JP2002076504A - 面発光レーザ駆動装置 - Google Patents

面発光レーザ駆動装置

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JP2002076504A
JP2002076504A JP2000267691A JP2000267691A JP2002076504A JP 2002076504 A JP2002076504 A JP 2002076504A JP 2000267691 A JP2000267691 A JP 2000267691A JP 2000267691 A JP2000267691 A JP 2000267691A JP 2002076504 A JP2002076504 A JP 2002076504A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザパワーを変動させず、かつ、迅速にレ
ーザの自動光量制御を行う。 【解決手段】 バイアス電流源Ibから出力されたバイ
アス電流Ibは、分岐して終端抵抗R4及び面発光レー
ザLDを流れる。また、面発光レーザLDをオフする
際、スイッチSW1を端子aに切り替え、相補電流Is
を電圧源V2に直接供給する。これにより、面発光レー
ザLDのオン/オフに関係なく、電圧源V2に供給され
る電流の大きさをほぼ等しくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、面発光レーザ駆動
装置に係り、特に、レーザゼログラフィーに用いて好適
な面発光レーザ駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】1.従来の面発光レーザ駆動装置の種類 (1)レーザ駆動について 従来、ゼログラフィー用のレーザ駆動回路としては、大
きく分けて3つの種類が知られている。
【0003】例えば特開平11−68198公報の図2
に示すように、レーザに印加する電圧を直接駆動回路側
で制御するものである。この回路は、ロジックゲートの
電源電圧を直接制御することで光量を調整できるため、
極めて安価に構成することができる。この回路では、ロ
ジック部の出力電圧はロジック部のGNDを基準にして
発生している。したがって、駆動回路とレーザが離れて
設置されている場合、このGNDレベルがレーザのカソ
ードと一致していないために共通インピーダンスによる
クロストークや、自動光量制御時と変調時とでGNDレ
ベルに差があると設定したはずのパワーで変調できない
問題が生じる。
【0004】また、駆動の対象としている面発光レーザ
をレーザゼログラフイーに適用しようとした場合には多
数のレーザを自動光量制御しなければならない。この場
合には、駆動のためのゲート毎に光量制御のための電圧
源を個別に設けなければならない。しかし、この時電圧
源に要求される性能としては出力インピーダンスが低く
なければならず、このために電源出力のデカップリング
コンデンサをチップ内に設けたり、電源回路の出力イン
ピーダンスを下げるためバイアス電流を増加することな
どはICチップを設計する上で大きな制約となる。
【0005】これに対して、特開昭59−18964号
公報の第2図に示すレーザーダイオード駆動回路は、終
端抵抗を用いて駆動電圧をレーザの直近で発生させてお
り、上述したようなGNDレベルのずれは生じにくい。
さらに、レーザーダイオード駆動回路は、出力が電流で
ある。任意の電流を生成することは、出力インピーダン
スの低い電圧を多数生成するのに比較して容易である。
したがって、このレーザーダイオード駆動回路を使え
ば、ICチップ内でコストを上げずに複数のチャンネル
を別個に制御することが可能である。
【0006】以上述べた電圧駆動に対して、従来の端面
発光レーザでは、特開昭57−13790号公報の第2
図に示すように、電流駆動回路が一般的に使用されてき
た。この電流駆動回路は、同図に示すアンプ5、トラン
ジスタQl、抵抗RE1で構成する定電流回路で発生し
た電流を、電流スイッチQ2,Q3でオン/オフしてレ
ーザLD1に供給するものである。この電流駆動回路が
従来用いられてきた理由は以下の通りである。
【0007】図38に示すように、端面発光レーザでは
印加電圧に対し駆動電流が指数関数的に増大していくた
め、電圧で制御しようとするとバイアスポイントにより
微分抵抗(△V/△I)が変動し、制御のための負帰還
ループに非線型要素が入り込み制御が難しくなる。これ
に対し電流で駆動すると、レーザ発振の閾値電流以上で
は、光量と電流が比例するため負帰還ループが線形要素
で構成されることになり制御が容易となるからである。
さらに、多数のレーザを駆動しなければならない場合で
あっても、電流駆動であれば比較的容易にレーザ毎に電
流源を設けることができるからである。
【0008】(2)自動光量制御について 従来、半導体レーザを駆動する装置では、目標の光量を
得るためにフォトダイオードなどの光受光器で半導体レ
ーザの光出力をモニタ電圧に変換した後、モニタ電圧と
目標の光出力に対応した基準電圧との誤差をオペアンプ
などの比較器で検出して、駆動電流を制御する電圧にフ
ィードバックする自動光量制御(以下、「APC」とい
う。)が一般に用いられてきた。
【0009】さらに、複数の発光点を有する面発光レー
ザを光量制御する場合、各レーザの特性にばらつきがあ
ることを考慮して、個々のレーザについて自動光量制御
を行う必要がある。例えば特開昭63−144653号
公報の第1図に示すように、比較器出力をスイッチで切
り替えてレーザを選択し、順次APCを行う半導体レー
ザアレイの駆動回路が知られている。ここで、さらに同
公報の第2図を用いて、従来のマルチレーザ自動光量制
御の動作を説明する。
【0010】1チャンネル目のレーザLDlを自動光量
制御する場合、まずスイッチMPを1番目のチャンネル
に切り替える信号がメインパルサーPとデコーダーDか
ら生成される。同時に、LD1の点灯信号であるSIに
よりスイッチングトランジスタTs1がオフ状態とな
る。すると、今までTs1側に流れていた電流がトラン
ジスタTr1のベース側に流れ込み、Tr1がオン状態
となりLD1が点灯する。フォトダイオードPDにはL
D1からのみの光が入射され、この入射光の光量によっ
てオペアンプCPの出力である制御電圧が決定しサンプ
ルホールド回路を構成するコンデンサC1を充電する。
【0011】次にスイッチΜΡの1チャンネル目をオフ
にして、同時にスイッチングトランジスタTs1をオン
状態にすることにより、レーザLD1は消灯する。ここ
での制御電圧はサンプルホールド回路で(C1〜)保存
される。以下、スイッチMPとスイッチングトランジス
タΤsnをメインパルサーとディレイパルサーとデコー
ダで生成された信号で次々と切り替えて全チャンネルの
自動光量制御を行っていく。
【0012】この半導体レーザアレイの駆動回路は、同
公報の第2図のタイムチャートに示すように、1つのオ
ペアンプ(CP)と1つのフォトダイオード(PD)を
用いて時分割で1チャンネルずつ自動光量制御を行うの
で、1個の光検出器で光検出回路を使った簡易な構成で
マルチレーザの自動光量異制御を行うことが出来るとい
う利点がある。
【0013】また、特開平2−287933号公報の第
1図に示すように、複数(N個)のマルチレーザを時分
割で順次APCを行う半導体レーザ駆動回路がある。マ
ルチレーザのAPCは、同公報の第3図に示すタイミン
グチャートに従って行われる。
【0014】この半導体レーザ駆動回路は、駆動電流制
御電圧すなわち駆動回路部にサンプルホールド充電電圧
の算出を行う演算部を有しており、制御電圧を算出する
元となるモニタ電圧を1つのI/V変換器とN個の光検
出器とで検出している。これにより、I/V変換器を1
つに統一することによる回路のコンパクト化と、演算部
で制御電圧を算出し基準電圧を統一することで基準電圧
の変動の影響を少なくすることができる。また、デジタ
ル制御を行うため、制御の安定性を得るのがアナログ回
路のみによる制御よりも容易であるという利点がある。
【0015】しかし、このような制御を行うために、D
/A変換、A/D変換器やCPUを必要とするためコス
トアップしてしまう。さらに、演算処理を行うために各
チャンネル自動光量制御の収束に長い時間を要し、たと
えば温度変動に対するレーザの電気特性変動に追従でき
ないという問題がある。また、この半導体レーザ駆動回
路は、D/Aが一つしかないため、各チャンネルの制御
電圧のホールドにはコンデンサを用いている。しかし、
デジタル制御は制御に時間がかかるため通常ページ間で
しか自動光量制御を行うことができない。このため、毎
スキャンAPCが行えるアナログAPCと比較し、コン
デンサのリークによるドループで制御電圧が変動する問
題点を有する。
【0016】2.従来からの問題 (1)レーザ駆動について レーザゼログラフィーに用いることの出来る面発光レー
ザと、従来のレーザとの駆動上の電気的な違いは、上記
図38に示した通りである。すなわち、従来の端面発光
レーザがレーザへの印加電圧に対し電流が100mA程
度まで指数関数的に増大するのに対し、面発光レーザは
数100μAの小さな電流で電圧―電流特性が直線関係
になる。この理由は、レーザをシングルモードで発振さ
せる必要から発光領域を絞り、このため接合面積が小さ
くなってしまい、図39に示す面発光レーザの等価回路
において、抵抗値が高くなるためである。このため、小
さい電流を流しただけで、電圧―電流特性が直線領域に
入ってしまう。
【0017】一方、端面発光レーザも電流を増やしてい
くと、内部抵抗が原因で最終的に電圧―電流特性が直線
になる。しかし、直線領域に入る電流値は、面発光レー
ザと比較すると一桁以上の違いがある。
【0018】この結果、端面発光レーザでは図40に示
す等価回路の内部抵抗は数10Ωであるのに対して、端
面発光レーザでは内部抵抗は数100Ωとなり一桁以上
大きな値となっている。さらに、面発光レーザでは、多
数のレーザを駆動しなければならないため駆動回路が大
きくなる傾向があり、このため引き回しが長くなってし
まう。また、図41に示すように、多数の駆動配線が並
行に並んでいるため寄生容量が大きくなったり、線間容
量や共通インピーダンスによるクロストークを生じ易
い。
【0019】変調速度の点から見ると、端面発光レーザ
の場合、図40に示すように等価回路の内部抵抗の値は
小さく、図42に示すように駆動配線は短く、寄生容量
が小さく。この結果、パルスの立ち上がり及び立ち下が
りは、図43に示すように、時定数τが小さいため急峻
になる。一方、面発光レーザの場合、図41に示す等価
回路の内部抵抗の値は大きく、配線は長く、隣接配線と
の寄生容量を含めた容量が大きくなる。この結果、駆動
電流波形の立ち上がり及び立ち下がりは、図44に示す
ように、時定数τが大きく非常に緩慢になる。
【0020】従来の電流駆動回路では、端面発光レーザ
は1nsec近くで立ち上がる。これに対して、画発光
レーザの時定数は端面発光レーザの時定数に比べて数1
0倍になり、変調速度は数10MHz程度である。これ
は、ビーム数が多いにもかかわらず、全体的に変調速度
が上がらないことを意味する。したがって、この変調速
度を大幅に改善しなければ、面発光レーザを使うメリッ
トは生じない。
【0021】ここで、図45に示す電圧駆動回路につい
て説明する。電圧駆動のメリットは、時定数τ=CRの
抵抗Rがレーザの内部抵抗と終端抵抗との並列抵抗で決
まることである。このため終端抵抗を小さくすると、パ
ルスの立ち上がり及び立ち下がり時定数τが小さくな
り、変調速度が上がる。しかし、終端抵抗にレーザ駆動
に直接寄与しない電流が流れ、消費電流が大幅に増える
問題がある。
【0022】図46は、各レーザに終端抵抗を接続し、
それらに定電流源で電流を流してレーザを駆動した回路
を示す図である。例えば終端抵抗を100Ωにした場合
を想定する。ここでの100Ωはシングルモード面発光
レーザの内部抵抗に比べ小さい値であり、かつ駆動回路
とレーザを接続する伝送線路とのインピーダンス整合が
できる値である。レーザゼログラフィーでは近赤外の7
80nmの波長が広く使われている。また、室温でレー
ザダイオードが順バイアスされる電位(電流が流れ始め
る電圧)は1.8V程度である。量子効率を50〜10
0%、レーザ発振閾値を0.5mAとすると、2.5m
W出力を得るには1〜2mA程度の電流が必要である。
このため、レーザダイオードの内部抵抗を333Ωと仮
定すると、レーザダイオードには順バイアス電圧の1.
8Vにさらに0.7Vを加えて2.5Vにする必要があ
る。
【0023】このとき、終端抵抗に流れる電流は、上記
図46に示すように、1チャンネル当たり25mAとな
り、36チャンネルでは900mAである。レーザに流
れる電流がMAX2mAであるから、合計972mAで
ある。この36チャンネルの駆動を仮に1チップの駆動
ICで行うとすると、電源電圧=5Vとして、ICでの
消費電力は(5V−2.5V)×972mA=2.43
Wとなり、通常のローコストのQFPのようなパッケー
ジの限界消費電力1Wを大幅にオーバーする。このた
め、1チップで36チャンネルを駆動するのは困難であ
り、複数チップでレーザを駆動しなければならない。
【0024】たとえばこの場合を考えると、消費電力か
ら考えて3チップで駆動することになる。しかし、コス
トは高くなり、さらに配線距離が長いchが出てくる。
配線距離がばらつくとチャンネル毎のパルス点灯時の光
量もばらつくため、短い配線を長くして特性を一致させ
なければならない。このため全体として変調速度が上げ
られなくなる。また終端抵抗で駆動する場合、感光体の
高感度化などでレーザパワーを小さくできたとしても、
殆どの電流が終端抵抗に流れているため消費電力の低減
にはならない。
【0025】そこで、図47に示すように、終端抵抗に
直列に電源を接続する。この回路は、特開平6−275
895の図1に示す回路に近い。同図において、レーザ
と直列に電源を接続することでFET駆動回路にかかる
電圧を小さくし、駆動回路を低消費電力化している。
【0026】図47の構成を実際に実現しようとする
と、チャンネル毎の電源が問題となる。この場合、電源
はnsecオーダまで低い出力インピーダンスを維持で
きなければ、発光する瞬間の駆動回路のインピーダンス
が見かけ上大きくなり、最終値にまで立ち上がらない。
このような用途には通常の電源出力に高周波特性に優れ
たコンデンサを接続して使用する。しかし、例えばIC
チップ内にこのような電源を36チャンネル作ること
は、コストの点やスペースの点で難しい。
【0027】そこで、図48に示すように、電源を1個
にして終端抵抗の1端を共通に接続されて電源に接続す
る回路を構成する。この回路は、電源が1個で済む。図
49に示すように、電源にレーザダイオードが順バイア
スとなる電圧1.8Vを設定し、これに定電流回路で終
端抵抗の電位差0.7Vを発生するために定電流源で7
mAを流すことを考えると、消費電流は1チャンネル当
たり終端抵抗が7mAとなる。レーザへは図46と同様
に、2mAで合計9mAとなる。36ch駆動ICを想
定して消費電力を予想すると、9mA×36チャンネル
×2.5V=810mWとなる。この程度なら何とか1
チップで36チャンネル駆動できるレベルである。
【0028】この回路は電源電圧の安定性の点で問題が
ある。図48に示したように、電源が1個の場合レーザ
の点灯の仕方で電源電圧が変動してしまう。図50は、
市販のIC電源レギュレータの出力インピーダンス特性
を示した図である。周波数が高くなるほど出力インピー
ダンスが高くなっている。レーザのオン、オフを考える
と、nsecオーダまでの速度で変調するため周波数帯
域は1GHz近い。
【0029】電源レギュレータICの出力インピーダン
スが周波数と共に増加するのは、周波数が高いほど内蔵
するエラーアンプのゲインが小さくなり、負帰還による
出力インピーダンス低減の効果がなくなるためである。
通常、これを考慮して、周波数が高いところはコンデン
サを接続し、出力インピーダンスが高くなるのを抑えて
いる。しかし、コンデンサが有効なのは高い周波数領域
で、低い領域はレギュレータ内の負帰還でインピーダン
スを下げており、全周波数領域をカバーできない。
【0030】このような特性の電源レギュレータによっ
て負荷が変動すると、図51に示すように、出力も変動
する。図51では、負荷電流が100mA変化した場合
の出力電圧変動を示している。なお、出力にコンデンサ
を接続してなければ電源電圧が0.7V程度変動し、コ
ンデンサがあっても0.1V程度の変動がある。
【0031】図49で説明したように、1チャンネル当
たりの電流は9mAであり、このうち終端抵抗には7m
Aが流れ込む。面発光レーザを36個中14個点灯する
と、100mA近い電流変動がある。これによって0.
1Vの電位変動が生じると、たとえば14個以外に点灯
しつづけているレーザがあったとすると、このレーザの
端子電圧が0.lV変動することになり、レーザの内部
抵抗を333Ωと仮定すると0.3mAのレーザ駆動電
流が変動し、数100μWのパワー変動が生じる。点灯
光量が2mWとすると10%程度の光量変動に相当し、
特にハーフトーンを描いた際にはクロストークとして画
質の劣化を生じる。
【0032】つぎに、電流駆動回路について説明する。
図52に示す電流駆動回路は、上述した電圧駆動回路と
異なり、時定数を短くする手段が無い。このため一般に
微分電流を重畳することが用いられる。
【0033】例えば特開昭62−62572号公報の第
2図に示すレーザダイオード駆動制御回路は、信号Vs
がhighになったときにトランジスタQ3がオンし、
コンデンサCと抵抗R1で決まる時定数でQ4のベース
が駆動されると、トランジスタQ4から同公報の第5図
に示すVsに対応する微分電流がレーザの立ち上がりを
補償するものである。このレーザダイオード駆動制御回
路は、微分電流の大きさが動作状態に合わせて制御され
ていないため、例えばレーザ光量を変えたり温度が変わ
ったり、あるいはレーザの経時変化で駆動電流が変わっ
た場合には補償量に過不足を生じるという問題がある。
【0034】一方、特開昭57−39595号公報の第
3図に示すように、レーザへの電流調整用の抵抗R1に
スピードアップコンデンサを並列に接続された半導体発
光素子駆動回路がある。そして、同公報の第4図に示す
ように、オーバーシュートぎみの駆動電流波形Iオン、I
オフを生成し、矩形の光出力OPを得る。この半導体発光
素子駆動回路は、出力電圧E2の振幅が大きくなると微
分電流波形の振幅も大きくなるが、レーザダイオードの
V−I特性が非線形性であるゆえに、同一のコンデンサ
容量C1ですべての光量を補正することはできない。
【0035】また、特開平9−83442号公報の図1
に示す発光素子駆動回路は、同公報の図2に示すよう
に、レーザのオン、オフに合わせたパルス波形をRdで
生成し、この端子電圧をスピードアップコンデンサでレ
ーザに容量結合することで微分電流Idを重畳してい
る。この発光素子駆動回路は、矩形波をつくる抵抗Rp
に流す電流としてレーザに流す相補電流を与えている。
したがって、レーザへの駆動電流に比例して重畳される
微分電流が変わる。この半導体発光素子駆動回路も、特
開昭57−39593号公報の第3図と同様に、ダイオ
ードの非線形性ゆえにある条件で補正ができたとしても
条件が変化すると補正がずれるという問題点を有する。
【0036】また、同公報の第3図を除いて、微分電流
を生成する回路とレーザ駆動回路の回路構成が異なって
いるため、微分電流の位相と駆動電流の位相がずれる可
能性がある。そして、位相がずれると立ち上がりが2段
階になるなど別の問題を生じる。
【0037】ここで、レーザのV−I特性が非線形であ
るとどうして補正がずれるのかについて説明する。
【0038】図53は、Vcsel定電流駆動の回路構
成を示す図である。このVcsel定電流駆動回路は、
レーザを駆動するための電流源と、振幅が電流源の電流
値に比例し、かつレーザのオン/オフ制御のスイッチと
同期したパルスを発生するパルス電圧源と、微分電流を
レーザの駆動電流に重畳するためのコンデンサとを備え
ている。
【0039】例えばレーザの駆動電流が倍になると、補
正のための微分電流も倍になる。図54は、半導体レー
ザのV−I特性を示す図である。このV−I特性による
と、電流を倍にしてもV−I特性が指数関数的であるた
めに端子電圧がわずかしか上がらない。配線の寄生容量
による立ち上がりのなまりを補正するのであれば、この
電圧の変化に比例して微分電流を設定しなければならな
い。しかし、駆動電流に比例しているためレーザ駆動電
流を倍にすると微分電流も倍になり過補償になってしま
う。
【0040】逆に、図55に示すように、レーザ駆動電
流を左から右へと示すように1/2にすると、レーザの
印加電圧はわずかしか変化しない。これに対して、補償
微分電流は半分にまで小さくなるため、補償が不足して
波形はなまってしまう。レーザゼログラフィーでは環境
や感光体の劣化に応じ常時レーザパワーを制御してお
り、ー定の光量でしか使えないことは致命的である。そ
こで、レーザ光量が変わっても補正が常に最適制御され
る回路が必要になる。
【0041】(2)自動光量制御について 端面発光レーザとシングルモードの面発光レーザとの光
学的な違いは、面発光レーザが駆動電流によりビームの
広がり角や発振モードが変化したり、光量が小さいこと
である。
【0042】1ビーム当たりの光量が小さい場合、例え
ばビーム数を多くして単位面積当たりの露光量として十
分なパワーがあったとしても、個々のビームの光量を制
御するために受光器から得られる出力は小さい。
【0043】また、駆動電流によりビームの広がり角が
変わるため、スリットを使って中央付近のビームだけを
使わなければならず、小さい光量がさらに小さくなる。
ビーム光量が小さくなると、フォトダイオードで検出さ
れる電流は小さくなる。自動光量制御のために端面発光
レーザと同程度のモニター電圧を得ようとすると、フォ
トダイオードの負荷抵抗を大きくしなければならない。
このため、時定数が大きくなって自動光量制御の収束性
が悪化し、収束に時間がかかるようになる。
【0044】図56は、従来の時分割制御でのマルチレ
ーザの自動光量制御を示す回路図である。前述したよう
に、面発光レーザは、1ビーム当たりのレーザパワーが
小さい。さらに、そのビーム中心部分だけを選択して利
用するため、光検出器の電流も小さくなる。このため、
出力電圧を上げるために負荷抵抗Rを大きくしなければ
ならない。一方、フォトダイオードの負荷容量は、寄生
容量など回路中の静電容量Cがそのままなら、負荷抵抗
Rとの積である時定数CRが大きくなり自動光量制御の
収束までに時間がかかる。
【0045】特に繰り返し全チャンネルを自動光量制御
する場合、最初のチャンネルは直前の光量がゼロである
と誤差検出を行う比較器の出力が振り切れているため、
収束までに長い時間を要する。図57及び図58は、図
56に示すマルチレーザ自動光量制御回路でAPCが繰
り返し全チャンネルに対し行われているうちで最初のチ
ャンネル1(APC1)とチャンネル2(APC2)の
受光器のアノードに接続された抵抗の端子電圧を示した
波形図である。
【0046】自動光量制御開始直前の変調動作時にレー
ザが消灯している場合、誤差検出比較器の反転入力端子
側に入力されるモニタ電圧は0Vである。誤差検出比較
器は、図57に示すように、これを補正しようとプラス
側電源電圧までふりきれたような光モニタ出力を得る。
この結果、光モニタ出力は目標出力を大きくオーバーし
た状態からその目標出力に収束するので、自動光量制御
に長い時間がかかる。
【0047】反対に、変調時に2個以上のレーザが点灯
している場合、誤差検出比較器は、図58に示すよう
に、これを補正しようとマイナス側電源電圧までふりき
れたような光モニタ出力を得る。受光器出力は目標出力
よりも下回っており、光モニタ出力はその状態から目標
出力に収束するので、自動光量制御に長い時間がかか
る。
【0048】このように、マルチレーザの自動光量制御
をレーザ毎に順次行う場合、光検出器に入射される光量
が低いと、最初のチャンネルの自動光量制御に特に長い
時間がかかってしまった。
【0049】さらに、2チャンネル目以降nチャンネル
目までの切り替え時のタイミング制御については何ら注
意が払われておらず、比較器の出力が切り替え毎に大き
く変動し、負帰還が収束するまでに長い時間を要してい
た。
【0050】例えば前述した特開昭63−144653
号公報の第1図の場合、ディレイラインやデコーダを使
用して切り替え信号を生成しているが、ディレイライン
のディレイ時間は内部の素子の定数で決まってします。
したがって、同公報の第2図のように、環境温度や素子
ばらつきにかかわらず、LD1の立ち下がりとLD2の
立ち上がりを正確に一致させることは困難である。
【0051】さらに、同公報の第1図では、レーザLD
nを点灯させるためのスイッチングトランジスタTsn
をオフにする信号Snを発生しても、Tsnのコレクタ
ー容量が原因でTr1が完全にオンになってレーザが点
灯するまで時間がかかってしまう。したがって、S1〜
Snの信号の立ち上がりと立ち下がりがたとえ一致した
としても、LD1のレーザの消灯とLD2のレーザの点
灯とを一致させることはできない。
【0052】このLD1の立ち下がりとLD2の立ち上
がりが一致しない場合の問題点を図59及び図60を用
いて説明する。図59は、LD1の立ち下がりとLD2
との立ち上がりに時間が空いた場合を示す図である。光
モニター信号が一旦下がるため、復帰するまでの期間が
収束時間に追加される。さらに、LDの点灯タイミング
に含わせて光量制御のタイミング(APC1〜APC
n)を設定すると、収束しない状態で制御電圧が取り込
まれるため制御電圧が目標光量を与える電圧からずれて
しまう。
【0053】逆に、図60は、LD1の立ち下がりより
前にLD2の立ち上がりがオーバーラップした場合を示
す図である。光モニター信号が一旦上昇するため、同様
に復帰までの時間が収束時間に追加される。同様に収束
しない状態で制御電圧が取り込まれるため、制御電圧が
目標光量を与える電圧からずれる。
【0054】半導体レーザの光量が十分得られ、かつ自
動光量制御回路中のCR時定数が小さい場合には収束時
間が短い。したがって、特開昭63−144653号公
報の第2図に示すように、厳密にタイミング制御が困難
な方法で切り替え信号を生成したり、レーザ点灯タイミ
ングが遅延して比較器出力に変動が生じても、迅速に収
束するので大きな問題にはならない。しかし、面発光レ
ーザのように、光モニター光量が小さく、かつ短い期間
に多数のレーザの自動光量制御を行わなければならない
場合、自動光量制御により目標の光量を得るまで長い時
間がかかり、さらに、所定の時間で強制的に自動光量制
御を打ち切ると、目標光量が得られない問題があった。
【0055】したがって、モニター光量が小さく検出速
度が遅い受光センサを使っても、多数のレーザを1スキ
ャン中の短い時間を利用しながら自動光量制御を行わな
ければならない。このためには、各レーザの自動光量制
御で無駄な時間を極力無くすことが必要となる。
【0056】第1の無駄な時間は、毎スキャン全チャン
ネルを自動光量制御する際の最初のチャンネルの収束時
間である。レーザをオフした状態から開始すると、受光
センサーの出力が立ち上がるまでは負帰還がかからない
ため、受光センサーの立ち上がり時間がそのまま無駄な
時間になる。これを最初から立ち上げておくために予め
レーザを点灯しておく方法も提案されている。しかし、
受光センサーの応答が遅いためかなり以前から点灯して
おかなければならず、場合により感光体を露光させるこ
とにもなり、トータルで見ると自動光量制御にかかる時
間の短縮にはつながらない。
【0057】また、特開平5−136502号公報の図
1に示すように、受光器出力をサンプルホールドするレ
ーザ駆動回路が提案されている。しかし、増幅器の出力
をサンプルホールドしているだけなので、増幅器の入力
の立ち上がりが遅ければレーザが点灯してから立ち上が
るまでの収束時間が短縮することにはならない。その他
収束時間を短くする工夫は、受光器以外に対しても様々
提案されている。
【0058】さらに、特開平11−354878号公報
の図1及び図3に示すように、比較器出力の位相補償コ
ンデンサを変調時サンプルホールド状態にして次の自動
光量制御にかかる時間を短くするレーザダイオード駆動
装置が提案されている。しかし、このレーザダイオード
駆動装置も、受光器出力の立ち上がりが遅ければトータ
ルで収束時間の短縮にはならない。
【0059】その他比較器出力が振り切れないようにす
る方式として、特開昭60−115278号公報の第6
図に示すように、半導体レーザ駆動方式が提案されてい
る。この半導体レーザ駆動方式は、過電流に対し非常に
弱い端面発光レーザを守るため、疑似信号を負帰還ルー
プに与えて比較器が飽和するのを防止するものである。
しかし、この半導体レーザ駆動方式は、自動光量制御の
開始時に異常な電流がレーザに流れてレーザの破壊を防
止しようとするものであり、収束時間を大幅に改善する
ものではない。
【0060】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の電
圧駆動型の面発光レーザ駆動装置は、レーザをオン/オ
フすると、電源レギュレータに流れ込む電流が変わって
その出力電圧に変化が生じ、その結果、レーザパワーが
変動する問題があった。
【0061】さらに、レーザの光量制御においては、収
束時間を短縮することが重要であり、特にマルチレーザ
の場合にはそれが顕著であった。
【0062】本発明は、このような課題を解決するため
に提案されたものであり、レーザパワーを変動させず、
かつ、迅速にレーザの自動光量制御を行うことができる
面発光レーザ駆動装置を提供することを目的とする。
【0063】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
終端抵抗と、アノード側を前記終端抵抗の一端に接続
し、前記終端抵抗に対して並列に接続された面発光レー
ザと、前記終端抵抗の前記一端に接続し、前記面発光レ
ーザのアノード側及び前記終端抵抗に電流を供給する第
1の電流供給手段と、前記終端抵抗の他端に接続され、
所定の電圧を出力する電圧源と、前記電圧源の出力電圧
が一定になるように、前記面発光レーザのオン/オフに
応じて前記電圧源の出力端子に電流を供給する第2の電
流供給手段と、を備えている。
【0064】この発明は、いわゆる電圧駆動型の面発光
レーザ駆動装置であって、終端抵抗に電流が流れ過ぎて
消費電力が大きくならないように電圧源を備えている。
しかし、面発光レーザがオンになったりオフになったり
すると、終端抵抗を流れる電流に変化が生じ、電圧源の
出力電圧に変化が生じる。この結果、面発光レーザのレ
ーザパワーに変動が生じることがある。そこで、電圧源
の出力電圧が一定になるように、面発光レーザのオン/
オフに応じて前記電圧源の出力端子に電流を供給してい
る。
【0065】なお、前記電圧源の代わりにダイオードを
用いることができる。図61は、ダイオードを使った電
圧駆動回路を示す図である。PN接合ダイオードやツエ
ナーダイオードなどは、等価的には内部に電圧源を持っ
ている。これを利用すると、電圧レギュレータを使用せ
ずに消費電力を低減することができる。
【0066】図62は、面発光レーザ(VCSEL)の
電圧−電流−光量特性を示す図である。レーザダイオー
ドが順バイアスとなる電圧は1.8V程度であり、レー
ザ発振閾値電圧は2V程度である。したがって電圧源の
代わりに直列接続するダイオードの順電圧降下は2V弱
が望ましい。図63は、(株)オーム社のスペックシー
トからの図であり、市販の小信号用スイッチングダイオ
ードであって2つのダイオード(D1+D2)の直列回
路の特性を示す図である。室温の25℃において、7m
A時に1.5Vになり、この時の微分抵抗は数10Ωで
ある。したがって、シリコンダイオードを2個接続して
終端抵抗を70Ωにすると、図47に示した共通電源の
電源電圧を1.5Vにしたのと同等になる。さらに、レ
ーザ個別に終端抵抗が入っているためクロストークの問
題が発生しない。
【0067】素子の特性を利用した場合、温度に対する
安定性が問題となる。通常シリコンのPN接合ダイオー
ドは温度係数が−2mV/℃であり、ガリ砒素レーザは
−3mV/℃である。シリコンPN接合ダイオードを2
個直列接続した場合は−4mV/℃になり、その差は1
mV/℃になる。この結果、レーザダイオードの温度変
動をある程度相殺することがわかる。実際温度が下がっ
ていくと終端抵抗側の電位が上昇し消費電流が減少す
る。しかし、温度係数の差は−1mV/℃であるので、
通常の使用温度範囲の0℃から100℃でも最悪75m
Vの差にしかならず、実用上問題にはならない。
【0068】このようにダイオードを用いた面発光レー
ザ駆動装置は、請求項4に記載されている。すなわち、
請求項4記載の発明は、終端抵抗と、アノード側を前記
終端抵抗の一端に接続し、前記終端抵抗に対して並列に
接続された面発光レーザと、前記終端抵抗の前記一端に
接続し、前記面発光レーザのアノード側及び前記終端抵
抗に電流を供給する電流供給手段と、前記終端抵抗の他
端にアノード側が接続されたダイオードと、を備えてい
る。
【0069】請求項5記載の発明は、レーザ光を出力す
る面発光レーザと、制御電圧に従って前記面発光レーザ
にバイアス電流を供給するバイアス電流供給手段と、前
記面発光レーザをオンするときに前記面発光レーザに電
流を供給する電流供給手段と、前記面発光レーザのオン
に同期して、補償パルス信号を前記面発光レーザに供給
する補償パルス信号供給手段と、補償パルス信号のレベ
ルを制御する補償パルス信号制御手段と、を備えてい
る。
【0070】この発明は、面発光レーザに常時バイアス
電流を流し、面発光レーザをオンするときに所定の電流
を更に流す電流駆動型である。各回路から面発光レーザ
までの配線には寄生容量が存在し、これによって波形の
なまりが生じる。このため、面発光レーザのオン/オフ
に同期して、補償パルス信号を面発光レーザに供給す
る。しかし、面発光レーザを流れる電流が変化すると、
いわゆるオーバーシュートやアンダーシュートが生じ
る。そこで、補償パルス信号をその変化に合わせて補正
すべく、補償パルス信号のレベルを制御している。ま
た、このようなオーバーシュートやアンダーシュートを
なくすために、請求項6または7記載のように、バイア
ス電流供給手段の制御電圧を設定する制御電圧設定手段
を備えてもよい。
【0071】請求項13記載の発明は、レーザ光を出力
する面発光レーザと、前記面発光レーザからのレーザ光
を受光して受光信号を出力する受光手段と、前記受光手
段が出力した受光信号を保持する受光信号保持手段と、
レーザ光の光量制御を開始するときは前回レーザ光の光
量制御を行ったときに前記受光信号保持手段に保持され
た受光信号と基準値とを比較し、レーザ光の光量制御中
のときは前記受光手段からの受光信号とその基準値とを
比較し、前記受光信号が前記基準値に収束するような制
御信号を出力する制御信号出力手段と、前記制御信号出
力手段が出力した制御信号を保持する制御信号保持手段
と、レーザ光の光量制御を開始するときは前回レーザ光
の光量制御を行ったときに前記制御信号保持手段に保持
された受光信号に基づいて、レーザ光の光量制御中のと
きは前記制御信号出力手段からの制御信号に基づいて、
前記面発光レーザに電流を供給する電流供給手段と、を
備えている。
【0072】この発明は、電圧駆動型または電流駆動型
を問わず、面発光レーザの光量制御を迅速に行うもので
ある。多数の面発光レーザを1スキャンの短い時間で光
量制御をおこなうためには、収束時間を短くする必要が
ある。しかし、電源投入時やチャンネルを変えた時は、
立ち上がり時間がかかったり変動が生じるため、時間が
かかってしまう。そこで、レーザ光の光量制御を開始す
るときは、前回レーザ光の光量制御を行ったときに受光
信号保持手段や制御信号出力手段に保持された信号を用
いることによって、収束を速くして、迅速に光量制御を
行うことができる。なお、レーザ光の光量制御を開始す
るときとしては、あるチャンネルから他のチャンネルに
切り替わったときも含まれる。
【0073】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照しながら詳細に説明する。なお、最初に各装
置の特徴的な基本構成について説明し、次に複数チャネ
ル(マルチレーザ)の構成について説明する。
【0074】1.基本構成 (1)電圧駆動型 本実施の形態に係る電圧駆動型の面発光レーザ駆動装置
は、面発光レーザの駆動電流と相補的に出力される電流
を電圧源に供給することで当該電圧源の負荷変動を抑制
する。
【0075】面発光レーザ駆動装置は、図1に示すよう
に、直列に接続された終端抵抗R4及びコンデンサC1
と、これらと並列に接続された面発光レーザLDとを備
えている。なお、面発光レーザLDのカソード側と、コ
ンデンサC1の他端は、それぞれ接地されている。
【0076】さらに、面発光レーザ駆動装置は、面発光
レーザLDのアノード側及び終端抵抗R4に電流を供給
するバイアス電流源Ibと、スイッチSW1を介して電
流を出力する相補電流源Isと、並列に接続された抵抗
R1及びコンデンサC2に電流を供給する相補電流源I
s’と、入力側がスイッチSW2に接続された電流源I
aと、ボルテージレギュレータ(電圧源)V1,V2と
を備えている。
【0077】スイッチSW1は、相補電流源Isからの
相補電流Isを端子a又は端子bを介して出力する。ス
イッチSW1の端子aはスイッチSW2の端子aに接続
され、その端子bは面発光レーザLDのアノード側に接
続されている。
【0078】抵抗R1及びコンデンサC2の一端は相補
電流源Is’の出力側に接続され、それらの他端は接地
されている。なお、コンデンサC2の端子電圧は、電流
源Iaの制御電圧になる。
【0079】スイッチSW2の端子aは、抵抗R2を介
して接地されている。なお、抵抗R2は、ソースタイプ
の電源レギュレータでも使用可能なように常時電流を流
し出しておくためのものである。スイッチSW2の端子
bは、抵抗R3を介して接地している。そして、スイッ
チSW2は、端子a又は端子bからの電流を出力する。
電流源Iaの入力側はスイッチSW2の端子a又は端子
bに接続され、その出力側は接地される。
【0080】電圧源V1は、接地された抵抗R3の他端
に、電圧V1を印加する。電圧源V2は、抵抗R4に対
して直列に接続され、また接地されたコンデンサC1の
他端に接続され、さらに接地された抵抗R2の他端に接
続され、電圧V2を印加する。なお、コンデンサC1
は、高周波での出力インピーダンスの上昇を抑える役割
を有する。コンデンサC3は相補電流源Isの制御電圧
をホールドし、コンデンサC4はバイアス電流源Ibの
制御電圧をホールドしている。
【0081】以上のような構成の面発光レーザ駆動装置
では、バイアス電流源Ibから出力されたバイアス電流
Ibは、分岐して終端抵抗R4及び面発光レーザLDを
流れる。
【0082】面発光レーザLDをオンにする場合、スイ
ッチSW1を端子bに切り替える。相補電流源Isが出
力する相補電流Isは、スイッチSW1を経由して、終
端抵抗R4とレーザLDに流れ込む。これにより、面発
光レーザLDがオンになる。このとき、終端抵抗R4を
流れる電流も増加し、相補電流Isのうち終端抵抗R4
に流れる分が電圧源V2の負荷変動を引き起こす。
【0083】そこで、面発光レーザLDをオフする際、
スイッチSW1を端子aに切り替え、相補電流Isを電
圧源V2に直接供給する。これにより、面発光レーザL
Dのオン/オフに関係なく、電圧源V2に供給される電
流の大きさをほぼ等しくすることができる。
【0084】しかし、相補電流Isをすべて抵抗R2に
流した場合、面発光レーザLDへの分流分が考慮されて
ないので、補償し過ぎとなり、逆に電圧源V2の電位が
逆方向に変動する。そこで、面発光レーザLDのオン/
オフに同期して、別の電流源で面発光レーザLDへの分
流分を補正する。
【0085】図2に示すように、面発光レーザLDの端
子電圧が上昇すると、端子電圧−電流特性が直線領域に
なる。そのときの傾きは終端抵抗Rshとレーザの内部
抵抗Rldとの並列合成抵抗の逆数となる。終端抵抗R
shと内部抵抗Rldはほぼ一定のため、直線領域にお
いては終端抵抗Rshに流れる電流と面発光レーザLD
に流れる電流との比は一定である。
【0086】ここで、面発光レーザLDがオンのときに
抵抗R2を流れる電流を表す式(1)と、面発光レーザ
LDがオフのときに抵抗R2を流れる電流を表す式
(2)とを示す。 (LDオン時のR2の電流)=α×(Is+Ib) ・・・・・(1) (LDオフ時のR2の電流)=α×Ib+Is−Ia ・・・・・(2)
【0087】さらに、補正電流Iaを相補電流Isのミ
ラー相補電流Is’に比例するよう設定する。すなわ
ち、式(3)のように設定する。
【0088】 Ia=Is×(1−α) ・・・・・(3) αは、終端抵抗R4と面発光レーザLDの電流の分流比
を示し、抵抗R1の値を変えることで調整することがで
きる。式(3)を式(2)に代入すると、式(1)に一
致する。つまり補正電流Iaを相補電流Isに比例して
設定すると、面発光レーザLDのオン/オフに拘わら
ず、電圧源V2の負荷すなわち出力電圧を一定にするこ
とができる。
【0089】分流比αを一定としたが、面発光レーザL
Dを流れる電流が小さいときは指数関数が含まれている
ため、分流比αを定数とみなすことができない。このよ
うな時には、outpの電位と電圧源V2の電位の差か
ら、終端抵抗R4に流れる電流を算出し、この電流とI
sのミラー相補電流Is’との差電流を補正電流Iaと
して設定することもできる。この時は、面発光レーザL
Dが指数関数領域で動作しても、電圧源V2の負荷が変
動することはない。
【0090】つぎに、図3に示す面発光レーザ駆動装置
について説明する。ここで、スイッチSWl〜3は、連
動して切り替えられる。図3では、面発光レーザLDが
オンのときのスイッチSW1〜3の状態を示している。
【0091】面発光レーザLDをオフにするときは、ス
イッチSW3をオンにする。オペアンプA1は、抵抗R
5の端子電圧が終端抵抗R4の端子電圧に等しくなるよ
うに、抵抗R5に接続された電流源Ilddに制御電圧を
与える。
【0092】電流源Ildd’は、電流源Ilddとカレント
ミラーを構成する。そして、電流源Ildd’は、相補電
流源Is’のソース相補電流Is’から、抵抗R4の端
子電圧に比例した電流を差し引く動作する。したがっ
て、電流源Ilddと電流源Ildd’のゲインと、抵抗R5
の抵抗値を調整することによって、電流源Ildd’は終
端抵抗R4に流れる電流に対応する電流をシンクする。
この結果、抵抗R1には、相補電流Is’のうち面発光
レーザLDに流れる電流に対応した電流が流れ込む。
【0093】相補電流Isからこの補正電流Iaを引く
と、相補電流Isのうち面発光レーザLDをオンしたと
きに当該面発光レーザLDに流れていた分が差し引か
れ、終端抵抗R4に流れていた分だけが抵抗R2に流れ
る。この結果、抵抗R2を流れる電流は、面発光レーザ
LDのV−I特性が非線形領域にあり、面発光レーザL
Dがオン/オフであっても、常に一定になる。したがっ
て、負荷変動により電圧源V2の出力が変動するのを防
止することができる。
【0094】(2)電流駆動型 電流駆動型の面発光レーザ駆動装置は、図4に示すよう
に、面発光レーザLDに対して常時バイアス電流Ibを
流すバイアス電流源Ibと、面発光レーザLDを点灯さ
せるスイッチSWと、スイッチSWを介して面発光レー
ザLDに電流を供給する相補電流源Isと、補償を行う
ためのパルス発生部VPとを備えている。
【0095】各回路から面発光レーザLDまでの配線に
は一般的に寄生容量Cstが存在し、この寄生容量Cs
tが波形なまりの原因になっている。パルス発生部VP
は、スイッチSWのオン/オフに同期して、パルス信号
Vpulseを発生し、これをスピードアップコンデン
サCsを介して、微分電流をレーザLDに供給する。こ
れにより、寄生容量Cstによる立ち上がりのなまりを
補償している。
【0096】補償量を最適化しなければ、図5に示すよ
うに、オーバーシュートやアンダーシュートが生じる。
立ち上がった時の電圧振幅は、パルス信号Vpulse
の電圧×容量Csと寄生容量Cstとの分圧比で決ま
り、Vpulse×Cs/(Cs+Cst)である。
【0097】定常状態で面発光レーザLDがオンの場
合、面発光レーザLDの端子電圧は、図6に示すよう
に、レーザの電圧−電流特性から定まる。面発光レーザ
LDにはバイアス電流Ibと相補電流Isが流れ、面発
光レーザLDの端子電圧は(Vb+Vs)になる。
【0098】面発光レーザLDがオフの場合、面発光レ
ーザLDにはバイアス電流Ibのみが流れ、このときの
面発光レーザLDの端子電圧はVbとなる。したがっ
て、補償条件は、立ち上がり時の電圧振幅と定常状態で
のレーザオンとレーザオフとでの電位差が等しいことか
ら、以下の式を満たすことである。
【0099】Vpulse×Cs/(Cs+Cst)=
(Vb+Vs)−Vb=Vs 補償条件である上記式を満たすためには、Vpulse
を制御したり、その他定常状態の電位を制御するのが好
ましい。
【0100】Vpulseの制御は、パルス信号のhi
ghレベルを変えればよく、回路上容易に実現でき、ま
た補正による弊害もない。なお、面発光レーザLD個々
の補償回路を設けると、Vpulse用の出力インピー
ダンスの低い電圧源が必要となるので、この方式は全部
の面発光レーザLDの一括制御に向く。その他の定常状
態の電位の制御(Vsの制御)は、APCによって(V
b+Vs)が決まってしまうので、Vbを制御すればよ
い。バイアス電流をレーザ毎に制御するのは容易なので
実用的であるが、バイアスを下げすぎると弊害が生じる
ので、チャンネルch毎の微調整に向く。
【0101】図7(A)は、Vpulseで補償量を制
御した場合を示す図である。制御を行う前はオーバーシ
ュートが生じている。調整後、定常状態における面発光
レーザLDがオンのときの端子電圧とオフのときの端子
電圧は変化せず、オーバーシュートがなくなっている。
また、図7(B)はバイアス電流Ibで補償量を制御し
た場合を示す図である。制御を行う前はオーバーシュー
トが生じている。バイアス電流Ibで調整した場合、面
発光レーザLDがオフのときの端子電圧が下がり、これ
によりオーバーシュートが無くなる。
【0102】(Vpulse制御)このようなオーバー
シュートを除去すべく、面発光レーザ駆動装置は、図8
に示すように、アンプA1,A2と、バイアス電流源I
bと、相補電流源Isと、を備えている。
【0103】バイアス電流源Ibは、可変電圧源Vbか
らの制御電圧に従ってバイアス電流Ibを出力し、この
バイアス電流Ibを面発光レーザLDのアノード側に供
給する。相補電流源Isは、可変電圧源Vsにより制御
電圧が設定され、相補電流IsをスイッチSW3に供給
する。スイッチSW3は、端子aを選択しているときは
相補電流Isを面発光レーザLDに供給し、端子bを選
択しているときは相補電流Isを外部に出力する。
【0104】アンプA1の一方の入力端子は、スイッチ
SW1を介して、面発光レーザLDのアノード側に接続
されている。なお、コンデンサC5の一端はアンプA1
とスイッチSW1の間に接続され、その他端は接地され
ている。アンプA1の他方の入力端子は、面発光レーザ
LDのアノード側に接続されている。
【0105】アンプA2の一方の入力端子は、アンプA
1の出力端子に接続されている。アンプA2の他方の入
力端子は、このアンプA2の出力端子に接続されてい
る。さらに、アンプA2の出力端子は、コンデンサC2
の一端に接続されている。コンデンサC2の他端は接地
されている。さらに、コンデンサC2の一端はスイッチ
SW2の端子aに接続され、その他端はスイッチSW2
の端子bに接続されている。スイッチSW2は、端子a
又は端子bからのパルス信号Vpulseを、コンデン
サC1を介して、面発光レーザLDのアノード側に供給
する。
【0106】以上のような構成の面発光レーザ駆動装置
では、図9(A)に示す時刻t2でにおいて、スイッチ
SW1をオンにする。これにより、コンデンサC5は、
面発光レーザLDの端子電圧V2をホールドする。な
お、スイッチSW2,SW3は、それぞれ端子bを選択
している。
【0107】スイッチSW3を端子aに切り替え、面発
光レーザLDの端子電圧が立ち上がった直後の時刻t1
からt2において、アンプA1は、時刻tl〜t2まで
の電圧が電圧V2に一致するように、パルス信号Vpu
lseの電位(C2の電圧)に対して負帰還制御を行
う。
【0108】電圧V1が電圧V2に一致した後、スイッ
チSW2を端子bに切り替える。これにより、コンデン
サC2は、その時の電圧をホールドし、Vpulse電
圧を自動的に設定する。当然一個のパルスで制御が完了
するわけではないので、このような調整を連続してパル
ス信号Vpulseを収束させる。
【0109】以上のように、面発光レーザ駆動装置は、
バイアス電流Ibや相補電流Isが変わって面発光レー
ザLDのパワーが変わっても、コンデンサC2にパルス
信号Vpulseの電圧を自動的に設定することができ
るので、常に最適な状態になるように補償することがで
きる。
【0110】(バイアス制御)バイアス制御を行う面発
光レーザ駆動装置は、図10に示すように、常時バイア
ス電流Ibを出力するバイアス電流源Ibと、相補電流
源Isと、アンプA1,A2と、を備えている。
【0111】バイアス電流源Ibは、アンプA1からの
制御電圧に従ってバイアス電流Ibを出力し、このバイ
アス電流Ibを面発光レーザLDのアノード側に供給す
る。相補電流源Isは、可変電圧源Vsにより制御電圧
が設定され、相補電流IsをスイッチSW4に供給す
る。スイッチSW4は、端子aを選択しているときは相
補電流Isを面発光レーザLDに供給し、端子bを選択
しているときは相補電流Isを外部に出力する。
【0112】アンプA2の一方の入力端子は、定電圧源
Vpulseに接続されている。その他方の入力端子
は、アンプA2の出力端子に接続されている。さらに、
アンプA2の出力端子は、コンデンサC3の一端に接続
されている。なお、コンデンサC3の他端は接地されて
いる。さらに、コンデンサC3の一端はスイッチSW3
の端子aに接続され、その他端はスイッチSW3の端子
bに接続されている。スイッチSW3は、端子a又は端
子bからのパルス信号を、コンデンサC2を介して、面
発光レーザLDのアノード側に供給する。
【0113】アンプA1の一方の入力端子は、面発光レ
ーザLDのアノード側に接続されている。その他方の入
力端子は、スイッチSW1を介して、面発光レーザLD
のアノード側に接続されている。なお、アンプA1の他
方の入力端子とスイッチSW1との間には、コンデンサ
C1が接続されている。コンデンサC1の他方側は、接
地されている。
【0114】以上のように構成された面発光レーザ駆動
装置では、図9(B)に示す時刻t2において、スイッ
チSW1をオンにして、電位V2をコンデンサC1にホ
ールドしておく。なお、スイッチSW3,SW4は、そ
れぞれ端子bを選択している。
【0115】つぎに、スイッチSW3を端子aに切り替
えると、パルス信号Vpulseが立ち上がる。アンプ
A1は、その時の面発光レーザLDの電圧が、ホールド
した電圧V2に一致するように、負帰還制御を行う。こ
こで、定電圧源Vpulseは固定した電圧を出力する
ので、面発光レーザLDがオフのときに面発光レーザL
Dの端子電圧が制御されると、補償が最適化される。
【0116】この面発光レーザ駆動装置は、出力インピ
ーダンスが低い定電圧電源を必要としないので、IC化
してチャンネル毎に設けることができる。このため、面
発光レーザLDを個別に微調整をするのに好適である。
【0117】これらの面発光レーザ駆動装置は、面発光
レーザLDの端子電圧の波形形状から補償量を決めるも
のである。しかし、面発光レーザLDの内部抵抗が小さ
い場合、面発光レーザLDがオン/オフしてもその端子
電圧の変化が小さく、制御が困難である場合もある。ま
た、温度変動など別の要因によって面発光レーザLDの
端子電圧だけでは再現性が不足する場合もある。このよ
うな場合、面発光レーザLDの光量モニター信号で制御
することも可能である。
【0118】(光量を用いたVpulse制御)このよ
うな面発光レーザ駆動装置は、図11に示すように構成
されている。具体的には、上記面発光レーザ駆動装置
は、面発光レーザLDにバイアス電流Ibを供給するバ
イアス電流源Ibと、相補電流源Is、アンプA1,A
2,A3と、面発光レーザLDの光量を検出するための
フォトダイオードPDと、を備えている。
【0119】バイアス電流源Ibは、可変電圧源BIA
SREFからの制御電圧に従ってバイアス電流Ibを出
力し、このバイアス電流Ibを面発光レーザLDのアノ
ード側に供給する。相補電流源Isは、スイッチSW1
を介してアンプA1からの制御電圧に従って相補電流I
sを出力し、スイッチSW4に供給する。スイッチSW
4は、端子aを選択しているときは相補電流Isを面発
光レーザLDに供給し、端子bを選択しているときは相
補電流Isを外部に出力する。
【0120】フォトダイオードPDのカソード側には電
圧Vccが印加されている。フォトダイオードPDのア
ノード側は、並列に接続された抵抗Rpd及びコンデン
サCstに接続されている。
【0121】アンプA1の一方の入力端子は、フォトダ
イオードPDのアノード側に接続されている。アンプA
1の他方の入力端子は、APCの基準電圧V_APCR
EFを出力する電圧源APCREFに接続されている。
アンプA1は、フォトダイオードPDで検出された電圧
が基準電圧V_APCREFになるように、相補電流源
Isの制御電圧を設定する。なお、アンプA3の2つの
入力端子も同様に接続されている。アンプA2の一方の
入力端子は、スイッチSW2を介して、アンプA3の出
力端子に接続されている。その他、アンプA2、コンデ
ンサC2、スイッチSW3の接続関係は、図8とほぼ同
様である。但し、スイッチSW3は、コンデンサCsを
介して、面発光レーザLDのアノード側に接続されてい
る。なお、図11では、1チャンネルchのみ示してい
るが、他のチャンネルchについても同様に構成されて
いる。
【0122】ところで、Vpulseの調整がうまくい
っておらず、図12(A)に示すように、過補償の状態
にある場合、面発光レーザLDの平均光量は1個のレー
ザを連続点灯して自動光量制御したときのモニター光量
の基準電圧V_APCREFにオーバーシュート分が加
算され、モニターされた光量は大きくなる。図12
(B)に示すように、補償量が不足している場合、アン
ダーシュートになり、面発光レーザLDの光量は電圧V
_APCREFよりも低くなる。
【0123】そこで、この面発光レーザ駆動装置におい
ては、複数の面発光レーザLDを交互に点灯させ、常に
一個だけ発光させるようにする。アンプA3は、フォト
ダイオードPDによって検出された電圧が電圧V_AP
CREFになるように、アンプA2の出力、すなわちV
pulseを制御する。そして、フォトダイオードPD
によって検出された電圧がV_APCREFに一致する
と、最適な状態で補償が行われる。
【0124】(光量を用いたバイアス制御)光量を用い
てバイアス制御を行う面発光レーザ駆動装置は、図13
に示すように構成される。なお、図11と同じ構成の部
分があるので、その箇所の説明は省略する。
【0125】アンプA2は、一方の入力端子が補償電圧
源REFに接続され、他方の入力端子が出力端子に接続
されているので、所定のVpulseを出力する。アン
プA3は、固定値である電圧V_APCREFとフォト
ダイオードPDで検出された電圧を比較し、これらが一
致するように、スイッチSW2を介して、制御電圧をバ
イアス電流源Ibに供給する。図13は、チャンネルc
h1のみ示しているが、他のチャンネルchについても
同様に構成されている。さらに、過補償と補償不足を示
した状態は、図12と同様である。
【0126】このように構成された面発光レーザ駆動装
置では、面発光レーザLDのスイッチングの周波数をオ
ペアンプA1,A2,A3とフォトダイオードPDの出
力が応答しない程度に上げることによって、リップル成
分を平均化し、制御精度を高くすることができる。また
チャンネルch間の補償量ばらつきが少ない場合には、
面発光レーザLDをチャンネルch毎に順番に点灯して
いけば、一括して補償量を制御することができる。
【0127】(Vpulseによる個別制御)図11及
び図13に示した面発光レーザ駆動装置は、複数の面発
光レーザLDに対して一括して制御するのに好適であ
り、個々の面発光レーザLDの補償量を最適化すること
はできない。以下、個々の面発光レーザLDの補償量を
最適化することについて説明する。
【0128】Vpulseで面発光レーザLDを個別に
制御する面発光レーザ駆動装置は、図14に示すように
構成されている。なお、アンプA3の入力端子の接続関
係を除いて、図11と同様の構成である。
【0129】アンプA3の一方の入力端子は、図11と
同様に、フォトダイオードPDのアノード側に接続され
ている。アンプA3の他方の入力端子には、電圧V_A
PCREFが抵抗R1及び抵抗R2によって分圧された
電圧、すなわち[R2/(R1+R2)]V_APCR
EFが入力される。
【0130】以上のように構成された面発光レーザ駆動
装置では、1個の面発光レーザLDを、図15に示すよ
うにパルス点灯させる。このとき、フォトダイオードP
Dの負荷抵抗Rpdに並列に寄生容量Cstがあり、さ
らに面発光レーザLDの点灯周波数が高ければ、フォト
ダイオードPDは平均化された光量モニター信号である
電圧を出力する。
【0131】アンプA3は、この出力電圧と、自動光量
制御での基準電圧V_APCREFを抵抗R1及び抵抗
R2で分圧した電圧とを比較し、Vpulseを負帰還
制御する。ここで、基準電圧V_APCREFの分圧比
は、面発光レーザLDのパルス点灯のDutyで決める
のが好ましい。例えば、フォトダイオードPDがDut
y50%で点灯する場合、電圧V_APCREFの半分
がオペアンプA3の入力電圧になるように、抵抗R1及
び抵抗R2を決定する。これにより、Vpulseが最
適になったときに、光量モニター信号がV_APCRE
F/2の電圧に一致する。
【0132】(バイアス電流による個別制御)同様にし
てバイアス電流で個々の面発光レーザLDを制御する面
発光レーザ駆動装置は、図16に示すように構成されて
いる。なお、過補償と補償不足の場合波形図は、図15
と同様である。
【0133】図16に示すアンプA3は、フォトダイオ
ードPDによって検出された電圧と、自動光量制御での
基準電圧V_APCREFを抵抗R1及び抵抗R2で分
圧した電圧とを比較し、バイアス電流源Ibの制御電圧
を設定する。ここで、分圧比は、上述した説明と同様
に、面発光レーザLDのパルス点灯のDutyで決める
のが好ましい。
【0134】(オープンループ制御)上述した各面発光
レーザ駆動装置は、精度の高い負帰還制御を行うもので
ある。シングルモードの面発光レーザは、内部抵抗が高
く電圧−電流特性が線形の特徴がある。そこで、この特
徴を利用すると、オープンループ制御でもある程度の補
償量を制御することができる。
【0135】例えば図17に示す面発光レーザ駆動装置
は、相補電流Isを参照して補償量Vpulseを制御
する。
【0136】前提として、バイアス電流源Ibには、面
発光レーザLDが順バイアスされ急激に電流が増加し始
めるときのバイアス電流Ibが設定されている。バイア
ス電流Ibに相補電流Isを重畳すると、相補電流Is
の増加に対応して、面発光レーザLDの端子電圧も比例
して上昇する。このとき、相補電流源Isのカレントミ
ラー回路で生成した電流は抵抗VR1に供給され、抵抗
VR1には相補電流Isに比例する端子電圧が発生す
る。アンプA2は、抵抗VR1の端子電圧を用いてVp
ulseを制御する。したがって、バイアス電流Ibに
重畳した相補電流Isは、電圧振幅に比例する。これに
より、抵抗VR1の値を適切に選択することによって、
面発光レーザLDの光量に応じて適切な補正を行うこと
ができる。
【0137】バィアス電流Ibは、面発光レーザLDが
順バイアスされる電流に設定されている。面発光レーザ
LDが前述したように順バイアスされたあとは、電圧−
電流特性は線形性になる。この結果、例えば相補電流I
sを半分にすると、例えば図18に示すように、面発光
レーザLDの端子電圧の振幅も半分になる。したがっ
て、フィードバックを行わずに補償量を常に最適な状態
にすることができる。
【0138】以上の説明で共通しているのは、パルス信
号Vpulseの発生に双投のアナログスイッチを使っ
た点である。CMOSプロセスを用いれば、このスイッ
チを相補電流源の電流スイッチSW4と同一構成、同一
信号とすることができる。このためバイポーラを使った
場合に比べて、回路構成が異なるために生じる遅延によ
る波形歪みを抑制することができる。
【0139】(3)自動光量制御 つぎに、最初のレーザの収束時間を短くし、さらにチャ
ンネルchを切り替えるときに生じる比較器の出力変動
を抑制する自動光量制御について説明する。
【0140】このような自動光量制御を行う面発光レー
ザ駆動装置は、図19に示すように、n個の面発光レー
ザLD1〜LDnと、これらにそれぞれ電流を供給する
n個の相補電流源Is1〜Isnと、各相補電流源Is
1〜Isnに供給する制御電圧を設定するオペアンプO
P1と、各面発光レーザLD1〜LDnの光量を検出す
るフォトダイオードPDと、オペアンプOP2とを備え
ている。
【0141】各相補電流源Is1〜Isnの入力側は、
電源電圧5Vに接続されている。各相補電流源Is1〜
Isnの出力側は、スイッチS1〜Snを介して、面発
光レーザLD1〜LDnのアノード側に接続されてい
る。面発光レーザLD1〜LDnのカソード側は、それ
ぞれ接地されている。
【0142】オペアンプOP1の出力側は、スイッチS
W1〜SWnにそれぞれ接続されている。各スイッチS
W1〜SWnは、それぞれアンプA1〜Anを介して、
相補電流源Is1〜Isnに制御電圧を供給する。オペ
アンプOP1の非反転入力端子は、定電圧源Vrefに接
続されている。オペアンプOP1の反転入力端子は、コ
ンデンサC2を介してオペアンプOP1の出力端子に接
続され、またスイッチSWAPC1を介して増幅器AZ
にも接続されている。
【0143】フォトダイオードPDのカソード側には、
電源電圧5Vが印加されている。フォトダイオードPD
のアノード側は、抵抗Rを介して接地され、また増幅器
AZ及びスイッチSWAPC1を介してオペアンプOP
1の反転入力端子に接続され、さらにスイッチSWAP
C2にも接続されている。
【0144】スイッチSWAPC2の端子aは、オペア
ンプOP2の出力端子及び反転入力端子に接続されてい
る。スイッチSWAPCの端子bは、オペアンプOPの
非反転入力端子に接続されている。なお、コンデンサC
1の一端はオペアンプOP2の非反転入力端子に接続さ
れ、その他端は接地されている。
【0145】以上のように構成された面発光レーザ駆動
装置では、自動光量制御時において、スイッチSWAP
C1をオンにし、スイッチSWAPC2を端子bに切り
替える。
【0146】このとき、オペアンプOP1は、増幅器A
Zから出力されたモニタ電圧と、基準電圧Vrefの誤差
を比較検出する。この時、負帰還ループに挿入されたコ
ンデンサC1は、オペアンプOP1の出力端子と反転入
力端子の差の電圧で充電される。同時にコンデンサC2
は、抵抗Rの端子電圧、すなわち電流−電圧変換された
フォトダイオードPDの出力電圧によって充電される。
【0147】自動光量制御終了時において、スイッチS
WAPC1をハイインピーダンス状態、すなわちオフに
し、コンデンサC1の充電電圧を自動光量制御時の値に
固定する。これにより、スイッチSWAPC1が再びオ
ンになって次の自動光量制御が開始されるまで、オペア
ンプOP1の反転入力端子と出力端子の電圧が保持され
る。
【0148】同時に、スイッチSWAPC2を端子aに
切り替える。コンデンサC2は、自動光量制御終了時に
フォトダイオードPDから出力された電圧で充電され
る。オペアンプOP1は、バッファの機能を有するの
で、コンデンサC1に充電されている電圧と等しい電圧
を出力する。これにより、自動光量制御終了時のフォト
ダイオードPDの出力電圧が次の自動光量制御開始まで
保持される。
【0149】以上のように、この面発光レーザ駆動装置
は、自動光量制御が終了しても、その制御終了時のオペ
アンプOP1の出力電圧、すなわち相補電流源Is1〜
Isnの制御電圧を保持し、さらに、その制御終了時の
フォトダイオードPDの出力電圧を保持することができ
る。これにより、次の自動光量制御開始には、これらの
保持した電圧を用いて制御することができるので、立ち
上がりの開始を早くして収束時間を短くすることができ
る。
【0150】また、この面発光レーザ駆動装置は、各チ
ャンネルchを切り替えて各面発光レーザLD1〜LD
nの光量を制御するときに、オペアンプOP1の出力変
動を抑制することもできる。
【0151】図20は、スイッチSW1〜SWnを連続
的に切り替えて自動光量制御を行った時の収束性の結果
を示すタイミングチャートである。このタイミングチャ
ートは、前回の自動光量制御終了時にホールドしたオペ
アンプOP1の出力値と今回の収束値にずれがある場合
に、光量制御を行うことによって収束値に収束していく
様子を示している。
【0152】タイミングチャートの上段から、フォトダ
イオードPDに入射する光出力、オペアンプOP1の出
力、チャンネル切り替えを行うスイッチSW1,SW2
・・・SWnのオン/オフ、面発光レーザLD1,LD
2,…LDnのオン/オフ、APCCONTのオン/オ
フを示している。なお、APCCONTは、いずれかの
チャンネルchで自動光量制御を行っている時はオンに
なる。
【0153】自動光量制御では、時刻T1からチャンネ
ルch1の制御を開始し、その後チャンネルch_nま
でチャンネル切り替えを連続的に行い、これと同期して
自動光量制御を行うための面発光レーザLD1〜LDn
の点灯および消灯を行う。
【0154】チャンネルchの切り替えを間断なく連続
的に行った場合の収束時間は、1チャンネルchずつ別
個に自動光量制御を行った場合の収束の総時間に比べ
て、はるかに短い。また、この場合、あたかも同一チャ
ンネルchを連続的に自動光量制御をしているのと同様
に減衰しながら、目標の光出力へ収束していく。
【0155】前述した自動光量制御が終了した時点での
オペアンプOP1とフォトダイオードPDの出力をホー
ルドし、次回の自動光量制御の初期値とする方式と併用
して繰り返し自動光量制御を行うと、たとえ1チャンネ
ル当たりの収束時間が短くとも全チャンネルで目標の光
量を得ることが出来る。しかし、時間ずれが大きくなる
とスイッチ切り替えにずれが生じている期間に、オペア
ンプOP1に入力されるモニタ電圧値が基準値Vrefと
ずれ,オペアンプOP1の出力が大きく変動する。この
ため、面発光レーザLD毎の自動光量制御収束値にばら
つきを生じ、これを収束させるためには収束時間を長く
取らなければならなくなる。
【0156】さらに、図21に示すタイミングチャート
によると、光量制御のあとに変調期間を設けても、変調
期間の間受光器出力と比段器出力とをホールドしてお
き、次の自動光量制御を前回の自動光量制御での最終電
圧から開始することによって、変調期間なしに連続的に
光量制御を行ったごとく目標光量に収束させることがで
きる。
【0157】例えば時刻T1fにおいて、全チャンネルc
hで1回目の自動光量制御が終了しているが、まだオペ
アンプOP1の出力は収束していない。しかし、次の自
動光量制御開始時(時刻T2s)において、前回終了時の
時刻T1sの出力から光量制御が始まるので、連続的に光
量制御を行っているのと同様に収束していく。この操作
を繰り返すことでTnsでは自動光量制御が収束し、目標
の光出力が得られる。
【0158】このように間欠的に自動光量制御を行った
場合でも、あたかも1つの面発光レーザLDで長時間連
続的に自動光量制御を行った場合と同様に収束させるこ
とができ、自動光量制御の精度を向上させることが可能
である。
【0159】1回の自動光量制御が短くても、間欠的に
これを繰り返すと光量が目標値に収束する。したがっ
て、レーザゼログラフィーのように光量制御のために連
続的に光量時制御を行うと、感光体を露光させてしまい
トナーの無駄や感光体の劣化につながる場合であって
も、間欠的に自動光量制御を行えるので、感光体への不
要な露光を防ぐことができる。特にトナーのクリーニン
グを省略したゼログラフィーの場合に有効である。また
マルチレーザの場合、1チャンネル当たりの自動光量制
御の時間が短いが、毎スキャンの光量制御を行うことが
できる。したがって、スキャン毎のレーザの特性変動が
わずかであれば、毎スキャンの光量制御で十分に特性変
動を補正することが可能である。
【0160】2.マルチレーザの構成 以下、共通電源を使用した定電圧駆動型、ダイオードを
使った定電圧駆動型、定電流駆動型についてそれぞれ説
明する。
【0161】(1)共通電源を用いた定電圧駆動型 定電圧駆動型の面発光用レーザ駆動装置は、図22に示
すように、36チャンネルで構成され、各チャンネルc
hの終端抵抗R_1〜R_36に共通する電源である電
圧源B5を備え、面発光レーザLD_1〜LD_36の
オン/オフにかかわらず電圧源B5に流れ込む電流を一
定にしたものである。
【0162】上記面発光レーザ駆動装置は、面発光レー
ザLD等からなる発光部10と、電流源Is,Is’,
Ic等からなる電流供給部20と、比較器A2,A3等
からなる設定部30と、電圧源B5,B6からなる電源
部40と、フォトダイオードPDやアンプA5,A6等
からなる受光部50とで構成されている。なお、発光部
10及び電流供給部20は、チャンネルch毎に設けら
れている。
【0163】(発光部10及び電流供給部20の構成)
各チャンネルchはそれぞれ同一に構成されている。こ
こでは、チャンネルch1を例に挙げて説明する。
【0164】チャンネルch1は、入力側に所定の電圧
が印加されている相補電流源Is,Is’と、出力側が
接地されている電流源Icと、スイッチSWsh,SW
s,SWcと、相補電流源Isの制御電圧をホールドす
るためのコンデンサCswとを備えている。
【0165】相補電流源Isの出力側は、スイッチSW
sに接続されている。スイッチSWsは、相補電流源I
sからの相補電流Isを端子a又は端子bを介して出力
する。なお、スイッチSWsは、図23に示すものと同
一であり、例えばPMOS差動構成の電流スイッチから
なる。スイッチSWsの端子aは、面発光レーザLD_
1のアノードに接続され、さらに終端抵抗R_1を介し
て電圧源B5の出力端子にも接続されている。スイッチ
SWsの端子bは、終端抵抗R4に接続され、また電圧
源B5の出力端子にも接続されている。
【0166】スイッチSWcは、端子a又は端子bから
の電流を電流源Icに供給する。なお、電流源Icの出
力側は接地されている。ここで、スイッチSWcの端子
aは、他のチャンネルchに備えられたスイッチSWc
の端子aに接続すると共に、電圧源B6の出力側にも接
続している。スイッチSWcの端子bは、スイッチSW
sの端子bに接続されている。
【0167】電流源Is’は、カレントミラー回路であ
り、相補電流源Isが出力する相補電流Isに比例した
電流Is’を共通抵抗VR1に供給する。共通抵抗VR
1の端子電圧は、電流源Icの制御電圧になる。
【0168】このような構成において、面発光レーザL
D_1がオフの時は、スイッチSWs及びスイッチSW
cはそれぞれ端子bを選択している。スイッチSWs及
びスイッチSWcがそれぞれ端子aに切り替わると、相
補電流IsはスイッチSWsを経由して終端抵抗R_1
に供給され、その一部の電流がレーザLD_1に流れ
る。このとき電流Is’は、他のチャンネルの電流I
s’と合計されて抵抗VR1に供給される。この結果、
共通抵抗VR1の電圧降下が生じる。電圧降下時の共通
抵抗VR1による電圧で、電流源Icが制御される。電
流源Is’はスイッチに接続されてなく、電流源Icの
制御電圧は連続的に印加されている。
【0169】ここで、共通抵抗VR1を適当な値に調整
することによって、電流IcをレーザLD_1を流れる
電流に対応させる。これにより、電流源Icが出力する
電流Icは、相補電流Isの一定の割合にすることがで
きる。
【0170】面発光レーザLD_1をオフするときは、
スイッチSWs及びスイッチSWcは、それぞれ端子b
を選択する。相補電流源Isが出力した相補電流Is
は、スイッチSWsを経由し、電流Icを差し引かれて
共通の電圧源B5に供給される。電流Icは、前述した
ようにIsの―定割合に相当する電流である。したがっ
て、差し引かれた後の電流(Is−Ic)は、面発光レ
ーザLD_1がオンのときの終端抵抗R_1に流れてい
た電流に一致し、電圧源B5に供給される。したがっ
て、面発光レーザLD_1がオン/オフのいずれであっ
ても、電圧源B5に供給される電流を等しくすることが
できる。すなわち、電圧源B5の出力インピーダンスを
一定にすることができる。
【0171】(設定部30の構成)つぎに、各チャンネ
ルchで共通して使用される比較器A2及び比較器A3
について説明する。
【0172】比較器A3は、電圧源B5,B6の出力電
位を設定するものである。コンデンサC3は、変調時に
制御電圧をホールドし、次のAPCを先のAPCの最終
電圧から開始させるためのものである。このため、コン
デンサC3の一端は比較器A3の出力側に接続され、そ
の他端は比較器A3の反転入力端子に接続されている。
【0173】抵抗R4の一端は、スイッチSW4の端子
aに接続され、さらに電流源I1の入力側に接続されて
いる。抵抗R4の他端は、スイッチSW4の端子bに接
続され、さらに定電圧源Vrefの正極に接続されてい
る。なお、スイッチSW4は、端子a又は端子bの電圧
を比較器A3の非反転入力端子に供給する。
【0174】例えばスイッチSW4が端子aを選択する
と、比較器A3の非反転入力端子には、抵抗R4を介し
て定電圧源Vrefの電圧Vrefが印加される。この電圧V
refは、自動光量制御時の目標値である。スイッチSW
4が端子bを選択すると、比較器A3の非反転入力端子
には、低電圧(=Vref−電流I1×抵抗R4)が印加
される。
【0175】比較器A3は、電圧源B5,B6の出力電
圧を設定する。比較器A3の非反転入力端子は、上述し
たように、スイッチSW4に接続されている。比較器A
3の反転入力端子は、スイッチSW2を介してアンプA
5の出力端子に接続され、さらにコンデンサC3を介し
て比較器A3の出力端子にも接続されている。ここで
は、電圧源B5,B6の出力電圧は、面発光レーザLD
_1の発振閾値になるように設定される。そして、この
発振閾値よりも電圧源B5,B6の出力電圧がやや低く
なるようにすれば、レーザがオフの期間に発光するのを
防止することができる。どれだけ低くするかは電流源I
1に依存する。但し、小さくしすぎると発光を停止する
ことができず、大きくしすぎると終端抵抗R_1に直列
に接続された電圧源B5で消費電力を減らすことができ
ない。
【0176】比較器A2は、各チャンネルchの相補電
流源Isの制御電圧を設定する。比較器A2の非反転入
力端子は、定電圧源Vrefに接続されている。比較器A
2の反転入力端子は、スイッチSW2を介してアンプA
5の出力端子に接続されている。比較器A2は、比較器
A3と同様に位相補償とホールド用とを兼ねたコンデン
サC2とホールドのためのスイッチSW2に接続されて
いる。詳しくは、コンデンサC2の一端は比較器A2の
出力端子に接続され、その他端は比較器A2の反転入力
端子に接続されている。
【0177】比較器A2,A3は、さらにリミッター電
圧が入力されている。リミッター付き演算増幅器である
比較器A2,A3は、例えば図24に示すCMOSで構
成されている。
【0178】ここで、面発光レーザLD_1は、電流を
増加しても光量が減少する領域がある。そこで、面発光
レーザLD_1の光量が減少し始める電圧よりも小さい
電圧を設定するために、比較器A3にはリミッター電圧
Vlimit2が設定されている。また上記と同様に、相補電
流Isが増加しても、面発光レーザLD_1の光量が減
少する領域がある。そこで、この領域に入らないように
相補電流源Isの制御電圧を設定すべく、比較器A2に
はリミッター電圧Vlimit1が設定されている。なお、定
電圧源Vrefの電圧Vrefは、目標光量を得たときの受光
器出力電圧である。
【0179】(電源部30の構成)電圧源B5は、各チ
ャンネルch共通の電圧源である。電圧源B5の出力端
子は、終端抵抗R_1を介して面発光レーザLD_1の
アノードに接続されている。他のチャンネルchでも同
様に、電圧源B5の出力端子は、終端抵抗R_2〜R_
36を介して、面発光レーザLD_2〜LD_36のア
ノードに接続されている。なお、各面発光レーザLD_
1〜LD_36のカソードは、接地されている。
【0180】電圧源B6は、面発光レーザLD_1がオ
ンの際(スイッチSWcが端子aを選択する際)に、各
チャンネルchの補正電流Icを固定すべく、電流源I
cに制御電圧を与える。これにより、スイッチSWcの
スイッチングスピードが低下するのを防止している。
【0181】(受光部50の構成)面発光レーザLD_
1〜LD_36は、光学的に1個の受光器であるフォト
ダイオードPDに結合されている。フォトダイオードP
Dのカソード側には所定の電圧が印加されている。フォ
トダイオードPDのアノード側は、スイッチSW5を介
して、抵抗R5又は抵抗R6に接続される。なお、抵抗
R5及び抵抗R6の他端は接地されている。抵抗R5及
び抵抗6は、以下の関係がある。 (抵抗R6の抵抗値)=(抵抗R5の抵抗値)×(ビー
ム数(=36))
【0182】1ビーム当たりの光量が等しい場合におい
て、上記式によれば、1ビームを点灯して抵抗R6を接
続したときのその端子電圧と、全ビームを点灯して抵抗
R5を接続したときのその端子電圧とが、等しくなるよ
うになっている。これにより、全ビームを点灯して低い
抵抗R5で出力した場合の方が、受光器の時定数を1/
ビーム数に減らすことができ、APCの収束時間を短く
することができる。特に、電源投入時など収束に時間が
必要な場合に有効である。
【0183】スイッチSW6は、抵抗R5又は抵抗R6
の端子電圧をアンプA5の非反転入力端子に供給し、さ
らにその端子電圧をスイッチSW7にも供給する。アン
プA5の反転入力端子は、抵抗R7を介して接地され、
さらに抵抗R8を介してアンプA5の出力端子に接続さ
れている。したがって、アンプA5は、非反転入力端子
に入力される電圧を増幅し、出力端子を介して出力す
る。
【0184】スイッチSW7は、端子a又は端子bを選
択する。スイッチSW7の端子aは、アンプA6の非反
転入力端子に接続され、さらにコンデンサC6を介して
接地されている。スイッチSW7の端子bは、アンプA
6の反転入力端子及び出力端子に接続されている。
【0185】アンプA6、コンデンサC6、スイッチS
W7は、抵抗R5又は抵抗R6の端子電圧をホールドす
る機能を有する。自動光量制御時において、スイッチS
W7は、端子aを選択してコンデンサC6側に接続す
る。そして、抵抗R5又は抵抗R6の端子電圧は、コン
デンサC6に供給される。自動光量制御が終了すると、
スイッチSW7は、端子bを選択しアンプA6の出力端
子に接続する。そして、APCの最終電圧、すなわちコ
ンデンサC6の電圧は、アンプA6の出力端子から出力
され、アンプA5の非反転入力端子に供給される。すな
わち、抵抗R5又は抵抗R6の端子電圧がホールドされ
る。
【0186】(全体動作)これらの動作をタイムチャー
ト図25及び図26を用いて説明する。なお、図22に
示す各双投スイッチSWの状態はレーザオフの状態であ
り、各双投スイッチが切り替わるとレーザオンになる。
これは以降の説明でも同様である。
【0187】電源投入後、最初に電圧源B5,B6の出
力電位を調節すべく、比較器A3の出力を設定する。具
体的には、スイッチSW3をオンにし、SW4を端子b
に切り替え、全面発光レーザLD_1〜LD_36を点
灯させる。そして、アンプA5の出力が基準電圧Vref
に等しくなるよう自動光量制御を行う。このとき、スイ
ッチSWc及びスイッチSWsは、上記図22に示すよ
うに、共に端子bを選択している。
【0188】各面発光レーザLD_1〜LD_36は、
各終端抵抗R_1〜R_36を介して電流が供給されて
点灯する。そして、自動光量制御を行い、電圧源B5,
B6の出力電位を設定する。
【0189】ここで、1ビーム当たりのパワーは電圧V
refのビーム数分の1となる。したがって、ビーム数が
多ければ、電圧源B5,B6はレーザの発振閾値電圧に
ほぼ等しい値に設定される。しかし、このままでは感光
体が露光し、かぶりが生じる。そこで、さらにスイッチ
SW4を端子aに切り替え、コンデンサC3の電圧をホ
ールドする。これにより、比較器A3の非反転入力端子
の電位を、抵抗R4に電流I1を流した電圧ドロップ分
下げて、電圧源B5,B6の最終電圧にしている。
【0190】すなわち、光量制御終了時には、図22に
示す時刻T1−の時点でスイッチSW3をオフに切り替
え、比較器A3の出力端子と反転入力端子間の電圧をホ
ールドする。また、スイッチSW7を端子bに切り替
え、出力をホールドする。
【0191】その後、時刻T1で、スイッチSW4を端
子bに切り替える。比較器A3の出力、すなわち電圧源
B5,B6の出力電圧を、前述したように自動光量制御
終了時よりやや低めに設定する。これにより、面発光レ
ーザLD_1は発光しなくなり、かつ消費電力を低減す
ることができる。
【0192】(相補電流Isの平均値設定)つぎに、各
面発光レーザLD_1〜LD_36に流れる相補電流I
sの平均値を設定するため、全面発光レーザLD_1〜
LD_36が点灯しているときに自動光量制御を行う。
【0193】時刻T1+において、スイッチSW5及び
スイッチSW6を抵抗R5側に切り替える。これによ
り、時定数を短くして、収束時間を短縮する。さらに、
スイッチSW2をオンにし、スイッチSW7を端子a側
に切り替え、比較器A2を使用して負帰還制御を行う。
【0194】同時に、時刻T1+において、全チャンネ
ルchのスイッチSWs及びスイッチSWcをそれぞれ
端子aに切り替え、面発光レーザLD_1〜LD_36
を点灯させ、さらに全チャンネルchのスイッチSWc
hをオンにして、コンデンサCswを充電可能にして、
自動光量制御を行う。
【0195】自動光量制御が収束した後、時刻T2−に
おいて、全チャンネルchのスイッチSWchを同時に
オフし、各チャンネルchの相補電流源Isの制御電圧
をサンプルホールドして相補電流Isの平均値を設定す
る。
【0196】また、スイッチSW2をオフにし、スイッ
チSW7を端子bに切り替える。これにより、比較器A
2の出力とアンプA6の出力を次の光量制御までホール
ドする。また、チャンネルch2〜ch36のスイッチ
SWsを端子bに切り替えて、チャンネルch1以外の
面発光レーザLD_2〜LD_36を消灯させる。
【0197】電源投入直後の最初の自動光量制御では、
受光器出力や比較器出力が収束値から大きくずれ収束時
間が長くなる。この場合、前述したように収束の時定数
が短くなるように抵抗R5を選択して、全面発光レーザ
LD_1〜LD_36を点灯させ、相補電流Isの平均
を設定することによって、収束時間を短縮することがで
きる。
【0198】つぎに、相補電流Isの平均値設定終了後
の動作について説明する。
【0199】各面発光レーザLD_1〜LD_36は、
概ね目標光量で発光しているが、特性のばらつき等によ
って、発光量にまだかなりのばらつきがある。そこで、
1チャンネルずつ個別に自動光量制御を行い、目標の光
量に近づける。また、変調動作と自動光量制御を繰り返
す通常動作の期間(T9+〜T17)に比べて、この段
階ではまだ発光量のばらつきが大きく収束に時間がかか
る。したがって、1チャンネル毎の自動光量制御の時間
も長めに設定する必要がある。なお、間歇自動光量制御
でも最終値に収束させることができるため、感光体を露
光させたくない場合には画像書込み時の光量制御タイミ
ングでもよい。
【0200】具体的な動作としては、時刻T2におい
て、スイッチSW5及びスイッチSW6を共に抵抗R6
側に切り替え、同時に、チャンネルch1のスイッチS
Ws及びスイッチSWcを共に端子aに切り替える。こ
れにより、面発光レーザLD_1を、相補電流Isの平
均値設定時から引き続いて点灯させる。
【0201】その後T2+において、スイッチSW2及
びスイッチSWchをオンにし、スイッチSW7を端子
aに切り替えて、チャンネルch1の自動光量制御を開
始する。
【0202】ここで、チャンネルchの切り替えを行う
タイミングについて、チャンネルch1からチャンネル
ch2に切り替える場合を例に挙げて説明する。
【0203】チャンネルch1の自動光量制御終了後、
時刻T3−において、最初にスイッチSWshをオフに
し、相補電流源Isの制御電圧をサンプルホールドす
る。さらに、同じタイミングでスイッチSW2をオフに
し、スイッチSW7を端子bに切り替えて、アンプA5
の出力と比較器A2の出力をホールドする。
【0204】時刻T3において、チャンネルch1のス
イッチSWs及びSWcを端子bに切り替え、チャンネ
ルch2のスイッチSWs及びSWcを端子aに切り替
える。これにより、チャンネルch1の面発光レーザL
D_1を消灯し、チャンネルch2の面発光レーザLD
_2を点灯させる。
【0205】このような消灯と点灯は、時間間隔が空い
たり重なり合ったりせず、連続的に切り替わるのが好ま
しい。しかし、数十nsecのオーダーで連続に切り替
えを行えば、各全面発光レーザLD_1〜LD_36の
収束光量に大きな誤差は生じない。
【0206】時刻T3+において、チャンネルch2の
スイッチSWchをオンにして、チャンネルch2の自
動光量制御を開始する。このように、あるチャンネルc
hNでSWchがオンになり自動光量制御を行っている
時は、N番目の面発光レーザLD_Nは必ず点灯するよ
うにタイミングを設定する。
【0207】また、消灯と点灯の切り替え動作を理想に
連続に行うことができれば、チャンネルch間の切り替
え期間中に、スイッチSW2をオンにしてスイッチSW
7を端子aに設定したまま比較器A2及びアンプA5の
出力をホールドせずに、順次各チャンネルの自動光量制
御を続行することも可能である。
【0208】以下、タイミングチャートでは省略されて
いるが、チャンネルch1からチャンネルch36まで
同様のタイミングでチャンネル切り替えを行い、面発光
レーザLD_1から面発光レーザLD_36まで順次自
動光量制御を行っていく。
【0209】ここまでのタイミング(時刻T5−)で
は、比較器A3の出力設定、相補電流Isの平均値設
定、チャンネルch1〜ch36までの出力設定を行っ
ていた。さらに、変調動作に移行する前に、期間T5+
〜T6−において、比較器A3の出力設定を、期間T6
+〜T9でチャンネルch1〜ch36毎の出力を再度
設定すべく、自動光量制御を行う。このように繰り返し
行うことによって、自動光量制御の収束値の精度を向上
させることができる。
【0210】しかし、すでに目標の設定値に近い収束値
が得られているので、2回目の自動光量制御では1回目
と比較して短時間で収束値が得られる。2回目の自動光
量制御終了後、T9+の時点から変調動作に入る。その
後、T10以降は各チャンネル毎の自動光量制御と変調
動作を繰り返し光量を目標値に保持し回路駆動の動作を
行えばよい。
【0211】(2)ダイオードを用いた定電圧駆動型 つぎに、ダイオードを使った電圧駆動型の面発光レーザ
駆動装置について説明する。なお、図22に示した面発
光レーザ駆動装置と重複する説明は省略する。
【0212】上記面発光レーザ駆動装置は、図27に示
すように、終端抵抗R_1〜R_36に2個のシリコン
ダイオードD1,D2を接続することによって消費電力
を減らしている。この面発光レーザ駆動装置は、部品点
数が多くなっているが、出力回路が独立しているため、
共通電圧源の電圧変動によるクロストークが生じないメ
リットを有する。
【0213】この面発光レーザ駆動装置は、図22に示
した装置と比べると、電圧源B5がシリコンダイオード
D1,D2の直列回路に置き換わり、さらに電流源Ic
がバイアス電流源Ibに置き換わっている。
【0214】(装置構成)各チャンネルchはそれぞれ
同一に構成されており、ここでは、チャンネルch1を
例に挙げて説明する。
【0215】チャンネルch1は、入力側に所定の電圧
が印加されているバイアス電流源Ib及び相補電流源I
sと、相補電流源Isが出力する相補電流Isを端子a
又は端子bから出力するスイッチSWsと、バイアス電
流源Ibに供給される制御電圧のオン/オフを行うスイ
ッチSWbと、相補電流源Isに供給される制御電圧の
オン/オフを行うスイッチSWshとを備えている。
【0216】終端抵抗R_1の一端は、面発光レーザL
D_1のアノード側に接続されている。終端抵抗R_1
の他端は、直列に接続されたシリコンダイオードD1_
1,D2_1のアノード側に接続されている。なお、面
発光レーザLD_1及びシリコンダイオードD2のカソ
ード側は接地している。
【0217】バイアス電流源Ibは、面発光レーザLD
_1のアノード側からバイアス電流源Ibを供給する。
スイッチSWsは、端子aに切り替わっているときは、
相補電流Isを面発光レーザLD_1及び終端抵抗R_
1に供給する。なお、スイッチSWsは、端子bに切り
替わっているときは、相補電流Isを、直列に接続され
たシリコンダイオードD3_1,D4_1,D5_1に
供給する。
【0218】設定部30及び受光部50は、図22に示
した面発光レーザ駆動装置と同様に構成されている。な
お、比較器A2は、スイッチSWshを介し、相補電流
源Isに制御電圧を供給する。比較器A3は、スイッチ
SWbを介してバイアス電流源Ibに制御電圧を供給
し、バイアス電流Ibが面発光レーザLDの発振閾値近
傍になるようにする。
【0219】(全体動作)以上のように構成された面発
光レーザ駆動装置において、図22の場合と同様にし
て、スイッチSW4を端子bに切り替える。そして、面
発光レーザLD_1がオフの期間に発光しないように、
比較器A3の非反転入力端子には、スイッチSW4で決
められた電位分下げた電圧が入力される。その電位が最
終的に各チャンネルchのバイアス電流源Ibの制御電
圧となる。
【0220】つぎに、動作をタイムチャート図28及び
図29を用いて説明する。前述した図25及び図26の
タイミングチャートとの違いは、図22に示した電圧源
B5の出力設定の代わりに、図27に示すバイアス電流
源Ibの設定を行うことである。バイアス電流源Ibの
設定は、図28及び図29に示すように、期間T0〜T
1、T5+〜T6−の期間で行う。
【0221】最初に、電源投入後時刻T0において、ス
イッチSW3をオン、SW4を端子bに切り替え、同時
に各チャンネルchのスイッチSWbをオンにする。比
較器A3は、バイアス電流源Ibの制御電圧を設定す
る。
【0222】時刻T1およびT1−において、これらの
スイッチSWをオフにして、バイアス電流源Ibの制御
電圧の設定を終了する。同様に、期間T5+〜T6−に
おいて、バイアス電流源Ibの制御電圧の設定を行う。
各チャンネルchのスイッチSWbは、このタイミング
以外はオフ状態である。そして、図22に示した電圧源
B5の出力電位の設定の代わりに、バイアス電流源Ib
の制御電圧を設定する以外、前述した図25及び図26
のタイミングと同様にする。
【0223】(3)定電流駆動型 つぎに、定電流駆動型の面発光レーザ駆動装置について
説明する。この面発光レーザ駆動装置は、終端抵抗がな
いために無駄な電流が流れない特徴がある。しかし、シ
ングルモードの面発光レーザは、内部抵抗が非常に大き
いため定電流駆動では変調速度が上がらない。そこで、
この面発光レーザ駆動装置は、図30に示すように、コ
ンデンサCsb、面発光レーザLDのオン/オフに同期
して駆動されるスイッチSWsu、微分電流(パルス信
号Vpulse)を重畳するためのコンデンサCsu等
による微分電流重畳回路を備えている。
【0224】(装置構成)具体的には、この面発光レー
ザ駆動装置は、発光部10と、電流供給部20と、設定
部30と、受光部50とを備えている。なお、設定部3
0の一部と受光部50は、図22及び図27と同様に構
成されており、異なる部分のみ説明する。
【0225】電流供給部20は、入力側に所定の電圧が
印加されているバイアス電流源Ib及び相補電流源Is
と、スイッチSWb,SWsh,SWs,SWsuと、
コンデンサCbi,Csw,Csb,Csuとを備えて
いる。
【0226】バイアス電流源Ibは、バイアス電流Ib
を面発光レーザLD_1のアノード側に供給する。な
お、面発光レーザLD_1のカソード側は接地されてい
る。バイアス電流源Ibの制御電圧は、比較器A3から
供給される。コンデンサCbiは、この制御電圧をホー
ルドするものである。
【0227】相補電流源Isは、比較器A2で設定され
た制御電圧に従って、相補電流IsをスイッチSWsに
供給する。スイッチSWsは、相補電流源Isからの相
補電流Isを端子a又は端子bから出力する。スイッチ
SWsの端子aは、面発光レーザLD_1のアノード側
に接続され、さらにコンデンサCsuを介してスイッチ
SWsuに接続されている。スイッチSWsの端子b
は、並列に接続された2つのコンデンサCx,Cyに接
続され、さらに他のチャンネルchのスイッチSWsの
端子bにも接続されている。なお、コンデンサCx,C
yの他端は接地されている。
【0228】スイッチSWsuの端子aは、コンデンサ
Csbの一端に接続され、さらに比較器A1の出力端子
にも接続されている。スイッチSWsuの端子bは、接
地されると共に、コンデンサCsbの他端に接続されて
いる。
【0229】設定部30は、比較器A1,A2,A3を
備えている。比較器A1の非反転入力端子は、定電圧源
Vrefに接続されている。比較器A1の反転入力端子
は、スイッチSW1を介してアンプA5の出力端子に接
続され、さらにコンデンサC1を介して比較器A1の出
力端子に接続されている。そして、比較器A1は、アン
プA5からの出力電圧が基準電圧Vrefに一致するよう
にスイッチSWsuに所定の電圧を出力する。
【0230】比較器A2は、各チャンネルchに対し
て、スイッチSWshを介して、相補電流源Isに制御
電圧を供給する。また、比較器A3は、各チャンネルc
hに対して、スイッチSWbを介して、バイアス電流源
Ibに制御電圧を供給する。
【0231】スイッチSWsu,SWsは、図23に示
したように、CMOSプロセスを用いて構成されるのが
好ましい。これにより、微分電流重畳時に位相がずれる
のを防止することができる。ここでは電圧Vccを基準
としているため、制御が困難である場合もある。そこ
で、図31に示すように、NMOSを用いて電圧Vss
を基準にすることもできる。この場合は、スイッチSW
sに対しゲート一段分の遅延が生じるが、数nsecの
パルス幅で変調するのでなければ、ゲート一段あたりの
遅延を1nsec以下にしておけば特に問題はない。ま
た、微分電流の振幅は比較器A1で制御するようにして
あり、これは連続点灯でAPCを行った時の光量とパル
ス点灯したときの光量が等しくなるようにすることで位
相補償が調整される。
【0232】(全体動作)以上のように構成された面発
光レーザ駆動装置について、図32及び図33に示すタ
イミングチャートを用いて説明する。
【0233】微分電流重畳回路の制御設定は、図32示
すタイミングチャートにおいて、比較器A1を使い、面
発光レーザLDをチャンネルch1からチャンネルch
36までの順番に点灯していくシーケンスを繰り返す。
比較器A1は、このときのアンプA5の出力がVrefに
一致するように、微分電流重畳回路の振幅(パルス信号
Vpulseのレベル)を制御する。ここでは、バイア
ス電流Ibを変えてチャンネルch毎の制御は行わず、
全チャンネルchを一括して制御している。このため、
面発光レーザLDまでの寄生容量を予めチャンネルch
間でばらつかないようにしておく必要がある。
【0234】この面発光レーザ駆動装置の動作は、図1
1に示した面発光レーザ駆動装置に対して行うことと同
様である。すなわち、過補償の場合にはオーバーシュー
トが生じて光量がVrefをオーバーし、補償が不足する
と基準電圧Vrefを下回るが、アンプA5の出力が基準
電圧Vrefに一致したところで補償が最適となる。この
とき、オーバーシュートもアンダーシュートも無い状態
となる。
【0235】この制御は、期間T5からT6までの各チ
ャンネルの自動光量制御が終了したあとで変調前に行っ
ている。ここでは、微分電流重畳回路の制御電圧のホー
ルドをコンデンサCsbで行っていたが、微分電流振幅
が大きく変わることはないためD/Aコンバータを利用
し、デジタル的に行っても良い。この場合のキャリブレ
ーションは例えばページ間や電源投入後などとなるが実
用上の問題はない。
【0236】3.その他の構成 図34は、自動光量制御の順序をランダマイズすること
で、自動光量制御時の設定むらを目立たなくすることを
説明する図である。
【0237】自動光量制御を全チャンネルで連続的に実
施した場合一つ前のチャンネルchの最終電圧が次のチ
ャンネルchの開始電圧に影響を与える。もし、面発光
レーザLDの特性ばらつきなどでチャンネルch間の最
終電圧の変動が大きかった場合、比較器出力が十分収束
できず図34(a)から同図(d)に示すような光量制
御の順番に特定のノイズが生じることがある。同図
(e)に示すように、このとき光量制御の順番を面発光
レーザLDの位置の順番と対応させておくと、レーザの
光量分布で低い周波数成分のばらつきを生じ、画質劣化
の原因になる。そのため光量制御の順番を、同図(f)
に示すように、レーザの配置と相関が無い様にすると、
レーザの光量分布はばらつきが高い周波数成分にシフト
し画質劣化を防止することができる。
【0238】上述した面発光レーザ駆動装置について
は、各チャンネルch内の制御電圧に大きな差がないも
のとして説明した。しかし、面発光レーザの閾値電流や
発光効率、あるいはチャンネル内で定電流回路に使用す
る演算増幅器のオフセットなどでチャンネル間の制御電
圧に差がでてくることも考えられる。この差が1チャン
ネルの自動光量性時間内に収束しない場合、全体のチャ
ンネルch間ばらつきが悪化し、画質を劣化させる。
【0239】このような場合、図35に示すように、オ
フセットキャンセル付きの面発光レーザ駆動装置が好ま
しい。この面発光レーザ駆動装置は、図30に示した面
発光レーザ駆動装置の1チャンネル分に相当する。各ス
イッチSWのオン/オフを切り替えたときの波形図を図
36に示す。なお、図35に示すスイッチSWoa,S
Wobは、オンの状態である。
【0240】この面発光レーザ駆動装置において、チャ
ンネルch間で共通のコンデンサCsの端子電圧と、比
較器A2から出力されるチャンネルch毎の制御電圧に
よって、コンデンサCo1,Co2を充電する。アンプ
Asは、非反転入力端子に供給される比較器A2からの
電圧と、コンデンサCo1,Co2の電圧とを比較する
ことで、オペアンプAs自身のオフセットも含めてばら
つきをキャンセルする。
【0241】電源投入時あるいはページ間でオフセット
蓄積用のコンデンサCo1をスイッチSWodで短絡
し、この状態で各チャンネルchの自動光量制御の時間
をかけて行う。その後、毎スキャンの自動光量制御時に
各チャンネルchに出力される制御信号をCo2に蓄積
し、Co1の端子電圧を補正すれば、数回の補正でオフ
セット分をキャンセルすることができる。
【0242】また、図37に示すようにの面発光レーザ
駆動装置を構成してもよい。この面発光レーザ駆動装置
は、図30に示したものと比べて、比較器A2の反転入
力端子と出力端子の間に複数のコンデンサCが設けられ
ている点で異なっている。具体的には、比較器A2の反
転入力端子と出力端子の間に、並列に接続された36個
のコンデンサC2_1,C2_2,・・・,C2_36
が設けられている。各コンデンサC2_1,C2_2,
・・・,C2_36の一端には、スイッチSW1,SW
2,・・・,SW36が設けられている。そして、例え
ばチャンネルch1の光量制御を行うときはスイッチS
W1がオンになり、チャンネルch2の光量制御を行う
ときはスイッチSW2がオンになる。
【0243】これにより、コンデンサC1_1は、チャ
ンネルch1の光量制御したときの比較器A2の制御電
圧によって充電される。そして、比較器A2は、次にチ
ャンネルch1の光量制御を行うときは、このコンデン
サC1_1の電圧を用いて、バイアス電流源Ibの制御
電圧を設定することができる。
【0244】したがって、上記面発光レーザ駆動装置
は、チャンネルch毎に比較器A2の出力電圧にばらつ
き生じていても、その出力電圧を他のチャンネルchの
光量制御に用いず、同じチャンネルchの光量制御に用
いている。これにより、チャンネルch毎に比較器A2
の制御電圧にばらつきがあったとしても、自動光量制御
の収束時間が長くなることを防止することができる。
【0245】
【発明の効果】本発明は、面発光レーザに並列に接続さ
れた終端抵抗に対して所定の電圧を印加する電圧源を備
え、面発光レーザのオン/オフに限らず、電圧源の出力
電圧が一定になるように電圧源の出力端子に電流を供給
することによって、その出力インピーダンスが安定し、
面発光レーザのパワー変動を抑制することができる。
【0246】また、本発明は、面発光レーザのオンに同
期して補償パルス信号を面発光レーザに供給する際に、
補償パルス信号のレベルを制御したりバイアス電流を制
御することによって、面発光レーザを流れる電流に変化
が生じても最適な状態で補償して、面発光レーザのパワ
ー変動を抑制することができる。
【0247】また、本発明は、レーザ光の光量制御を開
始するときは、前回レーザ光の光量制御を行ったときに
受光信号保持手段や制御信号出力手段に保持された信号
を用いることによって、面発光レーザの光量制御を迅速
に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基本的な電圧駆動型面発光レーザ駆
動装置の構成を示す回路図である。
【図2】 面発光レーザの端子電圧に対する電流の特性
を示す図である。
【図3】 本発明の基本的な電圧駆動型面発光レーザ駆
動装置の構成を示す回路図である。
【図4】 本発明の概略的な電流駆動型面発光レーザ駆
動装置の構成を示す回路図である。
【図5】 収束した電圧とオーバーシュートしたときの
電圧を示す図である。
【図6】 面発光レーザに印加される電圧に対する面発
光レーザを流れる電流の特性を示す図である。
【図7】 Vpulse及びバイアス電流Ibで波形の
歪みを補償することを説明する図である。
【図8】 本発明の基本的な電流駆動型面発光レーザ駆
動装置の構成を示す回路図である。
【図9】 過補償の場合と補償不足の場合を説明する図
である。
【図10】 本発明の基本的な他の電流駆動型面発光レ
ーザ駆動装置の構成を示す回路図である。
【図11】 本発明の基本的な他の電流駆動型面発光レ
ーザ駆動装置の構成を示す回路図である。
【図12】 過補償の場合と補償不足の場合において、
レーザ光の平均値と基準電圧V_APCREFの関係を
示す図である。
【図13】 本発明の基本的な他の電流駆動型面発光レ
ーザ駆動装置の構成を示す回路図である。
【図14】 本発明の基本的な他の電流駆動型面発光レ
ーザ駆動装置の構成を示す回路図である。
【図15】 過補償の場合と補償不足の場合において、
レーザ光の平均値と(基準電圧V_APCREF/2)
の関係を示す図である。
【図16】 本発明の基本的な他の電流駆動型面発光レ
ーザ駆動装置の構成を示す回路図である。
【図17】 本発明の基本的な他の電流駆動型面発光レ
ーザ駆動装置の構成を示す回路図である。
【図18】 電流源Isで補償量を制御したときの駆動
電流、レーザ電圧、補償電流、補償後の駆動電圧を示す
波形図である。
【図19】 面発光レーザの光量を制御するための面発
光レーザ駆動装置の構成を示す回路図である。
【図20】 各面発光レーザのチャンネルchを連続的
に切り替えたときのAPCの収束性を示す波形図であ
る。
【図21】 各面発光レーザのチャンネルchを切り替
え、かつ間欠的にAPC制御を行ったときの収束性を示
す波形図である。
【図22】 本発明の実施の形態に係る定電圧駆動型面
発光レーザ駆動装置の構成を示す回路図である。
【図23】 定電圧駆動型面発光レーザ駆動装置に備え
られたスイッチSWsの構成を示す回路図である。
【図24】 リミッター付きの比較器の構成を示す回路
図である。
【図25】 定電圧駆動型面発光レーザ駆動装置の動作
内容を説明するタイミングチャートである。
【図26】 定電圧駆動型面発光レーザ駆動装置の動作
内容を説明するタイミングチャートである。
【図27】 ダイオードを用いたときの定電圧駆動型面
発光レーザ駆動装置の構成を示す回路図である。
【図28】 ダイオードを用いたときの定電圧駆動型面
発光レーザ駆動装置の動作内容を説明するタイミングチ
ャートである。
【図29】 ダイオードを用いたときの定電圧駆動型面
発光レーザ駆動装置の動作内容を説明するタイミングチ
ャートである。
【図30】 本発明の実施の形態に係る定電流駆動型面
発光レーザ駆動装置の構成を示す回路図である。
【図31】 定電流駆動型面発光レーザ駆動装置に備え
られたスイッチSWsの構成を示す回路図である。
【図32】 定電流駆動型面発光レーザ駆動装置の動作
内容を説明するタイミングチャートである。
【図33】 定電流駆動型面発光レーザ駆動装置の動作
内容を説明するタイミングチャートである。
【図34】 面発光レーザの光量分布周波数成分を高周
波側にシフトするようにAPCの順序を変更することを
説明するための図である。
【図35】 オフセットキャンセル付きの面発光レーザ
駆動装置の構成を示す回路図である。
【図36】 オフセットキャンセル付きの面発光レーザ
駆動装置の各回路の波形図である。
【図37】 チャンネルch毎にコンデンサCを設けた
電流駆動型面発光レーザ駆動装置の構成を示す回路図で
ある。
【図38】 端面発光レーザと面発光レーザのV−I特
性を示す図である。
【図39】 面発光レーザの等価回路を示す図である。
【図40】 端面発光レーザの等価回路を示す図であ
る。
【図41】 面発光レーザ駆動回路の配線を示す図であ
る。
【図42】 端面発光レーザ駆動回路の配線を示す図で
ある。
【図43】 端面発光レーザの波形図である。
【図44】 面発光レーザの波形図である。
【図45】 電圧駆動型の面発光レーザ駆動装置の簡略
的な構成を示す図である。
【図46】 電圧駆動型の面発光レーザ駆動装置の構成
を示す図である。
【図47】 電圧駆動型の面発光レーザ駆動装置の簡略
的な構成を示す図である。
【図48】 電圧駆動型の面発光レーザ駆動装置の簡略
的な構成を示す図である。
【図49】 電圧駆動型の面発光レーザ駆動装置の構成
を示す図である。
【図50】 電源ICの出力インピーダンスの特性を示
す図である。
【図51】 電源ICの負荷変動の特性を示す図であ
る。
【図52】 電流駆動型の面発光レーザ駆動装置の簡略
的な構成を示す回路図である。
【図53】 電流駆動型の面発光レーザ駆動装置の問題
点を説明する図である。
【図54】 面発光レーザのV−I特性を示す図であ
る。
【図55】 VCSEL駆動時の波形を示す図である。
【図56】 従来のAPCを行う面発光レーザ駆動装置
の構成を示す回路図である。
【図57】 目標出力よりも光モニタ出力の方が大きい
ときに収束していく状態を説明する図である。
【図58】 目標出力よりも光モニタ出力の方が小さい
ときに収束していく状態を説明する図である。
【図59】 レーザの点灯タイミングが空いてチャンネ
ルchの切り替え時に比較器の出力が変動したときの収
束を説明する図である。
【図60】 レーザの点灯タイミングが重なってチャン
ネルchの切り替え時に比較器の出力が変動したときの
収束を説明する図である。
【図61】 終端抵抗にダイオードを直列に接続した電
流駆動型面発光レーザ駆動装置の概略的な構成を示す回
路図である。
【図62】 VCSELのI−L−V特性を示す図であ
る。
【図63】 2個直列に接続されたダイオードのI−V
特性を示す図である。
【符号の説明】
LD 面発光レーザ Is 相補電流源 Ib バイアス電流源 R_1〜R_36 終端抵抗 A1,A2,A3 比較器 PD フォトダイオード

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 終端抵抗と、 アノード側を前記終端抵抗の一端に接続し、前記終端抵
    抗に対して並列に接続された面発光レーザと、 前記終端抵抗の前記一端に接続し、前記面発光レーザの
    アノード側及び前記終端抵抗に電流を供給する第1の電
    流供給手段と、 前記終端抵抗の他端に接続され、所定の電圧を出力する
    電圧源と、 前記電圧源の出力電圧が一定になるように、前記面発光
    レーザのオン/オフに応じて前記電圧源の出力端子に電
    流を供給する第2の電流供給手段と、 を備えた面発光レーザ駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記終端抵抗と、前記面発光レーザと、
    前記第1及び第2の電流供給手段と、を有する複数のチ
    ャンネルを更に備え、 前記電圧源は、各チャンネルの終端抵抗の前記他端に接
    続され、 各チャンネルの第2の電源供給手段は、前記電圧源の出
    力電圧が一定になるように、前記電圧源の出力端子に電
    流を供給する請求項1記載の面発光レーザ駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記第2の電流供給手段は、前記終端抵
    抗の両端の電位差に基づいて、前記電圧源の出力端子に
    電流を供給する請求項1または請求項2記載の面発光レ
    ーザ駆動装置。
  4. 【請求項4】 終端抵抗と、 アノード側を前記終端抵抗の一端に接続し、前記終端抵
    抗に対して並列に接続された面発光レーザと、 前記終端抵抗の前記一端に接続し、前記面発光レーザの
    アノード側及び前記終端抵抗に電流を供給する電流供給
    手段と、 前記終端抵抗の他端にアノード側が接続されたダイオー
    ドと、 を備えた面発光レーザ駆動装置。
  5. 【請求項5】 レーザ光を出力する面発光レーザと、 制御電圧に従って前記面発光レーザにバイアス電流を供
    給するバイアス電流供給手段と、 前記面発光レーザをオンするときに前記面発光レーザに
    電流を供給する電流供給手段と、 前記面発光レーザのオンに同期して、補償パルス信号を
    前記面発光レーザに供給する補償パルス信号供給手段
    と、 補償パルス信号のレベルを制御する補償パルス信号制御
    手段と、 を備えた面発光レーザ駆動装置。
  6. 【請求項6】 レーザ光を出力する面発光レーザと、 制御電圧に従って前記面発光レーザにバイアス電流を供
    給するバイアス電流供給手段と、 前記面発光レーザをオンするときに前記面発光レーザに
    電流を供給する電流供給手段と、 前記面発光レーザのオンに同期して、補償パルス信号を
    前記面発光レーザに供給する補償パルス信号供給手段
    と、 前記バイアス電流供給手段の制御電圧を設定する制御電
    圧設定手段と、 を備えた面発光レーザ駆動装置。
  7. 【請求項7】 前記バイアス電流供給手段の制御電圧を
    設定する制御電圧設定手段を更に備えた請求項5記載の
    面発光レーザ駆動装置。
  8. 【請求項8】 補償パルス信号制御手段は、前記面発光
    レーザがオンになって略収束したときの収束端子電圧を
    保持し、オンになったときの面発光レーザの端子電圧が
    前記収束端子電圧になるように、前記補償パルス信号の
    レベルを制御する請求項5記載の面発光レーザ駆動装
    置。
  9. 【請求項9】 前記制御電圧設定手段は、前記面発光レ
    ーザがオンになって略収束したときの収束端子電圧を保
    持し、オンになったときの面発光レーザの端子電圧が前
    記収束端子電圧になるように、前記バイアス電流供給手
    段の制御電圧を設定する請求項6または7記載の面発光
    レーザ駆動装置。
  10. 【請求項10】 前記面発光レーザのレーザ光を受光し
    て受光信号を出力する受光手段を更に備え、 前記補償パルス信号制御手段は、前記受光手段からの受
    光信号がその基準値になるように前記補償パルス信号の
    レベルを制御する請求項5記載の面発光レーザ駆動装
    置。
  11. 【請求項11】 前記面発光レーザのレーザ光を受光し
    て受光信号を出力する受光手段を更に備え、 前記制御電圧設定手段は、前記受光手段からの受光信号
    がその基準値になるように前記バイアス電流供給手段の
    制御電圧を設定する請求項6または7記載の面発光レー
    ザ駆動装置。
  12. 【請求項12】 前記面発光レーザと、前記バイアス電
    流供給手段と、前記電流供給手段と、前記補償パルス信
    号供給手段と、を有する複数のチャンネルを備え、 いずれか1つの面発光レーザをチャンネル毎にオンさせ
    たときの前記受光手段の受光信号が、1つの面発光レー
    ザを連続してオンしているときの受光信号の基準値にな
    るように、前記補償パルス信号制御手段が前記補償パル
    ス信号のレベルを制御し、又は、前記制御電圧設定手段
    が前記バイアス電流供給手段の制御電圧を設定する請求
    項11記載の面発光レーザ駆動装置。
  13. 【請求項13】 レーザ光を出力する面発光レーザと、 前記面発光レーザからのレーザ光を受光して受光信号を
    出力する受光手段と、 前記受光手段が出力した受光信号を保持する受光信号保
    持手段と、 レーザ光の光量制御を開始するときは前回レーザ光の光
    量制御を行ったときに前記受光信号保持手段に保持され
    た受光信号と基準値とを比較し、レーザ光の光量制御中
    のときは前記受光手段からの受光信号とその基準値とを
    比較し、前記受光信号が前記基準値に収束するような制
    御信号を出力する制御信号出力手段と、 前記制御信号出力手段が出力した制御信号を保持する制
    御信号保持手段と、 レーザ光の光量制御を開始するときは前回レーザ光の光
    量制御を行ったときに前記制御信号保持手段に保持され
    た受光信号に基づいて、レーザ光の光量制御中のときは
    前記制御信号出力手段からの制御信号に基づいて、前記
    面発光レーザに電流を供給する電流供給手段と、 を備えた面発光レーザ駆動装置。
  14. 【請求項14】 前記面発光レーザと、前記電流供給手
    段と、前記制御信号保持手段とを有するチャンネルを複
    数備え、 前記各電流供給手段は、同一チャンネルの制御信号保持
    手段に保持された受光信号に基づいて、同一チャンネル
    の面発光レーザに電流を供給する請求項13記載の面発
    光レーザ駆動装置。
  15. 【請求項15】 前記受光手段は、 レーザ光を受光して電流を流すフォトダイオードと、 1チャンネル用の第1の抵抗と、 前記第1の抵抗の抵抗値を全チャンネル数で除した抵抗
    値で構成された全チャンネル用の第2の抵抗と、を備
    え、 全チャンネルの面発光レーザの光量を同時に制御すると
    きは、前記フォトダイオードと第2の抵抗とを直列に接
    続して第2の抵抗の端子電圧を前記受光信号として出力
    し、1チャンネルの面発光レーザの光量を制御するとき
    は、前記フォトダイオードと第1の抵抗とを直列に接続
    して第1の抵抗の端子電圧を前記受光信号として出力す
    る請求項14記載の面発光レーザ駆動装置。
  16. 【請求項16】 前記各チャンネルの電流供給手段は、
    面発光レーザの光量分布の空間周波数成分が高周波側に
    シフトするように、所定の順番で各面発光レーザに電流
    を供給する請求項14記載の面発光レーザ駆動装置。
  17. 【請求項17】 前記制御信号出力手段は、面発光レー
    ザを流れる電流が増加しても光量が低下するときの電流
    の最小値を電流限界値とし、前記電流供給手段が前記電
    流限界値以下で電流を出力するように制御信号を供給す
    る請求項14から16のいずれか1項記載の面発光レー
    ザ駆動装置。
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