JP4165198B2 - スフィンゴミエリン類縁体およびその製法 - Google Patents

スフィンゴミエリン類縁体およびその製法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はリン脂質加水分解する酵素であるスフィンゴミエリナーゼの触媒部位に作用し、基質に対して拮抗的に阻害する物質として期待される新規スフィンゴミエリン類縁体およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
スフィンゴミエリナーゼは、スフィンゴミエリンのリン酸エステル部を加水分解する酵素であり、この働きによりスフィンゴミエリンはセラミドとホスホコリンに分解される。代謝産物であるセラミドは細胞分化やアポトーシス誘導体の情報伝達因子として機能し、スフィンゴシンはプロテインキナーゼCの酵素活性を阻害することが明らかになっている。またスフィンゴミエリンなどのスフィンゴ脂質がセカンドメッセンジャーとして、増殖・分化・アポトーシスなどの細胞機能において重要な役割を果たしていると考えられていることから、スフィンゴミエリナーゼの重要性が注目されその作用機構の解明が望まれている。
【0003】
スフィンゴミエリナーゼはいまだ数多くの種類の中でごく一部の1次構造が解明された程度であり、その高次構造や加水分解機構など詳しいことは明らかにされていないが、スフィンゴミエリナーゼ阻害剤となりうる物質の開発が望まれ、そしてそれが安価で大量合成されることも望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは下記式(1)で示される新規スフィンゴミエリン類縁体の合成に成功した。
また、式(2)で表されるシステイン誘導体、例えばN−t−ブトキシカルボニル−S−ベンジルシステインを原料に用いて、本発明のスフィンゴミエリン類縁体が効率よく合成できることを見出した。
【0005】
ところで、光学活性な化合物を合成する際、操作が簡便で収率がよく、しかも光学純度が高く保持されることが肝要である。このような要望に合致する製造法として、化学変換しやすいキラル中間体を合成し、この化合物を経て目的物を製造するという手法がある。この方法で重要な点は、このキラル中間体が操作の点で取り扱い易いうえに、安価でかつ大量に入手可能な物質のことである。本発明に係る化合物は光学異性体として存在する場合が多く、本発明方法はこれらの要望を満たした方法でもある。
【0006】
即ち、本発明は、特にリン脂質加水分解酵素であるスフィンゴミエリナーゼの触媒部位に作用し、基質に対拮抗的に阻害する物質として期待されるスフィンゴミエリン類縁体およびその製造法、特に効率的製造法を提供することにある。
【化21】
Figure 0004165198
(式中、R1およびR2は同一または異なって、炭素数が1〜20のアルキル基、アリール基、またはアリール基置換炭素数1〜6のアルキル基。P1、P2は上掲と同じ基を意味する。)
【0007】
上記R1で示される基のうち、炭素数1〜20のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、トリデシル基等が挙げられ、好ましい基はペンチル基、トリデシル基である。
【0008】
上記R1で示される基のうち、アリール基の具体例としては、フェニル基、4−メトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基が挙げられ、好ましい基はフェニル基である。
【0009】
上記R1で示される基のうち、アリール基置換炭素数1〜6のアルキル基の具体例としては、ベンジル基、1−フェネチル基等であり、好ましい基はベンジル基である。
【0010】
上記R2で示される基のうち、炭素数1〜20のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ヘプタデシル基等が挙げられ、好ましい基はペンチル基、ヘプタデシル基である。
【0011】
上記R2で示される基のうち、アリール基の具体例としては、フェニル基、4−メトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基が挙げられ、好ましい基はフェニル基である。
【0012】
上記R2で示される基のうち、アリール基置換炭素数1〜6のアルキル基の具体例としては、ベンジル基、1−フェネチル基等であり、好ましい基はベンジル基である。
【0013】
一般式(1)で示される本発明の化合物のうち好ましい化合物は、R1が、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、トリデシル基、フェニル基、4−メトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、ベンジル基、1−フェネチル基で、R2が、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ヘプタデシル基、フェニル基、4−メトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基である化合物である。
【0014】
特に好ましい化合物は、R1がペンチル基、トリデシル基、フェニル基、ベンジル基であり、R2がペンチル基、ヘプタデシル基である化合物である。R1、R2がともにペンチル基である化合物が最も好ましい。
【0015】
本発明はまた、上記式(1)の化合物の製造法に関する。
本発明の化合物(1)の製造法につき以下に詳細に説明する。
その製造工程は以下のスキーム1で示される。
【0016】
スキーム1
【化22】
Figure 0004165198
(上記式中、R3はアルキル基を意味し、P1はアミノ保護基を意味し、P2はチオール保護基、P3、P4は水酸基の保護基を意味し、R1、R2は前掲と同じである。Xはハロゲンを意味する。)
【0017】
式(2)で表される化合物のカルボン酸をアミド化することにより式(3)で表される化合物が得られる。
1としては公知のアミノ基の保護基であれば何ら限定されないが、t−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、1−アダマンチルオキシカルボニル基等が挙げられ、好ましくはt−ブトキシカルボニル基である。
【0018】
使用するアミンとしてはカルボン酸と反応すれば何ら限定しないが、好ましいのはメトキシメチルアミンである。この場合、取り扱いの便宜さから1級または2級アミンの鉱酸塩を3級アミンと組み合わせて使用してもよい。アミンの使用量は基質に対して1〜2当量であるが、好ましくは1〜1.1当量である。カップリングするための試薬としては、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール・ジシクロヘキシルカルボジイミド等の一般的にアミド合成に使用する試薬を用いることができる。使用する溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジグライム、トリグライム、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒、ならびにこれらの混合溶媒等が挙げられる。反応温度は0℃から溶媒の還流温度までで、好ましくは0℃から25℃である。
【0019】
式(13)で表される化合物に塩基を作用させてアセチリドアニオンとし、これを式(3)で表される化合物と反応させることにより一般式(4)で表される化合物が得られる。アニオンを出す際に使用する塩基としては水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリもしくはアルカリ土類金属水素化物、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム等のアルキルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウム2,2,6,6−テトラメチルピペリジド等のリチウムアミド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド、リチウムヘキサメチルジシラジド等のアルカリ金属ジシラジドが挙げられるが、好ましくはn−ブチルリチウムである。塩基の使用量は基質に対して1〜1.5当量であるが、好ましくは1当量である。
【0020】
使用する溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジグライム、トリグライム、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒、ならびにこれらの混合溶媒等が挙げられる。反応温度は−100℃から溶媒の還流温度までで、好ましくは−50℃から25℃である。
【0021】
式(4)で表される化合物のケトンを還元すると式(5)で表される化合物が得られる。還元剤は水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウム等ケトンがアルコールに還元される試薬ならば何ら限定されないが、後述するように不斉還元を行う場合、t−ブトキシアルミノヒドリドやジイソブチルアルミニウム2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシドを用いると優先的にエリスロ体のアルコールが得られる。
【0022】
一般式(5)で表される化合物のチオールの脱保護と三重結合からトランス体の二重結合への還元を行うことにより一般式(6)で表される化合物が得られる。チオールの脱保護は、チオールを保護している保護基の脱離に適した方法であればいかなる方法でも行うことができるが、例えばP2がベンジル基の場合、水素雰囲気下、溶媒中での接触還元、またはアルカリ金属―アンモニア還元が一般的に用いられる。また、三重結合からトランス体への二重結合への還元も通常の公知の還元方法を使用できる。アルカリ金属―アンモニアの条件下では、これら脱保護と還元を同時に行うことができる。その意味でアルカリ金属―アンモニアを用いるのが好ましい。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。反応温度は−100℃から溶媒の還流温度までで、好ましくは−78℃から溶媒の還流温度である。
【0023】
得られた式(6)の水酸基に保護基を導入することにより式(7)で表される化合物が得られる。例えば、水酸基とチオールを予め同時に保護し、続いてチオールの保護のみはずすことにより得てよい。保護する試薬としては、トリメチルシリルクロリド、トリエチルシリルクロリド、t−ブチルジメチルシリルクロリド、t−ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、トリエチルシリルトリフルオロメタンスルホネート等のハロゲン化シリルおよびシリルスルホン酸エステル試薬が挙げられる。
【0024】
使用する塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、イミダゾール等の3級アミンが好ましく例示される。
【0025】
使用する溶媒としては、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジグライム、トリグライムジエチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、並びにこれらの混合溶媒等が挙げられるが、好ましくはN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒である。反応温度は0℃から溶媒の還流温度までで、好ましくは0℃から25℃である。
【0026】
また、チオールの保護基のみをはずす試薬についても、その種類は何ら限定されず、例えばテトラブチルアンモニウムフルオリド、酢酸、フッ化水素等が挙げられる。反応温度は−78℃から溶媒の還流温度までで、好ましくは−78℃から0℃である。この範囲において試薬との関係でチオールの保護基のみを効果的に脱離可能な還流温度を随時選択することができる。
【0027】
式(7)で表される化合物に四臭化炭素存在下、2−ハロゲノエチルジアルキルホスファイトを反応させることにより式(8)で表される化合物が得られる。2−ハロゲノエチルジアルキルホスファイトとしては2−クロロエチルジメチルホスファイト、2−ブロモエチルジメチルホスファイト等が挙げられる。
【0028】
使用する溶媒としては、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジグライム、トリグライムジエチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、並びにこれらの混合溶媒等が挙げられる。
【0029】
使用する塩基としてはトリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、ピコリン、ルチジン、コリジン、4−N,N−ジメチルアミノピリジン等の3級アミンが挙げられるが、好ましくはピリジンであり、これは溶媒としても使用できる。反応温度は、0℃から溶媒の還流温度までで、好ましくは0℃から25℃である。
【0030】
式(8)で表される化合物の水酸基の保護基をはずすことにより式(9)で表される化合物が得られる。使用する試薬としては塩酸、硫酸等の鉱酸、テトラブチルアンモニウムフルオリド等が挙げられるが好ましいのは塩酸である。使用する溶媒としてはメタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジグライム、トリグライムジエチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒等が挙げられる。反応温度は、0℃から溶媒の還流温度までで、好ましくは0℃から25℃である。
【0031】
式(9)で表される化合物の水酸基を保護することにより式(10)で表される化合物が得られる。保護基としては、次の反応工程であるP1の脱保護の際に外れない保護基であって、かつ、最終反応工程において保護された水酸基から加水分解で外れる保護基を選択しなければならず、例えばアセチル基、ベンゾイル基等が挙げられ、好ましいのはアセチル基である。
【0032】
使用する試薬としては、アセチルクロリド、ベンジルクロリド等のアシルクロリド、無水酢酸等の無水カルボン酸無水物が挙げられ、好ましいのは無水酢酸等の無水カルボン酸無水物である。
【0033】
使用する溶媒としては、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジグライム、トリグライムジエチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、並びにこれらの混合溶媒等が挙げられる。
【0034】
使用する塩基としてはトリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、ピコリン、ルチジン、コリジン、4−N,N−ジメチルアミノピリジン等の3級アミンが挙げられるが、好ましくはピリジンであり、これは溶媒としても使用できる。反応温度は、0℃から溶媒の還流温度までで、好ましくは0℃から25℃である。
【0035】
式(10)で表される化合物のアミノ基の脱保護、続いてアミド化することにより式(11)で表される化合物が得られる。アミノ基の脱保護は常法により行うことができるが、例えばP1がt−ブトキシカルボニル基の場合、トリフルオロ酢酸、希塩酸等が用いられる。続いてのアミド化において、用いられる試薬としては、アセチルクロリド、プロピオニルクロリド、ブチリルクロリド、バレリルクロリド、ヘキサノイルクロリド、ベンゾイルクロリド等の炭素数1〜20の環状または非環状アシルクロリドが挙げられる。酸クロリドの使用量は、基質に対して1〜3当量、好ましくは1〜1.5当量である。
【0036】
使用する溶媒としては、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジグライム、トリグライムジエチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、水媒体、並びにこれらの混合溶媒等が挙げられる。反応温度は0℃から溶媒の還流温度までで、好ましくは0℃から25℃である。
【0037】
式(11)で表される化合物にトリメチルアミンを反応させることにより式(12)で表される化合物が得られる。使用する溶媒としては、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジグライム、トリグライムジエチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、水媒体、並びにこれらの混合溶媒等が挙げられる。反応温度は−78℃から溶媒の還流温度で好ましくは25℃から60℃である。
【0038】
式(12)で表される化合物の水酸基の脱保護およびリン酸エステルの加水分解を行うことにより式(1)で表されるスフィンゴミエリン類縁体が得られる。使用する塩基としては炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属炭酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属水酸化物等が挙げられるが、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属水酸化物である。使用する溶媒としてはメタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジグライム、トリグライムジエチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒等が挙げられる。反応温度は0℃から溶媒の還流温度までで、好ましくは0℃から25℃である。
【0039】
また、光学活性なスフィンゴミエリン類縁体は、出発物質である上記スキーム1に記載の式(2)で表される化合物のカルボン酸に光学活性体を用い、加えて(4)から(5)の反応を不斉還元することで製造することができるが、この場合、スキーム1に記載の(4)から(5)の反応を実行する代わりに、下記のスキーム2に記載のルートで代替することで高光学純度の光学活性体を合成できる。
【0040】
スキーム2
【化23】
Figure 0004165198
(式中、R1、P1、P2は前記に同じ。P5はアミノ保護基を表す。)
式(14)において、P5で好ましいのは、式(15)から式(16)へ変換する際、オキサゾリジノン環を形成するのに適切な保護基でなければならず、例えばt−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基であり、特に好ましいのはt−ブトキシカルボニル基である。
【0041】
式(14)で表される化合物のケトンを不斉還元すると式(15)で表される化合物が得られる。不斉還元剤として例えばリチウムトリt−ブトキシアルミノヒドリドやジイソブチルアルミニウム2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシド、ジイソブチルアルミニウムヒドリドを用いると優先的にエリスロ体のアルコールが得られる。反応溶媒としては、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジグライム、トリグライム、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、ならびにこれらの混合溶媒等が挙げられる。反応温度は、−100℃から25℃で、好ましくは−78℃から0℃である。
【0042】
このケトンの不斉還元において、目的とするスレオ体またはエリスロ体を優先的に得ることができるが、スレオ体が目的物である場合に若干のエリスロ体が、また、エリスロ体が目的物である場合に若干のスレオ体がそれぞれ副生物として生じる。そこで、主生成物を高光学純度で得るために、分離のための下記の操作を行う。
【0043】
式(15)で表される化合物に塩基を作用させることにより、式(16)で表されるオキサゾリジノン化合物が得られる。使用する塩基としては水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリもしくはアルカリ土類金属水素化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属炭酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属水酸化物等が挙げられるが、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属水酸化物が挙げられるが、好ましくは水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリもしくはアルカリ土類金属水素化物である。塩基の使用量は、基質に対して1〜2当量、好ましくは1〜1.5当量である。
【0044】
使用する溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジグライム、トリグライム、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒、ならびにこれらの混合溶媒等が挙げられる。反応温度は0℃から溶媒の還流温度までで、好ましくは25℃から50℃である。
【0045】
式(16)で表される化合物のアミノ基を保護することにより一般式(17)で表される化合物が得られる。アミノ基の保護基としては公知のアミノ基の保護基はいずれも使用できるが、好ましくはメトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、ベンジル基等が挙げられるが、特に好ましいのはt−ブトキシカルボニル基である。使用する塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、イミダゾール等の3級アミンが挙げられる。
【0046】
この化合物をシリカゲル精製することにより高光学純度の式(17)で表される化合物を得ることができる。精製方法はオープンカラム、薄層等、通常のクロマトグラフィであってよい。
【0047】
一般式(17)で表される化合物を加水分解することにより一般式(18)で表される化合物が得られる。
使用する塩基としては炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属炭酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属水酸化物等が挙げられるが、好ましくは炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属炭酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属水酸化物である。塩基の使用量は、基質に対して1〜2当量、好ましくは1〜1.5当量である。
【0048】
使用する溶媒としては、例えばヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジグライム、トリグライムジエチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、水媒体並びにこれらの混合溶媒等が挙げられる。反応温度は0℃から溶媒の還流温度までで、好ましくは0℃から25℃である。
【0049】
以後は上記スキーム1に記載の反応工程により、光学活性なスフィンゴミエリン類縁体を合成できる。
【0050】
式(6a)で表される化合物はスキーム3のように合成される。
スキーム3
【化24】
Figure 0004165198
(式中、R1およびP1は前掲と同じ基を意味する。)
【0051】
式(6)で表される化合物のアミノ基を脱保護することにより式(6a)で表される化合物が得られる。アミノ基の脱保護は常法により行うことができるが、例えばP1がt−ブトキシカルボニル基の場合、トリフルオロ酢酸、希塩酸等が用いられる。
【0052】
また、式(9a)で表される化合物はスキーム4のように合成される。
スキーム4
【化25】
Figure 0004165198
(式中、R1、R3およびP1は前掲と同じ基を意味する。Xはハロゲンを意味する。)
【0053】
式(9)で表される化合物のアミノ基を脱保護することにより式(9a)で表される化合物が得られる。アミノ基の脱保護は常法により行うことができるが、例えばP1がt−ブトキシカルボニル基の場合、トリフルオロ酢酸、希塩酸等が用いられる。
【0054】
式(11a)で表される化合物はスキーム5のように合成される。
スキーム5
【化26】
Figure 0004165198
(式中、R1、R2、R3およびP4は前掲と同じ基を意味する。Xはハロゲンを意味する。)
【0055】
式(11)で表される化合物の水酸基を脱保護することにより式(11a)で表される化合物が得られる。使用する塩基としては炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属炭酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属水酸化物等が挙げられるが、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属水酸化物である。使用する溶媒としてはメタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジグライム、トリグライムジエチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒等が挙げられる。
【0056】
以下に実施例を示すが、これに限定されるものではない。
なお、実施例に記載の略記号の正式名称については、 THF、MeOH、DMAP、DMFはそれぞれテトラヒドロフラン、メタノール、N,N−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルホルムアミドを意味する。
【実施例1】
【0057】
アミド体(19)の合成
Boc−S−ベンジル−L−システイン(8.43 g, 27.97 mmol)のTHF (135.36 mL)溶液に0℃でヒドロキシベンゾトリアゾール(4.02 g, 29.78 mmol)とジシクロヘキシルカルボジイミド (6.14 g, 29.78 mmol)を順次加えた。そのままの温度で15分攪拌した後、室温に昇温して1時間攪拌した。この反応混合物にメトキシメチルアミン塩酸塩(2.91 g, 29.78 mmol)とジイソプロピルエチルアミン(23.58 mL, 135.36 mmol)を加え、20時間攪拌した。反応混合物をセライトろ過し、沈殿物を除去し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカクロマトグラフィー(from 25% to 33% ethyl acetate in hexane)により分離・精製し、アミド体(19)(8.64 g, 90.0%)を得た。
【化27】
Figure 0004165198
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) ・ 7.21 - 7.34 (m, 5H), 5.33 (br d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.90 (br s, 1H), 3.74 (s, 2H), 3.73 (s, 3H), 3.21 (s, 3H), 2.80 (dd, J = 5.9, 13.7 Hz, 1H), 2.63 (dd, J = 7.3, 13.7 Hz, 2H), 1.45 (s, 9H);
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) ・171.4, 155.2, 137.8, 128.9, 128.4, 127.0, 79.8, 61.6, 49.5, 36.3, 33.5, 28.3;
IR (NaCl neat) 3329, 2938, 1711, 1659, 1250 cm-1;
[・] D 22.5 -17.1 (c = 1.32, CHCl3).
【0058】
ケトン体(20)の合成
アミド体(19)(6.92 g, 19.53 mmol)のTHF (123.96 mL)溶液に−43℃で別途1−ヘプチン(6.97 mL, 53.13 mmol)のTHF(53.13 mL)溶液とn−ブチルリチウムの1.6Mヘキサン(33.20 mL, 53.13 mmol)溶液から調整したリチウムアセチリドを55分間かけて滴下した。そのままの温度で10分間攪拌後、pH7バッファーを加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮を行った。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(from 11% to 14 % ethyl acetate in hexane)により分離・精製し、ケトン体(20)(6.16 g, 81.0%)を得た。
【化28】
Figure 0004165198
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) ・ 7.22 - 7.35 (m, 5H), 5.40 (br d, J = 7.1 Hz, 1H), 4.56 (m, 1H), 3.74 (s, 2H), 3.01 (dd, J = 4.4, 13.9 Hz, 1H), 2.90 (dd, J = 5.6, 13.9 Hz, 1H), 2.35 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 1.49 - 1.59 (m, 3H), 1.46 (s, 9H), 1.29 - 1.41 (m, 3H), 0.90 (t, J = 7.1 Hz, 3H);
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) ・ 184.8, 155.1, 137.6, 128.9, 128.5, 127.2, 99.0, 80.1, 78.9, 60.5, 36.8, 32.7, 31.0, 28.3, 27.2, 22.0, 19.1, 13.8;
IR (NaCl neat) 3360, 2930, 2214, 1690, 1300, 1248 cm-1;
[・] D 22.5 -8.5 (c = 0.516, CHCl3).
【0059】
オキサゾリジノン体(21)
ケトン体(20)(6.77g, 17.37 mmol)のエタノール (86.83 mL)溶液に−78℃でリチウムトリt−ブトキシアルミノヒドリド(6.62 g, 26.05 mmol) を加えた。そのままの温度で30分間攪拌後、2N HCl溶液を加え、室温に昇温し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮を行った。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(from 17% to 20 % ethyl acetate in hexane)により分離・精製し、アルコール体 (6.80g, 96.0%)のジアステレオマー混合物(エリスロ:スレオ=6:1)を得た。得られたアルコール体(6.22 g, 15.89 mmol)のTHF (79.41 mL)溶液に0℃で水素化ナトリウム (572 mg, 23.82 mmol)を加え、5分間攪拌した後、50℃に昇温した。そのままの温度で、2.5時間攪拌した後、室温へと冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮を行い、オキサゾリジノン体(21)を得た。得られたオキサゾリジノン体(21)は、精製することなく次の反応に使用した。
【化29】
Figure 0004165198
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) ・ 7.24 - 7.35 (m, 5H), 5.91 (br s, 1H), 5.23 (td, J = 2.0, 7.8 Hz, 1H), 3.77 (m, 1H), 3.74 (s, 2H), 2.80 (dd, J = 4.6, 13.9 Hz, 1H), 2.63 (dd, J = 9.0, 13.9 Hz, 1H), 2.21 (dt, J = 2.0, 7.1 Hz, 2H), 1.45 - 1.52 (m, 2H), 1.28 - 1.37 (m, 4H), 0.89 (t, J = 7.1 Hz, 3H);
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) ・ 157.7, 137.7, 128.76, 128.70, 127.4, 92.7, 71.9, 69.9, 54.2, 36.7, 33.7, 30.9, 27.8, 22.0, 18.6, 13.9.
【0060】
オキサゾリジノン体(21)のDMF (79.41 mL)溶液に0℃でDMAP (970 mg, 7.94 mmol)、トリエチルアミン (3.32 mL, 23.82 mmol)、ジt−ブトキシジカルボキシレート (5.20 g, 23.82 mmol)を順次加え、10分間攪拌した。この反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮を行った。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(from 1% to 5 % ethyl acetate in hexane)により分離・精製し、Boc−オキサゾリジノン体(22)(4.56 g, 68.7%
for 2 steps)を得た。
【化30】
Figure 0004165198
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) ・ 7.22 - 7.35 (m, 5H), 5.24 (td, J = 2.0, 7.6 Hz, 1H), 4.43 (dt, J = 3.2, 7.6 Hz, 1H), 3.78 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 3.72 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 3.03 (dd, J = 7.6, 14.2 Hz, 1H), 2.93 (dd, J = 2.9, 14.2 Hz, 1H), 2.24 (dt, J = 2.0, 7.3 Hz, 2H), 1.48 - 1.58 (m, 2H), 1.55 (s, 9H), 1.28 - 1.39 (m, 4H), 0.89 (t, J = 7.1 Hz, 3H);
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) ・ 150.6, 149.4, 138.0, 129.0, 128.5, 127.2, 94.0, 84.4, 71.5, 67.6, 57.7, 37.5, 32.0, 31.0, 28.0, 27.7, 22.1, 18.8, 13.9;
IR (NaCl neat) 2934, 2245, 1804, 1725, 1256 cm-1;
[・] D 22.5 59.4 (c = 0.725, CHCl3).
【0061】
アルコール体(23)の合成
Boc−オキサゾリジノン体(22)(4.56 g, 10.91 mmol)のMeOH (54.57 mL)溶液に0℃で炭酸セシウム (3.56 g, 10.91 mmol) を加え、そのままの温度で5分間攪拌した。室温に昇温し、1時間攪拌した後、反応混合物に2N HCl溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮を行った。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(from 17% to 25 % ethyl acetate in hexane)により分離・精製し、アルコール体(23) (4.59 g, 100%)を得た。
【化31】
Figure 0004165198
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) ・ 7.21 - 7.35 (m, 5H), 4.85 (br s, 1H), 4.57 (m, 1H), 3.93 (m, 1H), 3.75 (s, 2H), 2.82 (br s, 1H), 2.65 (dd, J = 5.9, 13.9 Hz, 1H), 2.58 (dd, J = 7.8, 13.9 Hz, 1H), 2.17 (dt, J = 2.0, 7.1 Hz, 2H), 1.47 (s, 9H), 1.44 - 1.52 (m, 2H), 1.25 - 1.37 (m, 4H), 0.89 (t, J = 7.1 Hz, 3H);
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) ・ 156.2, 137.9, 129.0, 128.5, 127.1, 88.1, 80.0, 68.3, 64.8, 54.5, 36.3, 32.3, 31.0, 28.3, 28.2, 22.1, 18.6, 13.9;
IR (KBr disk) 3339, 2930, 1690, 1528, 1296, 1250 cm-1;
[・] D 20.0 -32.8 (c = 0.489, CHCl3).
【0062】
チオール体(24)の合成
リチウム (651 mg, 93.82 mmol)の液体アンモニア (175.91 mL)溶液に−78℃でアルコール体(23)(4.59 g, 11.73 mmol) のTHF (58.64 mL) 溶液を滴下し、そのままの温度で5分間攪拌した。その後、3時間環流させた後、再び−78℃に冷却し、塩化アンモニウムを加えた。室温に昇温し、液体アンモニアを留去した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮を行った。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(from 17% to 25 % ethyl acetate in hexane)により分離・精製し、チオール体(24)(3.31 g, 93.0%)を得た。
【化32】
Figure 0004165198
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) ・ 5.76 (dtd, J = 1.0, 6.6, 15.4 Hz, 1H), 5.48 (tdd, J = 1.5, 6.8, 15.4 Hz, 1H), 4.91 (br s, 1H), 4.22 (m, 1H), 3.75 (m, 1H), 2.79 (ddd, J = 6.6, 7.6, 13.9 Hz, 1H), 2.72 (ddd, J = 4.6, 9.0, 13.9 Hz, 1H), 2.41 (br s, 1H), 2.05 (dt, J = 6.8, 7.1 Hz, 2H), 1.23 - 1.71 (m, 6H), 1.45 (s, 9H), 0.89 (t, J = 7.1 Hz, 3H);
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) ・ 156.0, 134.9, 128.5, 79.8, 73.9, 56.1, 32.2, 31.4, 28.7, 28.3, 25.4, 22.4, 14.0;
IR (KBr disk) 3347, 2930, 1686, 1530, 1294, 1248, 1169 cm-1;
[・] D 20.0 -8.3 (c = 0.152, CHCl3).
【0063】
シリルエーテル体(25)の合成
チオール体(24) (3.12 g, 10.27 mmol)のDMF (51.33 mL)溶液に0℃でDMAP (1.25 g, 10.27 mmol)、トリエチルアミン (5.01 mL, 35.93 mmol)、t−ブチルジメチルシリルクロリド(4.64 g, 30.80 mmol)を加え、室温で3時間攪拌した。反応混合物に氷を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮を行った。得られた残磋を精製することなく次の反応に利用した。得られた化合物のテトラヒドロフラン (25.0 mL)溶液に−78℃でテトラブチルアンモニウムフルオリド (2.56 g, 9.77 mmol)のTHF (15.7 mL)溶液を加え、5分間攪拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮を行った。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(from 1% to 5 % ethyl acetate in hexane)により分離・精製し、シリルエーテル体(25)(4.33 g, 79.3%)を得た。
【化33】
Figure 0004165198
IR (NaCl neat) 3437, 3368, 2930, 1703, 1252, 1047 cm-1.
【0064】
リン酸エステル体(26)の合成
四臭化炭素 (517 mg, 3.12 mmol)のピリジン(2 mL)溶液に0℃で2−ブロモエチルジメチルホスファイト(677 mg, 3.12 mmol)とシリルエーテル体(25)(326 mg, 0.78 mmol)のピリジン(1.9 mL)溶液を順次滴下し、そのままの温度で3時間攪拌した。反応混合物に酢酸エチルを加え、希釈した後、沈殿物をセライトろ過で除去した。ろ液に飽和硫酸銅水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮を行った。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(from 20% to 33 % ethyl acetate in hexane)により分離・精製し、リン酸エステル体(26)(483 mg, 100%)を得た。
【化34】
Figure 0004165198
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) ・ 5.68 (td, J = 6.8, 15.4 Hz, 1H), 5.37 (dd, J = 6.3, 15.4 Hz, 1H), 5.11 (br d, J = 8.5 Hz, 1H/2), 5.06 (br d, J = 8.9 Hz, 1H/2), 4.24 - 4.44 (m, 3H), 3.828 (d, J = 12.9 Hz, 3H/2), 3.827 (d, J = 12.9 Hz, 3H/2), 3.72 (m, 1H), 3.56 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 3.11 (ddd, J = 3.7, 13.7, 15.6 Hz, 1H/2), 3.10 (ddd, J = 3.7, 13.4, 15.6 Hz, 1H/2), 2.973 (ddd, J = 9.8, 13.7, 15.6 Hz, 1H/2), 2.968 (ddd, J = 9.8, 13.7, 15.6 Hz, 1H/2), 2.03 (dt, J = 7.1, 7.1 Hz, 2H), 1.442 (s, 9H/2), 1.437 (s, 9H/2), 1.22 - 1.40 (m, 6H), 0.93 (t, J = 6.4 Hz, 3H), 0.90 (s, 9H), 0.05 (s, 3H), 0.01 (s, 3H);
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) ・ 155.4, 133.7, 129.2, 79.4, 74.8 (1C/2), 74.7 (1C/2), 66.3 (1C/2) (JC-P = 4.1 Hz), 66.2 (1C/2) (JC-P = 5.8 Hz), 56.1, 54..1 (1C/2) (JC-P = 1.7 Hz), 54.0 (1C/2) (JC-P = 1.7 Hz), 32.1, 31.3, 30.7 (1C/2) (m), 30.6 (1C/2) (m), 29.2 (m), 28.7, 28.4, 25.8, 22.4, 18.1, 14.0, -4.3, -5.0;
IR (NaCl neat) 3324, 2930, 2857, 1713, 1522, 1254, 1173, 1078, 1044, 1015, 569 cm-1;
[・] D 22.5 -11.1 (c = 1.052, CHCl3).
【0065】
脱シリル体(27)の合成
リン酸エステル体(26)(3.50g, 5.66 mmol)のMeOH (56.57 mL)溶液に室温で2N 塩酸水溶液 (11.31 mL)を加え、2時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮を行った。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(from 20% to 50 % ethyl acetate in hexane)により分離・精製し、脱シリル体(27) (2.67 g, 93.6%)を得た。
【化35】
Figure 0004165198
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) ・ 5.76 (td, J = 7.8, 15.4 Hz, 1H), 5.47 (dd, J = 6.8, 15.4 Hz, 1H), 5.16 (m, 1H), 4.29 - 4.45 (m, 2H), 4.17 (m, 1H), 3.84 (d, J = 12.7 Hz, 3H/2), 3.83 (d, J = 12.7 Hz, 3H/2), 3.563 (t, J = 6.3 Hz, 2H/2), 3.559 (t, J = 6.3 Hz, 2H/2), 3.03 - 3.21 (m, 2H), 2.05 (dt, J = 7.1, 7.1 Hz, 2H), 1.45 (s, 9H/2), 1.44 (s, 9H/2), 1.23 - 1.42 (m, 6H), 0.88 (t, J = 7.1 Hz, 3H);
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) ・ 155.9, 134.9, 128.2, 79.8, 73.9, 66.54 (1C/2) (JC-P = 5.0 Hz), 66.49 (1C/2) (JC-P = 5.0 Hz), 55.6, 54.34 (1C/2), 54.29 (1C/2), 32.2, 31.4 (m), 31.3, 29.1 (JC-P = 8.3 Hz), 28.7, 28.3, 22.4, 14.0;
IR (NaCl neat) 3372, 2930, 2857, 1711, 1522, 1246, 1171, 1013, 577 cm-1;
[・] D 22.5 -16.3 (c = 1.063, CHCl3).
【0066】
アセチル体(28)の合成
脱シリル体(27) (1.23 g, 2.24 mmol)のピリジン(11.22 mL)溶液に0℃で無水酢酸(4.49 mL)を加え3時間攪拌した。反応混合物に飽和硫酸銅水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮を行った。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(from 20% to 50 % ethyl acetate in hexane)により分離・精製し、アセチル体(28)(1.20 g, 97.6%)を得た。
【化36】
Figure 0004165198
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) ・ 5.80 (td, J = 7.1, 15.1 Hz, 1H), 5.38 (dd, J = 7.3, 15.4 Hz, 1H), 5.30 (dd, J = 6.8, 6.8 Hz, 1H/2), 5.28 (dd, J = 7.1, 7.1 Hz, 1H/2), 5.02 (br d, J = 10.7 Hz, 1H/2), 5.00 (br d, J = 11.2 Hz, 1H/2), 4.29 - 4.43 (m, 2H), 4.03 (m, 1H), 3.84 (d, J = 12.9 Hz, 3H/2), 3.83 (d, J = 12.9 Hz, 3H/2), 3.57 (t, J = 6.1 Hz, 2H), 3.10 (dd, J = 14.4, 14.6 Hz, 1H/2), 3.09 (dd, J = 14.4, 14.6 Hz, 1H/2), 2.94 (ddd, J = 9.5, 13.4, 16.4 Hz, 1H/2), 2.93 (dd, J = 9.5, 13.4, 16.4 Hz, 1H/2), 2.07 (s, 3H), 2.02 - 2.06 (m, 2H), 1.45 (s, 9H/2), 1.44 (s, 9H), 1.23 - 1.44 (m, 6H), 0.88 (t, J = 7.1 Hz, 3H);
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) ・ 169.8, 155.3, 137.5, 123.6, 79.7, 75.5 (1C/2), 75.3 (1C/2), 66.5 (1C/2) (JC-P = 5.8 Hz), 66.4 (1C/2) (JC-P = 5.8 Hz), 54.3 (1C/2) (JC-P = 4.1 Hz), 54.2 (1C/2) (JC-P = 4.1 Hz), 53.5, 32.3, 31.5 (1C/2) (m), 31.4 (1C/2) (m), 31.3, 29.23 (1C/2) (JC-P = 8.3 Hz), 29.17 (1C/2) (JC-P = 8.3 Hz), 28.4, 28.3, 22.4, 21.1, 13.9;
IR (NaCl neat) 3314, 2930, 1713, 1524, 1236, 1171, 1017, 573 cm-1;
[・] D 22.5 -2.0 (c = 0.887, CHCl3).
【0067】
アシル体(29)の合成
アセチル体(28)(239 mg, 0.44 mmol)の塩化メチレン (2.19 mL)溶液に0℃でトリフルオロ酢酸 (0.88 mL)を加えた。そのままの温度で3時間攪拌後、反応混合物を1N水酸化ナトリウム水溶液中に0℃で移した。反応混合物中にヘキサノイルクロリド(0.12 mL, 0.88 mmol)を加え、10分間攪拌後、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮を行った。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(from 25% to 67 % ethyl acetate in hexane)により分離・精製し、アシル体(29)(210 mg, 88.2%)を得た。
【化37】
Figure 0004165198
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) ・ 6.26 (br d, J = 8.5 Hz, 1H/2), 6.25 (br d, J = 8.5 Hz, 1H/2), 5.79 (ddd, J = 6.8, 7.3, 14.9 Hz, 1H), 5.38 (tdd, J = 1.22, 7.3, 14.9 Hz, 1H), 5.32 (ddd, J = 2.7, 4.9, 7.3 Hz, 1H), 4.27 - 4.42 (m, 2H), 3.83 (d, J = 12.7 Hz, 3H/2), 3.81 (d, J = 12.7 Hz, 3H/2), 3.57 (t, J = 6.1 Hz, 2H/2), 3.54 (t, J = 6.1 Hz, 2H/2), 3.109 (ddd, J = 3.9, 13.9, 16.6 Hz, 1H/2), 3.106 (ddd, J = 3.9, 13.9, 16.6 Hz, 1H/2), 2.99 (ddd, J = 9.8, 13.9, 17.3 Hz, 1H/2), 2.98 (dd, J = 9.8, 13.9, 17.3 Hz, 1H/2), 2.19 (t, J = 7.32 Hz, 2H), 2.07 (s, 3H), 2.03 (dt, J = 6.8, 6.8 Hz, 2H), 1.63 (td, J = 7.1, 7.1 Hz, 1H), 1.62 (td, J = 7.1, 7.1 Hz, 1H), 1.20 - 1.40 (m, 10H), 0.89 (t, J = 6.8 Hz, 3H), 0.88 (t, J = 7.1 Hz, 3H);
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) ・ 173.2, 169.8, 137.31 (1C/2), 137.28 (1C/2), 123.8, 75.2 (1C/2), 75.1 (1C/2), 66.7 (1C/2) (JC-P = 6.6 Hz), 66.6 (1C/2) (JC-P = 5.8 Hz), 54.5 (1C/2) (JC-P = 3.3 Hz), 54.4 (1C/2) (JC-P = 3.3 Hz), 52.02 (1C/2) (JC-P = 3.3 Hz), 51.99 (1C/2) (JC-P = 3.3 Hz), 36.65 , 36.61, 32.2, 31.34, 31.31, 30.8 (1C/2) (JC-P = 4.1 Hz), 30.7 (1C/2) (JC-P = 4.1 Hz), 29.2 (1C/2) (JC-P = 8.3 Hz), 29.0 (1C/2) (JC-P = 8.3 Hz), 28.5, 25.3, 22.39, 22.36, 21.1, 14.0, 13.9;
IR (NaCl neat) 3301, 2930, 2859, 1742, 1655, 1543, 1233, 1015, 573 cm-1;
[・] D 22.5 -14.4 (c = 0.887, CHCl3).
【0068】
ブロモ置換体(30)の合成
封管中、アシル体(29) (1.14 g, 2.09 mmol)のトルエン(20.86 mL)溶液に−78 ℃でトリメチルアミンを加え、60℃に昇温した。このままの温度で2日間攪拌した後、室温に冷却し、トリメチルアミンを留去した。メタノールを加え、希釈した後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(from 13% methanol in chloroform to 4.3% water and 26.6% methanol in chloroform)により分離・精製し、ブロモ置換体(30)(1.06 g, 100%)を得た。
【化38】
Figure 0004165198
1H NMR (CD3OD, 400 MHz) ・ 8.05 (br d, J = 9.0 Hz, 1H), 5.80 (td, J = 7.1, 15.4 Hz, 1H), 5.45 (tdd, J = 1.22, 8.1, 15.4 Hz, 1H), 5.26 (dd, J = 4.9, 8.1 Hz, 1H), 4.28 - 4.83 (m, 3H), 3.71 (ddd, J = 3.4, 6.3, 14.2 Hz, 2H), 3.65 (ddd, J = 3.4, 6.3, 14.2 Hz, 1H), 3.25 (s, 9H), 2.98 (ddd, J = 4.4, 13.7, 13.7 Hz, 1H), 2.69 (ddd, J = 10.0, 13.7, 16.1 Hz, 1H), 2.21 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.07 (td, J = 6.8, 6.8 Hz, 2H), 2.01 (s, 3H), 1.63 (td, J = 7.1, 7.1, 7.1 Hz, 1H), 1.62 (td, J = 7.3, 7.3, 7.3 Hz, 1H), 1.25 - 1.44 (m, 10H), 0.92 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 0.90 (t, J = 7.1 Hz, 3H);
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) ・ 176.5, 171.9, 138.6, 124.9, 77.3, 67.5 (m), 60.4 (JC-P = 5.0 Hz), 54.80, 54.77, 54.7, 53.4, 37.2, 33.4, 32.53, 32.46, 32.1 (JC-P = 3.3 Hz), 29.8, 26.9, 23.53, 23.47, 21.2, 14.4, 14.3;
IR (NaCl neat) 3426, 2934, 1730, 1649, 1545, 1236, 1073 cm-1;
[・] D 22.5 -5.2 (c = 0.948, CH3OH).
【0069】
スフィンゴミエリン類縁体(31)の合成
ブロモ置換体(30)(857 mg, 1.69 mmol)のMeOH (16.85 mL)溶液に室温1N 水酸化カリウク水溶液を加え、2時間攪拌した。反応混合物に1N 塩酸水溶液を加え中和した後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(from 13% methanol in chloroform to 4.3% water and 26.6% methanol in chloroform)により分離・精製し、S-Sphingomyelin (781 mg, 99.4%)を得た。この化合物を逆相HPLC (Develosil C8-5, 250*10, )を用いて精製しスフィンゴミエリン類縁体(31)(602 mg, 76.6%)を得た。
【化39】
Figure 0004165198
1H NMR (CD3OD, 400 MHz) ・ 5.70 (td, J = 6.8, 15.1 Hz, 1H), 5.45 (mdd, J = 7.1, 15.4 Hz, 1H), 4.28 - 4.30 (m, 2H), 4.02 (dd, J = 7.1, 7.8 Hz, 1H), 3.97 (ddd, J = 3.7, 6.8, 8.8 Hz, 1H), 3.62 - 3.72 (m, 2H), 3.24 (s, 9H), 3.13 (ddd, J = 3.7, 12.2, 13.7 Hz, 1H), 2.83 (ddd, J = 8.8, 13.7, 14.9 Hz, 1H), 2.19 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.03 (ddd, J = 7.1, 7.1, 7.1 Hz, 2H), 1.61 (tt, J = 7.3, 7.3 Hz, 1H), 1.28 - 1.42 (m, 10H), 0.92 (t, J = 6.8 Hz, 3H), 0.90 (t, J = 6.8 Hz, 3H);
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) ・ 176.2, 134.9, 130.8, 75.1, 67.5 (m), 60.5 (JC-P = 5.0 Hz), 56.1 (JC-P = 2.5 Hz), 54.78, 54.75, 54.7, 49.0, 49.4, 49.2, 49.0, 48.8, 48.6, 48.4, 37.3, 33.4, 32.6 (3C), 30.0, 26.9, 23.6, 23.5, 14.4, 14.3;
IR (NaCl neat) 3418, 2928, 1640, 1547, 1229, 1073 cm-1;
[・] D 23.0 -9.2 (c = 0.546, CH3OH).

Claims (10)

  1. 一般式(1)
    Figure 0004165198
    (式中、RおよびRは同一または異なって、炭素数が1〜20のアルキル基、アリール基、またはアリール基置換炭素数1〜6のアルキル基を意味する。)
    で表されるスフィンゴミエリン類縁体。
  2. 式(1)において、RおよびRは同一または異なって炭素数が5〜17のアルキル基である請求項1の化合物。
  3. 式(1)において、RおよびRがペンチル基である請求項1の化合物。
  4. 式(1)において、Rがトリデシル基、Rがヘプタデシル基である請求項1の化合物。
  5. 式(1)で表される化合物が光学活性である請求項1の化合物。
  6. 一般式(4)
    Figure 0004165198
    (式中、Rは炭素数が1〜20のアルキル基、アリール基、またはアリール基置換炭素数1〜6のアルキル基を意味し、Pはアミノ保護基を意味し、Pはチオール保護基を意味する。)
    で表される化合物のカルボニル基を還元することにより、一般式(5)
    Figure 0004165198
    (式中、R、P、Pは上記と同じ基を意味する。)
    で表される化合物を得、次いで、チオールの脱保護と三重結合からトランス体の二重結合への還元を行うことにより、一般式(6)
    Figure 0004165198
    (式中、R、Pは上記と同じ基を意味する。)
    で表される化合物を得、次いで、得られた式(6)の水酸基に保護基を導入することにより、一般式(7)
    Figure 0004165198
    (式中、R、Pは上記と同じ基であり、Pは水酸基の保護基を意味する。)
    で表される化合物を得、次いで、2−ハロゲノエチルジアルキルホスファイトと反応させることにより、一般式(8)
    Figure 0004165198
    (式中、R、P、Pは上記と同じ基であり、Rはアルキル基を意味し、Xはハロゲンを意味する。)
    で表される化合物を得、次いで、水酸基を脱保護することにより、一般式(9)
    Figure 0004165198
    (式中、R、P、R、Xは上記と同じものを意味する。)
    で表される化合物を得、次いで、水酸基に保護基を導入することにより、一般式(10)
    Figure 0004165198
    (式中、R、P、R、Xは上記と同じであり、Pは水酸基保護基を意味する。)
    で表される化合物を得、次いで、アミノ基を脱保護し、更に、アミド化することにより、一般式(11)
    Figure 0004165198
    (式中、R、R、X、Pは上記と同じであり、Rは炭素数が1〜20のアルキル基、アリール基、またはアリール基置換炭素数1〜6のアルキル基を意味する。)
    で表される化合物を得、次いで、Xをトリメチルアミンで置換することにより、一般式(12)
    Figure 0004165198
    (式中、R、R、R、Pは上記と同じ基を意味する。)
    で表される化合物を得、最後に、水酸基の脱保護およびリン酸エステルの加水分解を行うことを特徴とする、一般式(1)
    Figure 0004165198
    (式中、RおよびRは同一または異なって、炭素数が1〜20のアルキル基、アリール基、またはアリール基置換炭素数1〜6のアルキル基を意味する。)
    で表されるスフィンゴミエリン類縁体の製法。
  7. 式(14)
    Figure 0004165198
    (式中、R、P、Pは上記と同じ基を意味する。)
    で表される光学活性な化合物を不斉還元することにより、一般式(15)
    Figure 0004165198
    (式中、R、P、Pは上記と同じ基を意味する。)
    で表される光学活性な化合物を得、次いで、塩基を作用させることにより、一般式(16)
    Figure 0004165198
    (式中、R、Pは上記と同じ基を意味する。)
    で表される光学活性な化合物を得、次いで、アミノ基に保護基を導入することにより、一般式(17)
    Figure 0004165198
    (式中、R、Pは上記に同じ、Pはアミノ保護基を表す。)
    で表される光学活性な化合物を得、次いで、シリカゲル精製を行い、この後、加水分解をすることにより一般式(18)
    Figure 0004165198
    (式中、R、P、Pは上記に同じ。)
    で表される光学活性化合物を得ることを特徴とする、光学活性スフィンゴミエリン類縁体の中間体の製法。
  8. 式(9a)
    Figure 0004165198
    (式中、Rは炭素数が1〜20のアルキル基、アリール基、またはアリール基置換炭素数1〜6のアルキル基を意味し、Rはアルキル基を意味し、Xはハロゲンを意味する。)
    で表される化合物、またはその水酸基もしくはアミノ基が保護された化合物。
  9. 式(11a)
    Figure 0004165198
    (式中、RおよびRは同一または異なって、炭素数が1〜20のアルキル基、アリール基、またはアリール基置換炭素数1〜6のアルキル基を意味し、Rはアルキル基を意味し、Xはハロゲンを意味する。)
    で表される化合物、またはその水酸基が保護された化合物。
  10. 一般式(12a)
    Figure 0004165198
    (式中、RおよびRは同一または異なって、炭素数が1〜20のアルキル基、アリール基、またはアリール基置換炭素数1〜6のアルキル基を意味する。また、Rは前掲と同じであり、Pは水酸基の保護基を意味する。)
    で表されるスフィンゴミエリン類縁体の前駆体。
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