JPH10237148A - 粉粒状メラミンホルムアルデヒド重縮合物およびその製造方法 - Google Patents

粉粒状メラミンホルムアルデヒド重縮合物およびその製造方法

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JPH10237148A
JPH10237148A JP3890197A JP3890197A JPH10237148A JP H10237148 A JPH10237148 A JP H10237148A JP 3890197 A JP3890197 A JP 3890197A JP 3890197 A JP3890197 A JP 3890197A JP H10237148 A JPH10237148 A JP H10237148A
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formaldehyde polycondensate
melamine formaldehyde
melamine
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polycondensate
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JP3890197A
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English (en)
Inventor
Shinichi Sasaoka
眞一 笹岡
Shigeo Mototani
栄男 元谷
Yoshihisa Shinpo
喜久 新保
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DAINICHI CHEM KK
Original Assignee
DAINICHI CHEM KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分散性と流動性が良好な、微細かつ均質な粉
粒状のメラミンホルムアルデヒド重縮合物を得る。 【解決手段】 ホルマリン/メラミン= 1.0〜 1.5のモ
ル比のメラミンとホルマリンを、中性乃至アルカリ性の
pH条件下でのメチロール化反応に供する。 そして生成
したメチロール体を、pH1〜6の酸性水溶液に滴下する
ことで、元素分析に基づくC/N重量比が0.58〜0.64で
あり、かつ50〜 200μmの粒径の二次粒子を含む粉粒状
メラミンホルムアルデヒド重縮合物を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規の粉粒状メラ
ミンホルムアルデヒド重縮合物およびその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】メラ
ミンホルムアルデヒド重縮合物は、種々の成形材料、塗
料、化粧板、接着剤等の用途に汎用されている物質であ
る。 また、メラミンホルムアルデヒド重縮合物は、あ
る種の樹脂に対して、特殊な安定化、難燃化等の機能を
付与するなど、樹脂添加剤としても有用な物質である。
【0003】このメラミンホルムアルデヒド重縮合物の
製造方法の代表的な先行技術として、特公昭55− 50502
号公報に記載のポリオキシメチレン成形材料の製造方法
がある。 この先行技術によれば、第一次反応にて、保
護コロイドを添加した反応系でメラミンとホルムアルデ
ヒドとの縮合反応(メチロール化反応)が進行し、メラ
ミンメチロール化物(メチロール体)の均質な透明液体
が得られる。
【0004】そして、第二次反応として、第一次反応で
得られたメチロール体を弱酸性条件下で縮合させる。
すなわち、この第二次反応では、第一次反応で得られた
メチロール体を弱酸性水溶液に滴下して縮合する方法
と、第一次反応で得られたメチロール体の溶液に酸を添
加することで反応系を弱酸性化して縮合する方法が開示
されている。
【0005】しかしながら、第一次反応で得られたメチ
ロール体を弱酸性水溶液に滴下して得られる重縮合物
は、粒子が極めて細かく、また濾過性も極端に悪いこと
から、濾過分離に長時間を要することに加え、乾燥時の
粉埃の発生が著しいなど取扱上好ましくなかった。
【0006】また、第一次反応で得られたメチロール体
の溶液に酸を添加し、反応系を弱酸性化して得られる重
縮合物は、隣接する生成物(粒子)が相互に接着・融合
して、結果として、数百μm から数十mmにも及ぶ大きな
塊状固体が形成される。 また、反応缶壁(反応容器
壁)への塊状固体の付着は著しく、生成物の取り出しが
困難な場合が多い。 この塊状固体は、非常に固く、ま
た粒径が大きすぎるので、樹脂添加剤として使用する
と、成型機のスクリーンが目詰まりする。 また、分散
剤として使用するにも粒径が大きすぎるので、顔料など
への応用も期待できない。 さらに、この塊状固体を適
度の粒径にまで粉砕するには、特別の粉砕手段と相応の
労力が必要となる。
【0007】このように、当該技術分野では、適度の微
細粒径を有するメラミンホルムアルデヒド重縮合物の出
現が待望されているのが実情である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した従来
技術での問題点に鑑みて発明されたものであり、その要
旨とするところは、元素分析に基づくC/N重量比が0.
58〜0.64であり、かつ50〜 200μmの粒径の二次粒子を
含む、粉粒状メラミンホルムアルデヒド重縮合物(以
下、「メラミンホルムアルデヒド重縮合物」と称する)
と、その製造方法にある。
【0009】本発明のメラミンホルムアルデヒド重縮合
物は、取扱に好適な均質粒径の一次粒子として生成さ
れ、また数個から数十個の一次粒子の凝集によって形成
された二次粒子を含む。 この二次粒子は、粒子の崩壊
による微細一次粒子の生成ならびに微粉末粒子の飛散が
少ないなどの特徴があり、また、この二次粒子の含有比
率を大きくすることで、取扱いやすさがさらに改善され
るなどの利点がある。
【0010】また、本発明のメラミンホルムアルデヒド
重縮合物は、流動性や分散性が良好で、ディスパーなど
の攪拌で容易に一次粒子として微分散できる。 樹脂添
加剤として樹脂と共に押し出し成型機で成型する際に
も、成型機内で容易に微分散されるため、スクリーンの
目詰まりも無いままに成型ができ、樹脂に重縮合物の粒
子が均一に分散されて良好な成型品が得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のメラミンホルムアルデヒ
ド重縮合物の製造方法に関して、まずその第一工程で
は、ホルマリン/メラミン= 1.0〜 1.5のモル比、好ま
しくは、 1.1〜1.3のモル比で、ホルマリンとメラミン
の水溶液または水分散液中で反応せしめてメチロール体
を得る。 このメチロール化反応は、好適な反応の進行
と所望生成物の取得を実現する上で、中性乃至アルカリ
性のpH、好ましくはpH7〜11の媒体中で、50℃以上の温
度、好ましくは80〜 100℃の温度条件下で実施する。
【0012】溶媒としては、水および水/(37%ホルマ
リン水溶液に約6〜9%含まれる)メタノール混液を使
用するのが一般的であるが、水に可溶な有機溶媒、例え
ば、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、
THF(テトラヒドロフラン) 、DMF(ジメチルホルムアルデ
ヒド)等を混合して用いることもできる。 なお、メラ
ミンの濃度としては、反応を良好に進行せしめる上で、
5〜40重量%の範囲に調整するのが好ましい。
【0013】次に、メチロール化反応によって得られた
メチロール体を、酸性水溶液中に滴下して目的とするメ
ラミンホルムアルデヒド重縮合物を得る。 すなわち、
酸性水溶液、例えば、濃硫酸を希釈して調製した硫酸水
溶液中に、その水溶液pHを1〜6の範囲内に維持しつ
つ、メチロール体を滴下する。
【0014】所望の生成物を取得する上で、この縮合反
応では、滴下するメチロール体の滴下量(重量%)は、
全縮合反応液の2〜30重量%、好ましくは3〜15重量%
とする。 これは、すなわち、メチロール体の滴下量が
大きくなると一次粒子の二次凝集が過剰に促進されてし
まい、容易に微分散されない固い大きな重縮合物が一部
に生成し、また、反応器壁への重縮合物の付着が多くな
り、作業効率の低下を招くことによる。
【0015】また、酸性溶液を調製するために用いる強
酸(例えば、硫酸)は、原則として、pH1〜6の範囲を
保つように添加されるべきものであるが、メチロール体
の出発原料であるメラミンの1〜40モル%、好ましくは
3〜20モル%の量の強酸を添加する。
【0016】そして、反応温度は、70℃以上、好ましく
は95〜 102℃の温度とし、15分間以上、好ましくは30分
〜3時間かけてメチロール体を硫酸水溶液に滴下して反
応を進行させる。 メチロール体の滴下に続いて、さら
に、70℃以上、好ましくは95〜 102℃の温度で、15分〜
3時間かけて反応物を熟成してもよい。
【0017】反応終了後、重縮合物を含むスラリーを遠
心分離、濾過等の分離手段に適用して重縮合物を分離す
る。 また、重縮合物に付着した酸を除去する場合に
は、スラリーを分離前にアルカリ水溶液で中和するか、
あるいはスラリーから分離した後の重縮合物をアルカリ
水溶液で中和する。 この中和用のアルカリとしては、
特に限定されるものではないが、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムな
どが使用可能である。
【0018】このようにして得られた本願発明のメラミ
ンホルムアルデヒド重縮合物は、本願明細書の実施例で
も実証されているように、元素分析に基づくC/N重量
比として0.58〜0.64の数値を示す。
【0019】また、このメラミンホルムアルデヒド重縮
合物は、50〜 200μmの粒径の二次粒子を著量、好まし
くは、メラミンホルムアルデヒド重縮合物の90重量%〜
ほぼ全量含むことを特徴としている。 すなわち、この
粒径値域の定義は、二次粒子の粒径が50μmより小さく
なると、メラミンホルムアルデヒド重縮合物の円滑な濾
過が難しくなり、反対に、二次粒子の粒径が 200μmよ
り大きくなると、メラミンホルムアルデヒド重縮合物の
分散性が悪くなることによる。
【0020】
【実施例】以下に、本発明をメラミンホルムアルデヒド
重縮合物をその製造例に沿って説明するが、実施例の開
示のみに基づいて、本願発明が限定的に解釈されるべき
でないことは勿論である。
【0021】実施例1:メラミンホルムアルデヒド重縮
合物の製造 (1) メチロールメラミンの合成 攪拌機、温度計および冷却器を備えた1l容のフラスコ
に、水 317g、メラミン 126.1g(1.0 モル)、37%ホ
ルマリン溶液97.4g(1.20モル)、および5%水酸化ナ
トリウム水溶液 0.8g(0.001モル) を入れ、反応液が98
℃になるまでフラスコを加熱した。 反応溶液を還流さ
せて15分間反応せしめ、次いで室温まで冷却してメチロ
ールメラミンの溶液(pH 10.1) を得た。
【0022】(2) メチロールメラミンの縮合 攪拌機、温度計、冷却器と滴下ロートを備えた5l容の
フラスコに、水2700g、濃硫酸 4.9g(0.05モル)を入
れた。 これを攪拌しながら、還流するまで昇温した。
加熱還流下、先に合成したメチロールメラミンを、
1.5時間かけてフラスコ内の硫酸水溶液に滴下し、その
まま1時間反応を継続した。 このメチロールメラミン
の滴下による反応溶液のpHの変化を、図1に示した。
【0023】次いで、30℃まで冷却し、48%水酸化ナト
リウム水溶液 8.3g(0.1モル)を添加し、1時間攪拌し
た。 得られた縮合物を濾過し、熱水で洗浄し、そして
減圧乾燥して、目的とする重縮合物を得た(収量 105
g)。
【0024】縮合反応終了後、フラスコへの縮合物の付
着量は極めて少なく、流水で容易に除去できた。 ま
た、この縮合物の濾過性は極めて良く、短時間の内に濾
過を終えることができた。
【0025】分析データ この生成物の物性を、元素分析、IR(赤外分光分析:
図2)、TG-DTA(熱重量測定−示差熱分析:図3)、走
査型電子顕微鏡による粒子径観察および比表面積につい
て分析を行った。 なお、減圧乾燥して得られた縮合物
は、空気中の水分吸湿により約5〜10%程度の水分含量
になるため、以下の元素分析値は吸湿した水分量により
変化する(但し、C/N比は一定)ことに留意された
い。
【0026】元素分析値(%): C; 32.47、H;
4.45 、N; 54.44。
【0027】C/N(重量比)= 0.596。
【0028】IR(KBr 錠剤法):3326、1573、1453、
1326、1062および 811 (cm-1) にてピークの出現。
【0029】TG-DTA: 397℃にて吸熱ピークの出現(昇
温速度10℃/分、窒素気流下)。
【0030】粒子径: 一次粒子;1〜6μm程度、二
次粒子;50〜 200μm。
【0031】比表面積: 3.2m2/g(BET1点法) 。
【0032】実施例2:メラミンホルムアルデヒド重縮
合物の製造 (1) メチロールメラミンの合成 攪拌機、温度計および冷却器を備えた1l容のフラスコ
に、水 467g、メラミン 185g(1.47モル)、37%ホル
マリン溶液 143g(1.76モル)を入れ、反応液が95℃に
なるまでフラスコを加熱した。 この温度で5分間反応
を継続し、5%水酸化ナトリウム水溶液 1.2g (0.0015
モル) を添加した。 そして、この反応溶液を還流させ
て5分間反応し、次いで、室温まで冷却してメチロール
メラミンの溶液(pH 10.3) を得た。
【0033】(2) メチロールメラミンの縮合 攪拌機、温度計、冷却器と滴下ロートを備えた3l容の
フラスコに、水2145g、濃硫酸14.6g(0.147モル)を入
れ、攪拌しながら還流するまで昇温した。 加熱還流
下、先に合成したメチロールメラミンを、1時間かけて
滴下し、そのまま1時間反応を継続した。 このメチロ
ールメラミンの滴下による反応溶液のpHの変化を、図4
に示した。 次いで、室温まで冷却して得られた縮合物
を濾過した。
【0034】次に、このようにして得られた縮合物を、
攪拌機、温度計、冷却器、滴下ロートを備えた2l容の
フラスコに、水1000gと共に入れ、攪拌しながら室温に
て48%水酸化ナトリウム水溶液23g(0.276モル) を滴下
した。 攪拌しながら還流するまでフラスコを加熱昇温
して、加熱還流下、5時間攪拌を行った。
【0035】得られた縮合物を濾過し、熱水で洗浄し、
そして、減圧乾燥して、目的とする重縮合物を得た(収
量 166g)。
【0036】縮合反応終了後、フラスコへの縮合物の付
着量は極めて少なく、流水で容易に除去できた。 ま
た、この縮合物の濾過性は極めて良く、短時間の内に濾
過を終えることができた。
【0037】分析データ この生成物の物性を、元素分析、IR(図5)、TG-DTA
(図6)、粒子径および比表面積について分析した。
【0038】なお、減圧乾燥して得られた縮合物は、空
気中の水分吸湿により約5〜10%程度の水分含量になる
ため、以下の元素分析値は吸湿した水分量により変化す
る(但し、C/N比は一定)ことに留意されたい。
【0039】元素分析値(%): C; 32.15、H;
4.43 、N; 54.27。
【0040】C/N(重量比)= 0.594。
【0041】IR(KBr 錠剤法):3140、1551、1432、
1310、1094、1046および807(cm-1)にてピークの出現。
【0042】TG-DTA: 383℃にて吸熱ピークの出現(昇
温速度10℃/分、窒素気流下)。
【0043】粒子径: 一次粒子;1〜10μm程度、二
次粒子;50〜 200μm。
【0044】比表面積: 0.7m2/g(BET1点法) 。
【0045】実施例3:メラミンホルムアルデヒド重縮
合物の製造 (1) メチロールメラミンの合成 攪拌機、温度計および冷却器を備えた1l容のフラスコ
に水 317g、メラミン126.1 g(1.0モル) 、37%ホルマ
リン溶液 105.5g(1.3モル) 、5%水酸化ナトリウム水
溶液 0.8g(0.001モル) を入れ、反応液が98℃になるま
でフラスコを加熱した。 この反応溶液を還流させて15
分間反応し、次いで、室温まで冷却してメチロールメラ
ミンの溶液(pH 10.0)を得た。
【0046】(2) メチロールメラミンの縮合 攪拌機、温度計、冷却器と滴下ロートを備えた5l容の
フラスコに、水2700g、硫酸 4.9g (0.05モル)を入
れ、攪拌しながら、還流するまで昇温した。 加熱還流
下、先に合成したメチロールメラミン水溶液を1時間か
けて滴下した。
【0047】滴下終了後、さらに1時間反応を継続し、
続いて30℃まで冷却した。 この反応液に、48%水酸化
ナトリウム水溶液 8.3g(0.1モル)を滴下し、1時間攪
拌した。 得られた縮合物を濾過し、熱水で洗浄し、そ
して、減圧乾燥を行って、目的とする重縮合物を得た
(収量 110g)。
【0048】実施例1と同様に、縮合反応終了後、フラ
スコへの縮合物の付着量は極めて少なく、流水で容易に
除去できた。 また、この縮合物の濾過性は極めて良
く、短時間の内に濾過を終えることができた。
【0049】この生成物の物性を、元素分析、TG-DTAお
よび粒子径について分析し、その結果を以下に記した。
なお、減圧乾燥して得られた縮合物は、空気中の水分
吸湿により約5〜10%程度の水分含量になるため、以下
の元素分析値は吸湿した水分量により変化する(但し、
C/N比は一定)ことに留意されたい。
【0050】元素分析値(%): C; 32.37、H;
4.41 、N; 52.83。
【0051】C/N(重量比)= 0.613。
【0052】TG-DTA: 392℃にて吸熱ピークの出現(昇
温速度10℃/分、窒素気流下)。
【0053】粒子径: 一次粒子;1〜10μm程度、二
次粒子;50〜 200μm。
【0054】実施例4:メラミンホルムアルデヒド重縮
合物の製造 (1) メチロールメラミンの合成 攪拌機、温度計および冷却器を備えた1l容のフラスコ
に水 400g、メラミン126.1g(1.0モル) 、37%ホルマ
リン溶液89.3g(1.1モル) 、5%水酸化ナトリウム水溶
液 0.8g(0.001モル) を入れ、反応液が98℃になるまで
フラスコを加熱した。 反応溶液を還流させて15分間反
応し、次いで、室温まで冷却してメチロールメラミンの
溶液(pH 10.0)を得た。
【0055】(2) メチロールメラミンの縮合 攪拌機、温度計、冷却器と滴下ロートを備えた5l容の
フラスコに、水2700g、濃硫酸 4.9g (0.05モル)を入
れ、攪拌しながら、還流するまで昇温した。
【0056】加熱還流下、先に合成したメチロールメラ
ミンの溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、さら
に2時間反応を継続し、続いて30℃まで冷却した。 こ
の反応液に、48%水酸化ナトリウム水溶液 8.3g(0.1モ
ル)を滴下し、1時間攪拌した。 得られた縮合物を濾
過し、熱水で洗浄し、そして減圧乾燥を行って、目的と
する重縮合物を得た(収量95g)。
【0057】実施例1と同様に、縮合反応終了後、フラ
スコへの縮合物の付着量は極めて少なく、流水で容易に
除去できた。 また、この縮合物の濾過性は極めて良
く、短時間の内に濾過を終えることができた。
【0058】この生成物の物性を、元素分析、TG-DTAお
よび粒子径について分析し、その結果を以下に記した。
なお、減圧乾燥して得られた縮合物は、空気中の水分
吸湿により約5〜10%程度の水分含量になるため、以下
の元素分析値は吸湿した水分量により変化する(但し、
C/N比は一定)ことに留意されたい。
【0059】なお、減圧乾燥して得られた縮合物は、空
気中の水分で約5〜10%程度の水分含量になるため、以
下の元素分析値は吸湿した水分量により変化しうる(但
し、C/N比は一定)。
【0060】元素分析値(%): C; 33.50、H;
4.76 、N; 54.61。
【0061】C/N(重量比)= 0.613。
【0062】TG-DTA: 389℃にて吸熱ピークの出現(昇
温速度10℃/分、窒素気流下)。
【0063】粒子径: 一次粒子;1〜10μm程度、二
次粒子;50〜 200μm。
【0064】比較例1〜3 保護コロイドを含んだメチロールメラミン溶液に硫酸を
添加し、酸性化条件下で縮合反応を進行せしめることを
特徴とした、メラミンホルムアルデヒド重縮合物の製造
に関する先行技術〔特公昭55− 50502号〕の実施例4お
よび10の再現を試みた(後述の比較例1および2)。
【0065】また、保護コロイドを含んだ硫酸水溶液に
メチロールメラミン溶液を滴下することを特徴とした、
同先行技術〔特公昭55− 50502号〕の実施例1の再現も
試みた(後述の比較例3)。
【0066】〔比較例1〕攪拌機、温度計、冷却器を備
えた5l容のフラスコに、メラミン 126g(1.0モル)、
37%ホルマリン溶液 324g(4.0モル)、脱塩水2000gお
よびポリビニルアルコール(水酸基価98〜99%)6gか
らなる混合物を、2N−NaOHでpH9に調整し、75℃で30分
攪拌した。 さらに、10%硫酸でpH6.0 に調整し、温度
を沈降物が現れた後に90℃にまで高めたところ、反応物
が徐々に餅状を呈し、フラスコ器壁に固形物(縮合物)
が付着した。 そのまま 1.5時間攪拌を続け、2N−NaOH
を加えてpHを7.5 に調整した。 フラスコから縮合物を
取り出し、濾過を試みたが、フラスコ器壁に付着した固
形物は非常に固い塊状物になっており、その取り出しは
困難であった。
【0067】〔比較例2〕攪拌機、温度計、冷却器を備
えた2l容のフラスコに、メラミン 126g(1モル)、
37%ホルマリン溶液 108g (1.33モル)、脱塩水 500g
からなる混合物を75℃まで加熱し、30分間攪拌を行っ
た。 そして、脱塩水 230g、ゼラチン3.15gおよびナ
トリウムカルボメトキシセルロース(平均置換度 0.7)
0.8 gからなる混合物を、75℃の温度に調整した水溶液
とし、フラスコ内の混合物に対して滴下して混合した。
さらに、10%硫酸2mlを添加して、フラスコ内の溶液
のpHを6.4に調整した。 そして、温度を95℃にまで高
めたところ、反応物が徐々に餅状を呈し、フラスコ器壁
に固形物(縮合物)が付着した。 そのまま 1.5時間攪
拌を続け、10%水酸化カリウム3mlを添加して、フラス
コ内の溶液のpHを7.8 に調整した。 フラスコから縮合
物を取り出し、濾過を試みたが、フラスコ器壁に付着し
た縮合物は非常に固い塊状物になっており、その取り出
しは困難であった。
【0068】上記比較例1と2にて得られた重縮合物
は、いずれも餅状を呈し、容器への付着が著しくその取
り出しが困難であった。 また、取り出した重縮合物自
体が、非常に固いものであるため、そのままの状態で添
加剤として使用することはできず、予め粉砕する必要が
ある。
【0069】〔比較例3〕攪拌機、温度計、冷却器を備
えた1l容のフラスコに、37%のホルマリン溶液162g
(2.0モル)、脱塩水50gおよびモノエタノールアミンジ
ヒドロゲンホスフェートの50%水溶液2gからなる混合
物を、2N−NaOHでpH7に調整した。 この混合物に、メ
ラミン63g(0.5モル)を添加して、60℃で、30分間加熱
して、メチロールメラミン溶液を得た。
【0070】攪拌機、温度計、冷却器を備えた5l容の
フラスコに、脱塩水2000g、ナトリウムカルボメトキシ
セルロース(平均置換度 0.2) の 2.5gを入れ、攪拌下
で、10%硫酸を添加し、pHを 6.0に調整した。 この溶
液を75℃に加熱し、先に調製したメチロールメラミン溶
液を激しく攪拌しながら、21分間かけて滴下した。
【0071】温度を90℃に上げ、そのまま 1.5時間攪拌
した。 続いて、2N−NaOHを添加し、pHを 7.5に調整し
た。 熱時に濾過を実施したところ、縮合物の粒子が細
かく、濾紙が目詰まりして、濾過に長時間を要した。
縮合物を、水 100gとアセトン100gで洗浄し、減圧乾
燥して目的とする重縮合物を得た(収量:85g)。
【0072】実施例5:メラミンホルムアルデヒド重縮
合物の濾過性の比較 実施例1、2および比較例3での重縮合物スラリーの濾
過において、各重縮合物スラリーの濾過性を、以下の濾
過条件に従って測定した。
【0073】吸引瓶に、濾紙(桐山ロート用濾紙、内径
95mm、No.3 )を敷いた桐山ロート(内径95mm) を取り付
け、予め吸引瓶をアスピレーターで減圧度30torrに減圧
し、重縮合物スラリーを吸引濾過した。 ロートの先か
ら濾液が出なくなるまでの時間を測定し、その結果を下
記表1に示した。
【0074】
【表1】
【0075】表1に示した結果から、比較例3による重
縮合物は、本願発明の重縮合物(実施例1および2)と
比較して著しく長い濾過時間を必要とし、重縮合物の製
造効率の観点からして好ましくない。 また、比較例3
による重縮合物の乾燥品は、微粉であるため、粉埃の発
生が激しく、他の容器への移送・充填時に多量の粉埃の
発生が懸念され、作業環境上にも問題を残すものであ
る。
【0076】
【発明の効果】このように、本発明によれば、約1〜10
μmの粒径の微細かつ均質な一次粒子が数個から数十個
が凝集して形成された、50〜 200μm程度の粒径の二次
粒子が大半を占めるメラミンホルムアルデヒド重縮合物
が提供される。
【0077】本発明のメラミンホルムアルデヒド重縮合
物は崩壊性が小さく、また濾過性が極めて良好なことか
ら、作業時間の大幅な短縮化が図れる。 また、粉埃の
発生が少ないので、取扱いが容易になるなど、作業環境
の改善にも寄与する。
【0078】また、本発明のメラミンホルムアルデヒド
重縮合物は、ディスパーなどの攪拌で容易に微分散で
き、流動性も分散性も良好であるので、塗料、樹脂、化
粧品(クリーム)などへ応用することで、良好な着色
性、ブロッキング防止、滑り性向上などの性能発現が期
待される。
【0079】さらに、本発明のメラミンホルムアルデヒ
ド重縮合物は、メラミンとホルマリンとの反応から調製
されたメチロール体を重縮合させて得られた、特定のC
/N重量比を有するメラミンホルムアルデヒド重縮合物
である。 本願発明の重縮合物は、通常のメラミン樹脂
よりメラミン由来の遊離アミノ(NH)基を多く有する
ため、酸捕集能力やカルボニル化合物との反応性が高
く、また、ラジカル捕集能力も優れている。 また、上
述したように、分散性も良好であり、成型機中で容易に
微分散するので、これら性質を利用した樹脂の添加剤と
しての用途も十分に期待できるなど、種々の効果を奏す
るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例でのメチロールメラミンの
硫酸水溶液への滴下による反応溶液のpH変化を示すグラ
フである。
【図2】 本発明の一実施例のメラミンホルムアルデヒ
ド重縮合物のIR分析結果を示すチャートである。
【図3】 本発明の一実施例のメラミンホルムアルデヒ
ド重縮合物の TG-DTA 分析結果を示すチャートである。
【図4】 本発明の他の実施例でのメチロールメラミン
の滴下による反応溶液のpH変化を示すグラフである。
【図5】 本発明の他の実施例のメラミンホルムアルデ
ヒド重縮合物のIR分析結果を示すチャートである。
【図6】 本発明の他の実施例のメラミンホルムアルデ
ヒド重縮合物のTG-DTA分析結果を示すチャートである。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 元素分析に基づくC/N重量比が0.58〜
    0.64であり、かつ50〜 200μmの粒径の二次粒子を含
    む、ことを特徴とする粉粒状メラミンホルムアルデヒド
    重縮合物。
  2. 【請求項2】 前記メラミンホルムアルデヒド重縮合物
    の示差熱分析による吸熱ピークが、 390±20℃にて現れ
    る請求項1に記載の粉粒状メラミンホルムアルデヒド重
    縮合物。
  3. 【請求項3】 前記メラミンホルムアルデヒド重縮合物
    の比表面積が、0.5〜5.0m2/gである請求項1もしくは
    2に記載の粉粒状メラミンホルムアルデヒド重縮合物。
  4. 【請求項4】 粉粒状メラミンホルムアルデヒド重縮合
    物の製造方法であって、以下の工程、すなわち; (a) 中性乃至アルカリ性のpH条件下で、ホルマリン/メ
    ラミン= 1.0〜 1.5のモル比のメラミンとホルマリンか
    らメチロール化反応によってメチロール体を生成し、
    (b) 前記メチロール体を、pH1〜6の酸性水溶液に滴下
    してメラミンホルムアルデヒド重縮合物を生成せしめ、
    および(c) 前記メラミンホルムアルデヒド重縮合物をア
    ルカリで中和する、 工程を含む、ことを特徴とする粉粒状メラミンホルムア
    ルデヒド重縮合物の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記工程(b) でのメチロール体の酸性水
    溶液への滴下量が、縮合反応液の2〜30重量%である請
    求項4に記載の粉粒状メラミンホルムアルデヒド重縮合
    物の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記工程(b) でのメチロール体の酸性水
    溶液への滴下量が、縮合反応液の3〜15重量%である請
    求項4に記載の粉粒状メラミンホルムアルデヒド重縮合
    物の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記ホルマリン/メラミンのモル比が、
    1.1〜 1.3のモル比である請求項4乃至6のいずれかに
    記載の粉粒状メラミンホルムアルデヒド重縮合物の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 前記中性乃至アルカリ性のpHが、pH7〜
    11である請求項4乃至7のいずれかに記載の粉粒状メラ
    ミンホルムアルデヒド重縮合物の製造方法。
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