JP4160639B2 - 改造セルロース繊維とこれら繊維を含有する繊維ウェブ - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、アメリカ合衆国仮出願第60/049,457号(1997年6月12日出願)の法的効果を主張する。
発明の分野
本発明は、使い捨て製品(例えばペーパー・タオル、化粧用ティシュ、手洗い用ティシュなど)に有用な繊維構造物に関する。これらの繊維構造物は、湿潤/乾燥引張強さを損なうことなく改善された手触り/柔らかさを提供する。
発明の背景
セルロース繊維構造物(例えば紙)は当該技術分野で周知である。そのような繊維構造物は、今日ペーパー・タオル、手洗い用ティシュ、化粧用ティシュなどに一般的に用いられている。消費者の要求を満たすために、これら繊維構造物はいくつかの競合する問題のバランスをとらねばならない。例えば、繊維構造物は十分な引張強さをもち、通常的な使用に際してまたは比較的小さな張力がかかったときに裂けたり破れたりするのを防がなければならない。セルロース繊維構造物はまた、当該構造物によって液体を迅速に吸収し、それを完全に保持することができるように吸収性をもたねばならない。セルロース繊維構造物は、また、感触が心地好く使用時にざらざらしないように十分な柔らかさを有する必要がある。このような競合する問題をもちながら、当該繊維構造物は製造および販売によって利潤を得ることができ、しかも消費者がなお購買することができるような経済性をもたなければならない。
前述の特性の1つである引張強さは、繊維構造物が使用中にその物理的一体性を保持する能力である。ページ(D.H.Page,“紙の引張強さに関する理論(A Theory for the Tensile Strength)”,TAPPI,674-82:52(4),1969)が考察したように、引張強さは2つの主要な因子によって制御される。すなわち、繊維のゼロ・スパン引張強さおよび繊維対繊維結合である(これらは、例えば繊維シアー強度、相対的結合面積、繊維の長さ、繊維の断面積、および繊維横断面の平均円周によって影響される)。ティシュやタオル製品などの場合、繊維のゼロ・スパン引張強さは一般に、シートの全体的な引張強さの少なくとも10倍のオーダーである。このことは、結局、繊維対繊維(すなわち繊維間)結合に影響を与える因子はウェブの引張強さを制御し、製品の全体的な強さに悪影響を及ぼすことなく繊維のゼロ・スパン引張強さ(すなわち繊維内引張強さ)を減少できることを示している。
柔らかさとは、繊維構造物が特に望ましい感触を使用者の肌に付与する能力である。一般に、柔らかさは、繊維構造物面に対して垂直方向での変形に抵抗する当該構造物の能力と反比例する。柔らかさは、嵩、表面構造(クレープ頻度、種々の領域のサイズ、および平滑度)、スティック−スリップ表面摩擦係数、および曲げこわさまたはドレープ(また手触りとも呼ばれる)によって影響される。これらの特性の1つまたは2つ以上が、繊維の可撓性、繊維の形態、結合密度、非固定性繊維長によって影響を受ける。
驚くべきことではないが、繊維性基礎体の(湿潤および/または乾燥)引張強さを強化するために多くの努力が費やされた(特許文献はこの努力を映し出している)。従来技術における引張強さを高める手段の例は、湿潤強さ向上(以下湿潤強力とも称する。)および乾燥強さ向上(以下乾燥強力とも称する。)化学物質、バインダー繊維(例えば二成分繊維)、ラテックスバインダーなどの添加である。同様に、手触りまたは柔らかさが改善された基礎体を提供するために多大な努力が費やされた。そのような例には、化学柔軟剤、表面改善剤、結合抑制(以下脱結合とも称する。)剤などの添加が含まれる。他の例には機械処理がある(例えばクレープ加工、クルパック(Clupak)(登録商標)、ミクレックス(Micrex)(登録商標)など)。
繊維性基材(以下基礎体とも称する。)の強度(典型的には湿潤および/または乾燥引張強さによって測定される)および当該基礎体の柔らかさは少なくともある程度は依存関係にあるということは一般に受け入れられている。すなわち、基礎体の柔らかさを強化しようとする努力は基礎体の強度の低下をもたらすであろう。実際、基礎体の柔らかさを改善しようとする従来の多くの試みは、化学的および/または機械的処理(例えばクレープ加工)による繊維対繊維結合の改善(減少)を目的としていた。柔らかさの諸利点が達成されたとき、繊維間結合の低下が基礎体の引張強さの低下をもたらし製品のリンティングを増す。したがって、基礎体の柔らかさと強度との間の関係を断ち切る手段がなお必要とされている。特に、ウェブの強度を犠牲にすることなく手触りが改善された繊維性製品が必要とされている。
したがって、本発明の目的は、顕著な悪影響を強度に与えることなく改善された柔らかさをもつ、セルロースをベースにした繊維を含む繊維ウェブである。これは、ウェブの繊維間結合(すなわち繊維間強度)レベルを減少させることと全く異なり、ゼロ・スパン引張強さを減少させた(すなわち繊維内強度を減少させた)改質(以下改造とも称する。)セルロース繊維を用いてウェブを製造することによって達成される。より具体的には、出願人らは、繊維の乾燥ゼロ・スパン引張強さの適度な減少によって、可撓性の改善(単位乾燥引張強さ当たりの曲げモジュールの減少について測定した場合)を示す繊維構造物が提供されることを見出した。乾燥ゼロ・スパン引張強さの減少が常に構造の可撓性改善を提供するとは限らないが、そのような減少は本発明のより可撓性を有する構造を得るために必要であると考えられる。
本発明のまた別の目的は、上記の改造セルロース繊維とともに当該改造セルロース繊維を得る方法を提供することである。
発明の要旨
本発明の特徴の1つは、乾燥ゼロ・スパン引張インデックスが、対応する非改造セルロース繊維の乾燥ゼロ・スパン引張(以下ではまた“DZST”と称する)インデックスより少なくとも約35%低い改造セルロース繊維に関する。
本発明の別の特徴は約0.4g/ccより小さな密度を有する繊維構造物に関し、当該繊維構造物は、対応する非改造セルロース繊維の乾燥ゼロ・スパン引張インデックスより少なくとも約15%低い改造セルロース繊維を含み、さらに、当該繊維構造物は、対応する非改造繊維で製造した繊維構造物の曲げモジュール/単位乾燥引張より少なくとも約30%低い曲げモジュール/単位乾燥引張を有する。好ましくは、そのような繊維構造物を形成する改造繊維は、これら改造繊維のみからなる手すき紙を製造した場合、対応する非改造繊維で製造した手すき紙の乾燥引張(以下ではまた“DT”と称する)インデックスと少なくとも同じ乾燥引張インデックスを有するであろう。
乾燥引張インデックス、乾燥ゼロ・スパン引張インデックスおよび曲げモジュール/単位乾燥引張という用語、およびこれらのパラメーターを測定する方法は下記で詳細に述べる。簡単に記せば、繊維ウェブの乾燥引張インデックスは当該合成物の強度と一致する。対照的に、乾燥ゼロ・スパン引張インデックスは、繊維性基礎体について測定されるが、当該乾燥ウェブを構成する個々の繊維の固有の強度の相対的測定値である。湿潤ゼロ・スパン引張は一般に固有の繊維強度の測定値と見做されているが、出願人らは、乾燥ゼロ・スパン引張値は相対的繊維およびウェブ可撓性を、したがってこれらの繊維で構成された基礎体の柔軟性を予想するためにより役立つと考える。曲げモジュール/単位乾燥引張は、問題の繊維構造物の単位キャリパーおよび単位引張当たりの固さの測定値である。
上記で考察したように、ウェブの柔らかさを改善しようとする従来の試みは、繊維対繊維結合の低下のために典型的にはウェブの引張強さの低下を生じた。対照的に、本発明の繊維構造物は、乾燥ウェブを形成する場合本質的に可撓性と柔らかさを生じるために十分に脆弱であるが、繊維間結合レベルは維持して同等またはより高い全体的ウェブ引張強さを提供する繊維を含んでいる。
本発明のまた別の特徴は改造セルロース繊維を製造する方法に関する。本方法は、1つまたは2つ以上のセルラーゼ酵素およびセルロース繊維を混合し、当該混合物を十分な時間反応させ、対応する未改造繊維の乾燥ゼロ・スパンと較べて少なくとも約15%まで繊維の乾燥ゼロ・スパンを減少させることを含む。好ましい実施態様の1つでは、脱結合剤または化学柔軟剤が本改造繊維の加工に用いられる。
発明の詳細な説明
I.定義
本明細書で用いられるように、“乾燥引張インデックス”という用語は、サンプルの坪量(単位面積当たりのサンプル重量)で割った繊維構造物の引張強さを意味する。引張強さは検査方法の項で述べるように電子式引張テスターを用いてタピー(TAPPI)標準T220om−88およびT494om−88にしたがって測定される。
本明細書で用いられるように、“乾燥ゼロ・スパン引張インデックス”という用語は、繊維構造物を形作る個々の乾燥繊維の引張強さをサンプルの坪量(単位面積当たりのサンプル重量)で割ったものを意味し、検査方法の項で述べるように電子式/圧縮空気型組み合わせ引張テスターを用いて測定される。ゼロ・スパン引張インデックスの測定では検査サンプルとして繊維性基礎体が用いられるが、得られた引張インデックスは繊維の固有強度の相対的測定値であることは容認されている。乾燥引張強さの検査ではテスターの押さえ部の間の間隙が約10.16cm(4インチ)であるのに対して、引張インデックスは、テスターの押さえ部間の間隙を本質的にゼロにすることによって得られる。
本明細書で用いられるように、“湿潤ゼロ・スパン引張インデックス”という用語は繊維構造物を形作る湿潤繊維の固有強度を指し、検査方法の項で述べるように電子式/圧縮空気型組み合わせ引張テスターを用いて測定される。
本明細書で用いられるように、“曲げモジュール/単位乾燥引張比”という用語は、検査方法の項で述べるように単位引張当たりの繊維構造物の曲げこわさ(以下固さとも称する。)を指す。
曲げモジュール/単位乾燥引張と同様に、乾燥および湿潤ゼロ・スパン引張インデックス測定は、検査方法の項での説明にしたがって製造した低密度手すき紙で実施する。
本明細書で用いられるように、“改造繊維”という用語は、乾燥ゼロ・スパン引張インデックスが出発繊維と比較して表示の百分率まで(例えば少なくとも15%、少なくとも35%など)減少するように本発明にしたがって改造した繊維を指す。本明細書で用いられるように、“非改造繊維”という用語は、一般に工場で実施される1つまたは2つ以上の操作(例えばパルプ化、漂白、リファイニング、フロトパルピングなど)を通して加工されているが、本明細書で教示した改造を施されなかった繊維を指す。
本明細書で用いられるように、“軟木”という用語は針葉樹由来の木材を意味する。
II.改造繊維および繊維構造物
本発明の特徴の1つは改造セルロース繊維に関し、当該繊維は、対応する非改造セルロース繊維の乾燥ゼロ・スパン引張インデックスより少なくとも約35%低い、好ましくは少なくとも約40%低い、さらに好ましくは少なくとも約45%低い、さらに好ましくは少なくとも約50%低い、さらに好ましくは少なくとも約55%低い乾燥ゼロ・スパン引張インデックスを有する。典型的には、改造繊維のDZSTインデックスは、対応する非改造繊維のDZSTより約35から65%低下している。本発明の別の特徴は、対応する非改造セルロース繊維の湿潤ゼロ・スパン引張インデックスより少なくとも約70%低い、好ましくは約75%低い湿潤ゼロ・スパン引張(以下ではまた“WZST”と称される)インデックスを有する改造セルロース繊維に関する。本発明のまた別の特徴は、乾燥ゼロ・スパン引張インデックス対湿潤ゼロ・スパン引張インデックスの比が約1.5から約3、典型的には約1.7から約3、より典型的には約2から約3である改造セルロース繊維に関する。本発明のさらに別の特徴は、約0.4g/ccより小さい、好ましくは約0.04g/ccから約0.4g/cc、より好ましくは約0.05g/ccから約0.3g/ccの密度を有する繊維構造物に関し、当該構造物は、対応する非改造繊維の乾燥ゼロ・スパン引張インデックスより少なくとも約15%低い乾燥ゼロ・スパン引張インデックスを有する改造セルロース繊維を含み、さらに当該繊維構造物は、対応する未改造繊維で製造された繊維構造物の曲げモジュール/単位乾燥引張より少なくとも約30%低い、好ましくは少なくとも約35%低い、より好ましくは少なくとも約40%低い曲げモジュール/単位乾燥引張を有する。本発明の目的のためには、密度は乾燥繊維構造物で測定し、さらに当該構造物の厚さまたはキャリパーで割った当該構造物の風乾坪量として算出する。風乾坪量およびキャリパーは条件付けした部屋(温度は22.8℃±2.2℃(73°F±4°F)、相対湿度は50%±10%)で測定する。構造物のキャリパーは、タピー検査法T411om−89にしたがうがキャリパー・テスターの検査台が1379Pa(0.2psi)の圧を示す修正を加えて測定する。好ましくは、この繊維構造物は、対応する非改造セルロース繊維の乾燥ゼロ・スパン引張インデックスより少なくとも約20%低い、より好ましくは少なくとも約25%低い、さらに好ましくは少なくとも約30%低い、さらに好ましくは少なくとも約35%低い乾燥ゼロ・スパン引張インデックスを有する改造セルロース繊維を含む。
本明細書に記載されている密度範囲は、繊維構造物の最終形態(すなわち一切のバインダー、紙力向上剤(以下強力剤とも称する。)、添加物、柔軟剤、表面改造剤の、結合抑制剤、他に機械処理(例えば湿潤および乾燥クレープ加工、湿潤および乾燥微小縮小など)を含む)における密度を指すことは理解されよう。対照的に、ゼロ・スパン引張インデックス、乾燥引張インデックス、および曲げモジュール/単位乾燥引張の測定は全て、下記の検査方法の項で述べるように、繊維(改造または非改造)のみを含む低密度手すき紙で実施される。
繊維構造物に関しては、改造繊維が繊維のみを含む(すなわち添加剤などを含まない)手すき紙に形成される場合は、そのような構造物は、好ましくは対応する非改造繊維で製造される手すき紙の乾燥引張(以下ではまた“DT”と称される)インデックスと少なくとも同じ大きさの乾燥引張インデックスをもつ改造繊維を含む。本明細書で用いられるように、“少なくとも同じ大きさ”という用語は、改造繊維を含む手すき紙が、非改造繊維で製造された同様な(密度、坪量などとの関係で)手すき紙の乾燥引張インデックスの少なくとも約90%の乾燥引張インデックスを有することを意味する。より好ましくは、改造繊維で形成された手すき紙が、対応する非改造繊維で製造された手すき紙より大きい乾燥引張インデックスを有する場合で、例えば乾燥引張インデックスに関して少なくとも約5%、より好ましくは少なくとも約15%大きい場合である。
出願人らは、繊維の乾燥ゼロ・スパン引張の適度な減少によって、改善された可撓性(“曲げモジュール/単位乾燥引張の減少に関して測定したとき)および柔らかさを示す繊維構造物が提供されることを見出した。乾燥ゼロ・スパン減少の低下は構造の可撓性改善を常に提供するとは限らないが、そのような減少は本発明のより可撓性を有する構造物を得るために必要であると考えられる。特に、出願人らは、繊維の酵素処理によって可撓性の増加をもたらす繊維形態が提供されることを見出した。理論に拘束されることは望まないが、この繊維の可撓性の増加は乾燥ゼロ・スパン引張値の低下と関連する。さらに、改造繊維が互いに結合する能力は顕著には低下しなかったので、これらの繊維で形成されたウェブの引張強さは予想される程には悪影響を受けない。実際、出願人らは、ウェブ引張強さは対応する未処理繊維で形成されたウェブと較べて実際増加することを見出した。したがって、本発明の好ましい実施態様では、上記で考察した乾燥ゼロ・スパン引張および曲げモジュール特性の他に、これら改造繊維で製造された繊維性基礎体は、対応する未処理繊維で形成されたウェブの乾燥引張インデックスよりもほぼ同じかまたは大きい乾燥引張インデックスを有するであろう。
A.改造用繊維
多様な天然の繊維を、それらが酵素活性に感受性を有するかぎり本発明に利用できる。針葉樹(以下軟木とも称する。)広葉樹(以下硬木とも称する。)、綿または綿リンター由来の蒸解されたセルロース繊維を用いることができる。エスパルト草、バガス、大麻、亜麻並びに他の木質性およびセルロース性繊維供給源もまた本発明の原料として用いることができる。出発繊維の最適な供給源は、想定される個々の最終用途に左右されるであろう。一般には木材パルプが用いられるであろう。本明細書で有用な木材パルプには亜硫酸パルプおよび硫酸パルプの両パルプとともに、機械、熱機械、および化学熱機械パルプが含まれ、これらは未使用またはリサイクル繊維源に由来する。これらは全て抄紙分野の業者にはよく知られている。好ましい木材パルプには化学パルプが含まれるが、これらは、例えば北部(以下北方とも称する。)南部(以下南方とも称する。)および熱帯軟木クラフト(すなわち硫酸パルプ);北方、南方および熱帯硬木クラフト(ユーカリ類を含む(例えばユーカリプツス・グランディス、ユーカリプツス・サグナ、ユーカリプツス・ウロフィリア、ユーカリプツス・グロブラス));亜硫酸パルプ(北方、南方および熱帯硬木並びに軟木を含む)などである。完全漂白、部分漂白および無漂白繊維を用いることができる。漂白パルプを使用することがその優れた白さと消費者に好感をもたすためにしばしば所望されるであろう。本発明でさらに有用なものはリサイクル紙に由来する繊維で、これらは上記の分類のいずれかまたは全てを含むとともに、他の非繊維性物質、例えば填料および本来の抄紙を促進するために用いられる接着剤を含有する。
本発明の改造繊維で形成される紙製品はまた、非セルロース繊維性物質(例えばガラス繊維および合成ポリマー繊維)を含むことができる。本明細書で有用な合成ポリマー繊維にはポリオレフィン、特にポリエチレン、ポリプロピレンおよび少なくとも1つのオレフィン構成成分を有するコポリマーが含まれる。他の物質、例えばポリエステル、ナイロン、そのコポリマーおよび前述のいずれかの組み合わせもまた繊維性ポリマー物質として適切であろう。前述の繊維の混合物を用いてもよい。
B.酵素
本明細書の解釈に際して、周知のセルラーゼ酵素および/またはセルラーゼ酵素調製物(これは他の酵素(例えばヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、アミラーゼなど)を含んでいてもよい)のいずれも本発明の実施に用いられることは理解されよう。セルラーゼのうちで、いくつかのエンドグルカナーゼおよびエキソグルカナーゼが知られており、本発明にしたがって別々にまたは組み合わせて用いることができる。これらの酵素は、パルプ処理工程でよく用いられている条件(特にpHおよび温度)で活性を有しさらに安定であるべきである。適切な酵素の代表例は、表Aおよび表Bに挙げた微生物に由来するものである。
表A:セルラーゼ産生真菌の例
アガリクス・ビスポルス(Agaricus bisporus)
アスコボウルス・フルフラシウス(Ascoboulus furfuraceus)
アスペルギウス・アクレアツス(Aspergillus aculeatus)、A・フミガツス(A.fumigatus)、A・ニゲル(A.niger)、A・ホエニシス(A.phoenicis)、A・テレウス(A.terreus)、およびA・ウェンティ(A.wentii)
ボツリオジプロイダ・テオブロメ(Botryodiploida theobromae)
ケトミウム・セルロリトリクム(Chaetomium cellulolytlicum)、C・グロボスム(C.globosum)、およびC・テルモフィレ(C.thermophile)
クリソスポリウム・リグノルム(Chrysosporium lignorum)
クラドスポリウム・クラドスポリオイデス(Cladosporium cladosporioides)
コリオルス・ベルシコラ(Coriolus versicolor)
ジコミツス・スクオレンス(Dichomitus squalens)
オイペニシリウム・ジャバニクム(Eupenicillium javanicum)
ホーメス・ファメンタリウム(Fomes famentarium)
フサリウム・モニリフォルメ(Fusarium moniliforme)、F・ソラニ(F.solani)、およびフサリウム亜種
フミコラ・グリセア(Humicola grisea)、およびH・インソレンス(H.insolens)
ヒポカプラ・メルダリア(Hypocapra merdaria)
イルペクス・ラクテウス(Irpex lacteus)
レンツィテス・トラベア(Lenzites trabea)
ミセロフトラ・テルモフィラ(Mycellophtora thermophila)
ミリオコッカム・アルボミセス(Myriococcum albomyces)
ミロテシウム・ベルカーラ(Myrothecium verrucarla)
ネオカリマスチクス・フロンタリス(Neocallimastix frontalis)
ノイロスポーラ・クラッサ(Neurospora crassa)
ペシロミセス・フシスポルス(Paecilomyces fusisporus)、およびP・バリオトリ(P.variotly)
パプラスポーラ・テルモフィリア(Papulaspora thermophilia)
ペリクラリア・フフィラメントーサ(Pellicularia filamentosa)
ペニシリウム・クリソゲヌム(Penicillium chrysogenum)、P・シトリオビリデ(P.citrioviride)、P・フニコロスム(P.funicolosum)、P・ノタツム(P.notatum)、P・ピノフィリウム(P.pinophilium)、P・バリアビレ(P.variabile)、およびP・ベルクロスム(P.verruculosum)
ペスタロチオプシス・ベルシコラ(Pestalotiopsis versicolor)
ファネロケーテ・クリソポリウム(Phanerochaete chrysosporium)
フィアロフォラ・マロルム(Phialophora malorum)
フォーマ・ヒベルニカ(Phoma hibernica)
フィサルム・ポリセファルム(Physarum polycephalum)
プロイロツス・オストレアツス(Pleurotus ostreatus)、およびP・サジャ−カジュ(P.sajor-caju)
ポドスポラ・デシプレンス(Podospora deciplens)
ポリプルス・シュバイニチル(Polyporus schweinitzil)、およびP・ベルシコラ(P.versicolor)
ポリア・プラセンタ(Poria placenta)
ポロニア・プンクタータ(Poronia punctata)
ピリクラリア・オルジザエ(Pyricularia orzyzae)
サッコボルス・トランクタツス(Saccoboklus trunctatus)
シゾフィルム・コムーン(Schizophyllum commune)
スクレロチニア・リベルチアーナ(Sclerotinia libertiana)
スクレロチウム・ロルフシイ(Sclerotium rolfsii)
シアリジウム・リグニコラ(Scytalidium lignicola)
ソルダリア・フィミコラ(Sordaria fimicola)
スポロトリクム・プルベルレンツム(Sporotrichum pulverulentum)およびS・テルモフィレ(S.thermophile)
ステレウム・サンギノレンツム(Stereum sanguinolentum)
タラロミセス・エメルソニー(Talaromyces emersonii)
テルモアスクス・アウランチアクス(Thermoascus aurantiacus)
トラウシオテカ・クラバータ(Thrausiotheca clavata)
トルーラ・テルモフィレ(Torula thermophile)
トリコデルマ・コニンギイ(Trichoderma koningii)、T・シュードコニンギイ(T.pseudokoningii)、およびT・レーセイ(T.reesei)
トリクルス・スピラリス(Trichurus spiralis)
ベルチシリウム・アルボ−アトルム(Verticillium albo-atrum)
ボルバリエラ・ボルバセア(Volvariella volvacea)
表B:セルラーゼ産生菌の例 1
セルロモナス・フラビゲナ(Cellulomonas flavigena)、C・ビアゾテア(C.biazotea)、C・セラセア(C.cellasea)、C・フィミ(C.fimi)、C・ゲリダ(C.gelida)、C・クルタエ(C.curtae)、C・ウダ(C.uda)、およびC・ツルバタ(C.turbata)
ブレビス菌(Bacillus brevis)、B・フィルムス(B.firmus)、B・リシェンフォルミス(B.lichenformis)、B・プミルス(B.pumilus)、枯草菌(B.subtilis)、B・ポリミキサ(B.polymyxa)、セレウス菌(B.cereus)
セラータ・マルセッセンス(Serrata marcescens)
‘シュードモナス・フルオレセンス変種セルローサ(Pseudomonas fluorescensvar.cellulosa’
‘セルビブリオ・ビリドゥス(Cellvibrio viridus)、C・フラベセンス(C.flavescens)、C・オクラセウス(C.ochraceus)、C・フルブス(C.fulvus)、C・ブルガリス(C.vulgaris)、およびC・ギルブス(C.gilvus)’
キトファーガ・ハッチンソニイ(Cytophaga hutchinsonii)、C・オーランチアカ(C.ayrantiaca)、C・ルブラ(C.rubra)、C・テヌルシマ(C.tenulssima)、C・ウィノグラドスキイ(C.winogradskii)、C・クルツェミエンレウスコエ(C.krzemienlewskoe)
ヘルペトシホン・ゲイセリコルス(Herpetosiphon geysericolus)
スプロルキトファーガ・ミクソコッコイデス(Sprorcytophaga myxococcoides)
ストレプトミセス・フラボグリセウス(Streptomyces flavogriseus)
‘テルモアクチノミセス種(Thermoactinomyces sp.)’
テルモモノスポーラ・クルバタ(Thermomonospora curvata)
1:プライム符号内の細菌の分類は理論的根拠をもたない。
上記の真菌および細菌は単に例として提示されている。今日のところ、フミコーラ(例えばH.insolens)およびトリコデルマ(例えばT.reesei)の株である微生物が、本明細書で有用な酵素の産生に特に適切であると考えられるが、本発明の範囲は上記の微生物の使用に限定されない。本発明に適した他の酵素産生微生物が既に存在するか、または突然変異と選別または遺伝子工学の方法を用いて今後開発される可能性は極めて高い。さらに、現存する微生物の酵素産生能を遺伝子工学によってさらに高めることも可能であろう。
本明細書で有用な好ましいセルラーゼ酵素はセルクラスト(登録商標)で、ノボ・ノルディスク社(Novo Nordisk A/S,Bagsvaerd,デンマーク)のバイオインダストリー・グループの酵素処理部門(Enzyme Process Division,Bioindustrial Group)によって販売されている。セルクラスト(登録商標)は真菌のトリコデルマ・レーセイ(Trichoderma reesei)から得られる。セルクラスト(登録商標)1.5Lは、1500NCU/gの活性を有する液状セルラーゼ調製物である。この活性はノボ・セルラーゼ単位(または“NCU”)を基に決定される。1NCUは、40℃、pH4.8および反応時間20分の標準条件で1×10-6mol/分に相当する還元力でカルボキシメチルセルロースを還元炭水化物に分解する酵素の量である。活性測定に関するさらに詳細な記述は、ノボ・ノルディスク分析方法No.AF187.2(ノボ・ノルディスクから入手可能)に概略されている。
本明細書で有用なまた別の好ましいセルラーゼはセルザイム(登録商標)で、ノボ・ノルディスク社(Novo Nordisk A/S,Bagsvaerd,デンマーク)のバイオインダストリー・グループの酵素処理部門(Enzyme Process Division,Bioindustrial Group)によって販売されている。セルザイム(登録商標)は、約700CEVU/gの酵素活性を有する顆粒状セルラーゼ調製物で、フミコーラ・インソレンス(Humicola insolens)から得られる。この活性は、PCT国際特許公開No.WO91/17243号公報(Rasmussenら、1991年11月14日公開、この文献は参照により本明細書に含まれる)およびノボ・ノルディスク分析方法No.AF187.2(ノボ・ノルディスクから入手可能)に概略された特定の条件下でセルラーゼ濃度単位(CEVU)を基に決定される。
本明細書で有用なまた別の好ましいセルラーゼ調製物はペルゴラーゼ(登録商標)で、チバ(Ciba,ノースカロライナ州、グリーンスボロ)から販売されている。用いられるペルゴラーゼ(登録商標)A40は液状セルラーゼで、ローリー法で測定したとき約140g/Lの活性蛋白濃度を有し、トリコデルマ・レーセイから得られる。ペルゴラーゼ(登録商標)A40はエンドセルラーゼ、エキソセルラーゼ、キシラナーゼおよびマンナナーゼの混合物である。
さらにまた経済的理由から選択される好ましいセルラーゼは、ノボ・ノルディスク社(Novo Nordisk A/S)からケアザイムの商標名で販売されている製品である。ケアザイム(登録商標)5.0Lは約5000CEVU/gの酵素活性を有する液状セルラーゼ調製物である。この活性は、PCT国際特許公開No.WO91/17243号公報(Rasmussenら、1991年11月14日公開)およびノボ・ノルディスク分析方法No.AF187.2に概略された特定の条件下でセルラーゼ濃度単位(CEVU)を基に決定される。ケアザイム(登録商標)は、主にファミリー45エンドグルカナーゼ、EGV(分子量約43000kD)またはその類似体で構成され、WO91/17243号公報に記載されたようにフミコーラ・インソレンス(Humicola insolens)から得られる。ケアザイム(登録商標)で見いだされるファミリー45エンドグルカナーゼはまた、PCT国際特許公開No.WO94/07998号公報(M.Schuleinら、1994年4月14日公開、この文献は参照により本明細書に含まれる)に記載され、本発明の繊維の改造に有用であると考えられる。本明細書で用いられるように、“ファミリー45”酵素はヘンリサットら(Henrissatら、Biochem.J.,781-788:293(1993)、この文献は参照により本明細書に含まれる)が記載した酵素である。
ケアザイム(登録商標)で見いだされるエンドグルカナーゼは結晶質セルロースは顕著には分解しないが、非晶質セルロースを主にセロビオース、セロトリオースおよびセロテトラオースに分解することが一般に容認されている。他方、セルクラスト(登録商標)、セルザイム(登録商標)およびペルゴラーゼ(登録商標)はエンドグルカナーゼ、エキソグルカナーゼおよび/またはヘミセルラーゼの混合物である。下記実施例で示すように、乾燥ゼロ・スパン引張の相当な低下が全ての酵素調製物で認められるが、これは、広範囲のエキソ/エンドセルロース分解活性を本発明の乾燥ゼロ・スパン引張の低下に用いることができることを示唆している。
繊維への酵素添加は単離した酵素調製物によって惹起させてもよいことは当業者には理解されよう。また別には、セルラーゼまたはセルロース分解酵素を含有するかまたは産生する微生物を改造用繊維に直接混合してもよい。
C.改造繊維および対応する繊維構造物の調製
i.改造繊維
一般に、本発明の改造繊維を得る繊維の酵素処理は、セルラーゼ含有酵素調製物を水性繊維スラリーに加え、繊維形態を酵素作用によって改造させるために十分な時間当該混合物を攪拌することによって達成される。繊維および酵素調製物を混合した後、好ましくは(必ずしも必要ではないが)脱結合物質または化学柔軟剤(本明細書で包括的に“結合抑制剤(以下脱結合剤とも称する。)”と称する)と混合する。これは、酵素作用によって得られる繊維の形態改造を維持すると考えられている。所望の最終用途(例えばペーパー・タオル、化粧用および手洗い用テッシュなど)に適した特性を有する繊維構造物を得るためには、改造処理中に繊維の長さが顕著な程度まで減少しないことが好ましい。
繊維の処理条件は、例えば処理される繊維の性質、用いられる酵素などにしたがって変動することは当業者には理解されよう。したがって、以下の記述は用いられる個々の物質にしたがって改変させることができる。
一般に、所望の繊維を含む分解されるパルプは、酵素と混合する前に水で希釈して繊維スラリーにする。このスラリーは好ましくは少なくとも約0.5%、より好ましくは少なくとも約1%、さらに好ましくは少なくとも約2%のパルプ濃度を有する。本明細書で用いられるように、“パルプ濃度”とは、スラリーの全質量で割った乾燥繊維質量である。好ましくは、スラリーのパルプ濃度は、酵素とスラリーの混合を促進させるために約40%より高くはないであろう。もちろん、より高い濃度のパルプも本発明の実施に用いてもよい。一般に、酵素溶液はまた繊維に混合する前に別個に調製される。酵素溶液の濃度は広範囲に変動し、用いられる酵素の相対活性、処理される繊維、所望される乾燥ゼロ・スパン引張の低下、反応の時間と温度および他の関連条件によって決定されるであろう。
必要ならば用いる酵素について適切なレベルに繊維性スラリー/酵素混合物のpHを調節する。pHの調節が必要な場合には、調節は酵素と繊維性スラリーの混合前、混合中または混合後に実施できる。得られた混合物のpHは、種々の緩衝液または種々の酸もしくは塩基を用いて制御できる。ケアザイム(登録商標)および/またはセルザイム(登録商標)を用いる特に好ましい実施態様では、約5から約9のpHが好ましい。他の酵素、例えばセルクラスト(登録商標)およびペルゴラーゼ(登録商標)の場合は、約4から約6のpHがより好ましいことが判明した。繊維性スラリー、酵素および任意のpH調節剤を混合した後、好ましくは攪拌しながら本発明にしたがって繊維の固有強度を低下させるために十分な時間混合物を反応させる。混合物の温度は、好ましくは約26.7℃から71℃(約80°Fから160°F)、より好ましくは約37.8℃から60℃(約100°Fから140°F)、さらに好ましくは約49.℃から60℃(約120°Fから140°F)で制御される。典型的には、混合物は少なくとも約0.25時間、より典型的には少なくとも約0.5時間、さらに典型的には少なくとも約1時間反応させる。典型的には、混合物は約4時間より短い時間、より典型的には約3時間より短い時間反応させる。
繰り返せば、処理される繊維、用いられる酵素、反応温度、反応時間、所望される乾燥ゼロ・スパン引張の減少、用いられる攪拌のタイプなどにしたがって異なる反応条件、濃度などが、所望の繊維形態を達成するために要求される。これらの変数の決定の仕方は当業者の技術水準の範囲内である。
出願人らは、有益な繊維内脆弱化は酵素の作用後に湿潤繊維で測定される(すなわち湿潤ゼロ・スパン引っ張り強度の減少)が、一方、ある量の繊維強度の減少が繊維の乾燥で失われる(すなわち乾燥ゼロ・スパン引張強度)ということを見いだした(下記表1から9を参照)。しかしながら、脱結合剤を湿潤な酵素改造繊維に加えることによって、乾燥ゼロ・スパン引張の更なる減少が酵素単独処理繊維と比べて達成できる。出願人らはまた、ある種の脱結合剤は繊維のDZSTの顕著な低下をもたらさないが、それらは繊維構造物の乾燥引張強度に悪影響を与えることなく当該構造物のフレキシビリティを改善することを見いだした。したがって、特に好ましい実施態様では、パルプ・スラリーと酵素溶液との必須の反応の後で脱結合剤を混合物に添加し、さらに典型的には少なくとも約30秒、好ましくは少なくとも約5分、より好ましくは少なくとも約30分から60分、定常的に攪拌しながら反応させる。脱結合剤が用いられる酵素の活性に干渉しないかぎり、脱結合剤は酵素と混合する前または混合中に繊維に加えることができることは理解されよう。
当該技術分野で既知の何れの脱結合剤(または柔軟剤)も好ましい実施態様で用いることができる。有用な脱結合剤の例は、第三アミンおよびその誘導体;酸化アミンオキシド;第四アミン;シリコーン性化合物;飽和および不飽和脂肪酸および脂肪酸塩;アルケニルコハク酸無水物;アルケニルコハク酸および対応するアルケニルコハク酸塩;ソルビタンモノ−、ジ−、およびトリ−エステル(ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ミリスチン酸およびベヘン酸ソルビタンエステルを含むがこれらに限定されない);微粒子化脱結合剤(例えば粘土およびケイ酸塩填料)である。有用な脱結合剤は例えば以下の文献に記載されている(これらの文献は参照により本明細書に含まれる):米国特許第3395708号明細書(Herveyら、1968年8月6日発行);米国特許第3554862号明細書(Herveyら、1971年1月12日発行);米国特許第3554863号明細書(Herveyら、1971年1月12日発行);米国特許第3775220号明細書(Freimarkら、1973年8月28日発行);米国特許第3844880号明細書(Meiselら、1974年10月29日発行);米国特許第3916058号明細書(Vossosら、1975年10月28日発行);米国特許第4028172号明細書(Mazzarellaら、1977年1月7日発行);米国特許第4069159号明細書(Hayek,1971年1月17日発行);米国特許第4144122号明細書(Emanuelssonら、1979年3月13日発行);米国特許第4158594号明細書(Beckerら、1979年1月19日発行);米国特許第4255294号明細書(Rudyら、1981年3月10日発行);米国特許第4314001号明細書(1982年2月2日発行);米国特許第4377543号明細書(Strohbeenら、1983年3月22日発行);米国特許第4432833号明細書(Breeseら、1984年2月21日発行);米国特許第4776965号明細書(Nuessleinら、1988年10月11日発行);米国特許第4795530号明細書(Soerensら、1989年1月3日発行);米国特許第4937008号明細書(Yamamuraら、1990年1月26日発行);米国特許第4950545号明細書(Walterら、1990年8月21日発行);米国特許第5026489号明細書(Snowら、1991年1月25日発行);米国特許第5051196号明細書(Blumenkopfら、1991年9月24日発行);米国特許第5529665号明細書(Kaunら、1996年1月25日発行);米国特許第5552020号明細書(Smithら、1996年9月3日発行);米国特許第5558873号明細書(Funkら、1996年9月24日発行);米国特許第5580566号明細書(Syversonら、1996年12月3日発行);PCT公開第WO97/01470号公報(Kryzysik,1997年2月6日公開);同第WO97/04171号公報(W.Schroederら、1997年2月6日公開);同第WO96/04424号公報(Vinson,1996年2月15日公開)。本明細書で使用する好ましい脱結合剤は陽イオン性物質、例えば第四アンモニウム化合物、イミダゾリニウム化合物および、脂肪族の飽和もしくは不飽和炭素鎖をもつ他の化合物である。この炭素鎖は未置換でもよく、またこれら鎖の1つもしくは2つ以上が例えばヒドロキシル基で置換されていてもよい。本明細書で有用な第四アンモニウム脱結合剤の非限定例には、ヘキサメトニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムブロミド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、および二水素添加牛脂ジメチルアンモニウムメチルスルフェートが含まれる。繊維構造物の可撓性を改善する本明細書で用いる他の好ましい脱結合剤は、アルケニルコハク酸およびそれらの対応するアルケニルコハク酸塩である。アルケニルコハク酸化合物の非限定例は、n−オクタデセニルコハク酸およびn−ドデシニルコハク酸並びにそれらの対応するコハク酸塩である。アルケニルコハク酸塩の多価金属塩または陽イオン性脱結合剤とのイオン対形成は、繊維構造物の曲げモジュール/単位乾燥引張をさらに減少させるために特に有用である。理論に拘束されることは望まないが、脱結合剤は繊維に対する酵素の攻撃によって生じる“ダメージ”から繊維を保護すると考えられる。すなわち、酵素が繊維の形態を変化させた後、脱結合剤は少なくともある程度繊維の“修復”を防止する(この修復は脱結合剤がなければ乾燥時に生じるであろう)。したがって、これによって、繊維対繊維結合を維持または改善しながら得られた繊維ウェブの可撓性が高められる。これについては、同じ機能を果たす他の物質を用いて乾燥ゼロ・スパン引張低下および可撓性を強化することができる。好ましくは脱結合剤は、乾燥繊維を基準にして少なくとも約0.1%、好ましくは少なくとも約0.2%、より好ましくは少なくとも約0.3%のレベルで添加されるであろう。典型的には、脱結合剤は、乾燥繊維を基準にして活性物質として約0.1から約6%、より典型的には約0.2から約3%のレベルで添加されるであろう。脱結合剤の量として提示されている百分率は、繊維によって保持される量ではなく繊維に添加される量として提示される。
出願人らは、本発明の繊維処理時の攪拌の程度もまた乾燥ゼロ・スパン引張の減少の程度に影響を与える重要な変数であることを見出した。本発明によれば攪拌は必ずしも必要とされないが、他の条件が同じ場合は一般に攪拌は乾燥ゼロ・スパン引張の減少を高める。実際に、実施例1(および特にサンプル1Oと1P)で示すように、10から13.3%の濃度のスラリーの処理を実験室用強力ミキサーで実施し他の条件が同じ場合、低速シャフト・ミキサーを用いたときサンプル1E)よりも低い乾燥ゼロ・スパン引張をもつ繊維が提供される。実施例1で用いた実験室用強力ミキサーは、工場で使用される中等度ポンプおよび高剪断力ミキサーで認められる混合力を発揮すると一般に認識されている。当業者には、攪拌の程度に影響を与えるパラメーターには混合物の濃度、混合速度、反応容器のサイズおよび幾何学的構造、並びに混合装置が含まれる(ただしこれらに限定されない)ことは理解されよう。
ii.繊維構造物
酵素および好ましい脱結合剤で処理した後、ウェブ製造業者に知られているいずれかの方法を用いて改造繊維を繊維構造物に成形する。これらの繊維構造物は、目的の最終用途に適した坪量、キャリパー(厚さ)、吸収性および強度を有するいずれの通常形状のシートまたはウェブにも構成できる。一般に、本発明の繊維構造物は結合繊維製品と定義されるが、このような製品では、酵素改造繊維は、“通風静置”もしくはある種の“湿式静置”工程の場合のように任意に、またはある種の“湿式静置”もしくは“カーディング”工程の場合のように一定の方向性をもって分布されている。これらの繊維は場合によってポリマー性バインダー樹脂によって互いに結合される。
通常は、本発明の繊維構造物は湿式工程によって製造される。そのような工程では、ウェブの製造は、部分的にまたは完全に本発明の酵素改造繊維を含む水性抄紙完成紙料を形成し、この完成紙料を多孔性表面(例えば長網ワイヤー)上に沈積させ、さらに続いてこの完成紙料から例えば重力、真空支援乾燥によって、および/または圧搾もしくは非圧搾的な蒸発脱水によって水を除去し、それによって所望の繊維濃度の繊維構造物を形成することによって実施される。多くの事例で、抄紙装置は、抄紙完成紙料スラリー中の繊維を脱水進行時に再構成できるようにセットアップされ、その結果、特に所望の強度、触感、嵩、外観、吸収性などをもつウェブが形成される。
好ましい繊維構造物を製造するために用いられる抄紙完成紙料は、本質的に本発明の改造繊維の水性スラリーを含み、さらに場合によっては多様な化学物質(例えば湿潤強度向上(以下強力とも称する。)樹脂、界面活性剤、pH調節剤、柔軟添加剤、脱結合剤など)を含むことができる。
個々に有用なまたは所望の繊維形態を有するウェブを製造する抄紙装置を利用する多数の抄紙工程が開発されている。そのような繊維形態は、嵩、吸収性および強度の強化のようなペーパー・ウェブの特性を付与するために役立つであろう。そのような工程の1つは、抄紙工程で刻印ファブリックを利用する。この刻印ファブリックは、得られたペーパー・ウェブに高密度のナックル・パターンおよび低密度ゾーンを付与するために機能する。このタイプの工程およびこの工程を実施する抄紙装置は、極めて詳細に米国特許第3301746号明細書(Sanfordら、1967年1月31日発行、この文献は参照により本明細書に含まれる)に記載されている。
特別な抄紙装置で実施される別の抄紙工程は、基材のネットワーク領域全体に分散された複数の“ドーム”によって形成される明瞭な連続ネットワーク領域を有するペーパーを提供するものである。そのようなドームは、抄紙工程中に形成される初期ウェブを多孔性デフレクション・メンバーに押しつけることによって形成される。このデフレクション・メンバーは、その表面に複数の個々に離れた偏向用導管によって形成された型模様ネットワーク面を有する。このタイプの工程およびそのような工程を実施する抄紙装置は極めて詳細に以下の文献に記載されている(これらの文献は参照により本明細書に含まれる):米国特許第4529480号明細書(Trokhanら、1985年7月16日発行):米国特許第4637859号明細書(Trokhanら、1987年1月20日発行):米国特許第5073235号明細書(Trokhanら、1991年11月17日発行)。重層複合ペーパー基礎体を製造するために適した別のタイプの抄紙工程および当該工程を実施するための装置は、米国特許第3994771号明細書(Morganら、1976年11月30日発行、この文献は参照により本明細書に含まれる)に記載されている。
本発明の繊維を利用できるさらに別の抄紙工程は、個々の低坪量領域を取り巻く連続した高坪量ネットワーク領域を有するペーパー・ウェブを提供するものである。このウェブは、固有の流動抵抗比で配置された種々の流動抵抗を有するゾーンをもつフォーミング・ベルトを用いて形成される。一般に、ある領域の坪量は、フォーミング・ベルトの対応するゾーンの流動抵抗と反比例する。このタイプの工程およびそのような工程を実施する抄紙装置は極めて詳細に以下の文献に記載されている(これらの文献は参照により本明細書に含まれる):米国特許第5245025号明細書(Trokhanら、1993年9月14日発行):米国特許第5503715号明細書(Trokhanら、1996年4月2日発行):米国特許第5534326号明細書(Trokhanら、1996年7月9日発行)。
本発明の繊維を利用できるまた別の抄紙工程は、滑らかで柔らかいビロード状の表面を有する重層ペーパー・ウェブを形成するものである。このウェブは比較的短い繊維を用いて形成され、当該ウェブの上面は、触感を改善する自由な繊維端を提供するために繊維間結合が破壊されている。このタイプの工程は、詳細に米国特許第4300981号明細書(Carstensら、1981年11月17日発行、この文献は参照により本明細書に含まれる)に記載されている。
別の抄紙工程は、ファブリック面の上部に突出した押印ナックルを有する通風乾燥ファブリックを利用する。これらの押印部は通風乾燥シート内に突出部を形成し、シートの幅方向に伸びを提供する。このタイプの工程は、欧州特許公告第677612A2号明細書(G.Wendtら、1995年10月18日公告、この文献は参照により本明細書に含まれる)に記載されている。
好ましい繊維構造物は、共に積層される2つまたは3つ以上の層の1つを形成する。積層および、積層製品内に複数の突出部を形成するためにエンボス加工を併用して実施される積層については、極めて詳細に米国特許第3414459号明細書(Wells,1968年12月3日発行、この文献は参照により本明細書に含まれる)に記載されている。これらのペーパー基礎体は、好ましくは約10g/m2から約65g/m2の坪量および約0.6g/ccまたはそれ未満の密度を有する。より好ましくは、坪量は約40g/m2またはそれ未満で、密度は約0.3g/ccまたはそれ未満であろう。最も好ましくは、密度は約0.04g/ccから0.2g/ccであろう。別に特定しないかぎり、ペーパー・ウェブ基礎体に関しては全ての量および重量は乾燥したものを基準にしている。
本発明の改造繊維に加えて、当該技術分野で既知または今後知られる他の成分または物質を、繊維構造物を製造するために使用する抄紙完成紙料に添加してもよい。望ましい添加物のタイプは、目的とされるテッシュ・シートの具体的な最終用途に左右されるであろう。例えば、トイレット・ペーパー、ペーパー・タオル、化粧用テッシュ、ベビー・ワイプおよび他の類似製品のような製品では、高い湿潤強度は望ましい属性である。したがって、抄紙完成紙料に当技術分野で“湿潤強力”樹脂として知られている化学物質を添加することがしばしば望ましい。
抄紙分野で用いられる湿潤強力樹脂のタイプに関する総括的な論文は、TAPPIモノグラフ・シリーズ29号、「紙および板紙の湿潤強度」(Technical Association of the Pulp and Industry刊、ニューヨーク、1965)で見出される。最も有用な湿潤強力樹脂は一般に性状として陽イオン性であった。永久湿潤強度を得るためには、ポリアミド−エピクロロヒドリン樹脂が、特に有用であることが判明した陽イオン性湿潤強力樹脂である。そのような樹脂の適切なタイプは以下の文献に記載されている(これらの文献は共に参照により本明細書に含まれる);米国特許第3700623号明細書(Keim,1972年10月24日発行):米国特許第3772076号明細書(Keim,1973年11月13日発行)。有用なポリアミド−エピクロロヒドリン樹脂の市販供給源の1つはハーキュリーズ社(Hercules,Inc.,デラウェア州、ウィルミントン)で、カイメン(Kymene)(登録商標)557Hとしてそのような樹脂を市販している。
ポリアクリルアミド樹脂もまた湿潤強力樹脂として有用であることが分かった。これらの樹脂は、以下の文献に記載されている(これらの文献は共に参照により本明細書に含まれる):米国特許第3556932号明細書(Coscia、1971年1月19日発行):および同第3556933号明細書(Williams、1971年1月19日発行)。ポリアクリルアミド樹脂の市販供給源の1つはアメリカン・サイアナミド社(American Cyanamid Co.,コネチカット州、スタンフォード)で、パレツ(Parez)(登録商標)631NCとしてそのような樹脂を市販している。
湿潤強力樹脂として有用であることが判明したさらにまた別の水溶性陽イオン樹脂は、尿素ホルムアルデヒドおよびメラミンホルムアルデヒド樹脂である。これらの多官能基性樹脂のより一般的な官能基は、窒素含有基(例えばアミノ基および窒素結合メチロール基)である。ポリエチレンイミン型樹脂もまた本発明で有用であろう。さらにまた、一時湿潤強力樹脂も本発明で用いることができるが、これらは例えば、カルダス(Caldas)10(ジャパン・カーリット(Japan Carlit)製)、コボンド(CoBond)1000(ナショナル・スターチ・アンド・ケミカル社(National Starch and Chemical Co.)製)およびパレツ(Parez)750(アメリカン・サイアナミド社(American Cyanamide Co.)製)である。上記で考察したような例えば湿潤強力樹脂および一時湿潤強力樹脂のような化学化合物のパルプ完成紙料への添加は任意で、本発明の実施に必然的ではないということは理解されよう。
湿潤強力樹脂の他に、当該技術分野で既知のある種の乾燥強力樹脂およびリント・コントロール添加物を抄紙繊維に混合することもまた望ましい。この点に関しては、澱粉バインダーが特に適切であることが判明した。繊維構造物のリンティング減少の他に、低レベルの澱粉バインダーはまた、高レベルの澱粉添加によってもたらされる曲げこわさ(以下硬さとも称する。)を生じることなく、乾燥引張強さを適度に改善する。典型的には、澱粉バインダーは、ペーパー基礎体の重量で約0.01から約2%、好ましくは約0.1から約1%のレベルで保持されるような量で混合される。
一般に、これら繊維構造物に適した澱粉バインダーの特徴は、水溶性および親水性である。適切な澱粉バインダーの範囲を限定しようとするものではないが、代表的な澱粉物質には、トウモロコシ澱粉およびジャガイモ澱粉が含まれ、アミオカ澱粉として工業的に知られているロウ状トウモロコシ澱粉が特に好ましい。アミオカ澱粉は、完全にアミロペクチンであるという点で一般のトウモロコシ澱粉と異なる(一般のトウモロコシ澱粉はアミロペクチンとアミロースの両方を含む)。アミオカ澱粉の種々の固有の特性は文献にさらに詳しく記載されている(「アミオカ−ロウ状トウモロコシ由来澱粉(Amioca-The Starch From Waxy Corn)」、H.H.Schopmeyer著、Food Industries刊、pp106-108(Vol.pp.1476-1478)、1945年12月)。
澱粉バインダーは顆粒形でも分散形でもよいが、顆粒形が特に好ましい。澱粉バインダーは、顆粒の膨潤を誘発するために好ましくは十分に蒸煮される。より好ましくは澱粉顆粒は蒸煮によって澱粉顆粒が分散する直前点まで膨潤させる。そのような高度に膨潤した澱粉顆粒は“完全蒸煮”と呼ばれる。一般に分散のための条件は、澱粉顆粒のサイズ、顆粒の結晶性の程度、および含有アミロースの量によって左右されるであろう。完全蒸煮アミオカ澱粉は、例えば約4%の澱粉顆粒濃度の水性スラリーを約88℃(約190°F)で約30から約40分加熱して調製できる。使用できるその他の典型的な澱粉バインダーには改変陽イオン澱粉が含まれる。これは、例えば窒素含有基(例えばアミノ基および窒素結合メチロール基)をもつように改変したもので、湿潤およびまたは乾燥強度を高めるためにパルプ完成紙料添加物として以前に使用されたものであるが、ナショナル・スターチ・アンド・ケミカル社(National Starch and Chemical Co.、ニュージャージ州、ブリッジウォーター)から入手できる。
他のバインダー(例えばラテックス、ポリビニルアルコール、熱可塑性バインダー繊維など)もまた本発明の繊維構造物の製造に用いることができる。
III.紙製品
本発明の繊維構造物は、使用後に廃棄されることになっている、特に紙製品または紙製品の成分に適している。したがって、本発明は、使い捨て吸収性紙製品(例えば家事用、身体用、または他の清拭用途で使用されるもの)(ただしこれらに限定されない)を含む多様な紙製品に応用できる。したがって、代表的な紙製品には、手洗い用テッシュおよび化粧用テッシュを含むテッシュ・ペーパー、ペーパー・タオル、および、例えば衛生ナプキン、パンティライナーおよびタンポンを含む女性用衛生製品、おむつ、成人用失禁用製品などの吸収製品用コアー材料が含まれる。
IV.検査方法----サンプル調製
以下では改造(すなわち本発明による処理)および未改造(すなわち未処理またはコントロール)繊維で繊維構造物を製造する方法を述べる。続いてこれらの構造物を、この後の項で述べる物理検査に付す(すなわち、ゼロ・スパン引張、乾燥引張および曲げモジュール/単位乾燥引張)。
低密度手すき紙
低密度手すき紙は、テッシュ製造工程をより正確に反映すると考えられる以下の改変を加えながら、本質的にはTAPPI標準T205にしたがって調製される。
(1)pHを調整しない水道水を用いる;
(2)初期ウェブは、アップルトン・ワイヤー社(Appleton Wire Co.,ウィシコンシン州、アップルトン)供給モノフィラメント・ポリエステル・ワイヤー上の約30.48cm×約30.48cm(12インチ×12インチ)の手すき紙製造装置で製造され、当該装置は以下の仕様を有する;
サイズ:約34.3cm×約34.3cm(13.5インチ×13.5インチ)縦方向縦線数:84±1.5繊維/約2.54cm(1インチ)
幅方向縦線数:76±3.0繊維/約2.54cm(1インチ)
ワープ・サイズ/タイプ:0.17ミリメートル/9FU
シャット・サイズ/タイプ:0.17ミリメートル/WP−110
キャリパー:約0.041cm±約0.0013cm(0.016±0.0005インチ)
透気度:約20.39±0.22m3/分(720±25立方フィート/分)
(3)初期ウェブは真空によってモノフィラメント・ポリエステル・ワイヤーからアップルトン・ワイヤー社(Appleton Wire Co.,ウィシコンシン州、アップルトン)供給モノフィラメント・ポリエステル抄紙ファブリックに移され、圧縮の代わりに真空吸引によって脱水される;
ファブリックの仕様:
サイズ:約40.6cm×約35.6cm(16インチ×14インチ)
縦方向縦線数:36±1繊維/約2.54cm(1インチ)
幅方向縦線数:30±3繊維/約2.54cm(1インチ)
ワープ・サイズ/タイプ:0.40ミリメートル/WP−87−12A−W
シャット・サイズ/タイプ:0.40ミリメートル/WP−801−12A−W
キャリパー:約0.069cm±0.0025cm(0.0270±0.001インチ)
透気度:約14.67±0.22m3/分(397±25立方フィート/分)(シート側はモノプレン)
移動と脱水の詳細:初期ウェブおよび抄紙ワイヤーを、当該初期ウェブが当該ファブリックに接するようにファブリックの上部に静置する。この3つの層(ファブリック側を下にして、ワイヤー、ウェブ、ファブリック)を90°フレアーで約33.02cm×約0.16cm(13インチ×1/16インチ)幅の真空スロット・ボックスに縦方向に通過させる。水銀真空のピーク・ゲージの読みは約10.16cm(約4.0インチ)に設定される。三層の真空スロットの通過速度は約40.64±約12.7cm(16±5インチ)/秒で均一であるべきである。
続いて、真空を高めてピーク・ゲージの読みを約22.86cm(約9インチ)にし、三層を約40.64±約12.7cm(16±5インチ)/秒の同じ速度で同じ真空スロットを縦方向にさらに2回通過させる。ピーク・ゲージの読みは三層がスロットを通過するときに測定される真空の強さであることに留意されたい。ウェブを注意深くワイヤーから取り外し、繊維がワイヤーに付着していないことを確認する。
(4)続いてシートを乾燥フェルトを用いて乾燥させるが、このときファブリックをドラム表面に向けてウェブとファブリックとをフェルトとドラムの間に通し、さらに2回目はウェブをドラム面に向けて通過させる。
ドライヤーの仕様:ステンレス・スチール製光沢仕上げシリンダー、内部蒸気加熱、水平設置。
外径:約43.18cm(長さ)×約33.02cm(直径)(17インチ×13インチ)
温度:110±3.3℃(230±5°F)
回転速度:0.90±0.05回転/分
ドライヤー・フェルト:エンドレス式、約203.2cm(円周)×約40.64cm(幅)(80インチ×16インチ)、11614番手、スタイルX225、完全ウール、ノーブル・アンド・ウッド・ラブ・マシーン社(Noble and Wood Lab Machine Co.,ニューヨーク州、Hoosick Falls)
フェルト張力:フェルトとドライヤー・ドラム間で生じるずれが全くなく可能なかぎり弱い張力および均一な軌道運動。
(5)得られた手すき紙は、別に記載がなければ、約30.48cm×約30.48cm(12インチ×12インチ)で目標坪量は約26.8±1.6g/m2(16.5±1ポンド/3000f2)、目標密度は0.15±0.06g/ccである。
続いて、約30.48cm×約30.48cm(12インチ×12インチ)の乾燥手すき紙繊維を検査前に最低2時間条件付け室で条件付けする。この部屋の温度は22.8℃±2.2℃(73°F±4°F)で相対湿度は50%±10%である。
V.検査方法----物理検査
この項で述べる検査方法は、上記で述べた特定の工程にしたがい手すき紙を製造することを必要とすることは理解されよう。ある製品が化学添加剤を含む形状である場合、または当該繊維構造物が製品製造に際して機械的操作に付された場合、その製品が本発明の範囲内であるか否かの決定は、本記述にしたがって手すき紙を製造し、(製品自体の物理的特性を測定するのではなく)これら手すき紙の物理的特性を測定することによって行われることは理解されよう。すなわち、製品を構築するために用いられた繊維を使用して記載にしたがって手すき紙を製造し、上記で考察した事柄を除き、添加物または機械的操作は一切適用されるべきではない。しかしながら、上記で考察したように、密度の測定は、機械的に処理された製品、所望の化学添加物などを含む製品で実施される。
A.乾燥引張強度インデックス
この検査は、約2.5cm×約15.2cm(1インチ×6インチ)のペーパー片で条件付け室(温度は約28℃±2.2℃(73°F±4°F)、相対湿度は50%±10%)でTAPPI標準T220om−88およびT494om−88にしたがって実施される。電子引張テスター(インテレクト(Intellect)II−STD、スィング・アルバート社(Thwing Albert Corp.)、ペンシルバニア州、フィラデルフィア)を用い、クロスヘッド速度を約10cm/分(4インチ/分)、開始ゲージ長さを約10cm(4インチ)で操作する。最少n=8の検査を各ペーパー・サンプルについて実施する。得られたg/inで記録された引張強さの値をサンプルの平均坪量で割り、対応する引張インデックス値(N*m/g)を得るために変換する。
B.乾燥ゼロ・スパン引張インデックス
この検査は、約2.5cm×約10.2cm(1インチ×4インチ)のペーパー片(上記の手すき紙とともに他のペーパー・シートを含む)で条件付け室(温度は約28℃±2.2℃(73°F±4°F)、相対湿度は50%±10%)で実施される。電子/圧縮空気コンビネーション・テスター(トラブルシューター(Troubleshooter)、プルマック・インスツルメンツ・インターナショナル(Pulmac Instruments International)、バーモント州、モントペリエ)を用い、6.895×105Pa(100psi)の空気供給圧で操作する。テスターの押さえ部は幅が15mmで、5.5×105Pa(80psi)の固定圧をかける。開始押さえ部分離が0のとき15mm幅の細片を引き裂くために必要な圧を単位psiで記録する(圧の読みが6.21×104Pa(9psi)以下の場合、2層の手すき紙を結合させ、装置の性能内の測定値が得られるようにして検査する)。この引き裂き圧から装置の0合わせの圧を差し引いてサンプルの平均坪量で割り、N*m/gの単位で表される乾燥ゼロ・スパン引張インデックス値を得るために変換する。最少n=8の検査を各ペーパー・サンプルについて実施する。
C.湿潤ゼロ・スパン引張インデックス
この検査は、以下の改変を加えながら乾燥ゼロ・スパン引張強さの工程と同じように実施される。約2.5cm×約10.2cm(1インチ×4インチ)の乾燥ペーパー片を、3つのV字型切れ込みを含む計器を有する2つの湿潤サンプル挿入装置に挿入する。約28℃±約2.2℃(73°F±4°F)の蒸留水を満たした噴射壜で中央のV字型切れ込みのとなりに少量の水を噴射して水を中央のV字型切れ込みに染み込ませることによって、ペーパー片の中央のV字型切れ込みを湿らせる(大量の噴霧圧を避け、また壜の先端をサンプルに接触させない)。続いて、サンプルおよび挿入装置をユニットのヘッドにセットし、押さえ部の留め金に沿ってV字型切れ込みを一列に並べて、上記のように検査を実施する。引き裂き圧から装置の0合わせの圧を差し引き、サンプルの平均坪量で割って、N*m/gの単位で表された湿潤ゼロ・スパン引張インデックス値を得るために変換する。最少n=8の検査を各ペーパー・サンプルについて実施する。
D.曲げこわさ(カンチレバー・ベンディング法)
この検査は、下記の記載にしたがって約2.5cm×約15.2cm(1インチ×6インチ)のペーパー片で条件付け室(温度は約28℃±2.2℃(73°F±4°F)、相対湿度は50%±10%、検査前少なくとも2時間)で実施される。カンチレバー・ベンディング・テスター(例えばASTMスタンダードD1388(モデル5010、インスツルメント・マーケッティング・サービシズ(Instrument Marketing Services)、ニュージャージ州、フェアーフィールド)に記載されたようなもの)を用い、41.5±0.5°のランプ・アングルおよび約1.3±0.5cm/秒(0.5±0.2インチ/秒)のサンプル移動速度で操作できる。最少n=16の検査をn=8のサンプル片から得た各ペーパー・サンプルについて実施する。
i.サンプル調製
1枚の手すき紙から注意深く約2.54cm(1インチ)幅で長さが約15.24±0.25cm(6.0±0.1インチ)(“縦方向”)の4枚のサンプル片を切り出す。同じサンプル・セットの第二の手すき紙から注意深く約2.54cm(1インチ)幅で長さが約15.24±0.25cm(6.0±0.1インチ)(“幅方向”)の4枚のサンプル片を切り出す。これらの細片はまた、皺または可撓性に影響を与える過剰な機械的操作をもたない。全ての細片についてサンプルの同じ面が上向きであるように極めて薄く一方の端に方向を記す。後で、検査のためにこの細片を裏返す。したがって、サンプルの一方の面を明瞭に特定することが重要である。しかしながらサンプルのどちらの面を上面と指定しても違いはない。
ii.操作
テスターは、振動、過剰な熱および空気の流れを比較的受けない実験台またはテーブルに静置すべきである。水平測定気泡の表示にしたがって台を水平に調節し、曲げ角度が41.5±0.5°にあることを確認する。
曲げテスター台の上部からサンプル・スライド・バーを取り出す。検査サンプル片の1つを可動スライドと当該細片が平行に並ぶように注意して水平台に静置する。サンプルをテスターの垂直端と正確に平行に並べる。この位置に角度ランプが取り付けられるか、または0表示線がテスターに刻まれる。注意深くサンプル・スライドをテスター内のサンプル片の上部に戻す。サンプル・スライドは、細片が最初の位置から移動したり、皺がよったりしないように注意深く静置しなければならない。
サンプルおよびサンプル・スライドを約1.3±0.5cm/秒(0.5±0.2インチ/秒)の速度で、上記ランプが取り付けられているテスターの末端に向かって移動させる。この操作は手動または自動テスターで実施できる。サンプルと可動スライドとの間でずれが生じていないことを確認する。サンプル・スライド・バーとサンプル片がテスターの端を越えて張り出したとき、サンプル片は曲がり始めるか、または下方に垂れ下がる。サンプル片の先端がランプ端と同じ高さになったとき直ちにサンプル・スライド・バーの移動を停止させる。突き出した長さを0.5ミリメートルの近似値まで棒秤で読み取り記録する。サンプル・スライド・バーの移動距離を突出し長さとしてセンチメートルで記録する。
この検査手順を、各標本につき合計2つの読みを得るために各サンプル片の表と裏で実施する。したがって、これによって各ペーパー・サンプルについて8つの機械方向および8つの幅方向の読みを含む合計16の読みが提供される。
iii.計算
平均突出し長さを当該ペーパー・サンプルで得た16の結果を平均することによって決定する。
平均突出し長さ=16の結果の合計/16
曲げ長さは平均突出し長さを2で割ることによって算出する。
曲げ長さ=全突出し長さ/2
曲げこわさ
曲げこわさ(G)を算出する:
G=0.1629×W×C3
式中、Wはポンド/3000平方フィートによるサンプル坪量で、Cはcmによる曲げ長さである。結果はミリグラム・フォース*・cmで表され、定数0.1629は坪量を英国単位からメートル単位に変換するために用いられる。
曲げモジュール
一般に、曲げこわさはサンプルの厚さ(キャリパー)に大きく左右される。キャリパーが等しくないサンプルを比較するために、曲げモジュールが比較手段として用いられる。
Q=G/I
式中、Gはサンプルの曲げこわさ(上記)で、Iは慣性モーメントである。
プレート理論のための標準的技術を用いて上記の等式を操作してより有用な関係が得られる:
Figure 0004160639
式中、Qはkg−フォース/cm2による曲げモジュールで、Gは曲げこわさ(上記のmg−フォース*cmで表されたもの)で、tはミル(1/1000インチ)によるサンプルの厚さ(キャリパー)で、732は変換定数である。
曲げモジュール/乾燥引張比
シートの硬さは、繊維構造物の乾燥引張強さと依存関係にある。対応するシート強度の減少を伴わずにより硬さの低いサンプルを製造することが望ましいので、単位乾燥引張当たりの曲げモジュール比を報告する。これによって、引張強さとキャリパーが同じでないサンプルをより小さな比で認識されるより大きな柔軟性ポテンシャルになぞらえることが可能になる。この関係を下記に示す:
Figure 0004160639
式中、Mは曲げモジュール/乾燥引張比で単位は1/cm2で、Qはkg−フォース/cm2による曲げモジュールで、乾燥引張の単位はグラム−フォースである。
VI.例
A.出発繊維
北方軟木クラフト(NSK)パルプ:標準参照材料8495北方軟木漂白クラフト・パルプ(アメリカ合衆国商務省、National Institute of Standards and Technology,Gaithersburg,MD 20899)、ドライラップ形。
ユーカリ樹(Euc)パルプ:標準参照材料8496ユーカリ樹硬木漂白クラフト・パルプ(アメリカ合衆国商務省、National Institute of Standards and Technology,Gaithersburg,MD 20899)、ドライラップ形。
北方硬木亜硫酸(NHS)パルプ:非乾燥、漂白、混合硬木亜硫酸パルプ(プロクター・アンド・ギャンブル・ペーパー・プロダクツ社(The Procter and Gamble Paper Products Co.)、Mehoopany,PA)。EOPにより全く塩素を含まず漂白(93.7、−0.5、6.4ハンターL,a、b、カラー)。
南方軟木クラフト(SSK)パルプ:バックアイ・セルロース社(Buckeye Cellulose Corp.,Memphis,TN)、スラッシュおよびロブローリー・パインで構成された完全漂白タイプFF(フォーリー・フラッフ)、ドライラップ形
B.パルプ離解
パルプ濃度を決定した後、上記のパルプを約30gの多数の絶乾繊維バッチに分け、室温の蒸留水で2000mlに希釈する。続いて、TAPPI標準パルプ離解機(モデルD−111、テスティング・マシーンズ・インコーポレーテッド(Testing Machines Incorporated,ニューヨーク州、アイスランディア)で、繊維と水を50000回転離解させる。離解後、パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し濾紙を用いて脱水する。得られたパルプ・ケーキを濾紙から剥がし、パルプ・ケーキの上で濾紙をすすぎ、外部の繊維を保持する。続いて、下記に概略する更なる検査まで最長1週間パルプ・ケーキを冷蔵する。
C.酵素調製
冷蔵保存の濃縮液状酵素を水と1,2プロパンジオールの80/20混合物で1または2%(容積/容積)の濃度に希釈し使用まで冷蔵する。ケアザイム(登録商標)5.0Lまたはセルクラスト(登録商標)1.5Lまたはセルザイム(登録商標)0.7T(すべてノボ・ノルディスク(Novo Nordisk、Bagsvaerdデンマーク)から入手可能)、またはペルゴラーゼA40(チバ(Ciba,Greensboro,N.C.)から入手可能)。
具体例1:
NSK繊維のケアザイム(登録商標)による処理
セクションBの北方軟木クラフト(NSK)パルプ・ケーキを、上記の概略した方法を用いて処理し、18の低密度手すき紙サンプル(6シート/サンプル)を作製する。コントロールNSKパルプは未改造のまま水道水で2000mLに希釈し、手すき紙製造の前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。サンプル1Aは酵素無しで処理したNSKパルプである:
繊維は約3%の濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した蒸留水を先ず1%の臭化ヘキサメトニウム溶液30mLと混合する(乾燥繊維重量を基準にして1重量%の活性化学物質)。混合は、ライトニン(Lightnin’)(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約15秒間約49℃(120°F)の水浴中で実施する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて脱結合剤/水の混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め、約1時間反応させる。1時間が経過したとき、パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、約500mLの蒸留水ですすぎ、濾紙を用いて脱水する。得られたパルプ・ケーキを続いて水道水で2000mLに希釈し、手すき紙製造前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
サンプル1Bは酵素無しで処理したNSKパルプである:
繊維は約3%の濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した蒸留水を先ず3%の臭化テトラエチルアンモニウム溶液90mLと混合する(乾燥繊維重量を基準にして1重量%の活性化学物質)。混合は、ライトニン(Lightnin’)(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約15秒間約49℃(120°F)の水浴中で実施する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて脱結合剤/水の混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め、約1時間反応させる。1時間が経過したとき、パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、約500mLの蒸留水ですすぎ、濾紙を用いて脱水する。得られたパルプ・ケーキを続いて水道水で2000mLに希釈し、手すき紙製造前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
サンプル1Cは酵素無しで処理したNSKパルプである:
繊維は約3%の濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した蒸留水を先ず30mLの1%のラウリルトリメチルアンモニウムクロリド(シェレクス・ケミカル社(Sherex Chemical Co.)、コネチカット州、グリニッチ)と混合する(乾燥繊維重量を基準にして1重量%の活性化学物質)。混合は、ライトニン(Lightnin’)(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約15秒間約49℃(120°F)の水浴中で実施する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて脱結合剤/水の混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め、約1時間反応させる。1時間が経過したとき、パルプ・スラリーをブフナー漏斗に定量的に移し、約500mLの蒸留水ですすぎ、濾紙を用いて脱水する。得られたパルプ・ケーキを続いて水道水で2000mLに希釈し、手すき紙製造前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
サンプル1Dは酵素無しで処理したNSKパルプである:
繊維は約3%の濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した蒸留水を先ず10mLの3%のN−デシル−N,N−ジメチルアミンオキシド(バーロクス(Barlox)(登録商標)10S、ロンザ社(Lonza,Inc.)、ニュージャージ州、フェアーローン)と混合する(乾燥繊維重量を基準にして1重量%のN−デシル−N,N−ジメチルアミンオキシド)。混合は、ライトニン(Lightnin’)(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約15秒間約49℃(120°F)の水浴中で実施する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて脱結合剤/水の混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め、約1時間反応させる。1時間が経過したとき、パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、約500mLの蒸留水ですすぎ、濾紙を用いて脱水する。得られたパルプ・ケーキを続いて水道水で2000mLに希釈し、手すき紙製造前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
サンプル1Eは、以下の工程によって改造したNSKパルプで製造される:
繊維は約3%の濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した蒸留水を先ず30mLの1%ケアザイム(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してケアザイム(登録商標)5.0Lの1%(容積/重量)添加)と混合する。混合は、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約15秒間約49℃(120°F)の水浴中で実施する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/水の混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め、約1時間反応させる。1時間が経過したとき、パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、濾紙を用いて脱水する。続いて、改造パルプ・ケーキを100ppmのNaOCl(2000mLの蒸留水に4mLのクロロクス(登録商標)(Clorex,クロロクス社(Clorox Co.,カリフォルニア州、オークランド)から入手できる)溶液約1000mLに加えて混合し、室温で5分反応させてセルロースとの更なる酵素反応を一切停止させる。反応停止後、改造パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、約1500mLの蒸留水ですすぎ、濾紙を用いて脱水する。得られた改造パルプ・ケーキを続いて水道水で2000mLに希釈し、手すき紙を製造する前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
サンプル1Fは、以下の工程によって改造したNSKパルプで製造される:
繊維は約3%の濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した蒸留水を先ず60mLの1%ケアザイム(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してケアザイム(登録商標)5.0Lの2%(容積/重量)添加)と混合する。混合は、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約15秒間約49℃(120°F)の水浴中で実施する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/水の混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め、約1時間反応させる。1時間が経過したとき、パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、濾紙を用いて脱水する。続いて、改造パルプ・ケーキを100ppmのNaOCl(2000mLの蒸留水に4mLのクロロクス(登録商標)(クロロクス社、カリフォルニア州、オークランド)から入手できる)溶液約1000mLに加えて混合し、室温で5分反応させてセルロースとの更なる酵素反応を一切停止させる。反応停止後、改造パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、約1500mLの蒸留水ですすぎ、濾紙を用いて脱水する。得られた改造パルプ・ケーキを続いて水道水で2000mLに希釈し、手すき紙を製造する前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
サンプル1Gは、以下の工程によって改造したNSKパルプで製造される:
繊維は約3%の出発濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した蒸留水を先ず30mLの1%ケアザイム(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してケアザイム(登録商標)5.0Lの1%(容積/重量)添加)と混合する。混合は、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約15秒間約49℃(120°F)の水浴中で実施する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/水の混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め、約1時間反応させる。酵素反応時間が終了したとき、蒸留水中の臭化ヘキサメトニウム(アルドリッチ・ケミカル社、ウィスコンシン州、ミルウォーキー、カタログ番号21,967−3)溶液(1%、重量/容積)の30mLを酵素/パルプ・スラリーに加え、1%累算レベル(活性物質重量/乾燥繊維重量)を得て、さらに1時間約49℃(120°F)で混合を続ける。二度目の1時間が終わったとき、濾過、反応停止または離解を施すことなく直接改造繊維スラリーで低密度手すき紙を製造する。
サンプル1Hは、以下の工程によって改造したNSKパルプで製造される:
繊維は約3%の出発濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した蒸留水を先ず60mLの1%ケアザイム(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してケアザイム(登録商標)5.0Lの2%(容積/重量)添加)と混合する。混合は、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約15秒間約49℃(120°F)の水浴中で実施する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/水の混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め、約1時間反応させる。酵素反応時間が終了したとき、蒸留水中の臭化ヘキサメトニウム(アルドリッチ・ケミカル社、ウィスコンシン州、ミルウォーキー、カタログ番号21,967−3)溶液(1%、重量/容積)の30mLを酵素/パルプ・スラリーに加え、1%累算レベル(活性物質重量/乾燥繊維重量)を達成し、さらにもう1時間約49℃(120°F)で混合を続ける。二度目の1時間が終わったとき、濾過、反応停止または離解させることなく直接改造繊維スラリーで低密度手すき紙を製造する。
サンプル1Iは、以下の工程によって改造したNSKパルプで製造される:
繊維は約3%の濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した蒸留水を先ず30mLの1%ケアザイム(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してケアザイム(登録商標)5.0Lの1%(容積/重量)添加)と混合する。混合は、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約15秒間約49℃(120°F)の水浴中で実施する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/水の混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め、約1時間反応させる。酵素反応時間が終了したとき、蒸留水中の臭化テトラエチルアンモニウム(アルドリッチ・ケミカル社、ウィスコンシン州、ミルウォーキー、カタログ番号14,002−3)溶液(1%、重量/容積)の30mLを酵素/パルプ・スラリーに加え、1%累算レベル(活性物質重量/乾燥繊維重量)を達成し、さらにもう1時間約49℃(120°F)で混合を続ける。二度目の1時間が終わったときパルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、濾紙を用いて脱水する。続いて、改造パルプ・ケーキを100ppmのNaOCl(2000mLの蒸留水に4mLのクロロクス(登録商標))溶液約1000mLに加えて混合し、室温で最低5分反応させてセルロースとの更なる酵素反応を一切停止させる。反応停止後、改造パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、約1500mLの蒸留水ですすぎ、濾紙を用いてビフナー漏斗で脱水する。得られた改造パルプ・ケーキを続いて水道水で2000mLに希釈し、手すき紙を製造する前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
サンプル1Jは、以下の工程によって改造したパルプで製造される:
繊維は約3%の濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した蒸留水を先ず30mLの1%ケアザイム(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してケアザイム(登録商標)5.0Lの1%(容積/重量)添加)と混合する。混合は、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約15秒間約49℃(120°F)の水浴中で実施する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/水の混合物に加える。パルプ/酵素スラリーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め、約1時間反応させる。酵素反応時間が終了したとき、蒸留水中のラウリルトリメチルアンモニウムクロリド(シェレクス・ケミカル社、ウィトコ社(Sherex Chemical Co,Witco Corp.,コネチカット州、グリニッチ)溶液(1%、重量/容積)の30mLを酵素/パルプ・スラリーに加え、1%累算レベル(活性物質重量/乾燥繊維重量)を達成し、さらにもう1時間約49℃(120°F)で混合を続ける。二度目の1時間が終わったときパルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、濾紙を用いて脱水する。続いて、改造パルプ・ケーキを100ppmのNaOCl(2000mLの蒸留水に4mLのクロロクス(登録商標))溶液約1000mLに加えて混合し、室温で最低5分反応させてセルロースとの更なる酵素反応を一切停止させる。反応停止後、改造パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、約1500mLの蒸留水ですすぎ、濾紙を用いてビフナー漏斗で脱水する。得られた改造パルプ・ケーキを続いて水道水で2000mLに希釈し、手すき紙を製造する前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
サンプル1Kは、以下の工程によって改造したパルプで製造される:
繊維は約3%の濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した蒸留水を先ず30mLの1%ケアザイム(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してケアザイム(登録商標)5.0Lの1%(容積/重量)添加)と混合する。混合は、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約15秒間約49℃(120°F)の水浴中で実施する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/水の混合物に加える。パルプ/酵素スラリーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め、約1時間反応させる。酵素反応時間が終了したとき、蒸留水中のトリエタノールアミン(ダウ・ケミカル社(Dow Chemical Co.,ミシガン州、ミッドランド)溶液(1%、重量/容積)の30mLを酵素/パルプ・スラリーに加え、1%累算レベル(活性物質重量/乾燥繊維重量)を達成し、さらにもう1時間約49℃(120°F)で混合を続ける。二度目の1時間が終わったときパルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、濾紙を用いて脱水する。続いて、改造パルプ・ケーキを100ppmのNaOCl(2000mLの蒸留水に4mLのクロロクス(登録商標))溶液約1000mLに加えて混合し、室温で最低5分反応させてセルロースとの更なる酵素反応を一切停止させる。反応停止後、改造パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、約1500mLの蒸留水ですすぎ、濾紙を用いてビフナー漏斗で脱水する。得られた改造パルプ・ケーキを続いて水道水で2000mLに希釈し、手すき紙を製造する前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
サンプル1Lは、以下の工程によって改造したパルプで製造される:
パルプ・ケーキは約3%の濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した蒸留水を先ず30mLの1%ケアザイム(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してケアザイム(登録商標)5.0Lの1%(容積/重量)添加)と混合する。混合は、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約15秒間約49℃(120°F)の水浴中で実施する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/水の混合物に加える。パルプ/酵素スラリーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め、約1時間反応させる。酵素反応時間が終了したとき、続いて0.01NのNaOHを添加して酵素/パルプ・スラリーのpHを7.5に調節する。蒸留水中のN−デシル−N,N−ジメチルアミンオキシド(バーロックス(登録商標)10S、ロンザ社(Lonza,Inc.)、ニュージャージ州、フェアーローン)溶液(3%、重量/容積)の10mLを酵素/パルプ・スラリーに加え、1%累算レベル(活性物質重量/乾燥繊維重量)を達成し、さらにもう1時間約49℃(120°F)で混合を続ける。二度目の1時間が終わったときHClで改造繊維スラリーのpHを3.8にする。改造パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、約500mLの蒸留水ですすぎ、濾紙を用いて脱水する。得られた改造パルプ・ケーキを続いて水道水で2000mLに希釈し、手すき紙を製造する前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
サンプル1Mは、以下の工程によって改造したパルプで製造される:
パルプ・ケーキは約3%の濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した蒸留水を先ず30mLの1%ケアザイム(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してケアザイム(登録商標)5.0Lの1%(容積/重量)添加)と混合する。混合は、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約15秒間約49℃(120°F)の水浴中で実施する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/水の混合物に加える。パルプ/酵素スラリーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め、約1時間反応させる。酵素反応時間が終了したとき、蒸留水中のラウリルトリメチルアンモニウムクロリド(シェレクス・ケミカル社、ウィトコ社(Sherex Chemical Co,Witco Corp.,コネチカット州、グリニッチ)溶液(1%、重量/容積)の30mLを酵素/パルプ・スラリーに加え、1%累算レベル(活性物質重量/乾燥繊維重量)を達成し、55分間約49℃(120°F)で混合を続ける。ラウリルトリメチルアンモニウムクロリドと改造パルプ・スラリーとを混合した後、カルボキシメチルセルロース(アクアロン社(Aqualon Co.)、デラウェア州、ウィルミントン)の2%溶液(1%(活性物質重量/乾燥繊維重量))15mLを加え、5分間混合を続ける。濾過、反応停止または離解させることなく、改造繊維スラリーで直接低密度手すき紙を製造する。
サンプル1Nは、以下の工程によって改造したパルプで製造される:
上記セクションBで製造した3つの未改造パルプ・ケーキを約5%の濃度で、クォンタム・マークIII(Quantum Mark III)高速実験室用ミキサーで処理する。49℃(120°F)に予め加温した蒸留水を先ず45mLの2%ケアザイム(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してケアザイム(登録商標)5.0Lの1%(容積/重量)添加)と約10秒混合し、さらに約49℃(120°F)を維持するようにプログラムした混合容器に移す。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/水の混合物に加える。容器の上部に蓋をしっかりと固定し、続いてミキサー・シャフトを嵌合させ、約1200RPM(高速混合)の速度で10秒混合してから停止させる。1時間の内の残りの時間、10分毎に1200RPMで10秒混合する。酵素反応時間が終了したとき、パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、可能なかぎり多くの物質を保持するために目の粗い綿布(チーズ・クロース)を用いて脱水する。得られたパルプ・ケーキをチーズ・クロースから剥がし、続いて100ppmのNaOCl(2000mLの蒸留水に4mLのクロロクス(登録商標))溶液約3000mLに加えて混合し、室温で最低5分反応させてセルロースとの更なる酵素反応を一切停止させる。反応停止後、パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、可能なかぎり多くの物質を保持するためにチーズ・クロースを用いて脱水する。このパルプ・ケーキを続いて約1500mLの蒸留水ですすぎ、さらに脱水する。得られた改造パルプ・ケーキをチーズ・クロースから剥がし、30絶乾グラムに相当するサンプルを続いて水道水で2000mLに希釈し、手すき紙を製造する前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
サンプル1Oは、以下の工程によって改造したパルプで製造される:
上記セクションBで製造した6つの未改造パルプ・ケーキを約10%の濃度で、クォンタム・マークIII高速実験室用ミキサーで処理する。49℃(120°F)に予め加温した蒸留水を先ず90mLの2%ケアザイム(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してケアザイム(登録商標)5.0Lの1%(容積/重量)添加)と約10秒混合し、さらに約49℃(120°F)を維持するようにプログラムした混合容器に移す。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/水の混合物に加える。容器の上部に蓋をしっかりと固定し、続いてミキサー・シャフトを嵌合させ、約1200RPM(高速混合)の速度で10秒混合してから停止させる。1時間の内の残りの時間、10分毎に1200RPMで10秒、合計70秒混合する。酵素反応時間が終了したとき、パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、可能なかぎり多くの物質を保持するためにチーズ・クロースを用いて脱水する。得られたパルプ・ケーキをチーズ・クロースから剥がし、続いて100ppmのNaOCl(2000mLの蒸留水に4mLのクロロクス(登録商標))溶液約6000mLに加えて混合し、室温で最低5分反応させてセルロースとの更なる酵素反応を一切停止させる。反応停止後、パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、可能なかぎり多くの物質を保持するためにチーズ・クロースを用いて脱水する。このパルプ・ケーキを続いて約3000mLの蒸留水ですすぎ、さらに脱水する。得られた改造パルプ・ケーキをチーズ・クロースから剥がし、30絶乾グラムに相当するサンプルを続いて水道水で2000mLに希釈し、手すき紙を製造する前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
サンプル1Pは、以下の工程によって改造したパルプで製造される:
上記セクションBで製造した8つの未改造パルプ・ケーキを約13.3%の濃度で、クォンタム・マークIII高速実験室用ミキサーで処理する。49℃(120°F)に予め加温した蒸留水を先ず135mLの2%ケアザイム(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してケアザイム(登録商標)5.0Lの1.12%(容積/重量)添加)と約10秒混合し、さらに約49℃(120°F)を維持するようにプログラムした混合容器に移す。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/水の混合物に加える。容器の上部に蓋をしっかりと固定し、続いてミキサー・シャフトを嵌合させ、約1200RPM(高速混合)の速度で10秒混合してから停止させる。1時間の内の残りの時間、10分毎に1200RPMで10秒間混合する。酵素反応時間が終了したとき、パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、可能なかぎり多くの物質を保持するためにチーズ・クロースを用いて脱水する。得られたパルプ・ケーキをチーズ・クロースから剥がし、続いて100ppmのNaOCl(2000mLの蒸留水に4mLのクロロクス(登録商標))溶液約6000mLに加えて混合し、室温で最低5分反応させてセルロースとの更なる酵素反応を一切停止させる。反応停止後、パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、可能なかぎり多くの物質を保持するためにチーズ・クロースを用いて脱水する。このパルプ・ケーキを続いて約5000mLの蒸留水ですすぎ、さらに脱水する。得られた改造パルプ・ケーキをチーズ・クロースから剥がし、30絶乾グラムに相当するサンプルを続いて水道水で2000mLに希釈し、手すき紙を製造する前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
サンプル1Qは、以下の工程によって改造したパルプで製造される:
上記セクションBで製造した6つの未改造パルプ・ケーキを約10%の濃度で、クォンタム・マークIII高速実験室用ミキサーで処理する。49℃(120°F)に予め加温した蒸留水を先ず90mLの2%ケアザイム(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してケアザイム(登録商標)5.0Lの1%(容積/重量)添加)と約10秒混合し、さらに約49℃(120°F)を維持するようにプログラムした混合容器に移す。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/水の混合物に加える。容器の上部に蓋をしっかりと固定し、続いてミキサー・シャフトを嵌合させ、約1200RPM(高速混合)の速度で10秒混合する。この最初の高速混合工程の後、1時間の内の残りの時間、2分毎に10秒間120RPMの低速混合を実施するが、25分、40分および50分の時点を除き、この時点では1200RPMの高速混合を20秒間実施する。酵素反応時間が終了したとき、蒸留水中の二水素添加牛脂ジメチルアンモニウムメチルスルフェート(シェレックス・ケミカル社、ウィトコ社、コネチカット州、グリニッチ)の4%(重量/容積)乳液(乾燥繊維に対して累積方式で0.9%)40mL、および蒸留水中のラウリルトリメチルアンモニウムクロリド(シェレックス・ケミカル社、ウィトコ社、コネチカット州、グリニッチ)の4%(重量/容積)溶液(乾燥繊維に対して累積方式で1.1%)50mLの混合物を酵素/パルプ・スラリーに加え、2%の総累積レベル(活性物質重量/乾燥繊維重量)にする。再び、容器の上部に蓋をしっかりと固定し、続いてミキサー・シャフトを嵌合させ、約1200RPM(高速混合)の速度で10秒混合してから停止させる。次の30分間、3分毎に約1200RPMの速度で10秒間混合を実施する。処理時間が終了したとき、パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、可能なかぎり多くの物質を保持するためにチーズ・クロースを用いて脱水する。続いてパルプ・ケーキを約3000mLの蒸留水ですすぎ、さらに脱水する。得られたパルプ・ケーキをチーズ・クロースから剥がし、30絶乾グラムに相当するサンプルを続いて水道水で2000mLに希釈し、手すき紙を製造する前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
表1は、製造した低密度手すき紙サンプルの密度、乾燥引張インデックス、乾燥および湿潤ゼロ・スパン引張インデックス、DT/DZST比の結果を示す。ケアザイム(登録商標)による繊維の酵素改造は、未改造コントロール繊維から製造した手すき紙サンプルと比較して、NSK繊維の乾燥ゼロ・スパン引張インデックス(DZST)の実質的減少をもたらし、一方、当該シートの全体的乾燥引張インデックス(DT)は維持または改善されることが表から分かる。この酵素改造繊維に化学脱結合剤を添加することによってDZSTはさらに減少する。さらにまた、高速混合を酵素処理と組み合わせることによって、酵素処理工程および脱結合剤処理工程の両者ともに、シートの引張に悪影響を及ぼすことなくDZSTがより大きく減少する。
Figure 0004160639
Figure 0004160639
具体例2:
セルクラスト(登録商標)によるNSK繊維処理
上記で概略した工程を用いて前述のセクションBの北方軟木クラフト(NSK)パルプ・ケーキを処理し、4つの低密度手すき紙サンプル(1サンプルにつき6シート)を製造する。コントロールNSKパルプは表1と同じである。
サンプル2Aは、以下の工程によって改造したパルプで製造される:
繊維は、酢酸ナトリウムおよび酢酸の50mM緩衝溶液(pH4.7)中で約3%の出発濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した緩衝溶液を先ず30mLの1%セルクラスト(Celluclast)(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してセルクラスト(登録商標)1.5Lの1%(容積/重量)添加)と約15秒間、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約49℃(120°F)の水浴中で混合する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/緩衝液混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め、約1時間反応させる。1時間が経過したとき、パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、濾紙を用いて脱水する。改造パルプ・ケーキを続いて100ppmのNaOCl(2000mLの蒸留水に4mLのクロロクス(登録商標))溶液約1000mLに加えて混合し、室温で最低5分反応させてセルロースとの更なる酵素反応を一切停止させる。反応停止後、改造パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、約1500mLの蒸留水ですすぎ、濾紙を用いて脱水する。得られた改造パルプ・ケーキを続いて水道水で2000mLに希釈し、手すき紙を製造する前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
サンプル2Bは、以下の工程によって改造したパルプで製造される:
繊維は、酢酸ナトリウムおよび酢酸の50mM緩衝溶液(pH4.7)中で約3%の濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した緩衝溶液を先ず60mLの1%セルクラスト(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してセルクラスト(登録商標)1.5Lの2%(容積/重量)添加)と約15秒間、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約49℃(120°F)の水浴中で混合する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/緩衝液混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め、約1時間反応させる。1時間が経過したとき、パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、濾紙を用いて脱水する。改造パルプ・ケーキを続いて100ppmのNaOCl(2000mLの蒸留水に4mLのクロロクス(登録商標))溶液約1000mLに加えて混合し、室温で最低5分反応させてセルロースとの更なる酵素反応を一切停止させる。反応停止後、改造パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、約1500mLの蒸留水ですすぎ、濾紙を用いて脱水する。得られた改造パルプ・ケーキを続いて水道水で2000mLに希釈し、手すき紙を製造する前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
サンプル2Cは、以下の工程によって改造したパルプで製造される:
繊維は、酢酸ナトリウムおよび酢酸の50mM緩衝溶液(pH4.7)中で約3%の濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した緩衝溶液を先ず30mLの1%セルクラスト(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してセルクラスト(登録商標)1.5Lの1%(容積/重量)添加)と約15秒間、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約49℃(120°F)の水浴中で混合する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/緩衝液混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め、約1時間反応させる。酵素反応時間が終了したとき、蒸留水中の臭化ヘキサメトニウム(アルドリッチ・ケミカル社、ウィスコンシン州、ミルウォーキー、カタログ番号21,967−3)溶液(1%、重量/容積)の30mLを酵素/パルプ・スラリーに加え、1%累算レベル(活性物質重量/乾燥繊維重量)を達成し、さらにもう1時間約49℃(120°F)で混合を続ける。二度目の1時間が終わったとき、濾過、反応停止または離解させることなく直接改造繊維スラリーで低密度手すき紙を製造する。
サンプル2Dは、以下の工程によって改造したパルプで製造される:
繊維は、酢酸ナトリウムおよび酢酸の50mM緩衝溶液(pH4.7)中で約3%の濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した緩衝溶液を先ず60mLの1%セルクラスト(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してセルクラスト(登録商標)1.5Lの2%(容積/重量)添加)と約15秒間、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約49℃(120°F)の水浴中で混合する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/緩衝液混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め、約1時間反応させる。酵素反応時間が終了したとき、蒸留水中の臭化ヘキサメトニウム(アルドリッチ・ケミカル社、ウィスコンシン州、ミルウォーキー、カタログ番号21,967−3)溶液(1%、重量/容積)の30mLを酵素/パルプ・スラリーに加え、1%累算レベル(活性物質重量/乾燥繊維重量)を達成し、さらにもう1時間約49℃(120°F)で混合を続ける。二度目の1時間が終わったとき、濾過、反応停止または離解させることなく直接改造繊維スラリーで低密度手すき紙を製造する。
表2は、製造した低密度手すき紙サンプルの密度、乾燥引張インデックス、乾燥および湿潤ゼロ・スパン引張インデックス、並びにDT/DZST比の結果を示す。セルクラスト(登録商標)による繊維の酵素改造は、未改造コントロール繊維から製造した手すき紙サンプルと比較して、NSK繊維の乾燥ゼロ・スパン引張インデックス(DZST)の実質的減少をもたらし、一方、当該シートの全体的な乾燥引張インデックス(DT)は維持または改善されることが表から分かる。この酵素改造繊維に化学脱結合剤を添加することによってDZSTはさらに減少する。
Figure 0004160639
具体例3:
セルザイム(登録商標)またはペルゴラーゼ(登録商標)によるNSK繊維処理
上記で概略した工程を用いて前述のセクションBの北方軟木クラフト(NSK)パルプ・ケーキを処理し、2つの低密度手すき紙サンプル(1サンプルにつき6シート)を製造する。コントロールNSKパルプは表1と同じである。
サンプル3Aは、以下の工程によって改造したパルプで製造される:
繊維は約3%の濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した蒸留水を先ず1.89gのセルザイム(Celluzyme)(登録商標)0.7T(絶乾パルプに対してセルザイム(登録商標)0.7Tの6.3%(重量/重量)添加)と約15秒間、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約49℃(120°F)の水浴中で混合する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/水混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め、約1時間反応させる。1時間が経過したとき、パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、濾紙を用いて脱水する。改造パルプ・ケーキを続いて100ppmのNaOCl(2000mLの蒸留水に4mLのクロロクス(登録商標))溶液約1000mLに加えて混合し、室温で最低5分反応させてセルロースとの更なる酵素反応を一切停止させる。反応停止後、改造パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、約1500mLの蒸留水ですすぎ、濾紙を用いて脱水する。得られた改造パルプ・ケーキを続いて水道水で2000mLに希釈し、手すき紙を製造する前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
サンプル3Bは、以下の工程によって改造したパルプで製造される:
繊維は、酢酸ナトリウムおよび酢酸の50mM緩衝溶液(pH4.7)中で約3%の濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した緩衝溶液を先ず30mLの1%ペルゴラーゼ(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してペルゴラーゼ(登録商標)A40の1%(容積/重量)添加)と約15秒間、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約49℃(120°F)の水浴中で混合する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/緩衝液混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め、約1時間反応させる。1時間が経過したとき、パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、濾紙を用いて脱水する。改造パルプ・ケーキを続いて100ppmのNaOCl(2000mLの蒸留水に4mLのクロロクス(登録商標))溶液約1000mLに加えて混合し、室温で最低5分反応させてセルロースとの更なる酵素反応を一切停止させる。反応停止後、改造パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、約1500mLの蒸留水ですすぎ、濾紙を用いて脱水する。得られた改造パルプ・ケーキを続いて水道水で2000mLに希釈し、手すき紙を製造する前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
表3は、製造した低密度手すき紙サンプルの密度、乾燥引張インデックス、乾燥および湿潤ゼロ・スパン引張インデックス、並びにDT/DZST比の結果を示す。セルザイム(登録商標)およびペルゴラーゼ(登録商標)による繊維の酵素改造は、未改造コントロール繊維から製造した手すき紙サンプルと比較して、NSK繊維の乾燥ゼロ・スパン引張インデックス(DZST)の実質的減少をもたらし、一方、当該シートの全体的な乾燥引張インデックス(DT)は維持または改善されることが表から分かる。
Figure 0004160639
具体例4:
ケアザイム(登録商標)によるユーカリ樹繊維の処理
上記で概略した工程を用いて前述のセクションBのユーカリ樹(Euc)パルプ・ケーキを処理し、5つの低密度手すき紙サンプル(1サンプルにつき6シート)を製造する。コントロールユーカリ樹パルプは未改造のままで2000mLの水道水で希釈し、手すき紙を製造する前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
サンプル4Aは、以下の工程によって改造したユーカリ樹パルプで製造される:
繊維は約3%の濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した蒸留水を先ず30mLの1%ケアザイム(Carezyme)(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してケアザイム(登録商標)5.0Lの1%(容積/重量)添加)と約15秒間、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約49℃(120°F)の水浴中で混合する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/水の混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め、約1時間反応させる。1時間が経過したとき、パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、濾紙を用いて脱水する。改造パルプ・ケーキを続いて100ppmのNaOCl(2000mLの蒸留水に4mLのクロロクス(登録商標))溶液約1000mLに加えて混合し、室温で最低5分反応させてセルロースとの更なる酵素反応を一切停止させる。反応停止後、改造パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、約1500mLの蒸留水ですすぎ、濾紙を用いて脱水する。得られた改造パルプ・ケーキを続いて水道水で2000mLに希釈し、手すき紙を製造する前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
サンプル4Bは、以下の工程によって改造したユーカリ樹パルプで製造される:
繊維は約3%の濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した蒸留水を先ず60mLの1%ケアザイム(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してケアザイム(登録商標)5.0Lの2%(容積/重量)添加)と約15秒間、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約49℃(120°F)の水浴中で混合する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/水の混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め、約1時間反応させる。1時間が経過したとき、パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、濾紙を用いて脱水する。改造パルプ・ケーキを続いて100ppmのNaOCl(2000mLの蒸留水に4mLのクロロクス(登録商標))溶液約1000mLに加えて混合し、室温で最低5分反応させてセルロースとの更なる酵素反応を一切停止させる。反応停止後、改造パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、約1500mLの蒸留水ですすぎ、濾紙を用いて脱水する。得られた改造パルプ・ケーキを続いて水道水で2000mLに希釈し、手すき紙を製造する前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
サンプル4Cは、以下の工程によって改造したNSKパルプで製造される:
繊維は約3%の出発濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した蒸留水を先ず30mLの1%ケアザイム(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してケアザイム(登録商標)5.0Lの1%(容積/重量)添加)と約15秒間、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約49℃(120°F)の水浴中で混合する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/水の混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め約1時間反応させる。酵素反応時間が終了したとき、蒸留水中の臭化ヘキサメトニウム(アルドリッチ・ケミカル社、ウィスコンシン州、ミルウォーキー、カタログ番号21,967−3)溶液(1%、重量/容積)の30mLを酵素/パルプ・スラリーに加え、1%累算レベル(活性物質重量/乾燥繊維重量)を達成し、さらにもう1時間約49℃(120°F)で混合を続ける。二度目の1時間が終わったとき、濾過、反応停止または離解させることなく直接改造繊維スラリーで低密度手すき紙を製造する。
サンプル4Dは、以下の工程によって改造したユーカリ樹パルプで製造される:
繊維は約3%の出発濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した蒸留水を先ず60mLの1%ケアザイム(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してケアザイム(登録商標)5.0Lの2%(容積/重量)添加)と約15秒間、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約49℃(120°F)の水浴中で混合する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/水の混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め約1時間反応させる。酵素反応時間が終了したとき、蒸留水中の臭化ヘキサメトニウム(アルドリッチ・ケミカル社、ウィスコンシン州、ミルウォーキー、カタログ番号21,967−3)溶液(1%、重量/容積)の30mLを酵素/パルプ・スラリーに加え、1%累算レベル(活性物質重量/乾燥繊維重量)を達成し、さらにもう1時間約49℃(120°F)で混合を続ける。二度目の1時間が終わったとき、濾過、反応停止または離解させることなく直接改造繊維スラリーで低密度手すき紙を製造する。
サンプル4Eは、以下の工程によって改造したユーカリ樹パルプで製造される:
繊維は約3%の出発濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した蒸留水を先ず30mLの1%ケアザイム(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してケアザイム(登録商標)5.0Lの1%(容積/重量)添加)と約15秒間、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約49℃(120°F)の水浴中で混合する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/水の混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め約1時間反応させる。酵素反応時間が終了したとき、蒸留水中の臭化テトラエチルアンモニウム(アルドリッチ・ケミカル社、ウィスコンシン州、ミルウォーキー、カタログ番号14,002−3)溶液(1%、重量/容積)の30mLを酵素/パルプ・スラリーに加え、1%累算レベル(活性物質重量/乾燥繊維重量)を達成し、さらにもう1時間約49℃(120°F)で混合を続ける。二度目の1時間が終わったとき、濾過、反応停止または離解させることなく直接改造繊維スラリーで低密度手すき紙を製造する。
表4は、製造した低密度手すき紙サンプルの密度、乾燥引張インデックス、乾燥および湿潤ゼロ・スパン引張インデックス、並びにDT/DZST比の結果を示す。ケアザイム(登録商標)による繊維の酵素改造は、未改造コントロール繊維から製造した手すき紙サンプルと比較して、硬木ユーカリ樹繊維の乾燥ゼロ・スパン引張インデックス(DZST)の実質的減少をもたらし、一方、当該シートの全体的な乾燥引張インデックス(DT)は維持または改善されることが表から分かる。この酵素改造繊維に化学脱結合剤を添加することによってDZSTはさらに減少する。
Figure 0004160639
具体例5:
セルクラスト(登録商標)によるユーカリ樹繊維の処理
上記で概略した工程を用いて前述のセクションBのユーカリ樹(Euc)パルプ・ケーキを処理し、4つの低密度手すき紙サンプル(1サンプルにつき6シート)を製造する。コントロールユーカリ樹パルプは表4と同じものである
サンプル5Aは、以下の工程によって改造したNSKパルプで製造される:
繊維は、酢酸ナトリウムおよび酢酸の50mM緩衝溶液(pH4.7)中で約3%の出発濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した緩衝溶液を先ず30mLの1%セルクラスト(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してセルクラスト(登録商標)1.5Lの1%(容積/重量)添加)と約15秒間、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約49℃(120°F)の水浴中で混合する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/緩衝液混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め、約1時間反応させる。1時間が経過したとき、パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、濾紙を用いて脱水する。改造パルプ・ケーキを続いて100ppmのNaOCl(2000mLの蒸留水に4mLのクロロクス(登録商標))溶液約1000mLに加えて混合し、室温で最低5分反応させてセルロースとの更なる酵素反応を一切停止させる。反応停止後、改造パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、約1500mLの蒸留水ですすぎ、濾紙を用いて脱水する。得られた改造パルプ・ケーキを続いて水道水で2000mLに希釈し、手すき紙を製造する前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
サンプル5Bは、以下の工程によって改造したNSKパルプで製造される:
繊維は、酢酸ナトリウムおよび酢酸の50mM緩衝溶液(pH4.7)中で約3%の濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した緩衝溶液を先ず60mLの1%セルクラスト(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してセルクラスト(登録商標)1.5Lの2%(容積/重量)添加)と約15秒間、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約49℃(120°F)の水浴中で混合する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/緩衝液混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め、約1時間反応させる。1時間が経過したとき、パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、濾紙を用いて脱水する。改造パルプ・ケーキを続いて100ppmのNaOCl(2000mLの蒸留水に4mLのクロロクス(登録商標))溶液約1000mLに加えて混合し、室温で最低5分反応させてセルロースとの更なる酵素反応を一切停止させる。反応停止後、改造パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、約1500mLの蒸留水ですすぎ、濾紙を用いて脱水する。得られた改造パルプ・ケーキを続いて水道水で2000mLに希釈し、手すき紙を製造する前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
サンプル5Cは、以下の工程によって改造したパルプで製造される:
繊維は、酢酸ナトリウムおよび酢酸の50mM緩衝溶液(pH4.7)中で約3%の濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した緩衝溶液を先ず30mLの1%セルクラスト(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してセルクラスト(登録商標)1.5Lの1%(容積/重量)添加)と約15秒間、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約49℃(120°F)の水浴中で混合する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/緩衝液混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め、約1時間反応させる。酵素反応時間が終了したとき、蒸留水中の臭化ヘキサメトニウム(アルドリッチ・ケミカル社、ウィスコンシン州、ミルウォーキー、カタログ番号21,967−3)溶液(1%、重量/容積)の30mLを酵素/パルプ・スラリーに加え、1%累算レベル(活性物質重量/乾燥繊維重量)を達成し、さらにもう1時間約49℃(120°F)で混合を続ける。二度目の1時間が終わったとき、濾過、反応停止または離解させることなく直接改造繊維スラリーで低密度手すき紙を製造する。
サンプル5Dは、以下の工程によって改造したNSKパルプで製造される:
繊維は、酢酸ナトリウムおよび酢酸の50mM緩衝溶液(pH4.7)中で約3%の濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した緩衝溶液を先ず60mLの1%セルクラスト(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してセルクラスト(登録商標)1.5Lの2%(容積/重量)添加)と約15秒間、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約49℃(120°F)の水浴中で混合する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/緩衝液混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め、約1時間反応させる。酵素反応時間が終了したとき、蒸留水中の臭化ヘキサメトニウム(アルドリッチ・ケミカル社、ウィスコンシン州、ミルウォーキー、カタログ番号21,967−3)溶液(1%、重量/容積)の30mLを酵素/パルプ・スラリーに加え、1%累算レベル(活性物質重量/乾燥繊維重量)を達成し、さらにもう1時間約49℃(120°F)で混合を続ける。二度目の1時間が終わったとき、濾過、反応停止または離解させることなく直接改造繊維スラリーで低密度手すき紙を製造する。
表5は、製造した低密度手すき紙サンプルの密度、乾燥引張インデックス、乾燥および湿潤ゼロ・スパン引張インデックス、並びにDT/DZST比の結果を示す。セルクラスト(登録商標)による硬木ユーカリ樹繊維の酵素改造は、未改造コントロール繊維から製造した手すき紙サンプルと比較して、NSK繊維の乾燥ゼロ・スパン引張インデックス(DZST)の実質的減少をもたらし、一方、当該シートの全体的な乾燥引張インデックス(DT)は維持または改善されることが表から分かる。この酵素改造繊維に化学脱結合剤を添加することによってDZSTはさらに減少する。
Figure 0004160639
具体例6:
セルザイム(登録商標)によるユーカリ樹繊維の処理
上記で概略した工程を用いて前述のセクションBのユーカリ樹(Euc)パルプ・ケーキを処理し、1つの低密度手すき紙サンプル(1サンプルにつき6シート)を製造する。コントロールユーカリ樹パルプは表1と同じである。
サンプル6Aは、以下の工程によって改造したユーカリ樹パルプで製造される:
繊維は約3%の濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した蒸留水を先ず1.89gのセルザイム(Celluzyme)(登録商標)0.7T(絶乾パルプに対してセルザイム(登録商標)0.7Tの6.3%(重量/重量)添加)と約15秒間、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約49℃(120°F)の水浴中で混合する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/水混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め、約1時間反応させる。1時間が経過したとき、パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、濾紙を用いて脱水する。改造パルプ・ケーキを続いて100ppmのNaOCl(2000mLの蒸留水に4mLのクロロクス(登録商標))溶液約1000mLに加えて混合し、室温で最低5分反応させてセルロースとの更なる酵素反応を一切停止させる。反応停止後、改造パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、約1500mLの蒸留水ですすぎ、濾紙を用いて脱水する。得られた改造パルプ・ケーキを続いて水道水で2000mLに希釈し、手すき紙を製造する前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
Figure 0004160639
具体例7:
ケアザイム(登録商標)による亜硫酸処理北方硬木(NHS)の処理
上記で概略した工程を用いて前述のセクションBの北方硬木亜硫酸(NHS)パルプ・ケーキを処理し、3つの低密度手すき紙サンプル(1サンプルにつき6シート)を製造する。コントロールNHSパルプは未改造のままで2000mLの水道水で希釈し、手すき紙を製造する前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
サンプル7Aは、以下の工程によって改造したNHSパルプで製造される:
繊維は約3%の濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した蒸留水を先ず30mLの1%ケアザイム(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してケアザイム(登録商標)5.0Lの1%(容積/重量)添加)と約15秒間、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約49℃(120°F)の水浴中で混合する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/水の混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め、約1時間反応させる。1時間が経過したとき、パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、濾紙を用いて脱水する。改造パルプ・ケーキを続いて100ppmのNaOCl(2000mLの蒸留水に4mLのクロロクス(登録商標))溶液約1000mLに加えて混合し、室温で最低5分反応させてセルロースとの更なる酵素反応を一切停止させる。反応停止後、改造パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、約1500mLの蒸留水ですすぎ、濾紙を用いて脱水する。得られた改造パルプ・ケーキを続いて水道水で2000mLに希釈し、手すき紙を製造する前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
サンプル7Bは、以下の工程によって改造したNSKパルプで製造される:
繊維は約3%の出発濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した蒸留水を先ず30mLの1%ケアザイム(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してケアザイム(登録商標)5.0Lの1%(容積/重量)添加)と約15秒間、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約49℃(120°F)の水浴中で混合する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/水の混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め、約1時間反応させる。酵素反応時間が終了したとき、蒸留水中の臭化ヘキサメトニウム(アルドリッチ・ケミカル社、ウィスコンシン州、ミルウォーキー、カタログ番号21,967−3)溶液(1%、重量/容積)の30mLを酵素/パルプ・スラリーに加え、1%累算レベル(活性物質重量/乾燥繊維重量)を達成し、さらにもう1時間約49℃(120°F)で混合を続ける。二度目の1時間が終わったとき、濾過、反応停止または離解させることなく直接改造繊維スラリーで低密度手すき紙を製造する。
表7は、製造した低密度手すき紙サンプルの密度、乾燥引張インデックス、乾燥および湿潤ゼロ・スパン引張インデックス、並びにDT/DZST比の結果を示す。ケアザイム(登録商標)による繊維の酵素改造は、未改造コントロール繊維から製造した手すき紙サンプルと比較して、NHS繊維の乾燥ゼロ・スパン引張インデックス(DZST)の実質的減少をもたらし、一方、当該シートの全体的乾燥引張インデックス(DT)は維持または改善されることが表から分かる。この酵素改造繊維に化学脱結合剤を添加することによってDZSTはさらに減少する。
Figure 0004160639
具体例8:
セルクラスト(登録商標)による亜硫酸処理北方硬木の処理
上記で概略した工程を用いて前述のセクションBの北方硬木亜硫酸(NHS)パルプ・ケーキを処理し、4つの低密度手すき紙サンプル(1サンプルにつき6シート)を製造する。コントロールNHSパルプは表7と同じものである
サンプル8Aは、以下の工程によって改造したNHSパルプで製造される:
繊維は、酢酸ナトリウムおよび酢酸の50mM緩衝溶液(pH4.7)中で約3%の出発濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した緩衝溶液を先ず30mLの1%セルクラスト(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してセルクラスト(登録商標)1.5Lの1%(容積/重量)添加)と約15秒間、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約49℃(120°F)の水浴中で混合する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/緩衝液混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め、約1時間反応させる。1時間が経過したとき、パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、濾紙を用いて脱水する。改造パルプ・ケーキを続いて100ppmのNaOCl(2000mLの蒸留水に4mLのクロロクス(登録商標))溶液約1000mLに加えて混合し、室温で最低5分反応させてセルロースとの更なる酵素反応を一切停止させる。反応停止後、改造パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、約1500mLの蒸留水ですすぎ、濾紙を用いて脱水する。得られた改造パルプ・ケーキを続いて水道水で2000mLに希釈し、手すき紙を製造する前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
サンプル8Bは、以下の工程によって改造したNHSパルプで製造される:
繊維は、酢酸ナトリウムおよび酢酸の50mM緩衝溶液(pH4.7)中で約3%の濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した緩衝溶液を先ず60mLの1%セルクラスト(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してセルクラスト(登録商標)1.5Lの2%(容積/重量)添加)と約15秒間、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約49℃(120°F)の水浴中で混合する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/緩衝液混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め、約1時間反応させる。1時間が経過したとき、パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、濾紙を用いて脱水する。改造パルプ・ケーキを続いて100ppmのNaOCl(2000mLの蒸留水に4mLのクロロクス(登録商標))溶液約1000mLに加えて混合し、室温で最低5分反応させてセルロースとの更なる酵素反応を一切停止させる。反応停止後、改造パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、約1500mLの蒸留水ですすぎ、濾紙を用いて脱水する。得られた改造パルプ・ケーキを続いて水道水で2000mLに希釈し、手すき紙を製造する前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
サンプル8Cは、以下の工程によって改造したNHSパルプで製造される:
繊維は、酢酸ナトリウムおよび酢酸の50mM緩衝溶液(pH4.7)中で約3%の濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した緩衝溶液を先ず30mLの1%セルクラスト(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してセルクラスト(登録商標)1.5Lの1%(容積/重量)添加)と約15秒間、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約49℃(120°F)の水浴中で混合する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/緩衝液混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め、約1時間反応させる。酵素反応時間が終了したとき、蒸留水中の臭化ヘキサメトニウム(アルドリッチ・ケミカル社、ウィスコンシン州、ミルウォーキー、カタログ番号21,967−3)溶液(1%、重量/容積)の30mLを酵素/パルプ・スラリーに加え、1%累算レベル(活性物質重量/乾燥繊維重量)を達成し、さらにもう1時間約49℃(120°F)で混合を続ける。二度目の1時間が終わったとき、濾過、反応停止または離解させることなく直接改造繊維スラリーで低密度手すき紙を製造する。
サンプル8Dは、以下の工程によって改造したNSKパルプで製造される:
繊維は、酢酸ナトリウムおよび酢酸の50mM緩衝溶液(pH4.7)中で約3%の濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した緩衝溶液を先ず60mLの1%セルクラスト(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してセルクラスト(登録商標)1.5Lの2%(容積/重量)添加)と約15秒間、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約49℃(120°F)の水浴中で混合する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/緩衝液混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め、約1時間反応させる。酵素反応時間が終了したとき、蒸留水中の臭化ヘキサメトニウム(アルドリッチ・ケミカル社、ウィスコンシン州、ミルウォーキー、カタログ番号21,967−3)溶液(1%、重量/容積)の30mLを酵素/パルプ・スラリーに加え、1%累算レベル(活性物質重量/乾燥繊維重量)を達成し、さらにもう1時間約49℃(120°F)で混合を続ける。二度目の1時間が終わったとき、濾過、反応停止または離解させることなく直接改造繊維スラリーで低密度手すき紙を製造する。
表8は、製造した低密度手すき紙サンプルの密度、乾燥引張インデックス、乾燥および湿潤ゼロ・スパン引張インデックス、並びにDT/DZST比の結果を示す。セルクラスト(登録商標)による繊維の酵素改造は、未改造コントロール繊維から製造した手すき紙サンプルと比較して、NHS繊維の乾燥ゼロ・スパン引張インデックス(DZST)の実質的減少をもたらし、一方、当該シートの全体的な乾燥引張インデックス(DT)は維持または改善されることが表から分かる。この酵素改造繊維に化学脱結合剤を添加することによってDZSTはさらに減少する。
Figure 0004160639
具体例9:
ケアザイム(登録商標)による南方軟木クラフト繊維の処理
上記で概略した工程を用いて前述のセクションBの南方軟木クラフト(SSK)パルプ・ケーキを処理し、3つの低密度手すき紙サンプル(1サンプルにつき6シート)を製造する。コントロールSSKパルプは未改造のままで2000mLの水道水で希釈し、手すき紙を製造する前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
サンプル9Aは、以下の工程によって改造したSSKパルプで製造される:
繊維は約3%の出発濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した蒸留水を先ず30mLの1%ケアザイム(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してケアザイム(登録商標)5.0Lの1%(容積/重量)添加)と約15秒間、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約49℃(120°F)の水浴中で混合する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/水の混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め、約1時間反応させる。酵素反応時間が終了したとき、蒸留水中の臭化ヘキサメトニウム(アルドリッチ・ケミカル社、ウィスコンシン州、ミルウォーキー、カタログ番号21,967−3)溶液(1%、重量/容積)の30mLを酵素/パルプ・スラリーに加え、1%累算レベル(活性物質重量/乾燥繊維重量)を達成し、さらにもう1時間約49℃(120°F)で混合を続ける。二度目の1時間が終わったとき、濾過、反応停止または離解させることなく直接改造繊維スラリーで低密度手すき紙を製造する。
サンプル9Bは、以下の工程によって改造したNSKパルプで製造される:
繊維は約3%の出発濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した蒸留水を先ず60mLの1%ケアザイム(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してケアザイム(登録商標)5.0Lの2%(容積/重量)添加)と約15秒間、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約49℃(120°F)の水浴中で混合する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/水の混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め、約1時間反応させる。酵素反応時間が終了したとき、蒸留水中の臭化ヘキサメトニウム(アルドリッチ・ケミカル社、ウィスコンシン州、ミルウォーキー、カタログ番号21,967−3)溶液(1%、重量/容積)の30mLを酵素/パルプ・スラリーに加え、1%累算レベル(活性物質重量/乾燥繊維重量)を達成し、さらにもう1時間約49℃(120°F)で混合を続ける。二度目の1時間が終わったとき、濾過、反応停止または離解させることなく直接改造繊維スラリーで低密度手すき紙を製造する。
表9は、製造した低密度手すき紙サンプルの密度、乾燥引張インデックス、乾燥および湿潤ゼロ・スパン引張インデックス、並びにDT/DZST比の結果を示す。ケアザイム(登録商標)による繊維の酵素改造とそれに続く脱結合剤処理は、未改造コントロール繊維から製造した手すき紙サンプルと比較して、SSK繊維の乾燥ゼロ・スパン引張インデックス(DZST)の実質的減少をもたらし、一方、当該シートの全体的乾燥引張インデックス(DT)は維持または改善されることが表から分かる。
Figure 0004160639
具体例10:
NSK繊維の処理および可撓性が改善された繊維構造物
上記で概略した工程を用いて前述のセクションBの北方軟木クラフト(NSK)パルプ・ケーキを処理し、15の低密度手すき紙サンプル(1サンプルにつき6シート)を製造する。コントロールNSKパルプは未改造のままで2000mLの水道水で希釈し、手すき紙を製造する前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
サンプル10Aは、以下の工程によって改造したNSKパルプで製造される:
繊維は約3%の濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した蒸留水を先ず7.5mLの2%ケアザイム(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してケアザイム(登録商標)5.0Lの0.5%(容積/重量)添加)と約15秒間、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約49℃(120°F)の水浴中で混合する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/水の混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め、約1時間反応させる。1時間が経過したとき、パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、濾紙を用いて脱水する。改造パルプ・ケーキを続いて100ppmのNaOCl(2000mLの蒸留水に4mLのクロロクス(登録商標)(クロロクス社(The Clorox Co.、カリフォルニア州、オークランド)より入手可能))溶液約1000mLに加えて混合し、室温で最低5分反応させてセルロースとの更なる酵素反応を一切停止させる。反応停止後、改造パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、約1500mLの蒸留水ですすぎ、濾紙を用いて脱水する。得られた改造パルプ・ケーキを続いて水道水で2000mLに希釈し、手すき紙を製造する前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
サンプル10Bは、以下の工程によって改造したNSKパルプで製造される:
繊維は約3%の濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した蒸留水を先ず22.5mLの2%ケアザイム(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してケアザイム(登録商標)5.0Lの1.5%(容積/重量)添加)と約15秒間、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約49℃(120°F)の水浴中で混合する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/水の混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め、約1時間反応させる。1時間が経過したとき、パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、濾紙を用いて脱水する。改造パルプ・ケーキを続いて100ppmのNaOCl(2000mLの蒸留水に4mLのクロロクス(登録商標))溶液約1000mLに加えて混合し、室温で最低5分反応させてセルロースとの更なる酵素反応を一切停止させる。反応停止後、改造パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、約1500mLの蒸留水ですすぎ、濾紙を用いて脱水する。得られた改造パルプ・ケーキを続いて水道水で2000mLに希釈し、手すき紙を製造する前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
サンプル10Cは、以下の工程によって改造したNSKパルプで製造される:
繊維は、酢酸ナトリウムおよび酢酸の50mM緩衝溶液(pH4.7)中で約3%の出発濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した緩衝溶液を先ず7.5mLの2%セルクラスト(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してセルクラスト(登録商標)1.5Lの0.5%(容積/重量)添加)と約15秒間、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約49℃(120°F)の水浴中で混合する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/緩衝液混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め、約1時間反応させる。1時間が経過したとき、パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、濾紙を用いて脱水する。改造パルプ・ケーキを続いて100ppmのNaOCl(2000mLの蒸留水に4mLのクロロクス(登録商標))溶液約1000mLに加えて混合し、室温で最低5分反応させてセルロースとの更なる酵素反応を一切停止させる。反応停止後、改造パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、約1500mLの蒸留水ですすぎ、濾紙を用いて脱水する。得られた改造パルプ・ケーキを続いて水道水で2000mLに希釈し、手すき紙を製造する前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
サンプル10Dは、以下の工程によって改造したNSKパルプで製造される:
繊維は、酢酸ナトリウムおよび酢酸の50mM緩衝溶液(pH4.7)中で約3%の濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した緩衝溶液を先ず22.5mLの2%セルクラスト(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してセルクラスト(登録商標)1.5Lの1.5%(容積/重量)添加)と約15秒間、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約49℃(120°F)の水浴中で混合する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/緩衝液混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め、約1時間反応させる。1時間が経過したとき、パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、濾紙を用いて脱水する。改造パルプ・ケーキを続いて100ppmのNaOCl(2000mLの蒸留水に4mLのクロロクス(登録商標))溶液約1000mLに加えて混合し、室温で最低5分反応させてセルロースとの更なる酵素反応を一切停止させる。反応停止後、改造パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、約1500mLの蒸留水ですすぎ、濾紙を用いて脱水する。得られた改造パルプ・ケーキを続いて水道水で2000mLに希釈し、手すき紙を製造する前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
n−ドデセニルコハク酸二ナトリウム塩の調製:
無水n−ドデセニルコハク酸(濃度98%、ミリケン・ケミカル社(Milliken Chemical Co.)、サウスカロライナ州、インマン)を500gの蒸留水と70℃で約16時間混合する。16時間の反応時間の後で、1%硫酸ナトリウム3070gを加え、さらにもう1時間混合して熱をとる。続いて、定常的に攪拌しながらこの乳濁液に50%の水酸化ナトリウム1000gをゆっくりと加え、濃度49%のn−ドデセニルコハク酸一ナトリウム塩を生成する。この物質から代表的サンプルを得て、水で6%濃度に希釈し、水酸化ナトリウム溶液でpHを9に調節してn−ドデセニルコハク酸二ナトリウム塩を生成する。
n−オクタデセニルコハク酸二ナトリウム塩の調製
500gの無水n−オクタデセニルコハク酸(濃度100%、ミリケン・ケミカル社、サウスカロライナ州、インマン)を70℃で溶融し、続いて50gの蒸留水と約16時間混合する16時間の反応時間の後で、この乳濁液の熱を除去し、2000gの蒸留水とともに50%水酸化ナトリウム218gを混合してn−オクタデセニルコハク酸二ナトリウム塩を生成する。この乳濁液をさらに20時間室温で混合し、続いて100gの硫酸ナトリウム結晶および400gの蒸留水と混合する。この混合物から代表的なサンプルを採取し、蒸留水で6%濃度に希釈する。
サンプル10Eは、以下の工程によって改造したNSKパルプで製造される:
繊維は約3%の出発濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した蒸留水を先ず15mLの2%ケアザイム(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してケアザイム(登録商標)5.0Lの1%(容積/重量)添加)と約15秒間、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約49℃(120°F)の水浴中で混合する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/水の混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め約1時間反応させる。酵素反応時間が終了したとき、0.1規定の水酸化ナトリウムを用いて酵素/パルプ・スラリーのpHを約10に調節する。pHを調節した後、6%(重量/容積)のn−ドデセニルコハク酸二ナトリウム塩溶液(調製は上記のとおり)25mLを酵素/パルプ・スラリーに加えて5%累積レベル(活性物質重量/乾燥繊維重量)を達成し、さらに30分約49℃(120°F)で混合を続ける。30分混合した後で、1規定の硫酸を用いて酵素/パルプ/n−ドデセニルコハク酸塩スラリーのpHを7に調節する。pH調節後、20mLの蒸留水に溶解した1.75gの塩化カルシウム(J.T.Baker,ニュージャージ州、フィリップスバーグ)を酵素/パルプ/n−ドデセニルコハク酸塩スラリーに加え、さらに5分約49℃(120°F)で混合する。この処理が終了したとき、パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、濾紙を用いて脱水する。得られた改造パルプ・ケーキを続いて水道水で2000mLに希釈し、手すき紙を製造する前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
サンプル10Fは、以下の工程によって改造したNSKパルプで製造される:
繊維は約3%の出発濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した蒸留水を先ず15mLの2%ケアザイム(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してケアザイム(登録商標)5.0Lの1%(容積/重量)添加)と約15秒間、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約49℃(120°F)の水浴中で混合する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/水の混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め約1時間反応させる。酵素反応時間が終了したとき、0.1規定の水酸化ナトリウムを用いて酵素/パルプ・スラリーのpHを約10に調節する。pHを調節した後、6%(重量/容積)のn−ドデセニルコハク酸二ナトリウム塩溶液(調製は上記のとおり)5mLを酵素/パルプ・スラリーに加えて1%累積レベル(活性物質重量/乾燥繊維重量)を達成し、さらに30分約49℃(120°F)で混合を続ける。30分混合した後で、1規定の硫酸を用いて酵素/パルプ/n−ドデセニルコハク酸塩スラリーのpHを7に調節する。pH調節後、20mLの蒸留水に溶解した0.43gの塩化亜鉛(J.T.Baker,ニュージャージ州、フィリップスバーグ)を酵素/パルプ/n−ドデセニルコハク酸塩スラリーに加え、さらに5分約49℃(120°F)で混合する。この処理が終了したとき、パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、濾紙で脱水する。得られた改造パルプ・ケーキを続いて水道水で2000mLに希釈し、手すき紙を製造する前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
サンプル10Gは、以下の工程によって改造したNSKパルプで製造される:
繊維は約3%の出発濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した蒸留水を先ず15mLの2%ケアザイム(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してケアザイム(登録商標)5.0Lの1%(容積/重量)添加)と約15秒間、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約49℃(120°F)の水浴中で混合する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/水の混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め約1時間反応させる。酵素反応時間が終了したとき、0.1規定の水酸化ナトリウムを用いて酵素/パルプ・スラリーのpHを約10に調節する。pHを調節した後、6%(重量/容積)のn−ドデセニルコハク酸二ナトリウム塩溶液(調製は上記のとおり)25mLを酵素/パルプ・スラリーに加えて5%累積レベル(活性物質重量/乾燥繊維重量)を達成し、さらに30分約49℃(120°F)で混合を続ける。30分混合した後で、1規定の硫酸を用いて酵素/パルプ/n−ドデセニルコハク酸塩スラリーのpHを7に調節する。pH調節後、20mLの蒸留水に溶解した2.15gの塩化亜鉛(J.T.Baker,ニュージャージ州、フィリップスバーグ)を酵素/パルプ/n−ドデセニルコハク酸塩スラリーに加え、さらに5分約49℃(120°F)で混合する。この処理が終了したとき、パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、濾紙で脱水する。得られた改造パルプ・ケーキを続いて水道水で2000mLに希釈し、手すき紙を製造する前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
サンプル10Hは、以下の工程によって改造したNSKパルプで製造される:
繊維は約3%の出発濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した蒸留水を先ず15mLの2%ケアザイム(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してケアザイム(登録商標)5.0Lの1%(容積/重量)添加)と約15秒間、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約49℃(120°F)の水浴中で混合する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/水の混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め約1時間反応させる。酵素反応時間が終了したとき、0.1規定の水酸化ナトリウムを用いて酵素/パルプ・スラリーのpHを約10に調節する。pHを調節した後、6%(重量/容積)のn−オクタデセニルコハク酸二ナトリウム塩(調製は上記のとおり)容液5mLを酵素/パルプ・スラリーに加えて1%累積レベル(活性物質重量/乾燥繊維重量)を達成し、さらに30分約49℃(120°F)で混合を続ける。30分混合した後で、1規定の硫酸を用いて酵素/パルプ/n−オクタデセニルコハク酸塩スラリーのpHを7に調節する。pH調節後、20mLの蒸留水に溶解した0.27gの塩化カルシウム(J.T.Baker,ニュージャージ州、フィリップスバーグ)を酵素/パルプ/n−ドデセニルコハク酸塩スラリーに加え、さらに5分約49℃(120°F)で混合する。この処理が終了したとき、パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、濾紙で脱水する。得られた改造パルプ・ケーキを続いて水道水で2000mLに希釈し、手すき紙を製造する前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
サンプル10Iは、以下の工程によって改造したNSKパルプで製造される:
繊維は約3%の出発濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した蒸留水を先ず15mLの2%ケアザイム(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してケアザイム(登録商標)5.0Lの1%(容積/重量)添加)と約15秒間、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約49℃(120°F)の水浴中で混合する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/水の混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め約1時間反応させる。酵素反応時間が終了したとき、0.1規定の水酸化ナトリウムを用いて酵素/パルプ・スラリーのpHを約10に調節する。pHを調節した後、6%(重量/容積)のn−オクタデセニルコハク酸二ナトリウム塩(調製は上記のとおり)容液25mLを酵素/パルプ・スラリーに加えて5%累積レベル(活性物質重量/乾燥繊維重量)を達成し、さらに30分約49℃(120°F)で混合を続ける。30分混合した後で、1規定の硫酸を用いて酵素/パルプ/n−オクタデセニルコハク酸塩スラリーのpHを7に調節する。pH調節後、20mLの蒸留水に溶解した1.36gの塩化カルシウム(J.T.Baker,ニュージャージ州、フィリップスバーグ)を酵素/パルプ/n−オクタデセニルコハク酸塩スラリーに加え、さらに5分約49℃(120°F)で混合する。この処理が終了したとき、パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、濾紙で脱水する。得られた改造パルプ・ケーキを続いて水道水で2000mLに希釈し、手すき紙を製造する前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
サンプル10Jは、以下の工程によって改造したNSKパルプで製造される:
繊維は約3%の出発濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した蒸留水を先ず15mLの2%ケアザイム(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してケアザイム(登録商標)5.0Lの1%(容積/重量)添加)と約15秒間、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約49℃(120°F)の水浴中で混合する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/水の混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め約1時間反応させる。酵素反応時間が終了したとき、0.1規定の水酸化ナトリウムを用いて酵素/パルプ・スラリーのpHを約10に調節する。pHを調節した後、6%(重量/容積)のn−ドデセニルコハク酸二ナトリウム塩(調製は上記のとおり)容液5mLを酵素/パルプ・スラリーに加えて1%累積レベル(活性物質重量/乾燥繊維重量)を達成し、さらに30分約49℃(120°F)で混合を続ける。30分混合した後で、1規定の硫酸を用いて酵素/パルプ/n−ドデセニルコハク酸塩スラリーのpHを7に調節する。pH調節後、20mLの蒸留水に溶解した0.35gの塩化カルシウム(J.T.Baker,ニュージャージ州、フィリップスバーグ)を酵素/パルプ/n−ドデセニルコハク酸塩スラリーに加え、さらに5分約49℃(120°F)で混合する。この処理が終了したとき、パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、濾紙で脱水する。得られた改造パルプ・ケーキを続いて水道水で2000mLに希釈し、手すき紙を製造する前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
サンプル10Kは、以下の工程によって改造したNSKパルプで製造される:
繊維は約3%の出発濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した蒸留水を先ず15mLの2%ケアザイム(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してケアザイム(登録商標)5.0Lの1%(容積/重量)添加)と約15秒間、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約49℃(120°F)の水浴中で混合する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/水の混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め約1時間反応させる。酵素反応時間が終了したとき、0.1規定の水酸化ナトリウムを用いて酵素/パルプ・スラリーのpHを約10に調節する。pHを調節した後、6%(重量/容積)のn−オクタデセニルコハク酸二ナトリウム塩(調製は上記のとおり)容液5mLを酵素/パルプ・スラリーに加えて1%累積レベル(活性物質重量/乾燥繊維重量)を達成し、さらに30分約49℃(120°F)で混合を続ける。30分混合した後で、1規定の硫酸を用いて酵素/パルプ/n−オクタデセニルコハク酸塩スラリーのpHを7に調節する。pH調節後、20mLの蒸留水に溶解した0.33gの塩化亜鉛(J.T.Baker,ニュージャージ州、フィリップスバーグ)を酵素/パルプ/n−オクタデセニルコハク酸塩スラリーに加え、さらに5分約49℃(120°F)で混合する。この処理が終了したとき、パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、濾紙で脱水する。得られた改造パルプ・ケーキを続いて水道水で2000mLに希釈し、手すき紙を製造する前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
サンプル10Lは、以下の工程によって改造したNSKパルプで製造される:
繊維は約3%の出発濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した蒸留水を先ず15mLの2%ケアザイム(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してケアザイム(登録商標)5.0Lの1%(容積/重量)添加)と約15秒間、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約49℃(120°F)の水浴中で混合する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/水の混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め約1時間反応させる。酵素反応時間が終了したとき、0.1規定の水酸化ナトリウムを用いて酵素/パルプ・スラリーのpHを約10に調節する。pHを調節した後、6%(重量/容積)のn−オクタデセニルコハク酸二ナトリウム塩(調製は上記のとおり)容液25mLを酵素/パルプ・スラリーに加えて5%累積レベル(活性物質重量/乾燥繊維重量)を達成し、さらに30分約49℃(120°F)で混合を続ける。30分混合した後で、1規定の硫酸を用いて酵素/パルプ/n−オクタデセニルコハク酸塩スラリーのpHを7に調節する。pH調節後、20mLの蒸留水に溶解した1.66gの塩化亜鉛(J.T.Baker,ニュージャージ州、フィリップスバーグ)を酵素/パルプ/n−オクタデセニルコハク酸塩スラリーに加え、さらに5分約49℃(120°F)で混合する。この処理が終了したとき、パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、濾紙で脱水する。得られた改造パルプ・ケーキを続いて水道水で2000mLに希釈し、手すき紙を製造する前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
サンプル10Mは、以下の工程によって改造したNSKパルプで製造される:
繊維は約3%の出発濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した蒸留水を先ず15mLの2%ケアザイム(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してケアザイム(登録商標)5.0Lの1%(容積/重量)添加)と約15秒間、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約49℃(120°F)の水浴中で混合する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/水の混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め約1時間反応させる。酵素反応時間が終了したとき、0.1規定の水酸化ナトリウムを用いて酵素/パルプ・スラリーのpHを約10に調節する。pHを調節した後、6%(重量/容積)のn−ドデセニルコハク酸二ナトリウム塩(調製は上記のとおり)容液25mLを酵素/パルプ・スラリーに加えて5%累積レベル(活性物質重量/乾燥繊維重量)を達成し、さらに30分約49℃(120°F)で混合を続ける。30分混合した後で、1規定の硫酸を用いて酵素/パルプ/n−ドデセニルコハク酸塩スラリーのpHを7に調節する。pH調節後、20mLの蒸留水に溶解した2.15gの塩化亜鉛(J.T.Baker,ニュージャージ州、フィリップスバーグ)を酵素/パルプ/n−ドデセニルコハク酸塩スラリーに加え、さらに5分約49℃(120°F)で混合する。この処理が終了したとき、パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、濾紙で脱水する。得られた改造パルプ・ケーキを続いて水道水で2000mLに希釈し、手すき紙を製造する前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
サンプル10Nは、以下の工程によって改造したNSKパルプで製造される:
繊維は約3%の出発濃度で処理する。49℃(120°F)に予め加温した蒸留水を先ず15mLの2%ケアザイム(登録商標)溶液(絶乾パルプに対してケアザイム(登録商標)5.0Lの1%(容積/重量)添加)と約15秒間、ライトニン(登録商標)実験室用ミキサー(Lightnin’,ニューヨーク州、ロチェスター)により約49℃(120°F)の水浴中で混合する。未改造パルプ・ケーキは電子レンジで約49℃(120°F)に予め加温し、続いて酵素/水の混合物に加える。ライトニン(登録商標)ミキサーの混合速度は連続ターン・オーバーおよびパルプ・スラリーの連続攪拌を達成するために高め約1時間反応させる。酵素反応時間が終了したとき、0.1規定の水酸化ナトリウムを用いて酵素/パルプ・スラリーのpHを約10に調節する。pHを調節した後、6%(重量/容積)のn−ドデセニルコハク酸二ナトリウム塩(調製は上記のとおり)容液25mLを酵素/パルプ・スラリーに加えて5%累積レベル(活性物質重量/乾燥繊維重量)を達成し、さらに30分約49℃(120°F)で混合を続ける。30分混合した後で、1規定の硫酸を用いて酵素/パルプ/n−ドデセニルコハク酸塩スラリーのpHを7に調節する。pH調節後、20mLの蒸留水に溶解した1.75gの塩化カルシウム(J.T.Baker,ニュージャージ州、フィリップスバーグ)を酵素/パルプ/n−ドデセニルコハク酸塩スラリーに加え、さらに5分約49℃(120°F)で混合する。この処理が終了したとき、パルプ・スラリーを定量的にブフナー漏斗に移し、濾紙で脱水する。得られた改造パルプ・ケーキを続いて水道水で2000mLに希釈し、手すき紙を製造する前にTAPPI標準離解機で3000回転離解させる。
表10は、製造した低密度手すき紙サンプルの曲げモジュール/乾燥引張比、乾燥引張および引張インデックス、キャリパー並びに坪量の結果を示す。脱結合剤および塩の添加を伴うケアザイム(登録商標)による繊維の酵素改造は、未改造コントロール繊維から製造した手すき紙サンプルと比較して、NSK繊維の乾燥ゼロ・スパン引張インデックス(DZST)の実質的減少をもたらし、一方、当該シートの全体的乾燥引張インデックス(DT)は維持または改善されることが表から分かる。さらに、改造繊維で製造されたシートは、コントロール・サンプルと比べて実質的な曲げモジュール/乾燥引張比の低下を示した。ケアザイムと脱結合剤で改造した繊維で製造した手すき紙、および酵素のみで改造した繊維で製造した手すき紙の曲げモジュール/乾燥引張比平均は、それぞれ564cm2および673cm2で、これは30.5%および17.1%の平均減少に相当する。これらの減少は、ケアザイムと脱結合剤を組み合わせることが好ましいことを示すとともに、同じキャリパーと乾燥引張強さで可撓性と軟らかさが改善されることを示している。
Figure 0004160639
Figure 0004160639

Claims (14)

  1. 改質セルロース繊維であって、対応する未改質セルロース繊維の乾燥ゼロ・スパン引張インデックスより少なくとも35%低い乾燥ゼロ・スパン引張インデックスを有すると共に前記対応する未改質セルロース繊維の湿潤ゼロ・スパン引張インデックスより少なくとも70%低い湿潤ゼロ・スパン引張インデックスを有するように、1つまたは2つ以上のセルラーゼ酵素およびセルロース繊維を混合することと、混合物を十分な時間反応させることとによって調製されることを特徴とする、改質セルロース繊維。
  2. 前記乾燥ゼロ・スパン引張インデックスの前記湿潤ゼロ・スパン引張インデックスに対する比が1.5から3を示す、請求項1に記載の改質セルロース繊維。
  3. 前記対応する未改質セルロース繊維の乾燥ゼロ・スパン引張インデックスより少なくとも40%、好ましくは少なくとも45%低い乾燥ゼロ・スパン引張インデックスを有する請求項1または2のいずれか1項に記載の改質セルロース繊維。
  4. 前記セルロース繊維が、改質された北部、南部および熱帯の針葉樹クラフトパルプからなる群、好ましくは改質された北部針葉樹クラフト繊維、改質された南部針葉樹クラフト繊維およびその混合物からなる群;改質された北部、南部および熱帯広葉樹クラフトパルプ;改質された北部、南部および熱帯広葉樹亜硫酸パルプ;改質された北部、南部および熱帯針葉樹亜硫酸パルプ;並びにそれらの混合物;から選ばれることを特徴とする、請求項1記載の改質セルロース繊維。
  5. 0.4g/cc以下の密度を有する繊維構造物であって、前記繊維構造物が、対応する未改質セルロース繊維の乾燥ゼロ・スパン引張インデックスより少なくとも15%低い乾燥ゼロ・スパン引張インデックスを有するように、1つまたは2つ以上のセルラーゼ酵素およびセルロース繊維を混合することと、混合物を十分な時間反応させることとによって調製されることを特徴とする、改質セルロース繊維を含むことを特徴とすると共に、前記繊維構造物が、前記対応する未改質繊維で調製された繊維構造物の曲げモジュール/単位乾燥引張より少なくとも30%低い曲げモジュール/単位乾燥引張を有することを特徴とする繊維構造物。
  6. 前記繊維構造物が、対応する未改質セルロース繊維の乾燥ゼロ・スパン引張インデックスより少なくとも20%低い、好ましくは少なくとも25%低い乾燥ゼロ・スパン引張インデックスを有する改質セルロース繊維を含むことを特徴とすると共に、前記繊維構造物が、対応する未改質繊維で調製された繊維構造物の曲げモジュール/単位乾燥引張より少なくとも35%、好ましくは少なくとも40%低い曲げモジュール/単位乾燥引張を有することを特徴とする、請求項に記載の繊維構造物。
  7. 前記改質繊維が、改質された北部、南部および熱帯針葉樹クラフトパルプ;改質された北部、南部および熱帯広葉樹クラフトパルプ;改質された北部、南部および熱帯広葉樹亜硫酸パルプ;改質された北部、南部および熱帯針葉樹亜硫酸パルプ;並びにそれらの混合物からなる群から選ばれることを特徴とする、請求項またはのいずれか1項に記載の繊維構造物。
  8. 前記改質セルロース繊維からなる手すき紙が、対応する未改質セルロース繊維からなる対応する手すき紙の乾燥引張インデックスの少なくとも90%である乾燥引張インデックス、好ましくは、前記対応する未改質セルロース繊維からなる対応する手すき紙の乾燥引張インデックスより少なくとも5%高い乾燥引張インデックスを有することを特徴とする、請求項からのいずれか1項に記載の繊維構造物。
  9. 前記セルロース繊維の乾燥ゼロ・スパン引張インデックスを、対応する未改質セルロース繊維の乾燥ゼロ・スパン引張インデックスと比較して少なくとも35%減少させると共に前記セルロース繊維の湿潤ゼロ・スパン引張インデックスを、前記対応する未改質セルロース繊維の湿潤ゼロ・スパン引張インデックスと比較して少なくとも70%減少させるように、1つまたは2つ以上のセルラーゼ酵素およびセルロース繊維を混合することと、混合物を十分な時間反応させることを含む改質セルロース繊維の調製方法。
  10. 結合抑制剤を前記セルロース繊維と反応させること特徴とする、請求項に記載の方法。
  11. ファミリー45類のセルラーゼに属する1つまたは2つ以上の酵素が、前記セルロース繊維と混合され、好ましくは前記1つまたは2つ以上の酵素が、エンドグルカナーゼEGV、セルクラスト(登録商標)、セルザイム(登録商標)、ペルゴラーゼ(登録商標)およびそれらの混合物からなる群から選ばれることを特徴とする、請求項または10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記セルロース繊維を1つまたは2つ以上の酵素と反応させた後、1つまたは2つ以上の前記結合抑制剤が前記セルロース繊維と混合されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  13. 1つまたは2つ以上の前記結合抑制剤が、前記改質繊維の乾燥重量を基準にして少なくとも1%のレベルで前記セルロース繊維と混合されることを特徴とする、請求項10または12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 1つまたは2つ以上の前記結合抑制剤が、飽和および不飽和脂肪酸並びに脂肪酸塩;アルケニルコハク酸無水物類;アルケニルコハク酸;アルケニルコハク酸塩;ソルビタンモノ−、ジ−およびトリ−エステル;第三アミンおよびその誘導体;アミンオキシド;第四アミン;シリコーン系化合物;微粒子粘土;微粒子ケイ酸塩;並びにそれらの混合物からなる群から選ばれることを特徴とする、請求項1012または13のいずれか1項に記載の方法。
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