JP4119290B2 - 映像処理装置および撮像システム - Google Patents

映像処理装置および撮像システム Download PDF

Info

Publication number
JP4119290B2
JP4119290B2 JP2003090633A JP2003090633A JP4119290B2 JP 4119290 B2 JP4119290 B2 JP 4119290B2 JP 2003090633 A JP2003090633 A JP 2003090633A JP 2003090633 A JP2003090633 A JP 2003090633A JP 4119290 B2 JP4119290 B2 JP 4119290B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
level
signal
exposure
video
gradation correction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003090633A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004297701A (ja
Inventor
功一 星野
俊幸 佐野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2003090633A priority Critical patent/JP4119290B2/ja
Publication of JP2004297701A publication Critical patent/JP2004297701A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4119290B2 publication Critical patent/JP4119290B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、映像信号を処理する技術に関し、特に、異なる露光時間での撮像により得られた複数の映像信号を用いて、被写体の輝度分布を再現する映像信号を生成する映像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、階調補正装置を備えた撮像システムが知られている。この階調補正装置は、被写体の輝度分布範囲が撮像素子のダイナミックレンジよりも広い場合に、そのような被写体を撮像することにより得られた映像信号を用いて、被写体の輝度分布に対応する輝度分布をもつ映像信号を生成する(以下、この処理をダイナミックレンジ拡大処理という)。撮像システムがこのような階調補正装置を備えることによって、ダイナミックレンジの狭い撮像素子を活用して輝度分布範囲の広い被写体を適切に表す画像を生成できる。
【0003】
従来のダイナミックレンジ拡大処理では、互いに異なる露光時間での撮像により得られた2つの映像信号を用いて、被写体の輝度分布に対応する輝度分布をもつ映像信号が生成される。具体的には、撮像システムは、まず、同一の被写体を長い露光時間および短い露光時間で連続して撮像することにより、2つの映像信号を生成する。以下、長い露光時間での撮影により得られた映像信号をLONG信号といい、短い露光時間での撮像により得られた映像信号をSHORT信号という。
【0004】
撮像システムに備えられた階調補正装置は、LONG信号に対しては高輝度成分を圧縮して、SHORT信号に対してはオフセット成分を追加した後に、両信号を所定の合成レベル(合成点)でレベル合成してレベル合成映像信号を生成する。そして、階調補正装置は、レベル合成映像信号により表される画像をそのレベル合成映像信号の輝度分布に応じて縦方向および横方向に複数の領域に分割して、分割された領域ごとの複数の階調補正データを算出する。さらに、階調補正装置は、これらの複数の階調補正データの各々を用いてレベル合成映像信号を階調補正することにより、各階調補正データにて階調補正された複数のレベル合成映像信号を生成する。そして、階調補正装置は、階調補正データを求めた際の分割領域に対応する領域ごとにこれらの複数のレベル合成映像信号を領域合成する。このようなダイナミック拡大処理によって、被写体の輝度分布が撮像システムのダイナミックレンジ内に納められた映像信号が生成される。
【0005】
上記のようなダイナミック拡大処理を実行する撮像システムは、例えば特許文献1に記載されている。また、特許文献2には、本発明に関連する技術が記載されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−261007号公報(第3−5頁、第1図)
【特許文献2】
特開2000−228747号公報(第4−9頁、第2図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来の階調補正装置では、レベル合成画像の輝度レベルに応じて縦方向および横方向に領域を分割するので、例えば、被写体の高輝度部分と低輝度部分が縦横の領域分割によって分けられない場合や被写体の高輝度部分と低輝度部分のパターン数が領域分割数よりも多い場合などには、分割された一領域内に被写体の高輝度部分と低輝度部分が混在することがある。このような場合には、従来の階調補正装置では効果的なダイナミック拡大処理ができず、メリハリのない画像が生成されてしまうという問題がある。
【0008】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、被写体の高輝度部分および低輝度部分がどのように分布しているかにかかわらず、効果的なダイナミック拡大処理を実現するための技術を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の映像処理装置は、互いに異なる露光時間で撮像することにより得られた第1および第2の映像信号をレベル合成してレベル合成映像信号を生成するレベル合成手段と、前記第1および第2の映像信号のそれぞれの適正露光領域を表す第1および第2の適正露光信号を生成する適正露光検出手段と、前記第1の適正露光信号に基づく第1の階調補正データを用いて前記レベル合成映像信号を階調補正する第1の階調補正手段と、前記第2の適正露光信号に基づく第2の階調補正データを用いて前記レベル合成映像信号を階調補正する第2の階調補正手段と、前記第1および第2の映像信号の適正露光領域の境界周辺で増加あるいは減少する第1および第2の重み付け処理関数を生成する合成波形生成部と、前記第1および第2の重み付け処理関数に基づいて、前記第1および第2の階調補正手段によりそれぞれ階調補正されたレベル合成映像信号を領域合成する領域合成手段とを備える。
【0010】
この構成により、第1および第2の映像信号の適正露光領域を表す第1および第2の適正露光信号の各々に基づいてレベル合成映像信号に階調補正を施し、こうして階調補正された2つのレベル合成映像信号を上記の第1および第2の適正露光信号に基づいて領域合成する。これにより、分割された一領域内に被写体の高輝度部分と低輝度部分が混在することを回避できるので、被写体の高輝度部分および低輝度部分に対して適切な階調補正を施して、被写体の輝度分布を適当なレンジ内の輝度分布で表現する適切な映像信号が得られる。
本発明によれば、第1および第2の映像信号の適正露光領域の境界周辺で増加あるいは減少する第1および第2の重み付け処理関数を生成する合成波形生成部が設けられており、第1および第2の重み付け処理関数に基づいて、第1および第2の階調補正手段によりそれぞれ階調補正されたレベル合成映像信号を領域合成するので、第1の階調補正手段および第2の階調補正手段によりそれぞれ階調補正されたレベル合成映像信号を自然に合成することができる。
【0011】
また、本発明の映像処理装置は、さらに、前記第1および第2の適正露光信号の少なくとも一方の適正露光信号に基づいて、少なくとも一部の領域に対して、前記レベル合成手段のレベル合成の基準となる合成レベルを変更する合成レベル変更手段を備える。
【0012】
この構成により、適正露光領域に基づいてレベル合成処理の合成レベルを変更するので、適切なレベル合成信号が得られ、階調補正および領域合成の結果も良好に得られる。
【0013】
本発明の他の態様の映像処理装置は、互いに異なる露光時間で撮像することにより得られた第1および第2の映像信号をレベル合成してレベル合成映像信号を生成するレベル合成手段と、前記第1および第2の映像信号のそれぞれの適正露光領域を表す第1および第2の適正露光信号を生成する適正露光検出手段と、前記適正露光検出手段により得られた第1の適正露光信号に基づく第1の階調補正データを用いて前記レベル合成映像信号を階調補正する第1の階調補正手段と、前記適正露光検出手段により得られた第2の適正露光信号に基づく第2の階調補正データを用いて前記レベル合成映像信号を階調補正する第2の階調補正手段と、前記第1および第2の適正露光信号の一方の適正露光領域の中に所定の閾値以下の面積の小適正露光領域が存在する場合、前記小適正露光領域が他方の適正露光信号の適正露光領域となるように前記第1および第2の適正露光信号を変更する適正露光信号変更手段と、前記適正露光信号変更手段により変更された第1および第2の適正露光信号に基づいて、前記第1および第2の階調補正手段によりそれぞれ階調補正されたレベル合成映像信号を領域合成する領域合成手段とを備える。
【0014】
この構成により、上記と同様に、被写体の輝度分布を適当なレンジ内で表現する適切な映像信号が得られる。さらに、一方の適正露光信号の適正露光領域の中に所定の閾値以下の面積の小適正露光領域があるときに、その小適正露光領域が他方の適正露光信号の適正露光領域として扱われる。これにより、上記の小適正露光領域に階調補正と領域合成を施すことによる上記小適正露光領域のぼけを防止できる。
【0015】
なお、本発明の範囲内で、もちろん、第1の適正露光信号の適正露光領域のうちの小適正露光領域に対して本発明が適用されてもよく、第2の適正露光信号の適正露光領域のうちの小適正露光領域に対して本発明が適用されてもよく、両者に本発明が適用されてもよい。
【0016】
また、本発明の映像処理装置は、さらに、前記適正露光信号変更手段により変更された第1および第2の適正露光信号の少なくとも一方の適正露光信号に基づいて、少なくとも一部の領域に対して前記レベル合成の基準となる合成レベルを変更する合成レベル変更手段を備える。
【0017】
この構成により、適正露光領域に基づいてレベル合成処理の合成レベルを変更するので、適切なレベル合成映像信号が得られ、階調補正および領域合成の結果も良好に得られる。
【0018】
また、本発明の映像処理装置では、前記合成レベル変更手段は、前記第1および第2の映像信号のうちの短い露光時間での撮像により得られた方の映像信号の低輝度部分に相当する被写体部分が、前記第1および第2の映像信号のうちの長い露光時間での撮像により得られた方の映像信号を用いてレベル合成されるように、前記合成レベルを変更する。
【0019】
この構成により、短い露光時間での撮像により得られた映像信号の低輝度部分の信号に起因するレベル合成映像信号の画質劣化を防ぐとともに、その映像信号のうちのダイナミックレンジの拡大に貢献する部分の信号を有効に用いて、被写体の輝度分布を表現する適切な映像信号を生成できる。
【0020】
また、本発明の撮像システムは、上記のいずれかに記載の映像処理装置と、前記第1および第2の映像信号を生成する撮像手段とを備える。
【0021】
この構成により、撮像手段のダイナミックレンジを越える輝度分布範囲をもつ被写体を撮像して、その被写体の輝度分布に対応した輝度分布をもつ映像信号を生成できる。
【0022】
なお、上記の本発明の映像処理装置は、2つの映像信号のみを処理する構成に限定されないことは勿論である。すなわち、例えば、第1および第2のいずれの映像信号とも露光時間が異なる第3、第4、・・・の映像信号を第1および第2の映像信号と同様に扱って、被写体の輝度分布に対応した輝度分布をもつ映像信号を生成する装置も本発明に含まれる。
【0023】
本発明は、上述したような装置の態様に限定されない。本発明の別の態様は、映像処理方法、映像処理方法をコンピュータに実行させるプログラム、およびそのプログラムを格納した記録媒体である。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0025】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の映像処理装置を備えた撮像システム10の構成を示すブロック図である。撮像システム10は、撮像部31、前処理部32、A/D変換部33、時間軸変換部34およびレベル合成部35を備えている。
【0026】
撮像部31は、平面状に配置された複数の画素からなるCCDを含んでいる。撮像部31は、図示しない制御部からの指示に従って、露光時間が長時間の映像信号(LONG信号)と露光時間が短時間の映像信号(SHORT信号)とを生成する。このとき、撮像部31は、CCDの水平転送速度を通常の2倍の速度にして水平ラインごとにLONG信号およびSHORT信号を交互に出力することにより、通常の撮像にて1フィールド分の映像信号を出力する期間内に、LONG信号およびSHORT信号をそれぞれ1フィールド分出力する。
【0027】
前処理部32は、ノイズ除去処理を行なうCDS回路とゲイン制御処理を行なうAGC回路を含み、撮像部31から出力された信号に対してノイズ除去およびゲイン制御などの前処理を施す。A/D変換部33は、前処理部32にて前処理された映像信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する。
【0028】
時間軸変換部34は、撮像部31にて連続的に生成されたLONG信号とSHORT信号の時間軸を変換することにより、両信号をそれぞれ標準の速度でかつ同一のタイミングにする。この時間軸変換部34によって撮像部31にて生成された映像信号は、LONG信号とSHORT信号とに分離され、それぞれ独立して取り扱うことができる。LONG信号およびSHORT信号は、それぞれレベル合成部35に入力される。レベル合成部35は、LONG信号とSHORT信号とをレベル合成する。
【0029】
図2は、レベル合成部35のレベル合成処理を説明する図である。図2(a)〜(e)はいずれも、横軸が被写体の明るさであり、縦軸が画像の輝度レベルである座標を示している。LONG信号は、図2(a)に示すように、被写体の明るさが増すに連れて画像の輝度レベルも増すが、露光時間を長く取っているために、被写体の明るさが所定のレベル以上になると、画像の輝度レベルが飽和して、被写体の明るさに係わらず画像の輝度レベルは一定となる。レベル合成部35は、図2(c)に示すように、画像の輝度レベルが飽和点に達しているLONG信号を圧縮する。
【0030】
一方、SHORT信号は、図2(b)に示すように、被写体の明るさに対する画像の輝度レベルの増加率がLONG信号よりも緩やかである。レベル合成部35は、このようなSHORT信号に対して、図2(d)に示すように、オフセット成分を足し込む。このとき、SHORT信号は、LONG信号の輝度レベルが飽和点に達するときの被写体の明るさでSHORT信号もその飽和点の輝度レベルになるように、オフセットされる。
【0031】
レベル合成部35は、さらに、LONG信号の飽和点を合成点(本発明の合成レベル)として、図2(e)に示すように、圧縮されたLONG信号とオフセットされたSHORT信号を合成する。このとき、レベル合成部35は、合成点以下の輝度レベルではLONG信号を用いて、合成点以上の輝度レベルではSHORT信号を用いて、両信号を合成し、レベル合成映像信号を生成する。なお、このレベル合成部35が、本発明のレベル合成手段を構成する。
【0032】
撮像システム10は、さらに、LONG適正露光検出部36、SHORT適正露光検出部37、LONGヒストグラムデータ検波部38、SHORTヒストグラム検波部39、LONG階調補正データ算出部40、SHORT階調補正データ算出部41、LONG領域階調補正部42およびSHORT領域階調補正部43を備えている。以下、順に各部を説明していく。
【0033】
LONG適正露光検出部36およびSHORT適正露光検出部37は、それぞれ時間軸変換部34にて分離されて出力されたLONG信号およびSHORT信号を取り込んで、それぞれの信号中の適正露光部分を検出する。
【0034】
図3は、LONG適正露光検出部36およびSHORT適正露光検出部37の適正露光検出処理を説明する図である。ここでは、撮像部31にて図3(a)に示される被写体を撮像した場合について説明する。この被写体は、暗い領域DAの中に比較的大きな楕円状の明るい領域LAを有するものである。この被写体を長時間露光および短時間露光でそれぞれ撮像すると、時間軸変換部34では、この被写体を示すLONG信号およびSHORT信号が得られる。図3(b)および図3(c)は、図3(a)に示される被写体のAB線上の映像に対応するLONG信号およびSHORT信号の輝度レベルを示す図である。
【0035】
LONG適正露光検出部36およびSHORT適正露光検出部37には、それぞれ所定の輝度レベル閾値が記憶されている。LONG適正露光検出部36は、LONG信号を取り込むと、そのLONG信号中で輝度レベルが閾値以下である領域をLONG信号の適正露光領域(以下、LONG適正露光領域という)として検出し、その領域を示すLONG適正露光信号を生成する。本例では、被写体中の暗い領域DAがLONG適正露光領域として検出される。したがって、LONG適正露光信号のAB線上に対応する部分は、図3(d)に示すように、閾値以下の輝度レベルを有する暗い領域が1であり、閾値以上の輝度レベルを有する明るい領域が0である。
【0036】
SHORT適正露光検出部37は、図3(a)に示させる被写体のSHORT信号を取り込むと、そのSHORT信号中で輝度レベルが閾値以上である領域をSHORT信号の適正露光領域(以下、SHORT適正露光領域)として検出し、その領域を示すSHORT適正露光信号を生成する。本例では、被写体中の明るい領域LAがSHORT適正露光領域として検出される。したがって、SHORT適正露光信号のAB線上に対応する部分は、図3(e)に示すように、閾値以上の輝度レベルを有する明るい領域が1であり、閾値以下の輝度レベルを有する暗い領域が0である。
【0037】
LONG適正露光検出部36およびSHORT適正露光検出部37は、それぞれ上述のようにして生成したLONG適正露光信号およびSHORT適正露光信号を出力する。なお、LONG適正露光検出部36およびSHORT適正露光検出部37が、本発明の適正露光検出手段を構成する。
【0038】
LONGヒストグラムデータ検波部38は、まず、時間軸変換部34より出力されたLONG信号とLONG適正露光検出部36より出力されたLONG適正露光信号を取り込み、それらの信号を用いて適正露光領域のLONG信号のヒストグラムを生成する。
【0039】
図4は、LONGヒストグラムデータ検波部38にてLONG適正信号のヒストグラムを生成する処理を説明する図である。図4(a)は、LONG信号のAB線上の輝度レベルを示す図である。このLONG信号が時間軸変換部34からLONGヒストグラムデータ検波部38に入力される。図4(b)は、LONG適正露光信号のAB線上に対応する部分を示す図である。このLONG適正露光信号がLONG適正露光検出部36からLONGヒストグラム検波部38に入力される。LONGヒストグラムデータ検波部38は、LONG信号とLONG適正露光信号とを掛け合わせることにより、LONG適正露光領域のLONG信号を示すLONG適正信号を生成する。本例では、被写体のAB線上では、図4(a)に示されるLONG信号と図4(b)に示されるLONG適正露光信号とが掛け合わされることにより、図4(c)に示されるLONG適正信号が生成される。
【0040】
LONGヒストグラムデータ検波部38は、こうして得られたLONG適正信号の輝度ヒストグラムを示すLONGヒストグラムデータを生成する。図4(d)は、LONG適正信号の輝度分布を示すヒストグラムデータである。LONG適正信号は、LONG信号の適正露光領域を表す信号、すなわち被写体中の暗い領域の映像を表す信号なので、図4(d)に示すようにその輝度分布は低輝度側に偏っている。
【0041】
図5は、SHORTヒストグラムデータ検波部39にてSHORT適正信号のヒストグラムを生成する処理を説明する図である。SHORTヒストグラムデータ検波部39も、LONGヒストグラムデータ検波部38と同様にして、まず、SHORT信号とSHORT適正露光信号とを掛け合わせることにより、SHORT適正信号を生成する。図5に示すように、AB線上では、図5(a)に示されるSHORT信号と図5(b)に示されるSHORT適正露光信号とが掛け合わされて、図5(c)に示されるSHORT適正信号が生成される。
【0042】
SHORTヒストグラムデータ検波部39は、こうして得られたSHORT適正信号の輝度ヒストグラムを示すSHORTヒストグラムデータを生成する。図5(d)は、SHORT適正信号の輝度分布を示すヒストグラムデータである。SHORT適正信号は、SHORT信号の適正露光領域を表す信号、すなわち被写体中の明るい領域の映像を表す信号なので、図5(d)に示すようにその輝度分布は高輝度側に偏っている。
【0043】
LONG階調補正データ算出部40およびSHORT階調補正データ算出部41は、それぞれLONGヒストグラムデータ検波部38およびSHORTヒストグラムデータ検波部39で生成されたヒストグラムデータを取り込んで、このヒストグラムデータに基づいて、それぞれLONG階調補正データおよびSHORT階調補正データを算出する。
【0044】
図6は、LONG階調補正データ算出部40における処理を説明する図である。LONG階調補正データは、LONGヒストグラムデータ検波部38にて生成された図6(a)に示されるLONGヒストグラムデータを取得して、図6(b)に示されるLONG階調補正データを算出する。上述のように、LONG適正信号のヒストグラムは低輝度側に偏っているので、LONG階調補正データ算出部40は、図6(b)に示すように、LONG適正信号の低輝度部分を持ち上げる補正データを算出する。
【0045】
図7は、SHORT階調補正データ算出部41の処理を説明する図である。SHORT階調補正データ算出部41は、LONG階調補正データ算出部40と同様に、図7(a)に示されるSHORTヒストグラムデータに基づいて、図7(b)に示されるSHORT階調補正データを算出する。ここで、SHORT適正信号のヒストグラムは、LONG適正信号のヒストグラムとは逆に、高輝度側に偏っているので、SHORT階調補正データ算出部41は、図7(b)に示すように、SHORT適正信号の高輝度部分を持ち上げる補正データを算出する。
【0046】
図1に戻って、LONG領域階調補正部42およびSHORT領域階調補正部43は、それぞれLONG階調補正データおよびSHORT階調補正データを用いてレベル合成部35で生成されたレベル合成映像信号を階調補正する。LONG領域階調補正部42およびSHORT領域階調補正部43が、本発明の第1および第2の階調補正手段を構成する。
【0047】
図8は、LONG領域階調補正部42およびSHORT領域階調補正部43の処理を説明する図である。レベル合成映像信号に対してLONG階調補正データを適用することによりレベル合成映像信号中の低輝度部分が強調される。また、レベル信号に対してSHORT階調補正データを適用することによりレベル合成映像信号中の高輝度部分が強調される。図8は、LONG階調補正データおよびSHORT階調補正データを用いてレベル合成映像信号を階調補正した場合のレベル合成映像信号中のAB線上の部分の変化を示している。
【0048】
図8(a)に示すレベル合成映像信号のAB線上の部分は、図8(b)に示すLONG階調補正データを用いて階調補正されることにより、図8(c)に示す信号となる。この階調補正によって、レベル合成映像信号は、低輝度部分すなわち信号レベルの低い部分のレベルが持ち上げられ、高輝度部分すなわち信号レベルの高い部分のレベルは抑えられる。また、図8(d)に示すSHORT階調補正データを用いて図8(a)のレベル合成映像信号を階調補正すると、図8(e)に示すように、レベル合成映像信号の低輝度部分のレベルは抑えられ、高輝度部分のレベルが持ち上げられる。以下、LONG領域階調補正部42およびSHORT領域階調補正部43にて階調補正されたレベル合成映像信号をそれぞれLONG階調補正信号およびSHORT階調補正信号という。
【0049】
撮像システム10は、さらに、合成波形生成部44、領域合成部45およびメイン信号処理部46を備えている。
【0050】
LONG適正露光検出部36から得られたLONG適正露光信号は、上述のように、LONGヒストグラムデータ検波部38にてLONG適正露光領域のヒストグラムを作成するために用いられるほか、合成波形生成部44での処理にも用いられる。SHORT適正露光信号もLONG適正露光信号と同様に、合成波形生成部44での処理に用いられる。合成波形生成部44は、LONG適正露光信号およびSHORT適正露光信号を取得して、LONG信号およびSHORT信号の適正露光領域の境界を検出する。
【0051】
そして、合成波形生成部44は、LONG階調補正信号に対しては、LONG適正露光信号が示す適正露光領域において1でありその他の領域において0であるLONG重み付け処理関数を生成する。また、合成波形生成部44は、SHORT階調補正信号に対して、SHORT適正露光信号が示す適正露光領域にて1でありその他の領域にて0であるSHORT重み付け処理関数を生成する。
【0052】
ここで、後述する領域合成の際にLONG適正領域とSHORT適正領域とを滑らかにつなぐために、LONG重み付け処理関数およびSHORT重み付け処理関数は、0から1または1から0へなだらかに変化する関数とされる。また、本実施の形態では、LONG重み付け関数とSHORT重み付け関数は、両者の和が常に1になる相補関係にある。
【0053】
図9および図10は、合成波形生成部44の処理を説明する図である。図9は、AB線上のLONG階調補正信号とLONG重み付け処理関数(1−K)を示している。また、図10は、AB線上のSHORT階調補正信号とSHORT重み付け処理関数(K)を示している。上述のように、LONG重み付け処理関数およびSHORT重み付け処理関数は、1と0との境界周辺で重み付け係数が徐々に増加または減少して0から1または1から0に変化する関数である。なお、図9および図10では、AB線上すなわち水平方向の重み付け関数の変化を示しているが、垂直方向にも0から1または1から0の境界では重み付け係数が徐々に増加または減少する。以上のようにして生成されたLONG重み付け関数およびSHORT重み付け関数は、領域合成部45に出力される。
【0054】
領域合成部45は、LONG重み付け処理関数を用いてLONG階調補正信号の適正露光部分を抽出し、SHORT重み付け処理関数を用いてSHORT階調補正信号の適正露光部分を抽出し、両者を合成して領域合成信号を生成する。
【0055】
図11は、領域合成部45の構成を示すブロック図である。領域合成部45は、LONG乗算器451、SHORT乗算器452および加算器453を備えている。LONG乗算器451は、LONG階調補正信号とLONG重み付け処理関数を乗算する。これによってLONG適正露光領域のみが有効な値を持つ映像信号が生成される。また、SHORT乗算器452は、SHORT階調補正信号とSHORT重み付け処理関数を乗算する。これによって、SHORT適正露光領域のみが有効な値を持つ映像信号が生成される。加算器453は、LONG乗算器451の出力とSHORT乗算器452の出力とを加算する。これによって、LONG適正露光領域ではLONG階調補正信号が採用され、SHORT適正露光領域ではSHORT階調補正信号が採用された領域合成信号が生成される。なお、この領域合成部45が、本発明の領域合成手段を構成する。
【0056】
図12は、領域合成部45にて生成された領域合成信号によって表される画像を示す図である。上記で説明した階調補正処理により、被写体の明るい領域から暗い領域までのコントラストが撮像システム10のダイナミックレンジの範囲内で表現されており、白くとんだ部分や黒くつぶれた部分を生じることなく被写体輝度分布が適切に表現されている。
【0057】
なお、図9および図10を用いて説明したように、LONG重み付け処理関数とSHORT重み付け処理関数を滑らかに変化するように設定したので、明るい領域と周囲の暗い領域の境界部MAでは、LONG階調補正信号とSHORT階調補正信号が自然に合成されている。
【0058】
図1に戻って、メイン信号処理部46は、領域合成信号に対して、圧縮符号化処理を含むメイン部分の信号処理を行ない、外部の装置に信号を出力する。
【0059】
以上説明したように、本実施の形態の撮像システム10は、露光時間が互いに異なるLONG信号およびSHORT信号から各々の適正露光領域を表すLONG適正露光領域およびSHORT適正露光領域を検出する。そして、そのようにして検出されたLONG適正露光領域およびSHORT適正露光領域に基づいてレベル合成映像信号に階調補正を施し、こうして階調補正された2つのレベル合成信号をLONG適正露光領域およびSHORT適正露光領域に基づいて領域合成する。これにより、被写体の高輝度部分および低輝度部分に対して適切な階調補正を施して、被写体の輝度分布を撮像システム10のダイナミックレンジ内の輝度分布で表現する適切な映像信号が得られる。
【0060】
また、本実施の形態の撮像システム10は、撮像部31から1フィールド期間内に交互に出力された2つの映像信号を時間軸変換部34にて時間軸を揃えて出力するので、露光時間の異なる2つの信号を一時的に記憶するためのフィールドメモリが不要となる。これによって、撮像システム10の回路規模を縮小できる。
【0061】
(第2の実施の形態)
図13は、第2の実施の形態の映像処理装置を備えた撮像システム20の構成を示すブロック図である。撮像システム20の構成は、適正露光領域変換部47を備えていることを除いて、第1の実施の形態の撮像システム10の構成と同様である。図13および以下の説明では、撮像システム20の構成要素のうち撮像システム10と同じ構成要素については撮像システム10と同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0062】
既に本発明の第1の実施の形態として説明した通り、図1に示す撮像システム10によって、被写体の輝度分布を撮像システム10のダイナミックレンジ内の輝度分布で表現する適切な映像信号が得られる。そして、明るい領域と周囲の暗い領域の境界部MAでは、LONG階調補正信号とSHORT階調補正信号が自然に合成されて、領域合成による違和感がない画像が得られる。ただし、LONG適正露光領域またはSHORT適正露光領域の面積が極端に小さいときには、境界部分で画像がぼけてしまい、領域合成によってその小さな適正露光領域に相当する部分がしみのように表れることがある。
【0063】
そこで、領域合成画像に上記のようなしみ状の部分が表れることを防止するために、本実施の形態の撮像システム20では、図13に示すように、合成波形生成部44の前に適正露光領域変換部47を設ける。
【0064】
図14は、適正露光信号変換部47の構成を示すブロック図である。適正露光信号変換部47は、SHORT適正露光信号を取得して数ライン分一時記憶する画像データバッファ471を備えている。画像データバッファ471は数ラインごとにSHORT適正露光信号を出力する。SHORT領域変換部472は、所定の画素数の閾値を記憶している。SHORT領域変換部472は、数ライン分のSHORT適正信号を取得して、そのSHORT適正露光信号中に面積が上記の閾値に満たないSHORT適正露光領域(以下、小適正露光領域という)をキャンセルするフィルタ処理を行なう。すなわち、SHORT領域変換部472は、SHORT適正露光領域中の小適正露光領域がSHORT適正露光領域ではなくなるように、SHORT適正露光信号を変換する。上記の閾値は、好ましくは、極端に面積の小さいSHORT適正露光領域をキャンセルできるように設定される。
【0065】
LONG領域変換部473は、上記のように変換されたSHORT適正露光信号を用いて、LONG適正露光信号がそのSHORT適正露光信号と相補的な関係になるように、LONG適正露光信号を変換する。このようにして、適正露光信号変換部47では、SHORT適正露光信号およびLONG適正露光信号のいずれもが変換され、出力される。
【0066】
図15は、適正露光信号変換部47の処理を説明する図である。ここでは、撮像部31にて図15(a)に示される被写体を撮像した場合について説明する。この被写体は、暗い領域DAの中に比較的面積の大きな明るい領域L1と面積の小さな明るい領域L2およびL3を有する。この被写体のLONG適正露光信号およびSHORT適正露光信号は、例えばAB線上では、それぞれ図15(b)および図15(c)に示す信号となる。
【0067】
図15(b)に示すように、SHORT適正露光検出部37の処理では、被写体中の明るい領域L1〜L3の3つの領域がSHORT適正露光領域となる。しかし、明るい領域L2および明るい領域L3は、閾値よりも面積の小さい領域であるので、SHORT領域変換部472によって、図15(d)に示すように、明るい領域L2および明るい領域L3は0に変換される。また、LONG適正露光信号も、図15(d)のSHORT適正露光信号と相補的な関係になるように、LONG領域変換部473にて図15(e)に示すように変換される。なお、この適正露光信号変換部47が、本発明の適正露光信号変更手段に相当する。
【0068】
図13に戻って、本実施の形態の撮像システム20では、LONG適正露光検出部36およびSHORT適正露光検出部37にてそれぞれ生成されたLONG適正露光信号およびSHORT適正露光信号が、上記のように適正露光信号変換部47にて変換された上で合成波形生成部46に入力される。
【0069】
なお、上記の例では、SHORT適正露光領域中の小適正露光領域を検出してその領域をキャンセルする処理を行なったが、LONG適正露光領域中の小適正露光領域を検出してその領域をキャンセルする処理を行なってもよいし、SHORT適正露光領域およびLONG適正露光領域の両方からそれぞれ小さい領域を検出してもよい。さらに、上記の例では、SHORT適正露光信号から小適正露光領域を検出したが、小適正露光領域を検出するために、LONG適正露光信号を調べてもよい。
【0070】
以上説明したように、第2の実施の形態の撮像システム20は、SHORT適正露光領域またはLONG適正露光領域に小適正露光領域が存在する場合に、それらの領域が他方の適正露光領域になるようにSHORT適正露光信号またはLONG適正露光信号を変換する。これによって、第1の実施の形態の撮像システム10の効果に加えて、小適正露光領域に相当する部分が領域合成処理によってぼけて違和感のある画像が生成されるという不都合を解消できる。
【0071】
(第3の実施の形態)
図16は、第3の実施の形態の映像処理装置を備えた撮像システム30の構成を示すブロック図である。撮像システム30の構成は、第2の実施の形態の撮像システム20の構成に、さらに合成レベル信号生成部48を追加したものである。図16および以下の説明では、撮像システム30の構成要素のうち撮像システム20と同じ構成要素については撮像システム20と同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0072】
図17は、合成レベル信号生成部48の処理を説明する図である。ここでは、撮像部31にて図17(a)に示される被写体を撮像した場合について説明する。この被写体は、暗い領域DAの中に領域Xと明るい領域LAを有する。領域Xは、明るい領域L1よりは輝度が低く、暗い領域DAよりは輝度が高い領域である。
【0073】
ここで、明るい領域LAは、LONG信号では白く飛んでしまっている領域であるので、レベル合成部35でのレベル合成処理ではSHORT信号を採用するべき領域である。また、暗い領域DAは、SHORT信号では黒くつぶれている領域であるので、レベル合成処理ではLONG信号を用いるべき領域である。これに対して、領域Xは、SHORT信号では低輝度の領域となり、LONG信号では高輝度の領域となる。
【0074】
この領域Xについては、レベル合成処理にて、輝度の低いSHORT信号を用いるよりも、輝度の高いLONG信号を用いる方がダイナミックレンジ拡大処理の効果がより顕著になる。また、この領域XでSHORT信号を用いてレベル合成映像信号を生成すると、その領域に対応する部分でノイズが発生して画質劣化の要因となる。したがって、図17に明るい領域LAのようにダイナミックレンジ拡大処理による効果が顕著な領域のSHORT信号のみをレベル合成に使用して、領域XのようなSHORT信号中の輝度レベルの低い領域はレベル合成に使用しないようにすれば、ダイナミックレンジ拡大処理による効果が大きく、かつノイズによる画質劣化の少ないレベル合成映像信号が得られる。
【0075】
ここで、上述したように、領域Xは、SHORT信号では低輝度の領域であり、LONG信号では高輝度の領域である。したがって、領域Xは、SHORT信号中では適正露光領域とはならず、LONG信号中の適正露光領域として検出される。そこで、合成レベル信号生成部48は、SHORT適正信号またはLONG適正信号を用いることにより、LONG適正露光領域およびSHORT適正露光領域に応じて、合成レベルを領域ごとに可変にする。
【0076】
具体的には、合成レベル信号生成部48は、LONG適正露光信号およびSHORT適正露光信号に従って、LONG適正露光領域では、レベル合成にてSHORT信号の低輝度部分が使用されるように高い合成レベル(合成レベル2)を示し、SHORT適正露光領域では、レベル合成にてSHORT信号の高輝度部分が使用されるように低い合成レベル(合成レベル1)を示す合成レベル信号を生成する。図17(d)は、このようにして生成された合成レベル信号である。図17(d)において、縦方向は合成レベルの値を示している。ただし、図17(d)では、合成レベルの高低を逆に示している。
【0077】
図16に戻って、合成レベル信号生成部48は、合成レベル信号をレベル合成部35に出力し、レベル合成部35は、レベル合成信号に従って、少なくとも一部の領域の合成レベルを可変に設定する。
【0078】
図18は、合成レベル1および合成レベル2のそれぞれの合成レベルでのレベル合成波形を示す図である。図18(a)は、SHORT適正露光領域に適用されるレベル合成波形であり合成レベル1を合成点とするものである。図18(b)は、LONG適正露光領域に適用されるレベル合成波形であり、合成レベル2を合成点とするものである。図18(a)に示されるように、被写体中の領域Xは、仮に合成レベル1でレベル合成を行なったとすると、SHORT信号が採用されることになる。しかし、本実施の形態では、領域Xでは、図18(b)に示されるレベル合成波形でレベル合成されるので、同図に示されるように、LONG信号が採用される。本実施の形態において、合成レベル信号を生成する合成レベル信号生成部48および合成レベル信号に基づいて合成レベルを可変に設定するレベル合成部35によって、本発明の合成レベル変更手段が実現される。
【0079】
なお、図16の例では、合成レベル信号生成部48は、適正露光領域変換部47にて変換されたLONG適正露光信号およびSHORT適正露光信号を用いて合成レベル信号を生成したが、LONG適正露光検出部36およびSHORT適正露光検出部37から出力されたLONG適正露光信号およびSHORT適正露光信号を用いて合成レベル信号が生成されてもよい。
【0080】
以上説明したように、本実施の形態の撮像システム30によれば、SHORT信号中の高輝度領域およびLONG信号中の低輝度領域を用いてレベル合成映像信号を生成するので、第1および第2の実施の形態の撮像システムと同様の処理の効果が得られる。撮像システム30では、さらに、SHORT信号の低輝度領域に相当する部分についてはLONG信号を用いてレベル合成されるように、合成レベルが領域に応じて変更される。これによって、ダイナミックレンジ拡大処理の効果が顕著な領域のSHORT信号のみがレベル合成に使用されるので、ダイナミックレンジ拡大処理による効果が大きく、かつノイズによる画質劣化の少ないレベル合成映像信号が得られる。
【0081】
なお、上記の第1ないし第3の実施の形態では、撮像部31が2種類の異なる露光時間にて被写体を撮像することにより、露光時間の異なる2つの映像信号を生成し、それらを用いて階調補正された映像信号を生成したが、3種類以上の映像信号を生成して、上記と同様にして階調補正された映像信号を生成してもよい。
【0082】
上記第1ないし第3の実施の形態の撮像システムでは、LONG階調補正データ算出部40およびSHORT階調補正データ算出部41はソフトウェアによって構成されるが、他の部分についても可能な部分はソフトウェアによって構成されてよい。これらの場合には、各部分の機能は所定のプログラムに従ってコンピュータがデータを処理することにより実現される。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、互いに露光時間の異なる2つの映像信号の各々の適正露光領域に基づいてレベル合成映像信号に階調補正を施し、こうして階調補正された2つのレベル合成映像信号を上記の適正露光領域に基づいて領域合成するので、効果的なダイナミック拡大処理を実行できるというすぐれた効果を有する映像信号処理装置を提供することができる。
本発明によれば、第1および第2の映像信号の適正露光領域の境界周辺で増加あるいは減少する第1および第2の重み付け処理関数を生成する合成波形生成部が設けられており、第1および第2の重み付け処理関数に基づいて、第1および第2の階調補正手段によりそれぞれ階調補正されたレベル合成映像信号を領域合成するので、第1の階調補正手段および第2の階調補正手段によりそれぞれ階調補正されたレベル合成映像信号を自然に合成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の撮像システムの構成を示すブロック図
【図2】第1の実施の形態のレベル合成部のレベル合成処理を説明する図
【図3】第1の実施の形態の適正露光検出処理を説明する図
【図4】第1の実施の形態のLONG適正信号のヒストグラムを生成する処理を説明する図
【図5】第1の実施の形態のSHORT適正信号のヒストグラムを生成する処理を説明する図
【図6】第1の実施の形態のLONG階調補正データ算出部における処理を説明する図
【図7】第1の実施の形態のSHORT階調補正データ算出部における処理を説明する図
【図8】第1の実施の形態のLONG領域階調補正部およびSHORT領域階調補正部の処理を説明する図
【図9】第1の実施の形態の合成波形生成部の処理を説明する図
【図10】第1の実施の形態の合成波形生成部の処理を説明する図
【図11】第1の実施の形態の領域合成部の構成を示すブロック図
【図12】第1の実施の形態の領域合成部にて生成された領域合成信号によって表される画像を示す図
【図13】第2の実施の形態の撮像システムの構成を示すブロック図
【図14】第2の実施の形態の適正露光信号変換部の構成を示すブロック図
【図15】第2の実施の形態の適正露光信号変換部の処理を説明する図
【図16】第3の実施の形態の撮像システムの構成を示すブロック図
【図17】第3の実施の形態の合成レベル信号生成部の処理を説明する図
【図18】第3の実施の形態のそれぞれの合成レベルでのレベル合成波形を示す図
【符号の説明】
10、20、30 撮像システム
34 時間軸変換部
35 レベル合成部
36 LONG適正露光検出部
37 SHORT適正露光検出部
40 LONG階調補正データ算出部
41 SHORT階調補正データ算出部
42 LONG領域階調補正部
43 SHORT領域階調補正部
44 合成波形生成部
45 領域合成部
47 適正露光領域変換部
48 合成レベル信号生成部

Claims (11)

  1. 互いに異なる露光時間で撮像することにより得られた第1および第2の映像信号をレベル合成してレベル合成映像信号を生成するレベル合成手段と、
    前記第1および第2の映像信号のそれぞれの適正露光領域を表す第1および第2の適正露光信号を生成する適正露光検出手段と、
    前記第1の適正露光信号に基づく第1の階調補正データを用いて前記レベル合成映像信号を階調補正する第1の階調補正手段と、
    前記第2の適正露光信号に基づく第2の階調補正データを用いて前記レベル合成映像信号を階調補正する第2の階調補正手段と、
    前記第1および第2の映像信号の適正露光領域の境界周辺で増加あるいは減少する第1および第2の重み付け処理関数を生成する合成波形生成部と、
    前記第1および第2の重み付け処理関数に基づいて、前記第1および第2の階調補正手段によりそれぞれ階調補正されたレベル合成映像信号を領域合成する領域合成手段と、
    を備えることを特徴とする映像処理装置。
  2. 前記第1および第2の適正露光信号の少なくとも一方の適正露光信号に基づいて、少なくとも一部の領域に対して、前記レベル合成手段のレベル合成の基準となる合成レベルを変更する合成レベル変更手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の映像処理装置。
  3. 互いに異なる露光時間で撮像することにより得られた第1および第2の映像信号をレベル合成してレベル合成映像信号を生成するレベル合成手段と、
    前記第1および第2の映像信号のそれぞれの適正露光領域を表す第1および第2の適正露光信号を生成する適正露光検出手段と、
    前記適正露光検出手段により得られた第1の適正露光信号に基づく第1の階調補正データを用いて前記レベル合成映像信号を階調補正する第1の階調補正手段と、
    前記適正露光検出手段により得られた第2の適正露光信号に基づく第2の階調補正データを用いて前記レベル合成映像信号を階調補正する第2の階調補正手段と、
    前記第1および第2の適正露光信号の一方の適正露光領域の中に所定の閾値以下の面積の小適正露光領域が存在する場合、前記小適正露光領域が他方の適正露光信号の適正露光領域となるように前記第1および第2の適正露光信号を変更する適正露光信号変更手段と、
    前記適正露光信号変更手段により変更された第1および第2の適正露光信号に基づいて、前記第1および第2の階調補正手段によりそれぞれ階調補正されたレベル合成映像信号を領域合成する領域合成手段と、
    を備えることを特徴とする映像処理装置。
  4. 前記適正露光信号変更手段により変更された第1および第2の適正露光信号の少なくとも一方の適正露光信号に基づいて、少なくとも一部の領域に対して前記レベル合成の基準となる合成レベルを変更する合成レベル変更手段を備えることを特徴とする請求項3に記載の映像処理装置。
  5. 前記合成レベル変更手段は、前記第1および第2の映像信号のうちの短い露光時間での撮像により得られた方の映像信号の低輝度部分に相当する被写体部分が、前記第1および第2の映像信号のうちの長い露光時間での撮像により得られた方の映像信号を用いてレベル合成されるように、前記合成レベルを変更することを特徴とする請求項2または4に記載の映像処理装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の映像処理装置と、
    前記第1および第2の映像信号を生成する撮像手段とを備えたことを特徴とする撮像システム。
  7. 互いに異なる露光時間で撮像することにより得られた第1および第2の映像信号をレベル合成してレベル合成映像信号を生成するレベル合成ステップと、
    前記第1および第2の映像信号のそれぞれの適正露光領域を表す第1および第2の適正露光信号を生成する適正露光検出ステップと、
    前記第1の適正露光信号に基づく第1の階調補正データを用いて前記レベル合成映像信号を階調補正する第1の階調補正ステップと、
    前記第2の適正露光信号に基づく第2の階調補正データを用いて前記レベル合成映像信号を階調補正する第2の階調補正ステップと、
    前記第1および第2の映像信号の適正露光領域の境界周辺で増加あるいは減少する第1および第2の重み付け処理関数を生成する合成波形生成ステップと、
    前記第1および第2の重み付け処理関数に基づいて、前記第1および第2の階調補正ステップにてそれぞれ階調補正されたレベル合成映像信号を領域合成する領域合成ステップと、
    を有することを特徴とする映像処理方法。
  8. 前記第1および第2の適正露光信号の少なくとも一方の適正露光信号に基づいて、少なくとも一部の領域に対して、前記レベル合成ステップにおけるレベル合成の基準となる合成レベルを変更する合成レベル変更ステップをさらに有することを特徴とする請求項7に記載の映像処理方法。
  9. 互いに異なる露光時間で撮像することにより得られた第1および第2の映像信号をレベル合成してレベル合成映像信号を生成するレベル合成ステップと、
    前記第1および第2の映像信号のそれぞれの適正露光領域を表す第1および第2の適正露光信号を生成する適正露光検出ステップと、
    前記適正露光検出ステップにて生成された第1の適正露光信号に基づく第1の階調補正データを用いて前記レベル合成映像信号を階調補正する第1の階調補正ステップと、
    前記適正露光検出ステップにて生成された第2の適正露光信号に基づく第2の階調補正データを用いて前記レベル合成映像信号を階調補正する第2の階調補正ステップと、
    前記第1および第2の適正露光信号の少なくとも一方の適正露光領域の中に所定の閾値以下の面積の小適正露光領域が存在する場合、前記小適正露光領域が他方の適正露光信号の適正露光領域となるように前記第1および第2の適正露光信号を変更する適正露光信号変更ステップと、
    前記適正露光信号変更ステップにて変更された第1および第2の適正露光信号に基づいて、前記第1および第2の階調補正ステップにてそれぞれ階調補正されたレベル合成映像信号を領域合成する領域合成ステップと、
    を有することを特徴とする映像処理方法。
  10. 前記適正露光信号変更ステップにて変更された第1および第2の適正露光信号の少なくとも一方の適正露光信号に基づいて、少なくとも一部の領域に対して、前記レベル合成ステップにおけるレベル合成の基準となる合成レベルを変更する合成レベル変更ステップをさらに有することを特徴とする請求項9に記載の映像処理方法。
  11. 請求項7〜10のいずれかに記載の映像処理方法をコンピュータに実行させるプログラム。
JP2003090633A 2003-03-28 2003-03-28 映像処理装置および撮像システム Expired - Fee Related JP4119290B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003090633A JP4119290B2 (ja) 2003-03-28 2003-03-28 映像処理装置および撮像システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003090633A JP4119290B2 (ja) 2003-03-28 2003-03-28 映像処理装置および撮像システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004297701A JP2004297701A (ja) 2004-10-21
JP4119290B2 true JP4119290B2 (ja) 2008-07-16

Family

ID=33404211

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003090633A Expired - Fee Related JP4119290B2 (ja) 2003-03-28 2003-03-28 映像処理装置および撮像システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4119290B2 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006129070A (ja) * 2004-10-28 2006-05-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd 映像処理装置および映像処理方法
JP2006157450A (ja) 2004-11-29 2006-06-15 Sony Corp 撮像装置及び画像処理方法
JP4595660B2 (ja) * 2005-05-06 2010-12-08 カシオ計算機株式会社 撮影装置、撮影画像処理方法及びプログラム
JP2007036714A (ja) * 2005-07-27 2007-02-08 Hitachi Ltd 撮像装置
JP4987355B2 (ja) * 2005-10-14 2012-07-25 京セラ株式会社 撮像装置および撮像方法
JP2010028596A (ja) * 2008-07-23 2010-02-04 Hitachi Ltd 撮像装置
JP4818393B2 (ja) 2009-05-07 2011-11-16 キヤノン株式会社 画像処理方法および画像処理装置
JP5214538B2 (ja) * 2009-05-25 2013-06-19 オリンパス株式会社 画像取得装置、画像合成方法、及び顕微鏡システム
KR101575803B1 (ko) 2010-01-15 2015-12-09 삼성전자 주식회사 저조도 환경에서의 고감도 영상 생성 방법 및 그 장치
JP5147912B2 (ja) * 2010-09-08 2013-02-20 キヤノン株式会社 画像処理方法、画像処理装置、プログラムおよび記録媒体
KR101857294B1 (ko) 2011-12-09 2018-05-11 엘지이노텍 주식회사 하이 다이나믹 레인지 이미지 획득 장치 및 방법
JP6543787B2 (ja) * 2014-09-09 2019-07-17 ハンファテクウィン株式会社 画像処理装置および画像処理方法
JP6376339B2 (ja) * 2014-09-09 2018-08-22 ハンファエアロスペース株式会社Hanwha Aerospace Co.,Ltd. 画像処理装置および画像処理方法
CN111028779B (zh) * 2020-01-02 2021-07-16 昆山国显光电有限公司 显示面板的补偿方法、装置以及显示面板

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2670372B2 (ja) * 1989-12-19 1997-10-29 株式会社東芝 2値化方式
JP4163353B2 (ja) * 1998-12-03 2008-10-08 オリンパス株式会社 画像処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004297701A (ja) 2004-10-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2951909B2 (ja) 撮像装置の階調補正装置及び階調補正方法
JP5677040B2 (ja) 画像処理装置およびその制御方法
JP4119290B2 (ja) 映像処理装置および撮像システム
US8170362B2 (en) Edge-enhancement device and edge-enhancement method
JP5672796B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法
JP3134784B2 (ja) 画像合成回路
JP2009049547A (ja) 画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム
WO2006051936A2 (ja) 撮像装置
JP4479527B2 (ja) 画像処理方法、画像処理装置、画像処理プログラム、および電子カメラ
JPH10261078A (ja) 撮像装置の階調補正方法
JP4810473B2 (ja) 画像処理装置および画像処理プログラム
JP4066803B2 (ja) 画像処理装置、画像処理プログラム、画像処理方法および電子カメラ
JP2002084449A (ja) 固体撮像素子を用いた撮像装置
JP4775230B2 (ja) 画像処理装置、撮像装置、及び画像処理プログラム
JPH10210323A (ja) 階調補正装置ならびにそれを用いた映像信号処理装置
JP5188312B2 (ja) 映像信号処理装置および映像信号処理方法
JP2007306083A (ja) 撮像装置および信号処理装置
JP5365881B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法
JP3424576B2 (ja) 画像処理装置及び画像処理方法
JP3233114B2 (ja) 画像処理装置及び画像処理方法
JP5146500B2 (ja) 画像合成装置、画像合成方法、及びプログラム
JP2009194728A (ja) 撮像システム及び画像処理方法並びに画像処理プログラム
JP2004046329A (ja) 画像輪郭強調装置
JP2017223823A (ja) 画像処理装置、画像処理プログラム、画像処理方法
JP2021129144A (ja) 撮像装置、撮像装置の制御方法、及びプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060309

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080305

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080422

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080424

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110502

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110502

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120502

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120502

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130502

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees