JP2006077638A - 内燃機関のガス燃料噴射制御装置 - Google Patents

内燃機関のガス燃料噴射制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006077638A
JP2006077638A JP2004261172A JP2004261172A JP2006077638A JP 2006077638 A JP2006077638 A JP 2006077638A JP 2004261172 A JP2004261172 A JP 2004261172A JP 2004261172 A JP2004261172 A JP 2004261172A JP 2006077638 A JP2006077638 A JP 2006077638A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
pressure
hydrogen
cylinder
hydrogen gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004261172A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006077638A5 (ja
Inventor
Shinichi Mitani
信一 三谷
Daisaku Sawada
大作 澤田
Hiroshi Yaguchi
寛 矢口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2004261172A priority Critical patent/JP2006077638A/ja
Publication of JP2006077638A publication Critical patent/JP2006077638A/ja
Publication of JP2006077638A5 publication Critical patent/JP2006077638A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/30Use of alternative fuels, e.g. biofuels

Landscapes

  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】 貯蔵されている水素ガスの圧力が十分に大きいときは水素ガスエンジンの燃費の向上を図るタイミングで水素ガスを噴射し、貯蔵されている水素ガスの圧力が小さくなったときは運転を継続できるタイミングで水素ガスを噴射するようにすること。
【解決手段】 ガス燃料噴射制御装置は、水素ガスの蓄圧タンク41と、蓄圧タンクの水素ガスを内燃機関10の気筒内に噴射する筒内噴射弁47と、蓄圧タンクの水素ガス圧力を検出する水素タンク圧力センサ43と、を備えている。そして、ガス燃料噴射制御装置は、検出された水素ガス圧力が高側閾値より大きいとき高い噴射圧を必要とする圧縮行程中に水素ガスを噴射し、成層リーン燃焼を行って燃費を向上する。また、検出された水素ガスの圧力が高側閾値より小さいとき水素ガスが噴射できるように筒内圧が小さい吸気行程中に水素ガスを噴射し、均質理論空燃比燃焼を行いながら運転継続を可能とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関の気筒(燃焼室)に供給される燃料となるガス(ガス燃料)を噴射するガス燃料噴射制御装置に関する。
従来から、蓄圧タンク(ガスボンベ)に貯蔵されている水素ガス或いは圧縮天然ガス(CNG)などのガス燃料を燃焼室に供給し、同燃焼室にて同供給したガスを燃焼させるエンジンが知られている。このようなエンジンに適用される従来のガス燃料噴射制御装置は、ガス燃料を気筒内に直接噴射する筒内噴射弁を備え、圧縮行程にてガス燃料を噴射して所謂「成層リーン燃焼」を行うようになっている(特許文献1を参照。)。
特開2004−68762号公報(段落番号0016)
しかしながら、蓄圧タンク内に貯蔵されているガスの量が小さくなって蓄圧タンク内のガスの圧力が低下すると、気筒内の圧力が比較的高圧となる圧縮行程において同ガス燃料を同気筒内に噴射することができなくなる。このため、ガス燃料が機関の運転を続行することができる量だけ蓄圧タンク内に残存していたとしても、ガス燃料を補充しなければならないという問題があった。このような問題は、上記「成層リーン燃焼」を行うために圧縮行程においてガス燃料を噴射する機関のみならず、例えば、吸気行程においてガス燃料を噴射すると空気の充填量が低下してしまうので、圧縮行程においてガス燃料を気筒内に噴射する機関等にも存在する。
本発明による内燃機関のガス燃料噴射制御装置は、上記課題に対処するためになされたものであり、燃料となるガスを貯蔵する蓄圧タンクと、駆動信号に応答して前記蓄圧タンクに貯蔵されているガスを内燃機関の気筒内に直接噴射する筒内噴射弁と、を備えている。
そして、このガス燃料噴射制御装置は、
前記蓄圧タンクのガスの圧力を検出するガス圧検出手段と、
前記検出されたガスの圧力が高側閾値より大きいとき前記機関が圧縮行程にある期間中に前記筒内噴射弁から前記ガスを噴射し、前記検出されたガスの圧力が前記高側閾値より小さいとき前記機関が吸気行程にある期間中に前記筒内噴射弁から前記ガスを噴射するように前記筒内噴射弁に前記駆動信号を送出する噴射制御手段と、
を備えている。
これによれば、検出された蓄圧タンクのガスの圧力が高側閾値より大きい場合、ガス燃料は圧縮行程にある期間中に気筒内に噴射される。従って、成層リーン燃焼が実現されることにより燃費向上が達成され、或いは、燃焼すべきガス燃料及び空気(或いは、酸素及びアルゴンなどの作動ガス)の充填効率が向上する。
一方、検出された蓄圧タンクのガスの圧力が高側閾値より小さくなった場合、ガス燃料は、気筒内の圧力が圧縮行程中よりも低い吸気行程中に気筒内に噴射される。従って、蓄圧タンクのガスの圧力が低下して圧縮行程中に気筒内にガス燃料を噴射できなくなった場合であっても、気筒内にガス燃料を供給することができる。これにより、蓄圧タンク内のガス燃料が更に減少して同蓄圧タンク内のガス圧が更に低下し、その結果、吸気行程中においてもガス燃料の噴射ができなくなるまでは、ガス燃料の補充をすることなく機関の運転を継続することができる。
また、本発明による他のガス燃料噴射制御装置は、
燃料となるガスを貯蔵する蓄圧タンクと、
駆動信号に応答して前記蓄圧タンクに貯蔵されているガスを内燃機関の気筒内に直接噴射する筒内噴射弁と、
駆動信号に応答して前記蓄圧タンクに貯蔵されているガスを前記気筒の吸気ポート内に噴射するポート噴射弁と、
を備えている。
そして、このガス燃料噴射制御装置は、
前記蓄圧タンクのガスの圧力を検出するガス圧検出手段と、
前記検出されたガスの圧力が高側閾値より大きいとき前記機関が圧縮行程にある期間中に前記筒内噴射弁から前記ガスを噴射し、前記検出されたガスの圧力が前記高側閾値より小さいとき前記機関が吸気行程を終了するまでの期間中に前記ポート噴射弁から前記ガスを噴射するように、前記筒内噴射弁及び前記ポート噴射弁に前記駆動信号を送出する噴射制御手段と、
を備えている。
この場合、噴射制御手段は、検出されたガスの圧力が高側閾値より小さいとき、前記機関が吸気行程を終了するまでの期間中に前記ポート噴射弁からガスを噴射することに加え、前記機関が吸気行程にある期間中に前記筒内噴射弁からも同ガスを噴射するように構成してよい。
これによれば、検出された蓄圧タンクのガスの圧力が高側閾値より大きい場合、ガス燃料は圧縮行程にある期間中に筒内噴射弁から気筒内に噴射される。従って、成層リーン燃焼が実現されることにより燃費向上が達成され、或いは、燃焼すべきガス燃料及び空気(或いは、酸素及びアルゴンなどの作動ガス)の充填効率が向上する。
一方、検出された蓄圧タンクのガスの圧力が高側閾値より小さくなった場合、ガス燃料は、前記機関が吸気行程を終了するまでの期間中にポート噴射弁から噴射される。吸気ポートの圧力は圧縮行程期間中の気筒内の圧力よりも十分に小さい。従って、蓄圧タンク内のガス燃料が減少して蓄圧タンクのガスの圧力が低下し、圧縮行程中の気筒内にガス燃料を噴射できなくなった場合であっても、ガス燃料を吸気ポートに噴射することができる。この結果、蓄圧タンク内のガス圧が更に低下して吸気ポートにもガス燃料の噴射ができなくなるまでは、ガス燃料の補充をすることなく機関の運転を継続することができる。
上記何れかのガス燃料噴射制御装置の場合、
指示信号に応じて第1の警報を行う第1の警報手段と、
指示信号に応じて第2の警報を行う第2の警報手段と、
前記検出されたガスの圧力が前記高側閾値又は同高側閾値に所定の微小値を加えた値(1次警報用閾値)より小さくなったとき前記第1の警報手段により前記第1の警報を行い、前記検出されたガスの圧力が前記高側閾値より小さい低側閾値より小さくなったとき前記第2の警報手段により前記第2の警報を行うように前記第1の警報手段及び前記第2の警報手段に前記指示信号を発生する警報制御手段と、
を備えることが好適である。
これによれば、検出されたガスの圧力が「高側閾値」又は「高側閾値に所定の微小値を加えた値」より小さくなったとき、前記第1の警報手段により前記第1の警報が行われる。従って、運転者は、ガス燃料の補充をしなければ、例えば、成層燃焼リーン運転がなされずに燃費率が低下し、或いは、吸気充填効率が低下するので最大発生トルクが低下する場合があることを知ることができる。換言すると、運転者は、現時点が、「ガス燃料を補充しなくても機関を継続して運転することができるけれども、ガス燃料を補充すれば、良好な燃費率にて機関の運転を行い、或いは、機関の発生トルクを高い値とし得る状態にて機関を運転することができる時期である」ということを知ることができる。
更に、検出されたガスの圧力が前記高側閾値より小さい低側閾値より小さくなったとき前記第2の警報手段により前記第2の警報が行われる。従って、運転者は、現時点が「ガス燃料を補充しなければ機関が停止する時期が近づいているので、ガス燃料を補充しなければならない時期となっている」ということを知ることができる。
(第1実施形態)
以下、本発明による内燃機関のガス燃料噴射制御装置の第1実施形態について図1を参照しながら説明する。このガス燃料噴射制御装置は、多気筒内燃機関10に適用される。内燃機関10は、燃焼室に対して酸素ガスとガス燃料としての水素ガスと作動ガス(熱膨張体)としてのアルゴンガスとからなる混合ガスを供給し、同混合ガスを点火して燃焼させる形式のエンジンである。更に、内燃機関10は、アルゴンガスを外部に放出することなく循環させる作動ガス循環型水素ガスエンジンである。なお、図1は、内燃機関10の特定気筒の断面のみを示しているが、他の気筒も同様な構成を備えている。
内燃機関10は、シリンダヘッド部が形成するシリンダヘッド11と、シリンダブロック部が形成するシリンダ12と、シリンダ12内において往復運動するピストン13と、クランク軸14と、ピストン13とクランク軸14とを連結しピストン13の往復運動をクランク軸14の回転運動に変換するためのコネクティングロッド15と、シリンダブロックに連接されたオイルパン16とを備えている。ピストン13の側面にはピストンリング13aが配設されている。
シリンダヘッド11、シリンダ12及びオイルパン16から形成される空間は、ピストン13により、ピストン13の頂面側の燃焼室21と、クランク軸14を収容するクランクケース22と、に区画されている。
シリンダヘッド11には、燃焼室21に連通した吸気ポート31と、燃焼室21に連通した排気ポート32とが形成されている。吸気ポート31には吸気ポート31を開閉する吸気弁33が配設され、排気ポート32には排気ポート32を開閉する排気弁34が配設されている。更に、シリンダヘッド11の略中央部には、イグニッションコイルを含む点火プラグ35が配設されている。
ガス燃料噴射制御装置は、水素供給部40、酸素供給部50、作動ガス循環通路部60及び電気制御装置70を備えている。
水素供給部40は、水素タンク41、水素ガス通路42、水素タンク圧力センサ43、水素ガス圧レギュレータ44、水素ガス流量計45、サージタンク46及び筒内噴射弁(水素噴射弁)47を備えている。
水素タンク41はガス燃料としての水素ガスを10乃至70MPaの高圧ガス状態にて貯蔵する蓄圧タンクである。水素ガス通路42は、水素タンク41と筒内噴射弁47とを連通する通路(水素ガス管、デリバリパイプ)である。水素ガス通路42には、水素タンク41から筒内噴射弁47に向かう順に水素タンク圧力センサ43、水素ガス圧レギュレータ44、水素ガス流量計45及びサージタンク46が介装されている。
水素タンク圧力センサ(ガス圧検出手段)43は、水素タンク41内の圧力(蓄圧されている水素ガスの圧力、以下、「水素タンク圧力」と言う。)を検出し、水素タンク圧力Ptkを表す信号を発生するようになっている。水素ガス圧レギュレータ44は、水素ガス圧レギュレータ44よりも下流における水素ガス通路42内の圧力を指示信号に応じた目標水素圧力PH2tgtに調整する周知の調整圧可変型プレッシャレギュレータである。
水素ガス流量計45は、水素ガス通路42を流れる水素ガスの量(水素ガス流量)を計測し、同水素ガス流量を表す信号FH2を発生するようになっている。サージタンク46は、水素ガス噴射時に水素ガス通路42内に発生する脈動を低減するようになっている。
筒内噴射弁47は、駆動信号に応答して燃焼室21内(気筒内)に水素ガスを直接噴射するように(水素ガスをピストン13の頂面に向けて噴射するように)シリンダヘッド11に配設されている。即ち、筒内噴射弁47は、水素ガスを噴射する筒内噴射弁である。
酸素供給部50は、酸素タンク(酸素ガスタンク)51、酸素ガス通路52、酸素ガス圧レギュレータ53、酸素ガス流量計54及び酸素ガスミキサ55を備えている。
酸素タンク51は酸素ガスをガス状態にて貯蔵するタンクである。酸素ガス通路52は、酸素タンク51と酸素ガスミキサ55とを連通する通路(管)である。酸素ガス通路52には、酸素タンク51から酸素ガスミキサ55に向かう順に酸素ガス圧レギュレータ53及び酸素ガス流量計54が介装されている。
酸素ガス圧レギュレータ53は、酸素ガス圧レギュレータ53よりも下流(酸素ガスミキサ55側)における酸素ガス通路52内の圧力を指示信号に応じた目標酸素圧力PO2tgtに調整できる周知の調整圧可変型プレッシャレギュレータである。換言すると、酸素ガス圧レギュレータ53は、指示信号に応答して酸素ガス通路52を流れる酸素ガス量を調整することができるようになっている。
酸素ガス流量計54は、酸素ガス通路52を流れる酸素ガスの量(酸素ガス流量)を計測し、同酸素ガス流量FO2を表す信号を発生するようになっている。酸素ガスミキサ55は、後述する作動ガス循環通路部60の第2経路62と第3経路63との間に介装されている。酸素ガスミキサ55は、酸素ガス通路52を介して供給された酸素と、第2経路62を介して入口部に供給されるガスとを混合し、その混合したガスを出口部から第3経路63に排出するようになっている。
作動ガス循環通路部60は、第1〜3経路(第1〜第3流路形成管)61〜63、凝縮器64及びアルゴンガス流量計65を備えている。
第1経路61は、排気ポート32と凝縮器64の入口部とを接続している。第2経路62は、凝縮器64の出口部と酸素ガスミキサ55の入口部とを接続している。第2経路62にはアルゴンガス流量計65が介装されている。第3経路63は、酸素ガスミキサ55の出口部と吸気ポート31とを接続している。このように、第1〜第3経路61〜63は、排気ポート32から吸気ポート31へとガスを循環させる閉じられた経路を構成している。
凝縮器64は、第1経路61を介して燃焼室21から排出された排ガスを、その入口部から導入し、内部において冷却水Wにより冷却することにより、排ガスに含まれる水蒸気を凝縮液化するようになっている。これにより、凝縮器64は、排ガスに含まれる水蒸気を非凝縮ガス(この場合、非凝縮ガスはアルゴンガスであり、場合により水素ガス及び/又は酸素ガスを含む。)と分離して水となし、その水を外部に排出するようになっている。更に、凝縮器64は、前記分離した非凝縮ガスをその出口部から第2経路62に供給するようになっている。
アルゴンガス流量計65は、第2経路62を流れるアルゴンガスの量(アルゴンガス流量)を計測し、同アルゴンガス流量FArを表す信号を発生するようになっている。
電気制御装置70は、CPU、ROM、RAM及びインターフェースを含む周知のマイクロコンピュータを主体とする電子装置である。電気制御装置70には、水素タンク圧力センサ43、水素ガス流量計45、酸素ガス流量計54、アルゴンガス流量計65、アクセルペダル操作量センサ71、エンジン回転速度センサ72、酸素濃度センサ73、水素濃度センサ74及びサージタンク圧力センサ75が接続されている。電気制御装置70は、これらから各測定信号(検出信号)を入力するようになっている。
アクセルペダル操作量センサ71は、アクセルペダルAPの操作量を検出し、同アクセルペダルAPの操作量を表す信号Accpを出力するようになっている。エンジン回転速度センサ72は、クランク軸14の回転速度に基づいてエンジン回転速度を表す信号NEとクランク角度を表す信号とを発生するようになっている。
酸素濃度センサ73及び水素濃度センサ74は、第2経路62(凝縮器64の出口部とアルゴンガス流量計65との間)に配設されている。酸素濃度センサ73は、配設部位(第2経路62)を流れるガスの酸素濃度を検出し、酸素濃度を表す信号Voxを発生するようになっている。水素濃度センサ74は、配設部位(第2経路62)を流れるガスの水素濃度を検出し、水素濃度を表す信号VH2を発生するようになっている。サージタンク圧力センサ75は、サージタンク46内の水素ガスの圧力を検出し、サージタンク内の圧力(サージタンク圧力、即ち、噴射水素ガス圧力)Psgを表す信号を発生するようになっている。
更に、電気制御装置70は、各気筒の点火プラグ35、各気筒の筒内噴射弁47、水素ガス圧レギュレータ44及び酸素ガス圧レギュレータ53と接続されていて、これらに駆動信号又は指示信号を送出するようになっている。加えて、電気制御装置70は、第1の警報を行う第1の警報手段としての1次エンプティランプ76及び第2の警報を行う第2の警報手段としての2次エンプティランプ77と接続されていて、これらのランプを点灯及び消灯し得るようになっている。
次に、上記のように構成されたガス燃料噴射制御装置の作動について図2乃至図6を参照しながら説明する。
電気制御装置70のCPUは、図2のフローチャートにより示した噴射タイミング切替制御ルーチンを所定時間の経過毎に実行するようになっている。いま、水素タンク41内に十分な量の水素ガスが貯蔵されていて、水素タンク圧力Ptkが十分に大きいと仮定して説明を続ける。
CPUは、所定のタイミングになるとステップ200から処理を開始し、ステップ205に進んで水素タンク圧力Ptkを水素タンク圧力センサ43から読み取る。次いで、CPUはステップ210に進み、水素タンク圧力Ptkが高側閾値PthHiに所定の微小値αを加えた値(1次警報用閾値、αは0以上の値)より大きいか否か(同値以上であるか否か)を判定する。この高側閾値PthHiは、内燃機関10が最大負荷にて運転される状態(つまり、圧縮行程における燃焼室21内の最高圧力が最大となる運転状態)においても、筒内噴射弁47から水素を噴射することができる圧力に設定されている。
前述の仮定に従えば、水素タンク圧力Ptkは十分に大きく、「高側閾値PthHiに所定の微小値αを加えた値」より大きいので、CPUはステップ210にて「Yes」と判定してステップ215に進み、フラグXの値を「1」に設定し、その後、ステップ295に進んで本ルーチンを一旦終了する。フラグXは、その値が「1」である場合に機関10の各気筒が圧縮行程にあるときにその圧縮行程中の気筒に水素ガスを噴射することを指示し、その値が「0」である場合に機関10の各気筒が吸気行程にあるときにその吸気行程中の気筒に水素ガスを噴射することを指示するフラグである。
一方、CPUは図3にフローチャートにより示した噴射制御ルーチンを、機関のクランク角度が各気筒の排気上死点と一致したときに実行するようになっている。従って、ある気筒のクランク角度がその気筒の排気上死点(吸気行程の開始クランク角度)となると、CPUはステップ300から処理を開始してステップ305に進み、上述したフラグXの値が「1」であるか否かを判定する。
現段階においては、前述したステップ215により、フラグXの値は「1」に設定されている。従って、CPUはステップ305にて「Yes」と判定してステップ310に進み、要求水素量SH2をその時点のアクセルペダル操作量Accp及びエンジン回転速度NEと関数fLとに基づいて求める。関数fLは、極めて希薄な空燃比(超希薄空燃比)にて成層燃焼(成層リーン燃焼)を行わせたときにアクセルペダル操作量Accp及びエンジン回転速度NEにより定まる要求トルクを得るのに必要な要求水素量SH2を求めるための予め定められた関数(例えば、ルックアップテーブル)である。
次いで、CPUはステップ315に進み、上記ステップ310にて求めた要求水素量SH2、その時点のサージタンク圧力Psg及びその時点のエンジン回転速度NEと、予め定められた関数fASと、に基づいて要求水素量SH2を筒内噴射弁47の開弁時間である水素噴射時間Tinjに変換する。次に、CPUはステップ320に進み、上記要求水素量SH2、その時点のサージタンク圧力Psg及びその時点のエンジン回転速度NEと、予め定められた関数gASと、に基づいて成層リーン燃焼を行うために適切な噴射開始時期θinjを決定する。この関数gASにより求められる噴射開始時期θinjは、圧縮行程中の所定タイミング(例えば、クランク角度において圧縮上死点前45〜25度の適切なタイミング)に設定される。
次いで、CPUはステップ325に進み、上記要求水素量SH2、その時点のサージタンク圧力Psg及びその時点のエンジン回転速度NEと、予め定められた関数hASと、に基づいて成層リーン燃焼を行うために適切な点火時期θigを決定する。その後、CPUはステップ330に進み、上記決定した噴射開始時期θinjから上記決定した水素噴射時間Tinjだけ筒内噴射弁47を開弁する駆動信号を対応する気筒の筒内噴射弁47に送出する設定を行う。次に、CPUはステップ335に進み、上記決定した点火時期θigにて点火が行われるように対応する気筒の点火プラグ35に駆動信号(点火実行指示信号)を送出する設定を行い、ステップ395に進んで本ルーチンを一旦終了する。
以上により、図4に示したように、筒内噴射弁47は圧縮行程中(吸気弁33及び排気弁34の両者が共に閉弁して燃焼室21内のガスが圧縮されている期間、或いは、圧縮のためにピストン13が上昇して燃焼室21の容積が減少している期間)において噴射開始時期θinjから水素噴射時間Tinjだけ開弁され、要求水素量SH2の水素ガスが気筒内に直接噴射される。これにより、噴射された水素ガスはピストン13の頂面及び燃焼室21の壁面に沿って移動し、所定のタイミングにて点火プラグ35の近傍に可燃ガス層を形成する。そして、その可燃ガス層は、点火時期θigにて点火されて燃焼する。この結果、超希薄空燃比での成層リーン燃焼が行われる。
かかる状態において内燃機関10の運転を継続すると、水素タンク41内の水素ガスが消費されて行く。このため、水素タンク圧力Ptkは次第に低下し、やがて1次警報用閾値(=高側閾値PthHiに所定の微小値αを加えた値)より小さくなる。
このとき、CPUが図2に示したルーチンを実行すると、CPUはステップ210にて「No」と判定してステップ220に進み、1次エンプティランプ76を点灯する。これにより、運転者(乗員)は、水素ガスを水素タンク41に補充しなければ、成層リーン燃焼が終了されて均質理論空燃比燃焼が実行され、燃料消費率が若干低下するようになることを知ることができる。
次に、CPUはステップ225に進み、水素タンク圧力Ptkが高側閾値PthHiより小さいか否かを判定する。この段階では、水素タンク圧力Ptkは、1次警報用閾値(=高側閾値PthHiに所定の微小値αを加えた値)を下回った直後であり、高側閾値PthHiより大きい。従って、CPUはステップ225にて「No」と判定してステップ215に進み、フラグXの値を「1」に設定(この場合、確認的に「1」に設定)する。この結果、上述した成層リーン燃焼による運転が継続される。
かかる状態において、水素タンク41に水素ガスが補充されることなく、内燃機関10の運転が更に継続されると、水素タンク圧力Ptkは高側閾値PthHiより小さくなる。このとき、CPUが図2に示したルーチンを実行すると、CPUはステップ210にて「No」と判定してステップ220に進み、1次エンプティランプ76を確認的に点灯する。
次いで、CPUはステップ225にて「Yes」と判定してステップ230に進み、フラグXの値を「0」に設定する。そして、CPUはステップ235に進んで、水素タンク圧力Ptkが低側閾値PthLoより小さいか否かを判定する。この低側閾値PthLoは、このまま内燃機関10の運転を継続すると、間もなく(例えば、内燃機関10を搭載した車両が50km程度走行したとき)水素タンク41内に残存している水素ガスが極めて少なくなり、その結果、吸気行程においても水素ガスを噴射することができずに内燃機関10が停止してしまう圧力値に選択されている。
この段階では、水素タンク圧力Ptkは高側閾値PthHiを下回った直後であるので低側閾値PthLoより大きい。従って、CPUはステップ235にて「No」と判定してステップ295に進み本ルーチンを一旦終了する。
このとき、CPUが図3に示したルーチンを実行すると、CPUはステップ305にて「No」と判定してステップ340に進み、要求水素量SH2をその時点のアクセルペダル操作量Accp及びエンジン回転速度NEと関数fSとに基づいて求める。関数fSは、理論空燃比(或いは、前記超希薄空燃比よりもリッチな弱希薄空燃比)にて均質理論空燃比燃焼(水素の空間的分布が均一な均質ガスの燃焼)を行わせたときにアクセルペダル操作量Accp及びエンジン回転速度NEにより定まる運転要求トルクを得るのに必要な要求水素量SH2を求めるための予め定められた関数(例えば、ルックアップテーブル)である。
次いで、CPUはステップ345に進み、上記ステップ340にて求めた要求水素量SH2、その時点のサージタンク圧力Psg及びその時点のエンジン回転速度NEと、予め定められた関数fKYと、に基づいて要求水素量SH2を筒内噴射弁47の開弁時間である水素噴射時間Tinjに変換する。次に、CPUはステップ350に進み、上記要求水素量SH2、その時点のサージタンク圧力Psg及びその時点のエンジン回転速度NEと、予め定められた関数gKYと、に基づいて均質燃焼を行うために適切な噴射開始時期θinjを決定する。この関数gKYにより求められる噴射開始時期θinjは、吸気行程中の所定タイミング(例えば、クランク角度において排気上死点後5〜10度の適切なタイミング)に設定される。
次いで、CPUはステップ355に進み、上記要求水素量SH2、その時点のサージタンク圧力Psg及びその時点のエンジン回転速度NEと、予め定められた関数hKYと、に基づいて均質燃焼を行うために適切な点火時期θigを決定する。その後、CPUは上述したステップ330及びステップ335に進み、対応する気筒の筒内噴射弁47を噴射開始時期θinjから噴射時間Tinjだけ開弁する駆動信号と同対応する気筒の点火プラグ35から点火時期θigにて火花を発生させるための駆動信号とを送出する設定を行い、ステップ395に進んで本ルーチンを一旦終了する。
以上により、図5に示したように、筒内噴射弁47は吸気行程中(吸気弁33が開弁し燃焼室21内に酸素ガス及びアルゴンガスが吸入されている期間、或いは、吸気のためにピストン13が下降して燃焼室21の容積が増大している期間)において噴射開始時期θinjから水素噴射時間Tinjだけ開弁され、要求水素量SH2の水素ガスが気筒内に直接噴射される。これにより、噴射された水素ガスは吸気行程中及び圧縮行程中に均質なガスとなる。そして、そのガスは、点火時期θigにて点火されて燃焼する。この結果、理論空燃比での均質燃焼が行われる。
かかる状態において、水素タンク41に水素ガスが補充されることなく内燃機関10の運転が更に継続されると、水素タンク圧力Ptkは低側閾値PthLoより小さくなる。このとき、CPUが図2に示したルーチンを実行すると、CPUはステップ205、210、220、225、230に続くステップ235にて「Yes」と判定し、ステップ240に進んで2次エンプティランプ77を点灯し、ステップ295にて本ルーチンを一旦終了する。
これにより、運転者は、水素ガスを水素タンク41に補充しなければ、間もなく水素タンク41内に残存している水素ガスが極めて少なくなって内燃機関10が停止する(車両を走行できない)状態となることを知ることができる。
更に、CPUは、所定時間の経過毎に図6にフローチャートにより示したレギュレータ制御ルーチンを実行するようになっている。このルーチンにおいては、フラグXの値に応じてサージタンク46の目標水素圧力PH2tgtが切換えられ、サージタンク圧力Psgがその目標水素圧力PH2tgtとなるように水素ガス圧レギュレータ44が調整される。また、このルーチンにおいては、要求水素量SH2に応じた量の酸素が燃焼室21に供給されるように、酸素ガス圧レギュレータ53が調整される。
具体的に述べると、CPUは、所定のタイミングになったとき、このルーチンの処理をステップ600から開始してステップ605に進み、フラグXの値が「1」であるか否かを判定する。このとき、フラグXの値が「1」であれば、CPUはステップ605にて「Yes」と判定してステップ610に進み、目標水素圧力PH2tgtを高側目標水素圧力PH2tgtHiに設定する。この高側目標水素圧力PH2tgtHiは、筒内噴射弁47から水素ガスを圧縮行程中に噴射させて成層燃焼を実行するのに適した圧力値に設定されている。
一方、フラグXの値が「0」であれば、CPUはステップ605にて「No」と判定してステップ615に進み、目標水素圧力PH2tgtを低側目標水素圧力PH2tgtLoに設定する。低側目標水素圧力PH2tgtLoは、高側目標水素圧力PH2tgtHiよりも小さい圧力値であって、筒内噴射弁47から水素ガスを吸気行程中に噴射させ得る程度の圧力値に設定されている。
次いで、CPUはステップ620に進み、水素ガス圧レギュレータ44に対して目標水素圧力PH2tgtに応じた指示信号を出力する。この結果、サージタンク46内の圧力(水素ガスの噴射圧力)が目標水素圧力PH2tgt近傍の値に調整される。
次に、CPUはステップ625に進み、現時点における要求水素量SH2の単位時間あたりの平均値SH2aveを、前述した図3のステップ310及びステップ340の何れかにより求められる要求水素量SH2を単位時間に渡って積算することにより算出する。次いで、CPUはステップ630に進んで上記のようにして求められた平均値SH2aveと関数fFO2tgt(例えば、ルックアップテーブル)とに基づいて目標酸素ガス流量FO2tgtを求める。
前述したように、内燃機関10は水素を燃料として燃焼させる。従って、水素の燃焼により水のみを生成するためには、水素2モルに対して酸素1モルを供給する必要がある。このため、関数fFO2tgtは、平均値SH2aveにより表される水素のモル数の半分のモル数の酸素(実際には、同半分のモル数の酸素量に余裕量を加えた量の酸素)が燃焼室21に供給されるように、目標酸素ガス流量FO2tgtを決定するようになっている。
次いで、CPUはステップ635に進み、現時点にて検出されている酸素ガス流量FO2が上記目標酸素ガス流量FO2tgt以上であるか否かを判定する。そして、CPUは、現時点にて検出されている酸素ガス流量FO2が上記目標酸素ガス流量FO2tgt以上であると判定したとき、ステップ640に進んで酸素ガス圧レギュレータ53の目標酸素圧力PO2tgtを正の一定値aだけ減少させ、続くステップ645にて酸素ガス圧レギュレータ53に対して目標酸素圧力PO2tgtに応じた指示信号を出力する。これにより、酸素ガスミキサ55に供給される酸素ガス量が減少する。
一方、CPUは、ステップ635において、現時点にて検出されている酸素ガス流量FO2が上記目標酸素ガス流量FO2tgtより小さい判定したとき、ステップ650に進んで酸素ガス圧レギュレータ53の目標酸素圧力PO2tgtを正の一定値bだけ増大させ、続くステップ645にて酸素ガス圧レギュレータ53に対して目標酸素圧力PO2tgtに応じた指示信号を出力する。この結果、酸素ガスミキサ55に供給される酸素ガス量が増大する。以上により、必要十分な量の酸素が酸素ガスミキサ55を介して燃焼室21に供給される。次いで、CPUはステップ695に進み、本ルーチンを一旦終了する。
以上、説明したように、本発明の第1実施形態に係る内燃機関のガス燃料噴射制御装置は、蓄圧タンク(41)と、駆動信号に応答して前記蓄圧タンクに貯蔵されているガスを内燃機関の気筒内に直接噴射する筒内噴射弁(47)と、を備えるとともに、
前記蓄圧タンクのガスの圧力Ptkを検出するガス圧検出手段(43)と、
前記検出されたガスの圧力Ptkが高側閾値PthHiより大きいとき前記機関が圧縮行程にある期間中に前記筒内噴射弁から前記ガスを噴射し、前記検出されたガスの圧力Ptkが前記高側閾値PthHiより小さいとき前記機関が吸気行程にある期間中に前記筒内噴射弁から前記ガスを噴射するように前記筒内噴射弁に前記駆動信号を送出する噴射制御手段(図2のルーチンのステップ215、225及び230並びに図3のルーチン)を備えている。
従って、ガス燃料(水素ガス)が十分に残存していて検出されたガスの圧力Ptkが高側閾値PthHiより大きいときには、超希薄空燃比による成層リーン燃焼を行って良好な燃費率で機関を運転することができる。また、ガス燃料の残量が少なくなって検出されたガスの圧力Ptkが前記高側閾値PthHiより小さくなったときには、吸気行程中の噴射に切換えるので、機関を継続して運転することができる。
加えて、第1実施形態に係る内燃機関のガス燃料噴射制御装置は、
指示信号に応じて第1の警報を行う第1の警報手段(76)と、
指示信号に応じて第2の警報を行う第2の警報手段(77)と、
前記検出されたガスの圧力Ptkが前記高側閾値PthHi又は同高側閾値PthHiに所定の微小値αを加えた値(PthHi+α)より小さくなったとき前記第1の警報手段により前記第1の警報を行い、前記検出されたガスの圧力Ptkが前記高側閾値PthHiより小さい低側閾値PthLoより小さくなったとき前記第2の警報手段により前記第2の警報を行うように前記第1の警報手段及び前記第2の警報手段に前記指示信号を発生する警報制御手段(図2のルーチンのステップ210、220、235及び240)と、を備えている。
これにより、良好な燃費率にて機関の運転を行いたいと望む運転者は第1の警報が発生した段階でガス燃料を補充することができ、ガス燃料の補充をせずに運転の継続を望む運転者は第2の警報が発生した段階でガス燃料を補充することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る内燃機関のガス燃料噴射制御装置について説明する。このガス燃料噴射制御装置は、図7に示したように、ガス燃料(水素ガス)を噴射する弁として、筒内噴射弁47に加えてポート噴射弁48を備え、検出されたガスの圧力Ptkが高側閾値PthHiより大きいとき機関が圧縮行程にある期間中に筒内噴射弁47から水素ガスを噴射し、検出されたガスの圧力Ptkが高側閾値PthHiより小さいとき機関が吸気行程を終了するまでの期間中にポート噴射弁48から水素ガスを噴射するようになっている点のみにおいて、第1実施形態と相違している。
より具体的に説明すると、水素ガスを噴射するポート噴射弁48は、内燃機関10の吸気ポート31に備えられている。ポート噴射弁48は、吸気ポート31内であって吸気弁33の背面に向けて水素ガスを噴射するようになっている。ポート噴射弁48は、サージタンク46と接続され、水素ガスが供給されるようになっている。更に、ポート噴射弁48は、電気制御装置70と電気的に接続されていて、電気制御装置70からの駆動信号に応答してサージタンク46から供給された水素ガスを噴射するようになっている。
電気制御装置70のCPUは、図3に示した噴射制御ルーチンに代えて図8に示した噴射制御ルーチンを実行するようになっている点のみにおいて、第1実施形態の電気制御装置70と機能上相違している。なお、図8において図3に示したステップと同一のステップには同一の符合を付し、以下においてはその詳細な説明を省略する。
CPUは、所定のタイミングになると、図8のステップ800から処理を開始し、ステップ305にて上述したフラグXの値が「1」であるか否かを判定する。このとき、フラグXの値が「1」であれば、上述したステップ310〜335が実行される。これにより、筒内噴射弁47からの筒内噴射が圧縮行程中に行われ、成層リーン燃焼による運転が達成される。
一方、フラグXの値が「1」でなければ、CPUはステップ305にて「No」と判定し、ステップ805〜830を実行する。ステップ805〜820は、図3に示したルーチンのステップ340〜355にそれぞれ対応するステップである。但し、ステップ805〜820の各ステップにて用いられる関数は、ポート噴射弁48からのポート噴射に対応した関数(fPS、fP、gP、hP)となっている。
即ち、CPUは、ステップ805〜820を実行することにより、ポート噴射による均質理論空燃比燃焼に適した要求水素量SH2、水素噴射時間Tinj、噴射開始時期θinj及び点火時期θigを決定する。関数gPにより求められる噴射開始時期θinjは、吸気行程中の所定タイミングに設定される。なお、吸気ポート31内の圧力は、圧縮行程中の燃焼室21内の圧力に比べて十分小さいから、噴射開始時期θinjは吸気行程が終了するまでの期間中であって吸気ポート31に噴射した水素ガスが燃焼室21内に吸入されるタイミングであればよい。
次いで、CPUはステップ825に進み、ステップ815にて決定した噴射開始時期θinjからステップ810にて決定した水素噴射時間Tinjだけ対応する気筒のポート噴射弁48を開弁する駆動信号を、そのポート噴射弁48に送出する設定を行う。次に、CPUはステップ830に進み、ステップ820にて決定した点火時期θigにて点火が行われるように対応する気筒の点火プラグ35に駆動信号を送出する設定を行い、ステップ895に進んで本ルーチンを一旦終了する。
以上、説明したように、本発明の第2実施形態に係る内燃機関のガス燃料噴射制御装置は、蓄圧タンク(41)と、駆動信号に応答して前記蓄圧タンクに貯蔵されているガスを内燃機関の気筒内に直接噴射する筒内噴射弁(47)と、駆動信号に応答して前記蓄圧タンクに貯蔵されているガスを前記気筒の吸気ポート内に噴射するポート噴射弁(48)と、を備えるとともに、
前記蓄圧タンクのガスの圧力Ptkを検出するガス圧検出手段(43)と、
前記検出されたガスの圧力Ptkが高側閾値PthHiより大きいとき前記機関が圧縮行程にある期間中に前記筒内噴射弁から前記ガスを噴射し、前記検出されたガスの圧力が前記高側閾値より小さいとき前記機関が吸気行程を終了するまでの期間中に前記ポート噴射弁から前記ガスを噴射するように、前記筒内噴射弁及び前記ポート噴射弁に前記駆動信号を送出する噴射制御手段(図2のルーチンのステップ215、225及び230並びに図8のルーチン)を備えている。
従って、ガス燃料(水素ガス)が十分に残存していて検出されたガスの圧力Ptkが高側閾値PthHiより大きいときには、超希薄空燃比による成層リーン燃焼を行って良好な燃費率で機関を運転することができる。また、ガス燃料の残量が少なくなって検出されたガスの圧力Ptkが前記高側閾値PthHiより小さくなったときには、高圧の噴射圧力を必要としないポート噴射弁48による噴射に切換えるので、機関を継続して運転することができる。
以上、説明したように、本発明によるガス燃料噴射制御装置の各実施形態は、検出された蓄圧タンク内の水素ガス圧力が高側閾値より大きいとき高い噴射圧を必要とする圧縮行程中に水素ガスを筒内に噴射し、成層リーン燃焼を行って燃費を向上する。また、検出された蓄圧タンク内の水素ガスの圧力が高側閾値より小さいとき水素ガスが噴射できるような条件にて水素ガスを噴射し、均質理論空燃比燃焼を行いながら運転継続を可能とする。
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記内燃機関10は、作動ガスとしてアルゴンガスを使用していたが、不活性ガスであればアルゴン以外のガス(例えば、CO等の3原子ガス、或いは、He等のアルゴン以外の単原子ガス)であってもよい。この場合、窒素原子を含まず、且つ、比熱比が高いガスが好ましく、その意味において単原子ガス、特に、アルゴンは最適な作動ガスである。更に、作動ガス及び酸素ガスに代えて、従来の内燃機関と同様に空気を燃焼室21に供給するように構成してもよい。
また、上記高側閾値PthHiを機関の要求トルク(従って、アクセルペダル操作量Accp及びエンジン回転速度NE)に基づいて定めてもよい。この場合、要求トルクが大きいほど高側閾値PthHiを大きくすることが望ましい。更に、第2実施形態において、検出されたガスの圧力Ptkが高側閾値PthHiより小さくなったとき、吸気行程期間中に筒内噴射弁47からも水素ガスを噴射させてよい。加えて、1次エンプティランプ76を、高側閾値PthHiより小さくなったときに点灯させるように構成してもよい。
本発明の第1実施形態に係る内燃機関のガス燃料噴射制御装置の概略図である。 図1に示した電気制御装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図1に示した電気制御装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 水素タンク内の水素ガスの圧力が大きいときのガス噴射開始時期を示した図である。 水素タンク内の水素ガスの圧力が小さいときのガス噴射開始時期を示した図である。 図1に示した電気制御装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る内燃機関のガス燃料噴射制御装置の部分概略図である。 本発明の第2実施形態に係る電気制御装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。
符号の説明
10…作動ガス循環型多気筒水素ガスエンジン(内燃機関)、11…シリンダヘッド、12…シリンダ、13…ピストン、21…燃焼室、31…吸気ポート、32…排気ポート、33…吸気弁、34…排気弁、35…点火プラグ、40…水素供給部、41…水素タンク、42…水素ガス通路、43…水素タンク圧力センサ、44…水素ガス圧レギュレータ、45…水素ガス流量計、46…サージタンク、47…筒内噴射弁、48…ポート噴射弁、50…酸素供給部、51…酸素タンク、52…酸素ガス通路、53…酸素ガス圧レギュレータ、54…酸素ガス流量計、55…酸素ガスミキサ、60…作動ガス循環通路部、61…第1経路、62…第2経路、63…第3経路、64…凝縮器、65…アルゴンガス流量計、70…電気制御装置、71…アクセルペダル操作量センサ、72…エンジン回転速度センサ、73…酸素濃度センサ、74…水素濃度センサ、75…サージタンク圧力センサ、76…1次エンプティランプ、77…2次エンプティランプ。

Claims (3)

  1. 燃料となるガスを貯蔵する蓄圧タンクと、
    駆動信号に応答して前記蓄圧タンクに貯蔵されているガスを内燃機関の気筒内に直接噴射する筒内噴射弁と、
    を備えた内燃機関のガス燃料噴射制御装置であって、
    前記蓄圧タンクのガスの圧力を検出するガス圧検出手段と、
    前記検出されたガスの圧力が高側閾値より大きいとき前記機関が圧縮行程にある期間中に前記筒内噴射弁から前記ガスを噴射し、前記検出されたガスの圧力が前記高側閾値より小さいとき前記機関が吸気行程にある期間中に前記筒内噴射弁から前記ガスを噴射するように前記筒内噴射弁に前記駆動信号を送出する噴射制御手段と、
    を備えたガス燃料噴射制御装置。
  2. 燃料となるガスを貯蔵する蓄圧タンクと、
    駆動信号に応答して前記蓄圧タンクに貯蔵されているガスを内燃機関の気筒内に直接噴射する筒内噴射弁と、
    駆動信号に応答して前記蓄圧タンクに貯蔵されているガスを前記気筒の吸気ポート内に噴射するポート噴射弁と、
    を備えた内燃機関のガス燃料噴射制御装置であって、
    前記蓄圧タンクのガスの圧力を検出するガス圧検出手段と、
    前記検出されたガスの圧力が高側閾値より大きいとき前記機関が圧縮行程にある期間中に前記筒内噴射弁から前記ガスを噴射し、前記検出されたガスの圧力が前記高側閾値より小さいとき前記機関が吸気行程を終了するまでの期間中に前記ポート噴射弁から前記ガスを噴射するように、前記筒内噴射弁及び前記ポート噴射弁に前記駆動信号を送出する噴射制御手段と、
    を備えたガス燃料噴射制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の内燃機関のガス燃料噴射制御装置であって、
    指示信号に応じて第1の警報を行う第1の警報手段と、
    指示信号に応じて第2の警報を行う第2の警報手段と、
    前記検出されたガスの圧力が前記高側閾値又は同高側閾値に所定の微小値を加えた値より小さくなったとき前記第1の警報手段により前記第1の警報を行い、前記検出されたガスの圧力が前記高側閾値より小さい低側閾値より小さくなったとき前記第2の警報手段により前記第2の警報を行うように前記第1の警報手段及び前記第2の警報手段に前記指示信号を発生する警報制御手段と、
    を備えたガス燃料噴射制御装置。
JP2004261172A 2004-09-08 2004-09-08 内燃機関のガス燃料噴射制御装置 Pending JP2006077638A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004261172A JP2006077638A (ja) 2004-09-08 2004-09-08 内燃機関のガス燃料噴射制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004261172A JP2006077638A (ja) 2004-09-08 2004-09-08 内燃機関のガス燃料噴射制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006077638A true JP2006077638A (ja) 2006-03-23
JP2006077638A5 JP2006077638A5 (ja) 2007-05-17

Family

ID=36157302

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004261172A Pending JP2006077638A (ja) 2004-09-08 2004-09-08 内燃機関のガス燃料噴射制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006077638A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008038680A (ja) * 2006-08-03 2008-02-21 Toyota Motor Corp ガス燃料内燃機関の制御装置
WO2008029604A1 (fr) 2006-09-07 2008-03-13 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Moteur de circulation de gaz actif
GB2443504A (en) * 2006-10-30 2008-05-07 Ford Global Tech Llc Method for controlling direct injection of a gaseous fuel at a variable supply pressure
WO2009141706A2 (en) * 2008-05-20 2009-11-26 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Working gas circulation engine
JP2010242699A (ja) * 2009-04-09 2010-10-28 Ihi Corp ガスエンジンの燃焼方法及び装置
JP4793509B2 (ja) * 2009-03-10 2011-10-12 トヨタ自動車株式会社 作動ガス循環型エンジン
US8322128B2 (en) * 2006-02-24 2012-12-04 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Hydrogen engine using a recirculating working medium
CN104314711A (zh) * 2014-08-25 2015-01-28 同济大学 一种氩循环内燃机系统及其控制方法
US20160346813A1 (en) * 2014-02-11 2016-12-01 Bang & Clean Gmbh Method and device for cleaning interiors of containers and systems
GB2622271A (en) * 2022-09-12 2024-03-13 Jaguar Land Rover Ltd Control system and method for hydrogen fuelled internal combustion engine

Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8322128B2 (en) * 2006-02-24 2012-12-04 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Hydrogen engine using a recirculating working medium
JP2008038680A (ja) * 2006-08-03 2008-02-21 Toyota Motor Corp ガス燃料内燃機関の制御装置
EP2060760A1 (en) * 2006-09-07 2009-05-20 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Working gas circulation engine
JP4586780B2 (ja) * 2006-09-07 2010-11-24 トヨタ自動車株式会社 作動ガス循環型エンジン
JP2008064018A (ja) * 2006-09-07 2008-03-21 Toyota Motor Corp 作動ガス循環型エンジン
WO2008029604A1 (fr) 2006-09-07 2008-03-13 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Moteur de circulation de gaz actif
US7661416B2 (en) 2006-09-07 2010-02-16 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Working-gas-circulation-type engine
EP2060760A4 (en) * 2006-09-07 2010-03-24 Toyota Motor Co Ltd ACTIVE GAS CIRCULATION MOTOR
KR100987626B1 (ko) 2006-09-07 2010-10-13 도요타 지도샤(주) 작동 가스 순환형 엔진
US7377267B2 (en) 2006-10-30 2008-05-27 Ford Global Technologies, Llc Injection strategy to maximize efficiency in gaseous engine
GB2443504A (en) * 2006-10-30 2008-05-07 Ford Global Tech Llc Method for controlling direct injection of a gaseous fuel at a variable supply pressure
WO2009141706A3 (en) * 2008-05-20 2010-01-14 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Working gas circulation engine
WO2009141706A2 (en) * 2008-05-20 2009-11-26 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Working gas circulation engine
JP4793509B2 (ja) * 2009-03-10 2011-10-12 トヨタ自動車株式会社 作動ガス循環型エンジン
US8276572B2 (en) 2009-03-10 2012-10-02 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Working gas circulation engine
JP2010242699A (ja) * 2009-04-09 2010-10-28 Ihi Corp ガスエンジンの燃焼方法及び装置
US20160346813A1 (en) * 2014-02-11 2016-12-01 Bang & Clean Gmbh Method and device for cleaning interiors of containers and systems
US10213813B2 (en) * 2014-02-11 2019-02-26 Bang & Clean Gmbh Method and device for cleaning interiors of containers and systems
CN104314711A (zh) * 2014-08-25 2015-01-28 同济大学 一种氩循环内燃机系统及其控制方法
GB2622271A (en) * 2022-09-12 2024-03-13 Jaguar Land Rover Ltd Control system and method for hydrogen fuelled internal combustion engine
EP4336036A1 (en) * 2022-09-12 2024-03-13 Jaguar Land Rover Limited Control system and method for hydrogen fuelled internal combustion engine

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4192930B2 (ja) 内燃機関
US6978771B2 (en) Homogeneous charge compression ignition engine and method for operating homogeneous charge compression ignition engine
US7213543B2 (en) Technique of detecting failure of compression ratio varying mechanism and controlling internal combustion engine
US7421999B2 (en) Control apparatus for an internal combustion engine capable of pre-mixed charge compression ignition
US7252069B2 (en) Gas fuel engine and control method for the same
JP5729467B2 (ja) 内燃機関の制御装置及び方法
JP2007332939A (ja) 多種燃料内燃機関
JPH051837U (ja) 筒内直噴式エンジンの燃料噴射制御装置
US10132273B2 (en) Control system of engine
JP2007247524A (ja) ガス燃料エンジン
JP2006077638A (ja) 内燃機関のガス燃料噴射制御装置
JP2007187130A (ja) 内燃機関の制御装置
JP4692105B2 (ja) 内燃機関
JP2010156209A (ja) 内燃機関の運転制御方法
WO2012105038A1 (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
US6619266B2 (en) Control apparatus for engine
JP2009068392A (ja) 作動ガス循環型水素エンジン
JP4983983B2 (ja) 作動ガス循環型エンジン
JP7124921B2 (ja) エンジンの制御装置
JP2020084848A (ja) 副室式ディーゼル機関
JP2004353542A (ja) 多種燃料エンジンおよび多種燃料エンジンの運転方法
JP4321274B2 (ja) 内燃機関
JP2005315140A (ja) 火花点火式エンジンの制御装置
JP2006002719A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2011196236A (ja) 作動ガス循環型エンジン

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070322

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070322

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081027

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081203

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090708

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091104