JP4147733B2 - 面発光レーザ駆動装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、面発光レーザ駆動装置に係り、特に、レーザゼログラフィーに用いて好適な面発光レーザ駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
1.従来の面発光レーザ駆動装置の種類
(1)レーザ駆動について
従来、ゼログラフィー用のレーザ駆動回路としては、大きく分けて3つの種類が知られている。
【0003】
例えば特開平11−68198公報の図2に示すように、レーザに印加する電圧を直接駆動回路側で制御するものである。この回路は、ロジックゲートの電源電圧を直接制御することで光量を調整できるため、極めて安価に構成することができる。この回路では、ロジック部の出力電圧はロジック部のGNDを基準にして発生している。したがって、駆動回路とレーザが離れて設置されている場合、このGNDレベルがレーザのカソードと一致していないために共通インピーダンスによるクロストークや、自動光量制御時と変調時とでGNDレベルに差があると設定したはずのパワーで変調できない問題が生じる。
【0004】
また、駆動の対象としている面発光レーザをレーザゼログラフイーに適用しようとした場合には多数のレーザを自動光量制御しなければならない。この場合には、駆動のためのゲート毎に光量制御のための電圧源を個別に設けなければならない。しかし、この時電圧源に要求される性能としては出力インピーダンスが低くなければならず、このために電源出力のデカップリングコンデンサをチップ内に設けたり、電源回路の出力インピーダンスを下げるためバイアス電流を増加することなどはICチップを設計する上で大きな制約となる。
【0005】
これに対して、特開昭59−18964号公報の第2図に示すレーザーダイオード駆動回路は、終端抵抗を用いて駆動電圧をレーザの直近で発生させており、上述したようなGNDレベルのずれは生じにくい。さらに、レーザーダイオード駆動回路は、出力が電流である。任意の電流を生成することは、出力インピーダンスの低い電圧を多数生成するのに比較して容易である。したがって、このレーザーダイオード駆動回路を使えば、ICチップ内でコストを上げずに複数のチャンネルを別個に制御することが可能である。
【0006】
以上述べた電圧駆動に対して、従来の端面発光レーザでは、特開昭57−13790号公報の第2図に示すように、電流駆動回路が一般的に使用されてきた。この電流駆動回路は、同図に示すアンプ5、トランジスタQl、抵抗RE1で構成する定電流回路で発生した電流を、電流スイッチQ2,Q3でオン/オフしてレーザLD1に供給するものである。この電流駆動回路が従来用いられてきた理由は以下の通りである。
【0007】
図38に示すように、端面発光レーザでは印加電圧に対し駆動電流が指数関数的に増大していくため、電圧で制御しようとするとバイアスポイントにより微分抵抗(△V/△I)が変動し、制御のための負帰還ループに非線型要素が入り込み制御が難しくなる。これに対し電流で駆動すると、レーザ発振の閾値電流以上では、光量と電流が比例するため負帰還ループが線形要素で構成されることになり制御が容易となるからである。さらに、多数のレーザを駆動しなければならない場合であっても、電流駆動であれば比較的容易にレーザ毎に電流源を設けることができるからである。
【0008】
(2)自動光量制御について
従来、半導体レーザを駆動する装置では、目標の光量を得るためにフォトダイオードなどの光受光器で半導体レーザの光出力をモニタ電圧に変換した後、モニタ電圧と目標の光出力に対応した基準電圧との誤差をオペアンプなどの比較器で検出して、駆動電流を制御する電圧にフィードバックする自動光量制御(以下、「APC」という。)が一般に用いられてきた。
【0009】
さらに、複数の発光点を有する面発光レーザを光量制御する場合、各レーザの特性にばらつきがあることを考慮して、個々のレーザについて自動光量制御を行う必要がある。例えば特開昭63−144653号公報の第1図に示すように、比較器出力をスイッチで切り替えてレーザを選択し、順次APCを行う半導体レーザアレイの駆動回路が知られている。ここで、さらに同公報の第2図を用いて、従来のマルチレーザ自動光量制御の動作を説明する。
【0010】
1チャンネル目のレーザLDlを自動光量制御する場合、まずスイッチMPを1番目のチャンネルに切り替える信号がメインパルサーPとデコーダーDから生成される。同時に、LD1の点灯信号であるSIによりスイッチングトランジスタTs1がオフ状態となる。すると、今までTs1側に流れていた電流がトランジスタTr1のベース側に流れ込み、Tr1がオン状態となりLD1が点灯する。フォトダイオードPDにはLD1からのみの光が入射され、この入射光の光量によってオペアンプCPの出力である制御電圧が決定しサンプルホールド回路を構成するコンデンサC1を充電する。
【0011】
次にスイッチΜΡの1チャンネル目をオフにして、同時にスイッチングトランジスタTs1をオン状態にすることにより、レーザLD1は消灯する。ここでの制御電圧はサンプルホールド回路で(C1〜)保存される。以下、スイッチMPとスイッチングトランジスタΤsnをメインパルサーとディレイパルサーとデコーダで生成された信号で次々と切り替えて全チャンネルの自動光量制御を行っていく。
【0012】
この半導体レーザアレイの駆動回路は、同公報の第2図のタイムチャートに示すように、1つのオペアンプ(CP)と1つのフォトダイオード(PD)を用いて時分割で1チャンネルずつ自動光量制御を行うので、1個の光検出器で光検出回路を使った簡易な構成でマルチレーザの自動光量異制御を行うことが出来るという利点がある。
【0013】
また、特開平2−287933号公報の第1図に示すように、複数(N個)のマルチレーザを時分割で順次APCを行う半導体レーザ駆動回路がある。マルチレーザのAPCは、同公報の第3図に示すタイミングチャートに従って行われる。
【0014】
この半導体レーザ駆動回路は、駆動電流制御電圧すなわち駆動回路部にサンプルホールド充電電圧の算出を行う演算部を有しており、制御電圧を算出する元となるモニタ電圧を1つのI/V変換器とN個の光検出器とで検出している。これにより、I/V変換器を1つに統一することによる回路のコンパクト化と、演算部で制御電圧を算出し基準電圧を統一することで基準電圧の変動の影響を少なくすることができる。また、デジタル制御を行うため、制御の安定性を得るのがアナログ回路のみによる制御よりも容易であるという利点がある。
【0015】
しかし、このような制御を行うために、D/A変換、A/D変換器やCPUを必要とするためコストアップしてしまう。さらに、演算処理を行うために各チャンネル自動光量制御の収束に長い時間を要し、たとえば温度変動に対するレーザの電気特性変動に追従できないという問題がある。また、この半導体レーザ駆動回路は、D/Aが一つしかないため、各チャンネルの制御電圧のホールドにはコンデンサを用いている。しかし、デジタル制御は制御に時間がかかるため通常ページ間でしか自動光量制御を行うことができない。このため、毎スキャンAPCが行えるアナログAPCと比較し、コンデンサのリークによるドループで制御電圧が変動する問題点を有する。
【0016】
2.従来からの問題
(1)レーザ駆動について
レーザゼログラフィーに用いることの出来る面発光レーザと、従来のレーザとの駆動上の電気的な違いは、上記図38に示した通りである。すなわち、従来の端面発光レーザがレーザへの印加電圧に対し電流が100mA程度まで指数関数的に増大するのに対し、面発光レーザは数100μAの小さな電流で電圧―電流特性が直線関係になる。この理由は、レーザをシングルモードで発振させる必要から発光領域を絞り、このため接合面積が小さくなってしまい、図39に示す面発光レーザの等価回路において、抵抗値が高くなるためである。このため、小さい電流を流しただけで、電圧―電流特性が直線領域に入ってしまう。
【0017】
一方、端面発光レーザも電流を増やしていくと、内部抵抗が原因で最終的に電圧―電流特性が直線になる。しかし、直線領域に入る電流値は、面発光レーザと比較すると一桁以上の違いがある。
【0018】
この結果、端面発光レーザでは図40に示す等価回路の内部抵抗は数10Ωであるのに対して、端面発光レーザでは内部抵抗は数100Ωとなり一桁以上大きな値となっている。さらに、面発光レーザでは、多数のレーザを駆動しなければならないため駆動回路が大きくなる傾向があり、このため引き回しが長くなってしまう。また、図41に示すように、多数の駆動配線が並行に並んでいるため寄生容量が大きくなったり、線間容量や共通インピーダンスによるクロストークを生じ易い。
【0019】
変調速度の点から見ると、端面発光レーザの場合、図40に示すように等価回路の内部抵抗の値は小さく、図42に示すように駆動配線は短く、寄生容量が小さく。この結果、パルスの立ち上がり及び立ち下がりは、図43に示すように、時定数τが小さいため急峻になる。一方、面発光レーザの場合、図41に示す等価回路の内部抵抗の値は大きく、配線は長く、隣接配線との寄生容量を含めた容量が大きくなる。この結果、駆動電流波形の立ち上がり及び立ち下がりは、図44に示すように、時定数τが大きく非常に緩慢になる。
【0020】
従来の電流駆動回路では、端面発光レーザは1nsec近くで立ち上がる。これに対して、画発光レーザの時定数は端面発光レーザの時定数に比べて数10倍になり、変調速度は数10MHz程度である。これは、ビーム数が多いにもかかわらず、全体的に変調速度が上がらないことを意味する。したがって、この変調速度を大幅に改善しなければ、面発光レーザを使うメリットは生じない。
【0021】
ここで、図45に示す電圧駆動回路について説明する。電圧駆動のメリットは、時定数τ=CRの抵抗Rがレーザの内部抵抗と終端抵抗との並列抵抗で決まることである。このため終端抵抗を小さくすると、パルスの立ち上がり及び立ち下がり時定数τが小さくなり、変調速度が上がる。しかし、終端抵抗にレーザ駆動に直接寄与しない電流が流れ、消費電流が大幅に増える問題がある。
【0022】
図46は、各レーザに終端抵抗を接続し、それらに定電流源で電流を流してレーザを駆動した回路を示す図である。例えば終端抵抗を100Ωにした場合を想定する。ここでの100Ωはシングルモード面発光レーザの内部抵抗に比べ小さい値であり、かつ駆動回路とレーザを接続する伝送線路とのインピーダンス整合ができる値である。レーザゼログラフィーでは近赤外の780nmの波長が広く使われている。また、室温でレーザダイオードが順バイアスされる電位(電流が流れ始める電圧)は1.8V程度である。量子効率を50〜100%、レーザ発振閾値を0.5mAとすると、2.5mW出力を得るには1〜2mA程度の電流が必要である。このため、レーザダイオードの内部抵抗を333Ωと仮定すると、レーザダイオードには順バイアス電圧の1.8Vにさらに0.7Vを加えて2.5Vにする必要がある。
【0023】
このとき、終端抵抗に流れる電流は、上記図46に示すように、1チャンネル当たり25mAとなり、36チャンネルでは900mAである。レーザに流れる電流がMAX2mAであるから、合計972mAである。この36チャンネルの駆動を仮に1チップの駆動ICで行うとすると、電源電圧=5Vとして、ICでの消費電力は(5V−2.5V)×972mA=2.43Wとなり、通常のローコストのQFPのようなパッケージの限界消費電力1Wを大幅にオーバーする。このため、1チップで36チャンネルを駆動するのは困難であり、複数チップでレーザを駆動しなければならない。
【0024】
たとえばこの場合を考えると、消費電力から考えて3チップで駆動することになる。しかし、コストは高くなり、さらに配線距離が長いchが出てくる。配線距離がばらつくとチャンネル毎のパルス点灯時の光量もばらつくため、短い配線を長くして特性を一致させなければならない。このため全体として変調速度が上げられなくなる。また終端抵抗で駆動する場合、感光体の高感度化などでレーザパワーを小さくできたとしても、殆どの電流が終端抵抗に流れているため消費電力の低減にはならない。
【0025】
そこで、図47に示すように、終端抵抗に直列に電源を接続する。この回路は、特開平6−275895の図1に示す回路に近い。同図において、レーザと直列に電源を接続することでFET駆動回路にかかる電圧を小さくし、駆動回路を低消費電力化している。
【0026】
図47の構成を実際に実現しようとすると、チャンネル毎の電源が問題となる。この場合、電源はnsecオーダまで低い出力インピーダンスを維持できなければ、発光する瞬間の駆動回路のインピーダンスが見かけ上大きくなり、最終値にまで立ち上がらない。このような用途には通常の電源出力に高周波特性に優れたコンデンサを接続して使用する。しかし、例えばICチップ内にこのような電源を36チャンネル作ることは、コストの点やスペースの点で難しい。
【0027】
そこで、図48に示すように、電源を1個にして終端抵抗の1端を共通に接続されて電源に接続する回路を構成する。この回路は、電源が1個で済む。図49に示すように、電源にレーザダイオードが順バイアスとなる電圧1.8Vを設定し、これに定電流回路で終端抵抗の電位差0.7Vを発生するために定電流源で7mAを流すことを考えると、消費電流は1チャンネル当たり終端抵抗が7mAとなる。レーザへは図46と同様に、2mAで合計9mAとなる。36ch駆動ICを想定して消費電力を予想すると、9mA×36チャンネル×2.5V=810mWとなる。この程度なら何とか1チップで36チャンネル駆動できるレベルである。
【0028】
この回路は電源電圧の安定性の点で問題がある。図48に示したように、電源が1個の場合レーザの点灯の仕方で電源電圧が変動してしまう。図50は、市販のIC電源レギュレータの出力インピーダンス特性を示した図である。周波数が高くなるほど出力インピーダンスが高くなっている。レーザのオン、オフを考えると、nsecオーダまでの速度で変調するため周波数帯域は1GHz近い。
【0029】
電源レギュレータICの出力インピーダンスが周波数と共に増加するのは、周波数が高いほど内蔵するエラーアンプのゲインが小さくなり、負帰還による出力インピーダンス低減の効果がなくなるためである。通常、これを考慮して、周波数が高いところはコンデンサを接続し、出力インピーダンスが高くなるのを抑えている。しかし、コンデンサが有効なのは高い周波数領域で、低い領域はレギュレータ内の負帰還でインピーダンスを下げており、全周波数領域をカバーできない。
【0030】
このような特性の電源レギュレータによって負荷が変動すると、図51に示すように、出力も変動する。図51では、負荷電流が100mA変化した場合の出力電圧変動を示している。なお、出力にコンデンサを接続してなければ電源電圧が0.7V程度変動し、コンデンサがあっても0.1V程度の変動がある。
【0031】
図49で説明したように、1チャンネル当たりの電流は9mAであり、このうち終端抵抗には7mAが流れ込む。面発光レーザを36個中14個点灯すると、100mA近い電流変動がある。これによって0.1Vの電位変動が生じると、たとえば14個以外に点灯しつづけているレーザがあったとすると、このレーザの端子電圧が0.lV変動することになり、レーザの内部抵抗を333Ωと仮定すると0.3mAのレーザ駆動電流が変動し、数100μWのパワー変動が生じる。点灯光量が2mWとすると10%程度の光量変動に相当し、特にハーフトーンを描いた際にはクロストークとして画質の劣化を生じる。
【0032】
つぎに、電流駆動回路について説明する。図52に示す電流駆動回路は、上述した電圧駆動回路と異なり、時定数を短くする手段が無い。このため一般に微分電流を重畳することが用いられる。
【0033】
例えば特開昭62−62572号公報の第2図に示すレーザダイオード駆動制御回路は、信号VsがhighになったときにトランジスタQ3がオンし、コンデンサCと抵抗R1で決まる時定数でQ4のベースが駆動されると、トランジスタQ4から同公報の第5図に示すVsに対応する微分電流がレーザの立ち上がりを補償するものである。このレーザダイオード駆動制御回路は、微分電流の大きさが動作状態に合わせて制御されていないため、例えばレーザ光量を変えたり温度が変わったり、あるいはレーザの経時変化で駆動電流が変わった場合には補償量に過不足を生じるという問題がある。
【0034】
一方、特開昭57−39595号公報の第3図に示すように、レーザへの電流調整用の抵抗R1にスピードアップコンデンサを並列に接続された半導体発光素子駆動回路がある。そして、同公報の第4図に示すように、オーバーシュートぎみの駆動電流波形Iオン、Iオフを生成し、矩形の光出力OPを得る。この半導体発光素子駆動回路は、出力電圧E2の振幅が大きくなると微分電流波形の振幅も大きくなるが、レーザダイオードのV−I特性が非線形性であるゆえに、同一のコンデンサ容量C1ですべての光量を補正することはできない。
【0035】
また、特開平9−83442号公報の図1に示す発光素子駆動回路は、同公報の図2に示すように、レーザのオン、オフに合わせたパルス波形をRdで生成し、この端子電圧をスピードアップコンデンサでレーザに容量結合することで微分電流Idを重畳している。この発光素子駆動回路は、矩形波をつくる抵抗Rpに流す電流としてレーザに流す相補電流を与えている。したがって、レーザへの駆動電流に比例して重畳される微分電流が変わる。この半導体発光素子駆動回路も、特開昭57−39593号公報の第3図と同様に、ダイオードの非線形性ゆえにある条件で補正ができたとしても条件が変化すると補正がずれるという問題点を有する。
【0036】
また、同公報の第3図を除いて、微分電流を生成する回路とレーザ駆動回路の回路構成が異なっているため、微分電流の位相と駆動電流の位相がずれる可能性がある。そして、位相がずれると立ち上がりが2段階になるなど別の問題を生じる。
【0037】
ここで、レーザのV−I特性が非線形であるとどうして補正がずれるのかについて説明する。
【0038】
図53は、Vcsel定電流駆動の回路構成を示す図である。このVcsel定電流駆動回路は、レーザを駆動するための電流源と、振幅が電流源の電流値に比例し、かつレーザのオン/オフ制御のスイッチと同期したパルスを発生するパルス電圧源と、微分電流をレーザの駆動電流に重畳するためのコンデンサとを備えている。
【0039】
例えばレーザの駆動電流が倍になると、補正のための微分電流も倍になる。図54は、半導体レーザのV−I特性を示す図である。このV−I特性によると、電流を倍にしてもV−I特性が指数関数的であるために端子電圧がわずかしか上がらない。配線の寄生容量による立ち上がりのなまりを補正するのであれば、この電圧の変化に比例して微分電流を設定しなければならない。しかし、駆動電流に比例しているためレーザ駆動電流を倍にすると微分電流も倍になり過補償になってしまう。
【0040】
逆に、図55に示すように、レーザ駆動電流を左から右へと示すように1/2にすると、レーザの印加電圧はわずかしか変化しない。これに対して、補償微分電流は半分にまで小さくなるため、補償が不足して波形はなまってしまう。レーザゼログラフィーでは環境や感光体の劣化に応じ常時レーザパワーを制御しており、ー定の光量でしか使えないことは致命的である。そこで、レーザ光量が変わっても補正が常に最適制御される回路が必要になる。
【0041】
(2)自動光量制御について
端面発光レーザとシングルモードの面発光レーザとの光学的な違いは、面発光レーザが駆動電流によりビームの広がり角や発振モードが変化したり、光量が小さいことである。
【0042】
1ビーム当たりの光量が小さい場合、例えばビーム数を多くして単位面積当たりの露光量として十分なパワーがあったとしても、個々のビームの光量を制御するために受光器から得られる出力は小さい。
【0043】
また、駆動電流によりビームの広がり角が変わるため、スリットを使って中央付近のビームだけを使わなければならず、小さい光量がさらに小さくなる。ビーム光量が小さくなると、フォトダイオードで検出される電流は小さくなる。自動光量制御のために端面発光レーザと同程度のモニター電圧を得ようとすると、フォトダイオードの負荷抵抗を大きくしなければならない。このため、時定数が大きくなって自動光量制御の収束性が悪化し、収束に時間がかかるようになる。
【0044】
図56は、従来の時分割制御でのマルチレーザの自動光量制御を示す回路図である。前述したように、面発光レーザは、1ビーム当たりのレーザパワーが小さい。さらに、そのビーム中心部分だけを選択して利用するため、光検出器の電流も小さくなる。このため、出力電圧を上げるために負荷抵抗Rを大きくしなければならない。一方、フォトダイオードの負荷容量は、寄生容量など回路中の静電容量Cがそのままなら、負荷抵抗Rとの積である時定数CRが大きくなり自動光量制御の収束までに時間がかかる。
【0045】
特に繰り返し全チャンネルを自動光量制御する場合、最初のチャンネルは直前の光量がゼロであると誤差検出を行う比較器の出力が振り切れているため、収束までに長い時間を要する。図57及び図58は、図56に示すマルチレーザ自動光量制御回路でAPCが繰り返し全チャンネルに対し行われているうちで最初のチャンネル1(APC1)とチャンネル2(APC2)の受光器のアノードに接続された抵抗の端子電圧を示した波形図である。
【0046】
自動光量制御開始直前の変調動作時にレーザが消灯している場合、誤差検出比較器の反転入力端子側に入力されるモニタ電圧は0Vである。誤差検出比較器は、図57に示すように、これを補正しようとプラス側電源電圧までふりきれたような光モニタ出力を得る。この結果、光モニタ出力は目標出力を大きくオーバーした状態からその目標出力に収束するので、自動光量制御に長い時間がかかる。
【0047】
反対に、変調時に2個以上のレーザが点灯している場合、誤差検出比較器は、図58に示すように、これを補正しようとマイナス側電源電圧までふりきれたような光モニタ出力を得る。受光器出力は目標出力よりも下回っており、光モニタ出力はその状態から目標出力に収束するので、自動光量制御に長い時間がかかる。
【0048】
このように、マルチレーザの自動光量制御をレーザ毎に順次行う場合、光検出器に入射される光量が低いと、最初のチャンネルの自動光量制御に特に長い時間がかかってしまった。
【0049】
さらに、2チャンネル目以降nチャンネル目までの切り替え時のタイミング制御については何ら注意が払われておらず、比較器の出力が切り替え毎に大きく変動し、負帰還が収束するまでに長い時間を要していた。
【0050】
例えば前述した特開昭63−144653号公報の第1図の場合、ディレイラインやデコーダを使用して切り替え信号を生成しているが、ディレイラインのディレイ時間は内部の素子の定数で決まってします。したがって、同公報の第2図のように、環境温度や素子ばらつきにかかわらず、LD1の立ち下がりとLD2の立ち上がりを正確に一致させることは困難である。
【0051】
さらに、同公報の第1図では、レーザLDnを点灯させるためのスイッチングトランジスタTsnをオフにする信号Snを発生しても、Tsnのコレクター容量が原因でTr1が完全にオンになってレーザが点灯するまで時間がかかってしまう。したがって、S1〜Snの信号の立ち上がりと立ち下がりがたとえ一致したとしても、LD1のレーザの消灯とLD2のレーザの点灯とを一致させることはできない。
【0052】
このLD1の立ち下がりとLD2の立ち上がりが一致しない場合の問題点を図59及び図60を用いて説明する。図59は、LD1の立ち下がりとLD2との立ち上がりに時間が空いた場合を示す図である。光モニター信号が一旦下がるため、復帰するまでの期間が収束時間に追加される。さらに、LDの点灯タイミングに含わせて光量制御のタイミング(APC1〜APCn)を設定すると、収束しない状態で制御電圧が取り込まれるため制御電圧が目標光量を与える電圧からずれてしまう。
【0053】
逆に、図60は、LD1の立ち下がりより前にLD2の立ち上がりがオーバーラップした場合を示す図である。光モニター信号が一旦上昇するため、同様に復帰までの時間が収束時間に追加される。同様に収束しない状態で制御電圧が取り込まれるため、制御電圧が目標光量を与える電圧からずれる。
【0054】
半導体レーザの光量が十分得られ、かつ自動光量制御回路中のCR時定数が小さい場合には収束時間が短い。したがって、特開昭63−144653号公報の第2図に示すように、厳密にタイミング制御が困難な方法で切り替え信号を生成したり、レーザ点灯タイミングが遅延して比較器出力に変動が生じても、迅速に収束するので大きな問題にはならない。しかし、面発光レーザのように、光モニター光量が小さく、かつ短い期間に多数のレーザの自動光量制御を行わなければならない場合、自動光量制御により目標の光量を得るまで長い時間がかかり、さらに、所定の時間で強制的に自動光量制御を打ち切ると、目標光量が得られない問題があった。
【0055】
したがって、モニター光量が小さく検出速度が遅い受光センサを使っても、多数のレーザを1スキャン中の短い時間を利用しながら自動光量制御を行わなければならない。このためには、各レーザの自動光量制御で無駄な時間を極力無くすことが必要となる。
【0056】
第1の無駄な時間は、毎スキャン全チャンネルを自動光量制御する際の最初のチャンネルの収束時間である。レーザをオフした状態から開始すると、受光センサーの出力が立ち上がるまでは負帰還がかからないため、受光センサーの立ち上がり時間がそのまま無駄な時間になる。これを最初から立ち上げておくために予めレーザを点灯しておく方法も提案されている。しかし、受光センサーの応答が遅いためかなり以前から点灯しておかなければならず、場合により感光体を露光させることにもなり、トータルで見ると自動光量制御にかかる時間の短縮にはつながらない。
【0057】
また、特開平5−136502号公報の図1に示すように、受光器出力をサンプルホールドするレーザ駆動回路が提案されている。しかし、増幅器の出力をサンプルホールドしているだけなので、増幅器の入力の立ち上がりが遅ければレーザが点灯してから立ち上がるまでの収束時間が短縮することにはならない。その他収束時間を短くする工夫は、受光器以外に対しても様々提案されている。
【0058】
さらに、特開平11−354878号公報の図1及び図3に示すように、比較器出力の位相補償コンデンサを変調時サンプルホールド状態にして次の自動光量制御にかかる時間を短くするレーザダイオード駆動装置が提案されている。しかし、このレーザダイオード駆動装置も、受光器出力の立ち上がりが遅ければトータルで収束時間の短縮にはならない。
【0059】
その他比較器出力が振り切れないようにする方式として、特開昭60−115278号公報の第6図に示すように、半導体レーザ駆動方式が提案されている。この半導体レーザ駆動方式は、過電流に対し非常に弱い端面発光レーザを守るため、疑似信号を負帰還ループに与えて比較器が飽和するのを防止するものである。しかし、この半導体レーザ駆動方式は、自動光量制御の開始時に異常な電流がレーザに流れてレーザの破壊を防止しようとするものであり、収束時間を大幅に改善するものではない。
【0060】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の電圧駆動型の面発光レーザ駆動装置は、レーザをオン/オフすると、電源レギュレータに流れ込む電流が変わってその出力電圧に変化が生じ、その結果、レーザパワーが変動する問題があった。
【0061】
さらに、レーザの光量制御においては、収束時間を短縮することが重要であり、特にマルチレーザの場合にはそれが顕著であった。
【0062】
本発明は、このような課題を解決するために提案されたものであり、レーザパワーを変動させず、かつ、迅速にレーザの自動光量制御を行うことができる面発光レーザ駆動装置を提供することを目的とする。
【0063】
【課題を解決するための手段】
請求項記載の発明は、終端抵抗と、アノード側を前記終端抵抗の一端に接続し、前記終端抵抗に対して並列に接続された面発光レーザと、前記終端抵抗の前記一端に接続し、前記面発光レーザのアノード側及び前記終端抵抗に電流を供給する第1の電流供給手段と、前記終端抵抗の他端に接続され、所定の電圧を出力する電圧源と、前記電圧源の出力電圧が一定になるように、前記面発光レーザのオン/オフに応じて前記電圧源の出力端子に電流を供給する第2の電流供給手段と、を備えている。
【0064】
この発明は、いわゆる電圧駆動型の面発光レーザ駆動装置であって、終端抵抗に電流が流れ過ぎて消費電力が大きくならないように電圧源を備えている。しかし、面発光レーザがオンになったりオフになったりすると、終端抵抗を流れる電流に変化が生じ、電圧源の出力電圧に変化が生じる。この結果、面発光レーザのレーザパワーに変動が生じることがある。そこで、電圧源の出力電圧が一定になるように、面発光レーザのオン/オフに応じて前記電圧源の出力端子に電流を供給している。
【0065】
なお、前記電圧源の代わりにダイオードを用いることができる。図61は、ダイオードを使った電圧駆動回路を示す図である。PN接合ダイオードやツエナーダイオードなどは、等価的には内部に電圧源を持っている。これを利用すると、電圧レギュレータを使用せずに消費電力を低減することができる。
【0066】
図62は、面発光レーザ(VCSEL)の電圧−電流−光量特性を示す図である。レーザダイオードが順バイアスとなる電圧は1.8V程度であり、レーザ発振閾値電圧は2V程度である。したがって電圧源の代わりに直列接続するダイオードの順電圧降下は2V弱が望ましい。図63は、(株)オーム社のスペックシートからの図であり、市販の小信号用スイッチングダイオードであって2つのダイオード(D1+D2)の直列回路の特性を示す図である。室温の25℃において、7mA時に1.5Vになり、この時の微分抵抗は数10Ωである。したがって、シリコンダイオードを2個接続して終端抵抗を70Ωにすると、図47に示した共通電源の電源電圧を1.5Vにしたのと同等になる。さらに、レーザ個別に終端抵抗が入っているためクロストークの問題が発生しない。
【0067】
素子の特性を利用した場合、温度に対する安定性が問題となる。通常シリコンのPN接合ダイオードは温度係数が−2mV/℃であり、ガリ砒素レーザは−3mV/℃である。シリコンPN接合ダイオードを2個直列接続した場合は−4mV/℃になり、その差は1mV/℃になる。この結果、レーザダイオードの温度変動をある程度相殺することがわかる。実際温度が下がっていくと終端抵抗側の電位が上昇し消費電流が減少する。しかし、温度係数の差は−1mV/℃であるので、通常の使用温度範囲の0℃から100℃でも最悪75mVの差にしかならず、実用上問題にはならない。
【0073】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、最初に各装置の特徴的な基本構成について説明し、次に複数チャネル(マルチレーザ)の構成について説明する。
【0074】
1.基本構成
(1)電圧駆動型
本実施の形態に係る電圧駆動型の面発光レーザ駆動装置は、面発光レーザの駆動電流と相補的に出力される電流を電圧源に供給することで当該電圧源の負荷変動を抑制する。
【0075】
面発光レーザ駆動装置は、図1に示すように、直列に接続された終端抵抗R4及びコンデンサC1と、これらと並列に接続された面発光レーザLDとを備えている。なお、面発光レーザLDのカソード側と、コンデンサC1の他端は、それぞれ接地されている。
【0076】
さらに、面発光レーザ駆動装置は、面発光レーザLDのアノード側及び終端抵抗R4に電流を供給するバイアス電流源Ibと、スイッチSW1を介して電流を出力する相補電流源Isと、並列に接続された抵抗R1及びコンデンサC2に電流を供給する相補電流源Is’と、入力側がスイッチSW2に接続された電流源Iaと、ボルテージレギュレータ(電圧源)V1,V2とを備えている。
【0077】
スイッチSW1は、相補電流源Isからの相補電流Isを端子a又は端子bを介して出力する。スイッチSW1の端子aはスイッチSW2の端子aに接続され、その端子bは面発光レーザLDのアノード側に接続されている。
【0078】
抵抗R1及びコンデンサC2の一端は相補電流源Is’の出力側に接続され、それらの他端は接地されている。なお、コンデンサC2の端子電圧は、電流源Iaの制御電圧になる。
【0079】
スイッチSW2の端子aは、抵抗R2を介して接地されている。なお、抵抗R2は、ソースタイプの電源レギュレータでも使用可能なように常時電流を流し出しておくためのものである。スイッチSW2の端子bは、抵抗R3を介して接地している。そして、スイッチSW2は、端子a又は端子bからの電流を出力する。電流源Iaの入力側はスイッチSW2の端子a又は端子bに接続され、その出力側は接地される。
【0080】
電圧源V1は、接地された抵抗R3の他端に、電圧V1を印加する。電圧源V2は、抵抗R4に対して直列に接続され、また接地されたコンデンサC1の他端に接続され、さらに接地された抵抗R2の他端に接続され、電圧V2を印加する。なお、コンデンサC1は、高周波での出力インピーダンスの上昇を抑える役割を有する。コンデンサC3は相補電流源Isの制御電圧をホールドし、コンデンサC4はバイアス電流源Ibの制御電圧をホールドしている。
【0081】
以上のような構成の面発光レーザ駆動装置では、バイアス電流源Ibから出力されたバイアス電流Ibは、分岐して終端抵抗R4及び面発光レーザLDを流れる。
【0082】
面発光レーザLDをオンにする場合、スイッチSW1を端子bに切り替える。相補電流源Isが出力する相補電流Isは、スイッチSW1を経由して、終端抵抗R4とレーザLDに流れ込む。これにより、面発光レーザLDがオンになる。このとき、終端抵抗R4を流れる電流も増加し、相補電流Isのうち終端抵抗R4に流れる分が電圧源V2の負荷変動を引き起こす。
【0083】
そこで、面発光レーザLDをオフする際、スイッチSW1を端子aに切り替え、相補電流Isを電圧源V2に直接供給する。これにより、面発光レーザLDのオン/オフに関係なく、電圧源V2に供給される電流の大きさをほぼ等しくすることができる。
【0084】
しかし、相補電流Isをすべて抵抗R2に流した場合、面発光レーザLDへの分流分が考慮されてないので、補償し過ぎとなり、逆に電圧源V2の電位が逆方向に変動する。そこで、面発光レーザLDのオン/オフに同期して、別の電流源で面発光レーザLDへの分流分を補正する。
【0085】
図2に示すように、面発光レーザLDの端子電圧が上昇すると、端子電圧−電流特性が直線領域になる。そのときの傾きは終端抵抗Rshとレーザの内部抵抗Rldとの並列合成抵抗の逆数となる。終端抵抗Rshと内部抵抗Rldはほぼ一定のため、直線領域においては終端抵抗Rshに流れる電流と面発光レーザLDに流れる電流との比は一定である。
【0086】
ここで、面発光レーザLDがオンのときに抵抗R2を流れる電流を表す式(1)と、面発光レーザLDがオフのときに抵抗R2を流れる電流を表す式(2)とを示す。
(LDオン時のR2の電流)=α×(Is+Ib) ・・・・・(1)
(LDオフ時のR2の電流)=α×Ib+Is−Ia ・・・・・(2)
【0087】
さらに、補正電流Iaを相補電流Isのミラー相補電流Is’に比例するよう設定する。すなわち、式(3)のように設定する。
【0088】
Ia=Is×(1−α) ・・・・・(3)
αは、終端抵抗R4と面発光レーザLDの電流の分流比を示し、抵抗R1の値を変えることで調整することができる。式(3)を式(2)に代入すると、式(1)に一致する。つまり補正電流Iaを相補電流Isに比例して設定すると、面発光レーザLDのオン/オフに拘わらず、電圧源V2の負荷すなわち出力電圧を一定にすることができる。
【0089】
分流比αを一定としたが、面発光レーザLDを流れる電流が小さいときは指数関数が含まれているため、分流比αを定数とみなすことができない。このような時には、outpの電位と電圧源V2の電位の差から、終端抵抗R4に流れる電流を算出し、この電流とIsのミラー相補電流Is’との差電流を補正電流Iaとして設定することもできる。この時は、面発光レーザLDが指数関数領域で動作しても、電圧源V2の負荷が変動することはない。
【0090】
つぎに、図3に示す面発光レーザ駆動装置について説明する。ここで、スイッチSWl〜3は、連動して切り替えられる。図3では、面発光レーザLDがオンのときのスイッチSW1〜3の状態を示している。
【0091】
面発光レーザLDをオフにするときは、スイッチSW3をオンにする。オペアンプA1は、抵抗R5の端子電圧が終端抵抗R4の端子電圧に等しくなるように、抵抗R5に接続された電流源Ilddに制御電圧を与える。
【0092】
電流源Ildd’は、電流源Ilddとカレントミラーを構成する。そして、電流源Ildd’は、相補電流源Is’のソース相補電流Is’から、抵抗R4の端子電圧に比例した電流を差し引く動作する。したがって、電流源Ilddと電流源Ildd’のゲインと、抵抗R5の抵抗値を調整することによって、電流源Ildd’は終端抵抗R4に流れる電流に対応する電流をシンクする。この結果、抵抗R1には、相補電流Is’のうち面発光レーザLDに流れる電流に対応した電流が流れ込む。
【0093】
相補電流Isからこの補正電流Iaを引くと、相補電流Isのうち面発光レーザLDをオンしたときに当該面発光レーザLDに流れていた分が差し引かれ、終端抵抗R4に流れていた分だけが抵抗R2に流れる。この結果、抵抗R2を流れる電流は、面発光レーザLDのV−I特性が非線形領域にあり、面発光レーザLDがオン/オフであっても、常に一定になる。したがって、負荷変動により電圧源V2の出力が変動するのを防止することができる。
【0094】
(2)電流駆動型
電流駆動型の面発光レーザ駆動装置は、図4に示すように、面発光レーザLDに対して常時バイアス電流Ibを流すバイアス電流源Ibと、面発光レーザLDを点灯させるスイッチSWと、スイッチSWを介して面発光レーザLDに電流を供給する相補電流源Isと、補償を行うためのパルス発生部VPとを備えている。
【0095】
各回路から面発光レーザLDまでの配線には一般的に寄生容量Cstが存在し、この寄生容量Cstが波形なまりの原因になっている。パルス発生部VPは、スイッチSWのオン/オフに同期して、パルス信号Vpulseを発生し、これをスピードアップコンデンサCsを介して、微分電流をレーザLDに供給する。これにより、寄生容量Cstによる立ち上がりのなまりを補償している。
【0096】
補償量を最適化しなければ、図5に示すように、オーバーシュートやアンダーシュートが生じる。立ち上がった時の電圧振幅は、パルス信号Vpulseの電圧×容量Csと寄生容量Cstとの分圧比で決まり、Vpulse×Cs/(Cs+Cst)である。
【0097】
定常状態で面発光レーザLDがオンの場合、面発光レーザLDの端子電圧は、図6に示すように、レーザの電圧−電流特性から定まる。面発光レーザLDにはバイアス電流Ibと相補電流Isが流れ、面発光レーザLDの端子電圧は(Vb+Vs)になる。
【0098】
面発光レーザLDがオフの場合、面発光レーザLDにはバイアス電流Ibのみが流れ、このときの面発光レーザLDの端子電圧はVbとなる。したがって、補償条件は、立ち上がり時の電圧振幅と定常状態でのレーザオンとレーザオフとでの電位差が等しいことから、以下の式を満たすことである。
【0099】
Vpulse×Cs/(Cs+Cst)=(Vb+Vs)−Vb=Vs
補償条件である上記式を満たすためには、Vpulseを制御したり、その他定常状態の電位を制御するのが好ましい。
【0100】
Vpulseの制御は、パルス信号のhighレベルを変えればよく、回路上容易に実現でき、また補正による弊害もない。なお、面発光レーザLD個々の補償回路を設けると、Vpulse用の出力インピーダンスの低い電圧源が必要となるので、この方式は全部の面発光レーザLDの一括制御に向く。その他の定常状態の電位の制御(Vsの制御)は、APCによって(Vb+Vs)が決まってしまうので、Vbを制御すればよい。バイアス電流をレーザ毎に制御するのは容易なので実用的であるが、バイアスを下げすぎると弊害が生じるので、チャンネルch毎の微調整に向く。
【0101】
図7(A)は、Vpulseで補償量を制御した場合を示す図である。制御を行う前はオーバーシュートが生じている。調整後、定常状態における面発光レーザLDがオンのときの端子電圧とオフのときの端子電圧は変化せず、オーバーシュートがなくなっている。また、図7(B)はバイアス電流Ibで補償量を制御した場合を示す図である。制御を行う前はオーバーシュートが生じている。バイアス電流Ibで調整した場合、面発光レーザLDがオフのときの端子電圧が下がり、これによりオーバーシュートが無くなる。
【0102】
(Vpulse制御)
このようなオーバーシュートを除去すべく、面発光レーザ駆動装置は、図8に示すように、アンプA1,A2と、バイアス電流源Ibと、相補電流源Isと、を備えている。
【0103】
バイアス電流源Ibは、可変電圧源Vbからの制御電圧に従ってバイアス電流Ibを出力し、このバイアス電流Ibを面発光レーザLDのアノード側に供給する。相補電流源Isは、可変電圧源Vsにより制御電圧が設定され、相補電流IsをスイッチSW3に供給する。スイッチSW3は、端子aを選択しているときは相補電流Isを面発光レーザLDに供給し、端子bを選択しているときは相補電流Isを外部に出力する。
【0104】
アンプA1の一方の入力端子は、スイッチSW1を介して、面発光レーザLDのアノード側に接続されている。なお、コンデンサC5の一端はアンプA1とスイッチSW1の間に接続され、その他端は接地されている。アンプA1の他方の入力端子は、面発光レーザLDのアノード側に接続されている。
【0105】
アンプA2の一方の入力端子は、アンプA1の出力端子に接続されている。アンプA2の他方の入力端子は、このアンプA2の出力端子に接続されている。さらに、アンプA2の出力端子は、コンデンサC2の一端に接続されている。コンデンサC2の他端は接地されている。さらに、コンデンサC2の一端はスイッチSW2の端子aに接続され、その他端はスイッチSW2の端子bに接続されている。スイッチSW2は、端子a又は端子bからのパルス信号Vpulseを、コンデンサC1を介して、面発光レーザLDのアノード側に供給する。
【0106】
以上のような構成の面発光レーザ駆動装置では、図9(A)に示す時刻t2でにおいて、スイッチSW1をオンにする。これにより、コンデンサC5は、面発光レーザLDの端子電圧V2をホールドする。なお、スイッチSW2,SW3は、それぞれ端子bを選択している。
【0107】
スイッチSW3を端子aに切り替え、面発光レーザLDの端子電圧が立ち上がった直後の時刻t1からt2において、アンプA1は、時刻tl〜t2までの電圧が電圧V2に一致するように、パルス信号Vpulseの電位(C2の電圧)に対して負帰還制御を行う。
【0108】
電圧V1が電圧V2に一致した後、スイッチSW2を端子bに切り替える。これにより、コンデンサC2は、その時の電圧をホールドし、Vpulse電圧を自動的に設定する。当然一個のパルスで制御が完了するわけではないので、このような調整を連続してパルス信号Vpulseを収束させる。
【0109】
以上のように、面発光レーザ駆動装置は、バイアス電流Ibや相補電流Isが変わって面発光レーザLDのパワーが変わっても、コンデンサC2にパルス信号Vpulseの電圧を自動的に設定することができるので、常に最適な状態になるように補償することができる。
【0110】
(バイアス制御)
バイアス制御を行う面発光レーザ駆動装置は、図10に示すように、常時バイアス電流Ibを出力するバイアス電流源Ibと、相補電流源Isと、アンプA1,A2と、を備えている。
【0111】
バイアス電流源Ibは、アンプA1からの制御電圧に従ってバイアス電流Ibを出力し、このバイアス電流Ibを面発光レーザLDのアノード側に供給する。相補電流源Isは、可変電圧源Vsにより制御電圧が設定され、相補電流IsをスイッチSW4に供給する。スイッチSW4は、端子aを選択しているときは相補電流Isを面発光レーザLDに供給し、端子bを選択しているときは相補電流Isを外部に出力する。
【0112】
アンプA2の一方の入力端子は、定電圧源Vpulseに接続されている。その他方の入力端子は、アンプA2の出力端子に接続されている。さらに、アンプA2の出力端子は、コンデンサC3の一端に接続されている。なお、コンデンサC3の他端は接地されている。さらに、コンデンサC3の一端はスイッチSW3の端子aに接続され、その他端はスイッチSW3の端子bに接続されている。スイッチSW3は、端子a又は端子bからのパルス信号を、コンデンサC2を介して、面発光レーザLDのアノード側に供給する。
【0113】
アンプA1の一方の入力端子は、面発光レーザLDのアノード側に接続されている。その他方の入力端子は、スイッチSW1を介して、面発光レーザLDのアノード側に接続されている。なお、アンプA1の他方の入力端子とスイッチSW1との間には、コンデンサC1が接続されている。コンデンサC1の他方側は、接地されている。
【0114】
以上のように構成された面発光レーザ駆動装置では、図9(B)に示す時刻t2において、スイッチSW1をオンにして、電位V2をコンデンサC1にホールドしておく。なお、スイッチSW3,SW4は、それぞれ端子bを選択している。
【0115】
つぎに、スイッチSW3を端子aに切り替えると、パルス信号Vpulseが立ち上がる。アンプA1は、その時の面発光レーザLDの電圧が、ホールドした電圧V2に一致するように、負帰還制御を行う。ここで、定電圧源Vpulseは固定した電圧を出力するので、面発光レーザLDがオフのときに面発光レーザLDの端子電圧が制御されると、補償が最適化される。
【0116】
この面発光レーザ駆動装置は、出力インピーダンスが低い定電圧電源を必要としないので、IC化してチャンネル毎に設けることができる。このため、面発光レーザLDを個別に微調整をするのに好適である。
【0117】
これらの面発光レーザ駆動装置は、面発光レーザLDの端子電圧の波形形状から補償量を決めるものである。しかし、面発光レーザLDの内部抵抗が小さい場合、面発光レーザLDがオン/オフしてもその端子電圧の変化が小さく、制御が困難である場合もある。また、温度変動など別の要因によって面発光レーザLDの端子電圧だけでは再現性が不足する場合もある。このような場合、面発光レーザLDの光量モニター信号で制御することも可能である。
【0118】
(光量を用いたVpulse制御)
このような面発光レーザ駆動装置は、図11に示すように構成されている。具体的には、上記面発光レーザ駆動装置は、面発光レーザLDにバイアス電流Ibを供給するバイアス電流源Ibと、相補電流源Is、アンプA1,A2,A3と、面発光レーザLDの光量を検出するためのフォトダイオードPDと、を備えている。
【0119】
バイアス電流源Ibは、可変電圧源BIASREFからの制御電圧に従ってバイアス電流Ibを出力し、このバイアス電流Ibを面発光レーザLDのアノード側に供給する。相補電流源Isは、スイッチSW1を介してアンプA1からの制御電圧に従って相補電流Isを出力し、スイッチSW4に供給する。スイッチSW4は、端子aを選択しているときは相補電流Isを面発光レーザLDに供給し、端子bを選択しているときは相補電流Isを外部に出力する。
【0120】
フォトダイオードPDのカソード側には電圧Vccが印加されている。フォトダイオードPDのアノード側は、並列に接続された抵抗Rpd及びコンデンサCstに接続されている。
【0121】
アンプA1の一方の入力端子は、フォトダイオードPDのアノード側に接続されている。アンプA1の他方の入力端子は、APCの基準電圧V_APCREFを出力する電圧源APCREFに接続されている。アンプA1は、フォトダイオードPDで検出された電圧が基準電圧V_APCREFになるように、相補電流源Isの制御電圧を設定する。なお、アンプA3の2つの入力端子も同様に接続されている。アンプA2の一方の入力端子は、スイッチSW2を介して、アンプA3の出力端子に接続されている。その他、アンプA2、コンデンサC2、スイッチSW3の接続関係は、図8とほぼ同様である。但し、スイッチSW3は、コンデンサCsを介して、面発光レーザLDのアノード側に接続されている。なお、図11では、1チャンネルchのみ示しているが、他のチャンネルchについても同様に構成されている。
【0122】
ところで、Vpulseの調整がうまくいっておらず、図12(A)に示すように、過補償の状態にある場合、面発光レーザLDの平均光量は1個のレーザを連続点灯して自動光量制御したときのモニター光量の基準電圧V_APCREFにオーバーシュート分が加算され、モニターされた光量は大きくなる。図12(B)に示すように、補償量が不足している場合、アンダーシュートになり、面発光レーザLDの光量は電圧V_APCREFよりも低くなる。
【0123】
そこで、この面発光レーザ駆動装置においては、複数の面発光レーザLDを交互に点灯させ、常に一個だけ発光させるようにする。アンプA3は、フォトダイオードPDによって検出された電圧が電圧V_APCREFになるように、アンプA2の出力、すなわちVpulseを制御する。そして、フォトダイオードPDによって検出された電圧がV_APCREFに一致すると、最適な状態で補償が行われる。
【0124】
(光量を用いたバイアス制御)
光量を用いてバイアス制御を行う面発光レーザ駆動装置は、図13に示すように構成される。なお、図11と同じ構成の部分があるので、その箇所の説明は省略する。
【0125】
アンプA2は、一方の入力端子が補償電圧源REFに接続され、他方の入力端子が出力端子に接続されているので、所定のVpulseを出力する。アンプA3は、固定値である電圧V_APCREFとフォトダイオードPDで検出された電圧を比較し、これらが一致するように、スイッチSW2を介して、制御電圧をバイアス電流源Ibに供給する。図13は、チャンネルch1のみ示しているが、他のチャンネルchについても同様に構成されている。さらに、過補償と補償不足を示した状態は、図12と同様である。
【0126】
このように構成された面発光レーザ駆動装置では、面発光レーザLDのスイッチングの周波数をオペアンプA1,A2,A3とフォトダイオードPDの出力が応答しない程度に上げることによって、リップル成分を平均化し、制御精度を高くすることができる。またチャンネルch間の補償量ばらつきが少ない場合には、面発光レーザLDをチャンネルch毎に順番に点灯していけば、一括して補償量を制御することができる。
【0127】
(Vpulseによる個別制御)
図11及び図13に示した面発光レーザ駆動装置は、複数の面発光レーザLDに対して一括して制御するのに好適であり、個々の面発光レーザLDの補償量を最適化することはできない。以下、個々の面発光レーザLDの補償量を最適化することについて説明する。
【0128】
Vpulseで面発光レーザLDを個別に制御する面発光レーザ駆動装置は、図14に示すように構成されている。なお、アンプA3の入力端子の接続関係を除いて、図11と同様の構成である。
【0129】
アンプA3の一方の入力端子は、図11と同様に、フォトダイオードPDのアノード側に接続されている。アンプA3の他方の入力端子には、電圧V_APCREFが抵抗R1及び抵抗R2によって分圧された電圧、すなわち[R2/(R1+R2)]V_APCREFが入力される。
【0130】
以上のように構成された面発光レーザ駆動装置では、1個の面発光レーザLDを、図15に示すようにパルス点灯させる。このとき、フォトダイオードPDの負荷抵抗Rpdに並列に寄生容量Cstがあり、さらに面発光レーザLDの点灯周波数が高ければ、フォトダイオードPDは平均化された光量モニター信号である電圧を出力する。
【0131】
アンプA3は、この出力電圧と、自動光量制御での基準電圧V_APCREFを抵抗R1及び抵抗R2で分圧した電圧とを比較し、Vpulseを負帰還制御する。ここで、基準電圧V_APCREFの分圧比は、面発光レーザLDのパルス点灯のDutyで決めるのが好ましい。例えば、フォトダイオードPDがDuty50%で点灯する場合、電圧V_APCREFの半分がオペアンプA3の入力電圧になるように、抵抗R1及び抵抗R2を決定する。これにより、Vpulseが最適になったときに、光量モニター信号がV_APCREF/2の電圧に一致する。
【0132】
(バイアス電流による個別制御)
同様にしてバイアス電流で個々の面発光レーザLDを制御する面発光レーザ駆動装置は、図16に示すように構成されている。なお、過補償と補償不足の場合波形図は、図15と同様である。
【0133】
図16に示すアンプA3は、フォトダイオードPDによって検出された電圧と、自動光量制御での基準電圧V_APCREFを抵抗R1及び抵抗R2で分圧した電圧とを比較し、バイアス電流源Ibの制御電圧を設定する。ここで、分圧比は、上述した説明と同様に、面発光レーザLDのパルス点灯のDutyで決めるのが好ましい。
【0134】
(オープンループ制御)
上述した各面発光レーザ駆動装置は、精度の高い負帰還制御を行うものである。シングルモードの面発光レーザは、内部抵抗が高く電圧−電流特性が線形の特徴がある。そこで、この特徴を利用すると、オープンループ制御でもある程度の補償量を制御することができる。
【0135】
例えば図17に示す面発光レーザ駆動装置は、相補電流Isを参照して補償量Vpulseを制御する。
【0136】
前提として、バイアス電流源Ibには、面発光レーザLDが順バイアスされ急激に電流が増加し始めるときのバイアス電流Ibが設定されている。バイアス電流Ibに相補電流Isを重畳すると、相補電流Isの増加に対応して、面発光レーザLDの端子電圧も比例して上昇する。このとき、相補電流源Isのカレントミラー回路で生成した電流は抵抗VR1に供給され、抵抗VR1には相補電流Isに比例する端子電圧が発生する。アンプA2は、抵抗VR1の端子電圧を用いてVpulseを制御する。したがって、バイアス電流Ibに重畳した相補電流Isは、電圧振幅に比例する。これにより、抵抗VR1の値を適切に選択することによって、面発光レーザLDの光量に応じて適切な補正を行うことができる。
【0137】
バィアス電流Ibは、面発光レーザLDが順バイアスされる電流に設定されている。面発光レーザLDが前述したように順バイアスされたあとは、電圧−電流特性は線形性になる。この結果、例えば相補電流Isを半分にすると、例えば図18に示すように、面発光レーザLDの端子電圧の振幅も半分になる。したがって、フィードバックを行わずに補償量を常に最適な状態にすることができる。
【0138】
以上の説明で共通しているのは、パルス信号Vpulseの発生に双投のアナログスイッチを使った点である。CMOSプロセスを用いれば、このスイッチを相補電流源の電流スイッチSW4と同一構成、同一信号とすることができる。このためバイポーラを使った場合に比べて、回路構成が異なるために生じる遅延による波形歪みを抑制することができる。
【0139】
(3)自動光量制御
つぎに、最初のレーザの収束時間を短くし、さらにチャンネルchを切り替えるときに生じる比較器の出力変動を抑制する自動光量制御について説明する。
【0140】
このような自動光量制御を行う面発光レーザ駆動装置は、図19に示すように、n個の面発光レーザLD1〜LDnと、これらにそれぞれ電流を供給するn個の相補電流源Is1〜Isnと、各相補電流源Is1〜Isnに供給する制御電圧を設定するオペアンプOP1と、各面発光レーザLD1〜LDnの光量を検出するフォトダイオードPDと、オペアンプOP2とを備えている。
【0141】
各相補電流源Is1〜Isnの入力側は、電源電圧5Vに接続されている。各相補電流源Is1〜Isnの出力側は、スイッチS1〜Snを介して、面発光レーザLD1〜LDnのアノード側に接続されている。面発光レーザLD1〜LDnのカソード側は、それぞれ接地されている。
【0142】
オペアンプOP1の出力側は、スイッチSW1〜SWnにそれぞれ接続されている。各スイッチSW1〜SWnは、それぞれアンプA1〜Anを介して、相補電流源Is1〜Isnに制御電圧を供給する。オペアンプOP1の非反転入力端子は、定電圧源Vrefに接続されている。オペアンプOP1の反転入力端子は、コンデンサC2を介してオペアンプOP1の出力端子に接続され、またスイッチSWAPC1を介して増幅器AZにも接続されている。
【0143】
フォトダイオードPDのカソード側には、電源電圧5Vが印加されている。フォトダイオードPDのアノード側は、抵抗Rを介して接地され、また増幅器AZ及びスイッチSWAPC1を介してオペアンプOP1の反転入力端子に接続され、さらにスイッチSWAPC2にも接続されている。
【0144】
スイッチSWAPC2の端子aは、オペアンプOP2の出力端子及び反転入力端子に接続されている。スイッチSWAPCの端子bは、オペアンプOPの非反転入力端子に接続されている。なお、コンデンサC1の一端はオペアンプOP2の非反転入力端子に接続され、その他端は接地されている。
【0145】
以上のように構成された面発光レーザ駆動装置では、自動光量制御時において、スイッチSWAPC1をオンにし、スイッチSWAPC2を端子bに切り替える。
【0146】
このとき、オペアンプOP1は、増幅器AZから出力されたモニタ電圧と、基準電圧Vrefの誤差を比較検出する。この時、負帰還ループに挿入されたコンデンサC1は、オペアンプOP1の出力端子と反転入力端子の差の電圧で充電される。同時にコンデンサC2は、抵抗Rの端子電圧、すなわち電流−電圧変換されたフォトダイオードPDの出力電圧によって充電される。
【0147】
自動光量制御終了時において、スイッチSWAPC1をハイインピーダンス状態、すなわちオフにし、コンデンサC1の充電電圧を自動光量制御時の値に固定する。これにより、スイッチSWAPC1が再びオンになって次の自動光量制御が開始されるまで、オペアンプOP1の反転入力端子と出力端子の電圧が保持される。
【0148】
同時に、スイッチSWAPC2を端子aに切り替える。コンデンサC2は、自動光量制御終了時にフォトダイオードPDから出力された電圧で充電される。オペアンプOP1は、バッファの機能を有するので、コンデンサC1に充電されている電圧と等しい電圧を出力する。これにより、自動光量制御終了時のフォトダイオードPDの出力電圧が次の自動光量制御開始まで保持される。
【0149】
以上のように、この面発光レーザ駆動装置は、自動光量制御が終了しても、その制御終了時のオペアンプOP1の出力電圧、すなわち相補電流源Is1〜Isnの制御電圧を保持し、さらに、その制御終了時のフォトダイオードPDの出力電圧を保持することができる。これにより、次の自動光量制御開始には、これらの保持した電圧を用いて制御することができるので、立ち上がりの開始を早くして収束時間を短くすることができる。
【0150】
また、この面発光レーザ駆動装置は、各チャンネルchを切り替えて各面発光レーザLD1〜LDnの光量を制御するときに、オペアンプOP1の出力変動を抑制することもできる。
【0151】
図20は、スイッチSW1〜SWnを連続的に切り替えて自動光量制御を行った時の収束性の結果を示すタイミングチャートである。このタイミングチャートは、前回の自動光量制御終了時にホールドしたオペアンプOP1の出力値と今回の収束値にずれがある場合に、光量制御を行うことによって収束値に収束していく様子を示している。
【0152】
タイミングチャートの上段から、フォトダイオードPDに入射する光出力、オペアンプOP1の出力、チャンネル切り替えを行うスイッチSW1,SW2・・・SWnのオン/オフ、面発光レーザLD1,LD2,…LDnのオン/オフ、APCCONTのオン/オフを示している。なお、APCCONTは、いずれかのチャンネルchで自動光量制御を行っている時はオンになる。
【0153】
自動光量制御では、時刻T1からチャンネルch1の制御を開始し、その後チャンネルch_nまでチャンネル切り替えを連続的に行い、これと同期して自動光量制御を行うための面発光レーザLD1〜LDnの点灯および消灯を行う。
【0154】
チャンネルchの切り替えを間断なく連続的に行った場合の収束時間は、1チャンネルchずつ別個に自動光量制御を行った場合の収束の総時間に比べて、はるかに短い。また、この場合、あたかも同一チャンネルchを連続的に自動光量制御をしているのと同様に減衰しながら、目標の光出力へ収束していく。
【0155】
前述した自動光量制御が終了した時点でのオペアンプOP1とフォトダイオードPDの出力をホールドし、次回の自動光量制御の初期値とする方式と併用して繰り返し自動光量制御を行うと、たとえ1チャンネル当たりの収束時間が短くとも全チャンネルで目標の光量を得ることが出来る。しかし、時間ずれが大きくなるとスイッチ切り替えにずれが生じている期間に、オペアンプOP1に入力されるモニタ電圧値が基準値Vrefとずれ,オペアンプOP1の出力が大きく変動する。このため、面発光レーザLD毎の自動光量制御収束値にばらつきを生じ、これを収束させるためには収束時間を長く取らなければならなくなる。
【0156】
さらに、図21に示すタイミングチャートによると、光量制御のあとに変調期間を設けても、変調期間の間受光器出力と比段器出力とをホールドしておき、次の自動光量制御を前回の自動光量制御での最終電圧から開始することによって、変調期間なしに連続的に光量制御を行ったごとく目標光量に収束させることができる。
【0157】
例えば時刻T1fにおいて、全チャンネルchで1回目の自動光量制御が終了しているが、まだオペアンプOP1の出力は収束していない。しかし、次の自動光量制御開始時(時刻T2s)において、前回終了時の時刻T1sの出力から光量制御が始まるので、連続的に光量制御を行っているのと同様に収束していく。この操作を繰り返すことでTnsでは自動光量制御が収束し、目標の光出力が得られる。
【0158】
このように間欠的に自動光量制御を行った場合でも、あたかも1つの面発光レーザLDで長時間連続的に自動光量制御を行った場合と同様に収束させることができ、自動光量制御の精度を向上させることが可能である。
【0159】
1回の自動光量制御が短くても、間欠的にこれを繰り返すと光量が目標値に収束する。したがって、レーザゼログラフィーのように光量制御のために連続的に光量時制御を行うと、感光体を露光させてしまいトナーの無駄や感光体の劣化につながる場合であっても、間欠的に自動光量制御を行えるので、感光体への不要な露光を防ぐことができる。特にトナーのクリーニングを省略したゼログラフィーの場合に有効である。またマルチレーザの場合、1チャンネル当たりの自動光量制御の時間が短いが、毎スキャンの光量制御を行うことができる。したがって、スキャン毎のレーザの特性変動がわずかであれば、毎スキャンの光量制御で十分に特性変動を補正することが可能である。
【0160】
2.マルチレーザの構成
以下、共通電源を使用した定電圧駆動型、ダイオードを使った定電圧駆動型、定電流駆動型についてそれぞれ説明する。
【0161】
(1)共通電源を用いた定電圧駆動型
定電圧駆動型の面発光用レーザ駆動装置は、図22に示すように、36チャンネルで構成され、各チャンネルchの終端抵抗R_1〜R_36に共通する電源である電圧源B5を備え、面発光レーザLD_1〜LD_36のオン/オフにかかわらず電圧源B5に流れ込む電流を一定にしたものである。
【0162】
上記面発光レーザ駆動装置は、面発光レーザLD等からなる発光部10と、電流源Is,Is’,Ic等からなる電流供給部20と、比較器A2,A3等からなる設定部30と、電圧源B5,B6からなる電源部40と、フォトダイオードPDやアンプA5,A6等からなる受光部50とで構成されている。なお、発光部10及び電流供給部20は、チャンネルch毎に設けられている。
【0163】
(発光部10及び電流供給部20の構成)
各チャンネルchはそれぞれ同一に構成されている。ここでは、チャンネルch1を例に挙げて説明する。
【0164】
チャンネルch1は、入力側に所定の電圧が印加されている相補電流源Is,Is’と、出力側が接地されている電流源Icと、スイッチSWsh,SWs,SWcと、相補電流源Isの制御電圧をホールドするためのコンデンサCswとを備えている。
【0165】
相補電流源Isの出力側は、スイッチSWsに接続されている。スイッチSWsは、相補電流源Isからの相補電流Isを端子a又は端子bを介して出力する。なお、スイッチSWsは、図23に示すものと同一であり、例えばPMOS差動構成の電流スイッチからなる。スイッチSWsの端子aは、面発光レーザLD_1のアノードに接続され、さらに終端抵抗R_1を介して電圧源B5の出力端子にも接続されている。スイッチSWsの端子bは、終端抵抗R4に接続され、また電圧源B5の出力端子にも接続されている。
【0166】
スイッチSWcは、端子a又は端子bからの電流を電流源Icに供給する。なお、電流源Icの出力側は接地されている。ここで、スイッチSWcの端子aは、他のチャンネルchに備えられたスイッチSWcの端子aに接続すると共に、電圧源B6の出力側にも接続している。スイッチSWcの端子bは、スイッチSWsの端子bに接続されている。
【0167】
電流源Is’は、カレントミラー回路であり、相補電流源Isが出力する相補電流Isに比例した電流Is’を共通抵抗VR1に供給する。共通抵抗VR1の端子電圧は、電流源Icの制御電圧になる。
【0168】
このような構成において、面発光レーザLD_1がオフの時は、スイッチSWs及びスイッチSWcはそれぞれ端子bを選択している。スイッチSWs及びスイッチSWcがそれぞれ端子aに切り替わると、相補電流IsはスイッチSWsを経由して終端抵抗R_1に供給され、その一部の電流がレーザLD_1に流れる。このとき電流Is’は、他のチャンネルの電流Is’と合計されて抵抗VR1に供給される。この結果、共通抵抗VR1の電圧降下が生じる。電圧降下時の共通抵抗VR1による電圧で、電流源Icが制御される。電流源Is’はスイッチに接続されてなく、電流源Icの制御電圧は連続的に印加されている。
【0169】
ここで、共通抵抗VR1を適当な値に調整することによって、電流IcをレーザLD_1を流れる電流に対応させる。これにより、電流源Icが出力する電流Icは、相補電流Isの一定の割合にすることができる。
【0170】
面発光レーザLD_1をオフするときは、スイッチSWs及びスイッチSWcは、それぞれ端子bを選択する。相補電流源Isが出力した相補電流Isは、スイッチSWsを経由し、電流Icを差し引かれて共通の電圧源B5に供給される。電流Icは、前述したようにIsの―定割合に相当する電流である。したがって、差し引かれた後の電流(Is−Ic)は、面発光レーザLD_1がオンのときの終端抵抗R_1に流れていた電流に一致し、電圧源B5に供給される。したがって、面発光レーザLD_1がオン/オフのいずれであっても、電圧源B5に供給される電流を等しくすることができる。すなわち、電圧源B5の出力インピーダンスを一定にすることができる。
【0171】
(設定部30の構成)
つぎに、各チャンネルchで共通して使用される比較器A2及び比較器A3について説明する。
【0172】
比較器A3は、電圧源B5,B6の出力電位を設定するものである。コンデンサC3は、変調時に制御電圧をホールドし、次のAPCを先のAPCの最終電圧から開始させるためのものである。このため、コンデンサC3の一端は比較器A3の出力側に接続され、その他端は比較器A3の反転入力端子に接続されている。
【0173】
抵抗R4の一端は、スイッチSW4の端子aに接続され、さらに電流源I1の入力側に接続されている。抵抗R4の他端は、スイッチSW4の端子bに接続され、さらに定電圧源Vrefの正極に接続されている。なお、スイッチSW4は、端子a又は端子bの電圧を比較器A3の非反転入力端子に供給する。
【0174】
例えばスイッチSW4が端子aを選択すると、比較器A3の非反転入力端子には、抵抗R4を介して定電圧源Vrefの電圧Vrefが印加される。この電圧Vrefは、自動光量制御時の目標値である。スイッチSW4が端子bを選択すると、比較器A3の非反転入力端子には、低電圧(=Vref−電流I1×抵抗R4)が印加される。
【0175】
比較器A3は、電圧源B5,B6の出力電圧を設定する。比較器A3の非反転入力端子は、上述したように、スイッチSW4に接続されている。比較器A3の反転入力端子は、スイッチSW2を介してアンプA5の出力端子に接続され、さらにコンデンサC3を介して比較器A3の出力端子にも接続されている。ここでは、電圧源B5,B6の出力電圧は、面発光レーザLD_1の発振閾値になるように設定される。そして、この発振閾値よりも電圧源B5,B6の出力電圧がやや低くなるようにすれば、レーザがオフの期間に発光するのを防止することができる。どれだけ低くするかは電流源I1に依存する。但し、小さくしすぎると発光を停止することができず、大きくしすぎると終端抵抗R_1に直列に接続された電圧源B5で消費電力を減らすことができない。
【0176】
比較器A2は、各チャンネルchの相補電流源Isの制御電圧を設定する。比較器A2の非反転入力端子は、定電圧源Vrefに接続されている。比較器A2の反転入力端子は、スイッチSW2を介してアンプA5の出力端子に接続されている。比較器A2は、比較器A3と同様に位相補償とホールド用とを兼ねたコンデンサC2とホールドのためのスイッチSW2に接続されている。詳しくは、コンデンサC2の一端は比較器A2の出力端子に接続され、その他端は比較器A2の反転入力端子に接続されている。
【0177】
比較器A2,A3は、さらにリミッター電圧が入力されている。リミッター付き演算増幅器である比較器A2,A3は、例えば図24に示すCMOSで構成されている。
【0178】
ここで、面発光レーザLD_1は、電流を増加しても光量が減少する領域がある。そこで、面発光レーザLD_1の光量が減少し始める電圧よりも小さい電圧を設定するために、比較器A3にはリミッター電圧Vlimit2が設定されている。また上記と同様に、相補電流Isが増加しても、面発光レーザLD_1の光量が減少する領域がある。そこで、この領域に入らないように相補電流源Isの制御電圧を設定すべく、比較器A2にはリミッター電圧Vlimit1が設定されている。なお、定電圧源Vrefの電圧Vrefは、目標光量を得たときの受光器出力電圧である。
【0179】
(電源部30の構成)
電圧源B5は、各チャンネルch共通の電圧源である。電圧源B5の出力端子は、終端抵抗R_1を介して面発光レーザLD_1のアノードに接続されている。他のチャンネルchでも同様に、電圧源B5の出力端子は、終端抵抗R_2〜R_36を介して、面発光レーザLD_2〜LD_36のアノードに接続されている。なお、各面発光レーザLD_1〜LD_36のカソードは、接地されている。
【0180】
電圧源B6は、面発光レーザLD_1がオンの際(スイッチSWcが端子aを選択する際)に、各チャンネルchの補正電流Icを固定すべく、電流源Icに制御電圧を与える。これにより、スイッチSWcのスイッチングスピードが低下するのを防止している。
【0181】
(受光部50の構成)
面発光レーザLD_1〜LD_36は、光学的に1個の受光器であるフォトダイオードPDに結合されている。フォトダイオードPDのカソード側には所定の電圧が印加されている。フォトダイオードPDのアノード側は、スイッチSW5を介して、抵抗R5又は抵抗R6に接続される。なお、抵抗R5及び抵抗R6の他端は接地されている。抵抗R5及び抵抗6は、以下の関係がある。
(抵抗R6の抵抗値)=(抵抗R5の抵抗値)×(ビーム数(=36))
【0182】
1ビーム当たりの光量が等しい場合において、上記式によれば、1ビームを点灯して抵抗R6を接続したときのその端子電圧と、全ビームを点灯して抵抗R5を接続したときのその端子電圧とが、等しくなるようになっている。これにより、全ビームを点灯して低い抵抗R5で出力した場合の方が、受光器の時定数を1/ビーム数に減らすことができ、APCの収束時間を短くすることができる。特に、電源投入時など収束に時間が必要な場合に有効である。
【0183】
スイッチSW6は、抵抗R5又は抵抗R6の端子電圧をアンプA5の非反転入力端子に供給し、さらにその端子電圧をスイッチSW7にも供給する。アンプA5の反転入力端子は、抵抗R7を介して接地され、さらに抵抗R8を介してアンプA5の出力端子に接続されている。したがって、アンプA5は、非反転入力端子に入力される電圧を増幅し、出力端子を介して出力する。
【0184】
スイッチSW7は、端子a又は端子bを選択する。スイッチSW7の端子aは、アンプA6の非反転入力端子に接続され、さらにコンデンサC6を介して接地されている。スイッチSW7の端子bは、アンプA6の反転入力端子及び出力端子に接続されている。
【0185】
アンプA6、コンデンサC6、スイッチSW7は、抵抗R5又は抵抗R6の端子電圧をホールドする機能を有する。自動光量制御時において、スイッチSW7は、端子aを選択してコンデンサC6側に接続する。そして、抵抗R5又は抵抗R6の端子電圧は、コンデンサC6に供給される。自動光量制御が終了すると、スイッチSW7は、端子bを選択しアンプA6の出力端子に接続する。そして、APCの最終電圧、すなわちコンデンサC6の電圧は、アンプA6の出力端子から出力され、アンプA5の非反転入力端子に供給される。すなわち、抵抗R5又は抵抗R6の端子電圧がホールドされる。
【0186】
(全体動作)
これらの動作をタイムチャート図25及び図26を用いて説明する。なお、図22に示す各双投スイッチSWの状態はレーザオフの状態であり、各双投スイッチが切り替わるとレーザオンになる。これは以降の説明でも同様である。
【0187】
電源投入後、最初に電圧源B5,B6の出力電位を調節すべく、比較器A3の出力を設定する。具体的には、スイッチSW3をオンにし、SW4を端子bに切り替え、全面発光レーザLD_1〜LD_36を点灯させる。そして、アンプA5の出力が基準電圧Vrefに等しくなるよう自動光量制御を行う。このとき、スイッチSWc及びスイッチSWsは、上記図22に示すように、共に端子bを選択している。
【0188】
各面発光レーザLD_1〜LD_36は、各終端抵抗R_1〜R_36を介して電流が供給されて点灯する。そして、自動光量制御を行い、電圧源B5,B6の出力電位を設定する。
【0189】
ここで、1ビーム当たりのパワーは電圧Vrefのビーム数分の1となる。したがって、ビーム数が多ければ、電圧源B5,B6はレーザの発振閾値電圧にほぼ等しい値に設定される。しかし、このままでは感光体が露光し、かぶりが生じる。そこで、さらにスイッチSW4を端子aに切り替え、コンデンサC3の電圧をホールドする。これにより、比較器A3の非反転入力端子の電位を、抵抗R4に電流I1を流した電圧ドロップ分下げて、電圧源B5,B6の最終電圧にしている。
【0190】
すなわち、光量制御終了時には、図22に示す時刻T1−の時点でスイッチSW3をオフに切り替え、比較器A3の出力端子と反転入力端子間の電圧をホールドする。また、スイッチSW7を端子bに切り替え、出力をホールドする。
【0191】
その後、時刻T1で、スイッチSW4を端子bに切り替える。比較器A3の出力、すなわち電圧源B5,B6の出力電圧を、前述したように自動光量制御終了時よりやや低めに設定する。これにより、面発光レーザLD_1は発光しなくなり、かつ消費電力を低減することができる。
【0192】
(相補電流Isの平均値設定)
つぎに、各面発光レーザLD_1〜LD_36に流れる相補電流Isの平均値を設定するため、全面発光レーザLD_1〜LD_36が点灯しているときに自動光量制御を行う。
【0193】
時刻T1+において、スイッチSW5及びスイッチSW6を抵抗R5側に切り替える。これにより、時定数を短くして、収束時間を短縮する。さらに、スイッチSW2をオンにし、スイッチSW7を端子a側に切り替え、比較器A2を使用して負帰還制御を行う。
【0194】
同時に、時刻T1+において、全チャンネルchのスイッチSWs及びスイッチSWcをそれぞれ端子aに切り替え、面発光レーザLD_1〜LD_36を点灯させ、さらに全チャンネルchのスイッチSWchをオンにして、コンデンサCswを充電可能にして、自動光量制御を行う。
【0195】
自動光量制御が収束した後、時刻T2−において、全チャンネルchのスイッチSWchを同時にオフし、各チャンネルchの相補電流源Isの制御電圧をサンプルホールドして相補電流Isの平均値を設定する。
【0196】
また、スイッチSW2をオフにし、スイッチSW7を端子bに切り替える。これにより、比較器A2の出力とアンプA6の出力を次の光量制御までホールドする。また、チャンネルch2〜ch36のスイッチSWsを端子bに切り替えて、チャンネルch1以外の面発光レーザLD_2〜LD_36を消灯させる。
【0197】
電源投入直後の最初の自動光量制御では、受光器出力や比較器出力が収束値から大きくずれ収束時間が長くなる。この場合、前述したように収束の時定数が短くなるように抵抗R5を選択して、全面発光レーザLD_1〜LD_36を点灯させ、相補電流Isの平均を設定することによって、収束時間を短縮することができる。
【0198】
つぎに、相補電流Isの平均値設定終了後の動作について説明する。
【0199】
各面発光レーザLD_1〜LD_36は、概ね目標光量で発光しているが、特性のばらつき等によって、発光量にまだかなりのばらつきがある。そこで、1チャンネルずつ個別に自動光量制御を行い、目標の光量に近づける。また、変調動作と自動光量制御を繰り返す通常動作の期間(T9+〜T17)に比べて、この段階ではまだ発光量のばらつきが大きく収束に時間がかかる。したがって、1チャンネル毎の自動光量制御の時間も長めに設定する必要がある。なお、間歇自動光量制御でも最終値に収束させることができるため、感光体を露光させたくない場合には画像書込み時の光量制御タイミングでもよい。
【0200】
具体的な動作としては、時刻T2において、スイッチSW5及びスイッチSW6を共に抵抗R6側に切り替え、同時に、チャンネルch1のスイッチSWs及びスイッチSWcを共に端子aに切り替える。これにより、面発光レーザLD_1を、相補電流Isの平均値設定時から引き続いて点灯させる。
【0201】
その後T2+において、スイッチSW2及びスイッチSWchをオンにし、スイッチSW7を端子aに切り替えて、チャンネルch1の自動光量制御を開始する。
【0202】
ここで、チャンネルchの切り替えを行うタイミングについて、チャンネルch1からチャンネルch2に切り替える場合を例に挙げて説明する。
【0203】
チャンネルch1の自動光量制御終了後、時刻T3−において、最初にスイッチSWshをオフにし、相補電流源Isの制御電圧をサンプルホールドする。さらに、同じタイミングでスイッチSW2をオフにし、スイッチSW7を端子bに切り替えて、アンプA5の出力と比較器A2の出力をホールドする。
【0204】
時刻T3において、チャンネルch1のスイッチSWs及びSWcを端子bに切り替え、チャンネルch2のスイッチSWs及びSWcを端子aに切り替える。これにより、チャンネルch1の面発光レーザLD_1を消灯し、チャンネルch2の面発光レーザLD_2を点灯させる。
【0205】
このような消灯と点灯は、時間間隔が空いたり重なり合ったりせず、連続的に切り替わるのが好ましい。しかし、数十nsecのオーダーで連続に切り替えを行えば、各全面発光レーザLD_1〜LD_36の収束光量に大きな誤差は生じない。
【0206】
時刻T3+において、チャンネルch2のスイッチSWchをオンにして、チャンネルch2の自動光量制御を開始する。このように、あるチャンネルchNでSWchがオンになり自動光量制御を行っている時は、N番目の面発光レーザLD_Nは必ず点灯するようにタイミングを設定する。
【0207】
また、消灯と点灯の切り替え動作を理想に連続に行うことができれば、チャンネルch間の切り替え期間中に、スイッチSW2をオンにしてスイッチSW7を端子aに設定したまま比較器A2及びアンプA5の出力をホールドせずに、順次各チャンネルの自動光量制御を続行することも可能である。
【0208】
以下、タイミングチャートでは省略されているが、チャンネルch1からチャンネルch36まで同様のタイミングでチャンネル切り替えを行い、面発光レーザLD_1から面発光レーザLD_36まで順次自動光量制御を行っていく。
【0209】
ここまでのタイミング(時刻T5−)では、比較器A3の出力設定、相補電流Isの平均値設定、チャンネルch1〜ch36までの出力設定を行っていた。さらに、変調動作に移行する前に、期間T5+〜T6−において、比較器A3の出力設定を、期間T6+〜T9でチャンネルch1〜ch36毎の出力を再度設定すべく、自動光量制御を行う。このように繰り返し行うことによって、自動光量制御の収束値の精度を向上させることができる。
【0210】
しかし、すでに目標の設定値に近い収束値が得られているので、2回目の自動光量制御では1回目と比較して短時間で収束値が得られる。2回目の自動光量制御終了後、T9+の時点から変調動作に入る。その後、T10以降は各チャンネル毎の自動光量制御と変調動作を繰り返し光量を目標値に保持し回路駆動の動作を行えばよい。
【0211】
(2)ダイオードを用いた定電圧駆動型
つぎに、ダイオードを使った電圧駆動型の面発光レーザ駆動装置について説明する。なお、図22に示した面発光レーザ駆動装置と重複する説明は省略する。
【0212】
上記面発光レーザ駆動装置は、図27に示すように、終端抵抗R_1〜R_36に2個のシリコンダイオードD1,D2を接続することによって消費電力を減らしている。この面発光レーザ駆動装置は、部品点数が多くなっているが、出力回路が独立しているため、共通電圧源の電圧変動によるクロストークが生じないメリットを有する。
【0213】
この面発光レーザ駆動装置は、図22に示した装置と比べると、電圧源B5がシリコンダイオードD1,D2の直列回路に置き換わり、さらに電流源Icがバイアス電流源Ibに置き換わっている。
【0214】
(装置構成)
各チャンネルchはそれぞれ同一に構成されており、ここでは、チャンネルch1を例に挙げて説明する。
【0215】
チャンネルch1は、入力側に所定の電圧が印加されているバイアス電流源Ib及び相補電流源Isと、相補電流源Isが出力する相補電流Isを端子a又は端子bから出力するスイッチSWsと、バイアス電流源Ibに供給される制御電圧のオン/オフを行うスイッチSWbと、相補電流源Isに供給される制御電圧のオン/オフを行うスイッチSWshとを備えている。
【0216】
終端抵抗R_1の一端は、面発光レーザLD_1のアノード側に接続されている。終端抵抗R_1の他端は、直列に接続されたシリコンダイオードD1_1,D2_1のアノード側に接続されている。なお、面発光レーザLD_1及びシリコンダイオードD2のカソード側は接地している。
【0217】
バイアス電流源Ibは、面発光レーザLD_1のアノード側からバイアス電流源Ibを供給する。スイッチSWsは、端子aに切り替わっているときは、相補電流Isを面発光レーザLD_1及び終端抵抗R_1に供給する。なお、スイッチSWsは、端子bに切り替わっているときは、相補電流Isを、直列に接続されたシリコンダイオードD3_1,D4_1,D5_1に供給する。
【0218】
設定部30及び受光部50は、図22に示した面発光レーザ駆動装置と同様に構成されている。なお、比較器A2は、スイッチSWshを介し、相補電流源Isに制御電圧を供給する。比較器A3は、スイッチSWbを介してバイアス電流源Ibに制御電圧を供給し、バイアス電流Ibが面発光レーザLDの発振閾値近傍になるようにする。
【0219】
(全体動作)
以上のように構成された面発光レーザ駆動装置において、図22の場合と同様にして、スイッチSW4を端子bに切り替える。そして、面発光レーザLD_1がオフの期間に発光しないように、比較器A3の非反転入力端子には、スイッチSW4で決められた電位分下げた電圧が入力される。その電位が最終的に各チャンネルchのバイアス電流源Ibの制御電圧となる。
【0220】
つぎに、動作をタイムチャート図28及び図29を用いて説明する。前述した図25及び図26のタイミングチャートとの違いは、図22に示した電圧源B5の出力設定の代わりに、図27に示すバイアス電流源Ibの設定を行うことである。バイアス電流源Ibの設定は、図28及び図29に示すように、期間T0〜T1、T5+〜T6−の期間で行う。
【0221】
最初に、電源投入後時刻T0において、スイッチSW3をオン、SW4を端子bに切り替え、同時に各チャンネルchのスイッチSWbをオンにする。比較器A3は、バイアス電流源Ibの制御電圧を設定する。
【0222】
時刻T1およびT1−において、これらのスイッチSWをオフにして、バイアス電流源Ibの制御電圧の設定を終了する。同様に、期間T5+〜T6−において、バイアス電流源Ibの制御電圧の設定を行う。各チャンネルchのスイッチSWbは、このタイミング以外はオフ状態である。そして、図22に示した電圧源B5の出力電位の設定の代わりに、バイアス電流源Ibの制御電圧を設定する以外、前述した図25及び図26のタイミングと同様にする。
【0223】
(3)定電流駆動型
つぎに、定電流駆動型の面発光レーザ駆動装置について説明する。この面発光レーザ駆動装置は、終端抵抗がないために無駄な電流が流れない特徴がある。しかし、シングルモードの面発光レーザは、内部抵抗が非常に大きいため定電流駆動では変調速度が上がらない。そこで、この面発光レーザ駆動装置は、図30に示すように、コンデンサCsb、面発光レーザLDのオン/オフに同期して駆動されるスイッチSWsu、微分電流(パルス信号Vpulse)を重畳するためのコンデンサCsu等による微分電流重畳回路を備えている。
【0224】
(装置構成)
具体的には、この面発光レーザ駆動装置は、発光部10と、電流供給部20と、設定部30と、受光部50とを備えている。なお、設定部30の一部と受光部50は、図22及び図27と同様に構成されており、異なる部分のみ説明する。
【0225】
電流供給部20は、入力側に所定の電圧が印加されているバイアス電流源Ib及び相補電流源Isと、スイッチSWb,SWsh,SWs,SWsuと、コンデンサCbi,Csw,Csb,Csuとを備えている。
【0226】
バイアス電流源Ibは、バイアス電流Ibを面発光レーザLD_1のアノード側に供給する。なお、面発光レーザLD_1のカソード側は接地されている。バイアス電流源Ibの制御電圧は、比較器A3から供給される。コンデンサCbiは、この制御電圧をホールドするものである。
【0227】
相補電流源Isは、比較器A2で設定された制御電圧に従って、相補電流IsをスイッチSWsに供給する。スイッチSWsは、相補電流源Isからの相補電流Isを端子a又は端子bから出力する。スイッチSWsの端子aは、面発光レーザLD_1のアノード側に接続され、さらにコンデンサCsuを介してスイッチSWsuに接続されている。スイッチSWsの端子bは、並列に接続された2つのコンデンサCx,Cyに接続され、さらに他のチャンネルchのスイッチSWsの端子bにも接続されている。なお、コンデンサCx,Cyの他端は接地されている。
【0228】
スイッチSWsuの端子aは、コンデンサCsbの一端に接続され、さらに比較器A1の出力端子にも接続されている。スイッチSWsuの端子bは、接地されると共に、コンデンサCsbの他端に接続されている。
【0229】
設定部30は、比較器A1,A2,A3を備えている。比較器A1の非反転入力端子は、定電圧源Vrefに接続されている。比較器A1の反転入力端子は、スイッチSW1を介してアンプA5の出力端子に接続され、さらにコンデンサC1を介して比較器A1の出力端子に接続されている。そして、比較器A1は、アンプA5からの出力電圧が基準電圧Vrefに一致するようにスイッチSWsuに所定の電圧を出力する。
【0230】
比較器A2は、各チャンネルchに対して、スイッチSWshを介して、相補電流源Isに制御電圧を供給する。また、比較器A3は、各チャンネルchに対して、スイッチSWbを介して、バイアス電流源Ibに制御電圧を供給する。
【0231】
スイッチSWsu,SWsは、図23に示したように、CMOSプロセスを用いて構成されるのが好ましい。これにより、微分電流重畳時に位相がずれるのを防止することができる。ここでは電圧Vccを基準としているため、制御が困難である場合もある。そこで、図31に示すように、NMOSを用いて電圧Vssを基準にすることもできる。この場合は、スイッチSWsに対しゲート一段分の遅延が生じるが、数nsecのパルス幅で変調するのでなければ、ゲート一段あたりの遅延を1nsec以下にしておけば特に問題はない。また、微分電流の振幅は比較器A1で制御するようにしてあり、これは連続点灯でAPCを行った時の光量とパルス点灯したときの光量が等しくなるようにすることで位相補償が調整される。
【0232】
(全体動作)
以上のように構成された面発光レーザ駆動装置について、図32及び図33に示すタイミングチャートを用いて説明する。
【0233】
微分電流重畳回路の制御設定は、図32示すタイミングチャートにおいて、比較器A1を使い、面発光レーザLDをチャンネルch1からチャンネルch36までの順番に点灯していくシーケンスを繰り返す。比較器A1は、このときのアンプA5の出力がVrefに一致するように、微分電流重畳回路の振幅(パルス信号Vpulseのレベル)を制御する。ここでは、バイアス電流Ibを変えてチャンネルch毎の制御は行わず、全チャンネルchを一括して制御している。このため、面発光レーザLDまでの寄生容量を予めチャンネルch間でばらつかないようにしておく必要がある。
【0234】
この面発光レーザ駆動装置の動作は、図11に示した面発光レーザ駆動装置に対して行うことと同様である。すなわち、過補償の場合にはオーバーシュートが生じて光量がVrefをオーバーし、補償が不足すると基準電圧Vrefを下回るが、アンプA5の出力が基準電圧Vrefに一致したところで補償が最適となる。このとき、オーバーシュートもアンダーシュートも無い状態となる。
【0235】
この制御は、期間T5からT6までの各チャンネルの自動光量制御が終了したあとで変調前に行っている。ここでは、微分電流重畳回路の制御電圧のホールドをコンデンサCsbで行っていたが、微分電流振幅が大きく変わることはないためD/Aコンバータを利用し、デジタル的に行っても良い。この場合のキャリブレーションは例えばページ間や電源投入後などとなるが実用上の問題はない。
【0236】
3.その他の構成
図34は、自動光量制御の順序をランダマイズすることで、自動光量制御時の設定むらを目立たなくすることを説明する図である。
【0237】
自動光量制御を全チャンネルで連続的に実施した場合一つ前のチャンネルchの最終電圧が次のチャンネルchの開始電圧に影響を与える。もし、面発光レーザLDの特性ばらつきなどでチャンネルch間の最終電圧の変動が大きかった場合、比較器出力が十分収束できず図34(a)から同図(d)に示すような光量制御の順番に特定のノイズが生じることがある。同図(e)に示すように、このとき光量制御の順番を面発光レーザLDの位置の順番と対応させておくと、レーザの光量分布で低い周波数成分のばらつきを生じ、画質劣化の原因になる。そのため光量制御の順番を、同図(f)に示すように、レーザの配置と相関が無い様にすると、レーザの光量分布はばらつきが高い周波数成分にシフトし画質劣化を防止することができる。
【0238】
上述した面発光レーザ駆動装置については、各チャンネルch内の制御電圧に大きな差がないものとして説明した。しかし、面発光レーザの閾値電流や発光効率、あるいはチャンネル内で定電流回路に使用する演算増幅器のオフセットなどでチャンネル間の制御電圧に差がでてくることも考えられる。この差が1チャンネルの自動光量性時間内に収束しない場合、全体のチャンネルch間ばらつきが悪化し、画質を劣化させる。
【0239】
このような場合、図35に示すように、オフセットキャンセル付きの面発光レーザ駆動装置が好ましい。この面発光レーザ駆動装置は、図30に示した面発光レーザ駆動装置の1チャンネル分に相当する。各スイッチSWのオン/オフを切り替えたときの波形図を図36に示す。なお、図35に示すスイッチSWoa,SWobは、オンの状態である。
【0240】
この面発光レーザ駆動装置において、チャンネルch間で共通のコンデンサCsの端子電圧と、比較器A2から出力されるチャンネルch毎の制御電圧によって、コンデンサCo1,Co2を充電する。アンプAsは、非反転入力端子に供給される比較器A2からの電圧と、コンデンサCo1,Co2の電圧とを比較することで、オペアンプAs自身のオフセットも含めてばらつきをキャンセルする。
【0241】
電源投入時あるいはページ間でオフセット蓄積用のコンデンサCo1をスイッチSWodで短絡し、この状態で各チャンネルchの自動光量制御の時間をかけて行う。その後、毎スキャンの自動光量制御時に各チャンネルchに出力される制御信号をCo2に蓄積し、Co1の端子電圧を補正すれば、数回の補正でオフセット分をキャンセルすることができる。
【0242】
また、図37に示すようにの面発光レーザ駆動装置を構成してもよい。この面発光レーザ駆動装置は、図30に示したものと比べて、比較器A2の反転入力端子と出力端子の間に複数のコンデンサCが設けられている点で異なっている。具体的には、比較器A2の反転入力端子と出力端子の間に、並列に接続された36個のコンデンサC2_1,C2_2,・・・,C2_36が設けられている。各コンデンサC2_1,C2_2,・・・,C2_36の一端には、スイッチSW1,SW2,・・・,SW36が設けられている。そして、例えばチャンネルch1の光量制御を行うときはスイッチSW1がオンになり、チャンネルch2の光量制御を行うときはスイッチSW2がオンになる。
【0243】
これにより、コンデンサC1_1は、チャンネルch1の光量制御したときの比較器A2の制御電圧によって充電される。そして、比較器A2は、次にチャンネルch1の光量制御を行うときは、このコンデンサC1_1の電圧を用いて、バイアス電流源Ibの制御電圧を設定することができる。
【0244】
したがって、上記面発光レーザ駆動装置は、チャンネルch毎に比較器A2の出力電圧にばらつき生じていても、その出力電圧を他のチャンネルchの光量制御に用いず、同じチャンネルchの光量制御に用いている。これにより、チャンネルch毎に比較器A2の制御電圧にばらつきがあったとしても、自動光量制御の収束時間が長くなることを防止することができる。
【0245】
【発明の効果】
本発明は、面発光レーザに並列に接続された終端抵抗に対して所定の電圧を印加する電圧源を備え、面発光レーザのオン/オフに限らず、電圧源の出力電圧が一定になるように電圧源の出力端子に電流を供給することによって、その出力インピーダンスが安定し、面発光レーザのパワー変動を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基本的な電圧駆動型面発光レーザ駆動装置の構成を示す回路図である。
【図2】 面発光レーザの端子電圧に対する電流の特性を示す図である。
【図3】 本発明の基本的な電圧駆動型面発光レーザ駆動装置の構成を示す回路図である。
【図4】 本発明の概略的な電流駆動型面発光レーザ駆動装置の構成を示す回路図である。
【図5】 収束した電圧とオーバーシュートしたときの電圧を示す図である。
【図6】 面発光レーザに印加される電圧に対する面発光レーザを流れる電流の特性を示す図である。
【図7】 Vpulse及びバイアス電流Ibで波形の歪みを補償することを説明する図である。
【図8】 本発明の基本的な電流駆動型面発光レーザ駆動装置の構成を示す回路図である。
【図9】 過補償の場合と補償不足の場合を説明する図である。
【図10】 本発明の基本的な他の電流駆動型面発光レーザ駆動装置の構成を示す回路図である。
【図11】 本発明の基本的な他の電流駆動型面発光レーザ駆動装置の構成を示す回路図である。
【図12】 過補償の場合と補償不足の場合において、レーザ光の平均値と基準電圧V_APCREFの関係を示す図である。
【図13】 本発明の基本的な他の電流駆動型面発光レーザ駆動装置の構成を示す回路図である。
【図14】 本発明の基本的な他の電流駆動型面発光レーザ駆動装置の構成を示す回路図である。
【図15】 過補償の場合と補償不足の場合において、レーザ光の平均値と(基準電圧V_APCREF/2)の関係を示す図である。
【図16】 本発明の基本的な他の電流駆動型面発光レーザ駆動装置の構成を示す回路図である。
【図17】 本発明の基本的な他の電流駆動型面発光レーザ駆動装置の構成を示す回路図である。
【図18】 電流源Isで補償量を制御したときの駆動電流、レーザ電圧、補償電流、補償後の駆動電圧を示す波形図である。
【図19】 面発光レーザの光量を制御するための面発光レーザ駆動装置の構成を示す回路図である。
【図20】 各面発光レーザのチャンネルchを連続的に切り替えたときのAPCの収束性を示す波形図である。
【図21】 各面発光レーザのチャンネルchを切り替え、かつ間欠的にAPC制御を行ったときの収束性を示す波形図である。
【図22】 本発明の実施の形態に係る定電圧駆動型面発光レーザ駆動装置の構成を示す回路図である。
【図23】 定電圧駆動型面発光レーザ駆動装置に備えられたスイッチSWsの構成を示す回路図である。
【図24】 リミッター付きの比較器の構成を示す回路図である。
【図25】 定電圧駆動型面発光レーザ駆動装置の動作内容を説明するタイミングチャートである。
【図26】 定電圧駆動型面発光レーザ駆動装置の動作内容を説明するタイミングチャートである。
【図27】 ダイオードを用いたときの定電圧駆動型面発光レーザ駆動装置の構成を示す回路図である。
【図28】 ダイオードを用いたときの定電圧駆動型面発光レーザ駆動装置の動作内容を説明するタイミングチャートである。
【図29】 ダイオードを用いたときの定電圧駆動型面発光レーザ駆動装置の動作内容を説明するタイミングチャートである。
【図30】 本発明の実施の形態に係る定電流駆動型面発光レーザ駆動装置の構成を示す回路図である。
【図31】 定電流駆動型面発光レーザ駆動装置に備えられたスイッチSWsの構成を示す回路図である。
【図32】 定電流駆動型面発光レーザ駆動装置の動作内容を説明するタイミングチャートである。
【図33】 定電流駆動型面発光レーザ駆動装置の動作内容を説明するタイミングチャートである。
【図34】 面発光レーザの光量分布周波数成分を高周波側にシフトするようにAPCの順序を変更することを説明するための図である。
【図35】 オフセットキャンセル付きの面発光レーザ駆動装置の構成を示す回路図である。
【図36】 オフセットキャンセル付きの面発光レーザ駆動装置の各回路の波形図である。
【図37】 チャンネルch毎にコンデンサCを設けた電流駆動型面発光レーザ駆動装置の構成を示す回路図である。
【図38】 端面発光レーザと面発光レーザのV−I特性を示す図である。
【図39】 面発光レーザの等価回路を示す図である。
【図40】 端面発光レーザの等価回路を示す図である。
【図41】 面発光レーザ駆動回路の配線を示す図である。
【図42】 端面発光レーザ駆動回路の配線を示す図である。
【図43】 端面発光レーザの波形図である。
【図44】 面発光レーザの波形図である。
【図45】 電圧駆動型の面発光レーザ駆動装置の簡略的な構成を示す図である。
【図46】 電圧駆動型の面発光レーザ駆動装置の構成を示す図である。
【図47】 電圧駆動型の面発光レーザ駆動装置の簡略的な構成を示す図である。
【図48】 電圧駆動型の面発光レーザ駆動装置の簡略的な構成を示す図である。
【図49】 電圧駆動型の面発光レーザ駆動装置の構成を示す図である。
【図50】 電源ICの出力インピーダンスの特性を示す図である。
【図51】 電源ICの負荷変動の特性を示す図である。
【図52】 電流駆動型の面発光レーザ駆動装置の簡略的な構成を示す回路図である。
【図53】 電流駆動型の面発光レーザ駆動装置の問題点を説明する図である。
【図54】 面発光レーザのV−I特性を示す図である。
【図55】 VCSEL駆動時の波形を示す図である。
【図56】 従来のAPCを行う面発光レーザ駆動装置の構成を示す回路図である。
【図57】 目標出力よりも光モニタ出力の方が大きいときに収束していく状態を説明する図である。
【図58】 目標出力よりも光モニタ出力の方が小さいときに収束していく状態を説明する図である。
【図59】 レーザの点灯タイミングが空いてチャンネルchの切り替え時に比較器の出力が変動したときの収束を説明する図である。
【図60】 レーザの点灯タイミングが重なってチャンネルchの切り替え時に比較器の出力が変動したときの収束を説明する図である。
【図61】 終端抵抗にダイオードを直列に接続した電流駆動型面発光レーザ駆動装置の概略的な構成を示す回路図である。
【図62】 VCSELのI−L−V特性を示す図である。
【図63】 2個直列に接続されたダイオードのI−V特性を示す図である。
【符号の説明】
LD 面発光レーザ
Is 相補電流源
Ib バイアス電流源
R_1〜R_36 終端抵抗
A1,A2,A3 比較器
PD フォトダイオード

Claims (3)

  1. 終端抵抗と、
    アノード側を前記終端抵抗の一端に接続し、前記終端抵抗に対して並列に接続された面発光レーザと、
    前記終端抵抗の前記一端に接続し、前記面発光レーザのアノード側及び前記終端抵抗に電流を供給する第1の電流供給手段と、
    前記終端抵抗の他端に接続され、所定の電圧を出力する電圧源と、
    前記電圧源の出力電圧が一定になるように、前記面発光レーザのオン/オフに応じて前記電圧源の出力端子に電流を供給する第2の電流供給手段と、
    を備えた面発光レーザ駆動装置。
  2. 前記終端抵抗と、前記面発光レーザと、前記第1及び第2の電流供給手段と、を有する複数のチャンネルを更に備え、
    前記電圧源は、各チャンネルの終端抵抗の前記他端に接続され、
    各チャンネルの第2の電源供給手段は、前記電圧源の出力電圧が一定になるように、前記電圧源の出力端子に電流を供給する請求項1記載の面発光レーザ駆動装置。
  3. 前記第2の電流供給手段は、前記終端抵抗の両端の電位差に基づいて、前記電圧源の出力端子に電流を供給する請求項1または請求項2記載の面発光レーザ駆動装置。
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