JP4152790B2 - アッパグローブボックス構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、アッパグローブボックス構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車などの車両では、車室内の前部にインストルメントパネルが設けられている。このインストルメントパネルには、助手席側の部分などにグローブボックスが設けられる。更に、このグローブボックスの上方に対しアッパグローブボックスを設けたものが存在する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
従来のアッパグローブボックス構造は、リッドを片側1本のアームを用いて車両後方へ出ながら上開きするように構成しているものがほとんどである。
【0004】
【特許文献1】
特許第3198348号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のアッパグローブボックス構造では、リッド全開状態でエアバッグが展開した際の対策が不十分であるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、上記の問題点を解消し、リッド全開状態でエアバッグが展開した際の対策になるアッパグローブボックス構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明では、インストルメントパネルに乗員側へ向き且つ上方へ開いた収納部と、該収納部を上から覆うリッドとが設けられ、該リッドが収納部に対して片側2本のアームを左右に配置し、リッドの前縁部が車両後方へ移動しながら上開きするように構成されたアッパグローブボックス構造であって、前記リッドの全開時に、収納部の前縁部よりもリッドの前縁部が下側に位置するように、アームを構成したアッパグローブボックス構造を特徴とする。
また、前記片側2本のアームが前側アームと後側アームとで構成され、前側アームの先端は、リッドの前縁部よりも後方へ離れた位置に結合され、後側アームは、前側アームより長く形成され、後側アームの先端は、前側アーム基端の収納部に対する結合回転軸部と後側アーム基端の収納部に対する結合回転軸部との間隔よりも、前側アーム先端のリッドに対する結合回転軸部と後側アーム先端のリッドに対する結合回転軸部との間隔の方が狭くなるように、リッドに結合されることにより、前側アームおよび後側アームは、リッドの全閉から全開にかけて、その先端にあるリッドとの結合回転軸部を乗員側へ移動させるアッパグローブボックス構造を特徴とする。
【0008】
このように構成された請求項1にかかる発明によれば、片側2本のアームによって、リッドの全開時に、収納部の前縁部よりもリッドの前縁部が下側に位置するよう構成したことにより、リッド全開状態でエアバッグが展開した際に、エアバッグが収納部の前縁部とリッドの前縁部との間に入ってリッドが破損・飛散するのを防止することができる。
また、アームの先端が、リッドの前縁部よりも後方へ離れた位置に結合され、後側アームが、前側アームより長く形成され、後側アームの先端が、前側アーム基端の収納部に対する結合回転軸部と後側アーム基端の収納部に対する結合回転軸部との間隔よりも、前側アーム先端のリッドに対する結合回転軸部と後側アーム先端のリッドに対する結合回転軸部との間隔の方が狭くなるように、リッドに結合されるようにしたことにより、上記した作用効果や以下の作用効果などを得ることができる。
【0009】
請求項2に記載された発明では、前記リッドの全開時に、アームの先端とリッドとの結合回転軸部よりも上側にエアバッグ展開時におけるエアバッグ接触点が位置する請求項1記載のアッパグローブボックス構造を特徴とする。
【0010】
このように構成された請求項2にかかる発明によれば、リッドの全開時に、アームの先端とリッドとの結合回転軸部よりも上側にエアバッグ展開時におけるエアバッグ接触点が位置することにより、リッド全開状態でエアバッグが展開した際に、エアバッグの圧力でリッドが閉じるようにすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施の形態について、図示例と共に説明する。
【0014】
図1〜図4は、この発明の実施の形態を示すものである。
【0015】
まず、構成を説明すると、図1、図2に示すように、自動車などの車両では、車室内の前部にインストルメントパネル1が設けられている。このインストルメントパネル1は、例えば、幅中央部にメータ表示部2を備えており、メータ表示部2の乗員側(車両後方)下部にはカーナビゲーションシステムや車載テレビなどのためのパネル表示部3とスイッチパネル4とを備えている。そして、助手席側の部分の下部にグローブボックス5が設けられる。更に、このグローブボックス5の上方に対しアッパグローブボックス6が設けられている。また、運転席側の部分の下部には図示しないステアリングコラムが取付けられ、このステアリングコラムの取付部分の上方に対し別のアッパグローブボックス7が設けられている。
【0016】
この実施の形態のものでは、図3、図4に示すように、助手席側のアッパグローブボックス6は、乗員側へ向き且つ上方へ開いた収納部11と、この収納部11を上から覆うリッド12とを備えている。この収納部11はインストルメントパネル1に取付けられる(取付部13,14)。そして、リッド12が収納部11に対して片側2本のアーム15,16を左右に配置することでリッド12の前縁部22が車両後方へ移動しながら上開きするように構成されている。
【0017】
そして、リッド12の全開時に、収納部11の前縁部21よりもリッド12の前縁部22が下側に位置するように、アーム15,16を構成する。
【0018】
更に、リッド12の全開時に、アーム15,16の先端とリッド12との結合回転軸部23,24(特に、結合回転軸部24)よりも上側にエアバッグ25展開時におけるエアバッグ接触点26が位置するように構成する。
【0019】
そのために、片側2本のアーム15,16を、以下のような前側アーム15と後側アーム16とで構成する。即ち、前側アーム15の先端は、リッド12の前縁部22よりも後方へ所要距離aだけ離れた位置に結合されるようにする。後側アーム16は、前側アーム15よりアーム長(bおよびc)が長くなるように形成する(b<c)。更に、後側アーム16の先端は、前側アーム15基端の収納部11に対する結合回転軸部27と後側アーム16基端の収納部11に対する結合回転軸部28との間隔dよりも、前側アーム15先端のリッド12に対する結合回転軸部23と後側アーム16先端のリッド12に対する結合回転軸部24との間隔eの方が狭くなる(d>e)ように、リッド12に結合されるようにし、これにより、前側アーム15および後側アーム16は、リッド12の全閉から全開にかけて、その先端にあるリッド12との結合回転軸部23,24を乗員側へ移動させるように構成する。
【0020】
ここで、前側アーム15基端の収納部11に対する結合回転軸部27と後側アーム16基端の収納部11に対する結合回転軸部28とは、収納部11の側部に取付けた金属ブラケット31に軸支するようにする。また、前側アーム15先端のリッド12に対する結合回転軸部23と後側アーム16先端のリッド12に対する結合回転軸部24とは、リッド12に一体形成された軸取付部32,33に軸支する。更に、リッド12の一側部における後側アーム16基端に延長部34を形成し、この延長部34と金属ブラケット31との間に、リッド12の開閉を助成する弾性部材35を介装する。また、リッド12の一側部における後側アーム16基端と金属ブラケット31との間に、リッド12の開閉を減衰する図示しないダンパ機構を介装する。
【0021】
なお、運転席側のアッパグローブボックス6は、リッドを片側1本のアームを用いて車両後方へ出ながら上開きする構成としている。
【0022】
次に、この実施の形態の作用について説明する。
【0023】
助手席側のアッパグローブボックス6を使用する場合には、リッド12を車両後方へ出しながら上開きする。すると、乗員側へ向き且つ上方へ開いた収納部11が現れる。この収納部11に対して物の出し入れを行うことができる。
【0024】
この実施の形態によれば、リッド12を片側2本のアーム15,16を用いて車両後方へ出ながら上開きするように構成したことにより、リッド12とインストルメントパネル1との合せ隙間を最小限とすることができる。また、片側2本のアーム15,16によって、リッド12の全開時に、収納部11の前縁部21よりもリッド12の前縁部22が下側に位置するよう構成したことにより、リッド12全開状態でエアバッグ25が展開した際に、エアバッグ25が収納部11の前縁部21とリッド12の前縁部22との間に入ってリッド12が破損・飛散するのを防止することができる。
【0025】
リッド12の全開時に、アーム15,16の先端とリッド12との結合回転軸部23,24よりも上側にエアバッグ25展開時におけるエアバッグ接触点26が位置することにより、リッド12全開状態でエアバッグ25が展開した際に、エアバッグ25の圧力でリッド12が閉じるようにすることができる。
【0026】
アーム15,16の先端が、リッド12の前縁部22よりも後方へ離れた位置に結合され、後側アーム16が、前側アーム15より長く形成され、後側アーム16の先端が、前側アーム15基端の収納部11に対する結合回転軸部27と後側アーム16基端の収納部11に対する結合回転軸部28との間隔dよりも、前側アーム15先端のリッド12に対する結合回転軸部23と後側アーム16先端のリッド12に対する結合回転軸部24との間隔eの方が狭くなる(d>e)ように、リッド12に結合されるようにしたことにより、上記の作用効果を得ることができる。
【0027】
以上、この発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、実施の形態はこの発明の例示にしか過ぎないものであるため、この発明は実施の形態の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。
【0028】
【発明の効果】
以上説明してきたように、請求項1の発明によれば、片側2本のアームによって、リッドの全開時に、収納部の前縁部よりもリッドの前縁部が下側に位置するよう構成したことにより、リッド全開状態でエアバッグが展開した際に、エアバッグが収納部の前縁部とリッドの前縁部との間に入ってリッドが破損・飛散するのを防止することができる。
また、アームの先端が、リッドの前縁部よりも後方へ離れた位置に結合され、後側アームが、前側アームより長く形成され、後側アームの先端が、前側アーム基端の収納部に対する結合回転軸部と後側アーム基端の収納部に対する結合回転軸部との間隔よりも、前側アーム先端のリッドに対する結合回転軸部と後側アーム先端のリッドに対する結合回転軸部との間隔の方が狭くなるように、リッドに結合されるようにしたことにより、上記した作用効果や以下の作用効果などを得ることができる。
【0029】
請求項2の発明によれば、リッドの全開時に、アームの先端とリッドとの結合回転軸部よりも上側にエアバッグ展開時におけるエアバッグ接触点が位置することにより、リッド全開状態でエアバッグが展開した際に、エアバッグの圧力でリッドが閉じるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるアッパグローブボックス6を備えたインストルメントパネル1の斜視図である。
【図2】アッパグローブボックス6を全開状態にした図1と同様の斜視図である。
【図3】アッパグローブボックス6の側面図である。
【図4】全開状態にしたアッパグローブボックス6の図3と同様の側面図である。
【符号の説明】
1 インストルメントパネル
6 アッパグローブボックス
11 収納部
12 リッド
15 アーム(前側アーム)
16 アーム(後側アーム)
21 前縁部
22 前縁部
23 結合回転軸部
24 結合回転軸部
25 エアバッグ
26 エアバッグ接触点
27 結合回転軸部
28 結合回転軸部

Claims (2)

  1. インストルメントパネルに乗員側へ向き且つ上方へ開いた収納部と、該収納部を上から覆うリッドとが設けられ、該リッドが収納部に対して片側2本のアームを左右に配置し、リッドの前縁部が車両後方へ移動しながら上開きするように構成されたアッパグローブボックス構造であって、
    前記リッドの全開時に、収納部の前縁部よりもリッドの前縁部が下側に位置するように、アームを構成し、
    前記片側2本のアームが前側アームと後側アームとで構成され、
    前側アームの先端は、リッドの前縁部よりも後方へ離れた位置に結合され、
    後側アームは、前側アームより長く形成され、
    後側アームの先端は、前側アーム基端の収納部に対する結合回転軸部と後側アーム基端の収納部に対する結合回転軸部との間隔よりも、前側アーム先端のリッドに対する結合回転軸部と後側アーム先端のリッドに対する結合回転軸部との間隔の方が狭くなるように、リッドに結合されることにより、
    前側アームおよび後側アームは、リッドの全閉から全開にかけて、その先端にあるリッドとの結合回転軸部を乗員側へ移動させることを特徴とするアッパグローブボックス構造。
  2. 前記リッドの全開時に、アームの先端とリッドとの結合回転軸部よりも上側にエアバッグ展開時におけるエアバッグ接触点が位置することを特徴とする請求項1記載のアッパグローブボックス構造。
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