JP2006002719A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 噴射した液体により混合気の温度を低下せしめることにより、自着火による燃焼を緩慢にし、もって、燃焼騒音の低減を図ること。
【解決手段】 この制御装置は、シリンダ21とピストン22とにより構成される燃焼室24内に空気と燃料とを含む均質な混合気を形成し同混合気を圧縮行程にて圧縮することにより自着火させて燃焼させる予混合圧縮自着火運転を行う内燃機関10に適用される。制御装置は、駆動信号に応答して液体を燃焼室内に直接噴射する液体噴射弁37を備え、燃焼室内において前記混合気の燃焼により発生する熱量が上昇しているときに前記液体噴射弁から噴射された液体が丁度気化するように前記駆動信号を所定のタイミングにて発生する。
【選択図】 図1
【解決手段】 この制御装置は、シリンダ21とピストン22とにより構成される燃焼室24内に空気と燃料とを含む均質な混合気を形成し同混合気を圧縮行程にて圧縮することにより自着火させて燃焼させる予混合圧縮自着火運転を行う内燃機関10に適用される。制御装置は、駆動信号に応答して液体を燃焼室内に直接噴射する液体噴射弁37を備え、燃焼室内において前記混合気の燃焼により発生する熱量が上昇しているときに前記液体噴射弁から噴射された液体が丁度気化するように前記駆動信号を所定のタイミングにて発生する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、予混合圧縮自着火運転を行う内燃機関の制御装置に関する。
従来から、シリンダとピストンとにより構成される燃焼室に空気と燃料とを含む均質な(燃料濃度が一様な)混合気を形成し、その混合気を圧縮行程にて圧縮することにより自着火(自己着火)させて燃焼させる予混合圧縮自着火式内燃機関が知られている。予混合圧縮自着火式内燃機関においては、空燃比を極めてリーンな空燃比とし且つ圧縮比を高くすることができる。従って、広い運転領域で予混合圧縮自着火運転をすることができれば、燃費を改善することができるとともにNOxの排出量を低減することができると考えられている。
ところで、自着火による燃焼(自着火燃焼)においては、圧縮された混合気は多数の着火点においてほぼ同時に着火され、極めて短期間のうちに燃焼する。このため、特に燃料量が多い高負荷領域において、燃焼室内の圧力(筒内圧力)が急激に上昇し、燃焼騒音が非常に大きくなる。現状、所定の高負荷領域で自着火運転を採用できないのは、かかる燃焼騒音が過度に大きくなってしまうからである。
この問題に対処するため、従来の装置(内燃機関の燃焼制御装置)は、着火時期(着火開始時期)を遅角させるようになっている(例えば、特許文献1を参照。)。これによれば、混合気の燃焼が活発になる時期が燃焼室の体積が急激に大きくなる期間内となる。この結果、燃焼室体積の急激な増大が筒内圧力の過度の上昇を抑制するので、過大な燃焼騒音を発生させなくすることができる。なお、着火時期は、特許文献1に記載された技術のように、燃料噴射量又は燃料噴射時期を変更することにより遅らせることができ、或いは、吸気温度を低下させることによっても遅らせることができる。
特開2001−207889(請求項2、段落番号0005乃至0006、段落番号0019、段落番号0034乃至0035及び図5)
しかしながら、着火時期を遅角させすぎると、混合気が自着火しない(即ち、失火する)場合が生じるという問題がある。
従って、本発明の目的の一つは、着火時期を大幅に遅らせることなく、且つ、過大な燃焼騒音を発生させなくすることができる予混合圧縮自着火内燃機関の制御装置を提供することにある。この目的を達成するため、本発明による内燃機関の制御装置は、燃焼室内に液体を噴射し、その液体の気化熱により混合気の温度を低下させることにより、及び、その液体の気化熱により混合気の温度の空間的な不均一性を大きくすることにより、液体が気化を開始した時点以降において着火を緩慢に発生させ(多数の着火点の着火時期を時間的に僅かずつ相違せしめ)、燃焼を緩慢に進行させる。
より具体的に述べると、本発明による内燃機関の制御装置は、シリンダとピストンとにより構成される燃焼室内に空気と燃料とを含む均質な混合気を形成し同混合気を圧縮行程にて圧縮することにより自着火させて燃焼させる予混合圧縮自着火運転を行う内燃機関に適用される。この場合、燃料は燃焼室内に直接噴射されてもよく(所謂「筒内噴射」でもよく)、吸気ポート内に噴射されてから燃焼室に吸入されてもよい。
そして、この内燃機関の制御装置は、
駆動信号に応答して液体を前記燃焼室内に直接噴射する液体噴射手段と、
前記燃焼室内において前記混合気の燃焼により発生する熱量が上昇しているときに前記液体噴射手段から噴射された液体が気化するように前記駆動信号を所定のタイミングにて同液体噴射手段に送出する液体噴射制御手段と、
を備えている。
駆動信号に応答して液体を前記燃焼室内に直接噴射する液体噴射手段と、
前記燃焼室内において前記混合気の燃焼により発生する熱量が上昇しているときに前記液体噴射手段から噴射された液体が気化するように前記駆動信号を所定のタイミングにて同液体噴射手段に送出する液体噴射制御手段と、
を備えている。
これによれば、混合気の燃焼により発生する熱の量(単位時間又は単位クランク角度あたりの熱量)が上昇している期間(即ち、燃焼中)において前記液体噴射手段から噴射された液体が気化し、その気化(気化熱)により混合気が冷却される。一方、このように液体を噴射しない場合にも、混合気は総ての着火点において同時に着火するわけではなく、各着火点(各複数の着火点)での混合気が僅かな時間差をもちながら着火して行くことが可視化結果からも明らかになっている。そのため、本発明のように、噴射された液体が混合気の燃焼により発生する熱の量が上昇している期間に気化すれば、最初に特定の位置(着火点)にて着火した以降において同液体の気化が始まることになり、その最初の着火よりも遅れて着火する位置に存在する混合気の着火が更に遅れることになる。この結果、液体が気化を開始した時点以降において、着火が緩慢に発生し、燃焼が緩慢に進行するので、筒内圧力上昇率が過大にならない。
また、着火開始前に燃焼室内に液体が噴射されたとしても、その液体は直ちに燃焼室全体に行き渡ることはない。従って、液体噴射直後において、噴射された液体から温度上の影響を殆ど受けない混合気が燃焼室内に存在し、その温度上の影響を殆ど受けない混合気は液体噴射がなされなかった場合の混合気の着火開始時点とほぼ同様な時点にて着火する。以上の結果、本発明による内燃機関の制御装置は、着火開始時期が大幅に遅角されてしまうことがないので失火が発生せず、且つ、燃焼が緩慢となるので過大な燃焼騒音を発生させなくすることができる。
なお、液体噴射を行う(駆動信号を送出する)上記「所定のタイミング」とは、一般に、自着火開始直前の圧縮行程後半の所定の時期から自着火開始後である圧縮上死点直後の所定の時期までの間である。また、液体は噴射された後に直ちに気化を開始するわけではなく、液体の種類や液体の粒径、或いは、液体に与えられる熱量を決定する燃焼室内の温度等によって定まる所定の時間後に気化を開始する。従って、上記「所定のタイミング」は、少なくとも、噴射された液体が気化するまでの時間を考慮して決定される。更に、液体を気化させるべきタイミングは、内燃機関の負荷や回転速度等の機関運転状態に応じて変化するので、上記「所定のタイミング」は機関運転状態にも応じて変更されることが好適である。
この場合、前記液体噴射手段は、前記ピストンの頂面に略平行な方向に前記液体を噴射するように配設された液体噴射弁を含んでなることが好適である。
上述したように、この液体は一般には圧縮上死点近傍で噴射されることになる。従って、例えば、シリンダヘッドからピストン頂面に向けて液体を噴射するように液体噴射弁を配設すると、液体噴射弁の噴射口から同噴射口に対向する燃焼室壁面であるピストン頂面までの距離は非常に小さくなる。このため、噴射された液体は燃焼室壁面(ピストン頂面)に付着して同燃焼室壁面を冷却し、その結果、未燃の炭化水素(HC)の生成量が多くなってしまう。これに対し、上記のように、液体をピストンの頂面に略平行な方向に噴射すれば、液体噴射弁の噴射口から同噴射口に対向する燃焼室壁面であるシリンダのボア壁面までの距離は比較的大きくなる。従って、噴射された液体は燃焼室壁面(シリンダのボア壁面)に付着し難くなり、同燃焼室壁面を冷却し難くなる。その結果、未燃の炭化水素の生成量を少なくすることができる。
更に、前記液体噴射制御手段は、前記混合気の一回の燃焼に対して前記液体を複数回噴射するように前記駆動信号を発生することが好適である。
これによれば、筒内圧力上昇率が過大とならないようにする(即ち、燃焼を緩慢化して過大な燃焼騒音を発生させなくする)ために必要とされる量の液体が、数度に分割されて噴射され得る。従って、総ての液体を一回で噴射する場合に比べ、一回の液体の噴射による液体の貫徹力(従って、到達距離)が小さくなる。その結果、液体が燃焼室壁面に付着する量を一層少なくすることができるので、未燃の炭化水素の生成量をより少なくすることができる。
以下、本発明による内燃機関の制御装置の各実施形態について説明する。各実施形態の制御装置は、シリンダと、シリンダ内において往復運動するピストンと、クランク軸と、前記ピストンと前記クランク軸とを連結し同ピストンの前記シリンダ内における往復運動を同クランク軸の回転運動に変換するためのコネクティングロッドとを備える多気筒(ここでは4気筒)ピストン往復動型の均質予混合圧縮自着火内燃機関に適用される。均質予混合圧縮自着火内燃機関とは、シリンダ及びピストンにより構成される燃焼室内に空気と燃料とを含む均質な混合気(燃料濃度が均一な混合気)を形成し同混合気を圧縮行程にて圧縮することにより自着火させて燃焼させる内燃機関のことを言う。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る制御装置が適用される2サイクル予混合圧縮自着火式内燃機関10の概略を示している。2サイクル内燃機関とは、クランク角度が360度経過する毎に、膨張行程、排気行程、掃気行程、吸気(過給機による給気)行程及び圧縮行程を繰り返す内燃機関のことをいう。
図1は、本発明の第1実施形態に係る制御装置が適用される2サイクル予混合圧縮自着火式内燃機関10の概略を示している。2サイクル内燃機関とは、クランク角度が360度経過する毎に、膨張行程、排気行程、掃気行程、吸気(過給機による給気)行程及び圧縮行程を繰り返す内燃機関のことをいう。
この内燃機関10は、図1に示したように、シリンダブロック部20と、シリンダブロック部20の上に固定されたシリンダヘッド部30とを含んでいる。なお、図1は、特定気筒の断面のみを示しているが、他の気筒も同様な構成を備えている。
シリンダブロック部20は、図示しないクランク軸を収容したシリンダブロックロワーケース及びオイルパン等を含んでいる。シリンダブロック部20は、更に、シリンダ21、ピストン22及びコネクティングロッド23を備えている。ピストン22はシリンダ21内を往復動し、ピストン22の往復動がコネクティングロッド23を介してクランク軸に伝達され、これにより同クランク軸が回転するようになっている。シリンダ21のボア壁面とピストン22の頂面は、シリンダヘッド部30の下面とともに燃焼室24を形成している。
シリンダヘッド部30は、燃焼室24に連通した吸気ポート31、吸気ポート31を開閉する吸気弁32、吸気弁32を駆動する吸気弁駆動機構32a、燃焼室24に連通した排気ポート33、排気ポート33を開閉する排気弁34、排気弁34を駆動する排気弁駆動機構34a、点火プラグ35、点火プラグ35に与える高電圧を発生するイグニッションコイルを含むイグナイタ36及び液体噴射弁37を備えている。
吸気弁駆動機構32a及び排気弁駆動機構34aは、図示しない電磁駆動機構を備え、駆動信号に応答して吸気弁32及び排気弁34をそれぞれ開閉駆動するようになっている。吸気ポート31、吸気弁32及び吸気弁駆動機構32aからなる組は、一つの気筒に2組備えられている。また、排気ポート33、排気弁34及び排気弁駆動機構34aからなる組も、一つの気筒に2組備えられている。
液体噴射弁37は、燃焼室24内に液体を直接噴射する弁である。液体噴射弁37は、その液体噴射口が燃焼室24に露呈するようにシリンダヘッド部30に配設されている。液体噴射弁37は、液体供給管41を介してポンプ(液体加圧手段)42に接続されている。ポンプ42は液体(ここでは、水)を収容した液体タンク43に接続されている。これにより、ポンプ42は高圧の液体(水)を液体噴射弁37に供給するようになっている。液体噴射弁37は、駆動信号に応答して開弁したとき、シリンダ21の軸線に平行で、且つ、シリンダ21のヘッド側からピストン22の頂面に向かう方向に液体(この場合、水)を噴射するようになっている。なお、これらは液体噴射手段を構成している。
吸気ポート31には、吸気管を構成するインテークマニホールド51が接続されている。このインテークマニホールド51は、燃料噴射弁(インジェクタ)52を備えている。燃料噴射弁52は、図示しない燃料配管を介して図示しない燃料ポンプに接続されている。燃料ポンプは図示しない燃料タンクに接続されている。これにより、燃料ポンプは高圧の燃料(ガソリン)を燃料噴射弁52に供給するようになっている。燃料噴射弁52は、駆動信号に応答して開弁したとき、インテークマニホールド51内であって吸気弁32の背面に向けて燃料を噴射するようになっている。なお、これらは燃料噴射手段を構成している。
次に、電気ブロック図である図2を参照しながら、内燃機関10の制御装置の電気的構成について説明する。この制御装置は電気制御装置60を含んでいる。電気制御装置60は、CPU、ROM、RAM及びインターフェース等(何れも図示省略)を含むマイクロコンピュータである。
電気制御装置60には、図示しないアクセルペダルの操作量Accpを検出するアクセルペダル操作量センサ61と、クランク軸の回転速度からエンジン回転速度NEを検出するエンジン回転速度センサ62とが接続されている。電気制御装置60は、これらのセンサから各検出信号を入力するようになっている。更に、電気制御装置60は、各気筒の吸気弁駆動機構32a、排気弁駆動機構34a、イグナイタ36、液体噴射弁37及び燃料噴射弁52と接続されている。電気制御装置60は、これらに駆動信号を送出するようになっている。
次に、上記のように構成された内燃機関の制御装置の作動について説明する。電気制御装置60のCPUは、図3にフローチャートにより示した制御ルーチン(制御量及び制御時期決定ルーチン)を所定時間が経過する毎に繰り返し実行するようになっている。
従って、所定のタイミングになると、CPUはステップ300から処理を開始してステップ305に進み、現時点の負荷(この例では、アクセルペダル操作量Accp)及び現時点のエンジン回転速度NEと、アクセルペダル操作量Accp及びエンジン回転速度NEと目標トルクTqtgtとの関係を規定するテーブルMapTqtgtとに基づいて目標トルクTqtgt(=MapTqtgt(Accp,NE))を決定する。
なお、以下の説明において、MapX(a,b)と標記されるテーブルは、変数a及び変数bと値Xとの関係を規定するテーブルを意味することとする。また、値XをテーブルMapX(a,b)に基づいて求めるとは、値Xを現時点の変数a及び現時点の変数bとテーブルMapX(a,b)とに基づいて求める(決定する)ことを意味することとする。
次に、CPUはステップ310〜ステップ345の処理を順に実行し、各種の制御量及び制御時期を以下のように決定し、ステップ395に進んで本ルーチンを一旦終了する。
ステップ310;排気弁開弁時期EOをテーブルMapEO(Tqtgt,NE)に基づいて求める。
ステップ315;吸気弁開弁時期IOをテーブルMapIO(Tqtgt,NE)に基づいて求める。
ステップ320;排気弁閉弁時期ECをテーブルMapEC(Tqtgt,NE)に基づいて求める。
ステップ325;吸気弁閉弁時期ICをテーブルMapIC(Tqtgt,NE)に基づいて求める。
ステップ310;排気弁開弁時期EOをテーブルMapEO(Tqtgt,NE)に基づいて求める。
ステップ315;吸気弁開弁時期IOをテーブルMapIO(Tqtgt,NE)に基づいて求める。
ステップ320;排気弁閉弁時期ECをテーブルMapEC(Tqtgt,NE)に基づいて求める。
ステップ325;吸気弁閉弁時期ICをテーブルMapIC(Tqtgt,NE)に基づいて求める。
排気弁開弁時期EO、吸気弁開弁時期IO、排気弁閉弁時期EC、吸気弁閉弁時期ICは、クランク角度の増大と伴に、この順序で到来するように定められている。燃焼室24に流入する空気量及び燃焼室24に残留する燃焼ガス量は、これらの時期により調整される。
ステップ330;燃料噴射時期(燃料噴射開始時期)θinjをテーブルMapθinj(Tqtgt,NE)に基づいて求める。燃料噴射時期θinjは下死点近傍となるように定められる。
ステップ335;燃料噴射量TAUをテーブルMapTAU(Tqtgt,NE)に基づいて求める。燃料噴射量TAUは、目標トルクTqtgt及びエンジン回転速度NEにより定まる空燃比が得られるように定められる。
ステップ335;燃料噴射量TAUをテーブルMapTAU(Tqtgt,NE)に基づいて求める。燃料噴射量TAUは、目標トルクTqtgt及びエンジン回転速度NEにより定まる空燃比が得られるように定められる。
ステップ340;液体噴射時期(液体噴射開始時期)θLiqをテーブルMapθLiq(Tqtgt,NE)に基づいて求める。液体噴射時期θLiqは、圧縮行程(圧縮期間)の後期から上死点直後の所定の時点までの期間内であって、燃焼室24内において自着火燃焼により発生する熱の量が上昇しているときに、同液体噴射時期θLiqにて噴射されていた液体である水が丁度気化する(実質的に気化を開始する)ように定められている。従って、液体噴射時期θLiqは、水が噴射されてから気化するまでに必要な時間を考慮して定められる。
ステップ345;液体噴射量LiqをテーブルMapLiq(Tqtgt,NE)に基づいて求める。
なお、液体噴射時期θLiq及び/又は液体噴射量Liqは、一定であってもよい。
ステップ345;液体噴射量LiqをテーブルMapLiq(Tqtgt,NE)に基づいて求める。
なお、液体噴射時期θLiq及び/又は液体噴射量Liqは、一定であってもよい。
更に、CPUは、図4にフローチャートにより示した駆動制御ルーチンを、クランク角度が微少のクランク角度だけ経過する毎に各気筒別に実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPUはステップ400から本ルーチンの処理を開始してステップ405に進み、現時点のクランク角度が前述した図3のステップ310にて決定された排気弁開弁時期EOと一致しているか否かを判定する。そして、現時点のクランク角度が排気弁開弁時期EOと一致していると、CPUはステップ405にて「Yes」と判定してステップ410に進み、排気弁34を開弁するための駆動信号を排気弁駆動機構34aに出力する。これにより、排気弁34が開弁せしめられ、膨張期間が終了し、排気期間が開始する。
以降、CPUはステップ415〜460の処理を適宜実行する。これにより、CPUは排気弁34を開弁させる場合と同様に各種の駆動信号を適当なタイミングにて発生し、以下に記述する各種の動作を行う。その後、CPUはステップ495にて本ルーチンを一旦終了する。
ステップ415及びステップ420;クランク角度が図3のステップ315にて決定された吸気弁開弁時期IOとなったとき、吸気弁32を開弁するための駆動信号を吸気弁駆動機構32aに出力する。これにより、吸気弁32が開弁せしめられ、排気期間が終了し、掃気期間が開始する。
ステップ425及びステップ430;クランク角度が図3のステップ330にて決定された燃料噴射時期θinjとなったとき、ステップ335にて決定された燃料噴射量TAUに応じた時間だけ燃料噴射弁52を開弁し、燃料噴射量TAUの燃料をインテークマニホールド51内に噴射する。これにより、燃焼室24内へ燃料が流入し、同燃焼室24内に均質な混合気が形成され始める。
ステップ425及びステップ430;クランク角度が図3のステップ330にて決定された燃料噴射時期θinjとなったとき、ステップ335にて決定された燃料噴射量TAUに応じた時間だけ燃料噴射弁52を開弁し、燃料噴射量TAUの燃料をインテークマニホールド51内に噴射する。これにより、燃焼室24内へ燃料が流入し、同燃焼室24内に均質な混合気が形成され始める。
ステップ435及びステップ440;クランク角度が図3のステップ320にて決定された排気弁閉弁時期ECとなったとき、排気弁34を閉弁するための駆動信号を排気弁駆動機構34aに出力する。これにより、排気弁34が閉弁せしめられ、掃気期間が終了し吸気(給気)期間が開始する。
ステップ445及びステップ450;クランク角度が図3のステップ325にて決定された吸気弁閉弁時期ICとなったとき、吸気弁32を閉弁するための駆動信号を吸気弁駆動機構32aに出力する。これにより、吸気弁32が閉弁せしめられ、吸気期間が終了し、圧縮期間が開始する。そして、クランク角度が上死点近傍の角度となると、自着火燃焼が開始する。
ステップ445及びステップ450;クランク角度が図3のステップ325にて決定された吸気弁閉弁時期ICとなったとき、吸気弁32を閉弁するための駆動信号を吸気弁駆動機構32aに出力する。これにより、吸気弁32が閉弁せしめられ、吸気期間が終了し、圧縮期間が開始する。そして、クランク角度が上死点近傍の角度となると、自着火燃焼が開始する。
ステップ455及びステップ460;クランク角度が図3のステップ340にて決定された液体噴射時期θLiqとなったとき、ステップ345にて決定された液体噴射量Liqに応じた時間だけ液体噴射弁37を開弁し、液体噴射量Liqの液体である水を燃焼室24内に噴射する。前述したように、この噴射された水は燃焼中の混合気から気化熱を奪い、燃焼室24内において自着火燃焼により発生する熱の量が上昇しているときに気化する。以上が、第1実施形態の作動である。なお、図3及び図4に示したルーチンは各気筒毎に独立して実行される。
図5は、燃焼室24内において自着火燃焼によって発生する熱の量(単位時間あたりの熱量、発生熱量)をクランク角度に対して示したグラフである。一点鎖線C1は、第1実施形態のように水を噴射せず且つ着火時期を遅角しない場合の発生熱量を示している。実線C2は、第1実施形態による場合(水を噴射し且つ着火時期を遅角しない場合)の発生熱量を示している。破線C3は、水を噴射せず且つ吸気温度を調節することにより着火時期を遅角させた場合の発生熱量を示している。
この曲線C1と曲線C2との比較から明らかなように、第1実施形態に係る内燃機関の制御装置によれば、水の気化熱により着火時期が分散し、発生熱量の急激な上昇が抑制される(燃焼が緩慢になる)。従って、燃焼騒音が過大とならない。
図6は、燃焼騒音と着火時期の関係を示したグラフである。正方形のプロットは、第1実施形態による場合(水を噴射した場合)の燃焼騒音と着火時期との関係を示し、三角のプロットは水を噴射せず且つ吸気温度を調節することにより着火時期を遅角させた場合の燃焼騒音と着火時期との関係を示している。
図5の曲線C1乃至曲線C3の比較から明らかなように、着火時期を遅角した場合にも発生熱量は小さくなって燃焼が緩慢になるので、燃焼騒音は小さくなる。しかしながら、図6の三角のプロットにより示したように、着火時期を遅角させることにより燃焼騒音を十分に小さくしようとすると、着火時期を失火領域近傍にまで大幅に遅角しなければならない。一方、実際の機関運転中においては、着火時期を一定時期に精密に制御することは困難である。この結果、着火時期の遅角により燃焼騒音を十分小さくしようとすると、自着火しない(失火する)場合が発生する。
これに対し、第1実施形態によれば、図6の四角のプロットにより示したように、燃焼騒音を十分に小さくした状態であっても、着火時期と失火領域とのマージンが大きいから、失火する可能性は極めて低くなる。以上から、第1実施形態の内燃機関の制御装置は、安定した自着火を維持しながら、燃焼騒音を十分に低減することができる装置となっていることが理解される。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る内燃機関の制御装置について説明する。この第2実施形態は、第1実施形態における液体噴射弁37の配設位置及び液体噴射方向を変更した点のみにおいて同第1実施形態と相違している。従って、以下、この相違点を中心として図7を参照しながら説明する。
次に、本発明の第2実施形態に係る内燃機関の制御装置について説明する。この第2実施形態は、第1実施形態における液体噴射弁37の配設位置及び液体噴射方向を変更した点のみにおいて同第1実施形態と相違している。従って、以下、この相違点を中心として図7を参照しながら説明する。
第2実施形態において、第1実施形態の液体噴射弁37に代わる液体噴射弁38は、シリンダブロック部20とシリンダヘッド部30との間に配置されている。液体噴射弁38の噴射口は燃焼室24の上部に露呈している。液体噴射弁38は、液体噴射弁37と同様、ポンプ42によって液体タンク43の液体(この場合、水)が供給されていて、駆動信号に応答して液体を噴射するようになっている。更に、液体噴射弁38は、ピストン22の頂面と略平行な方向に液体を噴射するように配設されている。そして、第2実施形態の制御装置は、第1実施形態と同様なタイミング(即ち、燃焼室24内において混合気の自着火燃焼により発生する熱量が上昇しているときに、噴射していた液体が丁度気化するようなタイミング)にて液体を燃焼室24内に噴射するようになっている。
図8は、第1実施形態及び第2実施形態による未燃の炭化水素(HC)の排出量(合計排出量)と着火時期との関係を三角及び菱形のプロットによりそれぞれ示したグラフである。第1実施形態においては、水が上死点近傍位置に到達したピストン22の頂面に向けて噴射される。このため、液体噴射弁37の噴射口から同噴射口に対向する燃焼室24を形成する壁面までの距離(液体噴射弁37の噴射口とピストン22の頂面との距離)は極めて小さくなる。従って、水はピストン22の頂面(燃焼室24を形成する壁面)に比較的多く付着する。その結果、ピストン22の頂面が冷却されるので、同部分において未燃の炭化水素が多量に発生する(図8の三角のプロットを参照。)。
これに対し、第2実施形態においては、水がピストン22の頂面に略平行な方向に噴射される。このため、液体噴射弁38の噴射口から同噴射口に対向する燃焼室24を形成する壁面までの距離(液体噴射弁38の噴射口と水の噴射方向に存在するシリンダ21のボア壁面との距離)は第1実施形態のそれよりも相当に大きくなる。従って、水はシリンダ21のボア壁面に付着し難い。その結果、第2実施形態によれば、シリンダ21のボア壁面が冷却され難いので、第1実施形態よりも未燃の炭化水素の発生量が少なくなる(図8の菱形のプロットを参照。)。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る内燃機関の制御装置について説明する。この第3実施形態は、第2実施形態が一回の噴射により燃焼を十分に緩慢にして燃焼騒音を小さくするのに必要とされる量の液体の総てを噴射していたのに対し、2回(複数回)の噴射により同必要とされる量の液体を噴射する点のみにおいて同第2実施形態と相違している。従って、以下、この相違点を中心として説明する。
次に、本発明の第3実施形態に係る内燃機関の制御装置について説明する。この第3実施形態は、第2実施形態が一回の噴射により燃焼を十分に緩慢にして燃焼騒音を小さくするのに必要とされる量の液体の総てを噴射していたのに対し、2回(複数回)の噴射により同必要とされる量の液体を噴射する点のみにおいて同第2実施形態と相違している。従って、以下、この相違点を中心として説明する。
第3実施形態の電気制御装置60のCPUは、図3に代わる図9にフローチャートにより示したルーチンを所定時間が経過する毎に繰り返し実行するようになっている。なお、図9において図3に示したステップと同一のステップには同一の符号が付されている。従って、以下においては、これらのステップについての詳細な説明を省略する。
CPUは、所定のタイミングになると、図9のステップ900から処理を開始して、ステップ305〜ステップ335の処理を順に実行し、排気弁開弁時期EO、吸気弁開弁時期IO、排気弁閉弁時期EC、吸気弁閉弁時期IC、燃料噴射時期θinj及び燃料噴射量TAUを内燃機関10の運転状態(目標トルクTqtgt及びエンジン回転速度NE)に基づいて決定する。
次に、CPUはステップ905〜ステップ920の処理を以下のように順に実行し、ステップ995に進んで本ルーチンを一旦終了する。
ステップ905;第1液体噴射時期(第1液体噴射開始時期)θLiq1をテーブルMapθLiq1(Tqtgt,NE)に基づいて求める。第1液体噴射時期θLiq1は、圧縮行程の後期から上死点直後の所定の時点までの期間内であって、燃焼室24内において自着火燃焼により発生する熱の量が上昇しているときに、同第1液体噴射時期θLiq1にて噴射されていた液体である水が丁度気化する(実質的に気化を開始する)ように定められている。
ステップ910;第1液体噴射量Liq1をテーブルMapLiq1(Tqtgt,NE)に基づいて求める。第1液体噴射量Liq1は、上記第1及び第2実施形態における液体噴射量Liqよりも少ない量である。
ステップ905;第1液体噴射時期(第1液体噴射開始時期)θLiq1をテーブルMapθLiq1(Tqtgt,NE)に基づいて求める。第1液体噴射時期θLiq1は、圧縮行程の後期から上死点直後の所定の時点までの期間内であって、燃焼室24内において自着火燃焼により発生する熱の量が上昇しているときに、同第1液体噴射時期θLiq1にて噴射されていた液体である水が丁度気化する(実質的に気化を開始する)ように定められている。
ステップ910;第1液体噴射量Liq1をテーブルMapLiq1(Tqtgt,NE)に基づいて求める。第1液体噴射量Liq1は、上記第1及び第2実施形態における液体噴射量Liqよりも少ない量である。
ステップ915;第2液体噴射時期(第2液体噴射開始時期)θLiq2をテーブルMapθLiq2(Tqtgt,NE)に基づいて求める。第2液体噴射時期θLiq2は、第1液体噴射時期θLiq1よりも遅角側であるが、第1液体噴射時期θLiq1と同様に、圧縮期間の後期から上死点直後の所定の時点までの期間であって、燃焼室24内において自着火燃焼により発生する熱の量が上昇しているときに、同第2液体噴射時期θLiq2にて噴射されていた液体である水が丁度気化する(実質的に気化を開始する)ように定められている。
ステップ920;第2液体噴射量Liq2をテーブルMapLiq2(Tqtgt,NE)に基づいて求める。第2液体噴射量Liq2は、上記第1及び第2実施形態における液体噴射量Liqから上記第1液体噴射量Liq1を減じた量に略等しい量である。
ステップ920;第2液体噴射量Liq2をテーブルMapLiq2(Tqtgt,NE)に基づいて求める。第2液体噴射量Liq2は、上記第1及び第2実施形態における液体噴射量Liqから上記第1液体噴射量Liq1を減じた量に略等しい量である。
換言すると、テーブルMapθLiq1(Tqtgt,NE)、MapLiq1(Tqtgt,NE)、MapθLiq2(Tqtgt,NE)及びMapLiq2(Tqtgt,NE)は、第1噴射時期θLiq1にて噴射された第1液体噴射量Liq1の水と第2液体噴射時期θLiq2にて噴射された第2液体噴射量Liq2の水とが適切な時期に気化することにより、自着火が徐々に発生して燃焼が緩慢になり、従って、過大な筒内圧力上昇率(即ち、過大な燃焼騒音)を招かないように、定められている。
更に、CPUは、図4に代わる図10にフローチャートにより示した駆動制御ルーチンをクランク角度が微少のクランク角度だけ経過する毎に実行するようになっている。なお、図10において図4に示したステップと同一のステップには同一の符号が付されている。従って、以下においては、これらのステップについての詳細な説明を省略する。
CPUは、所定のタイミングになると、ステップ1000から本ルーチンの処理を開始し、ステップ405〜ステップ450の処理により、吸気弁32の開閉制御、排気弁34の開閉制御及び燃料噴射制御を実行する。次いで、CPUは、ステップ1005〜1020に進んで以下の処理を行い、ステップ1095にて本ルーチンを一旦終了する。
ステップ1005及びステップ1010;クランク角度が図9のステップ905にて決定された第1液体噴射時期θLiq1となったとき、液体噴射弁38をステップ910にて決定された第1液体噴射量Liq1に応じた時間だけ開弁し、第1液体噴射量Liq1の液体である水を燃焼室24内に噴射する。
ステップ1015及びステップ1020;クランク角度が図9のステップ915にて決定された第2液体噴射時期θLiq2となったとき、液体噴射弁38をステップ920にて決定された第2液体噴射量Liq2に応じた時間だけ開弁し、第2液体噴射量Liq2の液体である水を燃焼室24内に噴射する。以上が、第3実施形態の作動である。なお、図9及び図10に示したルーチンは各気筒毎に独立して実行される。
ステップ1015及びステップ1020;クランク角度が図9のステップ915にて決定された第2液体噴射時期θLiq2となったとき、液体噴射弁38をステップ920にて決定された第2液体噴射量Liq2に応じた時間だけ開弁し、第2液体噴射量Liq2の液体である水を燃焼室24内に噴射する。以上が、第3実施形態の作動である。なお、図9及び図10に示したルーチンは各気筒毎に独立して実行される。
このように第3実施形態の制御装置によれば、燃焼が緩慢化されて筒内圧力上昇率が過大とならないようにするために必要とされる量の水が、二回に分割されて噴射される。従って、総ての水を一回で噴射する場合に比べ、一回の液体の噴射による液体の貫徹力(従って、到達距離)が小さくなる。これにより、水が燃焼室壁面であるシリンダ21のボア壁面に付着する量を一層少なくすることができるので、燃焼室24の壁面がより冷却され難くなる。この結果、未燃の炭化水素の生成量をより少なくすることができる。なお、第3実施形態は、第1実施形態のようにピストン22の頂面に向けて液体を噴射する場合にも適用され得る。
以上、説明したように、本発明による内燃機関の制御装置の各実施形態によれば、混合気の燃焼により発生する熱の量(単位時間又は単位クランク角度あたりの熱量)が上昇している期間(即ち、燃焼中)において液体噴射弁37,38から噴射された液体が気化し、その気化(気化熱)により混合気が冷却される。一方、このように液体を噴射しない場合にも、混合気は総ての着火点において同時に着火するわけではなく、各着火点(各複数の着火点)での混合気が僅かな時間差をもちながら着火して行くことが可視化結果からも明らかになっている。そのため、上記各実施形態のように、噴射された液体が混合気の燃焼により発生する熱の量が上昇している期間に気化すれば、最初に特定の位置(着火点)にて着火した以降において同液体の気化が始まることになり、その最初の着火よりも遅れて着火する位置に存在する混合気の着火が更に遅れることになる。この結果、液体が気化を開始した時点以降において、着火が緩慢に発生し、燃焼が緩慢に進行するので、筒内圧力上昇率が過大になることを回避できる。
また、着火開始前に燃焼室24内に液体が噴射されたとしても、その液体は直ちに燃焼室24の全体に行き渡ることはない。従って、液体噴射直後において、噴射された液体から温度上の影響を殆ど受けない混合気が燃焼室24内に存在し、その温度上の影響を殆ど受けない混合気は液体噴射がなされなかった場合の混合気の着火開始時点とほぼ同様な時点にて着火する。以上の結果、上記各実施形態に係る内燃機関の制御装置は、着火開始時期が大幅に遅角されてしまうことがないので失火が発生せず、且つ、燃焼が緩慢となるので過大な燃焼騒音を発生させなくすることができる。
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において以下に述べるような種々の変形例を採用することができる。
(1)液体噴射弁37,38から噴射する液体として、水に代え、メタノール等のアルコール、アルコールと水との混合液、ガソリン、ガソリンを改質した改質燃料等を使用してもよい。
(2)燃料噴射弁52は、燃焼室24内に直接燃料を噴射するように配置構成された筒内燃料噴射弁であってもよい。
(1)液体噴射弁37,38から噴射する液体として、水に代え、メタノール等のアルコール、アルコールと水との混合液、ガソリン、ガソリンを改質した改質燃料等を使用してもよい。
(2)燃料噴射弁52は、燃焼室24内に直接燃料を噴射するように配置構成された筒内燃料噴射弁であってもよい。
(3)上記実施形態は2サイクル自着火燃焼を行う内燃機関に適用されていたが、4サイクル自着火燃焼を行う内燃機関にも適用され得る。
(4)一部の運転領域(例えば、低負荷〜中負荷領域)において2サイクル又は4サイクルの自着火燃焼による運転を行い、他の運転領域(例えば、高負荷領域や極低負荷領域)において点火プラグ35を利用した2サイクル又は4サイクルの火花点火運転を行ってもよい。
(5)一つの燃焼室24に対して複数の液体噴射弁38を設けてもよい。その場合、液体噴射弁38を対向配置すれば、液体が壁面に付着する量を一層低減でき、未燃の炭化水素の量をより減少することができる。また、複数の液体噴射弁38から、異なる種類の液体を噴射してもよい。
(4)一部の運転領域(例えば、低負荷〜中負荷領域)において2サイクル又は4サイクルの自着火燃焼による運転を行い、他の運転領域(例えば、高負荷領域や極低負荷領域)において点火プラグ35を利用した2サイクル又は4サイクルの火花点火運転を行ってもよい。
(5)一つの燃焼室24に対して複数の液体噴射弁38を設けてもよい。その場合、液体噴射弁38を対向配置すれば、液体が壁面に付着する量を一層低減でき、未燃の炭化水素の量をより減少することができる。また、複数の液体噴射弁38から、異なる種類の液体を噴射してもよい。
(6)一回の燃焼に対する液体の噴射回数は3回以上でもよく、更に、同噴射回数を内燃機関の負荷(アクセルペダル操作量Accp)や回転速度NE等に応じて変更してもよい。更に、複数回の噴射のうちの少なくとも一回の噴射により噴射された液体が、燃焼室24内において自着火燃焼により発生する熱の量が上昇しているときに丁度気化すればよい。
(7)自着火燃焼による運転中において、点火プラグ35による火花点火を補助的に実行してもよい。
(7)自着火燃焼による運転中において、点火プラグ35による火花点火を補助的に実行してもよい。
10…予混合圧縮自着火式内燃機関、20…シリンダブロック部、21…シリンダ、22…ピストン、23…コネクティングロッド、24…燃焼室、30…シリンダヘッド部、31…吸気ポート、32…吸気弁、32a…吸気弁駆動機構、33…排気ポート、34…排気弁、34a…排気弁駆動機構、35…点火プラグ、36…イグナイタ、37,38…液体噴射弁、41…液体供給管、42…ポンプ(液体ポンプ)、43…液体タンク、51…インテークマニホールド、52…燃料噴射弁、60…電気制御装置。
Claims (3)
- シリンダとピストンとにより構成される燃焼室内に空気と燃料とを含む均質な混合気を形成し同混合気を圧縮行程にて圧縮することにより自着火させて燃焼させる予混合圧縮自着火運転を行う内燃機関の制御装置であって、
駆動信号に応答して液体を前記燃焼室内に直接噴射する液体噴射手段と、
前記燃焼室内において前記混合気の燃焼により発生する熱量が上昇しているときに前記液体噴射手段から噴射された液体が気化するように前記駆動信号を所定のタイミングにて同液体噴射手段に送出する液体噴射制御手段と、
を備えた内燃機関の制御装置。 - 請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、
前記液体噴射手段は、前記ピストンの頂面に略平行な方向に前記液体を噴射するように配設された液体噴射弁を含んでなる内燃機関の制御装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の制御装置において、
前記液体噴射制御手段は、前記混合気の一回の燃焼に対して前記液体を複数回噴射するように前記駆動信号を発生する内燃機関の制御装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2004182194A JP2006002719A (ja) | 2004-06-21 | 2004-06-21 | 内燃機関の制御装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007187112A (ja) * | 2006-01-13 | 2007-07-26 | Honda Motor Co Ltd | 予混合圧縮着火内燃機関 |
JP2013538983A (ja) * | 2010-10-07 | 2013-10-17 | ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト | 水噴射を備えた操作方法 |
JP6252660B1 (ja) * | 2016-11-29 | 2017-12-27 | マツダ株式会社 | 予混合圧縮着火式エンジン |
-
2004
- 2004-06-21 JP JP2004182194A patent/JP2006002719A/ja active Pending
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