JP4149152B2 - 自動二輪車におけるエンジン補器類の配置構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動二輪車におけるエンジン補器類の配置構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動二輪車は駆動源としてエンジンを搭載しているが、該エンジンの近傍には、燃料ポンプやイグニッションコイル等種々のエンジン補器類が配置される。
従来、これらのエンジン補器類は、車体フレームから延びるステーを介して支持したり、バッテリーケース等箱部材の壁部を利用して取り付けたりしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のエンジン補器類の配置構造にあっては、車体フレームにステーを介して支持する場合、専用のステーを設けなければならず、部品点数が増す、またそれに伴い、コストがアップする、また重量が嵩むという問題があった。
【0004】
また、バッテリーケース等箱部材の壁部を利用して取り付ける場合、バッテリーケース自体のスペースの他に、その近傍にエンジン補器類を取り付けるためのスペースを確保しなければならず、バッテリーケース等箱部材のレイアウト上大きな制約を受けるという問題があった。
【0005】
上記事情に鑑みてなされたもので、本発明は、専用の支持部材を用いる必要がなく、しかも、バッテリーケース等のエンジン近傍の部材をレイアウトする上で支障なくエンジン補器類を支持することができる、自動二輪車におけるエンジン補器類の配置構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の自動二輪車におけるエンジン補器類の配置構造は、該左右一対のパイプ材の上側に配置されるメインシートと、該メインシートの前方に配置される燃料タンクと、燃料タンクの下方に配置されるエンジンとを支持する自動二輪車において、
前記左右一対のパイプ材に跨るように配置されるセンターカバーが、前記メインシートの前端部の下方で上下に延在する板状部と、該板状部の左右に後方へ延びるように設けられる起立部とを有し、前記板状部には、後方へ延びる係止部が設けられ、この係止部に、前記左右一対のパイプ材の間に位置する燃料ポンプが支持されていることを特徴としている。
【0007】
このように、車体フレームの左右一対のパイプ材に跨るセンターカバーにエンジン補器類を支持させており、したがって、エンジン補器類取付用の専用のステーを取り付ける必要がなくなり、もって、この専用のステーを取り付ける必要がなくなる分、部品点数を減らすことができる。バッテリーケース等他の部材をレイアウトする場合でも、それらバッテリーケース等にエンジン補器類を組み付ける必要がなくなるため、バッテリーケース自体のみの配置スペースを確保すれば足り、該バッテリケース等のレイアウトの自由度も増す。また、車体フレームには、エンジン補器類取付のための専用の被取付部を確保する必要がなくなり、もって、車体フレームの設計の自由度も高まる。
さらに、センターカバーによって車体フレームの左右のパイプ材が連結されるため、外観部材であるセンターカバーによって車体フレームの強度をアップさせることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図面を参照しつつ以下に説明する。なお説明中、前後および左右といった方向の記載は、車体に対しての方向としている。
【0011】
図1は、本実施形態が適用される自動二輪車の全体構成の側面図を示している。
【0012】
この自動二輪車1は、いわゆるアメリカンタイプのものであり、車体フレーム2と、車体フレーム2の前端部に回動可能に支持された左右一対のフロントフォーク3と、これらフロントフォーク3の上部に設けられたヘッドライト4と、フロントフォーク3のヘッドライト4よりも下側に設けられた左右一対のフロントウインカ5と、フロントフォーク3の上端部に取り付けられて車体前部の上部に配置された操舵用のハンドル6とを有している。
【0013】
また、この自動二輪車1は、フロントフォーク3に回転自在に支持された前輪7と、フロントフォーク3に支持されて前輪7の上側を覆うフロントフェンダ8と、車体フレーム2に支持されたエンジン9と、エンジン9の前方に配置されたラジエータ10と、車体フレーム2によって車体の後部に左右方向に沿う軸線回りに揺動可能に設けられるリヤスイングアーム部11と、このリヤスイングアーム部11の後端部に回転自在に懸架されるとともにエンジン9の駆動力で回転する後輪12と、車体フレーム2に支持されて後輪12の上側を覆うリヤフェンダ13とを有している。
【0014】
さらに、この自動二輪車1は、車体フレーム2の上部に配置されたティアドロップ型の燃料タンク14と、この燃料タンク14の後方に配置された運転者が着座するメインシート15と、このメインシート15の後側のリヤフェンダ13上に設けられて同乗者が着座するピリオンシート16と、リヤフェンダ13の後部に設けられた左右一対のリヤウインカ17と、リヤフェンダ13の後部中央に設けられたブレーキランプ18と、リヤフェンダ13の後端部に設けられたライセンスプレート取付部19とを有している。
【0015】
車体フレーム2は、図2および図3にも示すように、前端のヘッドパイプ21と、このヘッドパイプ21の上部から後方に延出するメインパイプ22と、メインパイプ22の後部に溶接されるアッパーパイプジョイント23と、このアッパーパイプジョイント23から左右に分かれて後方に延出する左右一対のセンターアッパーパイプ24と、各センターアッパーパイプ24にそれぞれ連結される左右一対のリヤブラケット25と、左右のリヤブラケット25同士を連結させるリヤクロスパイプ26と、各センターアッパーパイプ24から下方に延出するセンターパイプ27と、各リヤブラケット25から下方に延出するリヤパイプ28と、センターパイプ27およびリヤパイプ28の下側に連結される左右一対のピボットプレート29と、左右のピボットプレート29同士を上部において連結させるクロスパイプ30と、左右のピボットプレート29同士を下部において連結させるクロスパイプ31と、ヘッドパイプ21の下部に溶接されるガセット32と、このガセット32から左右にわかれて下方かつ若干斜め後方傾斜しながら延び、下部から略水平後方に延びてピボットプレート29に連結される左右一対のダウンパイプ33と、ガセット32とメインパイプ22とをメインパイプ22の下側で連結させるサブパイプ34と、左右のダウンパイプ33同士を連結させるフロントクロスパイプ35とを有している。
【0016】
エンジン9は、シリンダヘッド部37およびシリンダ部36を備えた前後一対のシリンダブロック38と、これらシリンダブロック38の下に連設されたクランクケース39とを有するV型二気筒4サイクル型エンジンであり、エンジン9のクランクケース39の後側にはトランスミッション40が連結されている。エンジン9およびトランスミッション40は、クランクケース39の前部がダウンパイプ33にブラケット42を介して連結されるとともに、クランクケース39の中間部がフロントクロスパイプ35にブラケット43を介して連結され、トランスミッション40の後側下部がブラケット44を介してクロスパイプ31に連結され、さらに、トランスミッション40の後側上部がブラケット45を介してクロスパイプ30に連結されることにより、車体フレーム2に支持されている。
【0017】
リヤスイングアーム部11は、その前端の基部から左右一対のフォーク部46が後方に延びてなるもので、基部が左右のピボットプレート29に設けられたピボット47に枢支されることにより、このピボット47を軸に鉛直方向に揺動可能となっている。また、リヤスイングアーム部11の各先端側と各リヤブラケット25との間には左右一対のリヤクッションユニット48が介装されており、これにより後輪12が路面から受ける振動を緩和吸収するようになっている。
【0018】
次に、前記フロントウィンカ(ウィンカ装置)5は、図4、図5に示すように、自動二輪車1のフロントフォーク3に取り付けたウィンカーホルダー102と、このウィンカーホルダー102の外側部にウィンカ支持基部103aを介して支持したウィンカ103と、このウィンカ103から導出され、前記ウィンカホルダー102の内部を通して外部に取り出されたウィンカコード104とを備えている。
【0019】
前記ウィンカホルダー102は、フロントフォーク3の外周部の直径と略等しい内径の軸穴102aを有する円筒状体の一側部(外側部)に円柱状の突出部102bを設けた部材を、前記円筒状体の軸方向に沿う平面で略二等分割した形状とされた一対のホルダー部材105,106からなり、前記フロントフォーク3を挟むようにして該フロントフォーク3の前後に各ホルダー部材105,106を配置して、一方(前方)のホルダー部材105の両側に設けたねじ孔105a,105aに、他方の(後方)のホルダー部材106の両側にあけたボルト穴106a,106aから挿通したボルト107,107を螺合して締め付けることにより、前記フロントフォーク3に着脱自在に取り付けられている。
【0020】
前記一方のホルダー部材105の外側部の突出部105bは、他方のホルダー部材106側の部分が切欠き平面105cとされた略円柱状をなしており、該突出部105bが前記ウィンカ103のウィンカ支持基部103aに、ねじその他の適宜締結手段によって取り外し可能に連結されることにより、前記ウィンカ103がホルダー部材105に支持されるようになっている。
【0021】
また、前記一方のホルダー部材105には、図6に示すように、外端部側(ウィンカ支持基部103a側)に開口するとともに他方のホルダー部材106側に開口する側面視でクランク状をした溝105dが、突出部105bの軸線方向(ウィンカホルダー102の軸方向Sに直交する方向)に沿って前記ねじ孔105aの近接部まで延長した後該ねじ孔105aを下方に迂回してホルダー部材105のフロントフォーク3の外周面に接する内周部に連続して形成されている。
【0022】
なお、前記溝105dのねじ孔105aの下側に位置する溝部分105fは横断面が略半円形に形成されている。前記溝105dの突出部105bの軸線方向に沿う溝部分105eは、溝として形成せずに、他方のホルダー部材106側を閉鎖した孔として形成してもよい。前記溝105dの溝幅ないしは溝105dに代わる孔の直径は前記ウィンカコード104の直径よりやや大きくされている。
【0023】
また、前記他方のホルダー部材106は、図7に示すように、外端部側(ウィンカ支持基部103a側)に、前記一方のホルダー部材105の突出部105bの切欠き平面105cに接合面106bを当接するとともに、外端部106cを前記ウィンカ支持基部103aに当接して前記突出部105bと一緒に円柱状の突出部102bを形成する突出部106dが設けられている。そして、他方のホルダー部材106の内側には、前記一方のホルダー部材105における溝部分105fに一端側が連絡され、ウィンカホルダー102の軸孔102aの方向Sに直交する方向に延長された後他端側(前記突出部106dと反対側)において下方に開口する溝106eが設けられている。
【0024】
前記溝106eは、前記ウィンカコード104の直径よりやや大きい溝幅と溝深さを有し前記フロントフォーク3に接する円弧状内周面106fの周方向に沿って形成された環状溝106gと、該環状溝106gの一端側(前記突出部106bのある側)に連絡されて一方のホルダー部材105に接する他方のホルダー部材106の当接面106hに沿って形成され、ウィンカコード104の直径よりやや大きい直径の半円形状の横断面を有する溝部分106iと、一方のホルダー部材105に間隙105gをあけて対面する他方のホルダー部材106の対向面106jの近傍位置に形成され、上端(図7で下端)が前記環状溝106gの他端側(前記突出部106bのある側と反対側)に連絡され、下端(図7で上端)が他方のホルダー部材106の下端面(図7で上端面)106kに開口している前記ウィンカコード104の直径よりやや大きい溝幅と溝深さを有する溝部分106mとからなっている。
【0025】
前記一方のホルダー部材105の溝105dと他方のホルダー部材106の溝106eとは、ウィンカホルダー102の内部にウィンカコード104を挿通するコード挿通孔108を構成し、このコード挿通孔108において、前記ウィンカ103のウィンカ支持基部103aから導出されたウィンカコード104が、突出部105bの溝部分105eに通された後、ボルト孔105aを迂回して溝部分105f、106iから環状溝106gを通ってフロントフォーク3の外周部を半周して、溝部分106mを経て他方のホルダー部材106の下端から外部に取り出され、所要の個所に向けて配線されている。
【0026】
なお、図示されていないが、ウィンカホルダー102の突出部102b(突出部105b,106b)とウィンカ103のウィンカ支持基部103aとの取付部にはシールが設けられ、前記コード挿通孔108を通して雨水がウィンカ103の内部に入らないようになっている。
また、前記フロントウィンカ5はフロントフォーク3の右側(自動二輪車1の走行方向に向って右側)のパイプに取り付けたものとして示したが、フロントフォーク3の左側に取り付けるフロントウィンカ(ウィンカ装置)は、右側のフロントウィンカ5と互い違いになっている点を除いて、構成が同一となっている。
【0027】
前記ライセンスプレート取付部19には、ライセンスライト110とこれによって照明されるライセンスプレート(ナンバープレート)111とが取り付けられている。
すなわち、図8に示すように、リヤフェンダ13の後端部には、略菱形状の開口部112に対応する裏面側に上方に3個の雌ねじ部材113を有する取付板114が固定されていると共に、前記開口部112の周縁を囲むようにして表面側に略菱形リング状のクッションラバー115が固着されており、ライセンスライト110における丸みを帯びた略菱形状のライトカバー116(図9参照)が該クッションラバー115の周囲に沿って形成した環状溝115aに周縁を装着して、前記開口部112を覆うようにして設けられている。
【0028】
そして、前記ライトカバー116には、上方に前記雌ねじ部材113を通す3個の挿通穴116aが設けられると共に、下方に、上方から見て車体の後方側が凸部となる略円弧状ないしは凸部が丸みを帯びた三角形状の開口116bを上部に有するライト格納部116cが設けられ、該ライト格納部116cにライセンスライト110におけるライト本体117が装着されている。また、前記ライトカバー116の挿通孔116aに通した前記取付板114の雌ねじ部材113に取付プレート118がボルト118aにより固定され、該取付プレート118に支持板119を介して前記ナンバープレート111が固定されている。
【0029】
前記ランプ本体117は、ベース120と、ソケット121にねじ合わせられ前記ベース120に設けたバヨネット式の取付穴122に通して該ベース120に固定されたランプ123と、該ランプ123を囲むようにして前記ベース120に固定したレンズ124とを備えている。該レンズ124は、上方から見て車体の後方側が凸部となる略円弧状ないしは凸部が丸みを帯びた三角形状の水平な上面部125と、該上面部125の周囲に下方に向けて接続した垂直状の側面部126と、上面部125と側面部126の基部に沿って接続された筒状の胴面部127とからなり、車体の中心線に沿った断面が一辺(斜め下方)を開放した略5角形状をしており、前記胴面部127の自由端の一部個所が前記ベース120の表面に溶着等により接合され、これによりレンズ124がベース120に一体的に結合されている。
【0030】
また、前記レンズ124の上面部125は、図10に示すように、外形が上方から見て車体の後方側が凸部となる略円弧状ないしは凸部が丸みを帯びた三角形状をしており、その基部側における一方(ランプ123に隣接する内側)のレンズ面125aにはプリズム128が設けられ、他方(ランプ123から離れた外側)のレンズ面125bは平滑面とされている。前記プリズム128は、車体の中心線に対して平行に向けたプリズム要素128aを、該中心線に対して直角な方向に沿って複数個配列されて構成されている。各プリズム要素128aは頂部をランプ123側に向けて突出した前後方向が長い四角錐形状をしており、前記上面部125のレンズ面125aに、所謂、フィッシュアイカット面として一体に形成されている。
【0031】
また、前記側面部126は、上面部125の外形にほぼ沿った曲面に形成されており、前記ランプ123に隣接する側の内面の上方側には、前記プリズム128の近接部に及ぶ曲面の範囲に亘ってランプ123の光を反射させる粗面加工が施された反射面126aが設けられている。
前記構成のランプ本体117は、前記レンズ124の凸部を車体の後方に向け上面部125を上にした状態で、前記ライトカバー116のライト格納部116cに挿入されて、上面部125を開口116bに露出されるとともに、側面部126をライト格納部116における、レンズ124の側面部126と同様な曲面に形成された後壁面116dの裏面側に当接されて、図示しないボルトにより前記後壁面116dの裏面に前記側面部126が固定されることにより、ライト格納部116cに装着されている。なお、図中符号129は、ランプ123のソケット122側を覆う背面カバーで、上端側を前記取付板114の係合穴に挿入して係止され、下端側をボルト130で取付板114に固定されている。
【0032】
次に、ライセンスプレート111のライセンスプレート取付部19に対して取り付けるための前記取付プレート118と支持板119について、図11を参照しながら説明する。
前記取付プレート118は、僅かに横長で下端部側に左右に突き出した張出部118b,118bを有する略矩形状の板材で形成され、その中央部には、下方に横長の略矩形状の切欠き部130が設けられているとともに、該切欠き部130の上方に三角錐状の凹部131が設けられ、さらに、該凹部131からその上方に連なって設けられた扁平な凹所132にボルト穴132aが明けられている。
【0033】
前記凹部131の三角錐の底面に相当する三角形状の取付板部131aは、車体の前方側が高くなるように傾斜され、三角形の各頂部に相当する位置近くに3つのボルト穴131bが明けられており、該ボルト穴131bから挿通した前記ボルト118aを、前記ライセンスプレート取付部19の取付板114(図8参照)に固定されている前記雌ねじ部材113に螺合して締め付けることにより、前記取付プレート118が、前記ライセンスライト110のライト本体117の前方上部に板面を垂直にした状態で、ライセンスプレート取付部19に取り付けられている。
【0034】
さらに、前記取付プレート118には、前記切欠き部130の上端近くの両側の対称位置に、ライセンスプレート取付け用のボルト穴133,133とそれらのやや上方にあって横方向に長い長穴134,134が設けられているとともに、該長穴134,134の上方に位置して、下側が四角形穴135,135とされ上側が該四角形穴135,135に連絡されて上方に取付プレート118の上端近くまで延長されている縦長のスライド穴136,136とが設けられ、また、前記切欠き部130の両側における前記ボルト穴133より下方の位置にはリフレクター取付用穴137,137が設けられている。
【0035】
また、前記支持板119は、前記取付プレート118の上半部の幅と同じ幅を有する横長の矩形状の板材で形成され、中央には、前面119aに前記取付プレート118の凹所132の後面に当接する座部138が突出して設けられるとともに、該座部138を貫通する縦長のボルト穴139があけられ、さらに、後面119bに前記ボルト穴139の周囲が凹部とされて座面140が形成されている。
【0036】
また、前記支持板119の後面119bには、上端部の両側の対称位置に後面側に突出して下方に折曲したフック片141,141が設けられるとともに、下端部近くの両側の対称位置に前面119a側に突出して横断面がT字状の係合部142,142が設けられている。該係合部141,141は、前記取付プレート118の四角形穴135,135を通過可能な正面視で四角形をしており、前記係合部142のT字の縦辺部142aが前記取付プレート118のスライド穴136に挿通され、T字の横辺部142bが取付プレート118の前面に係合し得るようになっている。
【0037】
そして、上記のように形成された取付プレート118と支持板119において、支持板119の係合部142,142を取付プレート118の四角形穴135,135に挿通して両者を背中合わせにして当接させた後、取付プレート118に対して支持板119を上方へ滑らすと、取付プレート118のスライド穴136,136に支持板119の係合部142,142の縦辺部142aが挿通されて横辺部142bが取付プレート118に係合するので、取付プレート118と支持板119とは前後に相対的に動かないようなる。この状態で、取付プレート118に対する支持板119の高さ位置を決めたところで、取付ボルト143を支持板119の後面側から前記ボルト穴139と取付プレート118のボルト穴132aに挿通し、取付プレート118の前面側でナットを螺合して仮締めして取付プレート118に支持板119を支持する。
【0038】
次に、ライセンスプレート111を、その上端縁が前記支持板119のフック片141,141の内側に当接するようにして支持板119の後面に突き合わせ、下端部の両側に設けられているボルト穴111a,111aを前記取付プレート118のボルト穴133,133または長穴134,134に位置合わせした後、それらにライセンスプレート111の後面側から取付ボルト144を挿通して、取付プレート118の前面側でナットを螺合して締め付けることにより、ライセンスプレート111を取付プレート118に固定する。
【0039】
前記ライセンスプレート111のボルト穴111a,111aと取付プレート118のボルト穴133,133または長穴134,134との穴の位置合わせの際は、支持板119をスライド穴136,136と係合部142,142の係合を介して取付プレート118に対して上下に移動調節し、両者の穴の位置が合ったところで、前記支持板119のボルト穴139と取付プレート118のボルト穴132aに挿通して仮締めしておいた取付ボルト143を本締めして取付プレート118に支持板119をしっかりと固定する。
【0040】
なお、前記取付プレート118と支持板119は、黒色材質の材料を使用しもしくは適宜材料に黒色塗料を塗装することによって色調が黒色になっており、取付プレート118と支持板119を組み合わせて構成されるライセンスプレート用取付面が、二輪車の仕向地によって異なる仕様のライセンスプレート111に対応するに十分な大きさの幅と高さの寸法が設定されており、ライセンスプレート111の裏面が、取付プレート118と支持板119の前方においてリヤフェンダ13に取り付けられているブレーキランプユニット18内のテールライト145によって直接照射されないようになっている。
【0041】
ラジエータ10によるエンジン冷却及びそれに付随する気化器の加温装置201について説明すると、図12に示すように、前記エンジン9のトランスミッション40の側部には冷却水ポンプ202が配設され、この冷却水ポンプ202の吐出口は、エンジン冷却水配管203を介して前記エンジン9の図12における右側のシリンダ部36のエンジン冷却水流入口に接続されている。この右側にシリンダ部36に流入されたエンジン冷却水は、同シリンダ部36の壁部に形成された図示せぬウォータジャケットを通過した後2つに分かれ、その内の一つは、このシリンダ部36のエンジン冷却水流入口とは逆側に形成されたエンジン冷却水流出口に至り、他の一つはその上方の右側のシリンダヘッド部37の上面部に形成されたエンジン冷却水流出口に至る。
【0042】
右側のシリンダ部36のエンジン冷却水流出口はエンジン冷却水連通管204を介して左側のシリンダ部36のエンジン冷却水流入口に接続される。この左側のシリンダ部36に流入されたエンジン冷却水は、同シリンダ部36の壁部に形成された図示せぬウォータジャケットを通過した後、その上方の左側のシリンダヘッド部37の上面部に形成されたエンジン冷却水流出口に至る。そして、この左側のシリンダヘッド部37のエンジン冷却水流出口は、エンジン冷却水配管205を介して、メインパイプ22の下方に配置されたサーモスタット弁206の弁ケースの流入口に接続される。一方、前記右側のシリンダヘッド部37のエンジン冷却水流出口は、エンジン冷却水配管207を介してサーモスタット弁206の弁ケースの流入口に接続される。
【0043】
サーモスタット弁206の流出口はエンジン冷却水配管208を介してラジエータ10の上部流入口に接続され、ラジエータ10の下部流出口はエンジン冷却水配管209を介して前記冷却水ポンプ202の吸込口に接続される。
【0044】
前記左右のシリンダ部36、36を接続するエンジン冷却水連通管204からは気化器加温配管211が分岐され、この気化器加温配管211の先端は気化器212に形成されたエンジン冷却水流入口に接続されている。また、気化器212に設けられたエンジン冷却水流出口からは気化器加温配管213が延び、この下流側の気化器加温配管213は、前記サーモスタット弁206の弁ケースの流出口と前記冷却水ポンプ202の吸込口とを接続するバイパス配管214に、合流部215を介して接続される。
【0045】
ここで、前記エンジン冷却水配管203、エンジン冷却水連通管204、エンジン冷却水配管205,207,208,209は、エンジン9とラジエータ10とを接続する循環経路であるラジエータ配管を構成する。また、このラジエータ配管のエンジン冷却水配管208,209の内径は、バイパス配管214の内径よりも大きく設定されている。
また、前記サーモスタット弁206は内部を流れるエンジン冷却水の温度によって開閉するものであり、例えば、「閉」のときにはエンジン冷却水配管205、207をエンジン冷却水配管208とは連通させずバイパス配管214のみに連通し、「開」のときにはエンジン冷却水配管205,207をエンジン冷却水配管208およびバイパス配管管214双方に連通するものである。
【0046】
そして、エンジン9の始動に伴い冷却水ポンプ202が始動するが、エンジン冷却水の温度が所定温度に達していないときには、サーモスタット弁206が閉じたままであり、エンジン冷却水は、冷却水ポンプ202からエンジン冷却水配管203、左右のシリンダ部36,エンジン冷却水配管205,207、サーモスタット弁206の弁ケース、バイパス配管214を経て再び冷却水ポンプ202へ戻る経路を循環する。
このとき、右側のシリンダ部36を通過後の適宜加温されたエンジン冷却水が、エンジン冷却水連通管204を通過するとき、その一部が分岐されて気化器加温配管211を通って気化器212に導かれ、該気化器212を加温する。加温した後のエンジン冷却水は、気化器加温配管213およびバイパス配管214を経て再び冷却水ポンプ202へ戻る。
【0047】
その後、エンジン冷却水の温度が上昇し、所定温度を超えるとサーモスタット弁206が開く。すると、エンジン冷却水配管205、207から、エンジン冷却水配管208を通してラジエータ10へ至りそこからエンジン冷却水配管209を経て再び冷却水ポンプ202へ戻る経路が開かれ、この経路へもエンジン冷却水が循環することとなる。つまり、ラジエータ10を用いたエンジン冷却が始まる。
【0048】
このとき、配管抵抗の関係から、前記バイパス配管214を流れるエンジン冷却水の流量は減少し、ラジエータ10側を通過する経路(ラジエータ配管系)を流れるエンジン冷却水の流量が多くなる。したがって、気化器212を流れるエンジン冷却水の流量は必然的に減少し、気化器212を必要以上加温することがなくなる。
【0049】
車体略中央のエンジン補器類の配置構造およびイグニッションスイッチの取付構造について説明すると、図13に示すように、車体フレーム2のクロスパイプ30に取り付けられたブラケット45には、エンジン9を支持するためのエンジンハンガー220が、車体フレーム2の左右一対のパイプ材24,27に跨るように取り付けられている。また、左右のセンターパイプ27の前側にはセンターカバー221が、エンジンハンガー220とセンターパイプ27に取り付けられたブラケット222により支持されて取り付けられている(図17参照)。
ここで、エンジンハンガー220は、エンジン9とセンターカバー221を支持する他、イグニッションスイッチ223も支持する機能を持つ。これについては後に詳述する。
【0050】
センターカバー221は、図15〜図18に示すように、略方形状に形成された板状部225と、該板状部225の左右に、当該センターカバー221が車体フレームに組み付けられたとき車体を基準に後方へ延びるように設けられた起立部226とを有する樹脂製のものである。左右の起立部226には、図17に示すように、それぞれ上下に被係止孔227が設けられ、これら被係止孔227が、前記エンジンハンガー220およびブラケット222に形成された係止孔に合致された状態でボルト等の適宜固定手段により固定され、これによって、当該センターカバー221は車体フレーム2に固定される。
なお、センターカバー221は樹脂製に限らず、アルミニウム合金等金属製のものであってもよい。
【0051】
図15に示すように、センターカバー221の板状部225の上部には部品取付孔228が2個適宜間隔をあけて設けられ、この部品取付孔228にはボルト等の固定手段を介してイグニッションコイル229が取り付けられている。また、図16〜図18に示すように、板状部225の下部には車体を基準に後方へ延びる舌片係止部230が上下方向に適宜間隔をあけて設けられ、この舌片係止部230が、燃料ポンプ231の側方に形成された係合孔232に挿入係止されることにより、燃料ポンプ231がセンターカバー221に横置きの状態で取り付けられている。
なお、図13中233は燃料タンク14からフィルタ234を介して燃料ポンプ231へ燃料を供給するパイプであり、235は燃料ポンプ231から気化器212へ燃料を供給するパイプを示す。
【0052】
前記エンジンハンガー220は、図19に示すように、略ひし形状に形成されていて、同図における右側(車体組付時において車体後方)の端部近傍には被係止孔240が上下に所定間隔をあけて形成され、また上部中央には係止孔241が形成され、さらに左側端部近傍には係止孔242が形成されている。被係止孔240は、車体フレーム2のクロスパイプ30に取り付けられたブラケット45の係止孔に合致された状態でボルト等の固定手段を介して固定される部分であり、係止孔241はボルト等の適宜固定手段を介してセンターカバー221の下部を係止する部分であり、係止孔242はボルト等の固定手段を介してエンジン9を係止する部分である。
【0053】
エンジンハンガー220には、エンジンの懸架方向とは異なる方向(図19において上方)へ延びる延出部244が設けられ、この延出部244にはその長さ方向に間隔をあけて係止孔245が2つ形成されている。これら係止孔245にはイグニッションスイッチ223がステー247を介して取り付けられている(図13参照)。
ステー247は、図20に示すように、右側(組付時において後方)端部近傍にエンジンハンガー220に固定される被係止孔248が上下に間隔をあけて形成され、左側端部近傍には、イグニションスイッチ229の取付孔に合致する係止孔249が形成され、さらに、左側縁部には車体組付時に内方へ起立するよう折り曲げられて補強部250が形成されている。
なお、ステー247の被係止孔248は、エンジンハンガー220の係止孔245に対応する。
【0054】
次に、書類や工具の収納装置について説明すると、図13、図14に示すように、センターカバー221の後方であって、車体フレーム2のセンターパイプ27と、リヤパイプ28と、さらにメインシート15とによって囲まれた部分には、バッテリーケース261が配置されている。
バッテリーケース261は、図21〜図24に示すように、バッテリを収納するバッテリ収納部262の他、書類と工具を収納する書類・工具収納部263が一体に形成されている。つまり、このバッテリケース261では、図21,図22における右側(車体組付時において後部側)がバッテリ収納部262とされ、その前側が書類・工具収納部263とされている。
【0055】
また、バッテリーケース261は、図24に示すように、下側のケース本体264と、このケース本体264の開放された上方を覆うよう適宜固定手段でケース本体264に固定される蓋265とに分かれる。さらに、蓋265は、バッテリ収納部262の上方を覆う第1の蓋266と、書類・工具収納部263の上方を覆う第2の蓋267に分かれる。それらケース本体264と第1の蓋266および第2の蓋267はそれぞれ樹脂のブロー成型により作られる。
【0056】
ケース本体264は、バッテリ収納部262を画成する第1の箱状部分268と、該箱状部分268の図21,図22における左側に形成されて書類・工具収納部263を画成する第2の箱状部分269とからなる。第1の箱状部材268と第2の箱状部材269との間には両者を仕切る隔壁270が設けられる。そして、ケース本体264は、外側に取り付けられるサポートステー271によって車体フレーム2側に固定される(図13参照)。
【0057】
図21,図24に示すように、前記書類・工具収納部を画成する第2の箱状部材269の側方には、書類Sや工具Tを出し入れするための開口273が設けられる。前記書類・工具収納部263は、開口273に近い側と開口273の奥側とに2つに分かれており、それら収納部のうち開口に近い側が工具収納部274、開口の奥側が書類収納部275とされている。
【0058】
第2の蓋267には、工具収納部274の図24における下側壁に形成される前記開口273を塞ぐ開閉蓋277も一体に形成されている。開閉蓋277は、ケース本体264へ組み込まれた時に工具収納部263の外壁角部に対向する部分が薄肉部278とされ、この薄肉部278から外方へ折り曲げられるようになっている。また、開閉蓋277には、ケース本体264の係止部279に係止されるロック部280が設けられ、ロック部280を介して前記開口273を塞ぐ状態が維持できるようになっている。図24には、開口273をあけて書類Sや工具Tを、書類・工具収納部263に収納する手順を示している。
【0059】
なお、前記書類等を出し入れするための開口273は、当該バッテリケース261が車体フレーム2に組み込まれたときに、センターパイプ27とリヤパイプ28との間の開口部分から外部へ露出するようにその位置が設定されている。
【0060】
リヤフェンダ13について説明すると、このリヤフェンダ13は、図25にも示すように、鉄板等の薄板部材が断面U字状にプレス成形されてなるものであって、後輪12の外周面に沿うようそれに対し適宜間隔をあけて配置される円弧面部301と、該円弧面部301の左右両縁部からそれぞれ後輪の中心軸線側へ延びる略扇状に形成された左右の側面302とを備えるものである。
また、リヤフェンダ13には、被取付部となる係止孔303が円弧面部301と左右の側面302の所要個所にそれぞれ設けられ、この係止孔303に例えばボルトを通されナットにより締め付けられることにより、当該リヤフェンダ13は車体フレーム2に取り付けられる。ここで、前記係止孔303はリヤフェンダ13の前後方向略中央部に形成されている。
【0061】
また、リヤフェンダ13の側面302であって、前記被取付部となる係止孔303が形成された部分から離れた位置である後端部には幅広部304が形成されている。幅広部304はその幅寸法Waが、他の側面302の幅寸法Wbに比べ大になっている。そして、幅広部304には、3条の凹部305が互いに適宜間隔をあけて車体前後方向に延びるように形成されている。また、これら凹部305からなる補強部306は、リヤフェンダの側面302の幅方向中央よりも、側面の開放縁側である内方に寄った位置に形成されている。
また、これら凹部305は、当該リヤフェンダ13がプレス加工される際に一体に形成されるものである。
【0062】
上記した各シリンダブロック38のシリンダヘッド部37には、図26および図27に示すように、それぞれエンジン9の排気音を消音するためのマフラが接続されている。前側のシリンダブロック38のシリンダヘッド部37に連結されるマフラ501は、シリンダヘッド部37に連結されるエキゾーストパイプ部502およびこのエキゾーストパイプ部502よりも大径で消音を行うサイレンサ部503を有している。このマフラ501は、エキゾーストパイプ部502がシリンダブロック38に対する連結端部から下方に延びエンジン9の下側において屈曲してクランクケース39およびトランスミッション40の下部に沿って水平後方に延び、トランスミッション40の後側においてサイレンサ部503に接続されている。なお、このサイレンサ部503は車体の右側に配置されている。また、このマフラ501においては、エキゾーストパイプ部502とは別体で製作されこのエキゾーストパイプ部502の中間部に組み付けられる触媒支持部504に図示せぬ三元触媒が配置されており、活性化までの時間短縮化による始動時の触媒性能の向上を図っている。
【0063】
また、後側のシリンダブロック38のシリンダヘッド部37に連結されるマフラ506も、シリンダヘッド部37に連結されるエキゾーストパイプ部507およびこのエキゾーストパイプ部507よりも大径で消音を行うサイレンサ部508を有している。このマフラ506は、エキゾーストパイプ部507がシリンダブロック38に対する連結端部から後方に延びトランスミッション40上部に沿って後方かつ斜め下方に延びた後、水平後方に延び、サイレンサ部508に接続されている。なお、このサイレンサ部508は上記サイレンサ部503と同側である車体の右側に配置されている。また、このマフラ506においても、エキゾーストパイプ部507とは別体で製作されこのエキゾーストパイプ部507の中間部に組み付けられる触媒支持部509に図示せぬ三元触媒が配置されており、活性化までの時間短縮化による始動時の触媒性能の向上を図っている。
【0064】
二本のマフラ501およびマフラ506は、サイレンサ部503およびサイレンサ部508が、互いに上下に離間して水平に配置されている。また、下側のサイレンサ部503は、その後端部が後輪12の軸線に近接する位置まで水平延在しており、上側のサイレンサ部508は、サイレンサ部503よりもさらに後側まで水平延在している。
【0065】
そして、下側のマフラ501のサイレンサ部503は、図27に示すように、リヤスイングアーム部11の右側のフォーク部46の鉛直下方に配置されている。すなわち、このサイレンサ部503は、上下方向においてはリヤスイングアーム部11の右側のフォーク部46に対し下側に位置をずらし、かつ左右方向においては、その一部がリヤスイングアーム部11の右側のフォーク部46と重なり合っている。
【0066】
また、上側のマフラ506のサイレンサ部508は、下側のサイレンサ部503よりも車体の左右方向における外側に配置されており、リヤスイングアーム部11のフォーク部46の右方外側に配置されている。すなわち、このサイレンサ部508は、上下方向においてはその一部がリヤスイングアーム部11の右側のフォーク部46と重なり合い、かつ左右方向においては、リヤスイングアーム部11の右側のフォーク部46に対し外側に位置をずらしている。
【0067】
ここで、下側のサイレンサ部503と上側のサイレンサ部508とは、それぞれに固定された連結部材510同士をボルト止めすることにより互いに連結固定されている。
【0068】
さらに、上側のサイレンサ部508には、そのリヤスイングアーム部11側にストッパ部材511が固定されている。このストッパ部材511は、転倒時に、上下のマフラ501,506が左右方向における車体側に変形すると、リヤスイングアーム部11に当接して上側のマフラ506のそれ以上の左右方向における車体側への変形を規制する結果、上側のマフラ506に連結された下側のマフラ501のそれ以上の左右方向における車体側への変形を規制し、この下側のマフラ501のサイレンサ部503が後輪12のディスクブレーキのディスク512に接触するのを防止する。
【0069】
上記した車体フレーム2の右側のダウンパイプ33の下部前端部には、図28および図29に示すブレーキ入力装置520が取り付けられている。
【0070】
このブレーキ入力装置520は、ダウンパイプ33にボルト止めされるステップブラケット521と、ステップブラケット521に溶接により固定される一体ステー519とを有しており、一体ステー519は、上方に延出するマスタシリンダステー部522と、ブレーキピボットホルダ部523とを有している。
【0071】
また、このブレーキ入力装置520は、ブレーキピボットホルダ部523に左右方向に沿う状態で両端が回転可能に支持されるブレーキピボットシャフト(支持軸)524と、このブレーキピボットシャフト524の車体右側の一端部に固定されるブレーキペダル525と、ブレーキピボットシャフト524の車体側の他端部に揺動可能に連結されるブレーキアーム(作動部材)526とを有している。このような配置の結果、ブレーキペダル525は車体の右方外側位置に車体から比較的離れて配置される。
【0072】
ここで、ブレーキペダル525は、運転者により踏力が導入されるペダルパッド部550と、基端側が車体側に回動可能に支持されるとともに、この基端側から前方かつ斜め上方に延出し、さらに先端側にペダルパッド部550を揺動可能に支持するペダルレバー部551と、ペダルレバー部551にペダルパッド部550を支持するためのピン552とを備えている。
【0073】
また、ブレーキ入力装置520は、ブレーキアーム526と一体ステー519との間に介装されるリターンスプリング527と、マスタシリンダステー部522の後側に取り付けられるとともにその入力部528がブレーキアーム526に連結されるマスタシリンダ(作動部)529と、マスタシリンダステー部522の上端部に取り付けられてマスタシリンダ529との間でブレーキ液の給排を行うリザーバタンク530とを有している。ここで、図示は略すが、マスタシリンダ529は、車体フレーム2のダウンパイプ33の左右方向における外端部よりも内側(車体内部側)に配置されている。
【0074】
一方、ステップブラケット521は、運転者が足を載せるためのステッププレート(ステップ部材)531を、ブレーキペダル525の近傍に配置する状態で支持している。なお、ブレーキ入力装置520が設けられない車体左側においても、ステップブラケット521が設けられ、このステップブラケット521により運転者が足を載せるためのステッププレート531を支持している。
【0075】
上記したブレーキ入力装置520では、運転者がブレーキペダル525を踏み込むと、ブレーキペダル525がこれを一端部に連結させたブレーキピボットシャフト524と一体に回動し、このブレーキピボットシャフト524の他端部にブレーキペダル525と離間して連結されたブレーキアーム526を一体に回動させる。これにより、ブレーキアーム526がマスタシリンダ529の入力部528を上方に押圧し、マスタシリンダ529にブレーキ液圧を発生させる。
【0076】
上記したブレーキペダル525は、図28〜図32に示すように、運転者により踏力が導入されるペダルパッド部550と、基端側が車体側に回動可能に支持されるとともに、この基端側から前方かつ斜め上方に延出し、さらに先端側にペダルパッド部550を揺動可能に支持するペダルレバー部551と、ペダルレバー部551にペダルパッド部550を支持するためのピン552と、ピン552を内側に挿入させるとともにペダルパッド部550を揺動方向における一側に付勢するスプリング553と、ピン552の抜け止め用のワッシャ554とを備えている。
【0077】
ペダルレバー部551は、左右方向に沿って配置されたブレーキピボットシャフト524の車体における外側の端部位置にその基端側が固定される結果、車体側に回動可能に支持される延出部556を有している。この延出部556は、板状のもので、厚さ方向を左右方向に沿わせ、かつ基端側から前方かつ斜め上方に延出する状態で、基端側がブレーキピボットシャフト524に連結されている。
【0078】
また、ペダルレバー部551は、延出部556の延出先端側にこの延出部556と交差する方向に設けられた、上記ペダルパッド部550を揺動可能に支持する支持部557を有している。この支持部557は、板状のもので、厚さ方向を延出部556の長さ方向に沿わせた状態で、延出部556の先端から右方向に延出しさらにその先端から上方に突出している。なお、これら延出部556と支持部557とは一体に形成されており、具体的には、板状に形成された部材が折り曲げ加工されることで形成されている。
【0079】
支持部557は、その先端側の上方に突出する突出部558に、厚さ方向に貫通する穴部559が形成されている。
【0080】
ペダルパッド部550は、表面側が運転者により踏まれるゴム等のカバー560で覆われる面状の一対の踏面形成部561と、これら踏面形成部561からカバー560に対し反対方向に延出し、ペダルレバー部551の支持部557の両側に配置された状態で支持部557に揺動可能に取り付けられる一対の取付部562と、一対の取付部562同士を踏面形成部561に対し反対側で連結させる連結部563とを有している。
【0081】
一対の踏面形成部561は、長方形状をなしており、各取付部562の連結部563に対し反対側の端縁部から互いに同一平面をなして逆方向に延出している。なお、一対の踏面形成部561は、この延出方向に幅方向を沿わせている。
【0082】
また、一対の取付部562は、踏面形成部561からの延出量が踏面形成部561の長さ方向における一側ほど小さくなる傾斜形状をなす傾斜部564を有しており、この傾斜部564にのみ連結部563が形成されている。そして、この連結部563が形成されていない取付部562の部分に両取付部562を貫通する穴部565が形成されている。
【0083】
なお、これら一対の踏面形成部561と一対の取付部562と一つの連結部563とは一体に形成されており、具体的には、板状に形成された部材が折り曲げ加工されることで形成されている。
【0084】
そして、ペダルレバー部551の支持部557の両側にペダルパッド部550の一対の取付部562を配置した状態で、取付部562の穴部565および支持部557の穴部559にピン552を挿入し、さらに、このピン552を内側に配置するようにスプリング553を設け、ピン552にワッシャ554を係合させることでペダルレバー部551にペダルパッド部550が支持される。
【0085】
このとき、ペダルレバー部551における支持部557の延出部556に対し反対側の当接部566に、ペダルパッド部550の連結部563が当接することで、ペダルパッド部550のペダルレバー部551に対する一方の揺動の限界位置が決められることになり、しかも、ペダルパッド部550は、スプリング553の付勢力により当接部566に連結部563を当接させる方向に付勢されている。すなわち、この揺動の限界位置にあるときが、ペダルパッド部550の通常状態で、この通常状態においてペダルパッド部550は車体の左右方向に沿う状態となる。そして、何らかの力がペダルパッド部550に下側から加わった場合に、ペダルパッド部550は、右端側を上方向に移動させるように回動する。
【0086】
上記したステッププレート(ステップ装置)531は、運転者が足を載せるためのもので、図33および図34に示すように、運転者が足を載せる載置部580と、この載置部580から下方に突出するとともに車体の傾動時に接地するバンクセンサ581と有している。
【0087】
載置部580は、その長手方向に平行な一の端縁部側の両角部が湾曲された略平板状をなしており、長手方向に平行な他の端縁部に、ステップブラケット521に回動自在に支持される取付部582が形成されている。すなわち、図28に示すように、ステップブラケット521には略鉛直方向に沿った状態で前後に配置された一対の支持部583が形成されており、これらの支持部583にステッププレート531の取付部582が回動可能に取り付けられる。ここで、ステップブラケット521に取り付けられた状態のステッププレート531は、長手方向を車体の前後方向に沿わせるとともに車体から左右方向における外方に突出することになり、この状態から突出先端側を上方に位置させる方向に揺動可能となっている。
【0088】
載置部580の下面側かつ取付部582に対し反対側には、車体における前後方向の前後両側位置に、それぞれ載置部580から下方に突出するようにバンクセンサ581が形成されている。各バンクセンサ581は、車体の前後方向に長くしかも載置部580の角部に沿って若干湾曲する形状をなしており、互いに鏡面対称形状をなしている。ここで、バンクセンサ581は、車体傾動時に接地する下面の接地面部584が略平面状をなしている。
【0089】
そして、ステッププレート531は、これら載置部580および二箇所のバンクセンサ581が一体に形成されている。すなわち、ステッププレート531は、例えばアルミニウム合金のダイキャスト製品で、ダイキャスト時に、載置部580および二箇所のバンクセンサ581が一体成形される。
【0090】
なお、車体における左右のステップブラケット521の支持部583の構造は、同じ構造となっており、このため、左右のステップブラケット521には、同形状のステッププレート531が取り付けられている。
【0091】
上記したリヤフェンダ13に後部側が載置されるメインシート15のさらに後側においてリヤフェンダ13に載置されるピリオンシート16について、このピリオンシート16の前部をリヤフェンダ13に取り付けるシート取付構造は、図35および図36に示すように、リヤフェンダ13に取付ステー600を取り付け、この取付ステー600でピリオンシート16の左右両側部を支持するようになっている。
【0092】
メインシート15は、その後部側に、平面視V字状をなし側面視もV字状をなすように尖る凸部601が形成された形状をなしており(いわゆるガンファイター型)、その前部側が車体フレーム2上に載置されるとともにその後部側がリヤフェンダ13上に載置される。そして、この状態で、メインシート15は、図示は略すが、その前部側が燃料タンク14の近傍の車体フレーム2にボルト止めされるとともに、その後部側も車体フレーム2に取り付けられたステー等にボルト止めされる。
【0093】
ピリオンシート16を取り付けるための取付ステー600は、メインシート15の凸部601の平面視の形状に合わせて、平面視V字形状をなす中間部602を有しており、また、この中間部602の両端からそれぞれ同じ方向に屈曲する支持部603を有している。そして、取付ステー600は、中間部602をメインシート15の凸部601の外側に沿わせる状態、すなわち支持部603を中間部602よりも前側に配置した状態で、中間部602においてリアフェンダ13上にボルト止めされる。このとき、取付ステー600の両支持部603は、厚さ方向を車体における左右方向に沿わせるとともにリアフェンダ13から鉛直上方に突出する状態となり、しかも、メインシート15の凸部601に前後方向において重なり合う状態となる。
【0094】
ピリオンシート16は、リヤフェンダ13に固定されたメインシート15の尖った形状の凸部601を覆うことができるようにその前部に凹部604が形成されており、また、その後部下面に後部取付ステー605が取り付けられている。さらに、ピリオンシート16には、その前部の左右両側に取付部607が設けられている。そして、ピリオンシート16は、メインシート15の凸部601を凹部604にはめ合わせるようにしてリヤフェンダ13に載置された状態において、左右両側の取付部607が、取付ステー600の左右両側の支持部603にそれぞれネジ止めされる一方、その後部側が後部取付ステー605でリヤフェンダ13に取り付けられる。なお、取付ステー600の左右両側の支持部603にピリオンシート16の左右両側の取付部607を取り付ける際に、ピリオンシート16の表面に張られるシートベルト608もその両端部が支持部603に共締めされる。すなわち、取付ステー600は、シートベルト608をも支持する。ここで、ピリオンシート16の凹部604が形成された前部は、この凹部604により肉厚が薄くなるが、メインシート15の凸部601に重なり合うことにより、実質的にはこれらを合わせた肉厚となる。
【0095】
上記した燃料タンク14には、図37に示すように、上面側に支持部材620が取り付けられており、この支持部材620等を介して、表面にメッキ層が形成されたメーターカバー621が取り付けられている。メーターカバー621には、図38に示すように、前後に開口部622,623が設けられており、後側の開口部623は円形状をなし、前側の開口部622は扇形から中心側の小さい扇形を除いた形状をなしている。これら開口部622,623の内側にはメーターが配設される(図37において前側の開口部622に配置されるメーター625のみ図示)。
【0096】
そして、メーターカバー621の前側の開口部622の後部側の端縁部626に、前方に向かうにしたがって低位置となるように傾斜する断面形状(前後かつ鉛直に沿う断面形状)が直線状の面取り部627が形成されている。さらに、この開口部622内に配置されるメーター625は、その上面部628の後部側の端縁部629の高さ位置が面取り部627の下端部630の高さ位置以下とされている。
【0097】
また、メーターカバー621の面取り部627の後部に連なる上面部632の前方延長上に、開口部622の前部側の端縁部633が配置されている。さらに、メーター625の上面部628の前部側の端縁部634は、開口部622の前部側の端縁部633と高さ位置をほぼ合わせている。
【0098】
以上の結果、メーターカバー621の面取り部627およびこの面取り部627の後部に連なる上面部632に対し、メーター625の上面部628の角度は異なっており、具体的には、面取り部627の後部に連なる上面部632は、前側が上側に位置するように所定の角度で傾斜しており、面取り部627は、前側が下側に位置するように所定の角度で傾斜していて、メーター625の上面部628は、面取り部627の後部に連なる上面部632よりも、大きい所定の角度で前側が上側に位置するように傾斜している。
【0099】
フロントフォーク3を支持する車体フレーム2のヘッドパイプ21に溶接されるガセット32は、図39〜図41に示すように、円筒を軸線に平行に切断した形状の取付部640が一側に設けられ、この取付部640に対し反対方向に延出する角筒状の後部嵌合部641と、取付部640と嵌合部641との間から互いに鏡面対称をなすように延出する円筒状の一対の下部嵌合部642とを有するものである。このガセット32は、中子を用いて比較的自由な形状に成形できしかも脱炭処理によって溶接強度も十分に得られる白心可鍛鋳鉄で形成された一体成形品である。
【0100】
そして、このガセット32をその取付部640においてヘッドパイプ21に接合させ、この取付部640の全周を溶接することでガセット32は、ヘッドパイプ21に固定される。また、このガセット32の角筒状の後部嵌合部641の内側に角筒状のサブパイプ34を嵌合させ、これらを全周にわたって溶接することでガセット32にサブパイプ34が固定される。さらに、このガセット32の円筒状の各下部嵌合部642の内側に円筒状のダウンパイプ33をそれぞれ嵌合させ、それぞれを全周にわたって溶接することでガセット32に両ダウンパイプ33が固定される。なお、ガセット32を白心可鍛鋳鉄で形成し、上記のようにサブパイプ34およびダウンパイプ33を差し込んで溶接により結合することで、サブパイプ34およびダウンパイプ33を位置合わせ不要で溶接できる。しかも、ガセット32は、燃料タンク14とフロントフォーク3とに挟まれ、外観的に目立つ部分に配置されるが、サブパイプ34およびダウンパイプ33が繋がった形状にでき外観上も良好になる。
【0101】
フロントフォーク3を支持する車体フレーム2のヘッドパイプ21からガセット32を介して二方向に分岐して下方に延出する左右一対のダウンパイプ33は、それぞれ、ヘッドパイプ21から下方に延出する下方延出部650と、この下方延出部650の下部から後方に向け屈曲する屈曲部651と、屈曲部651の下部から後方に延出する後方延出部652とを有しており、ラジエータ10は、左右一対の下方延出部650の間に収納状態で支持されるようになっている。
【0102】
すなわち、ラジエータ10は、略長方形状をなしており、その長手方向をダウンパイプ33の下方延出部650に沿わせ、かつ全長にわたって下方延出部650と前後方向に重なり合うようにして、下方延出部650に支持される。
【0103】
ラジエータ10の後側すなわちエンジン9側には、ファン653が設けられており、ラジエータ10の前側には開口部654aを有する別個のカバー654が取り付けられている。ラジエータ10の上面部655の左右方向における中央部には冷却水を流す冷却水パイプ656が取り付けられる導入口部657が上方に突出するように設けられており、ラジエータ10の下面部658の左右方向における一側には冷却水を流す冷却水パイプ659が取り付けられる排出口部660が下方に突出するように設けられている。ここで、導入口部657には、冷却水パイプ656を介して冷却前の冷却水がエンジン9側から導入されることになり、排出口部660からは、冷却後の冷却水が冷却水パイプ659を介してエンジン9側に向けて排出されることになる。
【0104】
ラジエータ10の上部において上側を向く上面部655には、左右一対の上部支持部662が上方に突出するように設けられている。他方、ラジエータ10の上側には左右の下方延出部650同士を結ぶようにしてこれら下方延出部650に支持される上部取付部材663が設けられている。そして、ラジエータ10の左右一対の上部支持部662は、ともに上部取付部材663にボルト止めされて固定される。これによってラジエータ10はその上部が下方延出部650に固定される。
【0105】
ラジエータ10の下部において下側を向く下面部658には、車体の左右方向における一側、具体的には右側に下部支持部665が下方に突出するように設けられており、この下部支持部665が、エンジン9をダウンパイプ33のブラケット42に支持するためのエンジンハンガ(支持部材)664に支持されている。
【0106】
すなわち、エンジン9をダウンパイプ33に支持するためのエンジンハンガ664は、図42に示す形状をなしており、図40に示す下方延出部650の後側に溶接により固定されたブラケット42の上下の固定部666にボルト止めされる取付穴667と、これら取付穴667でダウンパイプ33のブラケット42に固定された状態において取付穴667よりも後方に配置され、エンジン9のクランクケース39の前端部にボルト止めされる支持穴668とが形成された主板部669と、この主板部669から前方に延出してラジエータ10を支持する支持板部670とを有している。
【0107】
支持板部670には、前端側に支持穴672が形成されている。この支持穴672にはグロメット673が取り付けられ、このグロメット673の内側の嵌合穴674にラジエータ10の下部支持部665が差し込まれる。これによってラジエータ10はその下部が下方延出部650に支持される。
【0108】
そして、上記のように、両下方延出部650に支持される上部取付部材663に両上部支持部662がボルト止めされ、車体における右側のダウンパイプ33に取り付けられたエンジンハンガ664のグロメット673に下部支持部665が差し込まれた状態で、ラジエータ10は、左右の下方延出部650の間に、その長手方向を下方延出部650に沿わせ、かつ全長にわたって下方延出部650と前後方向に重なり合う状態で支持される支持状態となる。なお、ラジエータ10は、それ自身に関してはこれら上部支持部662および下部支持部665のみを介してダウンパイプ33に支持される。
【0109】
よって、この支持状態にあるとき、ラジエータ10の左右の側面部675とダウンパイプ33の両下方延出部650との間にはこれらを連結させる別途の支持部材は一切配置されていない。すなわち、ダウンパイプ33の固定部材666にボルト止めされた状態でエンジンハンガ664の主板部669は、全体として下方延出部650よりも後側に位置することになり、このエンジンハンガ664が、ラジエータ10と下方延出部650との間に位置することはない。
【0110】
上記したフロントウインカ(発光装置)5およびリヤウインカ(発光装置)17を、以下のように構成してもよい。
【0111】
フロントウインカ(発光装置)5およびリヤウインカ(発光装置)17は、図43〜図45に示すように、透光可能な略円板状の発光正面部690および透光可能な略円筒状の発光側面部691を備えた透明性を有する合成樹脂製のレンズ692と、このレンズ692がその発光側面部691の発光正面部690に対し反対側において取り付けられるとともにその内側にバルブ等の図示せぬ発光部が配置された透明でないハウジング693とを有する発光装置本体694と、この発光装置本体694のレンズ692に関して発光側面部691の一部のみを覆う別体の透明でないカバー695とを有している。ここで、透光可能な発光正面部690および発光側面部691は、内部の発光部が発光することにより、外部に対し発光する。なお、発光正面部690の「正面」とは、主たる発光方向を示すもので、フロントウインカ5の場合、車体における前方であり、リヤウインカ17の場合、車体における後方である。
【0112】
カバー695は、その前端縁部696が発光側面部691の側面視の露出を下側ほど大きくするように傾斜形状をなしており、言い換えれば、発光側面部691の上部側ほど大きな面積で覆うように傾斜形状をなしている。このカバー695は、レンズ692とともにハウジング693に固定される。なお、カバー695の表面およびハウジング693の表面には、例えば同色のメッキ層が形成されている。
【0113】
なお、図46に示すように、カバー695を、レンズ692の発光側面部691の側面視の露出が上下方向における中間部において最も大きくなるようにその前端縁部696を側面視円弧形状にしてもよい。
【0114】
しかして、上記構成の自動二輪車におけるエンジン補器類の配置構造によれば、車体フレーム2の左右一対のパイプ材24,27に跨るようにセンターカバー221を設け、このセンターカバー221にエンジン補器類である、イグニッションコイル229および燃料ポンプ231を支持させている。したがって、燃料ポンプ231等のエンジン補器類取付用の専用のステーを取り付ける必要はない。このように専用のステーを必要としない分、部品点数を減らすことができる。また、バッテリーケース261等他の部材をレイアウトする場合でも、それらバッテリーケース261等にエンジン補器類を組み付ける必要がなくなるため、バッテリーケース261自体のみの配置スペースを確保すれば足り、バッテリケース261等のレイアウトの自由度も増す。また、車体フレーム2には、エンジン補器類取付のための専用の被取付部を設ける必要がなくなり、もって、車体フレーム2の設計の自由度も高まる。
【0115】
また、センターカバー221によって車体フレーム2の左右一対のパイプ材24,27が連結されるため、この外観部材であるセンターカバー221によって車体フレーム2の強度をアップさせることができる。
さらに、センターカバー221をエンジン9の後方に配置しているので、このセンターカバー221によって、その後方に位置する燃料ポンプ231やバッテリケース261にエンジン9からの熱気が流れ込むのを防止することができ、それらエンジン補器類等をエンジンの熱から保護する利点も得られる。
【0116】
また、エンジン9を支持するエンジンハンガー220に、センターカバー221およびイグニッションスイッチ223を支持させており、エンジンハンガー220は、文字どおりエンジン9を支持する機能の他、センターカバー221およびイグニッションスイッチ223を支持する機能も併せ持つこととなる。したがって、車体フレーム2には、センターカバー取付用の専用ステーや、イグニッションスイッチ取付用の専用のステーを取り付ける必要がなくなり、このため、これら専用のステーを必要としない分、部品点数を減らすことができる。
【0117】
また、車体フレーム2には、エンジンハンガー220を取付のための専用の被取付部や、イグニッションスイッチ取付のための専用の被取付部を設ける必要がなくなり、もって、車体フレーム2の設計の自由度が高まり、しかも、車体フレーム2を簡素化でき、かつその加工も容易になる。
【0118】
なお、前述の実施形態はあくまで本発明の例示であり、必要に応じて発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更可能である。
例えば、前述の実施形態では、センターカバー221に支持させるエンジン補器類の例として、燃料ポンプ231とイグニッションコイル229を例に挙げて説明したが、これに限らず、他のエンジン補器類例えば、エアークリーナケースや、バッテリ等をセンターカバーに支持させてもよい。
【0119】
また、前記実施の形態では、燃料ポンプ231を横置きの状態でセンターカバー221に支持させているが、これに限られることなく、燃料ポンプ231を縦置きの状態で支持してもよい。
また、前述の実施形態では、自動二輪車の場合を例にあげて説明したが、本発明は自動二輪車に限られることなく、自動三輪車であっても、あるいはバギータイプの自動四輪車であっても適用可能である。
【0120】
【発明の効果】
以上詳述したように、本願の請求項1記載の自動二輪車におけるエンジン補器類の配置構造によれば、車体フレームの左右一対のパイプ材に跨るセンターカバーにエンジン補器類を支持させており、したがって、エンジン補器類取付用の専用のステーを取り付ける必要がなくなり、この専用のステーを取り付ける必要がなくなる分、部品点数を減らすことができる。また、バッテリーケース等他の部材をレイアウトする場合でも、それらバッテリーケース等にエンジン補器類を組み付ける必要がなくなるため、バッテリーケース自体のみの配置スペースを確保すれば足り、バッテリケース等のレイアウトの自由度も増す。また、車体フレームには、エンジン補器類取付のための専用の被取付部を確保する必要がなくなり、もって、車体フレームの設計の自由度も高まる。
さらに、センターカバーによって車体フレームの左右のパイプ材が連結されるため、外観部材であるセンターカバーによって車体フレームの強度をアップさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車を示す側面図である。
【図2】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車の車体フレームを示す側面図である。
【図3】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車の車体フレームを示す背面図である。
【図4】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車のウィンカ装置の平面図である。
【図5】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車のウィンカ装置の側面図である。
【図6】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車のウィンカ装置の図4のX−X矢視図である。
【図7】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車のウィンカ装置の図4のY−Y矢視図である。
【図8】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車のライセンスライトの縦断面図である。
【図9】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車の図8のイ矢視図である。
【図10】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車の図8のロ矢視図である。
【図11】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車のウィンカ装置のライセンスプレート取付構造を示す斜視図である。
【図12】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車の中央部分の側面カバーを取り外した拡大側面図である。
【図13】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車の中央部分の側面カバーを取り外した拡大側面図である。
【図14】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車の中央部分のシートを取り外した拡大平面図である。
【図15】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車のセンターカバーの正面図である。
【図16】 本発明の一実施形態が適用された備えた自動二輪車のセンターカバーの平面図である。
【図17】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車のセンターカバーの側面図である。
【図18】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車のセンターカバーに燃料ポンプを取り付けた状態を示す側面図である。
【図19】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車のエンジンハンガーの正面図である。
【図20】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車のイグニッションスイッチを支持するステーの平面図および側面図である。
【図21】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車のバッテリーケースの正面図である。
【図22】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車のバッテリーケースの平面図である。
【図23】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車のバッテリーケースの側面図である。
【図24】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車のバッテリーケースの作用を説明する斜視図である。
【図25】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車のリヤフェアリングの側面図である。
【図26】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車のマフラ配置構造の側面図である。
【図27】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車のマフラ配置構造の背面図である。
【図28】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車のブレーキ入力装置の側面図である。
【図29】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車のブレーキ入力装置の図28におけるX矢視図である。
【図30】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車のブレーキペダルの正面図である。
【図31】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車のブレーキペダルの図30におけるA−A断面図である。
【図32】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車のブレーキペダルの平面図である。
【図33】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車のステッププレートの下面図である。
【図34】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車のステッププレートの図33に示すB−B線に沿う断面図である。
【図35】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車のシート取付構造の側面図である。
【図36】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車のシート取付構造の底面図である。
【図37】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車のメーターカバーの側断面図である。
【図38】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車のメーターカバーの平面図である。
【図39】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車のラジエタ支持構造の正面図である。
【図40】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車のラジエタ支持構造の側面図である。
【図41】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車のガセットの図である。
【図42】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車のエンジンハンガの側面図である。
【図43】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車の発光装置の側断面図である。
【図44】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車の発光装置の正面図である。
【図45】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車の発光装置の側面図である。
【図46】 本発明の一実施形態が適用された自動二輪車の発光装置の別の例の側面図である。
【符号の説明】
2…車体フレーム
9…エンジン
15…メインシート
24…センターアッパーパイプ(左右一対のパイプ材)
27…センターパイプ(左右一対のパイプ材)
221…センターカバー
223…イグニッションスイッチ
229…イグニッションコイル
231…燃料ポンプ
Claims (1)
- 略中央部分に左右一対のパイプ材を有する車体フレームによって、該左右一対のパイプ材の上側に配置されるメインシートと、該メインシートの前方に配置される燃料タンクと、燃料タンクの下方に配置されるエンジンとを支持する自動二輪車において、
前記左右一対のパイプ材に跨るように配置されるセンターカバーが、前記メインシートの前端部の下方で上下に延在する板状部と、該板状部の左右に後方へ延びるように設けられる起立部とを有し、前記板状部には、後方へ延びる係止部が設けられ、この係止部に、前記左右一対のパイプ材の間に位置する燃料ポンプが支持されていることを特徴とする自動二輪車におけるエンジン補器類の配置構造。
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