JP4157659B2 - 樹脂成形品の製法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、樹脂成形品の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気テープを用いてデータや情報の書き込みや読み出しを行なうテープ駆動機構やリール駆動機構、カセットテープ等には、磁気テープを支持しながら回転して送る送り手段として円筒形状のガイドローラが使用されている。
【0003】
ガイドローラの形状は、その使用目的や使用箇所により種々の形状があるが、その代表的なものは、軸方向1に沿う形状が凸状の寸法変化を有する太鼓形をした図15(a)、(b)に示すガイドローラ2である。また、用途によっては軸方向1に沿う形状が凹状の寸法変化を有する図16に示すガイドローラ3が用いられることも考えられる。一般的には、軸方向1に沿う形状が寸法変化を有しない図17に示すストレートのガイドローラ4が使用されている。因みに、磁気テープ用のガイドローラ2の概略寸法は、長さL=18mm、大径D1=6mm、小径D2=5mm、内径d=4mmである。
【0004】
上記何れのタイプのガイドローラについても、磁気テープはこれらガイドローラに直接、接して搬送されることから、ガイドローラの表面は滑らかであることが要求され、少しでも傷による凹凸等があると、テープを傷め、データや情報の書き込みや再生機能に影響が出てしまう。このため、ガイドローラの表面は滑らかであることが要求される。
【0005】
従来、これらのガイドローラは合成樹脂を射出成形することにより製作されている。射出成形による製作の場合、図17に示すようなストレートなガイドローラ4については、開閉式分割型の分割ラインを軸方向1と直交する方向とし、この分割ラインの位置をガイドローラ4の軸方向1の一端側にすることにより、ガイドローラ4の周面に分割ラインを位置させることなく滑らかな外周面を有するガイドローラ4を得ることができる。
【0006】
これに対して、図15に示すように太鼓形をしたガイドローラ2や、図16に示すような鼓形をしたガイドローラ3について、上記ガイドローラ4の場合のように分割ラインを軸方向1と直交する方向の金型の構成とした場合には、射出後、可動側の金型を成形品から引き抜く際に成形品の外径部の膨らんでいる部分が該型抜きの障害となり、無理に引き抜こうとすると軸方向1に沿って筋状にむしられた無数の跡が形成されてしまい、滑らかな表面状態を得ることができない。
【0007】
そこで、このような無理な引き抜きをしなくて済むようにするため、例えば、型の分割ラインを軸方向1と平行にした場合には、型の分割ラインが必ず転写されてガイドローラの周面上に筋状に現われてしまう。この分割ラインは、型の合わせ面部の加工精度を上げたとしても避けることができない。
【0008】
このように、太鼓形や鼓形のガイドローラ2、3等では、従来どおりの射出成形を行なう限り、成形後に外周面部に残る筋状の凸部や凹部を修正するために、後工程での機械加工仕上げ作業が必要となり、製作に工程と工数を必要とし結果的に製作コスト低減の障害となっている。また、射出成形によらず当初から切削加工により製作する場合には、製作に時間を要してしまう。
【0009】
なお、特開平3−24926号公報(登録番号2521152号)には、ガイドローラの製造方法が開示されているが、このガイドローラの基本的な構造は図17に示したストレートな形状を基本とするものであり、分割ライン発生の問題は生じない形状であり、太鼓形や鼓形等のガイドローラの製作に際して生ずる外周面の筋状の凹凸発生について何らの解決を与えるものではない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、外周面が滑らかな樹脂成形品を簡単な工程により製作することのできる樹脂成形品の製法、射出成形装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するため、以下の構成とした。
(1).軸部のまわりに筒状の外殻層を成形した後、この外殻層を開閉式の型で包囲すると共に前記外殻層の内側に有る空隙部に樹脂を射出して内側層を形成しつつ該内側層への加圧により前記外殻層を前記開閉式の型の内周面形状に沿う形状に変形させかつ、前記内側層と前記外殻層とを一体化させて中実若しくは中空の最終成形品を得ることとした(請求項1)。
(2).軸部を第1の型で包囲して第1樹脂を1次射出することにより前記軸部のまわりに筒状の外殻層を成形した後、前記第1の型を解放し、この外殻層を開閉式の型で包囲すると共に前記外殻層の内側に有る前記軸部全体又は前記軸部の一部を解放することにより前記外殻層の内側に空隙部を形成してから、該空隙部に第2樹脂を2次射出して内側層を形成しつつ該内側層への加圧により前記外殻層を前記開閉式の型の内周面形状に沿う形状に変形させかつ、前記内側層と前記外殻層とを一体化させて中実若しくは中空の最終成形品を得ることとした(請求項2)。
(3).(2)記載の樹脂製品の製法において、前記軸部がコアピンと該コアピンに着脱自在に嵌合されたスリーブとの組み合わせにより構成され、前記空隙部が前記スリーブを前記コアピンに沿わせて移動することにより形成された、前記軸部と前記外殻層の内周面との間の隙間からなることとした(請求項3)。
(4).(3)記載の樹脂製品の製法において、前記スリーブは前記最終成形品を前記コアピンから押し出すイジェクト手段でもあることとした(請求項4)。
(5).(2)又は(3)記載の樹脂製品の製法において、前記第1の型は前記軸部の軸方向に移動可能であり、前記開閉式の型は前記軸部の軸方向と直交する方向に開閉可能とした(請求項5)。
(6).(2)、(3)、(4)又は(5)記載の樹脂製品の製法において、前記外殻層の外周面を形成する前記第1の型の内周面は前記軸部の軸方向に沿う形状が凹状或いは凸状の寸法変化を有しない形状であり、前記最終成形品の外周面を形成する前記開閉式の型の内周面は前記軸部の軸方向に沿う形状が凹状或いは凸状の寸法変化を有する形状とした(請求項6)。
(7).(2)、(3)、(4)、(5)又は(6)記載の樹脂製品の製法において、前記1次射出により形成される前記外殻層が固化した後、前記2次射出が行なわれることとした(請求項7)。
(8).(2)、(3)、(4)、(5)、(6)又は(7)記載の樹脂製品の製法において、前記第1樹脂及び前記第2樹脂は共にポリアセタールとした(請求項8)。
(9).コアピンに嵌合されたスリーブの周りに第1空隙を介して第1の型で包囲し該第1空隙に第1樹脂を1次射出して筒状の外殻層を形成し、前記第1の型を解放してから前記外殻層の周りに第2空隙を介して開閉式の型で包囲し、前記コアピンから前記スリーブを解放し、該解放により前記外殻層の内側に形成された第3空隙に第2樹脂を2次射出して内側層を形成しつつ該内側層への加圧により前記外殻層を前記開閉式の型の内周面形状に沿う形状に変形させかつ、前記内側層と前記外殻層とを一体化させて中空の最終成形品を得ることとした(請求項9)。
(10).(9)記載の樹脂製品の製法において、前記開閉式の型の内周面形状は前記コアピンの軸方向に軸心を有する太鼓形の形状である(請求項10)。
(11).(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)又は(10)記載の樹脂製品の製法において、前記2次射出は前記1次射出後、前記外殻層の表面部分が前記開閉式の型の分割ラインを転写せずかつ、前記内側層と分離不能に一体化され得る所定の時間経過後に行なうこととした(請求項11)。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。以下では、図15(a)、(b)に示した太鼓形のガイドローラ2の製法及び射出成形装置について説明するが、本例は図16に示したガイドローラ18や、図17に示したガイドローラ4の製法にも適用することができるほか、他の筒状体や、中実の軸状体、その他任意の形状の樹脂成形品でも適用可能である。
[1]請求項1に対応する例
図1により説明する。基台5にはコアピン6が固定されている。コアピン6にはスリーブ7が図中の上下方向に矢印で示すように摺動可能に嵌合しており、図1(b)に示すようにスリーブの上端面を基台5の上面と同じ位置に合わせてある。
【0013】
軸部としてのコアピン6のまわりには、樹脂、本例では熱可塑性樹脂であるポリアセタールにより形成された筒状の外殻層8がコアピン6と同心上に位置している。外殻層8の内側とコアピン6との間にはスリーブ7と同じ内径、外径を有する円筒状の空隙部9が形成されている。
【0014】
外殻層8の形成プロセスを説明する。図1(b)において、スリーブ7を図示の空隙部9を埋める位置まで上方に引き上げた状態のもとで外殻層8に相当する隙間をおいた内周面を具備した第1の型(図示せず)を配置して第1樹脂としてポリアセタールを射出する。射出後、上記第1の型は除去する。こうして外殻層8ができる。外殻層8の成形後、スリーブは図1(b)に示すように空隙部9を形成するように下降退避させる。
【0015】
なお、外殻層8は別個に設けた射出成形装置その他の手段により成形し、その成形されたものを図1(b)に示すようにコアピン6に挿通させた状態におくこともできる。
【0016】
こうして外殻層8を成形後、コアピン6の軸方向と直交する方向に開閉可能な一対の開閉式の型10a、10bを閉じ、外殻層8を包囲する。ここで、開閉式の型10aと開閉式の型10bの内周面形状はこれらを閉じたときの形状がガイドローラ2の外径部に対応している。本例では、ガイドローラ2が太鼓形をしているので、軸方向の中央部において外殻層8との間に隙間11を形成している。こうして開閉式の型10a、10bを閉じた状態にしたら、空隙部9の上部に樹脂を射出するノズル(図示されず)を位置させる。
【0017】
外殻層8が形成されてから、所定の時間を経過すると溶融状態から冷却により固化した後、上記ノズルより、第2樹脂として外殻層8と同じ材料、本例ではポリアセタールを空隙部9に射出する。
【0018】
なお、第1樹脂と第2樹脂とは必ずしも同じ材料である必要はないが、本例では同じ材料とし、特にポリアセタール樹脂とした。
【0019】
上記空隙部9への射出時の圧力により外殻層8は変形、変位しつつ外側に膨らませられ開閉式の型10a、10bの内周面にまで押し広げられて、空隙部11が消滅し、外殻層9は開閉式の型10a、10bの内周面形状に沿う形状となる。但し、外殻層9の表面部は適度の硬さになっているので、開閉式の型10a、10bの分割ラインは外殻層9の表面に転写されない。
【0020】
外殻層9の内側はコアピン6との間が上記ノズルから射出されたポリアセタールで充填されて内側層12を形成し、該内側層12は太鼓形をなし、外殻層9と内側層12とが実質的に一体化されて、全体として図1(c)に示すような太鼓形のガイドローラ2が最終成形品として成形される。
【0021】
ここで、外殻層9と内側層12との境界部は樹脂同士が融合した状態で一体化されるのが理想であるが、内側層12も太鼓形に形成されることからその形状特性により、内側層12から外殻層9を分離することは極めて困難な構成となり、少なくとも実質的一体化は容易に図ることができる。同様のことは、鼓形のガイドローラ3(図16参照)の場合にもいえる。
【0022】
その後、上記ノズルを退避することに伴い、湯口に相当する部分はきれいに自動切断される。このような切断が可能なように、湯口の部分はガイドローラ2の軸方向端面部に相当する部位だけ肉厚が薄くなるノズルの先端形状を整える。
【0023】
次いで、開閉式の型10a、10bを図1(a)、図1(b)における左右方向に開き、スリーブ7を上方に摺動させることにより、コアピン6から図1(c)に示す如き太鼓形をしたガイドローラ2を取り出すことができる。
【0024】
このように、軸部としてのコアピン6のまわりに筒状の外殻層8を成形した後、この外殻層8を開閉式の型10a、10bで包囲すると共に外殻層8の内側に有る空隙部9に樹脂を射出して内側層12を形成しつつ該内側層12への加圧により外殻層9を開閉式の型10a、10bの内周面形状に沿う太鼓形に変形させかつ、内側層12と外殻層8とを一体化させて中空の最終成形品であるガイドローラ2を得る。
【0025】
内側層12を形成する2次射出のタイミングは、外殻層8が固化してからであるが、2次射出に際しては射出可能な温度と圧力を有する2次射出の樹脂(ポリアセタール)が外殻層8の内周面部に接触することから、温度と圧力が外殻層8に作用し、内側層と外殻層8とが一体化される。ここで、外殻層8は固化しているので、外殻層8が開閉式の型10a、10bの分割ラインが外殻層8の外周面部に転写されることはない。
【0026】
但し、内側層12を形成する2次射出の射出タイミングは、開閉式の型10a、10bの内周面に沿わせるように外殻層8を変形させる上で重要な要素であるので、1次射出後、2次射出開始までの時間管理は必要である。
【0027】
上記例では、最終成形品が中空であるのでコアピン6を設けたが、中実の成形品を製作する場合には中空部を形成するためのコアピン6を用いない。
[2]請求項2乃至11に対応する例
本発明によるガイドローラ2の製作の概要については、図1により概要を説明した。以下では、図2乃至図14によりさらに具体的に説明をする。
工程1:
工程1では、図2に示すように基台5には軸部を構成するコアピン6が固定されている。コアピン6には軸部を構成するスリーブ7が摺動可能に嵌合しており、スリーブ7は基台5のガイド穴5aに沿って往復動可能である。スリーブ7の上端面は基台5の上面から、ガイドローラ2の長さに相当する長さLの位置にある。
【0028】
コアピン6の延長上には固定側の第1の型13が位置し、該第1の型13の円形の穴13aがその軸線をコアピン6の軸心と合致させて位置している。穴13aの内径はスリーブ7の外径よりも大きく、これら内径と外径との差が図1で述べたまた、後述する外殻層8の肉厚に相当する。
【0029】
第1の型13の穴13aの内周面はコアピン6の軸方向に沿う形状が凹状或いは凸状の寸法変化を有しないストレートな形状であり、抜き勾配などを考慮しなくても、軸方向に抜くことができる。
工程2:
工程2では基台5が図2における矢印の向きに移動する。つまり、第1の型13は基台5との関係では、コアピン5の軸方向に相対的に移動することで開閉される。この移動動作により図3に示すようにスリーブ7を穴13aが包囲する。このとき、前記工程1で述べたように、穴13aの内径がスリーブ7の外径よりも大きいのでスリーブ7の周りには第1空隙14が形成される。
工程3:
図4に示すように第1の型13上に第1ノズル15を密着させている。第1ノズル15には第1樹脂(ポリアセタール17)を射出する出口部15aがあり、この出口部15aの先端部に形成された出口開口は円形をしていて、ここから樹脂が射出される。この出口開口の径は穴部13aの径とスリーブ7の外径との中間の大きさの径にして湯口に相当する部位の肉厚を小さくしてある。
【0030】
このように部分的に肉厚が小さくなるようにしたのは、出口部15aより第1樹脂としてのポリアセタール17が1次射出された後、出口部15a内樹脂は固化後、図示しない射出手段とともに引き上げられるが、その際に、出口開口の径が外殻層8の外径よりも小さい関係にあるので、外殻層8の上端部が第1ノズル15により保持されることとなり、上記の肉厚を小さくした箇所から自動的に湯口が切断されるようにするためである。1次射出により、コアピン6の周りに筒状の外殻層8が形成される。
工程4:
軸部であるコアピン6及びスリーブ7の周りに筒状の外殻層8が形成されると、図5に示すように第1の型13から、基台5が矢印の向きに退避する。これにより第1の型13は軸部から解放される。
工程5:
図6に示すように、外殻層8は開閉式の型10a、10bにより包囲される。外殻層8を間にして対向して位置している2つの開閉式の型10a、10bは矢印で示すように互いに接近する向きに移動して、図7に示すように型を閉じる。この型を閉じた状態は該開閉式の型10a、10bに関しては前記図1(a)、(b)に示した状態と同じである。
【0031】
ここで、開閉式の型10a、10bの内周面形状は、軸部を構成するコアピン6の軸方向に軸心を有する太鼓形の形状である。太鼓形の場合、軸部の軸方向に沿う形状が凸状をなしている。なお、軸部の軸方向に沿う形状が凹状の型を使用すれば、図16に示したような鼓形のガイドローラ3を製作することができる。
工程6:
図8に示すように、軸部であるスリーブ7が図中下向きに基台5内を移動し、該スリーブ7の端部が図9に示すように基台5の面に合致したところで移動を停止する。これにより、図9に示すように外殻層8の内側に空隙部9が形成される。なお、最終成形品が中空でなく、中実の場合には軸部全体、つまりコアピン6とスリーブ7とを外殻層8の内側から退避させる。本例では最終成形品がガイドローラ2のように中空であるので、スリーブ8のみを退避させる。
工程7:
図10に示すように、開閉式の型10a、10b上に第2ノズル16が密着状態となる。第2ノズル16には第2樹脂を射出する出口部16aがあり、この出口部16aの先端部に形成された出口開口は円形をしていて、この出口開口から第2樹脂が射出される。この出口開口の径は、前記した図4における第1ノズル15の場合と同様、湯口切断の容易性を考慮し、外殻層8の内径とコアピン6の外径の中間の値としている。この出口部16aより第2樹脂であるポリアセタール17が2次射出される。このように、本例では、第1樹脂と第2樹脂とは同じものを使用している。異なる樹脂を使用することもできる。
工程8:
2次射出により、図11に示すように外殻層8の内側の空隙部9にはポリアセタールが充填され内側層12を形成しつつ該内側層12への加圧により外殻層8を開閉式の型10a、10bの内周面形状に沿う太鼓形の形状に変形させかつ、内側層12と外殻層8とを一体化させて中空の最終成形品たるガイドローラ2の形状をしたものが得られる。前記したように、第2ノズル16の出口開口の径を外殻層8の内径よりも小さく形成することで、湯口部は部分的に肉厚が薄く、切断されやすい形状になっているので、出口部16a内で固化したポリアセタール樹脂とともに図示しない射出手段が引き上げられる際に自動切断され、湯口切断工程を簡略化することができる。
工程9:
図12に示すように、2次射出後、第2ノズル16は図10に示す位置から図示されない位置に退避され、該退避に際して作用する力により湯口は自動切断され図11に示すように開閉式の型10a、10b内に太鼓形をした成形品が残る。
【0032】
次いで、開閉式の型10a、10bを矢印で示すように互いに離間する向きに移動させて閉じていた型を開き、成形品を取り出すための通路を形成する。開閉式の型10a、10bを開いた状態を図13に示す。
工程10:
図14において、スリーブ7を図中の上方へ、コアピン6を案内にして移動することにより、外殻層8と内側層12とからなる最終成形品を該スリーブ7の先端部で押し動かして開閉式の型10a、10bの外側へ出すことができる。よって、スリーブ8は空隙部8を残して外殻層8を形成するための部材であるとともに、最終成形品を押し出すイジェクト手段でもある。
【0033】
こうして取り出された最終成形品は図1(c)に示したように太鼓形をしたガイドローラ2となっていて、外周面は外殻層8からなる。この外殻層8は、内側層12からの加圧による開閉式の型10a、10bの内周面への密着による変形時においてある程度の硬さを有していたので、開閉式の型10a、10bにおける分割ラインを転写することはなく、滑らかな周面をしている。
【0034】
以上に述べた各例では、樹脂としてポリアセタールを使用したが、これ以外にも、例えば、ポリプロピレン、ポリアミド等を使用することができるし、また、その他、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を問わず、所謂合成樹脂材を本発明に適用することができる。
【0035】
【発明の効果】
請求項1、2、3、9記載の発明では、外殻層の形成後に内側層を射出するという時間の経過をおくので、外殻層と内側層とを一体化させると共に、開閉式の型の分割ラインを外殻層に転写させずに内側層の加圧力により外殻層を変形させることができ、射出成形装置における工程だけで簡単に、表面に不要な凹凸状を形成することなく太鼓形や、鼓形を含む複雑な形状の樹脂成形品得ることができる。
【0036】
請求項4記載の発明では、外殻層をつくるのに用いたスリーブを最終成形品のイジェクト手段としても利用できる。請求項5記載の発明では、第1の型の移動方向と開閉式の型の開閉方向とを異ならせたので、型同士の干渉を極力避けることができる。
【0037】
請求項6記載の発明では、軸方向に沿う形状が凹状或いは凸状をなす形状の成形品について表面が滑らかなものを射出成形により成形することができる。請求項7記載の発明では、外殻層を変形させて開閉式の型の内周面形状になじませることができる。
【0038】
請求項8記載の発明では、特性が磁気テープのガイドローラとして適性のある材料について射出成形により表面形状の滑らかなものを得ることができる。請求項10記載の発明では、磁気テープのガイドローラ等に使用される太鼓形をしたなめらかな周面の樹脂成形品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は金型の平面図、図1(b)は図1(a)におけるB―B矢視断面図、図1(c)はガイドローラの斜視図である。
【図2】成形工程を説明した型の断面図である。
【図3】成形工程を説明した型の断面図である。
【図4】成形工程を説明した型の断面図である。
【図5】成形工程を説明した型の断面図である。
【図6】図6(a)は開閉式型の平面図、図6(b)は図6(a)のC―C矢視端面図である。
【図7】成形工程を説明した型の断面図である。
【図8】成形工程を説明した型の断面図である。
【図9】成形工程を説明した型の断面図である。
【図10】成形工程を説明した型の断面図である。
【図11】成形工程を説明した型の断面図である。
【図12】成形工程を説明した型の断面図である。
【図13】成形工程を説明した型の断面図である。
【図14】成形工程を説明した型の断面図である。
【図15】図15(a)はガイドローラの側面図、図15(b)は図15(a)における矢視A―Aの断面図である。
【図16】ガイドローラの形状例を説明した断面図である。
【図17】ガイドローラの形状例を説明した断面図である。
【符号の説明】
2、3、4 ガイドローラ
6 (軸部を構成する)コアピン
7 (軸部を構成する)スリーブ
8 外殻層
10a、10b 開閉式の型
12 内側層
13 第1の型

Claims (11)

  1. 軸部のまわりに筒状の外殻層を成形した後、この外殻層を開閉式の型で包囲すると共に前記外殻層の内側に有る空隙部に樹脂を射出して内側層を形成しつつ該内側層への加圧により前記外殻層を前記開閉式の型の内周面形状に沿う形状に変形させかつ、前記内側層と前記外殻層とを一体化させて中実若しくは中空の最終成形品を得ることを特徴とする樹脂成形品の製法。
  2. 軸部を第1の型で包囲して第1樹脂を1次射出することにより前記軸部のまわりに筒状の外殻層を成形した後、前記第1の型を解放し、この外殻層を開閉式の型で包囲すると共に前記外殻層の内側に有る前記軸部全体又は前記軸部の一部を解放することにより前記外殻層の内側に空隙部を形成してから、該空隙部に第2樹脂を2次射出して内側層を形成しつつ該内側層への加圧により前記外殻層を前記開閉式の型の内周面形状に沿う形状に変形させかつ、前記内側層と前記外殻層とを一体化させて中実若しくは中空の最終成形品を得ることを特徴とする樹脂成形品の製法。
  3. 請求項2記載の樹脂製品の製法において、前記軸部がコアピンと該コアピンに着脱自在に嵌合されたスリーブとの組み合わせにより構成され、前記空隙部が前記スリーブを前記コアピンに沿わせて移動することにより形成された、前記軸部と前記外殻層の内周面との間の隙間からなることを特徴とする樹脂成形品の製法。
  4. 請求項3記載の樹脂製品の製法において、前記スリーブは前記最終成形品を前記コアピンから押し出すイジェクト手段でもあることを特徴とする樹脂成形品の製法。
  5. 請求項2又は3記載の樹脂製品の製法において、前記第1の型は前記軸部の軸方向に移動可能であり、前記開閉式の型は前記軸部の軸方向と直交する方向に開閉可能であることを特徴とする樹脂成形品の製法。
  6. 請求項2、3、4又は5記載の樹脂製品の製法において、前記外殻層の外周面を形成する前記第1の型の内周面は前記軸部の軸方向に沿う形状が凹状或いは凸状の寸法変化を有しない形状であり、前記最終成形品の外周面を形成する前記開閉式の型の内周面は前記軸部の軸方向に沿う形状が凹状或いは凸状の寸法変化を有する形状であることを特徴とする樹脂成形品の製法。
  7. 請求項2、3、4、5又は6記載の樹脂製品の製法において、前記1次射出により形成される前記外殻層が固化した後、前記2次射出が行なわれることを特徴とする樹脂成形品の製法。
  8. 請求項2、3、4、5、6又は7記載の樹脂製品の製法において、前記第1樹脂及び前記第2樹脂は共にポリアセタールであることを特徴とする樹脂成形品の製法。
  9. コアピンに嵌合されたスリーブの周りに第1空隙を介して第1の型で包囲し該第1空隙に第1樹脂を1次射出して筒状の外殻層を形成し、前記第1の型を解放してから前記外殻層の周りに第2空隙を介して開閉式の型で包囲し、前記コアピンから前記スリーブを解放し、該解放により前記外殻層の内側に形成された第3空隙に第2樹脂を2次射出して内側層を形成しつつ該内側層への加圧により前記外殻層を前記開閉式の型の内周面形状に沿う形状に変形させかつ、前記内側層と前記外殻層とを一体化させて中空の最終成形品を得ることを特徴とする樹脂成形品の製法。
  10. 請求項9記載の樹脂製品の製法において、前記開閉式の型の内周面形状は前記コアピンの軸方向に軸心を有する太鼓形の形状であることを特徴とする樹脂成形品の製法。
  11. 請求項2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載の樹脂製品の製法において、前記2次射出は前記1次射出後、前記外殻層の表面部分が前記開閉式の型の分割ラインを転写せずかつ、前記内側層と分離不能に一体化され得る所定の時間経過後に行なうことを特徴とする樹脂成形品の製法。
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