JP4161602B2 - マイクロレンズアレイおよびその製造方法並びに光学装置 - Google Patents

マイクロレンズアレイおよびその製造方法並びに光学装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶装置等に用いられるマイクロレンズアレイおよびその製造方法、並びにこのマイクロレンズアレイを用いた光学装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、液晶装置などの光学装置では、複数の微小なレンズが並べられて構成されたマイクロレンズアレイが使用されている。
この光学装置では、マイクロレンズアレイによって、各画素に入射する光を集光し、表示特性などの特性を向上させることができる。
マイクロレンズアレイのレンズとしては、球面レンズが多く用いられているが、球面レンズを用いる場合には集光効率が低くなるため、外面形状が球面でないレンズを用いたものが提案されている。
例えば特開平9−43588号公報には、ガラス基板に形成された凹部に高屈折材料を充填して凸レンズとし、凹部の底部の曲率半径を側部の曲率半径よりも大きくしたマイクロレンズを有する液晶表示装置が開示されている。
また特開平5−40216号公報には、楕円体の一部にほぼ合致する形状とされたマイクロレンズが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年では、表示特性などの特性をより向上させるため、集光効率をさらに高めることが要望されている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、集光効率を高めることができるマイクロレンズアレイおよびその製造方法、並びにこのマイクロレンズアレイを用いた光学装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明のマイクロレンズアレイの製造方法は、レンズ部を、中央部から周辺部に向けて外面の曲率半径が徐々に大きくなり、レンズ部に入射する平行光線を収束点にほぼ収束させることができる形状とすることを特徴とする。
本発明の製造方法では、マイクロレンズアレイの集光効率を高めることができる。
従って、液晶プロジェクタなどの表示装置などに適用したときに、優れた表示特性を得ることができる。
【0005】
本発明の製造方法では、基材上にレジスト層を形成するレジスト層形成工程と、レジスト層を加熱し溶融させて再形成させるリフロー工程と、リフロー工程を経たレジスト層にエッチングを施してレンズ部を得るエッチング工程とを有し、このエッチング工程において、レジスト層に対する基材のエッチング選択比が徐々に大きくなるように処理条件を設定する方法をとることができる。
この製造方法によれば、エッチング工程における処理条件の調整によって、レンズ部の外面の曲率半径を、容易に所望の値に設定することができる。
従って、平行光線を収束点に収束可能なレンズ部を、精度よく形成することができる。
【0006】
本発明の製造方法では、基材上にレジスト層を形成するレジスト層形成工程と、少なくともレジスト層が形成されていない部分の基材に、溶融レジストに対する濡れ性を高める表面処理を行う表面処理工程と、レジスト層を加熱し溶融させて再形成させるリフロー工程とを有する方法をとることができる。
この製造方法によれば、表面処理工程またはリフロー工程における処理条件を調整することによって、リフロー工程における基材表面での溶融レジストの拡がり範囲を調節し、レジスト層の周辺部の外面の曲率半径を所望の値に設定できる。
よって、レンズ部の外面の曲率半径を、容易に所望の値に設定することができる。
従って、平行光線を収束点に収束可能なレンズ部を、精度よく形成することができる。
【0007】
さらには、表面処理工程またはリフロー工程における処理条件を調整することによって、基材表面での溶融レジストの拡がり範囲を調節できるため、相隣接するレンズ部の間隔を小さくし、レンズ部の充填率(マイクロレンズアレイの面積(平面積)に対するレンズ部の面積(平面積)の比率)を高めることができる。従って、入射光量を高め、表示装置などに適用したときに、優れた表示特性を得ることができる。
【0008】
本発明の製造方法では、表面処理工程において、少なくともレジスト層が形成されていない部分の基材表面に、自己組織化単分子層を形成することによって、この基材表面の濡れ性を高める方法をとることができる。
これによって、基材表面の濡れ性を容易に高めることができる。
【0009】
本発明の製造方法では、基材上にレジスト層を形成するレジスト層形成工程と、レジスト層を加熱し溶融させて再形成させるリフロー工程と、エッチングによって、レジスト層が形成されていない部分の基材に、深さ方向に幅が狭くなるテーパ状凹部を形成するテーパ状凹部形成工程と、レジスト層およびテーパ状凹部にエッチングを施してレンズ部を得るエッチング工程とを有する方法をとることができる。
この製造方法によれば、基材の選択や、テーパ状凹部形成工程の処理条件の調整によって、テーパ状凹部のテーパ面の角度や深さを所望の値に設定することができる。
このため、レンズ部の外面の曲率半径を、容易に所望の値に設定することができる。
従って、平行光線を収束点に収束可能なレンズ部を、精度よく形成することができる。
【0010】
さらには、テーパ状凹部のテーパ面の角度や深さを所望の値に設定することができるため、相隣接するレンズ部の間隔を小さくし、レンズ部の充填率を高めることができる。
従って、入射光量を高め、表示装置などに適用したときに、優れた表示特性を得ることができる。
【0011】
本発明の製造方法では、基材上にレジスト層を形成するレジスト層形成工程と、レジスト層を加熱し溶融させて再形成させるリフロー工程と、レジスト層下部と基材との間の隅部に周辺部前駆体を供給することによって、この隅部に周辺部を形成してレンズ部を得る周辺部形成工程とを有する方法をとることができる。この製造方法によれば、周辺部形成工程における周辺部前駆体の供給量などの処理条件の調整によって、所望の形状の周辺部を形成することができる。
このため、レンズ部の外面の曲率半径を、容易に所望の値に設定することができる。
従って、平行光線を収束点に収束可能なレンズ部を、精度よく形成することができる。
【0012】
さらには、所望の形状の周辺部を形成することができるため、相隣接するレンズ部の間隔を小さくし、レンズ部の充填率を高めることができる。
従って、入射光量を高め、表示装置などに適用したときに、優れた表示特性を得ることができる。
【0013】
本発明の製造方法では、上記製造方法によって製造されたマイクロレンズアレイに原盤前駆体を供給することによって、前記マイクロレンズアレイの形状が転写された原盤を作製する原盤作製工程と、原盤に光透過性層前駆体を供給することによって原盤の形状が転写された光透過性層を形成する転写工程とを有する方法をとることができる。
この製造方法によれば、マイクロレンズアレイを容易に複製することができる。
従って、製造効率を高めるとともに、製造コストを削減することができる。
【0014】
本発明の製造方法では、上記製造方法によって製造されたマイクロレンズアレイに光透過性層前駆体を供給することによって、前記マイクロレンズアレイの形状が転写された光透過性層を形成する転写工程を有する方法をとることができる。
この製造方法によれば、マイクロレンズアレイを容易に複製することができる。
従って、製造効率を高めるとともに、製造コストを削減することができる。
【0015】
本発明のマイクロレンズアレイは、上記製造方法によって製造されたものであることを特徴とする。
本発明のマイクロレンズアレイは、複数のレンズ部を有するマイクロレンズアレイであって、レンズ部が、中央部から周辺部に向けて外面の曲率半径が徐々に大きくされ、レンズ部に入射する平行光線を収束点にほぼ収束させることができる形状とされている構成とすることができる。
このマイクロレンズアレイでは、集光効率を高めることができる。
従って、液晶プロジェクタなどの表示装置などに適用したときに、優れた表示特性を得ることができる。
【0016】
本発明の光学装置は、上記マイクロレンズアレイを有することを特徴とする。本発明の光学装置は、マイクロレンズアレイに向けて光を照射する光源を有する構成とすることができる。
本発明の光学装置は、マイクロレンズアレイによって集光した光が入射する撮像素子を有する構成とすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
(マイクロレンズアレイ)
図1は、本発明のマイクロレンズアレイの第1の実施形態を示すものである。マイクロレンズアレイ1は、その上面側に複数の凸状のレンズ部2を有する。レンズ部2では、中央部2aから周辺部2bに向けて外面の曲率半径が徐々に大きくされている。
レンズ部2は、レンズ部2に入射する平行光線51を収束点52にほぼ収束させることができる形状、すなわち収差がほとんど生じない形状とされている。
このレンズ部2は、外面が非球面とされた非球面レンズである。
【0018】
レンズ部2の形状の例を以下に示す。
図1(b)に示すように、基材3に平行なX軸と、基材3に対し平行かつX軸に対し直交するY軸と、これらX軸およびY軸に対し垂直かつレンズ部2の頂点2cを通るZ軸とを想定する。
レンズ部2の頂点2cを通り、かつZ軸に平行な面におけるレンズ部2の断面形状は、次に示す式(1)で表すことができる。
式中、cは頂点2cにおけるレンズ部2外面の曲率であり、kは円錐係数であり、h2=X2+Y2である。
【0019】
【数1】
Figure 0004161602
【0020】
一般に、楕円は、次に示す式(2)で表すことができるため、レンズ部2の断面形状を表す式(1)は、Ah4以降の項を有する点で、楕円を表す式(2)と異なることになる。
【0021】
【数2】
Figure 0004161602
【0022】
式(1)における各係数の好ましい範囲を以下に示す。
c:50〜150
k:−1〜−0.6
A:5×105〜5×106
B:−5×1010〜−5×109
C:5×1013〜5×1014
D:1×108〜1×109
Eh12以降の項は、レンズ部2の形状に及ぼす影響が小さい。E、F、G、H、Jは、−1×1010〜1×1010とすることができる。
上記各係数が上記範囲を外れると、レンズ部2における集光効率が低下する。
【0023】
以下、各係数の好適な例を示す。
c:90.17
k:−0.859
A:1.65×106
B:−2.15×1010
C:1.02×1014
D:3.47×108
【0024】
(マイクロレンズアレイの製造方法)
以下、図2および図3を参照して、マイクロレンズアレイ1を製造する場合を例として、本発明の製造方法の第1の実施形態を説明する。ここに示す製造方法は、次の3つの工程を有する。
(1)レジスト層形成工程
図2(a)に示すように、基材3上に、フォトレジストを塗布した後、周知のフォトリソグラフィー技術によりフォトレジストをパターニングすることにより、第1レジスト層4を形成する。
【0025】
基材3としては、エッチング可能な材料であれば特に限定されないが、シリコン、石英、ガラスを用いるのが好ましい。基材3の材料としては、光透過性材料を用いるのが好ましい。
第1レジスト層4の材料としては、例えば、半導体デバイス製造等において一般的に用いられているものが使用でき、具体的には、クレゾールノボラック系樹脂に、感光剤としてジアゾナフトキノン誘導体を配合した市販のポジ型のレジストを利用できる。なお、第1レジスト層4には、ネガ型レジストを使用することもできる。
第1レジスト層4の材料としては、光透過性材料を用いるのが好ましい。
フォトレジストを塗布する方法としては、スピンコート法、ディッピング法、スプレーコート法、ロールコート法、バーコート法等の方法を用いることが可能である。
第1レジスト層4は、レンズ部2の形成位置に対応した位置に形成する。
【0026】
(2)リフロー工程
図2(b)に示すように、第1レジスト層4を加熱することによって溶融させて流動化させる。
これによって、第1レジスト層4は、表面張力の影響を受けて再形成され、断面が略円弧状の第2レジスト層5となる。
加熱方法としては、例えば、ホットプレートまたは温風循環式オーブンを用いる方法を挙げることができる。ホットプレートを使用した場合の条件は、レジストの材質により適宜設定されるが、温度150℃以上で、加熱時間を2〜10分とするのが好ましい。温風循環式オーブンを用いる場合は、温度160℃以上で、20〜30分の加熱が適当である。
【0027】
(3)エッチング工程
図2(c)に示すように、基材3および第2レジスト層5に対し、エッチングを行う。
エッチング法としては、ドライエッチング法(ガスエッチング、プラズマエッチング、スパッタエッチング、イオンビームエッチングなど)を用いるのが好ましい。
エッチングガスとしては、フッ素系ガス(CF4−O2、C26など)、塩素系ガス(塩素、塩化水素など)が使用可能である。
【0028】
一般に、エッチングにおいては、エッチング後の基材およびレジスト層の形状は、レジスト層に対する基材のエッチング選択比(レジスト層のエッチング速度に対する基材のエッチング速度の比。以下、単に「選択比」という)に応じたものとなる。
図3は、エッチング後の基材の形状の例を示すものである。
図3(a)は、選択比が1未満である場合の基材の形状を示し、図3(b)は、選択比が1である場合の基材の形状を示し、図3(c)は、選択比が1を越える場合の基材の形状を示す。
【0029】
図3(a)に示すように、選択比が低い場合には、レジスト層のエッチング速度に比べ基材のエッチング速度が低くなるため、レジスト層に相当する部分に形成された凸部6は、突出高さが小さいものとなる。この場合には、凸部6の外面の曲率は比較的大きくなる。
これに対し、図3(c)に示すように、選択比が高い場合には、レジスト層のエッチング速度に比べ基材のエッチング速度が高くなるため、凸部6は突出高さが大きいものとなる。この場合には、凸部6の外面の曲率は比較的小さくなる。
【0030】
本実施形態の製造方法では、エッチング工程における処理条件を経時的に変化させることによって、選択比が徐々に大きくなるようにする。
選択比が徐々に大きくなるようにするには、エッチングガスの組成を経時的に変化させる方法が可能である。例えばエッチングガスとして複数種のガスからなる混合ガス(CF4−O2など)を用いる場合には、ガス混合比を経時的に変化させる方法をとることができる。
例えばCF4−O2ガスを用いる場合には、ガス中の酸素の混合比を徐々に減少させる方法をとることができる。
またエッチング工程中に、エッチングガスの種類を経時的に変化させる方法をとることもできる。
またエッチングガスの流量、圧力を経時的に変化させる方法をとることもできる。
また温度条件を経時的に変化させる方法をとることもできる。
またエッチング装置への供給電力を経時的に変化させる方法をとることもできる。
【0031】
エッチング工程の初期においては、選択比が比較的低いため、基材3に比べ第2レジスト層5が優先的にエッチングされ、第2レジスト層5に相当する位置に形成される凸部は、外面の曲率半径が大きいものとなる(図3(a)を参照)。エッチング工程をさらに進めると、凸部の周辺部から中央部に向かってエッチングが進行する。
選択比が大きくなるようにエッチングを行うことによって形成される凸部の外面の曲率半径は小さくなるため(図3(c)を参照)、形成されるマイクロレンズアレイ1のレンズ部2は、中央部2aから周辺部2bに向けて外面の曲率半径が徐々に大きくなる形状となる。
この工程においては、レンズ部2が、入射する平行光線51を収束点52にほぼ収束させることができる形状となるように、エッチング処理条件を設定する。
【0032】
本実施形態のマイクロレンズアレイ1は、レンズ部2が、中央部2aから周辺部2bに向けて外面の曲率半径が徐々に大きくされており、レンズ部2に入射する平行光線51を収束点52にほぼ収束させることができる形状とされているので、集光効率を高めることができる。
従って、液晶プロジェクタなどの表示装置などに適用したときに、優れた表示特性を得ることができる。
【0033】
本実施形態の製造方法では、エッチング工程において、第2レジスト層5に対する基材3のエッチング選択比が徐々に大きくなるように処理条件を設定するので、この処理条件の調整によって、レンズ部2の外面の曲率半径を、容易に所望の値に設定することができる。
従って、平行光線51を収束点52に収束可能なレンズ部2を、精度よく形成することができる。
【0034】
次に、本発明の製造方法の第2の実施形態を説明する。本実施形態の製造方法は、次に示す4つの工程を有する。
(1)レジスト層形成工程
図4(a)に示すように、第1実施形態の製造方法と同様に、基材3上に第1レジスト層4を形成する。
基材3としては、シリコン、石英、ガラスからなるものを用いてもよいし、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、アモルファスポリオレフィン等のプラスチック製のものを利用することもできる。
【0035】
(2)表面処理工程
図4(b)に示すように、少なくとも第1レジスト層4が形成されていない部分の基材3(以下、「レジスト層非形成部7」という)表面に、溶融レジストに対する濡れ性を高める表面処理を行う。
濡れ性を高める表面処理法としては、自己組織化単分子層(Self-Assembled Monolayers;以下、SAMsという)8を、少なくともレジスト層非形成部7の表面に形成する方法をとることができる。
SAMs8を構成する物質としては、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルジメチルエトキシシラン、アミノプロピルメチルジエトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシランを挙げることができる。
【0036】
SAMs8をレジスト層非形成部7に形成するには、マイクロコンタクトプリンティングを適用することができる。
マイクロコンタクトプリンティングを用いてSAMs8を形成するには、ポリジメチルシロキサンなどで形成されたスタンプに、SAMs8を構成する物質の溶液をしみこませた後、これをレジスト層非形成部7に転写する方法をとることができる。
この表面処理工程によって、レジスト層非形成部7の表面は、溶融レジストに対する濡れ性が高い状態となる。
なお、濡れ性を高める表面処理法は、SAMs8を形成する方法に限らず、溶融レジストの濡れ性を高めることができる物質、例えば界面活性剤をレジスト層非形成部7の表面に供給する方法をとることができる。
【0037】
この工程においては、表面処理条件の調整(例えばSAMs構成物質の種類、量などの調整)によって、次工程(リフロー工程)における溶融レジスト(後述)の流れやすさを調節し、その拡がり範囲を調節し、周辺部9b(後述)を所望の形状とすることができる。
【0038】
(3)リフロー工程
図4(c)に示すように、第1レジスト層4を加熱することによって溶融させて流動化させる。
加熱方法としては、例えばホットプレートまたは温風循環式オーブンを用いる方法を挙げることができる。
これによって、第1レジスト層4は、表面張力の影響を受けて再形成され、第2レジスト層9となる。
この際、レジスト層非形成部7の濡れ性が高められているため、溶融レジストは、レジスト層非形成部7の表面を拡がりつつ流れる。
このため、第2レジスト層9は、断面略円弧状とならず、周辺部9bが拡がった形状、すなわち中央部9aから周辺部9bに向けて外面の曲率半径が徐々に大きくなる形状となる。
【0039】
この工程においては、加熱温度を調整することによって、溶融レジストの流動性を調節することができる。
このため、レジスト層非形成部7の表面の溶融レジストの拡がり範囲を調節し、周辺部9bを所望の形状とすることができる。
【0040】
(4)エッチング工程
図4(d)に示すように、基材3および第2レジスト層9に対し、エッチングを施す。エッチング法としては、ドライエッチング法を用いるのが好ましい。
以上の工程を経て、中央部2aから周辺部2bに向けて外面の曲率半径が徐々に大きくなるレンズ部2が形成されたマイクロレンズアレイ1を得る。
【0041】
本実施形態の製造方法では、表面処理工程において、レジスト層非形成部7の表面に、溶融レジストに対する濡れ性を高める表面処理を行うので、表面処理工程またはリフロー工程における処理条件を調整することによって、リフロー工程におけるレジスト層非形成部7の表面での溶融レジストの拡がり範囲を調節することができる。
このため、第2レジスト層9の周辺部9bの外面の曲率半径を所望の値に設定できる。
よって、レンズ部2の外面の曲率半径を、容易に所望の値に設定することができる。
従って、平行光線51を収束点52に収束可能なレンズ部2を、精度よく形成することができる。
【0042】
さらには、表面処理工程またはリフロー工程における処理条件を調整することによって、レジスト層非形成部7の表面での溶融レジストの拡がり範囲を調節できるため、相隣接するレンズ部2の間隔を小さくし、レンズ部2の充填率(マイクロレンズアレイ1の面積(平面積)に対するレンズ部2の面積(平面積)の比率)を高めることができる。
従って、入射光量を高め、表示装置などに適用したときに、優れた表示特性を得ることができる。
【0043】
また、表面処理工程において、レジスト層非形成部7の表面にSAMs8を形成することによって、レジスト層非形成部7の表面の濡れ性を容易に高めることができる。
【0044】
次に、本発明の製造方法の第3の実施形態を説明する。本実施形態の製造方法は、次に示す4つの工程を有する。
(1)レジスト層形成工程
図5(a)に示すように、第1実施形態の製造方法と同様に、基材3上に第1レジスト層4を形成する。
本実施形態の製造方法では、シリコンからなる基材3を用いるのが好ましい。
【0045】
(2)リフロー工程
図5(b)に示すように、第1の実施形態の製造方法と同様に、第1レジスト層4を加熱することによって溶融させて流動化させる。
これによって、第1レジスト層4は、表面張力の影響を受けて再形成され、断面が略円弧状の第2レジスト層5となる。
【0046】
(3)テーパ状凹部形成工程
図5(c)に示すように、エッチングを行うことによって、レジスト層非形成部7に、深さ方向に徐々に幅が狭くなるテーパ状凹部10を形成する。
エッチング法としては、ドライエッチング法、ウェットエッチング法を用いるのが好ましい。
結晶面が基材面に対し傾斜したシリコン基材3を用いる場合には、この結晶面に沿ってエッチングが進行するため、深さ方向に徐々に幅が狭くなるテーパ状の凹部10が形成される。図示例では、テーパ状凹部10は断面V字状に形成されている。
上記エッチングが進行する結晶面としては、例えばシリコンの(111)面、(110)面、(100)面などがあり、エッチング条件を選択することで、エッチングが進行する結晶面の選択が可能である。
テーパ状凹部10を形成するには、この工程中に、エッチングガスの組成、種類、流量、圧力、温度条件、装置への供給電力を経時的に変化させる方法をとることもできる。
【0047】
ゆえに、この工程においては、基材3の選択や、エッチング処理条件の調整によって、テーパ状凹部10のテーパ面10aの角度や深さを所望の値に設定することができる。
この工程ではテーパ面10aを有するテーパ状凹部10が形成されるため、形成される凸部11が、中央部11aに比べ周辺部11bにおいて外面の曲率半径が大きい形状となる。
【0048】
(4)エッチング工程
図5(d)に示すように、第1の実施形態の製造方法と同様にして、エッチングを行う。エッチング法としては、ドライエッチング法を用いるのが好ましい。このエッチング工程では、凸部11にエッチングが施され、中央部2aから周辺部2bに向けて外面の曲率半径が徐々に大きくなるレンズ部2が形成されたマイクロレンズアレイ1が得られる。
【0049】
本実施形態の製造方法では、テーパ状凹部形成工程において、レジスト層非形成部7にテーパ状凹部10を形成するので、基材3の選択や処理条件の調整によって、テーパ状凹部10のテーパ面10aの角度や深さを所望の値に設定することができる。
このため、レンズ部2の外面の曲率半径を、容易に所望の値に設定することができる。
従って、平行光線51を収束点52に収束可能なレンズ部2を、精度よく形成することができる。
【0050】
さらには、テーパ状凹部10のテーパ面10aの角度や深さを所望の値に設定することができるため、相隣接するレンズ部2の間隔を小さくし、レンズ部2の充填率を高めることができる。
従って、入射光量を高め、表示装置などに適用したときに、優れた表示特性を得ることができる。
【0051】
次に、本発明の製造方法の第4の実施形態を説明する。本実施形態の製造方法は、次に示す4つの工程を有する。
(1)レジスト層形成工程
第1実施形態の製造方法と同様に、基材3上に第1レジスト層4を形成する。基材3としては、シリコン、石英、ガラスからなるものを用いてもよいし、ポリカーボネート等のプラスチック製のものを利用することもできる。
【0052】
(2)リフロー工程
図6(a)に示すように、第1の実施形態の製造方法と同様に、第1レジスト層4を加熱することによって溶融させて流動化させる。
これによって、第1レジスト層4は、表面張力の影響を受けて再形成され、断面が略円弧状の第2レジスト層5となる。
【0053】
(3)周辺部形成工程
図6(b)に示すように、第2レジスト層5下部とレジスト層非形成部7との間の隅部12に周辺部前駆体を供給することによって、周辺部13を形成する。周辺部13を構成する材料(周辺部前駆体)としては、エネルギー硬化性樹脂、特に光または熱により硬化可能であるものを用いるのが好ましく、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、ポリイミド系樹脂が好適である。
周辺部13を形成するには、材料を液滴として吐出可能な装置(ディスペンサ、インクジェットノズル等)を用いて、周辺部前駆体を隅部12に供給する方法をとることができる。
周辺部13を形成する際には、第2レジスト層5と周辺部13とからなる凸部14が、中央部14aから周辺部13に向けて外面の曲率半径が徐々に大きくなる形状となるように材料供給を行う。
【0054】
(4)エッチング工程
第1の実施形態の製造方法と同様にして、エッチングを行う。エッチング法としては、ドライエッチング法を用いるのが好ましい。
この工程を経て、中央部2aから周辺部2bに向けて外面の曲率半径が徐々に大きくなるレンズ部2が形成されたマイクロレンズアレイ1を得る。
なお、この製造方法では、エッチング工程を行わない方法をとることもできる。
【0055】
本実施形態の製造方法では、周辺部形成工程において、第2レジスト層5下部とレジスト層非形成部7との間の隅部12に周辺部前駆体を供給することによって、周辺部13を形成するので、周辺部前駆体の供給量などの処理条件の調整によって、所望の形状の周辺部13を形成することができる。
このため、レンズ部2の外面の曲率半径を、容易に所望の値に設定することができる。
従って、平行光線51を収束点52に収束可能なレンズ部2を、精度よく形成することができる。
【0056】
さらには、所望の形状の周辺部13を形成することができるため、相隣接するレンズ部2の間隔を小さくし、レンズ部2の充填率を高めることができる。
従って、入射光量を高め、表示装置などに適用したときに、優れた表示特性を得ることができる。
【0057】
次に、本発明の製造方法の第5の実施形態を説明する。本実施形態の製造方法は、次に示す3つの工程を有する。
(1)原盤作製工程
図7(a)に示すように、上記実施形態によって製造したマイクロレンズアレイ1を用意する。
図7(b)および図7(c)に示すように、マイクロレンズアレイ1上に、未硬化の原盤前駆体を供給し、これを紫外線照射などにより硬化させて原盤15を得る。
原盤15の材料(原盤前駆体)としては、エネルギー硬化性樹脂(紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等)などを用いることができる。
原盤15は、マイクロレンズアレイ1が転写されたものとなる。すなわちレンズ部2に沿う形状のレンズ部形成凹部16を有するものとなる。
【0058】
(2)転写工程
図7(d)に示すように、原盤15のレンズ部形成凹部16が形成された面と、基材17との間に、未硬化の光透過性層前駆体を供給し、これを紫外線照射などにより硬化させて第1の光透過性層18を形成する。
光透過性層18の材料(光透過性層前駆体)は、マイクロレンズアレイに要求される光学特性(光透過性等)などの特性を満足するものであれば特に限定されず、例えば、エネルギー硬化性樹脂、可塑性樹脂を使用するのが好適である。
エネルギー硬化性樹脂としては、光と熱のうち少なくともいずれか一方により硬化可能であるものを用いるのが好ましく、特に、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、ポリイミド系樹脂が好適である。なかでも特に、アクリル系樹脂は、市販品の様々な前駆体や感光剤(光重合開始剤)を利用することで、光の照射で短時間に硬化するものが容易に得られるため好ましい。
【0059】
光硬化性のアクリル系樹脂の基本組成の具体例としては、プレポリマーまたはオリゴマー、モノマー、光重合開始剤を挙げることができる。
プレポリマーまたはオリゴマーとしては、例えば、エポキシアクリレート類、ウレタンアクリレート類、ポリエステルアクリレート類、ポリエーテルアクリレート類、スピロアセタール系アクリレート類等のアクリレート類、エポキシメタクリレート類、ウレタンメタクリレート類、ポリエステルメタクリレート類、ポリエーテルメタクリレート類等のメタクリレート類等が利用できる。
【0060】
モノマーとしては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、カルビトールアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、1,3−ブタンジオールアクリレート等の単官能性モノマー、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート等の二官能性モノマー、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能性モノマーが利用できる。
【0061】
光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等のアセトフェノン類、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン等のブチルフェノン類、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、α,α−ジクロル−4−フェノキシアセトフェノン等のハロゲン化アセトフェノン類、ベンゾフェノン、N,N−テトラエチル−4,4−ジアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、ベンジル、ベンジルジメチルケタール等のベンジル類、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル等のベンゾイン類、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等のオキシム類、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のキサントン類、ミヒラーケトン、ベンジルメチルケタール等のラジカル発生化合物が利用できる。
【0062】
なお、必要に応じて、酸素による硬化阻害を防止する目的でアミン類等の化合物を添加したり、塗布を容易にする目的で溶剤成分を添加してもよい。溶剤成分としては、特に限定されるものではなく、種々の有機溶剤、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メトキシメチルプロピオネート、エトキシエチルプロピオネート、エチルラクテート、エチルピルピネート、メチルアミルケトン等が利用可能である。
また、可塑性を有する樹脂としては、例えば、ポリカーボネート系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、アモルファスポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂が利用できる。
【0063】
基材17としては、マイクロレンズアレイに要求される光透過性等の光学的な物性や、機械的強度等の特性を満足するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、石英、ガラス、シリコンからなるものを用いることができる。また、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、アモルファスポリオレフィン等のプラスチック製のものを利用することができる。
【0064】
第1の光透過性層18は、原盤15の形状が転写されたものとなる。すなわちレンズ部形成凹部16に沿う形状の凸状のレンズ部19を有するものとなる。
このレンズ部19は、レンズ部形成凹部16に沿う形状であるため、マイクロレンズアレイ1のレンズ部2と同じ形状となる。
【0065】
(3)剥離工程
図7(e)に示すように、原盤15から光透過性層18を剥離する。
以上の工程によって、レンズ部2と同じ形状のレンズ部19を有する光透過性層18と、基材17とからなるマイクロレンズアレイ21を得る。
【0066】
次いで、図7(f)に示すように、第1の光透過性層18上に、未硬化の光透過性層前駆体を供給し、これを紫外線照射などにより硬化させて第2の光透過性層22を形成するとともに、その上にガラスなどからなる補強板23を設ける。第2の光透過性層22の材料(光透過性層前駆体)としては、上述の第1の光透過性層18の材料として挙げたもの(エネルギー硬化性樹脂など)を例示できる。
これによって、マイクロレンズアレイ21と光透過性層22と補強板23とからなる光学基板24を得る。
【0067】
本実施形態の製造方法では、マイクロレンズアレイ1の形状が転写された原盤15を作製する原盤作製工程と、原盤15の形状が転写された第1の光透過性層18を形成する転写工程とを有するので、マイクロレンズアレイ1に沿う形状のマイクロレンズアレイ21を容易に複製することができる。
従って、製造効率を高めるとともに、製造コストを削減することができる。
【0068】
次に、本発明の製造方法の第6の実施形態を説明する。本実施形態の製造方法は、次に示す工程を有する。
(転写工程)
図8(a)に示すように、上記実施形態によって製造したマイクロレンズアレイ1を用意する。
図8(b)に示すように、マイクロレンズアレイ1上に、未硬化の第1の光透過性層前駆体(エネルギー硬化性樹脂など)を供給し、これを紫外線照射などにより硬化させて第1の光透過性層25とするとともに、その上に補強板26を設ける。
第1の光透過性層25は、マイクロレンズアレイ1が転写されたものとなる。すなわち、レンズ部2に沿う形状のレンズ部形成凹部25aを有するものとなる。
【0069】
図8(c)および図8(d)に示すように、マイクロレンズアレイ1から光透過性層25を剥離する。
図8(e)に示すように、第1の光透過性層25と、基材17との間に、未硬化の第2の光透過性層前駆体を供給し、これを紫外線照射などにより硬化させて第2の光透過性層27とする。
第2の光透過性層27は、第1の光透過性層25に沿う形状となる。すなわち、レンズ部形成凹部25aに沿う形状の凸状のレンズ部27aを有するものとなる。
以上の工程によって、レンズ部2と同じ形状のレンズ部27aを有する第2の光透過性層27と基材17とからなるマイクロレンズアレイ28上に、第1の光透過性層25と補強板26とを有する光学基板29を得る。
【0070】
本実施形態の製造方法では、マイクロレンズアレイ1の形状が転写された第1の光透過性層25を形成する転写工程を有するので、マイクロレンズアレイ1に沿う形状のマイクロレンズアレイ28を容易に複製することができる。
従って、製造効率を高めるとともに、製造コストを削減することができる。
【0071】
(光学装置)
図9は、本発明の光学装置の第1の実施形態である表示装置を示す図である。この表示装置は、マイクロレンズアレイを使用した液晶プロジェクタであり、この液晶プロジェクタ30は、光源としてのランプ31と、ライトバルブ32とを有する。
ライトバルブ32は、ブラックマトリクスである遮光膜33が形成された光透過性基板34と、光透過性層35と、図1に示す構成のマイクロレンズアレイ1とを有する光学基板36を備えている。
この液晶プロジェクタ30では、ランプ31から照射された光が、各画素ごとにマイクロレンズアレイ1のレンズ部2で集光する。
レンズ部2は、入射する平行光線51を収束点52にほぼ収束させることができる形状とされているので、高い集光効率を得ることができ、表示画面の明るさなどの表示特性を向上させることができる。
【0072】
図10は、本発明の光学装置の第2の実施形態である撮像装置を示す図である。
この撮像装置40は、ブラックマトリクスである遮光膜41が形成された光透過性基板42と、光透過性層43と、図1に示す構成のマイクロレンズアレイ1とを有する光学基板44を備えた撮像素子45を有する。
撮像素子45が2次元イメージセンサである場合には、画素ごとに受光部(例えばフォトダイオード)46が設けられる。
撮像素子45がCCD(Charge Coupled Device)型のものである場合には、各画素の受光部46からの電荷を高速で転送する転送部47が設けられる。
符号48はカラーフィルタであり、符号49は、対応しない画素からの光が受光部46に入射するのを防ぐ遮光膜である。
この撮像装置40では、入射光が、各画素ごとにマイクロレンズアレイ1のレンズ部2で集光する。
レンズ部2は、入射する平行光線51を収束点52にほぼ収束させることができる形状とされているので、高い集光効率を得ることができる。
従って、明るさの点で優れた撮像を得ることができる。
【0073】
【発明の効果】
本発明のマイクロレンズアレイの製造方法は、レンズ部を、中央部から周辺部に向けて外面の曲率半径が徐々に大きく、レンズ部に入射する平行光線を収束点にほぼ収束させることができる形状とするので、マイクロレンズアレイの集光効率を高めることができる。
従って、液晶プロジェクタなどの表示装置などに適用したときに、優れた表示特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のマイクロレンズアレイの一実施形態を示す概略構成図であり、(a)は全体図、(b)は要部拡大図である。
【図2】 本発明の製造方法の第1の実施形態を示す工程図である。
【図3】 エッチング時の選択比の影響を示す模式図である。
【図4】 本発明の製造方法の第2の実施形態を示す工程図である。
【図5】 本発明の製造方法の第3の実施形態を示す工程図である。
【図6】 本発明の製造方法の第4の実施形態を示す工程図である。
【図7】 本発明の製造方法の第5の実施形態を示す工程図である。
【図8】 本発明の製造方法の第6の実施形態を示す工程図である。
【図9】 本発明の光学装置の第1の実施形態を示す概略構成図である。
【図10】 本発明の光学装置の第2の実施形態を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1、21、28 マイクロレンズアレイ
2 レンズ部
2a 中央部
2b 周辺部
3 基材
4 第1レジスト層
5 第2レジスト層
8 自己組織化単分子層
10 テーパ状凹部
12 隅部
13 周辺部
15 原盤
18 25 第1の光透過性層
31 ランプ(光源)
45 撮像素子
51 平行光線
52 収束点

Claims (9)

  1. 複数のレンズ部を有するマイクロレンズアレイを製造する方法であって、基材上にレジスト層を形成するレジスト層形成工程と、少なくともレジスト層が形成されていない部分の基材に、溶融レジストに対する濡れ性を高める表面処理を行う表面処理工程と、レジスト層を加熱し溶融させて再形成させるリフロー工程とを有し、レンズ部を、中央部から周辺部に向けて外面の曲率半径が徐々に大きくなり、レンズ部に入射する平行光線を収束点にほぼ収束させることができる形状とすることを特徴とするマイクロレンズアレイの製造方法。
  2. 表面処理工程において、少なくともレジスト層が形成されていない部分の基材表面に、自己組織化単分子層を形成することによって、この基材表面の濡れ性を高めることを特徴とする請求項記載のマイクロレンズアレイの製造方法。
  3. 複数のレンズ部を有するマイクロレンズアレイを製造する方法であって、基材上にレジスト層を形成するレジスト層形成工程と、レジスト層を加熱し溶融させて再形成させるリフロー工程と、レジスト層下部と基材との間の隅部に周辺部前駆体を供給することによって、この隅部に周辺部を形成してレンズ部を得る周辺部形成工程とを有し、レンズ部を、中央部から周辺部に向けて外面の曲率半径が徐々に大きくなり、レンズ部に入射する平行光線を収束点にほぼ収束させることができる形状とすることを特徴とするマイクロレンズアレイの製造方法。
  4. 請求項1〜のうちいずれか1項記載の製造方法によって製造されたマイクロレンズアレイに原盤前駆体を供給することによって、前記マイクロレンズアレイの形状が転写された原盤を作製する原盤作製工程と、原盤に光透過性層前駆体を供給することによって、原盤の形状が転写された光透過性層を形成する転写工程とを有することを特徴とするマイクロレンズアレイの製造方法。
  5. 請求項1〜のうちいずれか1項記載の製造方法によって製造されたマイクロレンズアレイに光透過性層前駆体を供給することによって、前記マイクロレンズアレイの形状が転写された光透過性層を形成する転写工程を有することを特徴とするマイクロレンズアレイの製造方法。
  6. 請求項1〜のうちいずれか1項記載の製造方法によって製造されたものであることを特徴とするマイクロレンズアレイ。
  7. 請求項記載のマイクロレンズアレイを有する光学装置。
  8. 請求項記載の光学装置において、マイクロレンズアレイに向けて光を照射する光源を有することを特徴とする光学装置。
  9. 請求項記載の光学装置において、マイクロレンズアレイによって集光した光が入射する撮像素子を有することを特徴とする光学装置。
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