JP4150352B2 - 燃料電池スタック - Google Patents

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Description

本発明は、一対の電極が電解質の両側に設けられた電解質・電極構造体を、セパレータにより挟持した単位セルを備え、前記単位セルが複数積層された積層体を箱状ケーシング内に収容する燃料電池スタックに関する。
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる電解質膜(電解質)を採用している。この電解質膜の両側にアノード側電極及びカソード側電極を対設した電解質膜・電極構造体を、セパレータによって挟持することにより燃料電池が構成されている。アノード側電極及びカソード側電極は、それぞれカーボンを主体とする基材に貴金属系の電極触媒層を接合している。
この燃料電池において、アノード側電極には、燃料ガス、例えば、主に水素を含有するガス(以下、水素含有ガスともいう)が供給される一方、カソード側電極には、酸化剤ガス、例えば、主に酸素を含有するガスあるいは空気(以下、酸素含有ガスともいう)が供給されている。アノード側電極に供給された燃料ガスは、電極触媒上で水素がイオン化され、電解質膜を介してカソード側電極側へと移動する。その間に生じた電子は外部回路に取り出され、直流の電気エネルギとして利用される。
通常、この燃料電池は、所望の発電力を得るために、所定数(例えば、数十〜数百)だけ積層した燃料電池スタックとして使用されている。この燃料電池スタックは、燃料電池の内部抵抗の増大や反応ガスのシール性の低下等を阻止するために、積層されている各燃料電池同士を確実に加圧保持する必要がある。
そこで、例えば、特許文献1の燃料電池スタックが知られている。この燃料電池スタックは、図9に示すように、複数の単位セル1を積層した積層体2を備えるとともに、この積層体2の積層方向両端にエンドプレート3、3を介装して補助プレート4a、4bが配設されている。
積層体2の両側部に沿って、一対の締結バンド5、5が配置されている。締結バンド5、5及び補助プレート4a、4bの端部には、円筒状の連結部6がそれぞれの孔部が一直線上に並ぶように設けられている。そして、各連結部6に金属ピン7が挿入されることにより、締結バンド5、5及び補助プレート4a、4bが一体的に連結されている。
補助プレート4aには、複数のボルト8が螺合する一方、補助プレート4bには、複数の皿ばね9が配設されている。従って、ボルト8が螺入されると、補助プレート4aが下方に押圧されるとともに、補助プレート4bに配置された皿ばね9が圧縮され、エンドプレート3を介して積層体2に必要な締結圧が付与される、としている。
特開2001−135344号公報(図5)
上記の特許文献1では、締結バンド5、5の各連結部6と補助プレート4a、4bの連結部6とに金属ピン7が一体的に嵌合しており、前記補助プレート4a、4b間の距離が固定されている。このため、経時変化等によって燃料電池スタックの締め付け荷重が低下した際には、複数のボルト8を締め付けることにより、所望の締め付け荷重を維持する必要がある。
しかしながら、特許文献1では、燃料電池スタックの締め付け荷重を調整するために、専用部品である複数のボルト8を備えている。従って、専用部品の追加によって燃料電池スタックの重量が増加するとともに、前記燃料電池スタックは、単位セル1の積層方向に大型化するという問題がある。
本発明はこの種の問題を解決するものであり、簡単且つコンパクトな構成で、積層体の積層方向に所望の締め付け荷重を確実に付与することができ、各単位セルの発電性能及びシール性を維持することが可能な燃料電池スタックを提供することを目的とする。
本発明は、一対の電極が電解質の両側に設けられた電解質・電極構造体を、セパレータにより挟持した単位セルを備え、前記単位セルが複数積層された積層体を箱状ケーシング内に収容する燃料電池スタックである。
ケーシングは、積層体の積層方向両端部に配置される端板と、前記積層体の側部に配置される複数の側板と、前記側板に設けられる第1連結部及び前記側板に設けられる第2連結部に同軸的に挿入されて前記端板と前記側板とを連結するとともに、異なる直径に選択されて該端板間の距離を調整可能な複数の連結ピンとを備えている。
また、本発明では、ケーシングは、積層体の積層方向両端部に配置される端板と、前記積層体の側部に配置される複数の側板と、前記側板に設けられる第1連結部又は前記側板に設けられる第2連結部に挿入され、前記端板と前記側板とを連結ピンにより連結するとともに、連結ピン挿入孔が積層方向の異なる位置に選択されて該端板間の距離を調整可能な複数の連結コマ部材とを備えている。
さらに、セパレータは、反応ガス流路に対応して断面凹凸形状に形成された金属プレートで構成されることが好ましい。従って、積層体の端部には、皿ばね等の伸縮を吸収する部材を設ける必要がない。
本発明では、連結ピンの直径が変更されると、第1及び第2連結部の内径と前記連結ピンの外径との寸法差によって、端板が側板に対して単位セルの積層方向に位置調整され、前記端板同士の距離が変更される。例えば、直径の小さな連結ピンが使用されると、端板同士の距離が長くなる一方、直径の大きな連結ピンが使用されると、前記端板同士の距離が短くなる。
従って、予め直径の小さな連結ピンを用いて燃料電池スタックを組み立てておけば、経時変化等によって締め付け荷重が低下した際に、該直径の小さな連結ピンに換えて直径の大きな連結ピンを組み付けるだけで、端板同士の距離が短くなって締め付け荷重が増加する。しかも、燃料電池スタックの組み立て時に締め付けボルトの締め付け調整等が不要になって、前記燃料電池スタックの組み立て作業の簡素化が容易に遂行可能になる。
これにより、簡単且つコンパクトな構成で、積層体の積層方向に所望の締め付け荷重を確実に付与することができ、各単位セルの発電性能及びシール性を維持することが可能になる。
また、本発明では、連結ピン挿入孔の位置が積層方向に変更されると、端板が側板に対して単位セルの積層方向に位置調整され、前記端板同士の距離が変更される。このため、簡単且つコンパクトな構成で、積層体の積層方向に所望の締め付け荷重を確実に付与することができ、各単位セルの発電性能及びシール性を維持することが可能になる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池スタック10の一部分解概略斜視図であり、図2は、前記燃料電池スタック10の一部断面側面図である。
図1に示すように、燃料電池スタック10は、複数の単位セル12が水平方向(矢印A方向)に積層された積層体14を備える。積層体14の積層方向(矢印A方向)一端には、ターミナルプレート16a、絶縁プレート18及びエンドプレート20aが外方に向かって、順次、配設される。積層体14の積層方向他端には、ターミナルプレート16b、絶縁性スペーサ部材22及びエンドプレート20bが外方に向かって、順次、配設される。
燃料電池スタック10は、略四角形に構成されるエンドプレート20a、20bを端板として含む箱状ケーシング24により一体的に保持される。なお、エンドプレート20a、20bは、多角形状に構成されていればよく、例えば、略六角形や略八角形等、種々の形状に設定することができる。
図2及び図3に示すように、各単位セル12は、電解質膜・電極構造体(電解質・電極構造体)30と、前記電解質膜・電極構造体30を挟持する薄板波形状の第1及び第2金属セパレータ32、34とを備える。
単位セル12の水平方向(図3中、矢印B方向)の一端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給するための酸化剤ガス供給連通孔36a、冷却媒体を供給するための冷却媒体供給連通孔38a、及び燃料ガス、例えば、水素含有ガスを排出するための燃料ガス排出連通孔40bが設けられる。
単位セル12の水平方向の他端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガスを供給するための燃料ガス供給連通孔40a、冷却媒体を排出するための冷却媒体排出連通孔38b、及び酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス排出連通孔36bが設けられる。
電解質膜・電極構造体30は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜42と、前記固体高分子電解質膜42を挟持するアノード側電極44及びカソード側電極46とを備える。
アノード側電極44及びカソード側電極46は、カーボンペーパ等からなるガス拡散層と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が前記ガス拡散層の表面に一様に塗布された電極触媒層とを有する。電極触媒層は、固体高分子電解質膜42の両面に接合される。
第1金属セパレータ32の電解質膜・電極構造体30に向かう面32aには、燃料ガス供給連通孔40aと燃料ガス排出連通孔40bとを連通する燃料ガス流路48が形成される。この燃料ガス流路48は、例えば、矢印B方向に延在する複数本の溝部により構成される。第1金属セパレータ32の面32bには、冷却媒体供給連通孔38aと冷却媒体排出連通孔38bとを連通する冷却媒体流路50が形成される。この冷却媒体流路50は、矢印B方向に延在する複数本の溝部により構成される。
第2金属セパレータ34の電解質膜・電極構造体30に向かう面34aには、例えば、矢印B方向に延在する複数本の溝部からなる酸化剤ガス流路52が設けられるとともに、この酸化剤ガス流路52は、酸化剤ガス供給連通孔36aと酸化剤ガス排出連通孔36bとに連通する。第2金属セパレータ34の面34bには、第1金属セパレータ32の面32bと重なり合って冷却媒体流路50が一体的に形成される。
第1金属セパレータ32の面32a、32bには、この第1金属セパレータ32の外周端部を周回して第1シール部材54が一体成形される。第1シール部材54は、面32aで燃料ガス供給連通孔40a、燃料ガス排出連通孔40b及び燃料ガス流路48を囲繞してこれらを連通させる一方、面32bで冷却媒体供給連通孔38a、冷却媒体排出連通孔38b及び冷却媒体流路50を囲繞してこれらを連通させる。
第2金属セパレータ34の面34a、34bには、この第2金属セパレータ34の外周端部を周回して第2シール部材56が一体成形される。第2シール部材56は、面34aで酸化剤ガス供給連通孔36a、酸化剤ガス排出連通孔36b及び酸化剤ガス流路52を囲繞してこれらを連通させる一方、面34bで冷却媒体供給連通孔38a、冷却媒体排出連通孔38b及び冷却媒体流路50を囲繞してこれらを連通させる。
図2に示すように、第1及び第2シール部材54、56間には、固体高分子電解質膜42の外周が直接ケーシング24に接触することを阻止すべく、シール57が介装される。第1及び第2シール部材54、56の外周端部は、ケーシング24の内面との間に僅かな隙間を有していてもよく、また、前記内面に接していてもよい。
図1及び図2に示すように、ターミナルプレート16a、16bの端部には、面方向に突出する板状の端子部58a、58bが形成される。端子部58a、58bには、例えば、走行用モータ等の負荷が接続される。
ケーシング24は、図1に示すように、端板であるエンドプレート20a、20bと、積層体14の側部に配置される複数の側板60a〜60dと、前記側板60a〜60dの互いに近接する端部同士を連結するアングル部材(例えば、Lアングル)62a〜62dと、前記エンドプレート20a、20bと前記側板60a〜60dとを連結するそれぞれ長さの異なる連結ピン64a、64bとを備える。連結ピン64a、64bは、後述するように種々の異なる直径D1〜Dnに設定された複数の連結ピン64a、64bを備えている。
アングル部材62a〜62dは、積層体14と側板60a〜60dとの間に介装されるとともに、前記積層体14の四隅(角部)に配置される。側板60a〜60dは、比較的肉薄に構成される一方、アングル部材62a〜62dは、前記側板60a〜60dよりも肉厚に構成される。
エンドプレート20a、20bの上下各辺には、それぞれ2つのタブ部66a、66bが突出形成されるとともに、両側の各辺には、それぞれ1つのタブ部66a、66bが突出形成される。タブ部66a、66bには、孔部67a、67bが形成されている。エンドプレート20a、20bの両側の各辺下端には、マウント用ボス部68a、68bが形成される。このボス部68a、68bが、図示しない搭載部位にボルト等を介して固定されることにより、燃料電池スタック10を、例えば、車両に搭載する。
積層体14の両側に配置される側板60a、60cの長手方向両端には、タブ部70a、70bが2つずつ形成される。タブ部70a、70bには、孔部71a、71bが形成されている。積層体14の上下に配置される側板60b、60dの長手方向両端には、タブ部72a、72bが3つずつ形成される。タブ部72a、72bには、孔部73a、73bが形成されている。
側板60a、60cの各タブ部70a、70b間には、エンドプレート20a、20bの両側の各辺のタブ部66a、66bが配置されるとともに、これらに短尺な連結ピン64aが一体的に挿入されて、前記側板60a、60cが前記エンドプレート20a、20bに取り付けられる。
同様に、側板60b、60dのタブ部72a、72bがエンドプレート20a、20bの上辺及び下辺のタブ部66a、66bと交互に配置されるとともに、これらに長尺な連結ピン64bが一体的に挿入されて、前記側板60b、60dが前記エンドプレート20a、20bに取り付けられる。
側板60a〜60dには、短手方向両端縁部にそれぞれ複数の孔部74が形成される一方、アングル部材62a〜62dの各辺には、前記孔部74に対応してねじ孔76が形成される。各孔部74に挿入される各ねじ78がねじ孔76に螺合することにより、側板60a〜60dがアングル部材62a〜62dに固定される。これにより、ケーシング24が構成される(図4参照)。
図1及び図2に示すように、スペーサ部材22は、ケーシング24の内周で位置決めされるように所定の寸法に設定された矩形状を有する。このスペーサ部材22は、積層体14の積層方向の長さ変動を吸収して前記積層体14に所望の締め付け荷重を付与可能にするために、厚さが調整されており、必要に応じて用いられている。
このように構成される燃料電池スタック10を組み立てる作業について、以下に説明する。
先ず、それぞれ比較的小径な直径D1に設定された連結ピン64a、64bが選択されており、図5に示すように、前記連結ピン64aは、エンドプレート20a、20bのタブ部66a、66bと、側板60a、60cのタブ部70a、70bとに一体的に挿入される。その際、連結ピン64aの直径D1は、タブ部66a、66bの孔部67a、67b及びタブ部70a、70bの孔部71a、71bのそれぞれの開口径よりも相当に小径に設定されている。このため、エンドプレート20a、20b同士は、比較的大きな距離L1だけ離間することができる。
一方、連結ピン64bにおいても同様に、この連結ピン64bは、比較的小径な直径D1に設定される。これにより、エンドプレート20a、20bに側板60b、60dが取り付けられた状態で、前記エンドプレート20a、20b同士は、比較的大きな距離L1を保持することが可能になる。
次いで、燃料電池スタック10の動作について、以下に説明する。
この燃料電池スタック10では、先ず、図4に示すように、エンドプレート20aの酸化剤ガス供給連通孔36aに酸素含有ガス等の酸化剤ガスが供給されるとともに、燃料ガス供給連通孔40aに水素含有ガス等の燃料ガスが供給される。さらに、冷却媒体供給連通孔38aに純水やエチレングリコール等の冷却媒体が供給される。このため、積層体14では、矢印A方向に重ね合わされた複数の単位セル12に対し、酸化剤ガス、燃料ガス及び冷却媒体が矢印A方向に供給される。
図3に示すように、酸化剤ガスは、酸化剤ガス供給連通孔36aから第2金属セパレータ34の酸化剤ガス流路52に導入され、電解質膜・電極構造体30のカソード側電極46に沿って移動する。一方、燃料ガスは、燃料ガス供給連通孔40aから第1金属セパレータ32の燃料ガス流路48に導入され、電解質膜・電極構造体30のアノード側電極44に沿って移動する。
従って、各電解質膜・電極構造体30では、カソード側電極46に供給される酸化剤ガスと、アノード側電極44に供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費され、発電が行われる。
次いで、カソード側電極46に供給されて消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス排出連通孔36bに沿って流動した後、エンドプレート20aから外部に排出される。同様に、アノード側電極44に供給されて消費された燃料ガスは、燃料ガス排出連通孔40bに排出されて流動し、エンドプレート20aから外部に排出される。
また、冷却媒体は、冷却媒体供給連通孔38aから第1及び第2金属セパレータ32、34間の冷却媒体流路50に導入された後、矢印B方向に沿って流動する。この冷却媒体は、電解質膜・電極構造体30を冷却した後、冷却媒体排出連通孔38bを移動してエンドプレート20aから排出される。
ところで、上記の燃料電池スタック10では、例えば、第1及び第2金属セパレータ32、34のへたり等によって、積層体14の締め付け荷重が経時的に低下する場合がある。そこで、第1の実施形態では、比較的小径な直径D1に設定された連結ピン64a、64bに代えて、比較的大径な直径D2に設定された連結ピン64a、64bをケーシング24に組み込む作業が行われる。
その際、図6に示すように、直径D2に設定された連結ピン64aは、各タブ部66a、66b、70a及び70bの各孔部67a、67b、71a及び71bの開口径と略同一の寸法に設定されている。従って、連結ピン64aを孔部67a、71a間、67a、71b間、67b、71a間及び67b、71b間に一体的に挿入すると、エンドプレート20a、20bの距離L2が距離L1よりも短く調整される。
これにより、積層体14に対して付与される締め付け荷重が増加し、へたり等の経時変化によって締め付け荷重が低下しても、該積層体14に対して所望の締め付け荷重を確実に付与することが可能になるという効果が得られる。
一方、比較的大径な直径D2に設定された連結ピン64bは、上記の連結ピン64aと同様に、タブ部66a、66b、72a及び72bの孔部67a、67b、73a及び73bに略嵌合するように挿入される。このため、エンドプレート20a、20bの距離が有効に短尺化(距離L2)され、積層体14の締め付け荷重を増加させることができる。
このように、第1の実施形態では、それぞれ異なる直径D1、D2あるいはそれ以上の異なる直径D3〜Dnに設定された複数の連結ピン64a、64bを用意し、締め付け荷重の変化に応じて選択された連結ピン64a、64bをケーシング24に組み付けるだけで、エンドプレート20a、20b間の締め付け荷重を変えることができる。
従って、例えば、締め付けボルトの締め付け調整によって、締め付け荷重を調整する必要がなく、燃料電池スタック10の組み立て作業の簡素化が容易に遂行可能になる。
これにより、第1の実施形態では、簡単且つコンパクトな構成で、積層体14の積層方向に所望の締め付け荷重を確実に付与することができ、各単位セル12の発電性能及びシール性を維持して高品質な燃料電池スタック10が得られるという利点がある。
図7は、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池スタック80を収容した箱状ケーシング82の一部断面説明図である。なお、第1の実施形態に係る燃料電池スタック10及びケーシング24と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
ケーシング82を構成する側板60a〜60は、それぞれ長手方向両端にタブ部84が形成される。タブ部84は、積層方向に長尺な開口断面長方形状の開口部86を設け、この開口部86には、連結ピン挿入孔88a、88bが積層方向の異なる位置に選択されてエンドプレート20a、20b間の距離を調整可能な2種類の連結コマ部材90a、90bが選択的に収容される(図7及び図8参照)。
このように構成される第2の実施形態では、先ず、各タブ部84の開口部86には、連結コマ部材90aが収容されており、連結ピン92が前記連結コマ部材90aの連結ピン挿入孔88aとタブ部66a、66bとに一体的に挿入される。その際、連結コマ部材90aは、連結ピン挿入孔88aが中心位置よりも積層方向外方に偏心しており、エンドプレート20a、20b同士は、比較的大きな距離L1だけ離間することができる(図7参照)。
一方、積層体14の締め付け荷重が低下した際には、図8に示すように、連結コマ部材90aに代えて、連結コマ部材90bが使用される。ここで、連結コマ部材90bは、連結ピン挿入孔88bが略中心位置に設定されている。従って、連結ピン92が連結コマ部材90bの連結ピン挿入孔88bとタブ部66a、66bとに一体的に挿入されると、エンドプレート20a、20bの距離L2が距離L1よりも短く調整される。
これにより、積層体14に対して付与される締め付け荷重が増加し、へたり等の経時変化によって締め付け荷重が低下しても、該積層体14に対して所望の締め付け荷重を確実に付与することが可能になる等、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
本発明の実施形態に係る燃料電池スタックの一部分解概略斜視図である。 前記燃料電池スタックの一部断面側面図である。 前記燃料電池スタックを構成する単位セルの分解斜視説明図である。 前記燃料電池スタックの斜視説明図である。 前記燃料電池スタックを構成するケーシングに小径な連結ピンを組み込む際の説明図である。 前記ケーシングに大径な連結ピンを組み込む際の説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る燃料電池スタックを収容した箱状ケーシングの一部断面説明図である。 異なる連結コマ部材が用いられた前記ケーシングの一部断面説明図である。 特許文献1の燃料電池の概略説明図である。
符号の説明
10、80…燃料電池スタック 12…単位セル
14…積層体 16a、16b…ターミナルプレート
18…絶縁プレート 20a、20b…エンドプレート
22…スペーサ部材 24…ケーシング
30…電解質膜・電極構造体 32、34…金属セパレータ
42…固体高分子電解質膜 44…アノード側電極
46…カソード側電極 48…燃料ガス流路
50…冷却媒体流路 52…酸化剤ガス流路
54、56…シール部材 60a〜60d…側板
62a〜62d…アングル部材 64a、64b、92…連結ピン
66a、66b、70a、70b、72a、72b、84…タブ部
67a、67b、71a、71b、73a、73b、74…孔部
78…ねじ 88a、88b…連結ピン挿入孔
90a、90b…連結コマ部材

Claims (3)

  1. 一対の電極が電解質の両側に設けられた電解質・電極構造体を、セパレータにより挟持した単位セルを備え、前記単位セルが複数積層された積層体を箱状ケーシング内に収容する燃料電池スタックであって、
    前記ケーシングは、前記積層体の積層方向両端部に配置される端板と、
    前記積層体の側部に配置される複数の側板と、
    前記側板に設けられる第1連結部及び前記側板に設けられる第2連結部に同軸的に挿入されて前記端板と前記側板とを連結するとともに、異なる直径に選択されて該端板間の距離を調整可能な複数の連結ピンと、
    を備えることを特徴とする燃料電池スタック。
  2. 一対の電極が電解質の両側に設けられた電解質・電極構造体を、セパレータにより挟持した単位セルを備え、前記単位セルが複数積層された積層体を箱状ケーシング内に収容する燃料電池スタックであって、
    前記ケーシングは、前記積層体の積層方向両端部に配置される端板と、
    前記積層体の側部に配置される複数の側板と、
    前記側板に設けられる第1連結部又は前記側板に設けられる第2連結部に挿入され、前記端板と前記側板とを連結ピンにより連結するとともに、連結ピン挿入孔が積層方向の異なる位置に選択されて該端板間の距離を調整可能な複数の連結コマ部材と、
    を備えることを特徴とする燃料電池スタック。
  3. 請求項1又は2記載の燃料電池スタックにおいて、前記セパレータは、反応ガス流路に対応して断面凹凸形状に形成された金属プレートで構成されることを特徴とする燃料電池スタック。

JP2004084713A 2004-03-23 2004-03-23 燃料電池スタック Expired - Fee Related JP4150352B2 (ja)

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