i,j)のデータを上記領域WDR(i,j)に格納する。
【0088】
上述したようなステップS44からステップS50の処理により、画像合成処理回路41が画像合成手段としての機能を果たしている。
【0089】
上記ステップS49またはステップS50が終了したら、分割領域情報全体の走査が終了したか否かを判断し(ステップS51)、終了していない場合には、上記ステップS43に戻って次の分割領域情報の走査を行い、一方、終了した場合には、広ダイナミックレンジ画像情報WDR(x,y)を出力して(ステップS52)、終了する。
【0090】
このように色信号最大値の大きさを考慮して分割画像情報を選択することにより、分割領域情報がMIXDataである領域は、ディザ処理を施した状態と同様に表示される効果があり、長時間露光LEおよび短時間露光SEに対する違和感を抑制することができる。
【0091】
なお、上述では長時間露光画像と短時間露光画像の2つの画像でなる画像群を用いて広ダイナミックレンジ画像を得る場合について説明したが、より多数の異なる露光条件の画像を用いても、同様に広ダイナミックレンジ画像を得ることができるのはいうまでもない。
【0092】
また、ここでは画像処理装置を電子カメラに適用した例、より詳しくは電子カメラのカメラ信号処理回路に適用した例について説明したが、もちろんこれに限るものではなく、画像処理を行う各種の装置に広く適用することができる。
【0093】
このような第1の実施形態によれば、同一被写体に対して異なる露光条件で撮像した画像群の各画像について、画像信号に基づいて適正露光領域と不適正露光領域に分割し、適正露光領域のみに関して階調補正を行うために、適正露光領域のコントラストを改善することができる。
【0094】
また、階調補正後の各画像の適正露光領域を合成することにより、暗い部分から明るい部分まで広範囲に渡ってコントラストが保持された状態で広ダイナミックレンジ画像を得ることができる。
【0095】
さらに、生成しようとする広ダイナミックレンジ画像の濃度レンジの中央部付近で画像合成を行うことができるように階調補正を行っているために、濃度レンジを有効に用いて見易い画像とすることが可能となる。
【0096】
そして、階調補正回路において、フィルタリングにより抽出したエッジ成分の近傍画素からヒストグラムを生成することにより、画像の特徴を考慮したヒストグラムが生成される。
【0097】
また、このヒストグラムに基づいて階調補正特性を生成し、これを画像信号の階調補正に用いることにより、画像の特徴を考慮した階調補正を行うことができる。従って、特徴成分の近傍画素に関するコントラストを改善することができる。さらに、ヒストグラムという簡単な処理を利用することによって、処理全体の構成を簡単にすることができる。
【0098】
加えて、画像中の画素位置に応じてヒストグラムを生成する際の重み付けを変化させるようにしたために、主要被写体の位置などを考慮したより適切な階調補正を行うことが可能となる。
【0099】
また、画像領域分割回路において、画像群中の各画像について画像信号を構成する複数の色信号の内の最大値を検出し、この色信号の最大値を所定の画像信号レベルと比較することにより、適正露光領域(中間露光領域を含む)と不適正露光領域の分別を行って、全ての色信号のレベルが適正である領域を適正露光領域とすることができる。これにより、画像領域分割回路によって分割される適正露光領域の精度を向上することができる。
【0100】
図10から図15は本発明の第2の実施形態を示したものである。この第2の実施形態において、上述の第1の実施形態と同様である部分については同一の符号を付して説明を省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
【0101】
この第2の実施形態の電子カメラの構成は、上述した第1の実施形態の図1に示したものとほぼ同様である。
【0102】
次に、図10はカメラ信号処理回路の構成を示すブロック図である。
【0103】
この実施形態のカメラ信号処理回路においては、上記スイッチ34からの画像信号は、短時間露光SEに係る画像信号がY/C分離回路61に入力され、一方の長時間露光LEに係る画像信号がY/C分離回路62に入力されるようになっている。
【0104】
これらのY/C分離回路61,62では、入力画像信号のr,g,b成分(R,G,B)に基づいて、輝度信号Y(図12(A)参照)と色差信号Cb,Crとに数式3に示すように分離する。
【0105】
【数3】
Y = 0.29900R+0.58700G+0.14400B
Cb=−0.16874R−0.33126G+0.50000B
Cr= 0.50000R−0.41869G−0.08131B
【0106】
こうして分離された内の短時間露光SEに係る輝度信号mm−SEが画像補正手段の一部である特徴抽出手段たるエッジ検出回路63に、長時間露光LEに係る輝度信号mm−LEが同特徴抽出手段たるエッジ検出回路64に、それぞれ入力されてラプラシアン等の公知の2次微分フィルタによりエッジ成分が抽出される(図12(B)参照)。なお、ここでは、2次微分フィルタを用いているために、正の検出結果と負の検出結果(後述する図12(C)参照)とが出力されることになる。
【0107】
こうして検出されたエッジ情報信号nn−SE,nn−LEと、上記Y/C分離回路61,62からの輝度信号mm−SE,mm−LEおよび色差信号qq−SE,qq−LEとに基づいて、画像補正手段たる階調補正回路65,66では短時間露光SEに係る画像と長時間露光LEに係る画像とにそれぞれ階調補正を施す。
【0108】
図11は、この階調補正回路65,66の構成を示すブロック図である。なお、この図11においては、説明を簡単にするために、主として長時間露光LEに係る階調補正回路66についての説明を行う。
【0109】
階調補正回路66においては、輝度信号に基づくエッジ情報信号nn−LEが特徴成分ヒストグラム生成手段たるエッジヒストグラム作成部71に入力されて、エッジ情報信号nn−LEのレベルに対する出現頻度を示すエッジヒストグラムが作成される。なお、ここで作成されるエッジヒストグラムは、上記第1の実施形態におけるエッジヒストグラムと異なり、輝度信号のエッジ成分そのもののヒストグラムである。
【0110】
一般的な自然画像においては、上記エッジヒストグラムはガウシアン分布でモデル化できることが知られており、例えば図12(C)に示すようなエッジヒストグラムが作成される。
【0111】
こうしてエッジヒストグラム作成部71で作成したエッジヒストグラムは、閾値算出手段たる閾値算出部72に入力されて、そこでエッジヒストグラムの標準偏差σが算出され、例えばこの標準偏差σの2倍を閾値とすることにより、±2σの2つの閾値が設定される。
【0112】
この閾値算出部72から出力される閾値と上記輝度信号のエッジ情報信号nn−LE、および輝度信号mm−LEに基づいて、対象画素選択手段たる輝度信号選択部73は、輝度信号のエッジ成分の内で上記閾値+2σよりも大きいエッジ成分または閾値−2σよりも小さいエッジ成分に該当する画素の輝度信号を抽出する。
【0113】
このようにエッジヒストグラムの標準偏差σに基づいて閾値を定めることにより、露光条件に依存することなく安定的に有効なエッジ成分のみを抽出することができる。
【0114】
こうして抽出された有効なエッジ成分の輝度信号に基づいて、ヒストグラム生成手段たる輝度ヒストグラム作成部74では、例えば図12(D)に示すような輝度ヒストグラムを作成する。
【0115】
この輝度ヒストグラム作成部74で作成された輝度ヒストグラムに基づいて、分布モデル化手段たる目標ヒストグラム作成部75では、高コントラスト画像を生成するために、上記輝度ヒストグラムをガウシアン状に変換する処理を行う。
【0116】
つまり、上述した第1の実施形態においては、ヒストグラムを平坦化することにより高コントラスト画像を生成する方法を用いたが、本実施形態ではガウシアン状に変換することで、より高コントラストな画像を得るようにしたものである。
【0117】
ただし、どの程度のガウシアン状のヒストグラムを設定するかは画像毎に異なるために、最適な設定は適応的に行う必要がある。
【0118】
ここでは、輝度ヒストグラムをガウシアンカーネルを用いてコンボリューションすることにより、目標となるヒストグラムを適用的に得る手段を用いる。
【0119】
すなわち、輝度ヒストグラムをO(L)、これをガウシアン状に変換したヒストグラムをT(L)とすると、O(L)からT(L)に変換するための演算は、数式4に示すようになる。
【0120】
【数4】
Figure 0004163353
【0121】
ここに、記号「*」はコンボリューションを表し、Lは輝度信号のレベルを意味している。また、kはどの程度までガウシアン状に変換するかの調整用パラメータとなり、この実施形態においては、例えば輝度ヒストグラムO(L)の標準偏差の1〜2倍程度を用いる。
【0122】
こうして、この例では、図12(E)に示すような目標ヒストグラムが作成される。
【0123】
このように、入力される画像毎に、目標となるヒストグラムを適用的に生成するために、多様な画像に対しても柔軟に対応することができる。
【0124】
こうして得られた目標ヒストグラムと上記輝度ヒストグラムとにより、階調補正特性生成手段たる変換曲線作成部76において、輝度ヒストグラムを目標ヒストグラムに変換する階調変換曲線を図12(F)に示すように生成し、この階調変換曲線に基づいて階調補正手段たる輝度信号変換部77により、輝度信号の変換を行う。
【0125】
そして、上記輝度信号変換部77からの変換後の輝度信号と色差信号qq−LEとに基づき、輝度色差合成部79において次の数式5に示すようにRGB信号に変換して画像合成手段たる画像合成処理回路67へ出力する。
【0126】
【数5】
R = Y+1.40200Cr
G = Y−0.34414Cb−0.71417Cr
B = Y+1.77200Cb
【0127】
一方で、上記輝度信号変換部77からの変換後の輝度信号の最大値(LE−YMAX)および最小値(LE−YMIN)の検出を、最大最小値検出部78において行い、その検出結果(図10におけるrr−LEとなる。また、短時間露光の場合には、図10におけるrr−SEである。)を上記画像合成処理回路67へ出力する。
【0128】
次に、図13および図14は上記画像合成処理回路67における処理を示すフローチャートである。なお、これら図13および図14は、画像合成処理回路67による一連の動作を、記載の都合上2つの図面に分割したものである。
【0129】
この処理が開始されると、まず、上記階調補正回路65,66から出力される階調補正された各画像情報SE(x,y),LE(x,y)および上記輝度信号選択部73にて選択され階調変換された輝度信号からなる適正露光領域輝度の最大値および最小値情報(SE−YMAX,SE−YMIN),(LE−YMAX,LE−YMIN)を読み込む(ステップS61)。
【0130】
その後、広ダイナミックレンジ画像情報を格納する領域WDR(x,y)および後段で平滑化処理を行うか否かを判別するための平滑化領域情報を格納する領域SA(x,y)の初期化を行い(ステップS62)、LE画像情報を走査する(ステップS63)。
【0131】
そして、読み出したr,g,bに係るLEr(i,j),LEg(i,j),LEb(i,j)に基づいて、数式6に示すように輝度信号を作成する(ステップS64)。
【数6】
LEy=0.3LEr(i,j)+0.59LEg(i,j)+0.11LEb(i,j)
【0132】
そして、このLEyがLE−YMAX以下であり、かつSE−YMINよりも小さいか否かを判断し(ステップS65)、双方の条件が満たされている場合には、各r,g,bに関してLE(i,j)のデータを上記領域WDR(i,j)に格納する(ステップS67)。
【0133】
一方、上記ステップS65において、少なくとも一方の条件が満たされていない場合には、次に、LEyがLE−YMAXよりも大きく、かつSE−YMIN以上であるか否かを判断し(ステップS66)、双方の条件が満たされている場合には、各r,g,bに関してSE(i,j)のデータを上記領域WDR(i,j)に格納する(ステップS68)。
【0134】
これらステップS65からステップS68において、画像合成処理回路67が適正露光画素選択手段としての機能を果たしている。
【0135】
また、上記ステップS66において、少なくとも一方の条件が満たされていない場合には、各r,g,bに関してLE(i,j)のデータとSE(i,j)のデータとの平均値を上記領域WDR(i,j)に格納するとともに、後述するローパスフィルタ処理を行うか否かを判定する平滑化領域情報SA(i,j)に1を格納する(ステップS69)。このステップS69において、画像合成処理回路67が加算平均手段としての機能を果たしている。
【0136】
そして、画面全体の走査が終了したか否かを判断し(ステップS70)、終了していない場合には、上記ステップS63に戻って次の画素の走査を行い、一方、終了した場合には、各画素についての平滑化領域情報を走査する(ステップS71)。
【0137】
そして、平滑化領域情報SA(i,j)が1であるか否かを判断して(ステップS72)、1である場合には、WDR(i,j)を中心とした例えば5×5画素について輝度信号と色差信号別にローパスフィルタ処理を行う(ステップS73)。このステップS73において、該画像合成処理回路67が平滑化手段としての機能を果たしている。
【0138】
一方、上記ステップS72において、平滑化領域情報SA(i,j)が1でないと判断された場合には、このステップS73の動作をスキップする。
【0139】
そして、全画素についての走査が終了したか否かを判断して(ステップS74)、終了していない場合には、上記ステップS71に戻って再び走査を行い、終了している場合には、広ダイナミックレンジ画像情報WDR(x,y)を出力して(ステップS75)、終了する。
【0140】
このような処理を行うことにより、図15に示すように、画素輝度値がSE−YMINとLE−YMAXに挟まれた領域(図15(A)のように両方の適正露光領域に属する中輝度域や図15(B)のようにどちらの適正露光領域にも属さない中輝度域など)については長時間露光LEのデータと短時間露光SEのデータとの平均値を用いる情報の混合(Mixture)を行うことになり、SE−YMINとLE−YMAXの何れか輝度が低い方よりも暗い画素については長時間露光のイメージ(LE−image)を用い、SE−YMINとLE−YMAXの何れか輝度が高い方よりも明るい画素については短時間露光のイメージ(SE−image)を用いることになる。
【0141】
この場合には、LE−YMINよりも暗い画素については長時間露光のイメージ(LE−image)を用いることになり、SE−YMAXよりも明るい画素については短時間露光のイメージ(SE−image)を用いることになるために、画素が適正露光範囲内にない場合には、より適切に近いものが選択されることになる。
【0142】
こうして、複数の適正露光領域を合成して一の広ダイナミックレンジ画像を生成する際に、長時間露光画像と短時間露光画像とでなる画像群中の各画像の全てにおいて不適正露光領域となる欠落領域が存在する場合には、該欠落領域が露光オーバーであるときには上記画像群中の最小露光画像の該当領域を用い、一方、該欠落領域が露光アンダーであるときには上記画像群中の最大露光画像の該当領域を用いることになり、上記欠落領域を補填する領域調整手段の役割を果たしている。
【0143】
図10に再び戻って、画像合成処理回路67において上述したような合成処理が行われた後は、合成された広ダイナミックレンジ画像のデータがスイッチ33を介して出力されるのは上述した第1の実施形態と同様である。
【0144】
このような第2の実施形態によれば、上述した第1の実施形態とほぼ同様の効果を奏するとともに、同一被写体に対して異なる露光条件で撮像した画像群の各画像について階調補正を行うことにより、各画像のコントラストを改善することができる。
【0145】
また、広ダイナミックレンジ画像を生成するために階調補正された各画像を合成することにより、暗い部分から明るい部分まで広範囲に渡ってコントラストが保持された状態で広ダイナミックレンジ画像を得ることができる。
【0146】
さらに、階調補正回路において、フィルタリングによるエッジ成分に関するヒストグラムを生成し、その分布状態から階調補正特性の生成に利用する対象画素を選択することにより、特徴成分ヒストグラムの分布から適正露光である特徴が顕著な画素を選択することができる。
【0147】
そして、対象画素のヒストグラムを生成してこれを所定の分布にモデル化するための変換を階調補正特性とすることにより、各画像において重要な部分のコントラストを改善することができる。
【0148】
加えて、画像合成処理回路において、同一画素について階調補正された画像信号が複数存在する場合は、各画像信号の加算平均をとることにより、それぞれの画像信号を均等に取り扱うことができる。さらに、加算平均された画素に平滑化を施すことにより、加算平均していない画像信号との間に生じる違和感を最小限に抑制することができる。
【0149】
また、画像合成処理回路において、階調補正を行った各画像を画素位置毎に調べて画素群中の適正露光に近い画素を選択することにより、不適正露光の信号を排除してより適正露光に近い信号のみを広ダイナミックレンジ画像に利用することができる。
【0150】
さらに、画像合成処理回路において、適正露光領域を合成して広ダイナミックレンジ画像を生成する際に欠落領域が存在する場合には、欠落領域が露光オーバーであるときには画像群中の最小露光画像の該当領域を、欠落領域が露光アンダーであるときには画像群中の最大露光画像の該当領域を、用いて欠落領域を補填することにより、欠落領域を画像群中の最適な情報で補正することができるために、欠落領域における違和感を最小限に抑制することができる。
【0151】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることは勿論である。
【0152】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の画像処理装置によれば、画像毎の階調補正を行った後にこれらを合成して一の広ダイナミックレンジ画像を生成するために、低輝度域から高輝度域までコントラストが保持された広ダイナミックレンジ画像を得ることができる。
【0153】
また、本発明の画像処理装置によれば、分割された適正露光領域の階調補正を画像毎に行った後にこれらを合成して一の広ダイナミックレンジ画像を生成するために、低輝度域から高輝度域までコントラストが保持された広ダイナミックレンジ画像を得ることができる。
【0154】
さらに、本発明の画像処理装置によれば、生成しようとする広ダイナミックレンジ画像の濃度レンジの中央部付近で画像合成を行うことができるように階調補正を行うために、濃度レンジを有効に用いて見易い画像とすることが可能となる。
【0155】
発明の画像処理装置によれば、画像補正手段において、フィルタリングによる特徴成分の近傍画素からヒストグラムを生成することにより、画像の特徴を考慮したヒストグラムを生成することができる。また、ヒストグラムに基づいて階調補正特性を生成し、これを画像信号の階調補正に用いることにより、画像の特徴を考慮した階調補正を行うことができる。従って、特徴成分の近傍画素に関するコントラストを改善することが可能となる。さらに、ヒストグラムという簡単な処理を利用することによって、処理全体の構成を簡単にすることができる。
【0156】
発明の画像処理装置によれば、画像中の画素位置に応じてヒストグラムを生成する際の重み付けを変化させるようにしたために、主要被写体の位置などを考慮したより適切な階調補正を行うことが可能となる。
【0157】
発明の画像処理装置によれば、画像補正手段において、フィルタリングによる特徴成分に関するヒストグラムを生成し、その分布状態から階調補正特性の生成に利用する対象画素を選択することにより、適正露光領域が存在する場合にはその中で特徴が顕著な画素を選択することができ、一方、適正露光領域が存在しない場合には特徴成分ヒストグラムの分布から適正露光である特徴が顕著な画素を選択することができる。また、対象画素のヒストグラムを生成してこれを所定の分布にモデル化するための変換を階調補正特性とすることにより、各画像において重要な部分のコントラストを改善することが可能となる。さらに、ヒストグラムという簡単な処理を利用することによって、処理全体の構成を簡単にすることができる。
【0158】
発明の画像処理装置によれば、同一画素位置について階調補正された画像信号が複数存在する場合は、各画像信号の加算平均をとることにより、それぞれの画像信号を均等に取り扱うことができる。また、加算平均された画素に平滑化を施すことにより、加算平均していない画像信号との間に生じる違和感を最小限に抑制することができる。
【0159】
発明の画像処理装置によれば、画像合成手段において、階調補正を行った各画像を画素位置毎に調べて画素群中の適正露光に近い画素を選択することにより、不適正露光の信号を排除してより適正露光に近い信号のみを広ダイナミックレンジ画像に利用することができる。
【0160】
発明の画像処理装置によれば、画像合成手段において、適正露光領域を合成して広ダイナミックレンジ画像を生成する際に欠落領域が存在する場合には、欠落領域が露光オーバーであるときには画像群中の最小露光画像の該当領域を、欠落領域が露光アンダーであるときには画像群中の最大露光画像の該当領域を、用いて欠落領域を補填することにより、欠落領域を画像群中の最適な情報で補正することができるために、欠落領域における違和感を最小限に抑制することができる。
【0161】
発明の画像処理装置によれば、画像群中の各画像について最大色信号検出手段により複数の色信号の内の最大値を検出し、この色信号の最大値を所定の画像信号レベルと比較することにより、適正露光領域と不適正露光領域の分別を行って、全ての色信号のレベルが適正である領域を適正露光領域とすることができる。これにより、分割手段によって分割される適正露光領域の精度を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の電子カメラの基本的な構成を示すブロック図。
【図2】上記第1の実施形態におけるカメラ信号処理回路の構成を示すブロック図。
【図3】上記第1の実施形態のカメラ信号処理回路における処理信号の様子を示す図。
【図4】上記第1の実施形態の画像領域分割回路における処理を示すフローチャート。
【図5】上記第1の実施形態の分割領域画像情報抽出回路における処理を示すフローチャート。
【図6】上記第1の実施形態における階調補正回路の構成を示すブロック図。
【図7】上記第1の実施形態のエッジヒストグラム計算回路において、累積エッジヒストグラムを計算する際に、画像中の画素位置に応じて重みを変化させる例を示す図。
【図8】上記第1の実施形態において、被写体の輝度が比較的明るい輝度と比較的暗い輝度に分かれて集中するときの輝度信号のヒストグラムと、その被写体を濃度レンジの中央部付近で画像合成ができるように階調補正を行ったときの輝度信号のヒストグラム。
【図9】上記第1の実施形態の画像合成処理回路における処理を示すフローチャート。
【図10】本発明の第2の実施形態におけるカメラ信号処理回路の構成を示すブロック図。
【図11】上記第2の実施形態における階調補正回路の構成を示すブロック図。
【図12】上記第2の実施形態において、輝度信号のエッジから輝度ヒストグラムや目標ヒストグラム、変換曲線を作成するときの過程におけるグラフ等を示す図。
【図13】上記第2の実施形態の画像合成処理回路における処理の一部を示すフローチャート。
【図14】上記第2の実施形態の画像合成処理回路における処理の他の一部を示すフローチャート。
【図15】上記第2の実施形態において、中輝度域が両方の適正露光領域に属する場合とどちらの適正露光領域にも属さない場合の画像合成モデルの様子を示す図。
【図16】従来の、広ダイナミックレンジ画像信号を作成してそれを圧縮する処理の様子を示す線図。
【符号の説明】
6…カメラ信号処理回路(画像処理装置)
37…画像領域分割回路(分割手段、最大色信号検出手段、最大色信号比較手段)
38…分割領域画像情報抽出回路(分割手段)
39,40,65,66…階調補正回路(画像補正手段)
41,67…画像合成処理回路(画像合成手段、加算平均手段、平滑化手段、適正露光画素選択手段、領域調整手段)
51…Y信号検出回路
52,63,64…エッジ検出回路(特徴抽出手段)
53…エッジヒストグラム計算回路(ヒストグラム生成手段)
54…トーンカーブ設定回路(階調補正特性生成手段)
55…分割領域画像信号補正回路(階調補正手段)
61,62…Y/C分離回路
71…エッジヒストグラム作成部(特徴成分ヒストグラム生成手段)
72…閾値算出部(閾値算出手段)
73…輝度信号選択部(対象画素選択手段)
74…輝度ヒストグラム作成部(ヒストグラム生成手段)
75…目標ヒストグラム作成部(分布モデル化手段)
76…変換曲線作成部(階調補正特性生成手段)
77…輝度信号変換部(階調補正手段)
78…最大最小値検出部
79…輝度色差合成部

Claims (5)

  1. 同一被写体に対して異なる露光条件で撮像された複数の画像からなる画像群を処理して一の広ダイナミックレンジ画像を生成する画像処理装置であって、
    上記画像群中の各画像毎に階調補正を行う画像補正手段と、
    この画像補正手段により階調補正された各画像を合成して一の広ダイナミックレンジ画像を生成する画像合成手段と、
    を具備し
    上記画像補正手段は、
    上記画像群中の各画像毎に該画像信号からフィルタリングにより特徴成分を抽出する特徴抽出手段と、
    この特徴抽出手段により抽出された特徴成分に関するヒストグラムを生成する特徴成分ヒストグラム生成手段と、
    この特徴成分ヒストグラム生成手段により生成された特徴成分ヒストグラムの分布状態から対象画素を選択するための閾値を算出する閾値算出手段と、
    この閾値算出手段により算出された閾値に基づいて該画像信号から対象画素を選択する対象画素選択手段と、
    この対象画素選択手段により選択された対象画素からヒストグラムを生成するヒストグラム生成手段と、
    このヒストグラム生成手段により生成された対象画素のヒストグラムを所定の分布にモデル化する分布モデル化手段と、
    上記ヒストグラム生成手段により生成された対象画素のヒストグラムと上記分布モデル化手段によりモデル化されたヒストグラムとに基づいて階調補正特性を生成する階調補正特性生成手段と、
    この階調補正特性生成手段により生成された階調補正特性を用いて該画像信号の階調補正を行う階調補正手段と、
    を有してなることを特徴とする画像処理装置。
  2. 同一被写体に対して異なる露光条件で撮像された複数の画像からなる画像群を処理して一の広ダイナミックレンジ画像を生成する画像処理装置であって、
    上記画像群中の各画像について所定の画像信号レベルに基づき適正露光領域と不適正露光領域に分割する分割手段と、
    この分割手段により分割された適正露光領域の階調補正を上記各画像毎に行う画像補正手段と、
    この画像補正手段により階調補正された各画像毎の適正露光領域を合成して一の広ダイナミックレンジ画像を生成する画像合成手段と、
    を具備し
    上記画像補正手段は、
    上記画像群中の各画像毎に該画像信号からフィルタリングにより特徴成分を抽出する特徴抽出手段と、
    この特徴抽出手段により抽出された特徴成分に関するヒストグラムを生成する特徴成分ヒストグラム生成手段と、
    この特徴成分ヒストグラム生成手段により生成された特徴成分ヒストグラムの分布状態から対象画素を選択するための閾値を算出する閾値算出手段と、
    この閾値算出手段により算出された閾値に基づいて該画像信号から対象画素を選択する対象画素選択手段と、
    この対象画素選択手段により選択された対象画素からヒストグラムを生成するヒストグラム生成手段と、
    このヒストグラム生成手段により生成された対象画素のヒストグラムを所定の分布にモデル化する分布モデル化手段と、
    上記ヒストグラム生成手段により生成された対象画素のヒストグラムと上記分布モデル化手段によりモデル化されたヒストグラムとに基づいて階調補正特性を生成する階調補正特性生成手段と、
    この階調補正特性生成手段により生成された階調補正特性を用いて該画像信号の階調補正を行う階調補正手段と、
    を有してなることを特徴とする画像処理装置。
  3. 上記画像合成手段は、
    上記画像補正手段により階調補正された画像信号が同一画素位置について複数存在する場合に、これらの加算平均を計算する加算平均手段と、
    この加算平均手段により処理された画素に対して平滑化処理を施す平滑化手段と、
    を有してなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 上記画像合成手段は、上記画像補正手段により階調補正された上記画像群中の各画像に対して、同一画素位置の画素群中の適正露光に近い画素を広ダイナミックレンジ画像を構成する画素として各画素位置毎に選択する適正露光画素選択手段を有してなることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  5. 上記画像合成手段は、複数の適正露光領域を合成して一の広ダイナミックレンジ画像を生成する際に、上記画像群中の各画像の全てにおいて不適正露光領域となる欠落領域が存在する場合には、該欠落領域が露光オーバーであるときには上記画像群中の最小露光画像の該当領域を用い、一方、該欠落領域が露光アンダーであるときには上記画像群中の最大露光画像の該当領域を用いることにより、上記欠落領域を補填する領域調整手段を有してなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。
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