JP4149638B2 - ディスク駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスク駆動装置に係わり、更に詳しくは、ディスク駆動装置に付設された外部接続用コネクタに対して外部コネクタを正常位置に簡単に装着し接続できるようにしたコネクタ誤装着防止構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータやOA機器の急激な普及に伴い、機器の小型化が進められている。これらの機器のディスクカートリッジに内蔵された磁気ディスクに対して情報の記録再生を行うようにしたディスク駆動装置では、ディスク駆動装置をコンピュータ本体等の外部機器に組み込んだ状態で、ディスク駆動装置に付設されたコネクタに外部機器に付設されたコネクタを接続する必要がある。
【0003】
従来より、このようなディスク駆動装置において、互いに接合一体化されて筺体を形成する上下一対のカバーの内部に、メカニズム本体と回路基板等を収納し、両カバーの前面にディスクカートリッジの挿入口を設けたものが知られている。前記メカニズム本体はディスクカートリッジのローディング機構やステッピングモータを駆動源とするヘッド移送装置から構成され、これらはシャーシ(フレーム)上に載置されている。また、前記回路基板にはシャーシの下面に固定され、この回路基板にはメカニズム本体の駆動用回路部品やコネクタが実装されている。
【0004】
上記した従来のディスク駆動装置では、ユニット化されたメカニズム本体と回路基板とを一対のカバーで上下方向から覆うようになっており、両カバーの奥行き寸法を内部ユニット体より大きくする必要があるため、装置全体の軽量化や材料の削減化が両カバーによって妨げられる。また、両カバーを接合一体化した後に、ヘッド移送機構の駆動源であるステッピングモータの取り付け位置を微調整することがあるが、従来のディスク駆動装置では、ステッピングモータが両カバーの後端開口の内部に配設されているため、調整作業が面倒であった。
【0005】
そこで、上カバーの奥行き寸法を下カバーよりも短寸とし、コネクタとステッピングモータを上カバーから露出させる改良が行われた。この場合、コネクタとステッピングモータの上方を覆っていた上カバーの一部が削除されているため、その分だけ上カバーの材料を削減できると共に、ステッピングモータの組立、調整作業も広い空間内で簡単に行うことができる。
【0006】
しかしながら、コネクタの周囲が開放空間となるため、外部コネクタをコネクタに装着する際の位置決め基準がなくなり、外部コネクタが正常位置に装着されない場合が発生し接続作業が面倒になるという問題が発生した。
【0007】
上記問題を解消するコネクタ誤装着防止構造を開示した従来技術として、例えば、特開平9−82080号公報がある。以下その概要について説明する。
【0008】
上記公報に記載の従来技術の構成は、互いに接合一体化されて筺体を形成する上下一対のカバーと、これらの上カバーと下カバー内に収納されたメカニズム本体と、このメカニズム本体の駆動用回路部品やコネクタが実装された回路基板とを備え上カバーの奥行き寸法を前記下カバーに対して短寸にすることにより、該下カバーの後端部上方を開放し、この開放部分からI/Fコネクタ及び電源コネクタを露出させ、かつ、前記下カバーの後端に前記両コネクタに接続される外部コネクタの横方向の移動を規制する規制壁を成形している。
【0009】
同公報(図3、図7及び図40)に示すように、下カバーの背面に形成された両規制壁がI/Fコネクタ及び電源コネクタの側方に位置する。従って、外部機器の雌型コネクタは規制壁によってそれぞれ横方向のズレが規制され、雌型コネクタをそれぞれの雄型コネクタに対して正常に挿入することができる。
【0010】
また、同公報(図48)に示すように、下カバーに形成される規制壁の数を増加(図48では4個)し、これらの規制壁を各雄型コネクタの左右両側に対向する位置に設けることにより外部機器の雌型コネクタの位置ズレを一層確実に防止することができる。
【0011】
外部機器の雌型コネクタとI/Fコネクタとの装着に際し、雌型コネクタの挿入方向と雌型コネクタ用ケーブルとは略直交した状態で接続されているため、規制壁が回路基板の端面より突出していると、雌型コネクタのケーブルが規制壁の端面に当接して雌型コネクタが確実に挿入されず浮いてしまうことになる。従って、雌型コネクタをI/Fコネクタに確実に挿入するには、前記規制壁を形成した下カバーの端面と回路基板の端面とは略同一になる位置かあるいは、下カバーの端面が回路基板の端面位置よりも内側に入り込むように位置しなければならない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来技術において、規制壁を各雄型コネクタの左右両側に対向する位置に設ける構造としており、上記したように、下カバーの端面と回路基板の端面とは略同一になる位置かあるいは、下カバーの端面が回路基板の端面位置よりも内側に位置するようにしなければならないので、この様な構造では回路基板の一部を切り欠いてその部分に規制壁を嵌合しなければならず、回路基板の一部を切り欠かなければならないという問題があった。
【0013】
本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、外部コネクタをディスク駆動装置のコネクタに誤装着されずに確実に接続することが可能なディスク駆動装置を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明におけるディスク駆動装置は、対向する2辺に形成された側壁部及び前記側壁部の間に形成された略矩形形状の底壁部を有するフレームと、前記フレーム底壁部の内面側に配設されディスクの記録/再生を行うヘッドを搭載したキャリッジ体と、前記フレーム底壁部の内面側に配設され前記ディスクを回転駆動するための駆動モータと、前記フレーム底壁部の外面側に配置されると共に前記キャリッジ体及び前記駆動モータを駆動制御する回路基板と、前記フレーム底壁部の外面側に位置し前記回路基板を覆うように配置された下カバーとを有するディスク駆動装置において、前記回路基板にはコネクタが設けられており、前記コネクタに接続される外部コネクタの異常な装着状態を規制する規制部を、前記フレーム側壁部に設けたことを特徴とするものである。
【0015】
また、前記コネクタは外部情報機器との電気的接続用のインターフェース(I/F)コネクタと電源接続用の電源コネクタとを含み、前記規制部を前記フレーム側壁部における前記I/Fコネクタ及び電源コネクタの近傍にそれぞれ形成したことを特徴とするものである。
【0016】
また、前記規制部は前記フレーム側壁部及び下カバーに設けたことを特徴とするものである。
【0017】
また、前記規制部はフレーム側壁部及び下カバーに一体的に形成されていることを特徴とするものである。
【0018】
また、前記コネクタは外部情報機器との電気的接続用のインターフェース(I/F)コネクタと電源接続用の電源コネクタとを含み、前記電源コネクタの規制部が形成されている前記下カバーは、前記I/Fコネクタの所に位置する下カバーよりも外方へ突出して形成されていることを特徴とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下図面に基づいて本発明におけるディスク駆動装置について説明する。図1は、本発明の実施の形態におけるディスク駆動装置の展開した分解斜視図、図2は、図1のフレームに主要部材を組み込んだ状態の斜視図、図3は、ディスク駆動装置の外観斜視図、図4は、図3のディスク駆動装置をコネクタ側からみた側面図、図5は、図3の平面図、図6は、図3の裏面図である。
【0020】
図1、図2及び図3において、図3に示すディスク駆動装置1の全体の大きな構成は、フレーム2、キャリア3、スライド板4、上カバー5、下カバー6、フロントパネル7、及びシャッタ8等により構成されている。
【0021】
前記キャリア3は、公知のディスク(図示しない)を着脱自在に保持し、スライド板4と係合された状態でフレーム2に収納されている。前記スライド板4は、水平方向に摺動可能に構成されており、ディスクを記録/再生位置及び挿入/排出状態に位置決めするためのものである。符号4aはディスクをキャリア3からイジェクトする時に指で押厚する部材であり、スライド板4に取り付けられている。
【0022】
前記フレーム2は、略矩形形状の底壁2aと、底壁2aに対向する2辺にそれぞれ上方に立ち上がった側壁2bと、この両側壁2b及び前記底面2aに対して直交する開口部(シャッタ8の取り付け位置)とを備えている。このフレーム開口部と反対側に位置し、両側壁2bの端部には後述するコネクタ誤装着防止機能を有する一対の規制部2cが形成されている。
【0023】
また、フレーム2には、ディスクに対して情報の記録及び再生を行うための上下ヘッド9を搭載したキャリッジ体10と、このキャリッジ体10をディスクに対して摺動させるためのステッピングモータ11と、ディスクを駆動するためのディスク駆動モータ12を制御しているモータ駆動回路基板13と、上、下ヘッド9に対する信号制御及びステッピングモータ11の駆動制御を行っている回路基板14とが支持されている。前記回路基板14とモータ駆動回路基板13は柔軟性接続体13aによって電気的に接続されている。下カバー6は、その側壁に形成された係止片がフレーム側壁2bの下部(底壁2a側)に係合することで、フレーム2に取り付けられる。
【0024】
また、前記回路基板14上には、外部機器接続用の接続ピンが露出したインターフェース(I/F)雄型コネクタ15と電源接続用の電源コネクタ16とが備えられている。I/F雄型コネクタ15には外部機器の雌型コネクタ17が装着され雌型コネクタ用ケーブル18により外部機器と電気的に接続されている。雌型コネクタ17と雌型コネクタ用ケーブル18とは、図1からも分かるように雌型コネクタ17の挿入方向に対して略直角に接続されているため、ケーブル18は雌型コネクタ17の底面に直交する形で配設されている。
【0025】
符号19は、フレーム開口部(シャッタ8の取付位置)近傍のフレーム底壁2aの外面側に取り付けられているスィッチ基板であり、該スイッチ基板19には、ディスクの装着の有無、ディスクの種類及びディスクの書き込み禁止等を認識するセンサが搭載されている。
【0026】
図4及び図5において、前記コネクタ誤装着防止構造について詳細に説明する。図5に示すように上カバー5の奥行き寸法が下カバー6より短寸とし、I/F雄型コネクタ15と電源コネクタ16とステッピングモータ11を上カバー5から露出させているので、ステッピングモータ11の組立、調整作業も広い空間内で簡単に行うことができる。しかし、両コネクタ15、16の周囲が開放空間となるため外部雌型コネクタを両コネクタ15、16に装着する際の位置決め及び誤装着防止部材として、フレーム2の両側壁2bの端部には規制部2cが一体的に形成されている。
【0027】
この規制部2cは両コネクタ15、16の側方(横方向)に位置している。したがって、外部機器の雌型コネクタをこれらの両コネクタ15、16に装着する際、雌型コネクタは規制部2cによって横方向のズレが規制され、雌型コネクタを両コネクタ15、16に対して誤装着することなく容易に装着することができる。
【0028】
前記コネクタ誤装着防止機能を有する規制部2cは、フレーム2の両側壁2bの端部に形成されているため、下カバー6の端面と回路基板14の端面とが略同一面になっても、従来のように、回路基板14を切り欠かなくてもすむ。また、下カバー6の端面と回路基板14の端面とは略同一面のため外部機器の雌型コネクタ17とI/F雄型コネクタ15との装着に際し、雌型コネクタ17の雌型コネクタ用ケーブル18は浮くことなく雌型コネクタ17をI/F雄型コネクタ15に確実に挿入することができる。
【0029】
また、フレーム2以外に形成されたコネクタ誤装着防止部材として、図4及び図5に示すように、前記I/Fコネクタ15と電源コネクタ16の間において下カバー6の底面から略直角に起立する規制部6aを形成している。よって、前述したフレーム2に形成された規制部2cと下カバー6に形成された規制部6aとにより各コネクタ15、16の左右両側に規制部2c、6aが位置するために、更にコネクタ誤装着は確実に防止することができる。
【0030】
一般に電源コネクタ16に装着する図示しない雌型コネクタと雌型コネクタ用ケーブルとの位置関係は、前述したI/Fコネクタ15と異なり、雌型コネクタを電源コネクタ16に挿入する方向に対して、雌型コネクタと雌型コネクタ用ケーブルとは略同一方向で略同一直線上において接続されているので、雌型コネクタの雌型コネクタ用ケーブルは規制部6aの端面に当接するおそれがない。
【0031】
従って、図5、図6に示すように、電源コネクタ16の規制部6aが形成されている下カバー6に、前記I/Fコネクタ15の位置する下カバー6よりも外方へ突出した突出部6bを形成しても支障をきたさない。その結果、回路基板14を切り欠かずに規制部6aを形成することが可能である。
【0032】
前述した構成によりディスク駆動装置1の動作について説明する。先ず、ディスクをフロントパネル7の開口部7aよりシャッタ8を押圧しながら挿入すると、ディスクはフレーム2のディスク挿入口の近傍の両側壁2bに形成されたディスク挿入ガイド部にガイドされて更に入りキャリア3に保持され記録及び再生状態に位置される。この時、キャリッジ体10の上、下ヘッド9がディスクに収納されている記録媒体にそれぞれ接触する。
【0033】
ここで、外部機器側のパソコン本体等から記録、再生、消去を行う信号が入力されると、ディスク駆動モータ12は記録媒体を回動し、キャリッジ体10が上、下ヘッド9を所定のトラックにシークさせて記録、再生、消去等を行う。また、ディスクを取り出すときは、イジェクトボタン4aを押圧して、スライド板4をフロントパネル7から離れる方向に水平移動させる。このとき、スライド板4とキャリア3との間のカム機構によりキャリア3は上方(上カバー5側)へ上昇し、ディスクは挿入/排出位置へ移動する。この状態で、ディスクが取り出される。
【0034】
図7は、本発明の第2の実施形態を示している図である。上記した第1の実施形態では、フレーム2の両側壁2bにそれぞれ規制部2cを設けると共にI/Fコネクタ15と電源コネクタ16との間に下カバー6の底面から直角に起立した規制部6aを設けて、これらの規制部2c及び6aによってI/Fコネクタ15と電源コネクタ16へ外部コネクタを正常に装着できるよな構造としていた。第2の実施形態では、フレーム2の側壁2bに形成した規制部2cをI/Fコネクタ15側にのみ設けて、電源コネクタ16における誤装着の規制を下カバー6に形成した規制部6a(電源コネクタ16の左右両側に設けた)のみで行う構造とした。
【0035】
前述したように、電源コネクタ16に接続される外部雌型コネクタは、そのコネクタケーブルがコネクタの挿入方向に対して同一方向かつ同一直線上に配設される構造なので、下カバー6の規制部6aを回路基板端面より外側に突出させることができる(回路基板を切り欠く必要がない)。従って、電源コネクタ16は誤装着の規制を下カバー6の規制部6aのみで行うことも可能となる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によるディスク駆動装置は、外部コネクタを回路基板に備えたコネクタに接続する場合、フレーム側壁部に形成された規制部により異常な装着状態を防止することができると共にフレーム側壁部に規制部を設けることにより、回路基板を切り欠く必要がない。
【0037】
また、フレーム側壁部と下カバーに形成された規制部により回路基板に備えたコネクタの左右両側が規制されるので外部コネクタは回路基板に備えたコネクタに一層確実に装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のディスク駆動装置を展開した分解斜視図である。
【図2】図1のフレームに主要部材を組み込んだ状態の斜視図である。
【図3】図1のディスク駆動装置の外観斜視図である。
【図4】図3のディスク駆動装置をコネクタ側からみた側面図である。
【図5】図3のディスク駆動装置の平面図である。
【図6】図3のディスク駆動装置を裏面図である。
【図7】第2の実施形態を示すディスク駆動装置をコネクタ側からみた側面図である。
【符号の説明】
1 ディスク駆動装置
2 フレーム
2a 底壁
2b 側壁
2c、6a 規制部
3 キャリア
4 スライド板
4a イジェクトボタン
5 上カバー
6 下カバー
6b 突出部
7 フロントパネル
8 シャッタ
9 ヘッド
10 キャリッジ体
11 ステッピングモータ
12 ディスク駆動モータ
13 モータ駆動回路基板
14 回路基板
15 I/F雄型コネクタ
16 電源コネクタ
17 雌型コネクタ
18 雌型コネクタ用ケーブル
Claims (5)
- 対向する2辺に形成された側壁部及び前記側壁部の間に形成された略矩形形状の底壁部を有するフレームと、前記フレーム底壁部の内面側に配設されディスクの記録/再生を行うヘッドを搭載したキャリッジ体と、前記フレーム底壁部の内面側に配設され前記ディスクを回転駆動するための駆動モータと、前記フレーム底壁部の外面側に配置されると共に前記キャリッジ体及び前記駆動モータを駆動制御する回路基板と、前記フレーム底壁部の外面側に位置し前記回路基板を覆うように配置された下カバーとを有するディスク駆動装置において、前記回路基板にはコネクタが設けられており、前記コネクタに接続される外部コネクタの異常な装着状態を規制する規制部を、前記フレーム側壁部に設けたことを特徴とするディスク駆動装置。
- 請求項1に記載のディスク駆動装置において、前記コネクタは外部情報機器との電気的接続用のインターフェース(I/F)コネクタと電源接続用の電源コネクタとを含み、前記規制部を前記フレーム側壁部における前記I/Fコネクタ及び電源コネクタの近傍にそれぞれ形成したことを特徴とするディスク駆動装置。
- 請求項1または2に記載のディスク駆動装置において、前記規制部は前記フレーム側壁部及び下カバーに設けたことを特徴とするディスク駆動装置。
- 請求項3に記載のディスク駆動装置において、前記規制部は前記フレーム側壁部及び下カバーに一体的に形成されていることを特徴とするディスク駆動装置。
- 請求項3に記載のディスク駆動装置において、前記コネクタは外部情報機器との電気的接続用のインターフェース(I/F)コネクタと電源接続用の電源コネクタとを含み、前記電源コネクタの規制部が形成されている前記下カバーは、前記I/Fコネクタの所に位置する下カバーよりも外方へ突出して形成されていることを特徴とするディスク駆動装置。
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