JP4159144B2 - 天井野縁構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、部屋に天井を構成する天井野縁構造に係り、特に、スパンの長い天井野縁を有する天井野縁構造に関するものである。
【0002】
【背景の技術】
従来、部屋に天井を構成する場合、例えば、部屋の上部側に天井野縁を組み、この天井野縁に天井板を貼設することが多い。
天井板を貼設する天井野縁として、実公平4−4087号公報に記載のものが知られている。
【0003】
この天井野縁は、部屋の互いに対向する壁面に、開口部が対向する断面コ字状のランナーを固定し、この各ランナーの開口部に断面がロ字状またはコ字状の野縁の両端を嵌合することによって構成されている。そして、この構成の天井野縁においては、ねじ等の止着部材を用いて前記野縁の下面に天井板を固定することによって、天井を形成するようになっている。
そして、部屋の上部に組まれる天井野縁のスパンが長い場合には、天井スラブに固定した垂下枠に天井野縁の途中箇所をねじ止めするようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、構築物において、上述した天井スラブが上階の床部を構成し、この天井スラブに垂下枠を介して、スパンの長い天井野縁を吊り下げて支持する構成とした場合、天井野縁には上記垂下枠を介して上階床部つまり、天井スラブの振動が伝わりやすい。
【0005】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、その目的は、木製の建築部材により構成された構築物に、スパンの長い野縁を組み込んでも、上階の床部の振動が伝わることがないとともに、該野縁を十分に支持することができる天井野縁構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決すべく請求項1記載の発明は、例えば、図2および図11に示すように、下部に天井材が取り付けられる鋼製野縁6が該鋼製野縁6と直交するように配置された鋼製野縁受け3に固定され、前記鋼製野縁受け3は構築物の壁体11,12間に水平に架設された鋼製吊梁2によって支持されており、鋼製野縁受け3は、野縁受け金物4を介して前記鋼製吊梁2に取り付けられており、前記野縁受け金物4には、前記鋼製吊梁2に対する野縁受け金物4の固定位置を、上下方向と前記鋼製吊梁2の延在方向とに調整して位置決めすることができる調整固定手段(41,42,44,45)が設けられているものである。
【0007】
前記鋼製吊梁2は、構築物の壁体11、12間に水平に架設され、前記鋼製野縁6および鋼製野縁受け3を支持するものであるならば、どの様に構成されていてもよく、筒状のものや、H型鋼、I型鋼、コ字状の鋼材といったもの等が挙げられる。なお、前記構築物はどの様に構成されたものであってもよい。
前記鋼製野縁受け3は、前記鋼製野縁6が固定されれば、どの様に構成されていてもよい。また、前記鋼製野縁6は前記鋼製野縁受け3にどの様に固定されていてもよく、直接固定されていても良いし、また、両部材間に介在させて両部材を接続する接続部材を介して固定されるように構成されていても良い。
【0008】
請求項1記載の天井野縁構造にあっては、鋼製野縁6は鋼製野縁受け3に固定され、この鋼製野縁受け3は、構築物の壁体11,12間に水平に架設された鋼製吊梁2により支持されているので、前記鋼製野縁6は、前記鋼製野縁受け3を介して前記鋼製吊梁2により吊り下げられて支持された状態となる。
【0009】
したがって、スパンの長い鋼製野縁6であっても、前記鋼製野縁6は前記鋼製吊梁2に支持されるものとなり、該鋼製野縁6は撓まず、前記鋼製吊梁2に十分支持された状態となる。よって、前記鋼製野縁6に取り付けられている天井材9が撓んだり、この天井材9の下面が下がることがない。また、前記天井材9が固定されている鋼製野縁6は、前記鋼製吊梁2によって支持されているので、この構造を複数階層を有する構築物の下階の天井に適用した場合、上階の床部10の振動が前記鋼製野縁受け3を介して前記鋼製野縁6に伝わることがない。
また、前記鋼製野縁受け3を鋼製吊梁2に取り付ける前記野縁受け金物4には、前記鋼製吊梁2に対する野縁受け金物4の固定位置を、上下方向と前記鋼製吊梁2の延在方向とに調整して位置決めすることができる調整固定手段(41,42,44,45)が設けられているので、この調整固定手段(41,42,44,45)により前記鋼製吊梁2に対する野縁受け金物4の固定位置を調節して位置決め固定することができ、この野縁受け金物4を介して前記鋼製吊梁2に取り付けられている前記鋼製野縁6の配置位置を変更することができる。
特に上下方向に調節することができることにより、前記野縁受け金物4を介して前記鋼製吊梁2に取り付けられる前記鋼製野縁6の上下方向の位置を調節することができるので、部材や取り付け設計寸法の誤差などによって、前記鋼製野縁6に取り付けられる天井材9が水平に配設されない場合でも、容易に調節して変更することができる。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の天井野縁構造において、例えば、図11に示すように、野縁受け金物4は、前記鋼製吊梁2の上方と下方に配設される上部材41と下部材42とを有し、調整固定手段は、前記上部材41と下部材42と、これら上部材41と下部材42に、前記鋼製吊梁2に向かって突出可能にそれぞれ螺合されたボルト44,45とを具備したものである。
【0014】
請求項2記載の天井野縁構造にあっては、請求項1に記載の発明と同様の効果を得ることができるとともに、前記野縁受け金物4に設けられる前記調整固定手段は、前記鋼製吊梁2の上方と下方に配設される上部材41と下部材42と、これら上下部材41,42に、前記鋼製吊梁2に向かって突出可能にそれぞれ螺合されたボルト44,45とからなるので、前記野縁受け金物4の上下部材41,42にそれぞれ螺合されたボルト44,45の締め具合を調節することにより、先端部44a,45aを前記鋼製吊梁2に上下方向から当接させて、該鋼製吊梁2に前記野縁受け金物4を位置決め固定することができる。したがって、前記ボルト44,45を締めたり緩めたりすることにより、前記野縁受け金物4の、前記鋼製吊梁2に対する固定位置を容易に吊設することができ、これに追従して前記鋼製野縁6の配置位置も容易に位置決め固定することができる。
【0015】
具体的には、前記上部材41に螺合されているボルト44を緩めておいて、前記下部材42に螺合されているボルト45を締めたり緩めたりすることにより、前記野縁受け金物4の前記鋼製吊梁2に対する位置が上下する。そして、所定の位置に前記野縁受け金物4を配置してから、前記上部材41に螺合されているボルト44を前記鋼製吊梁2に向かって突出させて、該ボルト44の先端部44aを前記鋼製吊梁2に当接させることにより、前記野縁受け金物4を前記鋼製吊梁2に固定することができる。
これに対して、前記下部材42に螺合されているボルト45を緩めておいて、前記上部材41に螺合されているボルト44を締めたり緩めたりしても、同様の作用効果を得ることできる。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載の天井野縁構造において、例えば、図13に示すように、野縁受け金物4は、前記鋼製野縁受け3が挿通される開口部46と、該開口部46の縁部に、前記鋼製野縁受け3の挿通方向に突出された突部48と、この突部48に、前記開口部46に挿通される前記鋼製野縁受け3に向かって突出可能に螺合されたボルト49とを具備しているものである。
【0017】
請求項3記載の天井野縁構造にあっては、請求項1または2記載の発明と同様の効果を得ることができるとともに、野縁受け金物4は、前記鋼製野縁受け3が挿通される開口部46と、該開口部46の縁部に、前記鋼製野縁受け3の挿通方向に突出された突部48と、この突部48に、前記開口部46に挿通される前記鋼製野縁受け3に向かって突出可能に螺合されたボルト49とを具備しているので、前記開口部46に前記鋼製野縁受け3を挿通させて前記ボルト49を締めれば、該ボルト49の先端49aが前記鋼製野縁受け3に当接することなり、該ボルト49の先端49aと前記開口部46の縁部とで前記鋼製野縁受けを挾持することができる。
【0018】
したがって、前記野縁受け3を、前記野縁受け金物4に、該野縁受け金物4の開口部46に挿通して前記ボルト49を締めることによって、容易に固定することできる。
また、前記鋼製野縁6の前記取り付け金物4に対する固定位置を変更する場合でも、ボルト50を緩めて、前記野縁受け金物4に対して所定の位置に前記鋼製野縁6を移動させて前記ボルト49を締めることにより、容易にその位置変更を行うことができる。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の天井野縁構造において、鋼製吊梁2は、上フランジ20と下フランジ21を有し、前記鋼製野縁受け3は、前記鋼製吊梁2の上下フランジ20,21の間に配置されているものである。
【0020】
具体的に、上下フランジを有する前記鋼製吊梁を挙げれば、H型鋼やI型鋼等が挙げられる。また、断面コ字状の鋼製吊梁であってもよい。
【0021】
請求項4記載の天井野縁構造にあっては、請求項1〜3のいずれかに記載の発明と同様の効果を得ることができるとともに、前記鋼製野縁受け3は、前記構築物の壁体11,12間に水平に架設された前記鋼製吊梁2の有する上下フランジ20,21の間に配置されているので、前記鋼製野縁受け3を配置する際、容易に、水平に配置することができる。また、前記鋼製野縁受け3の端部が前記鋼製吊梁2の上下フランジ20,21間に配置されるように構成されていれば、前記鋼製野縁受け3を前記鋼製吊梁2によって支持されるように設置する際に微妙な調整などを行うときに、前記鋼製野縁受け3が自重で下方に下がっても、前記鋼製吊梁2の下フランジ21に掛止され、前記鋼製野縁受け3の自重による該鋼製野縁受け3の固定位置調整作業の妨げを防ぐことが出来、該固定位置調整作業が容易に行える。
【0022】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の天井野縁構造において、例えば、図5に示すように、鋼製野縁6は、前記鋼製吊梁2と平行に配置されており、前記壁体11には、前記鋼製吊梁2と直交する方向に延在する桟材18が固定され、この桟材18には端部受け材16が固定され、前記鋼製野縁6の端部6aは、前記端部受け材16に固定されているものである。
【0023】
請求項5記載の天井野縁構造にあっては、請求項1〜4のいずれかに記載の発明と同様の効果を得ることができるとともに、前記鋼製吊梁2と直交する方向に延在するように前記壁体11に固定された桟材18に、端部受け材16が固定され、前記鋼製野縁6の端部6aは、前記端部受け材16に固定されているので、前記鋼製野縁6の下部に取り付けられた耐火性を有する天井材9の端部が前記壁体に当接せず、前記桟材18が底目地となるように天井端部の納まりを底目地状態とする場合、該桟材18の下面に石膏ボード19といった耐火材を取り付けることができ、天井端部の納まり部分の防火を容易に行える。
【0024】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の天井野縁構造において、例えば、図5に示すように、壁体11には、下地板24が前記桟材18に当接した状態で固定され、該下地板24には吊梁受け金物23が固定され、この吊梁受け金物23には、前記鋼製吊梁2の端部2aが固定されているものである。
【0025】
請求項6記載の天井野縁構造にあっては、請求項5記載の発明と同様の効果を得ることができるとともに、前記桟材18に当接した状態で前記壁体11に固定されている前記下地板24には、吊梁受け金物23が固定され、この吊梁受け金物23には、前記鋼製吊梁2の端部2aが固定されているので、前記壁体11に前記桟材18または前記下地材24のうちいずれか一方を正確な位置、例えば、水平方向に固定しておけば、他方を前記壁体11に固定する際、固定された一方に当接させて前記壁体11に固定することにより、その位置決めを容易におこなうことができ、施工期間を短縮することができる。
【0026】
また、桟材18を前記壁体11に取り付けてから、前記下地板24を前記壁体11に固定する際、前記桟材18に当接させて安定した状態で固定することができ、その施工性が向上する。さらに、前記壁体11に安定した状態で固定された下地板24に、吊梁受け金物23を固定し、この吊梁受け金物23に前記鋼製吊梁2の端部2aを固定するので、前記鋼製吊梁2を架設する際の施工性やその施工中の安定性をも図ることができる。また、構造上の安定性も高めることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る天井野縁構造の実施の形態例を図1から図18に基づいて説明する。
【0028】
先ず、図1は本発明を適用した一例としての天井野縁構造の平面図、図2は同要部を説明する図1のA−A線矢視縦断面図である。
なお、本実施の形態における天井野縁構造が適用される構築物は、どの様に構成された構築物であってもよいが、この実施の形態では、木質パネル工法を用いて施工された複数階層を有する住宅であり、このような住宅の下階の天井に適用した場合を示す。また、前記木質パネルは、桟材を矩形枠状に組んでなる枠体の表裏両面のうち少なくとも表面に合板等の面材を貼設したもので、前記枠体内には必要に応じて補助桟材が縦横に組み付けられているものである。
【0029】
図中、1は天井野縁構造、2は壁体(側壁)11,12間に水平に架設された鋼製吊梁、3は鋼製吊梁2に直交して配設されている鋼製野縁受け、4は野縁受け金物、6は鋼製吊梁2と平行に配設されている鋼製天井野縁(鋼製野縁)である。
【0030】
この住宅の天井野縁構造1は、図1及び図2に示すように、下部に天井材9が取り付けられるスパンの長い鋼製天井野縁6,…と、これら鋼製天井野縁6,…が固定され、これら鋼製天井野縁6,…と直交するように配設されている鋼製野縁受け3と、これら鋼製野縁受け3,…を支持し、且つ側壁(左右の側壁)11,12間に、水平に平行に架設されている鋼製吊梁2,…と、鋼製野縁受け3を鋼製吊梁2に取り付ける野縁受け金物4とから概略構成されている。なお、この野縁受け金物4は、後述するが前記鋼製吊梁2に対する野縁受け金物4の固定位置を、上下方向と前記鋼製吊梁2の延在方向とに調整して位置決めすることができる調整固定手段である上部材41,下部材42,ボルト44,45を備えている。
【0031】
鋼製吊梁2,…は、住宅の側壁11,12間で、かつ、上階の床部10の下部で、側壁11,12に沿って所定間隔を開けて互いに平行に複数本架設されている。
この実施の形態では、側壁11,12間に、奥行き方向に約1M(モジュール)づつ間隔を開けて3本架設されている。ここで、M(モジュール)は基本単位寸法を示すもので、例えば、1M=910mmとなっている。また、この実施の形態の住宅では、側壁11,12の中心間の長さは8Mである。つまり、上述した鋼製吊梁2や鋼製天井野縁6は、側壁11と側壁12の間に架設されているものであり、約8Mの長さを有しているものである。
【0032】
前記鋼製吊梁2,…は、それぞれ上下フランジ20,21と、これら上下フランジ20,21に挟まれたウェブ22とからなるH型鋼であり、両端部2a,2bのウェブ22には後述するボルト孔27が設けられている。(図5〜図8参照。)
【0033】
鋼製吊梁2の側壁11,12への接合状態を図3および図4に示す。
図3は、図1において、鋼製吊梁と壁部との接合部分を説明するB部分の拡大図、図4はC部分の拡大図である。
【0034】
図3および図4に示すように、鋼製吊梁2はその両端部2a,2bで、鋼製吊梁受け金物23,23を介して、それぞれ側壁11,12に固定されている。
この鋼製吊梁受け金物23は、側壁11,12の内壁面11a,12aで、かつ水平方向(ここでは、住宅の奥行き方向)にそれぞれ固定された補強合板(下地材)24,24に固定されている。なお、図中の11b、12bは、それぞれ側壁11,12を構成している壁パネル11c,12cの表面に取り付けられている石膏ボードであり、それぞれの内壁面11a、12aを有している。また、25,…は鋼製吊梁受け金物23,23を補強合板24,24および側壁11,12に固定するスクリュー釘である。
【0035】
なお、鋼製吊梁2の両端部2a,2bの側壁11,12への接合部分は、ほぼ同様な構成であるので、以下では、一方の端部2aでの構成のみ説明し、他端部2bの説明は省略する。
【0036】
図5〜図8を用いて、図1のB部分における鋼製吊梁2と側壁11との接合状態を詳細に説明する。
図5は、図3の鋼製吊梁2端部2aと側壁11との接合部分を説明する図、図6は図3のG−G線矢視断面図、図7は側壁11に固定された鋼製吊梁受け金物23の側面図、図8は鋼製吊梁受け金物23に鋼製吊梁2の端部2aを配置した状態を説明する概略側面図である。
【0037】
これら図に示すように、鋼製吊梁受け金物23は、L字型の金物であり、補強合板24を介して側壁11に、側壁11の内壁面11aに沿って固定される固定部23aと、固定部23aから鋼製吊梁2の延在方向に突出して設けられ(図7参照。)、該鋼製吊梁2を取り付ける梁取付部23bとを有している。
固定部23aはスクリュー釘25,…により補強合板24および側壁11に固定されており、梁取付部23bは鋼製吊梁2の端部2aのウェブ22の側面に密着された状態で、ボルト26およびナット26aによって固定されている。なお、ボルト26の頭と梁取付部23b、ナット26aとウェブ22との間には、それぞれワッシャが介設されている。
【0038】
鋼製吊梁受け金物23と鋼製吊梁2とを接合するボルト26を挿通させるために、鋼製吊梁2の端部2aのウェブ22に設けられたボルト孔27(図7の右側で示された鋼製吊梁2の端面図および図8参照。)は、該鋼製吊梁2の延在方向に長くなるように形成されている。このように構成されているため、図8に示すように、側壁11に固定される鋼製吊梁受け金物23に鋼製吊梁2を取り付ける際に、ボルト孔27と、鋼製吊梁受け金物23の梁取付部23bのボルト孔23cとがあわせ易くなっている。この実施の形態では、上下フランジ20,21間に梁取付部23bが挟まれるような状態で構成されている。
【0039】
このように、側壁11,12で、それぞれ、側壁11,12の内壁面11a,12aに補強合板24,24を介して固定された鋼製吊梁受け金物23,23の鋼製吊梁2の延在方向に突出した梁取付部23b,23bに、鋼製吊梁2の端部2a,2bが取り付けられることによって、前記鋼製吊梁2は側壁11,12間に水平に架設された状態となっている。
なお、図中、16は鋼製天井野縁6の端部を受けるランナー(従来のものと同様の構成の野縁受け金物)、18はランナー16を固定し、補強合板24に当接ているとともに、下部に設けられた、防火のための石膏ボード19と底目地ジョイナー59とを介して、耐火材である天井材9の端部を固定する桟材である。
詳細には、この実施の形態における鋼製天井野縁6の端部6aは、対向する側壁11,12の内壁面11a,12aに、開口部が対向するように固定された断面コ字状のランナー(端部受け材)16,16のそれぞれの開口部に嵌合されている。天井材9の端部は壁体11の内壁面11aに当接しておらず、前記桟材18が天井と壁の接合部分の底目地となっている。
【0040】
このように、鋼製吊梁2と直交する方向に延在するように壁体11に固定された桟材18に固定された端部受け材16に、鋼製野縁6の端部6aが固定されており、鋼製野縁6の下部に取り付けられた天井材9の端部が壁体11に当接せずに、上記のように天井の縁部が底目地となるように構成されていても、該桟材18の下面に石膏ボード19といった耐火材が取り付けられていることにより、天井端部の納まり部分の防火が行われている。
【0041】
また、桟材18に当接した状態で壁体11に固定されている補強合板24には、鋼製吊梁受け金物23が固定され、この鋼製吊梁受け金物23には、鋼製吊梁2の端部2aが固定されているので、壁体11に桟材18または下地材24のうちいずれか一方を正確な位置、例えば、水平方向に固定しておけば、他方を壁体11に固定する際、固定された一方に当接させて壁体11に固定することにより、その位置決めを容易におこなうことが出来、施工期間を短縮することができる。
【0042】
さらに、桟材18を壁体11に取り付けてから、補強合板24を壁体11に固定する際、桟材18に当接させて安定した状態で固定することができ、その施工性が向上する。さらに、壁体11に安定した状態で固定された補強合板24に、鋼製吊梁受け金物23を固定し、この鋼製吊梁受け金物23に鋼製吊梁2の端部2aを固定するので、鋼製吊梁2を架設する際の施工性やその施工中の安定性をも図ることができる。また、構造上の安定性も高めることができる。
【0043】
また、桟材18は、側壁11〜14の内側に取り付けられる天井野縁構造1の周囲ほぼ水平に配置されている。便宜上、側壁(前方の壁、後方の壁)13,14に設けられていた桟材は18aを符号を付す。そして、これら桟材18のうち、前方の壁13および後方の壁14に沿って固定されている桟材18a,18aは、それぞれの中央部で、該桟材18aと直交するように配置されている鋼製野縁受け3(後述する。)の端部3a,3bを固定している。(図9参照。)
【0044】
このように側壁11,12間には、鋼製吊梁2は、互いに平行に水平方向に、つまり、奥行き方向に並べて、3本所定間隔を開けて架設されており、これら鋼製吊梁2の中央部の内間には、鋼製野縁受け3,…が鋼製吊梁2と直交する方向に野縁受け金物4を介して取り付けられている。
【0045】
鋼製野縁受け3,…は、断面コ字状の部材からなり、前方の壁13と、前方の壁13と対向する後方の壁14との間に鋼製吊梁2を介して、平面視してほぼ直線状に一列に配設されているものである。この実施の形態では、鋼製野縁受け3はU字型チャンネルを使用している。
【0046】
このように配置された鋼製野縁受け3のうち、鋼製吊梁2間に配設される鋼製野縁受け3(図中3B,3C)はそれぞれ、鋼製吊梁2の上下フランジ20,21の間に、鋼製吊梁2と直交するように配置されており、一端部3aが前方の壁13または後方の壁14に固定される鋼製野縁受け3(図1の3A,3D)は、他端部3bが鋼製吊梁2の上下フランジ20,21間に配置され、野縁受け金物4を介して鋼製吊梁2に固定支持された状態となっている。
【0047】
図9は、図1におけるD部分の拡大図であり、鋼製野縁受け3の端部の壁際の納まりを示す。
他端部が鋼製吊梁2の上下フランジ20,21間に配置された、壁13と鋼製吊梁2、および壁14と鋼製吊梁2との間に配設される鋼製野縁受け3(図1中3A,3D)のそれぞれの一端部3a,3aの壁際の納まりは、図9に示すように、それぞれの一端部3a,3aを桟材18aの上部に配置し、他端部3b,3bは野縁受け固定部材30を介して固定されている。
【0048】
野縁受け固定部材30は断面L字状の部材であり、桟材18に固定される固定部30aと、該固定部30aに、固定部30aの鉛直上方に突出して設けられた、鋼製野縁受け3の一端部3aを接合する接合部30bとを有している。
鋼製野縁受け3の一端部3aと接合部30bとの接合、固定部30aと桟材18aとの接合は、それぞれ止着部材33,33でそれぞれ止着されている。なお、この図に示すように、桟材18aの下面には上述したものと同様の石膏ボード19が設けられている。
【0049】
次に、鋼製野縁受け3の鋼製吊梁2への取り付け構造について説明する。
図10は図1におけるH部分の拡大図、図11は野縁受け金物4を介して鋼製吊梁2に取り付けられた鋼製野縁受け3を示す図であり図10のJ−J線矢視断面図、図12は図11の野縁受け金物4を鋼製野縁受け側から見た図、図13は鋼製吊梁2と鋼製野縁受け3との取付部分の要部を示す鋼製吊梁2に取り付けられた野縁受け金物4の斜視図である。
【0050】
鋼製野縁受け3は、野縁受け金物4を介して鋼製吊梁2に取り付けられているものである。なお、図10〜図13に示された鋼製吊梁2には、2つの野縁受け金物4が鋼製吊梁2の両側方にそれぞれ配設されているが、これら野縁受け金物4の形状は同一のものであり、鋼製吊梁2のウェブを中心として左右対称の構造となっているので、一方の野縁受け金物4の説明は、同符号を付して省略する。
【0051】
図10〜図13に示すように、互いに平行に架設された鋼製吊梁2の内間に配置される鋼製野縁受け3(図1中の3B,3C)の端部3d,…は、それぞれ直交するように配設されている鋼製吊梁2の上下フランジ20,21間に、ウェブ22に近接するように配置されており、これら鋼製野縁受け3の端部3dは、野縁受け金物4,…を介して前記鋼製吊梁2に取り付けられている。また、鋼製野縁受け3B,3Cにはクリップ金物5を介して鋼製天井野縁6,…がそれぞれ所定間隔を開けて設けられている。
【0052】
野縁受け金物4は、取り付けられている鋼製吊梁2の上方と下方に配設される上部材41と下部材42と、これら上部材41と下部材42とを結合している結合部43とを有し断面コ字状に形成されているものである。(図14参照。)
これら上部材41と下部材42には、それぞれ野縁受け金物4の固定位置調整用のボルト44,45が、鋼製吊梁2に向かって突出可能にそれぞれ螺合されており、ボルト44,45が所定の位置で締め込まれることによって、先端部44a、45aを鋼製吊梁2の上フランジ20、下フランジ21にそれぞれ当接させて、鋼製吊梁2を上下方向から挟み、野縁受け金物4を鋼製吊梁2に固定している。
【0053】
鋼製野縁受け3の端部3dは、野縁受け金物4の結合部43の開口部46に挿通され、野縁受け固定用ボルト(ボルト)49を締結することにより、鋼製野縁受け3の下面が開口部46の下側縁部と下突片46bに当接して、該鋼製野縁受け3が、開口部46の下側縁部と下突片46bと、野縁受け固定用ボルト49の先端部49aとで挾持され、野縁受け金物4に固定された状態となっている。
【0054】
また、野縁受け金物4の上下部材41,42のボルト孔41a,42aにそれぞれ螺合されているボルト44,45の先端部44a,45aに、鋼製吊梁2の上下フランジ20,21が挟まれていることにより、野縁受け金物4は鋼製吊梁2に固定されている。
【0055】
クリップ金物5は、鋼製野縁受け3に、鋼製天井野縁6を該鋼製野縁受け3の延在方向と直交する方向に取り付けており、上部に鋼製野縁受け3に掛止される掛止部5aと、下部に掛止部5aに連続して設けられ、鋼製天井野縁6の側面を挟むように下方に開口が向けられたコ字状の野縁取付部5bとを有し、鋼製天井野縁6は野縁取付部5bの開口部に内嵌され鋼製天井野縁6の側方からテクスビス51,…などの止着部材によって固定されている。なお、掛止部5aも、図10に示すように、テクスビス51で鋼製野縁受け3に固定されている。
【0056】
ここで、図14を用いて野縁受け金物4の構成を説明する。
図14は野縁受け金物の正面と背面の斜視図である。
【0057】
この図に示すように、上下部材41,42を結合している結合部43は、鋼製野縁受け3が挿通される開口部46と、開口部46の上方に設けられた開口部47の下側縁部から、鋼製野縁受け3の挿通方向に突出して設けられた突部48と、開口部46の下側縁部から開口部46部分の部材を折曲するようにして設けられた下突片46bとを有している。
なお、上下部材41,42の間の幅mの長さ分が、野縁受け金物4の、取り付けられる鋼製吊梁2に対する上下方向の移動可能幅と対応しており、この幅m内が長ければ、野縁受け金物4の移動可能幅も長くなる。
【0058】
この野縁受け金物4の開口部46は、鋼製野縁受け3が挿通される大きさのものであるならば、どのような大きさに形成されていてもよいが、鋼製野縁受け3の断面の輪郭とほぼ同じ大きさであることが望ましい。
下突片46bは、挿通される鋼製野縁受け3を支持するために、該鋼製野縁受け3の挿通方向(結合部43に対して直交する方向)に突出された状態となっている。また、上下部材41,42には、ボルト44,45をそれぞれ螺合するためのボルト孔41a,42aが形成されている。
【0059】
そして、突部48は、開口部46の上縁部に設けられた状態となっており、この突部48には、野縁受け固定用ボルト49が前記開口部46に挿通される前記鋼製野縁受け3に向かって突出可能に螺合される(図10〜図13参照。)ボルト孔48aが形成されている。
この突部48は、開口部47部分を折曲して形成されたものである。なお、突部48は開口部46の上縁から所定間隔(図中n)開けて設けられているが、この長さnは任意であり、どのような間隔で設けられていても良いが、ボルト孔48aに螺合される野縁受け固定用ボルト49の軸部より短く構成されているものである。
【0060】
上述した野縁受け金物4は、図15に示すように、鋼製の板を折曲して形成されているものである。
図15は野縁受け金物の製作工程を示すものであり、(a)は形成前の板状の野縁受け金物、(b)は形成された野縁受け金物である。
【0061】
図に示すように、鋼製板を上部材部分41Aおよび下部材部分42Aを折り目4bで、それぞれ互いに対向するように折曲して、上下部材を41,42を形成する。この板の状態の野縁受け金物4では、開口部46の上左右側縁部分に相当する箇所に切り込みが形成され、該開口部46内には下側縁部に設けられる下突片46bが配置されており、これを折り目4d(開口部46の下側縁部)で直角に折り返すことで、下突片46bが形成される。
さらに、開口部分47Aの部材の一部を、該開口部分47Aの下側縁部の折り目4dから、上下部材部分41A,42Aを折曲する方向と反対の方に折曲することにより突部48が形成される。
このように、本実施の形態における野縁受け金物4は、鋼製の板に切り込みをいれたり折曲したりするだけで鋼製の板から製作することができ、その製作が容易である。
【0062】
次に、上記のような構成の野縁受け金物4を介して、鋼製天井野縁6が取り付けられた鋼製野縁受け3を、鋼製吊梁2に取り付ける場合について、図16〜図18を用いて説明する。
図16は鋼製野縁受け3に野縁受け金物4,4をセットした状態を示す図、図17は野縁受け金物4,4をセットした鋼製野縁受け3を鋼製吊梁2間に填め込んだ状態を示す図、図18は鋼製野縁受け3を野縁受け金物4を介して鋼製吊梁2に固定した状態を示す図である。
【0063】
図16に示すように、先ず、野縁受け金物4の開口部46に鋼製野縁受け3を挿入した状態で、鋼製野縁受け3に野縁受け金物4,4を取り付ける。これは、鋼製吊梁2間に配置される鋼製野縁受け3は、両端部に野縁受け金物4を配置させる必要があるため、それぞれの上下部材が外側に向くように2つ挿通させる。なお、予め野縁受け金物4には、ボルト44,45がれぞれ、外れない程度に取り付けられており、野縁受け固定用ボルト49のみぐらつかない程度に締められた状態としておく。
【0064】
このように野縁受け金物4,4がセットされた鋼製野縁受け3を、側壁11,12間に架設されている隣接する鋼製吊梁2,…の内間に、該鋼製吊梁2のほぼ中央部に、かつ鋼製吊梁2,2に直交する方向に延在するように填め込む。
鋼製野縁受け3を鋼製吊梁2,2の内間の所定の位置に配置したあと、野縁受け金物4を鋼製野縁受け3の端部にそれぞれ移動させ(矢印方向)、つまり、鋼製吊梁2の側面に寄せ、野縁受け金物4の上下部材間に、鋼製吊梁2が位置するような状態とする。(図17参照。)このとき、野縁受け金物4のボルト44,45はあらかじめ緩めておき、ボルト44,45の先端部44a,45a間に鋼製吊梁2が介在しやすいようにしておく。
【0065】
そして、鋼製野縁受け3の鋼製吊梁2に対する位置確認をした後、図18に示すように、野縁受け金物4の各ボルト44,45を締め込むことにより、鋼製野縁受け3を鋼製吊梁2の所定の位置で固定する。つまり、野縁受け固定用ボルト49を締め込んで鋼製野縁受け3の上面に野縁受け固定用ボルト49の先端を当接させて、鋼製野縁受け3を開口部46の下側開口縁部とで挾持させて固定した状態とし、またボルト44,45を締め込んで、先端部44a,45aを鋼製吊梁2の上下部材20,21に当接させて、鋼製吊梁2に野縁受け金物4を固定する。なお、これらボルト44,45の締め具合により、野縁受け金物4の鋼製吊梁2に対する上下方向の位置を決めることができる。また、これらボルト44,45のうち少なくともいずれか一方のボルトを緩めることによって、野縁受け金物4は、鋼製吊梁2の延在方向に移動可能となる。
【0066】
このように鋼製吊梁2に支持されている鋼製野縁受け3の所定の位置にクリップ金物5の上部の掛止部5aを掛止し、下部の野縁取付部5bに鋼製天井野縁6をテクスビス51などの止着部材で固定する。(図10参照。)
このようにして、鋼製天井野縁6を鋼製野縁受け3と直交する方向に、つまり、奥行き方向に所定間隔を開けて複数本配置する。
【0067】
次に、鋼製天井野縁6の配置間隔を確認してから、鋼製野縁受け3に掛止されている掛止部5aをそれぞれの箇所でテクスビス51などの止着部材によって固定する。また、鋼製天井野縁6の両端部は、側壁11,12に設けられているランナー16(図1〜図5参照。)の開口部に内嵌させて固定する。
鋼製天井野縁6の配置と固定の作業が終了した後、鋼製天井野縁6の下端面のたわみを確認して、野縁受け金物4の上下のボルトを調整して合わせ、野縁受け金物4を確実に鋼製吊梁2に固定する。
最後に、このように支持されている鋼製天井野縁6の下面に、天井材9である石膏ボードを取り付けて天井が設けられる。
【0068】
上記実施の形態の天井野縁構造1によれば、それぞれの鋼製野縁6,…は、鋼製野縁受け3,…に固定され、これら鋼製野縁受け3は、構築物の壁体11,12間に水平に架設された鋼製吊梁2によって支持されているので、鋼製野縁6は、鋼製野縁受け3を介して鋼製吊梁2により吊り下げられて支持された状態となり、スパンの長い鋼製野縁6,…であっても、鋼製野縁6,…は鋼製吊梁2,…に支持されるものとなり、該鋼製野縁6,…は撓まず、鋼製吊梁2,…にそれぞれ十分支持された状態となる。よって、鋼製野縁6,…に取り付けられている天井材9が撓んだり、この天井材9の下面が下がることがない。
また、天井材9が固定されている鋼製野縁6,…は、鋼製吊梁2,…によって支持されているので、上階の床部10の振動が鋼製野縁受け3を介して鋼製野縁6に伝わることがない。
【0069】
さらに、鋼製野縁受け3を鋼製吊梁2に取り付ける野縁受け金物4は、鋼製吊梁2の上方と下方に配設される上部材41と下部材42に、鋼製吊梁2に向かって突出可能にそれぞれ螺合されたボルト44,45の締め具合を調節することにより、先端部44a,45aを鋼製吊梁2に上下方向から当接させて、該鋼製吊梁2に野縁受け金物4を位置決め固定することができる。つまり、ボルト44,45の締め具合で、鋼製吊梁2に対する野縁受け金物4の固定位置を、上下方向と鋼製吊梁2の延在方向とに調整して位置決めすることが容易に行え、これに追従して鋼製野縁6の配置位置も容易に行うことができる。
【0070】
つまり、上部材41に螺合されているボルト44を緩めておいて、下部材42に螺合されているボルト45を締めたり緩めたりすることにより、野縁受け金物4の鋼製吊梁2に対する位置が上下する。そして、所定の位置に野縁受け金物4を配置してから、上部材41に螺合されているボルト44を鋼製吊梁2に向かって突出させて、該ボルト44の先端部44aを鋼製吊梁2に当接させることにより、野縁受け金物4を鋼製吊梁2に固定することができる。
これに対して、下部材42に螺合されているボルト45を緩めておいて、上部材41に螺合されているボルト44を締めたり緩めたりしても、同様の作用効果を得ることできる。
【0071】
特に上下方向に調節することができることにより、野縁受け金物4を介して鋼製吊梁2に取り付けられる鋼製野縁6の上下方向の位置を調節することができるので、部材や取り付け設計寸法の誤差などによって、鋼製野縁6に取り付けられる天井材9が水平に配設されない場合でも、容易に調節して変更することができる。
【0072】
また、野縁受け金物4は、鋼製野縁受け3が挿通される開口部46と、該開口部46の縁部に、鋼製野縁受け3の挿通方向に突出された突部48と、この突部48に、開口部46に挿通される鋼製野縁受け3に向かって突出可能に螺合された野縁受け固定用ボルト49とを具備しているので、開口部46に鋼製野縁受け3を挿通させて野縁受け固定用ボルト49を締めれば、該野縁受け固定用ボルト49の先端49aが鋼製野縁受け3に当接することなり、該野縁受け固定用ボルト49の先端49aと開口部46の縁部とで鋼製野縁受けを挾持することができる。
したがって、鋼製野縁受け3を、野縁受け金物4に、該野縁受け金物4の開口部46に挿通して野縁受け固定用ボルト49を締めることによって、容易に固定することできる。
【0073】
また、鋼製野縁受け3は、構築物の壁体11,12間に水平に架設された鋼製吊梁2の有する上下フランジ20,21の間に配置されているので、鋼製野縁受け3を配置する際、容易に、水平に配置することができる。さらに、鋼製野縁受け3の端部が鋼製吊梁2の上下フランジ20,21間に配置されるように構成されていれば、鋼製野縁受け3を鋼製吊梁2によって支持されるように設置する際に微妙な調整などを行うときに、鋼製野縁受け3が自重で下方に下がっても、鋼製吊梁2の下フランジ21に掛止され、鋼製野縁受け3の自重による該鋼製野縁受け3の固定位置調整作業の妨げを防ぐことが出来、該固定位置調整作業が容易に行える。
【0074】
なお、以上の実施の形態例においては、本実施の形態を適用した構築物を木質パネル工法の住宅として説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0075】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明に係る天井野縁構造によれば、鋼製野縁は鋼製野縁受けに固定され、この鋼製野縁受けは、構築物の壁体間に水平に架設された鋼製吊梁によって支持されているので、前記鋼製野縁は、前記鋼製野縁受けを介して前記鋼製吊梁により吊り下げられて支持された状態となる。
【0076】
したがって、スパンの長い鋼製野縁であっても、前記鋼製野縁は前記鋼製吊梁に支持されるものとなり、該鋼製野縁は撓まず、前記鋼製吊梁に十分支持された状態となる。よって、前記鋼製野縁に取り付けられている天井材が撓んだり、この天井材の下面が下がることがない。また、前記天井材が固定されている鋼製野縁は、前記鋼製吊梁によって支持されているので、この構造を複数階層を有する構築物の下階の天井に適用した場合、上階の床部の振動が前記鋼製野縁受けを介して前記鋼製野縁に伝わることがない。
また、前記鋼製野縁受けを鋼製吊梁に取り付ける前記野縁受け金物には、前記鋼製吊梁に対する野縁受け金物の固定位置を、上下方向と前記鋼製吊梁の延在方向とに調整して位置決めすることができる調整固定手段が設けられているので、この調整固定手段により前記鋼製吊梁に対する野縁受け金物の固定位置を調節して位置決め固定することができ、この野縁受け金物を介して前記鋼製吊梁に取り付けられている前記鋼製野縁の配置位置を変更することができる。特に、上下方向に調節することができることにより、前記野縁受け金物を介して前記鋼製吊梁に取り付けられる前記鋼製野縁の上下方向の位置を調節することができるので、部材や取り付け設計寸法の誤差などによって、前記鋼製野縁に取り付けられる天井材が水平に配設されない場合でも、容易に調節して変更することができる。
【0078】
請求項2記載の発明に係る天井野縁構造によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果を得ることができるとともに、前記野縁受け金物の上下部材にそれぞれ螺合されたボルトの締め具合を調節することにより、先端を前記鋼製吊梁に上下方向から当接させて、該鋼製吊梁に前記野縁受け金物を位置決め固定することができる。したがって、前記ボルトを締めたり緩めたりすることにより、前記野縁受け金物の、前記鋼製吊梁に対する固定位置を容易に吊設することができ、これに追従して前記鋼製野縁の配置位置も容易に位置決め固定することができる。
【0079】
請求項3記載の発明に係る天井野縁構造によれば、請求項1または2記載の発明と同様の効果を得ることができるとともに、前記開口部に前記鋼製野縁受けを挿通させて前記ボルトを締めれば、該ボルトの先端が前記鋼製野縁受けに当接することなり、該ボルトの先端と前記開口部の縁部とで前記鋼製野縁受けを挾持することができる。よって、前記野縁受けを、前記野縁受け金物に該野縁受け金物の開口部に挿通して前記ボルトを締めることによって、容易に固定することができる。また、前記前記鋼製野縁の前記取り付け金物に対する固定位置を変更する場合でも、ボルトを緩めて、前記野縁受け金物に対して所定の位置に前記鋼製野縁を移動させて前記ボルトを締めることにより、容易にその位置変更を行うことができる。
【0080】
請求項4記載の発明に係る天井野縁構造によれば、請求項1〜3のいずれかに記載の発明と同様の効果を得ることができるとともに、前記鋼製野縁受けを配置する際、容易に、水平に配置することができる。
【0081】
請求項5記載の発明に係る天井野縁構造によれば、請求項1〜4のいずれかに記載の発明と同様の効果を得ることができるとともに、前記鋼製野縁の下部に取り付けられた天井材の端部が前記壁体に当接せず、前記桟材が底目地となるように天井端部の納まりを底目地状態とする場合、該桟材の下面に石膏ボードといった耐火材を取り付けることができ、天井端部の納まり部分の防火を容易に行える。
【0082】
請求項6記載の発明に係る天井野縁構造によれば、請求項5記載の発明と同様の効果を得ることができるとともに、前記桟材に当接した状態で前記壁体に固定されている前記下地板には、吊梁受け金物が固定され、この吊梁受け金物には、前記鋼製吊梁の端部が固定されているので、前記壁体に前記桟材または前記下地材のうちいずれか一方を正確な位置、例えば、水平方向に固定しておけば、他方を前記壁体に固定する際、固定された一方に当接させて前記壁体に固定することにより、その位置決めを容易におこなうことができ、施工期間を短縮することができる。また、桟材を前記壁体に取り付けてから、前記下地板を前記壁体に固定する際、前記桟材に当接させて安定した状態で固定することができ、下地板の固定、吊梁受け金物の固定などの前記鋼製吊梁を架設する際の施工性やその施工中の安定性を図ることができる。また、構造上の安定性も高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一例としての天井野縁構造の平面図である。
【図2】本発明を適用した一例としての天井野縁構造の要部を説明する図1のA−A線矢視縦断面図である。
【図3】図1において、鋼製吊梁と壁部との接合部分を説明するB部分の拡大図である。
【図4】図1における、C部分の拡大図である。
【図5】図3の鋼製吊梁2端部2aと側壁11との接合部分を説明する図である。
【図6】図3のG−G線矢視断面図である。
【図7】側壁11に固定された鋼製吊梁受け金物23の側面図である。
【図8】鋼製吊梁受け金物20に鋼製吊梁2の端部2aを配置した状態を説明する概略側面図である。
【図9】図1におけるD部分の拡大図である。
【図10】図1におけるH部分の拡大図である。
【図11】図10のJ−J線矢視断面図である。
【図12】図11の野縁受け金物4を鋼製野縁受け側から見た図である。
【図13】鋼製吊梁2と鋼製野縁受け3との取付部分の要部を示す鋼製吊梁2に取り付けられた野縁受け金物4の斜視図である。
【図14】野縁受け金物の正面と背面の斜視図である。
【図15】 野縁受け金物の製作工程を示すものであり、(a)は形成前の板状の野縁受け金物、(b)は形成された野縁受け金物である。
【図16】 鋼製野縁受け3に野縁受け金物4,4をセットした状態を示す図である。
【図17】 野縁受け金物4,4をセットした鋼製野縁受け3を鋼製吊梁2間に填め込んだ状態を示す図である。
【図18】鋼製野縁受け3を野縁受け金物4を介して鋼製吊梁2に固定した状態を示す図である。
【符号の説明】
1 天井野縁構造
2 鋼製吊梁
3 鋼製野縁受け
4 野縁受け金物
6 鋼製天井野縁(鋼製野縁)
6a 鋼製天井野縁の端部
9 天井材
11 側壁(壁体)
12 側壁(壁体)
16 ライナー(端部受け材)
18 桟材
19 石膏ボード
20 上フランジ
21 下フランジ
23 鋼製吊梁受け金物
24 補強合板(下地材)
41 上部材(調整固定手段)
42 下部材(調整固定手段)
44 ボルト(調整固定手段)
45 ボルト(調整固定手段)
46 開口部
48 突部
49 野縁受け固定用ボルト(ボルト)
Claims (6)
- 下部に天井材が取り付けられる鋼製野縁が該鋼製野縁と直交するように配置された鋼製野縁受けに固定され、前記鋼製野縁受けは構築物の壁体間に水平に架設された鋼製吊梁によって支持されており、
前記鋼製野縁受けは、野縁受け金物を介して前記鋼製吊梁に取り付けられており、
前記野縁受け金物には、前記鋼製吊梁に対する野縁受け金物の固定位置を、上下方向と前記鋼製吊梁の延在方向とに調整して位置決めすることができる調整固定手段が設けられていること、を特徴とする天井野縁構造。 - 野縁受け金物は、前記鋼製吊梁の上方と下方に配設される上部材と下部材とを有し、調整固定手段は、前記上部材と下部材と、これら上部材と下部材に、前記鋼製吊梁に向かって突出可能にそれぞれ螺合されたボルトとを具備したこと、を特徴とする請求項1に記載の天井野縁構造。
- 野縁受け金物は、前記鋼製野縁受けが挿通される開口部と、該開口部の縁部に、前記鋼製野縁受けの挿通方向に突出された突部と、この突部に、前記開口部に挿通される前記鋼製野縁受けに向かって突出可能に螺合されたボルトとを具備していること、を特徴とする請求項1または2に記載の天井野縁構造。
- 鋼製吊梁は、上フランジと下フランジを有し、前記鋼製野縁受けは、前記鋼製吊梁の上下フランジの間に配置されていること、を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の天井野縁構造。
- 鋼製野縁は、前記鋼製吊梁と平行に配置されており、前記壁体には、前記鋼製吊梁と直交する方向に延在する桟材が固定され、この桟材には端部受け材が固定され、前記鋼製野縁の端部は、前記端部受け材に固定されていること、を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の天井野縁構造。
- 壁体には、下地板が前記桟材に当接した状態で固定され、該下地板には吊梁受け金物が固定され、この吊梁受け金物には、前記鋼製吊梁の端部が固定されていること、を特徴とする請求項5記載の天井野縁構造。
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