JP2009281199A - 多気筒水素エンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】水素噴射弁及び酸素噴射弁を含む噴射弁の総数を低減して、低コストの作動ガス循環型水素エンジンを提供すること。
【解決手段】水素エンジン10Aは、複数の燃焼室21、複数の吸気管部(吸気管36及び吸気ポート23)、一つの凝縮部33、一つの接続通路部34、複数の吸気通路が集合した空間を形成する一つの吸気管集合部35、複数の第一噴射弁(水素噴射弁43)及び一つの第二噴射弁(酸素噴射弁53)等を備える。水素噴射弁は各燃焼室に対して設けられる。酸素噴射弁は吸気管集合部と凝縮部との間に一つ(又は、気筒数より少ない数)設けられる。燃焼室から排出された排ガスは、凝縮部33内に流入する。その排ガスに含まれる水蒸気は凝縮部内において排ガスから分離される。水蒸気が除去されたガスは、接続通路部、吸気管集合部、吸気管及び吸気ポートを通して燃焼室に再び供給される。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の燃焼室のそれぞれに水素と酸素とを供給し、同燃焼室において同水素を燃焼させる多気筒水素エンジンに関する。
従来から、複数の燃焼室のそれぞれに水素と酸素と作動ガス(例えば、単原子ガスであるアルゴンガス)とを供給して同水素を同燃焼室内において燃焼させることにより動力を取り出す多気筒水素エンジンが提案されている。このような水素エンジンの一つは、一つの燃焼室に、水素を直接噴射する水素噴射弁と酸素を直接噴射する酸素噴射弁とを備えている(特許文献1を参照。)。
特開平5−256160号公報
しかしながら、上記従来の水素エンジンにおいては、各燃焼室に少なくとも一つの水素噴射弁と少なくとも一つの酸素噴射弁が必要であるから、これらの噴射弁の総数が多くなる(噴射弁の総数が気筒数の2倍以上の数となる)。その結果、水素エンジンが高価になるという問題がある。更に、一つの燃焼室に対し、少なくとも一つの水素噴射弁と、少なくとも一つの酸素噴射弁と、場合により点火プラグと、を最適な位置に配置することは、シリンダヘッド部の大型化を招いたり、或いは、吸気ポート、排気ポート、吸気弁及び排気弁等の形状及び配置の最適化を阻害する要因ともなる。
上記課題に対処するために為された本発明による水素エンジンは、
複数の燃焼室を有し同複数の燃焼室のそれぞれにおいて水素を燃焼させる多気筒水素エンジンであって、
複数の吸気管部であって同複数の吸気管部のそれぞれが前記複数の燃焼室のそれぞれに連通した吸気通路を形成することにより複数の吸気通路を形成する複数の吸気管部と、
前記複数の吸気通路が集合した空間である集合空間を形成するように前記複数の吸気管部が接続された吸気管集合部と、
複数の第一噴射弁であって同複数の第一噴射弁のそれぞれが「前記複数の燃焼室のそれぞれ及び前記複数の吸気通路のそれぞれ」のいずれかに「水素及び酸素のうちの何れか一方」を噴射するように配設された複数の第一噴射弁と、
前記集合空間に連通した一つの吸気接続通路を形成するように前記吸気管集合部に一端が接続された吸気接続通路構成部と、
前記吸気接続通路の所定領域に「前記水素及び酸素のうちの何れか他方」を噴射するように配設された「一つ又は前記燃焼室の数よりも少ない数」の第二噴射弁と、
を備える。
これによれば、水素及び酸素のうちの何れか一方は、「複数の燃焼室のそれぞれ及び複数の吸気通路のそれぞれ」のいずれかに、それぞれの第一噴射弁から供給される。更に、水素及び酸素のうちの何れか他方は、「吸気管集合部が形成する集合空間」に連通した「一つの吸気接続通路の所定領域」に、一つ又は前記燃焼室の数よりも少ない数の第二噴射弁から供給される。
従って、気筒数の2倍よりも少ない数の噴射弁によって水素及び酸素が各燃焼室に供給されるので、水素エンジンの全体のコストを低減することができる。更に、水素を噴射する水素噴射弁及び酸素を噴射する酸素噴射弁の両者を、一つの燃焼室又は一つの吸気通路に配置する必要がないので、シリンダヘッド部を小型することができ、或いは、シリンダヘッドの設計上の制約を少なくすることができる。なお、第二噴射弁の個数は一つであることが噴射弁の総数を大きく低減する上で好ましい。
本発明による多気筒水素エンジンの一態様は、
前記複数の燃焼室のそれぞれに単原子からなる作動ガスを供給するように構成され、且つ、前記複数の燃焼室のそれぞれに連通し同複数の燃焼室のそれぞれから排出される排ガスを前記吸気接続通路に導く排気通路を形成する排気管部を備え、
前記吸気接続通路構成部は、同吸気接続通路構成部の他端に配設され且つ前記排気管部と接続されてなり前記排気通路を通して前記排ガスを導入するとともに同導入した排ガスに含まれる水蒸気を凝縮することにより同排ガスから同水蒸気を除去したガスである循環ガスを同吸気接続通路構成部の前記一端に向けて排出する凝縮部を含み、
前記第二噴射弁は、前記吸気接続通路の所定領域であって前記凝縮部を除く領域に前記水素及び酸素のうちの何れか他方を噴射するように配設された、
水素エンジンである。
単原子ガス(例えば、アルゴンガス)は比熱比が非常に大きい不活性ガスである。従って、この水素エンジンは、比熱比が小さいガス(例えば、空気中の窒素)を作動ガスとして用いるエンジンよりも高い熱効率で運転され得る。一方、単原子ガスは貴重であるから、上記構成のエンジンは、排ガスに含まれる作動ガスを吸気接続通路及び吸気通路を通して燃焼室に再び供給する(循環させる)ように、燃焼室から排出される排ガスを前記吸気接続通路に導く排気通路を形成するための排気管部を備える。このような水素エンジンは、作動ガス循環型水素エンジンとも称呼される。
一方、このような水素エンジンの排ガス中には、単原子ガスのみならず水蒸気(HO)が含まれる。水蒸気は3原子分子のガスであるから、単原子ガスよりも比熱比が小さい。従って、上記構成の水素エンジンは、排ガスから水蒸気を分離・除去し、水蒸気が除去されたガス(循環ガス)を燃焼室に再供給するための凝縮部を備える。
より具体的に述べると、この凝縮部は、吸気接続通路構成部の他端(即ち、吸気接続通路構成部の吸気管集合部に接続された一端とは反対側の端部)に配設される。更に、この凝縮部は、前記排気管部と接続され、前記排気通路を通して前記排ガスを導入する。この凝縮部によって水蒸気が除去された排ガスである「循環ガス」は、吸気接続通路構成部の前記一端(即ち、吸気管集合部)に向けて排出される。そして、前記水素及び酸素のうちの何れか他方は、前記吸気接続通路の所定領域であって前記凝縮部を除く領域に前記第二噴射弁から噴射される。
これによれば、主として単原子ガスを含む循環ガス中に酸素及び水素の何れか他方が噴射される。従って、それらが「接続通路構成部及び吸気管集合部」内にて十分に混合され、その十分に混合された均質なガスが吸気管部を通して燃焼室に供給される。その結果、燃焼室における水素の燃焼を安定化させることができる。
上記多気筒水素エンジンの一態様において、
前記作動ガスは酸素ガス(及び水素ガス)よりも比重の大きいガスの中から選択され、
前記第二噴射弁は、前記水素エンジンが車両に搭載された状態において前記吸気管集合部と前記凝縮部との間の前記吸気接続通路内であって前記吸気管集合部よりも下方に位置する領域に前記水素及び酸素のうちの何れか他方を噴射するように配設される。
これによれば、作動ガスよりも比重の小さい「酸素及び水素の何れか」が、「吸気管集合部と凝縮部との間の吸気接続通路内」であって「吸気管集合部(集合空間)よりも下方」に位置する領域に噴射される。従って、噴射された「酸素及び水素の何れか」は吸気接続通路内において吸気管集合部に向けて上昇する。この上昇気流により、「比重が相対的に大きい作動ガス」は、凝縮部内に滞留することなく、凝縮部から吸引される。よって、循環ガスの流れが円滑になる。更に、排気通路内の圧力(排気圧力)が減少するから、排気に伴うエネルギー損失(排気損失)が減少する。よって、水素エンジンの熱効率が増大する。
更に、前記下方に位置する領域は、前記吸気管集合部と前記凝縮部との間の前記吸気接続通路内であって最も下方に位置する領域であることが望ましい。
これによれば、噴射された「酸素及び水素の何れか」による「吸気接続通路内における上昇気流」が強められるから、それに伴う上記効果(循環ガスの流れの円滑化効果及び排気損失の低減効果)を大きくすることができる。
更に、このような多気筒水素エンジンにおいて、
前記吸気接続通路構成部は、前記水素エンジンが車両に搭載された状態において前記吸気管集合部から前記凝縮部に向けて前記吸気接続通路に沿って遡った場合に同吸気接続通路が同吸気管集合部から直ちに下方に延びた後に局所的最下点を通過して上方又は水平方向へ延びる部分を備えるように構成され、
前記第二噴射弁は、前記局所的最下点から前記吸気管集合部までの間の前記吸気接続通路内の領域に前記水素及び酸素のうちの何れか他方を噴射するように配設されることが好適である。
これによれば、前記局所的最下点から前記吸気管集合部まで、酸素及び水素の何れか他方が滞留することなく一気に上昇する。従って、噴射された「酸素及び水素の何れか」による「吸気接続通路内における上昇気流」がより一層強められるから、それに伴う上記効果(循環ガスの流れの円滑化効果及び排気損失の低減効果)を大きくすることができる。なお、この場合、前記第二噴射弁は、前記局所的最下点に「酸素及び水素の何れか」を噴射するように配設されることが更に望ましい。
一方、上記多気筒水素エンジンの他の態様は、
前記複数の燃焼室のそれぞれに単原子からなる作動ガスを供給するように構成され、且つ、前記複数の燃焼室のそれぞれに連通し同複数の燃焼室のそれぞれから排出される排ガスを前記吸気接続通路に導く排気通路を形成する排気管部を備え、
前記吸気接続通路構成部は、同吸気接続通路構成部の他端に配設され且つ前記排気管部と接続されてなり前記排気通路を通して前記排ガスを導入するとともに同導入した排ガスに含まれる水蒸気を凝縮することにより同排ガスから同水蒸気を除去したガスである循環ガスを同吸気接続通路構成部の前記一端に向けて排出する凝縮部を含み、
前記第二噴射弁は、前記吸気接続通路の所定領域であって前記凝縮部内の領域に前記水素及び酸素のうちの何れか他方を噴射するように配設される。
これによれば、凝縮部内において噴射された「酸素及び水素の何れか他方」が凝縮部内において膨張し、その際に吸熱する。この結果、凝縮部内のガス(排ガス)の温度が低下するから、水蒸気をより効率良く凝縮することができる。また、これにより凝縮部の容積を減少させることもできるので、エンジン全体を小型化することもできる。
以下、本発明による多気筒水素エンジン(作動ガス循環型水素エンジン)の各実施形態について図面を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
(構成)
図1は、本発明の第1実施形態に係る「作動ガス循環型水素エンジン10A」を含むシステムの概略図である。エンジン10Aは、本体部10、循環通路部(作動ガス循環通路部)30、水素供給部40及び酸素供給部50を備えている。システムは電気制御装置70を備えている。
エンジン10Aは、燃焼室に、水素と、酸素と、作動ガスとしてのアルゴンガス(単原子分子からなるガス)と、を供給し、水素を燃焼室内において燃焼させるエンジンである。エンジン10Aは、ピストン往復動型の多気筒(4気筒)エンジンである。なお、図1は、エンジン10Aの特定気筒の断面のみを示しているが、他の気筒も同様な構成を備えている。エンジン10Aは、圧縮上死点近傍において高温高圧となった酸素とアルゴンガスとを含むガス中に水素を噴射することにより水素を拡散燃焼させる。更に、エンジン10Aは、燃焼室内に、酸素、水素及びアルゴンガスからなる混合ガスを形成し、点火用火花によって水素を火炎伝播燃焼させることもできる。
本体部10は、シリンダヘッド部が形成するシリンダヘッド11と、シリンダブロック部が形成するシリンダ12と、シリンダ12内において往復運動するピストン13と、クランク軸14と、ピストン13とクランク軸14とを連結しピストン13の往復運動をクランク軸14の回転運動に変換するためのコネクティングロッド15と、シリンダブロックに連接されたオイルパン16と、を備えている。ピストン13の側面にはピストンリング13aが配設されている。
シリンダヘッド11、シリンダ12及びオイルパン16から形成される空間は、ピストン13により、ピストン13の頂面側の燃焼室21と、クランク軸14を収容するクランクケース22と、に区画されている。
シリンダヘッド11には、燃焼室21に連通した吸気ポート23と、燃焼室21に連通した排気ポート24と、が形成されている。吸気ポート23には吸気ポート23を開閉する吸気弁25が配設されている。排気ポート24には排気ポート24を開閉する排気弁26が配設されている。更に、シリンダヘッド11には、吸気弁25を駆動するインテークカムを備えたインテークカムシャフト27と、排気弁26を駆動するエキゾーストカムを備えたエキゾーストカムシャフト28と、点火用火花を燃焼室21内に発生する点火プラグ29と、点火プラグ29に印加する高電圧を発生するためのイグニッションコイルを含むイグナイタ29aと、が配設されている。
循環通路部30は、第1排気管31(第1通路部、エキゾーストマニホールド)、第2排気管(第2通路部)32、ガスの入口部33aと出口部33bとを有する凝縮部(凝縮器)33、接続通路部34、吸気管集合部(サージタンク)35及び吸気管(インテークマニホールド)36を備えている。
第1排気管31は、各気筒の排気ポート24に接続された複数の(気筒数と同数の)枝部と、その複数の枝部が集合した集合部と、からなっている。
第2排気管32は、第1排気管31の集合部と、凝縮部33の入口部33aと、を接続する管である。
凝縮部33は、ガスの入口部33a及び出口部33bに加え、冷却水導入口33c、冷却水排出口33d及び凝縮水排出口33eを備える。凝縮部33は、入口部33aから導入されて出口部33bから排出される「凝縮部33の内部を通過するガス」に含まれる水蒸気を、冷却水Wによって凝縮させる。冷却水Wは、冷却水導入口33cから導入され、凝縮部33の内部を通過した後に冷却水排出口33dから排出される。冷却水Wは図示しない放熱部において冷却される。
凝縮部33において凝縮された水は、凝縮水排出口33eから外部に排出される。凝縮部33において水蒸気が除去(分離)されたガス(非凝縮ガス)は、凝縮部33の出口部33bを構成する接続通路部34の一つの端部から接続通路部34内に流入する。接続通路部34の他の端部は吸気管集合部35に接続されている。
このように、凝縮部33は、「入口部33aから導入されて出口部33bから排出される「凝縮部33の内部を通過するガス」に含まれる水蒸気を同内部において凝縮させることにより、同内部を通過するガスから水(水蒸気)を除去し、同水が除去されたガスを出口部33bから排出する」機能を備えている。なお、凝縮部33は冷媒として冷却水Wを使用する水冷式凝縮部であったが、冷媒としての空気(空気の送風)により内部を通過するガスの水蒸気を凝縮する空冷式凝縮部であってもよい。
吸気管集合部35は、一つの空間(以下、「集合空間」とも称呼する。)を形成している。
吸気管36は、複数(気筒数と同数)備えられている。一つの吸気管36は、吸気管集合部35と複数の吸気ポート23のうちの一つとを接続するようになっている。
燃焼室21から排気ポート24を通して排出された排ガスは、第1排気管31及び第2排気管32を通って凝縮部33内に流入する。その排ガスに含まれる水蒸気は凝縮部33内において排ガスから分離・除去される。水蒸気が除去された排ガス(循環ガス)は、接続通路部34、吸気管集合部35、吸気管36及び吸気ポート23を通して燃焼室21に再び供給される。
一つの吸気管36と、その吸気管36に接続された吸気ポート23と、は、一つの燃焼室21に連通した吸気通路を形成する「吸気管部」を構成している。即ち、エンジン10Aは、複数の吸気管部を備える。複数の吸気管部のそれぞれは、複数の燃焼室21のそれぞれに連通した吸気通路を形成する。従って、エンジン10Aは複数の吸気通路を形成する複数の吸気管部を備える。
更に、吸気管集合部35は、「前記複数の吸気通路が集合した空間である集合空間」を形成するように、複数の吸気管部が接続された吸気管集合部を構成している。
加えて、接続通路部34及び凝縮部33は、「前記集合空間に連通した一つの吸気接続通路」を形成するように「前記吸気管集合部に一端が接続された吸気接続通路構成部」を構成している。
また、エンジン10Aは、第1排気管31及び第2排気管32からなる排気管部を備える。この排気管部は、複数の燃焼室21のそれぞれに連通している。この排気管部は、複数の燃焼室21のそれぞれから排出される排ガスを「吸気接続通路(接続通路部34及び凝縮部33が形成する通路)に」導く排気通路を形成している。
そして、吸気接続通路構成部(接続通路部34及び凝縮部33)は、その吸気接続通路構成部の他端に配設された凝縮部33を含む。凝縮部33は、前記排気管部と接続されている。凝縮部33は、燃焼室21から排出された排ガスを、排気管部が形成する排気通路を通して導入する。凝縮部33は、その導入した排ガスに含まれる水蒸気を凝縮することにより「その排ガスから水蒸気を除去したガスである循環ガス」を、吸気接続通路構成部の前記一端(吸気管集合部に接続された端部)に向けて排出する。
水素供給部40は、水素ボンベ(水素容器)41、水素圧センサ(水素ボンベ内ガス圧力センサ)41a、水素供給管42及び複数の(気筒数と同数の)水素噴射弁43を含んでいる。
水素ボンベ41は水素ガスを数十気圧の高圧状態にて貯蔵する高圧水素容器である。
水素圧センサ41aは、水素ボンベ41内の水素ガスの圧力(水素ガス圧)を検出し、その水素ガス圧を表す信号PH2を出力するようになっている。
水素供給管42は水素ボンベ41と複数の(気筒数と同数の)水素噴射弁43とを接続している。
水素噴射弁43のそれぞれは、噴射孔が各気筒の燃焼室21内に露呈するようにシリンダヘッド11に固定されている。水素噴射弁43のそれぞれは、電気制御装置70からの指示に応じて開弁し、水素供給管42を通して供給される高圧の水素(水素ガス)をそれぞれに対応する燃焼室21内に噴射するようになっている。水素噴射弁43は便宜上「第一噴射弁」とも称呼される。
このように、エンジン10Aは、複数の(気筒数と同数の)第一噴射弁を備える。その複数の第一噴射弁のそれぞれは、複数の燃焼室21のそれぞれに水素及び酸素のうちの何れか一方(本例においては「水素」)を噴射するように配設されている。なお、第一噴射弁のそれぞれは、前記複数の吸気通路(即ち、吸気管36とその吸気管36に接続された吸気ポート23とからなる吸気管部)のそれぞれに「水素及び酸素のうちの何れか一方」を噴射するように配設されてもよい。
酸素供給部50は、酸素ボンベ(酸素容器)51、酸素圧センサ(酸素ボンベ内ガス圧力センサ)51a、酸素供給管52及び一つの酸素噴射弁53を含んでいる。
酸素ボンベ51は酸素ガスを低圧状態(大気圧よりも高いが水素ボンベ41内の圧力よりも低い圧力状態)にて貯蔵する低圧酸素容器である。
酸素圧センサ51aは、酸素ボンベ51内の酸素ガスの圧力(酸素ガス圧)を検出し、その酸素ガス圧を表す信号PO2を出力するようになっている。
酸素供給管52は酸素ボンベ51と酸素噴射弁53とを接続している。
酸素噴射弁53は、噴射孔が吸気管集合部35の近傍において接続通路部34内に露呈するように接続通路部34に固定されている。酸素噴射弁53は、電気制御装置70からの指示に応じて開弁し、酸素供給管52を通して供給される低圧の酸素(酸素ガス)を接続通路部34内に噴射するようになっている。酸素噴射弁53は便宜上「第二噴射弁」とも称呼される。
このように、エンジン10Aは、一つの(気筒数より少ない数の)第二噴射弁を備える。第二噴射弁は、吸気接続通路内(即ち、接続通路部34及び凝縮部33の内部)であって凝縮部33を除く所定領域に、前記水素及び酸素のうちの何れか他方(本例においては「酸素」)を噴射するように配設されている。
なお、第二噴射弁は、接続通路部34及び凝縮部33内のうちの複数の領域に酸素を噴射するように構成されてもよい。但し、その場合、第二噴射弁の総数は、エンジン10Aの燃焼室21の数(気筒数)よりも少ない数に設定される。加えて、第一噴射弁が酸素を噴射するように構成されている場合、第二噴射弁は水素を噴射するように構成される。
電気制御装置70は、CPU、ROM、RAM及びインターフェースを含む周知のマイクロコンピュータを主体とする電子装置である。電気制御装置70には、水素圧センサ41a、酸素圧センサ51a、アクセルペダル操作量センサ71及びエンジン回転速度センサ72等のセンサが接続されている。電気制御装置70は、これらのセンサからの検出信号を入力するようになっている。
アクセルペダル操作量センサ71は、運転者により操作されるアクセルペダルAPの操作量を検出し、そのアクセルペダルAPの操作量を表す信号Accpを出力するようになっている。
エンジン回転速度センサ72は、エンジン回転速度に応じた周波数のパルス信号とクランク角度に応じたパルス信号とを発生するようになっている。エンジン回転速度センサ72からの信号は電気制御装置70によりエンジン回転速度NEと絶対クランク角とに変換される。
更に、電気制御装置70は、各気筒のイグナイタ29a、各気筒の水素噴射弁43及び酸素噴射弁53等と接続されていて、これらに指示信号又は駆動信号を送出するようになっている。
(作動の概要)
次に、エンジン10A及び電気制御装置70の作動の概要について説明する。
エンジン10Aの燃焼室21から排気ポート24を通して排出された排ガス中に含まれる水分(水蒸気)は凝縮部33によって凝縮される。水分が除去・分離された排ガス(循環ガス)は、主としてアルゴンガス(作動ガス)からなる。循環ガスは、接続通路部34、吸気管集合部35、吸気管36及び吸気ポート23を通して燃焼室21に再び供給される。
このように、エンジン10Aは、燃焼室21に水素と酸素と単原子ガスからなる作動ガスとを供給して同水素を燃焼させるとともに、燃焼室21に連通した排気ポート24と燃焼室21に連通した吸気ポート23とを燃焼室21の外部において接続する循環通路部(31〜36)を備え、燃焼室21から排気ポート24を通して排出された排ガス中の作動ガスを燃焼室21に循環(流入)させる作動ガス循環型水素エンジンである。
電気制御装置70のCPU(以下、単に「CPU」と称呼する。)は、各気筒のクランク角度が吸気上死点前の所定のクランク角度(例えば、吸気上死点前90度)に一致する毎に図2にフローチャートにより示した噴射制御ルーチンを実行するようになっている。クランク角が吸気上死点前の所定クランク角度に一致した気筒(即ち、吸気行程を迎える気筒)は、以下「燃料噴射気筒」とも称呼される。特定の気筒のクランク角度が前記所定のクランク角度に一致すると、CPUは、以下に記載したステップ210乃至ステップ250の処理を順に行い、ステップ295に進んで本ルーチンを一旦終了する。
ステップ210:CPUは、要求水素量SH2reqを、現時点にて検出されているアクセルペダル操作量Accp(エンジン負荷)及び現時点にて検出されているエンジン回転速度NEと、関数f1、とに基づいて求める。関数f1は、「アクセルペダル操作量Accp及びエンジン回転速度NEにより定まる運転要求トルク」に応じた要求水素量SH2reqを求めるための予め定められた関数(例えば、ルックアップテーブル)である。
ステップ220:CPUは、水素噴射弁開弁時間τH2を算出する。即ち、CPUは、水素噴射弁開弁時間τH2を、現時点にて検出されている水素ガス圧PH2及び上記ステップ210にて算出された要求水素量SH2reqと、関数f2(例えば、ルックアップテーブル)と、に基づいて求める。関数f2によれば、水素ガス圧PH2の下で水素噴射弁開弁時間τH2だけ水素噴射弁43を開弁したときに要求水素量SH2reqの水素が噴射されるように、水素噴射弁開弁時間τH2が求められる。
ステップ230:CPUは、要求酸素量SO2reqを、上記ステップ210にて算出された要求水素量SH2reqと、関数f3と、に基づいて算出する。エンジン10Aは水素を燃料として燃焼させる。従って、水素の燃焼により水のみを生成するためには、水素2モルに対して酸素1モルを供給する必要がある。従って、関数f3は、「上記ステップ210にて算出された要求水素量SH2req」により表される「水素のモル数MHの半分のモル数(MH/2)の酸素」が燃焼室21に供給されるように、要求酸素量SO2reqを決定するように予め定められた関数(例えば、ルックアップテーブル)である。なお、関数f3は、「要求水素量SH2reqにより表される水素のモル数MHの半分のモル数(MH/2)」の酸素量に「余裕量Mg」を加えた量の酸素が、燃焼室21に供給されるように、要求酸素量SO2reqを決定する関数であってもよい。
ステップ240:CPUは、酸素噴射弁開弁時間τO2を算出する。即ち、CPUは、酸素噴射弁開弁時間τO2を、酸素ガス圧PO2及び上記ステップ230にて算出された要求酸素量SO2reqと、関数f4(例えば、ルックアップテーブル)と、に基づいて求める。関数f4によれば、酸素ガス圧PO2の下で酸素噴射弁開弁時間τO2だけ酸素噴射弁53を開弁したときに要求酸素量SO2reqの酸素が噴射されるように、酸素噴射弁開弁時間τO2が求められる。
ステップ250:CPUは、「燃料噴射気筒の水素噴射弁43を、燃料噴射気筒の圧縮上死点近傍の所定クランク角θinjから水素噴射弁開弁時間τH2だけ開弁させる指示信号」をその水素噴射弁43に送出する。更に、CPUは、「酸素噴射弁53を、燃料噴射気筒の酸素噴射弁開弁時間τO2だけ開弁させる指示信号」を酸素噴射弁53に直ちに送出する。
以上の作動により、要求水素量SH2reqの水素が水素噴射弁43から燃焼室21内に直接噴射(供給)される。また、要求酸素量SO2reqの酸素が酸素噴射弁53から接続通路部34内に噴射され、その酸素は「吸気管集合部35、吸気管36及び吸気ポート23」を通して燃焼室21に供給される。この結果、噴射される水素が燃焼室21内において拡散燃焼させられる。
以上、説明したように、第1実施形態に係る水素エンジン10Aは、気筒数Nの2倍よりも少ない数(即ち、2・N個よりも少ない数であり、本例ではN+1個)の噴射弁を使用して、酸素及び水素を各燃焼室21に供給することができる。従って、噴射弁の総数を従来のエンジンよりも低減することができるので、安価な水素エンジン10Aが提供される。
<第2実施形態>
図3は、本発明の第2実施形態に係る「作動ガス循環型水素エンジン10B」を含むシステムの概略図である。エンジン10Bは、酸素噴射弁53の配設位置がエンジン10Aの酸素噴射弁53の配設位置と相違する点のみにおいて、エンジン10Aと相違している。
より具体的に述べると、水素エンジン10Bが車両に搭載された状態において(即ち、水素エンジン10Bが通常の使用状態にあるとき)、接続通路部34は吸気管集合部35との接続部(図3のB1を参照。)から下方に直線状に延び、最下点(図3において破線の円A1により示した部分を参照。)を通過した後、水平方向に延びている。更に、酸素噴射弁53(第二噴射弁)は、上記最下点を含む領域に酸素を上方に向けて(接続通路部34が吸気管集合部35に向けて延びる方向に沿って)噴射するように配置されている。
換言すると、酸素噴射弁53(第二噴射弁)は、水素エンジン10Bが車両に搭載された状態において「前記吸気管集合部と前記凝縮部との間(接続部B1〜凝縮部33)」の吸気接続通路内であって、吸気管集合部35よりも下方に位置する領域(領域A1)に酸素を噴射するように配設されている。
これによれば、作動ガスであるアルゴンガスよりも比重の小さい「酸素及び水素の何れか他方(本例においては酸素)」が、吸気接続通路内において、噴射後に直ちに吸気管集合部35に向けて上昇する。この上昇気流により、「比重が相対的に大きい作動ガス(アルゴンガス)」は、凝縮部33内に滞留することなく、凝縮部33から接続通路部34へと吸引される。よって、循環ガスの流れが円滑になる。更に、排気通路内の圧力(排気圧力)が減少するから、排気に伴うエネルギー損失(排気損失)が減少する。よって、水素エンジン10Bの熱効率が増大する。
更に、水素エンジン10Bにおいて、前記酸素噴射弁53が配設された「下方に位置する領域(領域A1)」は、吸気管集合部35と凝縮部33との間の前記吸気接続通路内であって最も下方に位置する領域(領域A1)である。
従って、噴射された「酸素及び水素の何れか他方(本例においては酸素)」の「吸気接続通路内における上昇」に伴う上記効果(作動ガスの吸引効果等)を大きくすることができる。
<第3実施形態>
図4は、本発明の第3実施形態に係る「作動ガス循環型水素エンジン10C」を含むシステムの概略図である。エンジン10Cは、接続通路部34の形状及び酸素噴射弁53の配設位置がエンジン10Aのそれらと相違する点のみにおいて、エンジン10Aと相違している。
より具体的に述べると、接続通路部34はS字状の屈曲部を備えている。即ち、水素エンジン10Cが車両に搭載された状態において(即ち、水素エンジン10Cが通常の使用状態にあるとき)、接続通路部34は、吸気管集合部35から凝縮部33に向けて前記吸気接続通路に沿って遡った場合に、吸気接続通路が吸気管集合部35から直ちに下方に延びる部分34aと、その後に局所的最下点(図4の破線の円A2により示される部分)を通過して上方(又は水平方向)へ延びる部分34bと、を備えるように構成されている。
更に、第二噴射弁としての酸素噴射弁53は、局所的最下点の吸気接続通路内の領域(図4の破線の円A2により示した部分)に「水素及び酸素のうちの何れか他方(本例においては酸素)」を噴射するように配設されている。このとき、酸素噴射弁53は、酸素を上方に向けて(接続通路部34が吸気管集合部35に向けて延びる方向に沿って)噴射するように配置されている。
従って、噴射された「酸素及び水素の何れか他方」は、前記局所的最下点(A2)から前記吸気管集合部35まで滞留することなく一気に上昇する。よって、噴射された「酸素及び水素の何れか他方」の「吸気接続通路内における上昇」に伴う上記効果(作動ガスの吸引効果等)を大きくすることができる。更に、酸素が吸気接続通路内の局所的な上部(例えば、図4の破線の円A3により示される部分)において滞留することを回避することができる。
なお、エンジン10Cにおいて、第二噴射弁としての酸素噴射弁53は、局所的最下点(A2)から吸気管集合部35までの間の吸気接続通路内の領域(図4のA4により示した部分)に「水素及び酸素のうちの何れか他方(本例においては酸素)」を噴射するように配設されてもよい。この場合においても、酸素噴射弁53は、酸素を上方に向けて噴射するように(酸素の噴射方向が、接続通路部34が吸気管集合部35に向けて延びる方向の成分を有するように)配置される。
<第4実施形態>
図5は、本発明の第4実施形態に係る「作動ガス循環型水素エンジン10D」を含むシステムの概略図である。エンジン10Dは、酸素噴射弁53の配設位置がエンジン10Aの酸素噴射弁53の配設位置と相違する点のみにおいて、エンジン10Aと相違している。
より具体的に述べると、第二噴射弁としての酸素噴射弁53は、前記吸気接続通路(前記吸気接続通路構成部である接続通路部34及び凝縮部33の内部)の所定領域であって、凝縮部33内の領域に「水素及び酸素のうちの何れか他方(本例においては酸素)」を噴射するように配設されている。
凝縮部33内において噴射される「酸素及び水素の何れか他方」は高圧であるから、噴射後に凝縮部33内において膨張し、その際に吸熱する。この結果、凝縮部33内のガス(排ガス)の温度が低下するから、排ガスに含まれる水蒸気をより効率良く凝縮することができる。また、これにより凝縮部33の容積を減少させることもできるので、エンジン10D全体を小型化することもできる。
以上、説明したように、本発明の実施形態に係る水素エンジンによれば、第一噴射弁は各気筒に対して設けられ、一方、第二噴射弁は総ての気筒に対して一つのみ「吸気管集合部よりも上流の吸気接続通路の所定領域」に設けられるから、より少ない数の噴射弁を使用しながら、水素、酸素及び作動ガスを燃焼室21に供給することができる。従って、より廉価な水素エンジンが提供される。
本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、例えば、以下に述べる種々の変形例を採用することもできる。
<第1変形例>
図6は、第1変形例に係る水素エンジンが車両に搭載された場合における「吸気管集合部35及び複数の吸気管36」の概略部分縦断面図である。吸気管集合部35は、底壁35a、側壁35b及び上壁35cから構成される。
底壁35aは、上方に位置する底面を構成する部分35a1と、下方に位置する底面を構成する部分35a2と、それらを接続する部分35a3と、からなる。上方に位置する底面を構成する部分35a1には、第1気筒#1の燃焼室に連通する吸気管36の端部及び第2気筒#2の燃焼室に連通する吸気管36の端部が接続されている。下方に位置する底面を構成する部分35a2には、第3気筒#3の燃焼室に連通する吸気管36の端部及び第4気筒#4の燃焼室に連通する吸気管36の端部が接続されている。
側壁35bは、底壁35aの周部と上壁35cの周部を接続している。
上壁35cは、その内面(即ち、吸気管集合部35の内側上面)が水平方向に平行な平面内に存在するように構成されている。換言すると、上壁35cは、各吸気管36の接続箇所(開口)の中心から上方に延びる直線と上壁35cの内面とが交差する点P1〜P4が「水平方向に広がる単一の平面」内に存在するように、構成されている。
このように上壁35cを構成することにより、作動ガス(アルゴンガス)の比重より小さい比重を有する「酸素及び水素のうちの何れか他方(即ち、第二噴射弁から噴射されるガス)」が、吸気管集合部35内(吸気管集合部35の上部)において偏って存在しない。従って、均質なガス(即ち、作動ガスと第二噴射弁から噴射されるガスとの比率が互いに等しいガス)を各気筒の燃焼室に供給することができる。
<第2変形例>
本発明の水素エンジンは、総ての水素を点火用火花に基づく火炎伝播燃焼により燃焼させる形式のエンジンであってもよい。
<第3変形例>
上記各実施形態の水素エンジンにおいては、作動ガスとしてアルゴンガスが使用されていたが、アルゴン以外の単原子ガス(例えば、He等のアルゴン以外の不活性ガス)を作動ガスとして採用してもよい。
<第4変形例>
本発明の水素エンジンは、上記水素供給部40に加えて低圧水素供給部を備えてもよい。この低圧水素供給部は、低圧水素ボンベ(水素容器)、低圧水素圧センサ(低圧水素ボンベ内ガス圧力センサ)、低圧水素供給管及び複数の低圧水素噴射弁を含んで構成される。
低圧水素ボンベは水素ガスを数気圧の低圧状態(大気圧よりも高いが水素ボンベ41内の圧力よりも低い圧力の状態)にて貯蔵する。
低圧水素圧センサは、低圧水素ボンベ内の水素ガスの圧力(低圧水素ガス圧)を検出し、その低圧水素ガス圧を表す信号PH2Lを出力するようになっている。
低圧水素供給管は低圧水素ボンベと複数の低圧水素噴射弁とを接続する。
低圧水素噴射弁のそれぞれは、噴射孔が各気筒の吸気ポート23内に露呈するようにシリンダヘッド11に固定される。低圧水素噴射弁のそれぞれは、電気制御装置70からの指示に応じて開弁し、低圧水素供給管を通して供給される低圧の水素(水素ガス)をそれぞれに対応する吸気ポート23内に噴射するように構成される。
この場合、電気制御装置は、エンジンの負荷が低負荷であるとき低圧水素噴射弁から水素を供給するとともに火花点火燃焼させ、エンジンの負荷が高負荷であるとき低圧水素噴射弁から水素を供給し且つ火花点火燃焼させるとともに、水素噴射弁43から水素を供給するとともに燃焼室21内にて拡散燃焼させる。なお、この場合においても、少なくとも第二噴射弁(酸素噴射弁53)は気筒数より少ないので、噴射弁の総数は低減される。
<第5変形例>
酸素噴射弁53は、例えば水素エンジンが4気筒である場合、3個(気筒数より少ない数)まで備えていてもよい。従って、例えば、水素エンジンは、第1実施形態の酸素噴射弁53と第4実施形態の酸素噴射弁53との二つを備えることもできる。
<第6変形例>
上記各実施形態において、水素噴射弁の配設位置と酸素噴射弁の配設位置とを置換してもよい。
本発明の第1実施形態に係る作動ガス循環型水素エンジンの概略図である。 図1に示した電気制御装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る作動ガス循環型水素エンジンの概略図である。 本発明の第3実施形態に係る作動ガス循環型水素エンジンの概略図である。 本発明の第4実施形態に係る作動ガス循環型水素エンジンの概略図である。 本発明の第1変形例に係る水素エンジンの「吸気管集合部及び複数の吸気管」の概略部分縦断面図である。
符号の説明
10A〜10D…作動ガス循環型水素エンジン、10…本体部、11…シリンダヘッド、21…燃焼室、23…吸気ポート、24…排気ポート、29…点火プラグ、30…循環通路部、31…第1排気管、32…第2排気管、33…凝縮部、34…接続通路部、35…吸気管集合部、36…吸気管、40…水素供給部、41…水素ボンベ、42…水素供給管、43…水素噴射弁、50…酸素供給部、51…酸素ボンベ、52…酸素供給管、53…酸素噴射弁、70…電気制御装置。

Claims (6)

  1. 複数の燃焼室を有し同複数の燃焼室のそれぞれにおいて水素を燃焼させる多気筒水素エンジンであって、
    複数の吸気管部であって同複数の吸気管部のそれぞれが前記複数の燃焼室のそれぞれに連通した吸気通路を形成することにより複数の吸気通路を形成する複数の吸気管部と、
    前記複数の吸気通路が集合した空間である集合空間を形成するように前記複数の吸気管部が接続された吸気管集合部と、
    複数の第一噴射弁であって同複数の第一噴射弁のそれぞれが前記複数の燃焼室のそれぞれ及び前記複数の吸気通路のそれぞれのいずれかに水素及び酸素のうちの何れか一方を噴射するように配設された複数の第一噴射弁と、
    前記集合空間に連通した一つの吸気接続通路を形成するように前記吸気管集合部に一端が接続された吸気接続通路構成部と、
    前記吸気接続通路の所定領域に前記水素及び酸素のうちの何れか他方を噴射するように配設された一つ又は前記燃焼室の数よりも少ない数の第二噴射弁と、
    を備える水素エンジン。
  2. 請求項1に記載の多気筒水素エンジンであって、
    前記複数の燃焼室のそれぞれに単原子からなる作動ガスを供給するように構成され、且つ、前記複数の燃焼室のそれぞれに連通し同複数の燃焼室のそれぞれから排出される排ガスを前記吸気接続通路に導く排気通路を形成する排気管部を備え、
    前記吸気接続通路構成部は、同吸気接続通路構成部の他端に配設され且つ前記排気管部と接続されてなり前記排気通路を通して前記排ガスを導入するとともに同導入した排ガスに含まれる水蒸気を凝縮することにより同排ガスから同水蒸気を除去したガスである循環ガスを同吸気接続通路構成部の前記一端に向けて排出する凝縮部を含み、
    前記第二噴射弁は、前記吸気接続通路の所定領域であって前記凝縮部を除く領域に前記水素及び酸素のうちの何れか他方を噴射するように配設された、
    水素エンジン。
  3. 請求項2に記載の多気筒水素エンジンにおいて、
    前記作動ガスは酸素ガスよりも比重の大きいガスの中から選択され、
    前記第二噴射弁は、前記水素エンジンが車両に搭載された状態において前記吸気管集合部と前記凝縮部との間の前記吸気接続通路内であって前記吸気管集合部よりも下方に位置する領域に前記水素及び酸素のうちの何れか他方を噴射するように配設された、
    水素エンジン。
  4. 請求項3に記載の多気筒水素エンジンにおいて、
    前記下方に位置する領域は、前記吸気管集合部と前記凝縮部との間の前記吸気接続通路内であって最も下方に位置する領域である水素エンジン。
  5. 請求項3に記載の多気筒水素エンジンにおいて、
    前記吸気接続通路構成部は、前記水素エンジンが車両に搭載された状態において前記吸気管集合部から前記凝縮部に向けて前記吸気接続通路に沿って遡った場合に同吸気接続通路が同吸気管集合部から直ちに下方に延びた後に局所的最下点を通過して上方又は水平方向へ延びる部分を備えるように構成され、
    前記第二噴射弁は、前記局所的最下点から前記吸気管集合部までの間の前記吸気接続通路内の領域に前記水素及び酸素のうちの何れか他方を噴射するように配設された、
    水素エンジン。
  6. 請求項1に記載の多気筒水素エンジンであって、
    前記複数の燃焼室のそれぞれに単原子からなる作動ガスを供給するように構成され、且つ、前記複数の燃焼室のそれぞれに連通し同複数の燃焼室のそれぞれから排出される排ガスを前記吸気接続通路に導く排気通路を形成する排気管部を備え、
    前記吸気接続通路構成部は、同吸気接続通路構成部の他端に配設され且つ前記排気管部と接続されてなり前記排気通路を通して前記排ガスを導入するとともに同導入した排ガスに含まれる水蒸気を凝縮することにより同排ガスから同水蒸気を除去したガスである循環ガスを同吸気接続通路構成部の前記一端に向けて排出する凝縮部を含み、
    前記第二噴射弁は、前記吸気接続通路の所定領域であって前記凝縮部内の領域に前記水素及び酸素のうちの何れか他方を噴射するように配設された、
    水素エンジン。
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