JP4158752B2 - 作動ガス循環型水素エンジン - Google Patents

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Description

本発明は、燃焼室に水素と酸素と不活性ガスとを供給して同水素を燃焼させるとともに、同燃焼室から排出された排ガス中の不活性ガスを同燃焼室に循環(再供給)する作動ガス循環型水素エンジンに関する。
従来から、燃焼室に空気と水素とを供給し、同供給した水素を燃焼させる水素エンジンが知られている。このような水素エンジンにおいては、空気中に窒素が存在することから、窒素酸化物が多く排出される恐れがある。これに対処するため、空気に代えて酸素ガスとアルゴンガスとを燃焼室に供給する水素エンジンが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。この水素エンジンにおいては、アルゴンガスが水素の燃焼により生じた熱による膨張体(即ち、作動ガス)として機能する。
特開平11−93681号公報(請求項1、段落番号0021乃至0029、図1)
しかしながら、ピストン往復動型のエンジンにおいては、燃焼室からシリンダとピストンとの間を通ってクランクケースに漏洩した水素が同クランクケース内に蓄積され、例えば、この漏洩した水素によってクランクケース内のエンジン潤滑用オイルが劣化したり、水素脆化(水素の吸収によって金属材料が脆くなる現象)が発生してエンジン構成部材が劣化するという問題がある。
本発明の水素エンジンは、上記課題に対処するためになされたものであり、
シリンダ内を往復動するピストンにより燃焼室とクランクケースとが区画されるように構成され、同燃焼室に水素と酸素と作動ガスとしての不活性ガスとを供給して同水素を燃焼させるとともに、同燃焼室から排出された排ガス中の不活性ガスを同燃焼室に循環させる作動ガス循環型水素エンジンであって、
前記燃焼室と前記クランクケースとを前記シリンダの外部にて接続する供給経路を備えるとともに、同供給経路を通して同燃焼室から排出された不活性ガスの少なくとも一部を同クランクケースに供給し、同クランクケースに供給された不活性ガスにより、同燃焼室から同クランクケース内に前記シリンダと前記ピストンとの間を通って漏洩した水素を同クランクケースから排出させるクランクケースパージ手段を備えている。
これによれば、燃焼室から排出された排ガス中の不活性ガスの少なくとも一部が、燃焼室とクランクケースとをシリンダの外部にて接続する供給経路を通してクランクケースに供給され、このクランクケースに供給された不活性ガスによりクランクケース内にシリンダとピストンとの間を通って漏洩した水素がクランクケースから排出される。従って、クランクケース内に水素が蓄積されないので、例えば、エンジン潤滑用オイルの劣化が回避され得、或いは、水素脆化によるエンジン構成部材の劣化を回避することができる。
この場合、
前記クランクケースパージ手段は、
前記クランクケースと前記燃焼室とを前記シリンダの外部にて接続するリターン経路を含み、前記クランクケース内に漏洩した水素を前記クランクケースに供給された不活性ガスとともに同リターン経路を通して同燃焼室に再供給するように構成されることが好ましい。
これによれば、クランクケース内に漏洩した水素は、リターン経路を通して再び燃焼室に供給されて燃焼される。従って、水素を大気中に放出することがなく、且つ、漏洩した水素を燃料として有効に利用することができる。
また、前記作動ガスとしての不活性ガスは化学的に不活性であり且つ比熱比が大きい単原子ガスであることが望ましい。これによれば、エンジンを効率良く運転することができる。
以下、本発明による作動ガス循環型水素エンジン(多気筒エンジン)を含むシステムの実施形態について図1を参照しながら説明する。このシステムは、作動ガス循環型水素エンジン10、水素供給部40、酸素供給部50、作動ガス循環通路部60及び電気制御装置70を備えている。水素エンジン10は、燃焼室に水素、酸素及び作動ガスとしてのアルゴンからなるガスを供給し、このガスを圧縮させることにより水素を自着火させて燃焼させる形式のエンジンである。なお、図1は、水素エンジン10の特定気筒の断面のみを示しているが、他の気筒も同様な構成を備えている。
水素エンジン10は、シリンダヘッド部が形成するシリンダヘッド11と、シリンダブロック部が形成するシリンダ12と、シリンダ12内において往復運動するピストン13と、クランク軸14と、ピストン13とクランク軸14とを連結しピストン13の往復運動をクランク軸14の回転運動に変換するためのコネクティングロッド15と、シリンダブロックに連接されたオイルパン16とを備えるピストン往復動型エンジンである。ピストン13の側面にはピストンリング13aが配設されている。
シリンダヘッド11、シリンダ12及びオイルパン16から形成される空間は、ピストン13により、ピストン13の頂面側の燃焼室21と、クランク軸14を収容するクランクケース22と、に区画されている。
シリンダヘッド11には、燃焼室21に連通した吸気ポート31と、燃焼室21に連通した排気ポート32とが形成されている。吸気ポート31には吸気ポート31を開閉する吸気弁33が配設され、排気ポート32には排気ポート32を開閉する排気弁34が配設されている。更に、シリンダヘッド11には、水素(水素ガス)を燃焼室21内に直接噴射する水素噴射弁35が配設されている。
水素供給部40は、水素タンク(水素ガスタンク)41、水素ガス通路42、水素ガス圧レギュレータ43、水素ガス流量計44及びサージタンク45を備えている。
水素タンク41は燃料としての水素ガスを10乃至70MPaの高圧状態にて貯蔵している。水素ガス通路42は、水素タンク41と水素噴射弁35とを連通する通路(管)である。水素ガス通路42には、水素タンク41から水素噴射弁35に向かう順に水素ガス圧レギュレータ43、水素ガス流量計44及びサージタンク45が介装されている。
水素ガス圧レギュレータ43は、周知のプレッシャレギュレータであり、水素ガス圧レギュレータ43よりも下流(サージタンク45側)における水素ガス通路42内の圧力を一定圧力に調整するようになっている。水素ガス流量計44は、水素ガス通路42を流れる水素ガスの量(水素ガス流量)を計測し、同水素ガス流量を表す信号FH2を発生するようになっている。サージタンク45は、水素ガス噴射時に水素ガス通路42内に発生する脈動を低減するようになっている。
酸素供給部50は、酸素タンク(酸素ガスタンク)51、酸素ガス通路52、酸素ガス圧レギュレータ53、酸素ガス流量計54及び酸素ガスミキサ55を備えている。
酸素タンク51は酸素ガスを所定の圧力にて貯蔵するタンクである。酸素ガス通路52は、酸素タンク51と酸素ガスミキサ55とを連通する通路(管)である。酸素ガス通路52には、酸素タンク51から酸素ガスミキサ55に向かう順に酸素ガス圧レギュレータ53及び酸素ガス流量計54が介装されている。
酸素ガス圧レギュレータ53は、周知の調整圧可変型プレッシャレギュレータである。即ち、酸素ガス圧レギュレータ53は、酸素ガス圧レギュレータ53よりも下流(酸素ガスミキサ55側)における酸素ガス通路52内の圧力を指示信号に応じた目標調整圧力RO2tgtに調整できるようになっている。換言すると、酸素ガス圧レギュレータ53は、指示信号に応答して酸素ガス通路52を流れる酸素ガス量を制御することができるようになっている。
酸素ガス流量計54は、酸素ガス通路52を流れる酸素ガスの量(酸素ガス流量)を計測し、同酸素ガス流量FO2を表す信号を発生するようになっている。酸素ガスミキサ55は、後述する作動ガス循環通路部60の第6経路66に介装されている。酸素ガスミキサ55は、酸素ガス通路52を介して供給された酸素と、第6経路66を介して入口部に供給されるガスとを混合し、その混合したガスを出口部から排出するようになっている。
作動ガス循環通路部60は、第1〜6経路(第1〜第6流路形成管)61〜66、凝縮器67、経路切替弁68及びアルゴンガス流量計69を備えている。
第1経路61は、排気ポート32と凝縮器67の入口部とを接続している。第2経路62は凝縮器67の出口部と経路切替弁68の導入ポートとを接続している。第3経路63は、経路切替弁68の第1排出ポート68aとクランクケース22(クランクケース22の作動ガス供給口22a)とを接続している。
第4経路64は、クランクケース22(クランクケース22の作動ガス排出口22b)と合流部Gとを接続している。なお、クランクケース22の作動ガス供給口22aと作動ガス排出口22bとは、クランクケース22を挟んで対向した位置に設けられている。第5経路65は、経路切替弁68の第2排出ポート68bと合流部Gとを直接接続している。第6経路66は、合流部Gと吸気ポート31とを接続している。第6経路66には、合流部Gから吸気ポート31に向かう順にアルゴンガス流量計69と酸素ガスミキサ55とが介装されている。
凝縮器67は、第1経路61を介して燃焼室21から排出された排ガスを、その入口部から導入し、その内部において冷却水Wにより冷却することにより、排ガスに含まれる水蒸気を凝縮液化するようになっている。これにより、凝縮器67は、排ガスに含まれる水蒸気を非凝縮ガス(この場合、非凝縮ガスはアルゴンガスであり、場合により水素ガス及び/又は酸素ガスを含む。)と分離して水となし、その水を外部に排出するようになっている。更に、凝縮器67は、前記分離した非凝縮ガスをその出口部から第2経路62に供給するようになっている。
経路切替弁68は、駆動信号に応答して図示しない弁体を駆動し、これにより、凝縮器67から第2経路62を介して導入ポートに導入された非凝縮ガスを第1排出ポート68a及び第2排出ポート68bの何れかから排出するようになっている。アルゴンガス流量計69は、第6経路66を流れるアルゴンガスの量(アルゴンガス流量)を計測し、同アルゴンガス流量FArを表す信号を発生するようになっている。
電気制御装置70は、CPU、ROM、RAM及びインターフェースを含む周知のマイクロコンピュータを主体とする電子装置である。電気制御装置70には、水素ガス流量計44、酸素ガス流量計54、アルゴンガス流量計69、アクセルペダル操作量センサ71、エンジン回転速度センサ72、酸素濃度センサ73、水素濃度センサ74及びサージタンク圧力センサ75が接続されている。電気制御装置70は、これらから各測定信号(検出信号)を入力するようになっている。
アクセルペダル操作量センサ71は、アクセルペダルAPの操作量を検出し、同アクセルペダルAPの操作量を表す信号Accpを出力するようになっている。エンジン回転速度センサ72は、クランク軸14の回転速度に基づいてエンジン回転速度を表す信号NEとクランク角度を表す信号とを発生するようになっている。
酸素濃度センサ73及び水素濃度センサ74は、第2経路62(凝縮器67の出口部と経路切替弁68の導入ポートとの間)に配設されている。酸素濃度センサ73は、配設部位(第2経路62)を流れるガスの酸素濃度を検出し、酸素濃度を表す信号Voxを発生するようになっている。水素濃度センサ74は、配設部位(第2経路62)を流れるガスの水素濃度を検出し、水素濃度を表す信号VH2を発生するようになっている。サージタンク圧力センサ75は、サージタンク45内の水素ガスの圧力を検出し、サージタンク内の圧力(サージタンク圧力、即ち、噴射水素ガス圧力)Psgを表す信号を発生するようになっている。
更に、電気制御装置70は、各気筒の水素噴射弁35、酸素ガス圧レギュレータ53及び経路切替弁68と接続されていて、これらに指示信号又は駆動信号を送出するようになっている。
次に、上記のように構成された作動ガス循環型水素エンジンを含むシステムの作動について図2乃至図4を参照しながら説明する。
電気制御装置70のCPUは、エンジン10のクランク角度が所定のクランク角度(例えば、各気筒の圧縮上死点前90度)に一致する毎に図2にフローチャートにより示した噴射制御ルーチンを実行するようになっている。従って、エンジン10のクランク角度が前記所定のクランク角度に一致すると、CPUはこのルーチンの処理をステップ200から開始してステップ205に進み、要求水素量SH2を現時点にて検出されているアクセルペダル操作量Accp及び現時点にて検出されているエンジン回転速度NEと関数f1とに基づいて求める。関数f1は、アクセルペダル操作量Accp及びエンジン回転速度NEにより定まる運転要求トルクに応じた要求水素量SH2を求めるための予め定められた関数(例えば、ルックアップテーブル)である。
次いで、CPUはステップ210に進み、上記要求水素量SH2、現時点で検出されているサージタンク圧力Psg及び現時点で検出されているエンジン回転速度NEと、予め定められた関数f2(例えば、ルックアップテーブル)と、に基づいて要求水素量SH2を水素噴射弁35の開弁時間である水素噴射時間TAUに変換する。そして、CPUはステップ215に進んで水素噴射時間TAUの時間だけ圧縮上死点前95度のクランク角度となっている気筒の水素噴射弁35を開弁する駆動信号を水素噴射弁35に送出し、ステップ295に進んで本ルーチンを一旦終了する。これにより、要求されたトルクを発生するのに必要な量の水素が燃焼室21内に供給される。
更に、CPUは、所定時間の経過毎に図3にフローチャートにより示したレギュレータ制御ルーチンを実行するようになっている。従って、CPUは、所定のタイミングになるとこのルーチンの処理をステップ300から開始してステップ305に進み、現時点における要求水素量SH2の単位時間あたりの平均値SH2aveを算出する。この算出は、前述した図2のステップ205により求められる要求水素量SH2を単位時間に渡って積算することにより行われる。次いで、CPUはステップ310に進んで上記のようにして求められた平均値SH2aveと予め定められた関数f3(例えば、ルックアップテーブル)とに基づいて目標酸素ガス流量FO2tgtを求める。
前述したように、エンジン10は水素を燃料として燃焼させる。従って、水素の燃焼により水のみを生成するためには、水素2モルに対して酸素1モルを供給する必要がある。このため、関数f3は、平均値SH2aveにより表される水素のモル数の半分のモル数の酸素(実際には、同半分のモル数の酸素量に余裕量を加えた量の酸素)が燃焼室21に供給されるように、目標酸素ガス流量FO2tgtを決定するようになっている。
次いで、CPUはステップ315に進み、現時点にて検出されている酸素ガス流量FO2が上記目標酸素ガス流量FO2tgt以上であるか否かを判定する。そして、CPUは、現時点にて検出されている酸素ガス流量FO2が上記目標酸素ガス流量FO2tgt以上であると判定したとき、ステップ320に進んで酸素ガス圧レギュレータ53の目標調整圧力RO2tgtを正の一定値aだけ減少させる。これにより、酸素ガスミキサ55に供給される酸素ガス量が減少する。
一方、CPUは、ステップ315にて現時点にて検出されている酸素ガス流量FO2が上記目標酸素ガス流量FO2tgtより小さいと判定したとき、ステップ325に進んで酸素ガス圧レギュレータ53の目標調整圧力RO2tgtを正の一定値bだけ増大させる。これにより、酸素ガスミキサ55に供給される酸素ガス量が増大する。以上により、必要十分な量の酸素が酸素ガスミキサ55を介して燃焼室21に供給される。次いで、CPUはステップ395に進み、本ルーチンを一旦終了する。
更に、CPUは、所定時間の経過毎に図4にフローチャートにより示した切替弁制御ルーチンを実行するようになっている。先ず、以下の(1)〜(3)の総ての条件が成立している状態から説明を始める。
(1)前回のクランクケース22のパージ実行終了時点から基準時間(例えば、30分)が経過している。
(2)現時点では、クランクケース22のパージは実行されていない。
(3)システムが正常である。
CPUは、所定のタイミングになるとこのルーチンの処理をステップ400から開始し、ステップ405に進んでクランクケース22をパージさせる条件(パージ条件)が成立しているか否かを判定する。本例におけるパージ条件は、前回のパージ実行終了時点から基準時間が経過したことである。
前述の仮定(1)に従えば、パージ条件は成立している。従って、CPUはステップ405にて「Yes」と判定してステップ410に進み、現時点がクランクケース22のパージ実行中であって、且つ、その実行中のパージ開始時点からパージ継続基準時間TPが経過しているか否かを判定する。
この場合、前述の仮定(2)に従えば、現時点にてクランクケース22のパージは実行されていない。従って、CPUはステップ410にて「No」と判定してステップ415に進み、現時点で検出されている酸素濃度Voxが所定の閾値Voxthより小さいか否かを判定する。
ところで、システムに異常が発生していなければ、燃焼室21には水素及び酸素が過不足なく(即ち、水素2モルと酸素略1モル)が供給され、水素が燃焼せしめられる。従って、排ガスには水素及び酸素が殆ど含まれていない。即ち、凝縮器67を通過した非凝縮ガスには水素及び酸素が殆ど含まれておらず、アルゴンガスのみが含まれている。
従って、前述の仮定(3)に従えば、酸素濃度Voxは所定の閾値Voxthより小さいので、CPUはステップ415にて「Yes」と判定し、ステップ420に進んで水素濃度VH2が所定の閾値VH2thより小さいか否かを判定する。この場合においても、水素濃度VH2は所定の閾値VH2thより小さいから、CPUはステップ420にて「Yes」と判定し、ステップ425に進んでクランクケース22のパージを開始する。具体的に述べると、CPUは経路切替弁68に駆動信号を送出し、第2経路62に接続されている導入ポートを第3経路63に接続されている第1排出ポート68aに連通せしめる。その後、CPUはステップ495に進んで、本ルーチンを一旦終了する。
この結果、凝縮器67によって水蒸気と分離されたアルゴンガスを主成分とする不活性ガス(前記非凝縮ガス)はクランクケース22の作動ガス供給口22aへと供給される。そして、クランクケース22に供給された不活性ガスは、燃焼室21からクランクケース22内にシリンダ12とピストン13との間を通って漏洩した水素(及び酸素)とともにクランクケース22の作動ガス排出口22bから第4経路64へと排出される。これにより、クランクケース22内のパージが実行され、クランクケース22内の水素ガス分圧(及び/又は酸素ガス分圧)が減少する。
この状態において、CPUが図4に示したルーチンをステップ400から再び開始すると、前述の仮定(1)〜(3)が成立している限りステップ425を経由して本ルーチンを一旦終了する。なお、この場合、CPUはステップ425にて経路切替弁68の導入ポートと第1排出ポート68aとを連通せしめる駆動信号を確認的に発生する。
更に、この状態が継続すると、パージ開始からパージ継続基準時間TPが経過する。従って、CPUはステップ410に進んだとき「Yes」と判定し、ステップ430に進んでクランクケース22のパージを停止する。具体的に述べると、CPUは経路切替弁68に駆動信号を送出し、第2経路62に接続されている導入ポートを第5経路65に接続されている第2排出ポート68bに連通せしめる。この結果、凝縮器67から排出された不活性ガスは第5経路65を通過する。従って、凝縮器67から排出された不活性ガスは、クランクケース22内を通過することなく(クランクケース22をバイパスし)、第6経路66に通流する。以上により、クランクケース22の一回のパージが終了する。
一方、ステップ425の実行によりパージを開始した後に、システムに異常が発生して酸素濃度Voxが閾値Voxthより以上となるか、又は、システムに異常が発生して水素濃度VH2が閾値VH2th以上となると、CPUはステップ415又はステップ420にて「No」と判定してステップ430に進み、パージを直ちに停止する。
他方、パージ条件が成立していなければ、CPUはステップ400に続くステップ405にて「No」と判定して直ちにステップ430に進む。但し、この場合においてパージが実行されていなければ、CPUはステップ430にて経路切替弁68の導入ポートを第2排出ポート68bに連通せしめる駆動信号を確認的に発生する。
更に、パージ条件が成立し、且つ、現時点がパージ実行中でないときであっても、システムに異常が発生して酸素濃度Voxが閾値Voxthより以上となっているか、又は、システムに異常が発生して水素濃度VH2が閾値VH2th以上となっていると、CPUはステップ415又はステップ420にて「No」と判定してステップ430に進み、クランクケース22のパージを開始しない。なお、この場合にも、CPUはステップ430にて、経路切替弁68の導入ポートを第2排出ポート68bに連通せしめる駆動信号を確認的に発生する。
以上、説明したように、本発明の実施形態に係る作動ガス循環型水素エンジン及びシステムは、化学的に不活性な不活性ガスのうち単原子ガスであるアルゴンガスを作動ガスとして使用し、同アルゴンガスをエンジン外部の循環経路(第1〜第6経路)を通して循環させている。アルゴンガスは比熱比が大きく、且つ、窒素原子を含まないので、この水素エンジンは効率良く運転され、且つ、窒素酸化物を排出しない。
更に、このエンジン及びシステムは、排ガス中に含まれるアルゴンガスの全部又は一部を、燃焼室21とクランクケース22とをシリンダ12の外部にて接続する供給経路(排気ポート32に接続された第1経路61、凝縮器67、第2経路62、経路切替弁68及び第3経路63)を通してクランクケース22に供給し、このクランクケース22に供給した不活性ガスにより「クランクケース22内にシリンダ12とピストン13との間を通って漏洩した水素を」クランクケース22から排出するクランクケースパージ手段を備えている。
更に、クランクケースパージ手段は、クランクケース22と燃焼室21(吸気ポート31)とをシリンダ12の外部にて接続するリターン経路(第4経路64、第6経路66)を含み、クランクケース22内に漏洩した水素をクランクケース22に供給された不活性ガスとともに同リターン経路を通して燃焼室21に再供給するように構成されている。
従って、クランクケース22内に燃焼室21から漏洩した水素ガスが蓄積することを回避することができる。この結果、クランクケース22内の水素ガスがエンジン潤滑用オイルを劣化させたり、エンジンブロック等を脆化(水素脆化)させたりすることを回避することができる。また、水素ガスを大気中に放出することを回避することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記エンジン10は圧縮により水素と酸素の混合ガスを自着火させていたが、燃焼室21に点火プラグを配設して火花点火運転を行ってもよい。
更に、上記エンジン10は、気筒内に水素ガスを直接噴射していたが、水素ガスを吸気ポート31に噴射するように水素噴射弁35を配置してもよい。また、上記実施形態においては、作動ガスとしてアルゴンガスが使用されていたが、不活性ガスであればアルゴン以外のガス(例えば、CO等の3原子ガス、或いは、He等のアルゴン以外の単原子ガス)であってもよい。この場合、窒素原子を含まず、且つ、比熱比が高いガスが好ましく、その意味において単原子ガス、特に、アルゴンは最適な作動ガスである。
また、クランクケース22内に水素が漏洩しやすい運転状態(例えば、高負荷運転状態)が所定時間継続したときを上記パージ条件として採用してもよい。加えて、上記実施形態においては、パージ実行中は凝縮器67によって水蒸気と分離されたガス(即ち、循環作動ガスであるアルゴンガス)の総てをクランクケース22内に供給していたが、そのガスの一部のみをクランクケース22に供給し、残りのガスはクランクケース22をバイパスさせてもよい。
本発明の実施形態に係る作動ガス循環型水素エンジンを含むシステムの概略図である。 図1に示した電気制御装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図1に示した電気制御装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図1に示した電気制御装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。
符号の説明
10…作動ガス循環型水素エンジン、11…シリンダヘッド、12…シリンダ、13…ピストン、14…クランク軸、15…コネクティングロッド、16…オイルパン、21…燃焼室、22…クランクケース、22a…作動ガス供給口、22b…作動ガス排出口、31…吸気ポート、32…排気ポート、33…吸気弁、34…排気弁、35…水素噴射弁、40…水素供給部、41…水素タンク、42…水素ガス通路、43…水素ガス圧レギュレータ、44…水素ガス流量計、45…サージタンク、50…酸素供給部、51…酸素タンク、52…酸素ガス通路、53…酸素ガス圧レギュレータ、54…酸素ガス流量計、55…酸素ガスミキサ、60…作動ガス循環通路部、61〜66…第1〜第6経路、67…凝縮器、68…経路切替弁、68a…第1排出ポート、68b…第2排出ポート、69…アルゴンガス流量計、70…電気制御装置、71…アクセルペダル操作量センサ、72…エンジン回転速度センサ、73…酸素濃度センサ、74…水素濃度センサ、75…サージタンク圧力センサ。

Claims (3)

  1. シリンダ内を往復動するピストンにより燃焼室とクランクケースとが区画されるように構成され、同燃焼室に水素と酸素と作動ガスとしての不活性ガスとを供給して同水素を燃焼させるとともに、同燃焼室から排出された排ガス中の不活性ガスを同燃焼室に循環させる作動ガス循環型水素エンジンであって、
    前記燃焼室と前記クランクケースとを前記シリンダの外部にて接続する供給経路を備えるとともに、同供給経路を通して同燃焼室から排出された排ガス中の不活性ガスの少なくとも一部を同クランクケースに供給し、同クランクケースに供給された不活性ガスにより、同燃焼室から同クランクケース内に前記シリンダと前記ピストンとの間を通って漏洩した水素を同クランクケースから排出させるクランクケースパージ手段を備えた水素エンジン。
  2. 請求項1に記載の作動ガス循環型水素エンジンにおいて、
    前記クランクケースパージ手段は、
    前記クランクケースと前記燃焼室とを前記シリンダの外部にて接続するリターン経路を含み、前記クランクケース内に漏洩した水素を前記クランクケースに供給された不活性ガスとともに同リターン経路を通して同燃焼室に再供給するように構成された水素エンジン。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の作動ガス循環型水素エンジンにおいて、
    前記作動ガスとしての不活性ガスが単原子ガスである水素エンジン。
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