JP4159167B2 - 熱硬化性樹脂球状微粒子の製造方法 - Google Patents

熱硬化性樹脂球状微粒子の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種フィルムの滑剤、光拡散剤、マット剤などに使用されるトリアジン系熱硬化性樹脂球状微粒子の生産性に優れた製造方法に関するものであり、更に詳しくは、残存ホルムアルデヒドが少なく、単分散性の熱硬化性樹脂球状微粒子が得られる製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、熱硬化性樹脂であるアミノ樹脂の球状微粒子を得る試みは種々行われている。例えばメラミンとホルムアルデヒドの水溶性初期縮合物を界面活性剤と酸触媒が共存する溶液に添加し硬化して得る方法や、該水溶性初期縮合物あるいはメラミンのメチルエーテル化物と界面活性剤を含む溶液に酸触媒を加え硬化して得る方法(特開平3−239735号公報、特開平4−304220号公報等)が挙げられる。しかしながら、これらの方法ではトリアジン系モノマーに対して過剰のホルムアルデヒドを使用するため、ホルムアルデヒドの反応率が低く反応終了後に未反応のホルムアルデヒドが多量に残存するという問題があり、得られた球状微粒子から残存ホルムアルデヒドを除去するのも困難であった。
【0003】
また、酸性領域で重合性を有するメラミン誘導体化合物を0.5〜5重量部含有する反応液を、酸触媒によりpH4以上で5未満に調整し加熱処理して得る方法(特開平3−26725号公報)が挙げられる。しかし、この方法もトリアジン系モノマーに対し3倍モル以上のホルムアルデヒドを反応して得られるメチロール化メラミンを用いており、さらに反応液中の固形分濃度が低く生産性が劣るという問題点があった。
【0004】
トリアジン系モノマーとホルムアルデヒドを反応させて熱硬化性樹脂を合成するには、通常トリアジン系モノマーに対して理論的には最少で等モルのホルムアルデヒドにより直鎖のポリマーが生成し、該ポリマーに架橋構造を付与するために数割のホルムアルデヒドが必要とされる。従って、理論的には、トリアジン系モノマーに対して最少で1〜2倍モルのホルムアルデヒドによって熱硬化性樹脂が合成できると考えられる。その際の過剰のホルムアルデヒドは、未反応物として、あるいは、メチロール基やジメチレンエーテル結合等として樹脂中に含有されており、これらの過剰のホルムアルデヒドは、溶剤等で抽出するか高温で加熱されることにより樹脂から放出され、球状微粒子としての性能に問題を生じると共に環境汚染の原因となる場合があった。
【0005】
一方、特開平10−237148号公報にはトリアジン系モノマーに対して1〜1.5倍モルのホルムアルデヒドを使用して熱硬化性樹脂粒子を得る方法が記載されている。しかし、該方法で得られるのは粒子径が50〜200μmの凝集粒子(2次粒子)であって、単分散性の球状微粒子を得ることは困難であった。
【0006】
さらに、従来の技術では、固形分濃度、界面活性剤の種類や使用量、反応温度などを調整することにより粒子径を制御しているが、これらの調整だけでは大まかな制御は可能であっても、例えば0.1μm刻み程度の精密さで粒子径を制御することは困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、従来の熱硬化性樹脂球状微粒子の製造方法において問題のあった残存ホルムアルデヒドを低減することと、粒子径の制御を容易にし、生産性の良い製法を提供することにある。また本発明は、トリアジン系モノマーに対して少量のホルムアルデヒドの使用で製造可能な方法、さらには、粒子径が任意に制御できる生産性の良い熱硬化性樹脂球状微粒子の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の熱硬化性樹脂球状微粒子の製造方法は、トリアジン系モノマーとホルムアルデヒドを反応させて熱硬化性樹脂球状微粒子を製造するに際し、ホルムアルデヒド溶液中に、トリアジン系モノマー、界面活性剤および酸触媒を逐次添加して反応させることを特徴とする。
【0009】
本発明の製造方法は、反応に使用するトリアジン系モノマーのホルムアルデヒドに対するモル比を1以上3未満の範囲とすることが好ましい。
【0010】
また、本発明の製造方法は、ホルムアルデヒド溶液の温度を、50以上100℃以下の範囲にして反応させることが好ましい。
【0011】
また、本発明の製造方法は、反応開始時から反応終了時にわたり、反応液中の固形分濃度を5以上20重量%以下の範囲に維持して反応させることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に使用されるトリアジン系モノマーとは、トリアジン環を有するアミノ化合物のことであり、具体的にはメラミン、ベンゾグアナミン、6−ビニル−sトリアジンなどである。なお、本発明の特徴を損なわない程度で尿素などの他のアミノ化合物を含んでいても何ら差し支えはない。
【0013】
本発明に使用されるホルムアルデヒド溶液とは、ホルムアルデヒドが溶解している溶液であれば特に制限はないが、一般的にはホルマリン水溶液やパラホルムアルデヒドを溶解せしめた溶液を用いることができる。市販のホルマリン水溶液が最も安価であり容易に使用することが可能であるので推奨される。
【0014】
反応に際して、前記ホルムアルデヒド溶液の濃度は、5〜20重量%の範囲にに調整するのが好ましい。前記濃度が低いと生産性が低く、前記濃度が高いと熱硬化性樹脂粒子の凝集が起こる場合がある。濃度の調整には、水の使用が推奨され、所望によっては本発明の特徴を損なわない程度にメタノールやエタノールなどのアルコールを加えることも可能である。
【0015】
反応に使用するトリアジン系モノマーに対するホルムアルデヒドのモル比は、通常1以上3未満の範囲であり、前記範囲より小さいと反応が十分に進行せず、前記範囲以上でも未反応ホルムアルデヒドが増加するだけで経済的に好ましくない場合がある。反応に供するホルムアルデヒドの反応率を上げ、反応後の残存ホルムアルデヒドを低減するためには、ホルムアルデヒドの使用量をより少なくすることが好ましく、好ましくは1.2〜2.5の範囲であり、より好ましくは1.3〜2.0の範囲である。
【0016】
反応温度は通常50〜100℃の範囲であり、50℃より低いと反応が十分に進行せず、100℃より高いと突沸という問題がある。好ましくは55〜95℃であり、より好ましくは60〜90℃である。50℃より低い温度でホルマリン溶液にトリアジン系モノマーを加えると、トリアジン系モノマーに対するホルムアルデヒドのモル比が3より小さい場合には、均一に反応が進行せず、得られる粒子は凝集した状態になるという場合がある。
【0017】
反応液中の固形分濃度は、反応開始より終了までの間、5〜20重量%の範囲とすることが望まれる。5重量%より低いと生産性が低く、20重量%より高いと粒子の凝集が起こる場合がある。より好ましくは、10〜15重量%である。なお、ここで言う固形分とは、例えば、トリアジン系モノマー、ホルムアルデヒドの純分、酸触媒の純分および界面活性剤の純分、これらの総量を意味する。
【0018】
反応に使用する界面活性剤は、ノニオン系およびアニオン系のものを使用することができる。ノニオン系としては、ポリビニルアルコール類、ポリエチレングリコール類、ポリオキシエチレンのエーテルおよびエステル誘導体、高級アルコール類およびソルビタンエステル類などを挙げることができ、アニオン系としては、アルキルベンゼンおよびアルキルナフタレンの硫酸塩類、高級カルボン酸塩類、ポリオキシエチレンおよびその誘導体の硫酸塩類、アルキルリン酸塩類、(メタ)アクリル酸類の(共)重合体などを挙げることができ、これらの中から適宜少なくとも1種以上の界面活性剤を選択して使用すればよい。これらの中でも好ましくはアニオン系界面活性剤であり、より好ましくはアルキルベンゼンおよびナフタレンの硫酸塩類である。また、その使用量はトリアジン系モノマーに対して1〜20重量%とするのが好ましい。1重量%より少ないと粒子が凝集しやすく、20重量%より多いと粒子径の制御が困難になる。より好ましくは、3〜10重量%である。
【0019】
反応に使用する酸触媒は、硫酸およびリン酸などの無機酸、アルキルベンゼンおよびナフタレンのスルホン酸、ポリオキシエチレンおよびその誘導体のスルホン化物、アルキルリン酸、酢酸および蓚酸などの有機酸を挙げることができる。これらの中でも好ましくは有機酸であり、より好ましくはアルキルベンゼンおよびナフタレンのスルホン酸である。また、その使用量はトリアジン系モノマーに対して1〜20重量%とするのが好ましい。1重量%より少ないと反応の進行が遅くなり、20重量%より多くても反応には影響せず経済的に好ましくない場合がある。より好ましくは、3重量%〜10重量%である。
【0020】
本発明において得られる熱硬化性樹脂球状微粒子は、凝集しておらず、単分散した状態で製造可能であることが特徴のひとつである。粒子の凝集を避ける為には、ホルムアルデヒドの溶液にトリアジン系モノマーおよび界面活性剤と酸触媒を逐次添加するに際して、逐次添加されるトリアジン系モノマーが速やかに溶解すること、すなわち、反応液中の未反応トリアジン系モノマーの濃度が溶解度以下に制御されており、実質的に未溶解の未反応トリアジン系モノマーが存在していないことが好ましい。その為には、逐次添加速度が反応速度以下に制御されることが好ましく、通常の逐次添加時間は10分〜2時間である。10分より短いと溶解されない未反応トリアジン系モノマーの存在により粒子が凝集するという問題が生じ、2時間より長くても反応時間が長くなるだけであり、生産性が低くする場合がある。好ましくは15分〜1.5時間であり、より好ましくは20分〜1時間である。
【0021】
反応に使用するトリアジン系モノマー、界面活性剤および酸触媒は、各々別々に逐次添加してもよいし、それらのうちの2種の混合物と残りの1種とを別々に逐次添加してもよいし、それら3種の混合物を逐次添加してもよい。また反応に使用するトリアジン系モノマー、界面活性剤および酸触媒は、その全量を逐次添加してもよいし、予め本発明の特徴を損なわない程度の量を、ホルムアルデヒド溶液に反応前または反応初期に添加してもおいても差し支えはない。その反応前または反応初期に添加しても良い割合は、トリアジン系モノマーはホルムアルデヒド溶液の5重量%以下、界面活性剤は、反応前または反応初期添加するトリアジン系モノマーの20重量%以下、酸触媒は反応前または反応初期添加するトリアジン系モノマーの20重量%以下であり、これより多いと粒子が凝集するという問題が生じる場合がある。トリアジン系モノマーを反応前または反応初期に添加した場合には、その添加分のトリアジン系モノマーの全量が溶解してから、残りのトリアジン系モノマーの逐次添加を開始する方法が推奨される。
【0022】
また、反応に使用するホルムアルデヒドは、その全量を反応前または反応初期に一括投入してもよいし、所望によっては分割して添加しても差し支えはない。本発明の特徴を損なわないためには、反応前または反応初期に一括投入するホルムアルデヒドは全量の少なくとも10%以上とすることが必要であり、残りはトリアジン系モノマーと同時に逐次添加するか分割して添加する方法が推奨される。
【0023】
反応に際して、トリアジン系モノマーを逐次添加する方法としては、水分散体として添加する方法が推奨される。水分散体とするに際しては、これらを水あるいは所望によって本発明の特徴を損なわない程度にメタノールやエタノールなどのアルコールを加えた水系溶媒が用いられる。この水分散体の固形分濃度は5〜20重量%とすることが好ましい。酸触媒や界面活性剤は、それぞれ単独で添加してもよく、上記の水分散体に混合して添加してもよい。
【0024】
さらに、予め別途に調製された熱硬化性樹脂粒子をホルムアルデヒド溶液に添加して反応を実施することも可能である。この様な多段の反応を実施することにより、例えば0.1μm刻みの精密さで粒子径が制御できると共に、粒度分布がシャープな粒子径の大きい粒子を製造することが可能となる。
【0025】
熱硬化性樹脂粒子を製造する一般的な工程は、通常トリアジン系モノマーとホルムアルデヒドを反応させて樹脂化および粒子化する粒子化工程、粒子内部の硬化を進める硬化工程、反応後の固液を分離する分離工程、および、得られた粒子を乾燥および粉砕する乾燥工程からなっている。本発明の特徴は粒子化工程にあり、その後の3工程は従来公知の方法をそのまま採用することが可能である。それらを具体的に例示するならば以下の様な方法を挙げることができる。硬化工程は粒子化工程で得られた反応液を、そのまま或いは更に酸触媒を加え、70〜100℃に加温して少なくとも1時間以上保持すればよい。分離工程は、硬化工程後の反応液をデカンター、ヌッチェ、遠心分離器などを用いて固液分離すればよい。乾燥工程は、分離工程で得られた固形分を乾燥機で80〜200℃に加温して乾燥後、粉砕機で凝集を解砕すればよい。
【0026】
本発明の特徴である少量のホルムアルデヒドを用いることによる粒子化は、粒子内に残存するホルムアルデヒド量とその除去の容易さに如実に現れる。すなわち、従来の様に多量のホルムアルデヒドを用いて得られる粒子は、例えば1000ppm以上もの多量の残存ホルムアルデヒドを含有しており、これは乾燥温度を高くしても除去困難であるのに対し、本発明の製造方法で得られた粒子は残存ホルムアルデヒド量が、例えば1000ppm未満、好ましくは800ppm以下、さらに好ましくは500ppm以下と少なく、かつ凝集せず単分散した状態で得られるため、低い乾燥温度で効率的に除去することが可能である。従来法では少なくとも150℃以上の温度で乾燥させることが必要であるが、本発明の製造方法で得られた粒子は120℃程度の乾燥温度でも十分に残存ホルムアルデヒドを低減させることが可能である。
【0027】
本発明のもうひとつの特徴であるトリアジン系モノマーの逐次添加により粒子径を0.05〜5μmの範囲で任意に制御することが可能である。例えば、本発明で得られる粒子は、後記のCV値(%)(=(標準偏差/平均値)×100)で表して50以下、好ましくは30以下、さらに好ましくは10未満である。本発明の製造方法では、反応初期に微小粒子が析出しこれがシード粒子となる。逐次添加されるトリアジン系モノマーはそのまま或いはホルムアルデヒドとの初期縮合物となってシード粒子に吸収されて粒子が成長する。従って、粒子の析出する条件によって粒子径が決定される従来法に比べて、粒度分布のシャープな粒子を得ることが可能になるのである。また、ホルムアルデヒド溶液に予め粒子を添加しておくことにより、該粒子をシードとして粒子成長を行わせることが可能であり、シード粒子の粒子径と添加するトリアジン系モノマー量とを適宜に選択することにより、任意の粒子径を有する粒子を得ることが可能となる。
【0028】
【実施例】
本実施例で開示される平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(日立製作所製:型番S−570)によって得られた粒子の写真において50個の粒子の直径を測定し、その数平均を意味する。また、CV値は50個の粒子径を統計計算し、次式によって求められた数値である。
【0029】
CV値(%)=(標準偏差/平均値)×100
実施例1
撹拌機、還流冷却器および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、純水1000gと37重量%ホルマリン145g(1.79モル)を加え撹拌下に90℃に昇温した後、純水600g、メラミン150g(1.19モル)、ネオペレックスF65(花王製、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、固形分65%)9.2gおよびドデシルベンゼンスルホン酸7.5gを均一に混合した分散液をローラーポンプにて20ml/minのフィード速度で逐次添加した。その後、反応液を90℃にて1時間保持し、硬化樹脂粒子の乳濁液(1)を得た。
【0030】
この乳濁液(1)を30℃まで冷却し、遠心分離器にて固液分離した。分離して得た硬化樹脂球状微粒子を100℃の熱風乾燥機で乾燥し、210gの塊状物を得た。この塊状物をボールミルにて解砕し白色の粉末(1)を得た。
【0031】
この粉末(1)を走査型電子顕微鏡(日立製作所製:型番S−570)で調べたところ、平均粒子径0.18μm、CV値8%の均一な粒子であった。また、遠心分離器での濾液中のホルマリン濃度をアセチルアセトン法にて測定したところ、500ppm以下であった。さらに、得られた白色粉末を150℃にて1時間加熱した後の重量減少を測定したところ、0.5%であった。
【0032】
実施例2
撹拌機、還流冷却器および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、実施例1と同様の方法で得られた乳濁液(1)1912g、37重量%ホルマリン75g(0.92モル)および純水385gを加え80℃に昇温した後、純水350g、メラミン75g(0.59モル)、ネオペレックスF65(4.6g)およびドデシルベンゼンスルホン酸3.75gを均一に混合した分散液をローラーポンプにて20ml/minのフィード速度で添加した。その後、30℃/hrの昇温速度で90℃に昇温して1hr保持し、硬化樹脂の乳濁液(2)を得た。
【0033】
以下、実施例1と同様な手順で、濾過、乾燥、解砕を行い317gの白色粉末(2)を得た。この粉末(2)を走査型電子顕微鏡で調べたところ、平均粒子径0.21μm、CV値5%の非常に均一な粒子であった。また、濾液中のホルマリン濃度は500ppm以下であり、粒子の加熱重量減少は0.4%であった。
【0034】
実施例3
撹拌機、還流冷却器および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、純水1000gおよび37重量%ホルマリン90g(1.11モル)を加え60℃に昇温した後、純水525g、メラミン150g(1.19モル)、ネオペレックスF65(9.2g)およびドデシルベンゼンスルホン酸7.2gを均一に混合した分散液をローラーポンプにて20ml/minのフィード速度で添加した。その後、反応液を30℃/hrの昇温速度で90℃に加温して1時間保持し、硬化樹脂の乳濁液(3)を得た。
【0035】
以下、実施例1と同様な手順で、濾過、乾燥、解砕を行い180gの白色粉末(3)を得た。この粉体(3)を走査型電子顕微鏡で調べたところ、平均粒子径が1.2μm、CV値が32%の粒子であった。また、濾液中のホルマリン濃度は約800ppmであり、粒子の加熱重量減少は0.8%であった。
【0036】
実施例4
撹拌機、還流冷却器、および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、純水600gと37重量%ホルマリン275g(3.39モル)を加え80℃に昇温した後、純水600g、メラミン280g(2.22モル)、ネオペレックスF65(9.2g)およびドデシルベンゼンスルホン酸7.5gを均一に混合した分散液をローラーポンプにて20ml/minのフィード速度で添加した。 その後、反応液を30℃/hrの昇温速度で90℃に加温して1時間保持し、硬化樹脂の乳濁液(4)を得た。
【0037】
以下、実施例1と同様な手順で、濾過、乾燥、解砕を行い380gの白色粉末(4)を得た。この粉体を走査型電子顕微鏡で調べたところ、平均粒子径が2.6μm、CV値が28%の粒子であった。また、濾液中のホルマリン濃度は約800ppmであり、粒子の加熱重量減少は0.9%であった。
【0038】
比較例1
撹拌機、還流冷却器および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、純水1100g、37重量%ホルマリン100g(1.23モル)を加え80℃に昇温した後、純水600gにメラミン105g(0.83モル)、ネオペレックスF65(4.6g)およびドデシルベンゼンスルホン酸3.8gを均一に混合した分散液を、5分間で一括に添加した。その後、反応液を30℃/hrの昇温速度で90℃に加温して1時間保持し、硬化樹脂の乳濁液(5)を得た。
【0039】
以下、実施例1と同様な手順で、濾過、乾燥、解砕を行い144gの白色粉末(5)を得た。この粉体(5)を走査型電子顕微鏡で調べたところ、平均粒子径が約5〜10μmの凝集粒子であった。また、濾液中のホルマリン濃度は約900ppm以下であり、粒子の加熱重量減少は0.9%であった。
【0040】
比較例2
撹拌機、還流冷却器、および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、純水1000g、37重量%ホルマリン102g(1.26モル)、メラミン75g(0.59モル)、およびネオペレックスF65(6.1g)を加え60℃に昇温した後、該反応液を60℃に加温された純水400gおよびドデシルベンゼンスルホン酸5.0gの混合液に撹拌下に添加した。その後、反応液を30℃/hrの昇温速度で90℃に加温して1時間保持し、硬化樹脂の乳濁液(6)を得た。
【0041】
以下、実施例1と同様な手順で、濾過、乾燥、解砕を行い118gの白色粉末(6)を得た。この粉体を走査型電子顕微鏡で調べたところ、平均粒子径が5〜10μmの凝集粒子であった。また、濾液中のホルマリン濃度は約2000ppmであり、粒子の加熱重量減少は1.5%であった。
【0042】
比較例3
撹拌機、還流冷却器、および温度計を備えた四つ口セパラブルフラスコに、純水1000g、37重量%ホルマリン145g(1.79モル)、メラミン75g(0.59モル)およびネオペレックスF65(6.1g)を加え60℃に昇温した後、該反応液を60℃に加温された純水400gおよびドデシルベンゼンスルホン酸5.0gの混合液に撹拌下に添加した。その後、反応液を30℃/hrの昇温速度で90℃に加温して1時間保持し、硬化樹脂の乳濁液(7)を得た。
【0043】
以下、実施例1と同様な手順で、濾過、乾燥、解砕を行い130gの白色粉末(7)を得た。この粉体(7)を走査型電子顕微鏡で調べたところ、平均粒子径が2.5μm、CV値が10%の均一な粒子であった。また、濾液中のホルマリン濃度は約4500ppmであり、粒子の加熱重量減少は2.0%であった。
【0044】
【表1】
Figure 0004159167
【0045】
【発明の効果】
表1に実施例1〜4および比較例1〜3の結果を一覧表にして記載したが、従来の方法ではホルムアルデヒドをトリアジン系モノマーに対し3倍モル近く用いないと単分散性の球状粒子が得られないのに対し、本発明の方法によれば、2倍モル以下のホルムアルデヒドでも単分散性の球状微粒子を得ることができる。
【0046】
また、本発明の方法では反応後の残存ホルムアルデヒドが1000ppm未満と少なく、また得られた粒子の加熱重量減少も1.0重量%以下と小さいのに対し、従来の方法では反応後の残存ホルムアルデヒドが多く、粒子の加熱重量減少も大きく、粒子中に過剰のホルムアルデヒドが蓄積されている。
【0047】
以上の様に、本発明の方法は、少量のホルムアルデヒドで単分散性の熱硬化性樹脂微粒子を生産性良く製造できる優れた方法であり、得られる微粒子中に残存するホルムアルデヒドも容易に除去することが可能である。

Claims (7)

  1. トリアジン系モノマーとホルムアルデヒドを反応させて熱硬化性樹脂球状微粒子を製造するに際し、ホルムアルデヒド溶液中に、トリアジン系モノマー、界面活性剤および酸触媒を逐次添加して反応させ、反応に使用するトリアジン系モノマーのホルムアルデヒドに対するモル比(ホルムアルデヒド/トリアジン系モノマー)を1以上3未満の範囲とすることを特徴とする熱硬化性樹脂球状微粒子の製造方法。
  2. 反応に使用するトリアジン系モノマーのホルムアルデヒドに対するモル比(ホルムアルデヒド/トリアジン系モノマー)1.3〜2.0の範囲とする請求項1記載の製造方法。
  3. ホルムアルデヒド溶液の温度を、50以上100℃以下の範囲にして反応させる請求項1または2の製造方法。
  4. 反応開始時から反応終了時にわたり、反応液中の固形分濃度を5以上20重量%以下の範囲に維持して反応させる請求項1から3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 反応に使用するホルムアルデヒドを分割して添加する請求項1から4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記ホルムアルデヒド溶液が、別途に調製された熱硬化性樹脂粒子を含有する請求項1から5のいずれかに記載の製造方法。
  7. トリアジン系モノマー、界面活性剤および酸触媒を水に混合した分散液として逐次添加する請求項1から6のいずれかに記載の製造方法。
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