JP4154275B2 - 薬剤容器を秤量するための装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薬剤容器を秤量するための装置であって、薬剤容器を連続的に搬送する搬送装置と、薬剤容器の搬送方向に対して平行に運動可能な、薬剤容器のための充填装置と、前記搬送装置の外部に配置された、薬剤容器のための秤量装置と、その都度少なくとも同一の薬剤容器を充填前と充填後に前記搬送装置から取り出し、引き続き再び前記搬送装置内に挿入する、薬剤容器のための移送装置とが設けられている形式のものに関する。
【0002】
【従来の技術】
このような形式の装置は、米国特許第5806287号明細書に基づき公知である。この公知の装置では、グリッパ装置を保持したロボットアームが、充填前と充填後にそれぞれ所定数の薬剤容器を取り出し、これらの容器を秤量し、次いで再び薬剤容器のための搬送装置に戻す。類似の装置がドイツ連邦共和国特許出願公開第19920494号明細書に基づき公知である。ただし、この装置はタイミング制御されて間欠式に作動する。この場合にも、ロボットアームが使用され、このロボットアームは薬剤容器の充填前と充填後に所定個数の容器を搬送装置から取り出して、秤量装置に供給する。最初に挙げた米国特許第5806287号明細書に記載の装置とは異なり、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19920494号明細書に記載の装置は、タイミング制御されて間欠式に駆動される薬剤容器のための搬送装置と協働する。複雑な運動を可能にするこのようなロボットアームは、第1に比較的手間をかけて構成されており、第2には次のような欠点を有している。すなわち、このようなロボットアームは、特に製薬に適した構造に対する要求の点で、ロボットアームの大部分が、当該装置の、できるだけ無菌状態に保持されなければならない直的な範囲に配置されているという不都合を有している。
【0003】
【特許文献1】
米国特許第5806287号明細書
【特許文献2】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第19920494号明細書
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の課題は、冒頭で述べた形式の、薬剤容器を秤量するための装置を改良して、できるだけ単純な機械的構造において、当該装置の充填範囲にできるだけ少数の構成部分しか設けられていない点で製薬に適した構造を有しているような装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明の構成では、移送装置がグリッパユニットを有しており、該グリッパユニットが、リンク機構によって薬剤容器の搬送方向に対して平行な方向と薬剤容器の搬送方向に対して直交する方向とに運動可能であり、前記リンク機構の駆動装置による駆動が、鉛直に配置された隔壁を通じて行われるようになっていて、前記リンク機構と、該リンク機構の駆動装置とが、前記隔壁のそれぞれ互いに異なる側に位置しているようにした。
【0006】
【発明の効果】
本発明による装置は、機械的に比較的単純な構造を有していて、しかも隔壁により駆動装置がグリッパユニットから分離されている点ですぐれている。
【0007】
請求項2以下には、本発明による装置の有利な改良形が記載されている。当該装置の作業効率を向上するためには、できるだけ多数の容器を同時に取り出しかつ秤量することができることが好ましい。したがって、本発明の有利な構成では、それぞれ同時に多数の薬剤容器を搬送装置から取り出しかつ再び搬送装置に戻すことのできるグリッパビームが使用される。この場合、グリッパビームの両端範囲でグリッパビームがリンク機構と連結されていることにより、グリッパビームの簡単で、安定したかつ正確な案内を得ることができる。
【0008】
さらに、当該装置の無菌状態に保持したい範囲に隔壁から突入した部分が、ポット形の駆動ディスクによってカバーされていると有利である。このことは当該装置の全ての運転段階の間、無菌の作業範囲と駆動範囲との間の気密な分離を確保する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面につき詳しく説明する。
【0010】
図1には、容器1に薬剤を充填するための装置10が図示されている。この装置10は容器1のための搬送装置11(詳細には図示せず)を有しており、この搬送装置11は容器1を搬送方向12に連続的に搬送する。搬送装置11は、たとえばエンドレスのベルトまたはチェーンとして構成されていてよい。このエンドレスのベルトまたはチェーンには、容器1のためのそれぞれサイズに関連した収容部が交換可能に配置されている。
【0011】
搬送装置11の上方には、容器1のための充填装置15が図示されている。この充填装置15は本実施例では、それぞれ容器1と整合して配置された8つの充填ニードル16を備えている。これらの充填ニードル16は充填ニードル支持体17に固定されている。この充填ニードル支持体17は、駆動装置(図示しない)によって、搬送方向12に対して平行な方向でも、搬送方向12に対して垂直な方向でも、つまり昇降方向でも、運動可能に形成されている。
【0012】
このような充填装置15を用いた自体公知の充填過程は、充填過程の際に充填ニードル支持体17の降下によって充填ニードル16が容器1内に侵入する間、充填ニードル支持体17が容器1と同じ速度で搬送方向12に運動させられるように行われる。充填過程が終了するやいなや、充填ニードル支持体17は充填ニードル16と共に容器1から持ち上げられ、引き続き、搬送方向12とは反対の方向で戻り行程が実施される。これによって、充填ニードル支持体17を、後続の容器1に充填を行うために再び降下させて、容器1と同じ搬送速度で搬送方向12に運動させることができる。
【0013】
充填装置15の範囲には、さらに秤量装置20が配置されている。この秤量装置20は本実施例では4つの秤量台21を有している。これらの秤量台4は、それぞれ容器1を秤量するために適している。秤量装置20は前記装置10の制御装置と結合されており、この制御装置は充填装置15をも制御する。すなわち、秤量装置20もしくは秤量台21の測定結果に関連して、充填装置15の充填ニードル16を調節することができ、これにより規定の充填量をできるだけ正確に維持することができる。
【0014】
充填装置15および秤量装置20の範囲には、さらに容器1のための移送装置25が配置されている。この移送装置25はロッド形のグリッパビーム26を有しており、このグリッパビーム26の、容器1に面した側には、本実施例では8つのグリッパエレメント27が配置されている。搬送装置11における容器1のの間隔に相当する相互間隔を置いてそれぞれ配置されたグリッパエレメント27は、容器1を搬送装置11から取り出すことができるようにするために容器1のネック範囲2を把持するために働く。
【0015】
グリッパビーム26はリンク機構29を介して3つのモータ30,31,32と連結されている。これらのモータ30,31,32はグリッパビーム26を運動させるために働く。図1および図2から判るように、リンク機構29は、ほぼ鉛直に配置された2つのロッド33,34を有しており、両ロッド33,34はグリッパビーム26の両端範囲に旋回可能に取り付けられている。ロッド33,34の、グリッパビーム26とは反対の側の端部には、互いに平行に配置されたそれぞれ2つのレバー35,36が旋回可能に配置されており、この場合、両レバー35,36は常時互いに平行に運動する。一方のレバー35がポット形の駆動車37の周縁部に旋回可能に支承されているのに対して、他方のレバー36はそれぞれ駆動車37に対して同心的に軸38に相対旋回不能に固定されている。
【0016】
図2から良く判るように、グリッパビーム26の駆動を行うモータ30,31,32が、鉛直な隔壁40を挟んでグリッパビーム26と駆動車37とは反対の側で駆動室41の内部に配置されていることが重要となる。すなわち、隔壁40により駆動室41は、容器1の充填が行われる処理室42から分離されている。処理室42は、必要に応じてクリーンルームとして形成されていてよい。それぞれロッド33;34と両レバー35,36とから成る多角形リンク機構は、駆動車37もしくは軸38の回転時にグリッパビーム26を平行案内するために働く。すなわち、たしかにグリッパビーム26の昇降運動は行われるが、しかし旋回運動は行わないので、グリッパビーム26は搬送装置11に対して常時平行に案内されている。
【0017】
図2から判るように、隔壁40は、駆動車37の位置する範囲にそれぞれ1つの貫通部43を有している。この貫通部43は環状の縁部44を備えていて、この縁部44はフランジ状に処理室42内へ突入している。この縁部44は、それぞれ駆動車37に設けられた環状の縁部45によってカバーされているので、駆動車37の内部に位置する構成部品のシールもしくは防護が得られる。駆動車37は、それぞれ駆動室41内に位置する側に外歯列47を有するドラム形の伝達車46を介してモータ30と連結されており、この場合、両伝達車46の両外歯列47は互いに噛み合っている。
【0018】
軸38には、駆動室41内でさらに、それぞれ外歯列49を備えた歯車48が相対回動不能に固定されている。両歯車48の互いに噛み合った両外歯列49はモータ31と連結されている。両軸38の、駆動室41内に位置する両軸端部はさらに1つのロッド51と連結されている。このロッド51は軸方向移動不能に両軸38に配置されており、そしてこのロッド51は、モータ32が矢印52の方向で搬送方向12に対して垂直に両軸38の運動を可能にするようにモータ32と連結されている。したがって、矢印52の方向でのロッド51の運動によって、駆動車37も軸38も、搬送装置11の搬送方向12に対して垂直な方向に運動させられる。したがって、駆動車37および軸38の回転と関連して、搬送方向12に対して垂直方向の運動をも、搬送方向12に対して平行な運動をも、昇降運動をも可能にするグリッパビーム36の運動が生ぜしめられる。
【0019】
容器に薬剤を充填するための装置10は次のようにして作動する:第1のステップにおいて、充填装置15の手前の範囲において、相並んで配置された8つの容器1がグリッパビーム26によって搬送装置11から取り出されて、モータ30〜32の適宜な制御によって秤量装置20の秤量台21に載置される。未充填の容器1の重量を検出した後に、これらの容器1は搬送装置11の空き個所に再び挿入されるので、これらの容器1は、次いで充填装置15の下方に搬送された際に充填ニードル16によって充填される。引き続き、これらの容器1は充填後に再び搬送装置11から移送装置25によって取り出されて、秤量装置20に供給される。容器1の総重量が求められた後に、これらの容器1は再び搬送装置11の空き個所に挿入される。容器1の総重量秤量と風袋秤量との間の重量差に相応して、対応する充填ニードル16もしくはその配量機構を、必要に応じて相応して制御し、これにより所望の容量を達成することができる。
【0020】
容器に薬剤を充填するための装置10は、本発明の思想から逸脱することなく種々様々に改良され得る。特に、種々異なる個数の秤量台21が設けられていてもよいし、あるいは充填装置15が別形式に構成されてもよい。また、別構造のリンク機構29も考えられる。しかし、いずれにしても、グリッパビーム26の運動を制御する駆動装置が、隔壁40の、グリッパビーム26とは反対の側で駆動室41の内部に配置されていることが重要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】薬剤容器を秤量するための本発明による装置の一部を示す斜視図である。
【図2】所定数の薬剤容器をその都度、容器のための搬送装置から取り出して秤量装置に供給するために適した、図1に示した移送装置の概略図である。
【符号の説明】
1 容器、 2 ネック範囲、 10 容器に薬剤を充填するための装置、 11 搬送装置、 12 搬送方向、 15 充填装置、 16 充填ニードル、 17 充填ニードル支持体、 20 秤量装置、 21 秤量台、 25 移送装置、 26 グリッパビーム、 27 グリッパエレメント、 29 リンク機構、 30,31,32 モータ、 33,34 ロッド、 35,36レバー、 37 駆動車、 38 軸、 40 隔壁、 41 駆動室、 42 処理室、 43 貫通部、 44 縁部、 45 縁部、 46 伝達車、47 外歯列、 48 歯車、 49 外歯列、 51 ロッド

Claims (3)

  1. 薬剤容器(1)を秤量するための装置(10)であって、薬剤容器(1)を連続的に搬送する搬送装置(11)と、薬剤容器(1)の搬送方向(12)に対して平行に運動可能な、薬剤容器(1)のための充填装置(15)と、前記搬送装置(11)の外部に配置された、薬剤容器(1)のための秤量装置(20)と、その都度少なくとも同一の薬剤容器(1)を充填前と充填後に前記搬送装置(11)から取り出し、引き続き再び前記搬送装置(11)内に挿入する、薬剤容器(1)のための移送装置(25)とが設けられている形式のものにおいて、移送装置(25)がグリッパユニット(26)を有しており、該グリッパユニット(26)が、リンク機構(29)によって薬剤容器(1)の搬送方向(12)に対して平行な方向と薬剤容器(1)の搬送方向(12)に対して直交する方向とに運動可能であり、前記リンク機構(29)の駆動装置(30,31,32)による駆動が、鉛直に配置された隔壁(40)を通じて行われるようになっていて、前記リンク機構(29)と、該リンク機構(29)の駆動装置(30,31,32)とが、前記隔壁(40)のそれぞれ互いに異なる側に位置していることを特徴とする、薬剤容器を秤量するための装置。
  2. グリッパユニットがグリッパビーム(26)を有しており、該グリッパビーム(26)の端範囲がそれぞれリンク機構(29)に結合されており、該リンク機構(29)が前記グリッパビーム(26)をその運動時に水平方向に向けられるように案内する、請求項1記載の装置。
  3. リンク機構(29)がポット形の駆動ディスク(37)と連結されており、該駆動ディスク(37)が、前記隔壁(40)の、駆動装置(30,31,32)とは反対の側に配置されていて、前記隔壁(40)に設けられたカラー形の縁部(44)を取り囲んでカバーしている、請求項1または2記載の装置。
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