JPH07279078A - 晒クラフトパルプの調成方法および該パルプを用いた紙 - Google Patents

晒クラフトパルプの調成方法および該パルプを用いた紙

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JPH07279078A
JPH07279078A JP9301694A JP9301694A JPH07279078A JP H07279078 A JPH07279078 A JP H07279078A JP 9301694 A JP9301694 A JP 9301694A JP 9301694 A JP9301694 A JP 9301694A JP H07279078 A JPH07279078 A JP H07279078A
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JP
Japan
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pulp
paper
formation
enzyme
bleached kraft
Prior art date
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Pending
Application number
JP9301694A
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English (en)
Inventor
Makoto Wakai
誠 若井
Yasuo Ohira
安夫 大平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honshu Paper Co Ltd
Original Assignee
Honshu Paper Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 地合の優れた、紙力強度の高い薄手の上質紙
を得るために、晒クラフトパルプを、叩解前に酵素で処
理する方法、およびそれを用いた紙を提供することを目
的とする。 【構成】 蒸解、漂白、洗浄後のパルプスラリーに、セ
ルラーゼを対乾燥パルプ1kg当り300〜4500U
添加し、30分〜2時間の酵素処理を行い、しかる後、
カナダ標準フリーネスで100〜400mlとなるよう
に叩解することを特徴とする晒クラフトパルプの調成方
法、ならびにその調成方法によって得たパルプを用いて
抄紙した、カヤニー社製フォーメーションアナライザー
によるフォーメーションNoが80以上であることを特
徴とする紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、地合の良い全体に均
一な、薄手の上質紙の製造方法に係わる。
【0002】
【従来の技術】地合とは、紙匹を構成するパルプ繊維の
分布の均一性を示すもので、紙の印刷特性、紙の力学的
強度に影響を及ぼす重要な因子となるものである。地合
の悪い紙は、スーパーカレンダーにかけた場合、白紙光
沢のムラを生じて紙の外観を損なうのみならず、インキ
乾燥の不均一、印刷光沢の不均一の原因となる。
【0003】また、パルプ繊維の分布の少ないところは
力学的な応力が集中して、そこから紙の破壊が起こるた
め、紙の裂断長、比破裂強さなどの力学的な強度を低下
させる原因となる。
【0004】抄むらのない地合の良い紙とするため、水
中にセルロース繊維をより均一に分散させることが要因
となるが、その繊維長、繊維形状、繊維の柔軟性、ゼー
タポテンシャル、ヘッドボックス内のパルプ濃度や水の
流れかたなどを挙げることが出来る。
【0005】従来、地合改善策としては、ヘッドボック
ス内のパルプ濃度を低くして繊維の分散をより良くする
方法、とろろあおい、ポリアクリルアミドなどの粘剤を
使用して繊維の凝集速度を遅くして繊維の分散状態を確
保する方法、また、叩解により繊維長を短くして繊維分
散を図る方法などが提案され、実施されている。
【0006】しかしながら、パルプ濃度を低くする方法
や粘剤を使用する方法は、抄紙機のワイヤーパートでの
脱水時間が長くなって抄紙速度を低くせざるを得ない。
また、繊維長を短くすることは、即、紙の裂断長、比引
裂き強さなどの力学的強度の低下に繋がり好ましくな
い。
【0007】このような紙の地合を改善する方法は、未
だに完全なものはなく、如何にパルプ繊維を均一に分散
させて抄紙し、地合の優れた紙とするかは、紙製造にお
ける永遠のテーマである。
【0008】この出願前、同一出願人の発明に係わる、
広葉樹パルプの改質方法として特開昭63−13559
7の開示があり、これは南方材の広葉樹パルプの導管が
大きくて硬く、それが抄紙において通常の叩解ではフィ
ブリル化しないため、濾紙分解活性が20mg/酵素
g、以上の酵素を使用して紙のベセルピック防止を改善
することが提案されているが、これはこの発明と目的、
構成、作用効果を異にしており、直接関係ないものであ
る。
【0009】その外、Tappi93,197(199
0)には古紙パルプをセルラーゼで処理し、ワイヤーで
の濾水性を向上させる報告がある。しかし該報文中には
ヘッドボックス内のパルプ濃度を低くして操業すると紙
の地合が向上すると記載されている。しかしこの場合
は、酵素処理後に叩解は行われていないので、それは酵
素に基づく効果ではなく、従来から良く知られているよ
うなパルプ濃度低下による効果であって、この発明とは
異なるものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この発明者らは、紙の
地合を如何にして向上させるかを発明の課題として、鋭
意研究を重ねた結果、晒クラフトパルプにセルラーゼを
作用させた後叩解すると、紙匹の地合が向上し、より均
一な紙を抄造出来ることを知見したのである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の構成は下記の
通りである。 蒸解、漂白、洗浄後のパルプスラリーに、セルラー
ゼを対乾燥パルプ1kg当り300〜4500U添加
し、30分〜2時間の酵素処理を行い、しかる後、カナ
ダ標準フリーネスで100〜400mlとなるように叩
解することを特徴とする晒クラフトパルプの調成方法。 パルプが広葉樹晒クラフトパルプであることを特徴
とする記載のパルプの調整方法。 または記載の調成方法によって得たパルプを用
いて抄紙した、カヤニー社製フォーメーションアナライ
ザーによるフォーメーションNoが80以上であること
を特徴とする紙。
【0012】但し、ここでセルラーゼ1Uとは、カルボ
キシメチルセルロースを基質とし40℃、pH6.5の
条件で1分間に1μmolのグルコース相当の還元末端
を生成する酵素量を言う。また、フォーメーションNo
とは、成紙の抄むらを表す指標で高い方がよい。
【0013】この発明が対象とする紙は、晒クラフトパ
ルプを主体とする紙であり、米坪としては15〜55g
/m2 程度の比較的薄いものである。用途としては、印
刷紙、複写用紙、情報記録紙、筆記用紙(ノート、手帳
等)、タイプライター用紙などである。
【0014】これらの紙は、一般に上質紙といわれ、特
に厳しく地合の向上が望まれ品質管理もまた厳しい。こ
の発明は、パルプ全般にわたり効果をもたらすが、特に
LBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)に対して顕著であ
る。
【0015】晒クラフトパルプにセルラーゼを作用させ
た後、叩解すると紙の地合が改善されるというメカニズ
ムに就いては未だにその機構が明確でない。しかし、セ
ルラーゼ活性のない市販のキシラナーゼを使用しても、
地合改善の効果は全く認められないことから見て、セル
ロース繊維に対してセルラーゼが何らかの作用を与えて
いることは確かである。
【0016】ひとつには、セルラーゼを添加して叩解し
たパルプの繊維長は、酵素未処理叩解パルプの繊維長よ
りもやや短めになることから見て、繊維長の関係で分散
がよくなると考えられる。また、酵素処理叩解紙の密度
は、酵素未処理叩解紙の密度よりもやや高くなることか
ら見て、繊維が柔軟になっていると考えられこの影響も
見逃せない。
【0017】また、この発明では、酵素処理後に叩解を
行うことが必須であり、叩解後に酵素処理を行っても何
ら地合改善の効果がない点に留意すべきである。未叩解
パルプを処理する酵素量は、パルプ1kg当り300〜
4500Uが適当であり、この量よりも少ない場合は酵
素の効果を十分に発揮することが出来ない。またこの量
よりも多い場合は、酵素の効果はレベルオフし経済的に
不利となる。
【0018】酵素の処理時間に関しては、酵素反応が十
分に行われるためには少なくとも30分は必要である。
また必要以上に酵素処理時間を長くすると地合改善効果
は上がるが、酵素処理装置が大掛かりになり経済的に好
ましくないばかりでなく、比引裂強さ、裂断長の低下を
招き好ましくない。したがって酵素処理時間は30分〜
2時間程度が適当である。
【0019】この発明は、LBKP(広葉樹晒クラフト
パルプ)、NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)の何れ
にも効果を奏するが、LBKPに対する地合向上効果の
方が大きく、LBKPには特に有効である。つぎに実施
例と比較例を対比して具体的に説明する。
【0020】
【実施例1】市販のLBKPをパルパーにてパルプ濃度
5%で離解し、pHを6.5に調整した。このパルプス
ラリーにパルプキロあたり1000Uの市販酵素パーガ
ラーゼ(GENENCOR社製)を添加して、40℃で
1時間、2時間酵素処理を行った後、レファイナーで2
00mlcsfに叩解し、スラリー濃度を0.9%に調
整した後、熊谷理機製配向性抄紙機で米坪30g/m2
になるように抄紙した。抄紙に際してはワイヤー支持ド
ラムのサクションマークを消すための対策を講じて抄紙
を行った。常法に従いプレス、乾燥した後、Kajaa
ni社製Formation Analyzerで地合
を測定した。測定結果は図1に示す。
【0021】
【比較例1】酵素処理時間をそれぞれ4時間、16時間
とした他は、全て実施例1と同様に行った。測定結果は
図1に示す。酵素処理時間が不必要に長くなると、図1
から見て紙の裂断長(MD)が格段と低下することがわ
かる。
【0022】
【比較例2】酵素処理を行わなかった他は、全て実施例
1と同様に行った。測定結果は図1に示す。測定結果か
らみて、実施例1は比較例2に比べフォーメイションナ
ンバーが高く、またフロック率が低く、地合が良くなっ
ていることがわかる。また酵素処理時間が長くなるほど
地合が良くなっていることから酵素処理の効果であるこ
とがわかる。
【0023】
【実施例2】使用した酵素をベッセレックス(合同酒精
製)に変え、酵素処理時間を1時間にした他は、全て実
施例1と同様に行った。測定結果は図1に示す。実施例
1と同様に比較例2より地合が良くなっているのがわか
る。
【0024】
【比較例3】使用した酵素をイルガザイム10(GEN
ENCOR社製 キシラナーゼ)に変えた他は、全て実
施例2と同様に行った。測定結果は図1に示す。キシラ
ナーゼでは地合向上に効果のないことがわかる。
【0025】
【比較例4】LBKPをNBKPに変えた他は、全て比
較例2と同様に行った。測定結果は図1に示す。
【0026】
【実施例3】LBKPをNBKPに変え、酵素をパーガ
ラーゼに変えた他は、全て実施例2と同様に行った。測
定結果は図1に示す。NBKPでも、セルラーゼにより
紙の地合が向上するが、その効果はLBKPより低いこ
とがわかる。
【0027】実施例および比較例に使用した各酵素の活
性値を表1に示す。なお。表1中キシラナーゼ活性1U
とは、樺由来のキシラン(SIGMA社製試薬)を基質
として、1分間に1μmolのグルコース相当の還元末
端を生成する酵素量である。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】晒クラフトパルプの叩解前に、この発明
の構成にもとづいて酵素処理を行った結果、抄紙時に抄
むらのない比較的薄手の紙、即ちカナダ標準フリーネス
400ml以下で、米坪量15〜55g/m2 の良質の
ものが得られたこと、しかも地合に優れるばかりでな
く、グラビア印刷、高速輪転オフセット印刷、複写紙、
情報記録紙に使用してピック抵抗が高く、紙カールがな
いため紙めくりのトラブルもなく、全体的な紙力強度が
あり、上質紙として品質のよい薄手のものを生産すこと
が出来た。
【0030】
【図面の簡単な説明】
【図1】は、この発明のパルプ調成方法によって得たパ
ルプ、および抄紙した紙の性質を表す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12S 3/08 D21H 11/04 11/16 // D21H 17/22

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蒸解、漂白、洗浄後のパルプスラリー
    に、セルラーゼを対乾燥パルプ1kg当り300〜45
    00U添加し、30分〜2時間の酵素処理を行い、しか
    る後、カナダ標準フリーネスで100〜400mlとな
    るように叩解することを特徴とする晒クラフトパルプの
    調成方法。
  2. 【請求項2】 パルプが広葉樹晒クラフトパルプである
    ことを特徴とする請求項1記載のパルプの調整方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の調成方法
    によって得たパルプを用いて抄紙した、カヤニー社製フ
    ォーメーションアナライザーによるフォーメーションN
    oが80以上であることを特徴とする紙。
JP9301694A 1994-04-05 1994-04-05 晒クラフトパルプの調成方法および該パルプを用いた紙 Pending JPH07279078A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999016960A1 (en) * 1997-10-01 1999-04-08 Weyerhaeuser Company Cellulose treatment and the resulting product
US6146494A (en) * 1997-06-12 2000-11-14 The Procter & Gamble Company Modified cellulosic fibers and fibrous webs containing these fibers
KR100320126B1 (ko) * 1999-09-28 2002-01-10 이원수 제지공정의 에너지를 절약하기 위한 효소의 적용방법
CN116145467A (zh) * 2022-12-30 2023-05-23 中冶美利云产业投资股份有限公司 一种低成本高档特种纸的生产工艺

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WO1999016960A1 (en) * 1997-10-01 1999-04-08 Weyerhaeuser Company Cellulose treatment and the resulting product
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