JP4162677B2 - 床パネルおよび床パネルの製造方法 - Google Patents
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また、上記一対の平板の間に上記波板状部材が端部どうしを隣接させて水平方向に複数並べられるとともに上記端部材が当該隣接した波板状部材の端部の両方を上記一対の平板の一方との間で挟持するように配置されている構成としてもよい。一対の平板の間に複数の波板状部材を並べて床パネルを形成する場合に、隣り合う波板状部材の端部が確実に平板と接着する。
請求項4にかかる発明では、隣接した波板状部材どうしの端部の両方が確実に平板と接着するのでビス止めの際に挫屈すること等が無くなり、良好な遮音性を得ながら床パネルの強度を向上させることが可能となる。
請求項6にかかる発明では、接着剤の使用量を低減させ、床パネルのコストを低減させることができる。
(1)床パネルの概要:
(2)床パネルの製造方法の説明:
(3)床パネルおよびその製造方法の作用、効果:
(4)各種変形例:
図1は、本発明の床パネルを用いた乾式遮音二重床の遮音床10を示す垂直断面図である。本遮音床10は、建物の躯体であるスラブ12の上に間隔を空けて配置される防振支持脚14と、防振支持脚14によって支持されてスラブ12の上方に配置される床下地パネル(床パネル)20と、床下地パネル20の上に載置される仕上げ材16とから構成される。なお、仕上げ材16は、フローリング材、畳、絨毯などであり、必要に応じて、仕上げ材16と床下地パネル20との間に捨貼材を配置してもよい。
平板21,22としては、部分的に加えられる衝撃力に対して強い抗力を示すストランドボードを用いると、床下地パネルを非常に良好な強度にさせることができる。波板状部材23としては、ファイバーボードを用いると、容易に波板状に成形して波板状部材を得ることができる点で好適である。
図2に示すようにスラブの上方に配置された状態での波板状部材の端部23c,dが下側となる場合、図3に示すように天地逆にして各部材を組み付けて床下地パネルを形成すると、床下地パネルを製造する作業を比較的短時間にさせることができる。
まず、本実施形態の床下地パネル20を構成する各部材21〜25を形成する方法について説明する。
以上の構成により、挟持部を有する端嵌部材を作製する際に切り欠きを形成する加工が不要となるので、端嵌部材の形成が容易となる。そして、一対の平板の間隔を単一の部材である外側端部材の高さで決めることができるので、平板間の間隔を高精度に管理することができ、床下地パネルの高さのばらつきを抑えることができる。
以上の構成によっても、挟持部を有する端嵌部材を作製する際に切り欠きを形成する加工が不要となるので、端嵌部材の形成が容易となる。そして、波板状部材と同じ材質の板を積層部材とすることができるので、波板状部材の端部の厚さ分低い高さの挟持部を容易に形成することができる。
ローラ85は、接着剤を付着させるエンボスローラであり、波板状部材の山部23aおよび谷部23bが接触する位置に合わせて凹凸が形成されている。同ローラ85は、概略、平板21,22において山部23aまたは谷部23bが接触する位置に接触する凹部分85bでは径が細くされ、当該部分以外の凸部分85aでは径が太くされている。また、ローラ85の両端部は平板21,22よりも外側に出るようにされ、平板21,22の左右方向の幅内では凹部分85c,85cとされるとともに、当該凹部分85c,85cよりも幅方向外側では凸部分85d,85dが左右方向に長く形成されている。同ローラ85は、駆動機構により回転軸部材81とともに図の右回りに回転するようにされている。ローラ86は、平板21,22とは接触せず、エンボスローラ85の凸部分との間のクリアランスが0とされて、駆動機構により回転軸部材82とともに図の左回りに回転するようにされている。両ローラ85,86の接触部位の上側には接着剤供給機構から接着剤が供給され、エンボスローラ85の外周全面に接着剤が付着される。ローラ87,88は、平板21,22においてエンボスローラ85の接触面とは反対面に接触するようにされ、駆動機構により回転軸部材83,84とともに図の左回りに回転して平板21,22を図の左方向へ移送するようにされている。左右の両端部では、エンボスローラの凸部分85d,85dの外周とローラ86の外周とに摺接するように固定された端部材89,89が設けられ、ローラ85,86の接触部位の上側にある接着剤が左右方向外側へはみ出さないようにせき止められるようにされている。
以上の構成により、両ローラ85,86の接触部位の上側においてエンボスローラ85の外周全面に付着した接着剤のうち凸部分85aに付着した接着剤は、ローラ85,86の接触部位から下へは移動せず、凹部分85b,85cのみに付着した状態となる。すると、平板の塗布面(22a)には、凹部分85b,85cに付着した接着剤が帯状に転写される。これにより、山部23aおよび谷部23bの位置に合わせて平板21,22に接着剤が塗布される。
以上により、平板において山部または谷部が接触しない部分に接着剤が塗布されないので、接着剤の使用量を低減させ、床下地パネルの製造コストを低減させることができる。
また、エンボスローラの端部に比較的長い凹部分85cが形成されているので、上側平板と下側平板とで山部または谷部の接触位置が異なる場合に当該接触位置に合わせて平板の位置をずらすことにより同一の塗布装置で接着剤を塗布することができる。
なお、エンボスロールの凹部分85b,cに付着した接着剤を残すようにして凸部分85aに付着した接着剤のみを掻き取る掻き取り部材を設け、凹部分85b,cに付着した接着剤を平板に転写するようにしても、同様の作用、効果が得られる。また、エンボスロールの凸部分にのみ接着剤を付着させて平板の塗布面に凸部分に付着した接着剤を帯状に転写しても、凸部分と凹部分との位置関係が変わるだけであり、同様の作用、効果が得られる。
その後、波板状部材23および端嵌部材24,25の上に下側平板21を載置する。ここで、挟持部24a,25aの高さ減少分が波板状部材の端部の高さH2とされているので、波板状部材の谷部23bと端嵌部材における挟持部24a,25aが形成された面24b,25bとが同時に接着剤により付着する。
以上により、一対の平板21,22の間に波板状部材23が配置されるとともに当該波板状部材の端部23c,dを平板21との間で挟持させるように端嵌部材24,25が配置された状態となる。そして、図示しないプレス機にて、一対の平板21,22に対して上下方向に押圧力を加える。すると、接着剤により平板21,22に挟まれた各部材23〜25と平板21,22とが接着し、上側平板22に端嵌部材24,25を押圧させて当該端嵌部材24,25に下側平板21との間で波板状部材の端部23c,dを挟持させた状態で一対の平板21,22の間に波板状部材23と端嵌部材24,25とが固定される。なお、上側平板22は一対の平板21,22のうち波板状部材の端部23c,dを挟持させない側の平板であり、下側平板21は波板状部材の端部23c,dを挟持させる側の平板である。
さらにその後、正寸にカットすることにより、床下地パネルが形成される。
本床下地パネルの製造方法によると、床下地パネルの端部を中実にするために適切な量の木質薄片を積層してストランドを形成する必要が無いので、床下地パネルを製造するのに時間がかからず、床下地パネルの端部において木質薄片の積層量が少ないことによるビス止めの際の挫屈等が生じなくなる。
なお、図6に示す床下地パネル90のように、挟持部を形成していない端嵌部材94,95を用いると、一対の平板91,92に対して上下方向に押圧力を加えても波板状部材の端部93c,dにその押圧力が加わらないので、同端部93c,dと平板91との接着が不十分となる場合がある。波板状部材の端部と平板とがしっかりと接着されないと、床下地パネルの端部でビス止めをすると波板状部材の端部や平板の端部が挫屈することがある。本発明では、波板状部材の端部が端嵌部材と平板との間で挟まれて支持されるので、波板状部材の端部が確実に平板と接着し、ビス止めの際に挫屈しない。また、図6に示す床下地パネル90では、各部材の寸法誤差等により、平板上に両端嵌部材を配置した後に波板状部材を配置させようとしたときに、波板状部材が両端嵌部材間に収容されないこともあり得る。本実施形態の床下地パネルでは、このような問題も生じない。
そして、床下地パネル内で床面平行方向に断面台形状の空洞26,27が一定間隔で形成されているので、十分な強度を得ながら軽量で、かつ、床衝撃音レベルを低減させることができる。従って、床下地パネルの製造効率を向上させることができるとともに、波板状部材の端部が確実に平板と接着するのでビス止めの際に挫屈すること等が無くなり、良好な遮音性を得ながら床下地パネルの強度を向上させることが可能となる。
接着剤を塗布する際には、波板状部材および端嵌部材と平板とを接合させる前であればよく、接着剤を塗布する箇所全てに接着剤を塗布した後に、各部材を組み付けていってもよい。また、波板状部材や端嵌部材に接着剤を塗布して部材間を接着させてもよい。さらに、両面テープを貼付する等により、部材間を接着させてもよい。
また、部材間が接着されればよいため、一対の平板に対して上下方向に押圧力を加える工程を省略することもできる。
山部と谷部とを交互に平行させて波板状部材を形成する際には、曲線状、折れ線状に平行させて形成していてもよい。むろん、垂直断面において山部および谷部が交互に現れる波板状部材であれば、良好な遮音性を得ながら床パネルの強度を向上させる効果が得られる。
端嵌部材における波板状部材側の面は、垂直面とされる以外にも、垂直から斜めにずれた面とされてもよい。挟持部の垂直方向の面も、垂直から斜めにずれた面とされてもよい。
端嵌部材が床下地パネルの両端のうち片側のみに設けられる場合でも、良好な遮音性を得ながら床パネルの強度を向上させる効果が得られる。むろん、床下地パネルの全周に本発明を適用した端嵌部材を配置させる構成としてもよい。
床下地パネル50を製造する際には、上面となる塗布面に接着剤を塗布した下側平板51上の所定位置に、挟持部54a,55aを上側かつ波板状部材側に向けた端嵌部材54,55を載置する。また、端嵌部材の挟持部54a,55aに端部53c,dを合わせて波板状部材53を下側平板上に載置する。さらに、下面となる塗布面に接着剤を塗布した上側平板52を、波板状部材53および端嵌部材54,55の上に載置する。
以上の配置状態で、プレス機にて一対の平板51,52に対して上下方向に押圧力を加えると、接着剤により平板51,52に挟まれた各部材53〜55と平板51,52とが接着し、下側平板51に端嵌部材54,55を押圧させて当該端嵌部材54,55に上側平板52との間で波板状部材の端部53c,dを挟持させた状態で一対の平板51,52の間に波板状部材53と端嵌部材54,55とが固定される。
床下地パネル60を製造する際には、上面となる塗布面に接着剤を塗布した下側平板61上の所定位置に、挟持部65aを上側かつ波板状部材側に向けた右側の端嵌部材65を載置する。また、端嵌部材65の挟持部65aに右端部63dを合わせて波板状部材63を下側平板上に載置する。さらに、波板状部材の左端部63cに左側の端嵌部材64の挟持部64aを合わせて当該端嵌部材64を下側平板上に載置する。そして、下面となる塗布面に接着剤を塗布した上側平板62を、波板状部材63および端嵌部材64,65の上に載置する。
以上の配置状態で、プレス機にて一対の平板61,62に対して上下方向に押圧力を加えると、接着剤により平板61,62に挟まれた各部材63〜65と平板61,62とが接着し、床下地パネル60が形成される。
床下地パネル70を製造する際には、下面となる塗布面に接着剤を塗布した上側平板72上の所定位置に、端嵌部材74,75を載置する。また、端嵌部材74,75における平板と接触しない面74b,75bに接着剤を塗布し、当該面74b,75bに端部73c,dを合わせて波板状部材73を上側平板上に載置する。さらに、上面となる塗布面に接着剤を塗布した下側平板71を、波板状部材73および端嵌部材74,75の上に載置する。
以上の配置状態で、プレス機にて一対の平板71,72に対して上下方向に押圧力を加えると、接着剤により各部材71〜75が接着し、床下地パネル70が形成される。
なお、端部材124〜126は、山部123aおよび谷部123bの延びる方向に沿ってそれぞれ設けられ、棒状とされて上記配置での高さが互いに同じとされている。また、左側縁部の下側に左側の波板状部材123の端部123dを下側平板121との間で挟持する挟持部126aが形成され、右側縁部の下側に右側の波板状部材123の端部123cを下側平板121との間で挟持する挟持部126bが形成されている。
なお、上側平板との間で隣り合う波板状部材どうしの端部を挟持する内側端部材を設けた床パネルや、一方の端部を下側平板との間で挟持するとともに他方の端部を上側平板との間で挟持する内側端部材を設けた床パネルや、外側端部材を設けず内側端部材だけを設けた床パネルであっても、上記効果が得られる。
12…スラブ
14…防振支持脚
16…仕上げ材
20,50,60,70,120…床下地パネル(床パネル)
21,51,61,71,121…下側平板
21a,22a…塗布面
22,52,62,72,122…上側平板
23,53,63,73…波板状部材
23a,53a,63a,73a,123a…山部
23b,53b,63b,73b,123b…谷部
23c,23d,53c,53d,63c,63d,73c,73d,123c,123d…端部
23e…傾斜部
24,25,34,35,44,45,54,55,64,65,124,125,126…端嵌部材(端部材)
24a,25a,34c,35c,44c,45c,54a,55a,64a,65a,126a,126b…挟持部
26,27…台形状の空洞
34a,35a…外側端部材
34b,35b…内側端部材
44a,45a…基端部材
44b,45b…スペーサ(積層部材)
Claims (6)
- 下側平板および上側平板からなる一対の平板と、当該一対の平板の間に配置されるとともに山部および谷部が交互に繰り返し形成された波板状部材と、当該波板状部材の端部に配置される端部材と、が互いに固定されてスラブの上方に配置される床パネルであって、
上記一対の平板の間に、上記山部を上記上側平板に接触させ上記谷部を上記下側平板に接触させて上記波板状部材が配置され、
上記端部材は、上記波板状部材側に当該波板状部材の端部を上記一対の平板の一方との間で挟持する挟持部が形成され、当該一方の平板と当該挟持部との間で上記波板状部材の端部を挟持するとともに当該波板状部材の端部よりも外側となる部位で上記一対の平板の両方に接触して当該一対の平板の間に配置され、
当該配置にて同一対の平板の間に同波板状部材と同端部材とが接着されて固定されたことを特徴とする床パネル。 - 上記波板状部材は、上記山部および谷部が交互に平行して延びるように形成され、
上記端部材は、上記波板状部材における上記山部および谷部が交互に繰り返し形成された方向の両端部に上記山部および谷部の延びる方向に沿ってそれぞれ設けられるとともに、棒状とされて当該配置での高さが互いに同じとされていることを特徴とする請求項1に記載の床パネル。 - 上記波板状部材は、上記一対の平板の間に配置された状態で同山部および谷部が交互に繰り返し形成された向きに対する垂直断面にて台形状の空洞を形成させる形状とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の床パネル。
- 上記一対の平板の間に上記波板状部材が端部どうしを隣接させて水平方向に複数並べられ、
上記端部材は、上記隣接した波板状部材の端部の両方を上記一対の平板の一方との間で挟持する第一の挟持部および第二の挟持部が形成され、当該第一の挟持部と当該第二の挟持部との間で上記一対の平板の両方に接触して当該一対の平板の間に配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の床パネル。 - 下側平板および上側平板からなる一対の平板と、当該一対の平板の間に配置されるとともに山部および谷部が交互に繰り返し形成される波板状部材と、当該波板状部材の端部に配置される端部材と、が互いに固定されてスラブの上方に配置される床パネルの製造方法であって、
上記一対の平板において互いに相対向する面に接着剤を塗布し、当該一対の平板の一方について接着剤を塗布した面を上にして上記波板状部材を載置するとともに当該波板状部材の端部を上記一対の平板の一方との間で挟持させるように上記端部材を載置し、さらにその上に他方の平板を載置することにより、上記一対の平板の間に上記山部を上記上側平板に接触させ上記谷部を上記下側平板に接触させて上記波板状部材を配置するとともに上記端部材を配置し、当該配置にて同一対の平板の間に同波板状部材と同端部材とを接着して固定することにより床パネルを製造することを特徴とする床パネルの製造方法。 - 上記波板状部材は、上記山部および谷部が交互に平行して延びるように形成され、
上記一対の平板に接着剤を塗布する際、接着剤を付着させるローラであって上記波板状部材の山部および谷部が接触する位置に合わせて凹凸を形成したローラを用いることにより当該山部および谷部の位置に合わせて上記平板に接着剤を塗布することを特徴とする請求項5に記載の床パネルの製造方法。
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