JP4162472B2 - 飲食物の搬送案内具 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、寿司店などにおいて、例えば皿に盛り合わせた寿司を搬送路に載せて循環搬送させ、飲食客が各自好みの寿司を自由にとって飲食出来るようにした飲食物搬送装置に用いる飲食物の搬送案内具に関する。
【0002】
【従来の技術】
寿司店等において、店内に多数配置されるテーブルやカウンターに沿って循環する循環搬送路を備えた搬送装置を設置し、従業員が寿司などの飲食物を盛った皿を、厨房室から前記循環搬送路に随時供給する一方、各座席の客が、循環搬送路により店内に順次送られてくる各種の飲食物を選んで前記循環搬送路から取り上げて自由に飲食できるようにした飲食店を見受ける。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、以上の搬送装置においては、各飲食客の好みに関係なく、従業員が飲食物を盛った皿を前記搬送路に随時供給するようにしているが、それとは別に、飲食客から特別に注文の依頼が出る場合もある。
【0004】
この場合、依頼した飲食客は、注文の品が厨房室から循環搬送路により搬送されてくるのを気にしなくてはならず、時として、注文の品が搬送されて来ても搬送されてきたことに気づかず通過してしまって、注文品が搬送路を再度循環して来るのを待たなければならないし、また、注文した飲食客のもとに到着する前に他人が誤ってその品を取り去る場合もある。
【0005】
以上の不具合に対しては、例えば各座席番号に対応する番号札を予め用意しておき、注文の飲食物を盛った皿にその都度、番号札を手作業で取り付けて、搬送路に送り込む方法も考えられるが、以上の方法では、番号札の管理等が煩雑となり、作業員の負担が増大するという問題がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みて開発したものであって、目的とするところは、簡単な構成でありながら、特別に注文された飲食物を搬送路で搬送する場合に、その品が注文のあった座席まで近づいた時点で、その座席の顧客に注文の品が届いた旨を報知することが出来る飲食物の搬送案内具を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するため、請求項1記載の発明は、厨房から店内の各座席に飲食物を搬送するための循環搬送路が備えられた飲食物搬送装置の前記循環搬送路上に搭載して用いる飲食物の搬送案内具であって、各座席の座席番号が表示された基体と、この基体に対して回転可能に設けられた回転筒と、各座席までの時間が設定されたタイマーと、飲食物が届いた旨を報知する報知手段とが備えられ、回転筒は、基体に対する回転により、この回転筒に形成された表示窓に前記座席番号が表示されるように構成され、タイマーは、回転筒の回転により表示窓に表示される座席番号に対応して、その座席までの搬送時間が設定され、報知手段は、表示窓に表示される座席番号に対応して、タイマーの設定時間が経過した段階で作動するようにしていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の飲食物の搬送案内具に飲食物の載置部が備えられていることを特徴とするものである。
【0009】
以上の飲食物の搬送案内具の報知手段としては視覚による報知であってもよいし、あるいは音声による報知であってもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる飲食物の搬送案内装置の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0011】
まず図1は、客室1Aに設置する複数の脚付きテーブル2a及びカウンターテーブル2bと、厨房室1Bの前面乃至各テーブル2a・2bに沿って配置した仕切ハウジング3と、この仕切ハウジング3上に周回状に設けられて、前記厨房室1B内で、皿Pに盛り合わされた寿司等の飲食物を各テーブル2a・2bに循環搬送するための循環搬送路40を設けた飲食物搬送装置4を有する寿司店舗内を平面的に表したものである。
【0012】
仕切ハウジング3は、所定間隔を開けて相対向する側壁31と、これら両側壁31の上端及び下端を結ぶ上壁32及び底壁(図示せず)とから断面ボックス状に形成されている。
【0013】
また、前記仕切ハウジング3は、前記厨房室1Bの前面に沿って配設されて厨房室1Bと客室1Aとを区画する第1ハウジング部3aと、この第1ハウジング部3aの長手方向両端から屈曲して前記客室1A内に平行に延びる第2,第3ハウジング部3b,3cとから成り、前記第2,第3ハウジング部3b,3cにおける側壁31の外側方には、前記した脚付きテーブル2aとカウンターテーブル2bとを配置すると共に、各テーブル2a・2bに椅子21を配置している。
各テーブル2a・2bには、座席番号(1),(2),(3),(4),(5),(6),(7),(8),(9),(10)が付けられており、図1に示すように、カウンターテーブル2bにおいては、各椅子21ごとに座席番号が付けられている。
【0014】
循環搬送路40は、図2に示すように、前記各ハウジング部3a,3b,3cの上壁32に設けた凹所41と、この凹所41の幅方向両側に設けられた案内壁42に案内されながら前記凹所41内をモータ駆動により循環移動する無端状のフラットチェーン43とから構成されており、図2に示すように、前記循環搬送路40のフラットチェーン43上に、飲食物を載せた皿Pを直接載せて、この皿Pを循環搬送するようにしている。
【0015】
本発明にかかる飲食物の搬送案内具5は、前記した循環搬送路40のフラットチェーン43上に搭載して、顧客から特別に注文のあった種類の鮨等の飲食物の搬送を案内するためのものであって、次にこの搬送案内具5を説明する。
【0016】
図に示す搬送案内具5は、循環搬送路40のフラットチェーン43上に搭載可能であって、
各座席の座席番号が表示された基体6と、
この基体6に対して回転可能に設けられた回転筒7と、
各座席までの時間が設定されたタイマー8と、
飲食物が届いた旨を報知する報知手段としての報知器9と、
タイマー8及び報知器9をコントロールするためのマイクロコンピュータから成るコントローラ10が備えられている。
【0017】
基体6は有底円筒状に形成されて、その周壁61には座席数に見合う透孔62が周方向に等間隔で形成され、各透孔62には座席番号を印刷したプラスチック製の表示板63が組み込まれている。
【0018】
尚、表示板63は透過性を有している。
【0019】
また基体6の内底部中央には、円筒状のボス64が突設している。
【0020】
回転筒7は、基体6の周壁61の外周囲を囲む筒部71と筒部71の上端開口を閉じる上壁72とが備えられ、上壁72の上面を皿Pの載置部73として利用するようにしている。
【0021】
また上壁72の下面には、基体6のボス64内に嵌合する回転軸74が突設され、回転筒7はボス部64に嵌合させた回転軸73の軸芯を支点にして基体6に対して回転可能となっており、回転筒7の回転により、この回転筒7の筒部71に形成された円形の表示窓75に前記座席番号が表示されるようになっている。
【0022】
タイマー8は、電子式のものが用いられ、基体6に対する回転筒7の回転角度を検出する検出器81からの検出信号に基づき、回転筒7の回転によって表示窓75に表示される座席番号に対応して、その座席までの搬送時間が設定されるようになっている。
【0023】
報知器9は、ランプ91と商品が到着した旨を案内する音声案内器92とから成り、表示窓7に表示される座席番号に対応して設定されるタイマー8の設定時間が経過した段階でコントローラ10を介して作動するようにしている。
【0024】
また図に示す実施形態では、回転筒7の載置部73には、この載置部73上に皿Pが載せられているか否かを検出するためのフォトイタラプターから成る皿検出器76が設けられ、この皿検出器76が載置部73上に皿Pが載せられたのを検出した時にコントローラ10を介してタイマーをオン動作させ、また皿検出器76が載置部73上から取り去られたのを検出した時、若しくはタイマー8の設定時間が経過してから一定時間(例えば20秒)経過した時に、コントローラ10の制御により報知器9の作動を停止するようにしている。
【0025】
以上の構成から成る飲食物搬送案内装置では、例えば5番座席の飲食客から特別の注文があったときは、回転筒7を基体6に対して回転させて、注文のあった5番座席の番号(5)を表示窓75に表示させた後、特別注文の寿司が盛られた皿Pを搬送案内具5の載置部73上に載せると共に、搬送案内具5を循環搬送路40のフラットチェーン43上に載せて、フラットチェーン43上に直接置かれる他の皿Pと共に客室1Aの各座席に沿って搬送するのであって、皿Pが載置部73に載せられた時点でタイマー8がオン動作するのである。
【0026】
そしてタイマー8がオンして所定時間経過し、搬送案内具5が5番の座席に近づいた時点で、タイマー8が切れると、コントローラ10の制御によりランプ91が点滅すると共に、音声案内器92から注文の品が届いた旨のアナウンスが行なわれるのである。
【0027】
そして載置部73上の皿Pがとられて、皿検出器8がそれを検出した時点で、ランプ91が消灯すると共に、音声案内器92からのアナウンスも停止するのである。
【0028】
斯くして、飲食客は、載置台5に載せられて搬送されてくる飲食物が自分の注文した品か否かを知ることが出来、途中で他の飲食客に誤って取れられるのを防ぐことが出来る。
【0029】
以上の実施形態では、載置台5に報知器9として、ランプ91と音声案内器92を設けたが、ランプ91と音声案内器92のいずれか一方だけでもよい。
【0030】
また以上の実施形態では、電子式のタイマー8を搭載したが、機械式のタイマーでもよい。
【0031】
また以上の実施形態では、回転筒7の上壁72の上面に皿Pの載置部73を設けたが、これに限定されるものではなく、載置部73を設けずに、搬送路40上において搬送案内部5の後方に皿Pを置くようにしてもよい。
【0032】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、厨房から店内の各座席に飲食物を搬送するための循環搬送路が備えられた飲食物搬送装置の前記循環搬送路上に搭載して用いる飲食物の搬送案内具が、各座席の座席番号が表示された基体と、この基体に対して回転可能に設けられた回転筒と、各座席までの時間が設定されたタイマーと、飲食物が届いた旨を報知する報知手段とが備えられ、回転筒は、基体に対する回転によりこの回転筒に形成された表示窓に前記座席番号が表示されるように構成され、タイマーは、回転筒の回転により表示窓に表示される座席番号に対応して、その座席までの搬送時間が設定され、報知手段は、表示窓に表示される座席番号に対応して、タイマーの設定時間が経過した段階で作動するようにしていることにより、回転筒の回転操作だけで、案内する座席の設定を簡単に行なうことが出来、しかも載置台に載せた飲食物の注文先である座席に近づいた段階で、その座席番号が報知手段により報知されるので、飲食客は、搬送案内部により案内されてくる飲食物が自分の注文した品か否かを知ることが出来て、搬送途中で他の飲食客に誤って取れられるのを防ぐことが出来るのである。
【0033】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の搬送案内具に飲食物の載置部を設けたことにより、請求項1に記載の発明の効果に加え、より一層、注文した飲食物が送られてきたのを視覚的に確認することが出来る。
【0034】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の飲食物の飲食物の搬送案内具において、報知手段を視覚による報知としたことにより、請求項1に記載の発明の効果に加え、報知手段により、騒がしい場所でも注文した飲食物が到着するのを視覚で確実に捉えることが出来る。
【0035】
請求項4に記載の発明によれば、制御1または2に記載の飲食物の搬送案内具において、報知手段を聴覚による報知としたことにより、請求項1または2に記載の発明の効果に加え、注文客は、飲食や雑談をしていても、注文した品が到着するのを聴覚で知ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】飲食物搬送装置を設けた店舗内の概略平面図。
【図2】飲食物搬送装置の要部の概略断面図。
【図3】本発明にかかる飲食物の搬送案内具の斜視図。
【図4】本発明にかかる飲食物の搬送案内具の断面図。
【図5】飲食物の搬送案内具の制御系統の構成図。
【符号の説明】
1A 客室
1B 厨房室
4 飲食物搬送装置
40 循環搬送路
5 搬送案内具
6 基体
7 回転筒
8 タイマー
9 報知器
Claims (4)
- 厨房から店内の各座席に飲食物を搬送するための循環搬送路が備えられた飲食物搬送装置の前記循環搬送路上に搭載して用いる飲食物の搬送案内具であって、各座席の座席番号が表示された基体と、
この基体に対して回転可能に設けられた回転筒と、
各座席までの時間が設定されたタイマーと、
飲食物が届いた旨を報知する報知手段とが備えられ、
回転筒は、基体に対する回転により、この回転筒に形成された表示窓に前記座席番号が表示されるように構成され、
タイマーは、回転筒の回転により表示窓に表示される座席番号に対応して、その座席までの搬送時間が設定され、
報知手段は、表示窓に表示される座席番号に対応して、タイマーの設定時間が経過した段階で作動するようにしていることを特徴とする飲食物の搬送案内具。 - 飲食物の載置部が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の飲食物の搬送案内具。
- 報知手段が視覚による報知である請求項1または2に記載の飲食物の搬送案内具。
- 報知手段が聴覚による報知である請求項1または2に記載の飲食物の搬送案内具。
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