JP4147790B2 - スフィンゴシン類縁体およびその製法 - Google Patents

スフィンゴシン類縁体およびその製法 Download PDF

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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプロテインキナーゼC阻害、細胞増殖、細胞分化など様々な生体内情報伝達に関与しているスフィンゴ脂質の細胞内での挙動を解明するために有用なスフィンゴシン類縁体およびその製法並びにその合成中間体に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
スフィンゴミエリンは、このリン酸エステル部を加水分解する酵素であるスフィンゴミエリナーゼによりセラミドとホスホコリンに分解される。代謝産物であるセラミドは、細胞分化やアポトーシス誘導体の情報伝達因子として機能し、セラミドはセラミダーゼの働きによりスフィンゴシンに分解される。このスフィンゴシンはプロテインキナーゼCの酵素活性を阻害することが明らかになっている。さらに、スフィンゴシンはスフィンゴシンキナーゼによりスフィンゴシン−1−リン酸になる。このスフィンゴシン−1−リン酸は、血管の形成に重要な役割を果たしている。
しかし、スフィンゴミエリンおよびその代謝物が細胞内でどこに局在し、どのように代謝されるのか明らかにされていない。
現在、この代謝機構を解明するものとして、C6−NBDフィトスフィンゴシン(N-{6-[(7-nitrobenzo-2-oxa-1,3-diazol-4-yl)amino]hexanoyl}-Phytosphingosine)やC12−NBDフィトスフィンゴシン(N-{12-[(7-nitrobenzo-2-oxa-1,3-diazol-4-yl)amino]dodecanoyl}-Phytosphingosine)という化合物が市販されているが、これらは副鎖であるアシル基に蛍光標識基ユニットがあり、この部分はセラミダーゼの作用により代謝されてはずれてしまう為、細胞内の局在場所や代謝物の挙動を解明するためには有用ではない。
【0003】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者らは、下記式(1)で表される代謝を受けない主鎖に蛍光標識基を導入した化合物である新規スフィンゴシン類縁体の合成に成功した。
また、特開平10−87677に開示されている3−ベンジル−4−アルコキシカルボニル−2−オキサゾリジノン(3)を原料に用いて、本発明のスフィンゴシン類縁体を効率よく合成できることも見出した。
即ち、本発明は、代謝を受けない蛍光標識基部位をもつスフィンゴシン類縁体、およびその製造法、並びにその合成中間体を提供することにある。
【化14】
Figure 0004147790
【0004】
本発明の化合物(1)の製造法につき以下に詳細に説明する。
その製造行程は以下のスキーム1で示される。
スキーム1
【化15】
Figure 0004147790
上記式中のRはアルキル基、P、Pは水酸基の保護基、Pはアミノ保護基を意味し、そしてXは前掲と同じ意味を表わす。
【0005】
(i) 式(4)で表される化合物に塩基を作用させてアセチリドアニオンとし、これを式(3)で表される化合物と反応させることにより式(5)で表される化合物が得られる。
アニオンを出す際に使用する塩基としては水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリもしくはアルカリ土類金属水素化物、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム等のアルキルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウム2,2,6,6−テトラメチルピペリジド等のリチウムアミド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド、リチウムヘキサメチルジシラジド等のアルカリ金属ジシラジドが挙げられるが、好ましくはn−ブチルリチウムである。塩基の使用量は基質に対して1〜1.5当量であるが、好ましくは1当量である。使用する溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジグライム、トリグライム、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒、並びにこれらの混合溶媒等が挙げられる。反応温度は−100℃から溶媒の還流温度までで、好ましくは−100℃から室温である。
(ii) 式(5)で表される化合物のケトンを還元することにより式(6)で表される化合物が得られる。
還元剤はケトンがアルコールに還元される試薬ならば特に限定されないが、不斉還元を行う場合、還元剤としてジイソブチルアルミニウム2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシドを用いるとエリトロ体のアルコール(6)が得られる。
【0006】
(iii) 式(6)で表される化合物を、脱ベンジルと三重結合からトランス体の二重結合への還元を同時に行うことにより式(7)で表される化合物が得られる。
一般に脱ベンジルの条件としては、水素雰囲気下、溶媒中での接触還元、またはアルカリ金属―アンモニア還元が用いられるが、トランス体の二重結合への還元も同時に行うためには、アルカリ金属−アンモニアの条件が好ましい。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。
(iv) 式(7)で表される化合物を加水分解し、アミノ基を保護することにより式(8)で表される化合物が得られる。
加水分解の際に用いる塩基としては炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属炭酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属水酸化物等が挙げられるが、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属水酸化物である。塩基の使用量は、基質に対して1〜3当量、好ましくは1〜1.5当量である。
【0007】
使用する溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール系溶媒、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジグライム、トリグライムジエチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、水媒体並びにこれらの混合溶媒等が挙げられる。
アミノ基の保護基としては公知のアミノ基の保護基はいずれも使用できるが、好ましくはメトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、ベンジル基等が挙げられるが、特に好ましいのはt−ブトキシカルボニル基である。
【0008】
(v) 式(8)で表される化合物の水酸基を保護することにより式(9)で表される化合物が得られる。
保護する試薬としては、トリメチルシリルクロリド、トリエチルシリルクロリド、t−ブチルジメチルシリルクロリド、t−ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、トリエチルシリルトリフルオロメタンスルホネート等のハロゲン化シリルおよびシリルスルホン酸エステル試薬が挙げられる。使用する塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、イミダゾール等の3級アミンが挙げられる。使用する溶媒としては、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジグライム、トリグライムジエチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、水媒体並びにこれらの混合溶媒等が挙げられるが、好ましくはN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒である。反応温度は0℃から溶媒の還流温度までで、好ましくは室温から50℃である。
【0009】
(vi) 式(9)で表される化合物の保護基Pを除去することにより式(10)で表される化合物が得られる。
保護基に応じて常法により除去できるが、保護基Pがはずれない条件で行わなければならない。例えば、保護基Pがテトラヒドロピラニル基、Pがt−ブチルジメチルシリル基の場合、臭化マグネシウムを使用すれば保護基Pだけが脱保護できる。
使用する溶媒としてはヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジグライム、トリグライムジエチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、水媒体並びにこれらの混合溶媒等が挙げられるが、好ましくはN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒である。反応温度は0℃から溶媒の還流温度までで、好ましくは0℃から室温である。
また、必要に応じアミノ保護基P、水酸基保護基Pを常法により脱離せしめることもできる(10a)。
【0010】
(vii) 得られた式(10)で表される化合物の水酸基をスルホニル化剤またはハロゲン化剤と反応させて脱離基に変え、続いて金属アジド化合物と反応させることにより一般式(11)で表される化合物が得られる。
スルホニル化は有機溶剤中、塩基存在下、式(10)で表される化合物とスルホニル化剤とを反応させて行う。
スルホニル化剤としては、トルエンスルホニルクロリド、メタンスルホニルクロリド、無水メタンスルホン酸等が挙げられる。スルホニル化の使用量は基質に対して1当量以上、好ましくは1〜5当量である。
使用する溶媒としてはテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジグライム、トリグライム、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒並びにこれらの混合溶媒等が挙げられる。
【0011】
また、使用する塩基としてはトリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、ピコリン、ルチジン、コリジン、4−N,N−ジメチルアミノピリジン等の3級アミンが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。
反応温度は−100℃から溶媒の還流温度までで、好ましくは−5℃から室温である。
ハロゲン化は溶媒中、式(10)で表される化合物とハロゲン化剤とを反応させて行う。ハロゲン化剤としては、三塩化リン、三臭化リン、三ヨウ化リン、五塩化リン、五臭化リン、四ヨウ化二リン、オキシ塩化リン、オキシ臭化リン、ジフェニルトリクロロホスホラン、ジフェニルトリブロモホスホラン、トリフェニルホスフィンジクロロニド、トリフェニルホスフィンジブロモニド、ホスホン酸トリフェニルジクロロニド、ホスホン酸トリフェニルジブロモニド、ホスホン酸トリフェニルジヨードニド等のハロゲン化リン化合物;塩化チオニル、臭化チオニル、塩化スルフリル等のハロゲン化硫黄化合物;ベンジルクロリド−ホスホン酸トリフェニル、ヨウ化メチル−ホスホン酸トリフェニル、四塩化炭素−トリオクチルホスフィン、四塩化炭素−トリフェニルホスフィン、四臭化炭素−トリフェニルホスフィン等の有機ハロゲン化物と有機リン化合物との混合物;塩化N,N−ジメチルクロロホルミウム、臭化N,N−ジメチルクロロホルミウム等のヴィルスマイヤー試薬等が挙げられる。
【0012】
ハロゲン化剤の使用量は基質に対して1当量以上、好ましくは1〜2当量である。使用する溶媒としてはハロゲン化剤に不活性な溶媒なら何ら限定されるものではない。例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジグライム、トリグライム、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒ならびにこれらの混合溶媒等が挙げられる。また、ハロゲン化剤そのものを溶媒として使用することもできる。反応温度は−100℃から溶媒の還流温度までで、好ましくは−5℃から室温である。
【0013】
金属アジド化合物との反応に際して、使用する試薬としてはアジ化ナトリウムが挙げられる。使用する溶媒としてはヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジグライム、トリグライムジエチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、水媒体並びにこれらの混合溶媒等が挙げられるが、好ましくはN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒である。反応温度は0℃から溶媒の還流温度までで、好ましくは室温から50℃である。(viii) 上記反応で得られた式(11)で表される化合物のアジドを還元することにより式(12)で表される化合物が得られる。
還元の方法としては水素雰囲気下、溶媒中での接触還元またはトリフェニルホスフィンが挙げられる。使用する溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール系溶媒、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジグライム、トリグライムジエチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、水媒体並びにこれらの混合溶媒等が挙げられるが、好ましくはテトラヒドロフラン−水の混合溶媒である。反応温度は、室温から溶媒の還流温度であるが、好ましくは室温から50℃である。
また必要に応じて、アミノ保護基P、水酸基保護基Pを常法により脱離せしめることもできる(12a)。
【0014】
(ix) 式(12)で表される化合物に蛍光標識基(Z)を含む試薬を反応させ、ついで水酸基保護基を脱離させることにより式(13)で表される化合物が得られる。
蛍光標識基を含む試薬としては、基質(12)のアミノ基と反応する官能基(例えばハロゲンなど)を有する蛍光標識基ユニットを含む化合物なら、何ら限定されない。
例えば4−クロロ−7−ニトロベンゾ−2−オキサ−1,3−ジアゾール、4−フルオロ−7−ニトロベンゾ−2−オキサ−1,3−ジアゾール、9−ブロモアントラセン、ダンシルクロリド等が挙げられる。この場合、使用する塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、イミダゾール等の3級アミンが挙げられる。使用する溶媒としては、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジグライム、トリグライムジエチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、水媒体並びにこれらの混合溶媒等が挙げられるが、好ましくはテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジグライム、トリグライムジエチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒である。反応温度は0℃から溶媒の還流温度までで、好ましくは室温から50℃である。
水酸基の脱保護の条件としては、保護基に応じて試薬を使用すればいいが、例えばシリルエーテル保護基の場合、酸性条件で脱保護できる。
【0015】
(x) 式(13)で表される化合物のアミノ保護基を脱離させ式(1)で表されるスフィンゴシン類縁体が得られる。
アミノ基の脱保護は常法により行うことができるが、例えばt−ブトキシカルボニル基の場合、希塩酸、希硫酸等の無機酸やトリフルオロ酢酸等の有機酸が用いられる。
(xi) また、式(13)で表される化合物に塩基存在下四臭化炭素と亜リン酸トリエステルと反応させることにより下記式(13−1)で表わされる化合物が得られる。
亜リン酸トリエステルとしては、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリブチル等が挙げられる。使用する塩基としてはトリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、ピコリン、ルチジン、コリジン、4−N,N−ジメチルアミノピリジン等の3級アミンが挙げられる。
更に式(13−1)で表わされる化合物のリン酸エステルの加水分解とアミノ保護基の脱保護を、常法に従い行なうことにより下記式(13−2)で表わされる化合物、即ちスフィンゴシン類縁体(1)−1−リン酸が得られる。
この反応は下記スキーム2で示される。
スキーム2
【化16】
Figure 0004147790
上記式中のRは炭素数1〜5のアルキル基を意味し、Z、XおよびPは前掲と同じ意味を表わす。
本発明方法によれば、殊に光学活性な化合物を、操作が簡便で収率がよく、しかも高光学純度で得ることができる。
出発原料として用いられる3−ベンジル−4−アルコキシカルボニル−2−オキサゾリジノンは特開平10−87677に記載のように3−クロロ−1,2−プロパンジオールからグリシドールを経て得られるが、3−クロロ−1,2−プロパンジオールとして光学活性な3−クロロ−1,2−プロパンジオールを用いる場合は光学活性なスフィンゴシン類縁体を合成することができる。
【0016】
また一方の出発原料として用いられる式(4)で表わされる化合物は下記のように合成できる。
スキーム3
【化17】
Figure 0004147790
上記式中のX、Pは前掲と同じ意味を表わす。
即ち、式(14)で表される化合物の水酸基の一方を保護することにより式(15)で表される化合物を得、この化合物を酸化することにより式(16)で表される化合物を得、この化合物に四臭化炭素/トリフェニルホスフィンを作用させることにより式(17)で表される化合物を得、ついでこの化合物にn−ブチルリチウム等の塩基を作用させることにより式(4)で表される化合物が得られる。
式(14)で表される化合物としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール等の化合物が挙げられる。
【0017】
以下に実施例を挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例中の略記号THPはテトラヒドロピラニル基、Phはフェニル基、Bocはt−ブトキシカルボニル基、TBSはt−ブチルジメチルシリル基を夫々意味する。
【実施例】
実施例1
モノTHP体(18)の合成:
1,10−デカンジオール(5 g, 28.69 mmol)のクロロホルム (286.9 mL)溶液に0℃でジヒドロピラン(3.66 mL, 40.17 mmol)、ピリジニウムパラトルエンスルホネート (3.60 g, 14.34 mmol)を順次加えた後、室温に昇温し1.5時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、中和した後クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮を行った。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(from 20% to 33% ethyl acetate in hexane)により分離・精製し、モノTHP体(18)(3.87 g, 52.1%)を得た。
【化18】
Figure 0004147790
1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ: 4.58 (dd, J = 2.68, 4.39 Hz, 1H), 3.87 (ddd, J = 3.66, 7.32, 11.12 Hz, 1H), 3.73 (td, J = 7.07, 9.51 Hz, 1H), 3.63 (t, J = 6.58 Hz, 2H), 3.50 (m, 1H), 3.38 (td, J = 6.73, 9.52 Hz, 1H), 1.83 (m, 1H), 1.72 (m, 1H), 1.43-1.61 (m, 8H), 1.22-1.40 (m, 12H);
13C NMR (CDCl3, 100MHz) δ: 98.8, 67.6, 63.0, 62.3, 32.8, 30.7, 29.7, 29.5, 29.45, 29.40, 29.3, 26.2, 25.7, 25.5, 19.6.
IR (NaCl neat): 3405, 2928, 1076, 1034 cm-1
【0018】
実施例2
アルデヒド体(19)の合成:
オキサリルクロリド(4.39 mL, 50.41 mmol)のジクロロメタン (100.8 mL)溶液に−78 ℃でジメチルスルホキシド(4.33 mL, 60.48 mmol)を滴下し5分間攪拌した後、モノTHP体(18)(5.21 g, 20.16 mmol)のジクロロメタン(100.8 mL)溶液をゆっくりと滴下した。反応混合物をそのままの温度で40分間攪拌後、トリエチルアミン(15.16 mL, 100.80 mmol)を滴下した。そのままの温度で1時間攪拌後、室温へと昇温し、20分間攪拌した。反応混合物に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮を行った。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(from 9% to 13% ethyl acetate in hexane)により分離・精製し、アルデヒド体(19)(5.17 g, 100%)を得た。
【化19】
Figure 0004147790
1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ: 9.76 (dd, J = 1.61, 1.95 Hz, 1H), 4.57 (dd, J= 2.68, 4.64 Hz, 1H), 3.87 (ddd, J = 3.66, 7.31, 10.97 Hz, 1H), 3.73 (td, J = 6.83, 9.52 Hz, 1H), 3.50 (m, 1H), 3.38 (td, J = 6.58, 9.75 Hz, 1H), 2.42 (dt, J = 1.95, 7.56 Hz, 1H), 1.83 (m, 1H), 1.69 (m, 1H), 1.49-1.61 (m, 8H), 1.24-1.40 (m, 10H);
13C NMR (CDCl3, 100MHz) δ: 202.9, 98.8, 67.6, 62.3, 43.9, 30.7, 29.7, 29.35, 29.30, 29.2, 29.1, 26.2, 25.5, 22.0, 19.7.
IR (NaCl neat): 2930, 1726, 1078, 1034 cm-1
【0019】
実施例3
ジブロモオレフィン体(20)の合成:
トリフェニルホスフィン(21.32 g, 81.29 mmol)のジクロロメタン(60 mL)溶液に−20℃で四臭化炭素 (13.48 g, 40.64 mmol)、トリエチルアミン (6.11 mL, 40.64 mmol)を順次加え10分間攪拌した後、−78℃に冷却した。反応混合物中にアルデヒド体(18)(5.06 g, 19.75 mmol)のジクロロメタン (41.6 mL)溶液を滴下し10分間攪拌した後、室温へと昇温し、ジエチルエーテルを加え、析出した固体をセライトろ過により除去した。ろ液を減圧濃縮した後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(5% ethyl acetate in hexane)により精製し、ジブロモオレフィン体(20)(6.83 g, 84.0%)を得た。
【化20】
Figure 0004147790
1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ: 6.38 (t, J = 7.32 Hz, 1H), 4.57 (dd, J = 2.69, 4.39 Hz, 1H), 3.87 (ddd, J = 3.66, 7.56, 11.22 Hz, 1H), 3.73 (td, J = 7.07, 9.51 Hz, 1H), 3.50 (m, 1H), 3.38 (td, J = 6.59, 9.51 Hz, 1H), 2.08 (q, J = 7.32, 2H), 1.83 (m, 1H), 1.72 (m, 1H), 1.50-1.63 (m, 5H), 1.26-1.43 (m, 13H);
13C NMR (CDCl3, 100MHz) δ: 138.9, 98.8, 88.4, 67.6, 62.3, 33.0, 30.7, 29.7, 29.4, 29.2, 29.0, 27.7, 26.2, 25.5, 19.7.
IR (NaCl neat): 2928, 1078, 1034 cm-1
【0020】
実施例4
アセチレン体(21)の合成:
ジブロモオレフィン体(19)(8.98 g, 21.75 mmol)のテトラヒドロフラン (109.0 mL)溶液に−78℃でn−ブチルリチウムの1.6Nへキサン溶液 (34.04 mL, 54.48 mmol)を滴下した。そのままの温度で25分間撹拌した後、反応混合物中に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮を行った。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(5% ethyl acetate in hexane)により精製し、アセチレン体(21)(5.00 g, 90.8%)を得た。
【化21】
Figure 0004147790
1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ: 4.57 (dd, J = 2.69, 4.39 Hz, 1H), 3.87 (ddd, J = 3.66, 7.31, 11.23 Hz, 1H), 3.73 (td, J = 6.83, 9.52 Hz, 1H), 3.50 (m, 1H), 3.38 (td, J = 6.83, 9.52 Hz, 1H), 2.17 (dt, J = 2.68, 7.07 Hz, 2H), 1.94 (t, J = 2.69 Hz, 1H), 1.81 (m, 1H), 1.70 (m, 1H), 1.45-1.70 (m, 8H), 1.22-1.45 (m, 10H);
13C NMR (CDCl3, 100MHz) δ: 98.8, 84.7, 68.0, 67.6, 62.3, 32.9, 30.8, 29.7, 29.4, 29.0, 28.7, 28.4, 26.2, 25.5, 19.7, 18.4.
IR (NaCl neat): 3312, 2934, 2118, 1742, 1078, 1034 cm-1
【0021】
実施例5
ケトン体(22)の合成:
アセチレン体(21)(1.18 g, 4.68 mmol)のテトラヒドロフラン (12.76 mL)溶液に−78℃でn−ブチルリチウムの1.6Nへキサン溶液(2.79 mL, 4.465 mmol)を滴下し、そのままの温度で30分間攪拌した。この溶液を−100 ℃以下に冷却した(4S)−3−ベンジル−4−メトキシカルボニル−2−オキサゾリジノン(1.0 g, 4.25 mmol)のTHF (21.26 mL)溶液に滴下した後、30分攪拌した。反応混合物をpH 7のリン酸緩衝液中に滴下し、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮を行った。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(from 11% to 33% ethyl acetate in hexane)により精製し、ケトン体(22)(1.26 g, 64.7%)を得た。
【化22】
Figure 0004147790
1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ: 7.24-7.38 (m, 5H), 4.95 (d, J = 14.88 Hz, 1H), 4.57 (dd, J = 2.93, 4.39 Hz, 1H), 4.42 (dd, J = 9.27, 9.51 Hz, 1H), 4.35 (dd, J = 4.88, 9.27 Hz, 1H), 4.12 (d, J = 14.88 Hz, 1H), 4.09 (dd, J = 4.88, 9.76 Hz, 1H), 3.87 (ddd, J = 3.42, 7.32, 11.22 Hz, 1H), 3.73 (td, J = 6.83, 9.52 Hz, 1H), 3.49 (m, 1H), 3.38 (td, J = 6.83, 9.51 Hz, 1H), 2.40 (t, J = 7.07 Hz, 2H), 1.82 (m, 1H), 1.74 (m, 1H), 1.47-1.63 (m, 8H), 1.28-1.42 (m, 10H);
13C NMR (CDCl3, 100MHz) δ: 183.6, 157.6, 134.8, 128.9, 128.6, 128.2, 100.9, 98.8, 78.0, 67.6, 63.7, 63.1, 62.3, 47.3, 30.7, 29.7, 29.32, 29.26,28.84, 28.81, 27.4, 26.1, 25.4, 19.7, 19.1.
IR (NaCl neat): 2932, 2208, 1767, 1680, 1412, 1032 cm-1
【0022】
実施例6
還元体(23)の合成:
ケトン体(22)(9.76 g, 21.43 mmol)のトルエン(107.16 mL)溶液に0℃で0.5Mジイソブチルアルミニウム2,6−t−ブチル−4−メチルフェノキシド のトルエン溶液(94.30 mL)を滴下した。15分間攪拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮を行った。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(from 20% to 33% ethyl acetate in hexane)により精製し、還元体(23)(8.88 g, 90.6%)を得た。
【化23】
Figure 0004147790
1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ:7.23-7.34 (m, 5H), 4.76 (d, J = 15.36 Hz, 1H), 4.54 (dd, J = 2.93, 4.39 Hz, 1H), 4.46 (m, 1H), 4.39 (dd, J = 5.12, 9.03 Hz, 1H), 4.27 (d, J = 16.83 Hz, 1H), 4.24 (t, J = 9.03 Hz, 1H), 3.83 (ddd, J = 3.66, 7.32, 10.98 Hz, 1H), 3.69 (td, J = 6.83, 9.51 Hz, 1H), 3.69 (m, 1H), 3.46 (m, 1H), 3.34 (td, J = 6.83, 9.52 Hz, 1H), 2.10-2.15 (m, 2H), 1.79 (m, 1H), 1.67 (m, 1H), 1.18-1.35 (m, 18H);
13C NMR (CDCl3, 100MHz) δ: 158.9, 136.0, 128.8, 128.1, 127.9, 98.8, 76.52, 76.47, 67.6, 63.4, 62.3, 60.7, 58.6, 46.4, 30.7, 29.6, 29.3, 28.9, 28.7, 28.2, 26.1, 25.4, 19.6, 18.5.
IR (NaCl neat): 3393, 2932, 1740, 1441, 1238, 1073, 1030 cm-1
【0023】
実施例7
E−オレフィン体(24)の合成:
液体アンモニア(73.30 mL)に−78℃で還元体(23)(4.79 g, 10.47 mmol)のテトラヒドロフラン (146.6 mL)溶液を加えた後、反応溶液が青く変色するまで金属リチウムを加えた。アイスバスを除去し3時間還流させた後、−78℃で固体の塩化アンモニウムを加え、アンモニアを留去した。酢酸エチルを加えた後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮を行った。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(from 50% to 80% ethyl acetate in hexane)により精製し、E−オレフィン体(24)(3.72 g, 96.1%)を得た。
【化24】
Figure 0004147790
1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ: 6.09 (br s, 1H), 5.83 (dtd, J = 0.73, 6.83, 15.37 Hz, 1H), 5.38 (tdd, J = 1.22, 6.83, 15.37 Hz, 1H), 4.57 (dd, J = 2.69, 4.39 Hz, 1H), 4.40 (t, J = 8.78 Hz, 1H), 4.33 (dd, J = 5.12, 8.78 Hz, 1H), 3.81-3.90 (m, 2H), 3.73 (td, J = 6.83, 9.51 Hz, 1H), 3.50 (m, 1H), 3.38 (td, J = 6.83, 9.51 Hz, 1H), 3.09 (br s, 1H), 2.02-2.07 (m, 2H), 1.82 (m, 1H), 1.71 (m, 1H), 1.47-1.63 (m, 6H), 1.23-1.41 (m, 12H);
13C NMR (CDCl3, 100MHz) δ: 160.3, 136.3, 126.6, 98.9, 73.1, 67.7, 66.3, 62.3, 56.3, 32.3, 30.7, 29.7, 29.41, 29.37, 29.3, 29.1, 28.9, 26.1, 25.4, 19.7.
IR (KBr disk): 3416, 3260, 2920, 1752, 1713, 1078, 1024 cm-1
【0024】
実施例8
Boc保護体(25)の合成:
E−オレフィン体(24)(2.00 g, 5.41 mmol)のエタノール(27.06 mL)溶液に8N−水酸化カリウム水溶液(10.8 mL)を加え2時間還流した。反応混合物を0℃に冷却後、2N−塩酸水溶液で中和した。減圧下にエタノールを留去した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮を行った。残渣のテトラヒドロフラン−水 (52.12 mL, 1:1)溶液に0℃で炭酸カリウム(3.74g, 27.07 mmol)、ニ炭酸ジ−t−ブチル(2.36 g, 10.83 mmol)を順次加え、2時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで抽出した後、有機層を飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮を行った。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(66% ethyl acetate in hexane)により精製し、Boc保護体(25)(2.10 g, 87.4%)を得た。
【化25】
Figure 0004147790
1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ: 5.77 (dtd, J = 1.22, 6.83, 15.37 Hz, 1H), 5.53 (tdd, J = 1.12, 6.58, 15.37 Hz, 1H), 5.32 (br d, J = 5.85 Hz, 1H), 4.57 (dd, J = 2.93, 4.14 Hz, 1H), 4.30 (m, 1H), 3.93 (dd, J = 3.66, 11.48 Hz, 1H), 3.87 (ddd, J = 3.66, 7.56, 10.98 Hz, 1H), 3.73 (td, J = 6.83, 9.51 Hz, 1H), 3.68 (m, 1H), 3.60 (m, 1H), 3.50 (m, 1H), 3.38 (td, J = 6.58, 9.51 Hz, 1H), 2.86 (br s, 1H), 2.83 (br s, 1H), 2.05 (q, J = 7.07 Hz, 2H), 1.83 (m, 1H), 1.72 (m, 1H), 1.48-1.61 (m, 6H), 1.45 (s, 9H), 1.25-1.42 (m, 12H);
13C NMR (CDCl3, 100MHz) δ: 156.2, 133.9, 129.0, 98.8, 79.7, 74.8, 67.7, 62.6, 62.3, 55.4, 32.2, 30.7, 29.7, 29.43, 29.37, 29.3, 29.1, 29.0, 28.3, 26.1, 25.5, 19.7.
IR (KBr disk): 3395, 2928, 1694, 1249, 1024 cm-1
【0025】
実施例9
ジシリルエーテル体(26)の合成:
Boc保護体(25)(667 mg, 1.50 mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド (7.52 mL)溶液に0℃でイミダゾール (512 mg, 7.518 mmol)、t−ブチルジメチルシリルクロリド (680 mg, 4.51 mmol)を加えた後、室温へ昇温し、5時間攪拌した。反応混合物を氷水中に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮を行った。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(9% ethyl acetate in hexane)により精製し、ジシリルエーテル体(26)(765 mg, 75.7%)を得た。
【化26】
Figure 0004147790
1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ: 5.63 (dtd, J = 0.98, 6.83, 15.37 Hz, 1H), 5.40 (dd, J = 7.07, 15.37 Hz, 1H), 4.61 (br d, J = 8.53 Hz, 1H), 4.57 (dd, J = 2.93, 4.40 Hz, 1H), 4.18 (br t, J = 6.59 Hz, 1H), 3.86 (ddd, J = 3.42, 7.57, 11.22 Hz, 1H), 3.76 (dd, J = 4.63, 10.00 Hz, 1H), 3.73 (td, J = 6.83, 9.51 Hz, 1H), 3.58 (m, 2H), 3.49 (m, 1H), 3.37 (td, J = 6.58, 9.51 Hz, 1H), 2.00 (q, J = 6.83 Hz, 2H), 1.82 (m, 1H), 1.71 (m, 1H), 1.47-1.60 (m, 6H), 1.41 (s, 9H), 1.25-1.41 (m, 12H), 0.89 (s, 9H), 0.87 (s, 9H), 0.04 (s, 6H), 0.03 (s, 3H), 0.03 (s, 3H);
13C NMR (CDCl3, 100MHz) δ: 155.6, 133.1, 130.1, 98.8, 78.8, 73.1, 67.7, 62.3, 61.4, 56.6, 32.2, 30.8, 29.8, 29.54, 29.49, 29.4, 29.23, 29.17, 28.4, 26.2, 25.89, 25.85. 25.5, 19.7, 18.2, 18.1, -4.1, -4.9, -5.3, -5.5
IR (KBr disk): 3459, 2930, 1721, 1254, 1034, 837, 777 cm-1
【0026】
実施例10
アルコール体(27)の合成:
ジシリルエーテル体(26)(500 mg, 0.74 mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド (14.88 mL)溶液に0℃で臭化マグネシウム (2.74 g, 14.88 mmol)を加えた後、室温へ昇温し、10分間攪拌した。反応混合物を氷水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮を行った。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(from 9% to 25% ethyl acetate in hexane)により精製し、アルコール体(27)(344 mg, 78.7%)を得た。
【化27】
Figure 0004147790
[α]D 17.0 -2.49 (c=0.976, CHCl3)
1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ: 5.60 (dtd, J = 1.49, 6.83, 15.37 Hz, 1H), 5.41 (dd, J = 7.32, 15.37 Hz, 1H), 4.62 (br d, J = 8.05 Hz, 1H), 4.19 (t, J = 6.35 Hz, 1H), 3.77 (dd, J = 4.39, 10.00 Hz, 1H), 3.64 (t, J = 6.59 Hz, 2H), 3.52-3.62 (m, 2H), 2.01 (q, J = 6.83 Hz, 2H), 1.57 (q, J = 6.83 Hz, 1H), 1.56 (q, J = 6.83 Hz, 1H), 1.42 (s, 9H), 1.26-1.39 (m, 12H), 0.89 (s, 9H), 0.87 (s, 9H), 0.05 (s, 6H), 0.04 (s, 3H), 0.01 (s, 3H);
13C NMR (CDCl3, 100MHz) δ: 155.6, 133.0, 130.1, 78.8, 73.1, 63.0, 61.4,56.6, 32.8, 32.2, 29.5, 29.4, 29.2, 29.1, 28.4, 25.89, 25.85, 25.7, 18.2, 18.1, -4.1, -4.9, -.5.3, -5.5.
IR (KBr disk): 3455, 2930, 1721, 1254, 837, 777 cm-1
【0027】
実施例11
アジド体(28)の合成:
アルコール体(27)(353 mg, 0.60 mmol)のテトラヒドロフラン (3.00 mL)溶液に0℃でトリエチルアミン (0.27 mL, 1.80 mmol)、メタンスルホニルクロリド(0.07 mL, 0.90 mmol)を加えた後、10分間攪拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮を行った。残渣のN,N−ジメチルホルムアミド (3.00 mL)溶液に0℃でアジ化ナトリウム(195 mg, 3.00 mmol)を加えた後、50℃に昇温し3時間攪拌した。反応混合物に水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮を行った。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(9% ethyl acetate in hexane)により精製し、アジド体(28)(327 mg, 88.9%)を得た。
【化28】
Figure 0004147790
[α]D 17.0 2.44 (c=0.977, CHCl3)
1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ: 5.60 (dtd, J = 0.98, 6.83, 15.37 Hz, 1H), 5.42 (dd, J = 7.32, 15.37 Hz, 1H), 4.62 (br d, J = 7.80 Hz, 1H), 4.19 (dd, J = 5.85, 6.83 Hz, 1H), 3.77 (dd, J = 4.39, 9.76 Hz, 1H), 3.48-3.64 (m, 2H), 3.25 (t, J = 6.83 Hz, 2H), 2.01 (q, J = 6.83 Hz, 2H), 1.61 (t, J =7.07 Hz, 1H), 1.58 (t, J = 7.07 Hz, 1H), 1.26-1.45 (m, 21H), 0.89 (s, 9H), 0.87 (s, 9H), 0.05 (s, 6H), 0.04 (s, 3H), 0.01 (s, 3H); 13C NMR (CDCl3, 100MHz) δ: 155.6, 133.0, 130.1, 78.8, 73.1, 61.4, 56.6, 51.5, 32.2, 29.41, 29.36, 29.2, 29.1, 28.8, 28.4, 26.7, 25.89, 25.85, 18.2, 18.1, -4.1, -4.9, -.5.3, -5.5.
IR (KBr disk): 3457, 2930, 2097, 1719, 1254, 837, 777 cm-1
【0028】
実施例12
アミン体(29)の合成:
アジド体(28)(327 mg, 0.53 mmol)のテトラヒドロフラン−水 (5.33 mL, 9:1)の混合溶液に室温でトリフェニルホスフィン(210 mg, 0.80 mmol)を加えた後、60℃に昇温し5時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮を行った。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(13% methanol in chloroform)により精製し、アミン体(29) (291 mg, 93.0%)を得た。
【化29】
Figure 0004147790
[α]D 19.5 3.44 (c=1.12, CHCl3)
1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ: 5.60 (td, J = 6.83, 15.37 Hz, 1H), 5.41 (dd, J = 7.07, 15.12 Hz, 1H), 4.62 (br d, J = 8.05 Hz, 1H), 4.18 (dd, J = 5.86, 6.34 Hz, 1H), 3.77 (dd, J = 4.40, 10.00 Hz, 1H), 3.59-3.64 (m, 2H), 2.71 (dd, J = 7.07, 7.83 Hz, 2H), 2.53 (br s, 2H), 2.00 (q, J = 7.07 Hz, 2H), 1.24-1.52 (m, 23H), 0.89 (s, 9H), 0.87 (s, 9H), 0.05 (s, 6H), 0.03 (s, 3H), 0.01 (s, 3H);
13C NMR (CDCl3, 100MHz) δ: 155.6, 133.1, 130.1, 73.1, 61.4, 56.6, 45.8, 41.8, 32.8, 32.2, 29.5, 29.4, 29.2, 29.2, 28.4, 26.8, 25.9, 25.8, 20.9, 18.1, -4.1, -4.9, -5.3, -5.5.
IR (KBr disk): 3457, 3351, 2930, 1719, 1254, 1103 cm-1
【0029】
実施例13
ジオール体(30)の合成:
アミン体(29)(50 mg, 0.09 mmol)のテトラヒドロフラン(0.85 mL)溶液に0℃でトリエチルアミン (0.026 mL, 0.17 mmol)、4−クロロ−7−ニトロベンゾ−2−オキサ−1,3−ジアゾール(34 mg, 0.17 mmol)を加えた後、室温に昇温し25分間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮を行った。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより粗精製(from 5% to 25% ethyl acetate in hexane)し、カップリング体を得た。上記で得られたカップリング体のメタノール (0.85 mL)溶液に0℃で2N−塩酸(0.34 mL)水溶液を加えた後、室温に昇温し2時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮を行った。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(from 17% to 50% ethyl acetate in hexane)により精製し、ジオール体(30)(37 mg, 84%)を得た。
【化30】
Figure 0004147790
[α]D 17.0 7.33 (c=0.994, CHCl3)
1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ:8.49 (d, J = 8.54 Hz, 1H), 6.63 (br s, 1H), 6.18 (d, J = 8.79 Hz, 1H), 5.77 (dtd, J = 0.98, 6.83, 15.37 Hz, 1H), 5.53 (dd, J = 6.34, 15.61 Hz, 1H), 5.36 (br d, J = 7.08 Hz, 1H), 4.33 (m, 1H), 3.94 (dd, J = 3.66, 11.47 Hz, 1H), 3.72 (m, 1H), 3.61 (m, 1H), 3.50 (m, 2H), 2.88 (br s, 1H), 2.84 (br s, 1H), 2.03-2.08 (m, 2H), 1.81 (qd, J = 7.31, 7.31 Hz, 2H), 1.45 (s, 9H), 1.22-1.52 (m, 12H);
13C NMR (CDCl3, 100MHz) δ: 144.2, 144.0, 136.6, 133.8, 129.1, 128.3, 98.4, 79.7, 74.8, 73.4, 65.8, 62.6, 60.4, 55.4, 44.0, 32.1, 29.23, 29.15, 29.0, 28.9, 28.4, 28.3, 26.8.
IR (KBr disk): 3443, 3337, 3260, 2930, 1680, 1588, 1530, 1300, 1167 cm-1
【0030】
実施例14
スフィンゴシン類縁体(31)の合成:
ジオール体(30)(993 mg, 1.90 mmol)のジクロロメタン (9.52 mL)溶液に0℃でトリフルオロ酢酸(3.81 mL)加えた。そのままの温度で40分間攪拌した後、溶媒を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(from 13% to 25% methanol in chloroform with 3% Et3N)により粗精製した後、高速液体クロマトグラフィー(Develosil C8-5, 250*20, 80% acetonitrile in water, retention time; 4.6 min., UV detection; 240 nm, flow rate; 10 mL/min)により精製し、スフィンゴシン類縁体(31)(266 mg, 33.1%)を得た。
【化31】
Figure 0004147790
[α]D 18.0 4.73 (c=0.861, CH3OH)
1H NMR (CD3OD, 400MHz) δ: 8.51 (d, J = 8.78 Hz, 1H), 6.33 (d, J = 9.02 Hz, 1H), 5.83 (dtd, J = 0.98, 6.83, 15.13 Hz, 1H), 5.46 (tdd, J = 1.47, 7.08, 15.37 Hz, 1H), 4.27 (t, J = 5.85 Hz, 1H), 3.79 (dd, J = 4.15, 11.71 Hz, 1H), 3.66 (dd, J = 8.30, 11.71 Hz, 1H), 3.42-3.60 (m, 2H), 3.20 (td, J = 4.39, 8.29 Hz, 1H), 2.08 (m, 2H), 1.77 (qd, J = 7.32, 7.32 Hz, 2H), 1.27-1.51 (m, 14H); 13C NMR (CD3OD, 100MHz) δ: 146.4, 146.2, 138.5, 136.4, 128.5, 99.6, 71.1, 59.6, 58.5, 44.9, 33.3, 30.5, 30.4, 30.32, 30.26, 30.1, 29.2, 28.0.
IR (KBr disk): 3281, 3081, 2928, 1678, 1620, 1589, 1300, 1202, 1138 cm-1FAB MASS m/z calcd. for C20H32N505 (M+ + H) 422.2403, found 422.2409.
【0031】
実施例15
リン酸メチルエステル体(32)の合成:
ジオール体(30) (345 mg, 0.66 mmol)のピリジン (3.31 mL)溶液に−4℃で四臭化炭素 (329 mg, 0.99 mmol)、亜リン酸トリメチル (0125 mL, 1.06 mmol)を順次加えた後、1時間攪拌した。反応溶液を減圧下除去し、析出した不溶物をセライト濾過により除去した後、ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(from 50% to 75% ethyl acetate in hexane)により分離・精製し、リン酸メチルエステル体(32)(382 mg, 91.8%)を得た。
Figure 0004147790
[α]D 19.0 1.062 (c=0.829, CHCl3)
IR (NaCl neat): 3326, 2928, 1701, 1588, 1530, 1366, 1042 cm-1
1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ: 8.49 (d, J = 8.78 Hz, 1H), 6.73 (br s, 1H), 6.18 (d, J = 8.78 Hz, 1H), 5.75 (dtd, J = 0.73, 6.83, 15.37 Hz, 1H), 5.51 (dd, J = 6.83, 15.37 Hz, 1H), 5.09 (br d, J = 7.81 Hz, 1H), 4.33 (ddd, J = 4.88, 7.81, 10.73 Hz, 1H), 4.124.18 (m, 2H), 3.77-3.81 (m, 7H), 3.51 (td, J = 6.34, 6.34 Hz, 1H), 2.03 (m, 2H), 1.81 (tt, J = 7.32, 7.32 Hz, 2H), 1.43 (s, 9H), 1.24-1.51 (m, 12H);
13C NMR (CD3OD, 100MHz) δ: 155.7, 144.2, 144.1, 143.9, 136.5, 134.5, 128.6, 119.4, 98.4, 79.7, 72.4, 66.6 (JC-P = 4.96 Hz), 60.3, 54.9 (JC-P = 4.96 Hz), 54.5 (JC-P = 5.79 Hz), 44.0, 32.1, 29.2, 29.1, 29.0, 28.9, 28.8, 28.4, 28.3, 26.8.
【0032】
実施例16
スフィンゴシン−1−リン酸類縁体(33)の合成:
リン酸メチルエステル体(32)(165 mg, 0.26 mmol)のアセトニトリル (0.66 mL)溶液に室温でトリメチルシリルブロミド(0.35 mL, 2.62 mmol)のアセトニトリル (0.67 mL)溶液をゆっくり滴下した。そのままの温度で2時間攪拌した後、反応溶液を減圧濃縮した。残渣にメタノール(1.31 mL)を加え、1時間攪拌した後、反応溶液を減圧濃縮した。残渣を高速液体クロマトグラフィーにより分離・精製し、スフィンゴシン−1−リン酸類縁体(33)(93 mg, 71.0%)を得た。
Figure 0004147790
[α]D 19.0 -9.875 (c=0.519, CH3OH)
IR (NaCl neat): 3306, 2930, 1588, 1530, 1352 cm-1
1H NMR (CD3OD, 400MHz) δ: 8.51 (d, J = 8.78 Hz, 1H), 6.34 (d, J = 9.03 Hz, 1H), 5.88 (dtd, J = 0.98, 6.83, 15.36 Hz, 1H), 5.48 (tdd, J = 1.22, 6.83, 15.37 Hz, 1H), 4.34 (dd, J = 5.37, 5.61 Hz, 1H), 4.24 (ddd, J = 3.66, 6.10, 11.46 Hz, 1H), 4.12 (ddd, J = 6.59, 8.29, 11.47 Hz, 1H), 3.47-3.59 (m, 2H), 3.45 (td, J = 3.91, 9.02 Hz, 1H), 2.09 (td, J = 6.83, 6.83 Hz, 2H), 1.78 (tt, J = 7.32, 7.32 Hz, 2H), 1.28-1.50 (m, 12H);
13C NMR (CD3OD, 100MHz) δ: 146.7, 145.7, 145.5, 138.6, 137.0, 128.0, 122.6, 99.7, 70.6, 64.3 (JC-P = 3.31 Hz), 56.9 (JC-P = 7.44 Hz), 44.8, 33.3, 30.5, 30.4, 30.33, 30.28, 30.0, 29.3, 28.0.
【0033】
【発明の効果】
本発明に係る蛍光標識スフィンゴシン類縁体(1)は、細胞内の局在場所や代謝物の挙動を解明するために有用な化合物である。

Claims (8)

  1. 式(1)
    Figure 0004147790
    (式中、Xは炭素数1〜15のアルキル基を意味し、そしてZは蛍光標識基を意味する。)
    で表されるスフィンゴシン類縁体、またはその水酸基もしくはアミノ基が保護された化合物。
  2. 式(1)の化合物が光学活性である請求項1に記載の化合物。
  3. 式(1)において、Zが7−ニトロベンゾ−2−オキサ−1,3−ジアゾール−4−イルである請求項1または2に記載の化合物。
  4. 式(13−1)
    Figure 0004147790
    (式中、Zは蛍光標識基を意味し、Xは炭素数1〜15のアルキル基を意味し、Rは炭素数1〜5のアルキル基を意味し、そしてPはアミノ保護基を意味する。)
    で表されるスフィンゴシン類縁体−1−リン酸エステル、またはそのアミノ保護基が脱離し、もしくはリン酸エステル部のアルキルエステル部が加水分解された化合物。
  5. 式(13−1)の化合物が光学活性である請求項4に記載の化合物。
  6. 式(13−1)において、Zが7−ニトロベンゾ−2−オキサ−1,3−ジアゾール−4−イルである請求項4または5に記載の化合物。
  7. 式(10)
    Figure 0004147790
    (式中、Xは炭素数1〜15のアルキル基を意味し、Pはアミノ保護基を意味し、そしてPは水酸基保護基を意味する。)
    で表される化合物の水酸基をアジドに変え、式(11)
    Figure 0004147790
    (式中、X、P及びPは前記に同じ。)
    で表される化合物を得、該アジドを還元し、式(12)
    Figure 0004147790
    (式中、X、P及びPは前記に同じ。)
    で表される化合物を得、これに蛍光標識基を有する試薬を反応させ、ついで必要に応じ保護基を脱離させることを特徴とする式(1)
    Figure 0004147790
    (式中、X及びZは前記に同じ。)
    で表されるスフィンゴシン類縁体、またはその水酸基もしくはアミノ基が保護された化合物の製法。
  8. 式(10)
    Figure 0004147790
    (式中、Xは炭素数1〜15のアルキル基を意味し、Pはアミノ保護基を意味し、そしてPは水酸基保護基を意味する。)
    で表される化合物の水酸基をアジドに変え、式(11)
    Figure 0004147790
    (式中、X、P及びPは前記に同じ。)
    で表される化合物を得、該アジドを還元し、式(12)
    Figure 0004147790
    (式中、X、P及びPは前記に同じ。)
    で表される化合物を得、これに蛍光標識基を有する試薬を反応させ、ついで水酸基保護基を脱離させ、式(13)
    Figure 0004147790
    (式中、Z、X及びPは前記に同じ。)
    で表わされる化合物を得、この化合物に亜リン酸トリエステルを反応させ、ついでアミノ保護基を脱離させ、そしてリン酸エステル部を加水分解することを特徴とする式(13−2)
    Figure 0004147790
    (式中、X及びZは前記に同じ。)
    で表されるスフィンゴシン類縁体−1−リン酸の製法。
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