JPH1166595A - レーザダイオード駆動装置及びレーザダイオードの駆動方法 - Google Patents

レーザダイオード駆動装置及びレーザダイオードの駆動方法

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JPH1166595A
JPH1166595A JP9219659A JP21965997A JPH1166595A JP H1166595 A JPH1166595 A JP H1166595A JP 9219659 A JP9219659 A JP 9219659A JP 21965997 A JP21965997 A JP 21965997A JP H1166595 A JPH1166595 A JP H1166595A
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current
transistor
laser
light
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JP9219659A
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Chikao Ikeda
周穂 池田
Koichi Azuma
幸一 東
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザダイオード、特にレーザダイオード
アレーでカソードが共通になったレーザダイオードを高
精度に強度変調すること。 【解決手段】 複数の電流源80、82を構成するMO
SトランジスタP2,P5のソースと電源Vccとの間
に、それぞれMOSトランジスタP2,P5のトランジ
スタ比W/Lとその抵抗値の逆数との比が同じであり、
かつレーザダイオードLD−A側から見た複数の各電流
源80、82の出力抵抗の抵抗値がレーザダイオードを
駆動可能で変調動作時の前記レーザダイオードの微分抵
抗値より十分大きくなる抵抗値を有する抵抗R1,R2
を接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザダイオードア
レーを用いレーザダイオードの発光光量を変化させなが
ら感光体に像を形成する画像形成装置に使用するに好適
なレーザダイオード駆動装置及びレーザダイオードの駆
動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年例えばレーザゼログラフィーにおい
てレーザダイオード等の半導体レーザ素子の光出力をマ
ルチビーム化することで画像出力を高速化したり、また
光通信においても異なる波長の半導体レーザ素子を同一
チップ上に作り込み、波長の多重化によって光通信速度
を向上させる試みがなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところでこのような用
途に使用されている複数のレーザダイオードを同一基板
上に形成したレーザダイオードアレーは一般にカソード
が共通に接続されている。これはNタイプの基板を使用
した方がレーザダイオードの等価直列抵抗が下げられ高
速化駆動ができること及び歩留りの点でも有利であると
いう理由による。
【0004】一方、このようなカソードが共通に接続さ
れたレーザダイオードアレーを駆動するには吐き出し型
の電流源が必要である。従来、レーザダイオードを駆動
する電流源にはバイポーラトランジスタか化合物半導体
のMESFETが用いられてきた。これらのプロセスで
吐き出し型電流源を作ろうとすると、バイポーラトラン
ジスタで構成するにはPNPトランジスタが必要となる
が、通常使用されるラテラル型PNPトランジスタでは
高速駆動ができない。
【0005】一方、高速駆動が可能なバーチカル型PN
Pトランジスタは製造プロセスが複雑で高価である。ま
た化合物半導体の場合にはホールの移動度が小さく、た
とえPチャンネル型FETができても化合物半導体を使
うメリットはない。したがって吐き出し型の電流源でレ
ーザダイオードを高速駆動したい場合には、たとえば図
3に示すようにトランジスタQ1,Q2、抵抗R1,R
2からなるスイッチングしない吐き出し型電流源10と
トランジスタQ3,Q4からなる高速スイッチングが可
能な電流スイッチ12を直列に接続し、電流スイッチ1
2のトランジスタQ3をオンすることによりトランジス
タQ6側に電流源10からの流出電流を流入させてレー
ザダイオードLDヘ電流が流れるのを停止し、電流スイ
ッチ12のトランジスタQ3をオフすることにより電流
源10よりダイオードD1を介してレーザダイオードL
Dへ電流が流れるようにする(特開平4−240787
号公報、特開平6−139607号公報)。
【0006】この方式では動作速度の遅い吐き出し型電
流源をスイッチングする必要がなく、また吐き出し型電
流源をインダクタンスを介して電流スイッチと接続する
ことで吐き出し型電流源の出力容量がレーザダイオード
の出力の変調速度に影響しないようように構成すること
ができる。
【0007】しかしこの方式で図4に示すように複数の
電流スイッチ22、24とこれらに直列接続された電流
源Q17、Q18とを並列接続したものを吐き出し型電
流源20、26に直列に接続し、複数の電流スイッチ2
2、24を選択的に駆動することによりレーザダイオー
ドの出力を強度変調した場合において、レーザダイオー
ドの出力を低くした場合にノイズが増大するという問題
が生じる。
【0008】すなわち、図4に示す電流源は、レーザダ
イオードLDの閾値電流が設定されたバイアス電流源2
6と、吸い込み型電流源22の吸い込み電流Iを基準に
して出力電流が3×Iの吐き出し型電流源20と、吸い
込み電流が1×Iの吸い込み型電流源22、吸い込み電
流が2×Iの吸い込み型電流源24の二つの吸い込み型
電流源を使用し、0、1×I,2×I,3×Iの4レベ
ルの強度変調が可能な電流源を構成している。図4にお
いて、バイアス電流源26によりレーザダイオードLD
には閾値電流が供給されている。ここに閾値電流とは半
導体レーザ素子が駆動される際に自然発光状態からレー
ザ発振状態に移行する点において半導体レーザ素子に流
れる電流をいう。トランジスタQ12,Q14をそれぞ
れ導通状態または非導通状態になるように制御する制御
信号1、2が入力されることにより吸い込み型電流源2
2、24のトランジスタQ12,Q14が非導通状態に
なった場合について考える。この場合には吐き出し型電
流源20から流出する吐き出し電流3×Iは、二つの吸
い込み電流源22、24のトランジスタQ12,Q14
が非導通状態にあるためすべてレーザダイオードLDに
流れる。
【0009】次に制御信号2により吸い込み型電流源2
4のトランジスタQ14が導通状態にされると、吸い込
み型電流源24が駆動されるので、レーザダイオードL
Dには吐き出し電流3×Iから吸い込み型電流源24に
よる吸い込み電流2×Iを差し引いた電流Iが流れる。
ところでこの時トランジスタで発生するショットノイズ
を考えると、制御信号1、2により吸い込み型電流源2
2、24のトランジスタQ12,Q14が非導通状態に
なり、吐き出し型電流源20から流出する吐き出し電流
3×IがレーザダイオードLDにすべて流れる時には√
(3×I)でS/N比は3√I/√3倍となる。
【0010】ところが制御信号2により吸い込み型電流
源24のトランジスタQ14が導通状態にされ、吐き出
し電流3×Iの内の1×IのみがレーザダイオードLD
に流れた場合、吐き出し型電流源20側と吸い込み型電
流源24側でノイズに相関がないことからショットノイ
ズは吐き出し型電流源20側の√(3×I)の二乗とと
吸い込み型電流源24側の√(2×I)の二乗との和5
Iの平方根√(5×I)となりこの時のS/N比は√I
/√5倍に低下する。このことから判るように、この方
式で強度変調を行った場合、特にレベルが小さいほどS
/N比が低下する。これはレーザゼログラフィーにおけ
る画質やあるいは多値のレーザ光通信などで問題にな
る。これらの理由からバイポーラトランジスタのNPN
トランジスタやMESFETのNチャンネル型電界効果
トランジスタにより構成された吸い込み型電流源を利用
して吐き出し型電流源を構成することには問題があっ
た。
【0011】一方、特開平7−335957号公報や特
開平8−293837号公報にはMOSFETによるレ
ーザドライバーが記載されている。CMOSならPMO
SトランジスタとNMOSトランジスタの両方を作り込
むことが可能で、しかもゲート長の徴細化によって近年
バイポーラトランジスタに近い相互コンダクタンスgm
が得られるようになってきた。
【0012】課題1)ところがゲート長の徴細化により
MOSトランジスタのドレイン電流がピンチオフ領域で
ドレイン・ソース間電圧に依存する傾向が大きくなっ
た。これはMOSトランジスタで定電流源を構成し動作
させる場合にレーザダイオードに供給する電流が変化す
るとレーザダイオードの端子電圧が変化し、その結果電
流源の電流値が変動し、強度変調での入力データに電流
源の出力電流が正確に比例しなくなるという問題があ
る。
【0013】課題2)図5にPMOSを使用した強度変
調可能な吐き出し型電流源を有するレーザダイオード駆
動装置の構成を示す。同図において、バイアス電流源3
0によりレーザダイオードLDの閾値電流Ithが設定さ
れ、重み付けした吐き出し型電流源32(吐き出し電流
1×I)、吐き出し型電流源33(吐き出し電流2×
I)を吐き出し型電流源32、33に接続された電流ス
イッチ34、35を制御信号P0,P1で制御すること
で強度変調が可能になる。強度変調のための各吐き出し
型電流源32、33を構成するPMOSトランジスタの
ゲート電位は、変調を開始する前にサンプルホールド回
路37を構成するCMOSスイッチ38を制御信号CS
をハイレベルにすることによりオンにし、レーザダイオ
ードLDの出力光を受光したフォトダイオードPDの出
力を比較器36に負帰還することにより決定され、その
値をCMOSスイッチ38をオフにしてコンデンサCsh
に保持し、変調時の制御電圧Vshとする。特にMOSF
ETはゲート入力インピーダンスが高いので図5に示す
ように変調時の制御電圧が保持されるコンデンサCshの
端子に直接接続することができる。
【0014】ところが従来2値のパルス幅変調では問題
にならなかったことが強度変調を行う場合に問題にな
る。たとえば図5の例で制御信号P1をハイレベルから
ローレベルにすると、電流源33を構成するPMOSト
ランジスタM1のドレイン電圧Vdr1 は接地電位からレ
ーザの端子電圧VLDに上昇する。このドレイン電圧Vdr
1 の変化は電流源33を構成するトランジスタM1のド
レイン・ゲート間容量を介して制御電庄Vshを上昇させ
る。その結果、電流源32、33の出力電流値は減少す
る。このように強度変調のため電流スイッチを開閉する
ことにより制御電圧Vshが変化し、変調データに対し出
力電流が正確に対応しなくなるという問題点があった。
【0015】課題3)レーザダイオードに駆動電流を供
給する電流源をMOSトランジスタで構成すると共に、
変調期間中に電流源制御電圧を保持するサンプルホール
ド回路もMOSトランジスタで構成すると電流安定性を
格段に向上することができる。特にレーザダイオードア
レーを利用し高速書き込みを行うレーザゼログラフィー
ではそのメリットが大きい。レーザダイオードアレーの
変調前の光量制御はレーザダイオードの出力光を受光す
るフォトダイオードが複数のレーザダイオードに対し一
つしかないため通常、時分割で光量を設定している。時
分割で光量制御する方法としては大別して二つある。一
つは1ラインごとに光量制御するレーザダイオードを切
り替える方式で、1ライン中に占める光量制御に要する
時間はシングルレーザと変わらないものの、光量制御す
べきレーザダイオードの数が多いほど、次の光量制御ま
での時間が長いため、変調期間中にコンデンサに保持さ
れている電流源制御電圧のドループ(電圧変動)が問題
となる。
【0016】一方もう一つの方法は1ライン中に毎回全
部のレーザダイオードを光量制御する方法で、この場合
1ラインごとにすべてのレーザダイオードが光量制御さ
れサンプルホールド回路のサンプルホールド用コンデン
サが充電され直すためサンプルホールド回路のドループ
が問題になることはない。
【0017】しかし1ライン中に占める光量制御の時間
はレーザダイオードの数が多いほど長くなり、画像を書
き込むための変調期間をその分短くしなければならず、
描画速度の低下を招く。従ってレーザゼログラフィーの
性能を低下させないためにはサンプルホールド回路のド
ループ特性を改善する必要がある。
【0018】ドループの問題は、従来のシングルレーザ
でしかもパルス幅変調のみの場合レーザの走査方向の光
量変動が走査毎に常に一定であったためレーザゼログラ
フィへの応用では視覚上大きな問題とならなかった。と
ころがレーザの走査方向と直角の副走査方向に並べたレ
ーザダイオードアレーを用いて、一回の走査毎にレーザ
ダイオードを切り替えてレーザダイオードの光量制御を
行う場合には、レーザダイオードアレーの隣接するレー
ザダイオード同士で光量制御のタイミングが異なり、僅
かのドループが画質に影響を及ぼすためドループを更に
抑制する必要があった。MOSトランジスタはバイポー
ラトランジスタに比べると桁違いにドループ特性の優れ
たサンプルホールド回路を容易に作ることができる。
【0019】ところでサンプルホールド回路には図6
(a)に示すように通常,CMOSプロセスならばCM
OSスイッチが用いられる。これはスイッチのオン抵抗
がスイッチの端子電圧に依存しないようにするためであ
る。図6において、図6(a)はCMOSスイッチ、図
6(b)はNMOSスイッチ、図6(c)、(e)はC
MOSノイズキャンセラ付きスイッチ、図6(d)、
(f)はNMOSノイズキャンセラ付きスイッチ、をそ
れぞれ用いたサンプルホールド回路を示している。図6
において100〜105はノイズキャンセラである。
【0020】一般的にCMOSスイッチのPMOSトラ
ンジスタとNMOSトランジスタのトランジスタサイズ
は二つの観点で決められる。一つはスイッチングノイズ
(ゲートからの容量結合を介して生ずる電荷の漏れ込
み)を最小にする場合で、PMOSトランジスタとNM
OSトランジスタのゲート幅を等しく設計する。こうす
るとPMOSトランジスタとNMOSトランジスタのゲ
ートからのフィードスルーが逆極性のためPMOSトラ
ンジスタとNMOSトランジスタに生ずるスイッチング
ノイズは相殺する。 しかしこの方式でスイッチングノ
イズが厳密に相殺されるのはゲート下の反転層の広がり
がPMOSトランジスタとNMOSトランジスタで等し
くなる電源電圧のほぼ1/2のときだけで、その他の電
圧ではCMOSスイッチ両端の反転層によるフィードス
ルーがPMOSトランジスタとNMOSトランジスタと
で異なるため相殺されない。このため電源電圧によらず
スイッチングノイズを減らしたい場合はMOSトランジ
スタのゲート幅を半分にしたダミーのMOSトランジス
タをコンデンサCsh側の端子に接続したり、更にノイズ
キャンセルの効果を上げるため比較器出力との間にもゲ
ート幅を半分にしたダミーのMOSトランジスタを接続
することも行われる。
【0021】もう一つの観点はオン抵抗の電源電圧依存
性を小さくする場合で、CMOSスイッチを構成するP
MOSトランジスタとNMOSトランジスタのゲートの
ゲート幅をW、ゲート長をLとしてW/Lの比(トラン
ジスタ比)をホールと電子のモビリティの逆数比で設計
する。こうするとCMOSスイッチの両端の電位が電源
電圧に一致した場合のPMOSトランジスタのオン抵抗
と、CMOSスイッチ両端の電位が接地電位に一致した
場合のNMOSトランジスタのオン抵抗の値が等しくな
る。CMOSスイッチでは通常低いオン抵抗と、低いス
イッチングノイズが要求されるためCMOSスイッチを
構成するPMOSトランジスタとNMOSトランジスタ
は最小で等しいチャンネル長で設計する。このためいず
れの観点で設計してもPMOSトランジスタとNMOS
トランジスタの幅が等しいか、またはPMOSトランジ
スタのゲート幅が大きくなる。その結果、単位面積当た
りのPN接合リークがPMOSトランジスタとNMOS
トランジスタとで略、等しいとすると、サンプルホール
ド回路がホールド状態のまま放置された場合、PMOS
トランジスタではN基板が電源に接続されているため、
このN基板とソース・ドレインであるP層とのPN接合
を通してリーク電流がサンプルホールド用コンデンサC
shに流れ込み、NMOSトランジスタではP基板が接地
されているため、このP基板とソース・ドレインである
N層とのPN接合を通してリーク電流がサンプルホール
ド用コンデンサCshから流れ出す。この結果、サンプル
ホールド回路の出力はNMOSトランジスタ、PMOS
トランジスタのソース・ドレインのPN接合からのリー
クで図7に示すようにl/2電源電圧以上の電圧に収束
する。この電圧でCMOSスイッチのNMOSトランジ
スタを駆動すると過大電流がレーザダイオードに流れレ
ーザダイオードを破壊するという問題があった。
【0022】課題4)レーザダイオードアレーの自動光
量制御では、すでに述べたように複数のレーザダイオー
ドに対して一つのフォトダイオードを使用して時分割で
光量制御する。したがって、それぞれのレーザダイオー
ドの自動光量制御はレーザダイオードの光出力を検出す
る一つのフォトダイオード出力と、レーザダイオードの
発光量の目標値に対応する一つの基準電圧とを誤差検出
手段としての比較器で比較すればよい。しかし実際には
自動光量制御のために用いられる複数の比較器は個々に
オフセットが異なっているため、各比較器の基準電圧は
個々の比較器に合わせる必要があり、基準電圧を変更す
る度に各レーザダイオード毎に調整する必要があった。
【0023】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、強度変調精度の向上を図ったレーザダイオ
ード駆動装置を提供することを第1の目的とする。
【0024】また本発明は制御系の停止等の動作不良に
よりレーザダイオードの駆動電流を制御する制御電圧を
保持する保持手段(サンプルホールド回路)が制御電圧
の保持状態を継続しても発光中のレーザダイオードが過
電流により損傷するのを防止することができるレーザダ
イオード駆動装置を提供することを第2の目的とする。
【0025】更に本発明はレーザダイオードの発光光量
を目標値に設定するための一つの基準電圧を調整するだ
けですべての複数のレーザダイオードの光量を高精度に
制御することができるレーザダイオードの駆動方法を提
供することを第3の目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】第1の目的を達成するた
めに請求項1に記載の発明は、レーザダイオードの光量
制御のための基準電圧とレーザダイオードの発光量の検
出出力とを比較する比較手段の比較結果に基づいてレー
ザダイオードの発光量が基準電圧に対応する値になるよ
うにレーザダイオードを自動光量制御した後、画像信号
に基づいてレーザ光を変調するレーザダイオード駆動装
置において、前記自動光量制御終了時の比較手段の出力
を保持する保持手段と、各々該保持手段の出力を受ける
ゲートが共通接続されたMOSトランジスタと該MOS
トランジスタのソースと接地または電源との間に接続さ
れた抵抗とで構成されると共に、レーザダイオードを駆
動するための駆動電流を供給する複数の電流源と、該複
数の電流源の各々とレーザダイオードとの間に設けられ
た複数の第1のスイッチ手段と、前記画像信号に基づい
て前記複数の第1のスイッチ手段を選択的に動作させる
ことにより前記レーザダイオードに供給する駆動電流を
変調する制御手段と、を有し、前記複数の電流源の各々
を構成するMOSトランジスタと前記抵抗において、M
OSトランジスタのゲート幅Wとゲート長Lとの比であ
るトランジスタ比W/Lと前記抵抗の抵抗値の逆数との
比が同じであり、かつレーザダイオード側から見た前記
複数の電流源の出力抵抗値がレーザダイオードを駆動可
能で変調動作時の前記レーザダイオードの微分抵抗値よ
り十分大きくなる値にしたことを特徴とする。
【0027】上記構成のレーザダイオード駆動装置で
は、レーザダイオードを駆動するための駆動電流を供給
する複数の電流源の各々を、MOSトランジスタと該M
OSトランジスタのソースと接地または電源との間にそ
れぞれ抵抗を接続して構成し、前記複数の電流源の各々
を構成するMOSトランジスタと前記抵抗においてトラ
ンジスタ比W/Lと前記抵抗の抵抗値の逆数との比が同
じであり、かつレーザダイオード側から見た前記複数の
電流源の出力抵抗値がレーザダイオードを駆動可能で変
調動作時の前記レーザダイオードの微分抵抗値より十分
大きくなる値にしたので、レーザダイオードの駆動電流
を強度変調する際にレーザダイオードの端子間電圧の変
動による駆動電流の出力変動を抑制でき、レーザダイオ
ードの強度変調精度の向上が図れると共に、レーザダイ
オードの端子間電圧が大きいレーザダイオードにも対応
することが可能になる。実際に市販されている数10m
Wの赤外レーザの場合、閾値電流付近でのレーザダイオ
ードの微分抵抗の数Ω〜数10Ωのため例えば、16階
調の強度変調を行う場合、電流源の出力抵抗値が少なく
ともこれの16倍以上になるように該抵抗値を調整すれ
ばよい。
【0028】また請求項2に記載の発明は、請求項1に
記載のレーザダイオード駆動装置において、前記複数の
電流源の各々を構成するMOSトランジスタのゲートと
接地または電源との間に、前記各MOSトランジスタの
ドレイン・ゲート間容量の総容量の16倍より大きく2
56倍より小さい容量を有するコンデンサを接続し、前
記保持手段を、前記比較手段の出力端に一端が接続され
る第2のスイッチ手段と、前記各MOSトランジスタの
ドレイン・ゲート間容量と前記コンデンサの容量との総
容量との積で表される時定数がおよそ画像信号の一画素
の周期となる出力抵抗を有し、前記第2のスイッチ手段
の他端にその入力端が接続され入力段がMOSトランジ
スタで構成されたバッファアンプと、該バッファアンプ
の入力端に一端が接続され他端が接地される前記比較手
段の出力を保持するコンデンサとで構成し、前記複数の
第1のスイッチ手段の各々を、ソースが共通接続されて
前記複数の電流源の各々の出力側に接続されゲートが相
補信号で駆動される2つのMOSトランジスタから成る
差動型電流スイッチであり、該2つのMOSトランジス
タの一方のドレインを前記レーザダイオードに接続し、
相補的にオンした際の両ドレイン電圧が等しくなるよう
に他方のドレインに直流の電圧電流特性及び動作点での
インピーダンスが前記レーザダイオードと略等しい負荷
を接続したことを特徴とする。
【0029】上記構成のレーザダイオード駆動装置で
は、複数の電流源をそれぞれ、2つのMOSトランジス
タで構成される差動型電流スイッチである第1のスイッ
チ手段を介してレーザダイオードに接続し、上記第1の
スイッチ手段を選択的に動作させることによりレーザダ
イオードを駆動する駆動電流を強度変調する際に、上記
各第1のスイッチ手段を駆動する相補信号である変調信
号のレベルを変化させても前記電流源を構成するMOS
トランジスタのドレイン・ゲート間容量の総容量より十
分、大きい容量を有するコンデンサを複数の電流源の各
々を構成するMOSトランジスタのゲートと接地または
電源との間に接続し、かつ二つの第1のスイッチ手段の
各々を構成する二つのMOSトランジスタの一方のMO
Sトランジスタのドレインにレーザダイオードと直流の
電圧電流特性及び動作点でのインピーダンスが略等価な
負荷を接続することにより複数の電流源の各々を構成す
るMOSトランジスタのゲートの電圧変動を抑制するこ
とができるので、強度変調の精度の向上が図れる。
【0030】第2の目的を達成するために請求項3に記
載の発明は、請求項2に記載のレーザダイオード駆動装
置において、前記保持手段を構成する第2のスイッチ手
段はMOSトランジスタで構成され、前記第2のスイッ
チ手段を構成するMOSトランジスタのソース・ドレイ
ンのPN接合において、電源側に接続されるP型MOS
トランジスタの基板と該トランジスタのソース・ドレイ
ンとのPN接合面積と、接地側に接続されるN型MOS
トランジスタの基板と該トランジスタのソース・ドレイ
ンとのPN接合面積との比が前記第2のスイッチ手段が
オフ状態にあり、前記レーザダイオードが発光している
時に該レーザダイオードの発光量が時間と共に減少する
方向に変化するように設定されていることを特徴とす
る。第2のスイッチ手段のMOSトランジスタの構成と
しては図6(a)乃至(f)があり、更に同図(b),
(d),(f)におけるNMOSトランジスタをPMO
Sトランジスタに置換するように構成しても使用するこ
とができる。尚、PMOSトランジスタまたはNMOS
トランジスタの基板を各々、電源、接地から浮かせて別
の電位にして動作させることも可能である。
【0031】上記構成のレーザダイオード駆動装置で
は、発光しているレーザが万が一制御系の停止などによ
って保持手段により比較手段の出力が保持される状態が
変調期間外まで継続しても変調期間内においてレーザダ
イオードの発光量が時間の経過と共に減少する方向に保
持手段の保持電圧が変化するため、過電流によりレーザ
ダイオードが被壊したり、またはレーザダイオードの被
照射面が損傷を受けるのを防止できる。
【0032】第3の目的を達成するために請求項4に記
載の発明は、レーザダイオードの発光量を検出する単一
の光検出手段を複数のレーザダイオード駆動装置で共用
するように構成され、かつレーザダイオードの光量制御
のための基準電圧と前記光検出手段の検出出力とを比較
する比較手段の比較結果に基づいて複数のレーザダイオ
ードの発光量が基準電圧に対応する値になるように複数
のレーザダイオードを時分割で光量制御するレーザダイ
オードの駆動方法において、前記複数のレーザダイオー
ドのうちのいずれか一つのレーザダイオードの光量制御
のための基準電圧を該一つのレーザダイオードを駆動す
るレーザダイオード駆動装置の比較手段に与え、残りの
他のレーザダイオードを駆動するレーザダイオード駆動
装置の各比較手段へはそれぞれ、前記基準電圧に該基準
電圧が与えられる比較手段を含む光量制御系が有するオ
フセット電圧と前記残りの他の各レーザダイオードを駆
動するレーザダイオード駆動装置の各比較手段を含む各
光量制御系が有するオフセット電圧との差を加えた値を
基準電圧として与えることを特徴とする。
【0033】上記構成のレーザダイオードの駆動方法で
は、複数のレーザダイオードのうちのいずれか一つのレ
ーザダイオードの光量制御のための一つの基準電圧を該
一つのレーザダイオードを駆動するレーザダイオード駆
動装置の比較手段に与え、残りの他のレーザダイオード
を駆動するレーザダイオード駆動装置の各比較手段へは
それぞれ、前記一つの基準電圧に該基準電圧が与えられ
る比較手段を含む光量制御系が有するオフセット電圧と
前記残りの他の各レーザダイオードを駆動するレーザダ
イオード駆動装置の各比較手段を含む各光量制御系が有
するオフセット電圧との差を加えた値を基準電圧として
与え、後は上記一つの基準電圧のみを調整することです
べてのレーザダイオードの光量調整を高精度に行うこと
ができる。
【0034】
【実施例】本発明の実施の形態を図面を参照して説明す
る。図1には本発明の実施の形態に係るレーザダイオー
ド駆動装置の構成が示されている。本実施の形態に係る
レーザダイオード駆動装置は、二つのレーザダイオード
LD−A,LD−Bに対しレーザダイオードLD−A,
LD−Bの出力光を検出して光電流を出力する光検出手
段としての受光素子PDを一つだけ設け、時分割で駆動
回路A、駆動回路BによりレーザダイオードLD−A,
LD−Bを自動光量制御し、かつ強度変調するように構
成されている。二つの駆動回路A,Bの構成は同一であ
るため、ここでは駆動回路Aのみについて説明する。図
1においてレーザダイオードLD−A,LD−Bのカソ
ードは共通接続され、接地されている。レーザダイオー
ドLD−Aのアノードは本発明の第1のスイッチ手段に
対応する電流スイッチ76、78を介して重み付き電流
源80、82が接続されている。電流源80はPMOS
トランジスタP2及びPMOSトランジスタP2のソー
スと電源Vccとの間に接続された抵抗R1より、電流源
82はPMOSトランジスタP5及びPMOSトランジ
スタP5のソースと電源Vccとの間に接続された抵抗R
2より、それぞれ構成されている。電流源80、82の
出力電流比は1:2に重み付けされており、電流源80
の出力電流を基準にして電流源80の出力電流は1×I
に、また電流源82の出力電流は2×IになるようにP
MOSトランジスタP2,P5のトランジスタ比W/L
(Wはゲート幅、Lはゲート長である。)が設定されて
いる。
【0035】また電流源80、82の出力抵抗を形成す
る抵抗R1、R2の抵抗値は、それぞれその逆数とPM
OSトランジスタP2、P5のトランジスタ比W/Lと
の比が等しく、かつレーザダイオードLD−A側から見
た電流源80、82の出力抵抗の抵抗値がレーザダイオ
ードLD−Aを駆動可能で変調後動作時のレーザダイオ
ードLD−Aの微分抵抗値より十分、大きくなる値、例
えば16階調の強度変調を行う場合、前記微分抵抗値の
16倍から256倍の値が選択される。ここで上限を2
56倍としたのはレーザダイオードのS/N比が種々の
ノイズ源により受光器出力で40dB程度であり、これ
以上増大させても抵抗R1,R2での電圧降下で電源電
圧のマージンがなくなるだけだからである。
【0036】電流スイッチ76は、ソースが共通接続さ
れ電流源80を構成するPMOSトランジスタP2のド
レインに接続される二つのPMOSトランジスタP3,
P4及びインバータ66、68より構成されている。
【0037】また電流スイッチ78は、ソースが共通接
続され電流源82を構成するPMOSトランジスタP5
のドレインに接続される二つのPMOSトランジスタP
6,P7及びインバータ70、72より構成されてい
る。電流スイッチ76、電流スイッチ78は、それぞれ
PMOSトランジスタP3,P4、あるいはPMOSト
ランジスタP6,P7、のゲートが相補信号で駆動され
る差動型電流スイッチである。
【0038】電流スイッチ76,78のPMOSトラン
ジスタP3,P6のドレインはレーザダイオードLD−
Aのアノードに、電流スイッチ76,78のPMOSト
ランジスタP4,P7のドレインはダミーロード74の
一端にそれぞれ、接続されている。ダミーロード74の
他端は接地されている。
【0039】電流スイッチ76のPMOSトランジスタ
P3のゲートにはインバータ66を介して、PMOSト
ランジスタP4のゲートにはインバータ66、68を介
してそれぞれ、制御信号P0−Aが入力されるように構
成されている。また電流スイッチ78のPMOSトラン
ジスタP6のゲートにはインバータ70を介して、PM
OSトランジスタP7のゲートにはインバータ70、7
2を介してそれぞれ、制御信号P1−Aが入力されるよ
うに構成されている。電流スイッチ76、78は制御信
号P0−A,P1−Aでスイッチング制御され、レーザ
ダイオードLD−Aを強度変調するようになっている。
電流スイッチ76,78を構成する各PMOSトランジ
スタP3、P4、P6、P7のゲートはインバータ6
8、72により相補的に駆動されることでスイッチがオ
フする際にコンデンサCi−Aの保持するレーザダイオ
ードLD−Aの駆動電流を制御する制御電圧がスイッチ
制御信号のフィードスルーで過渡的にシフトするのを防
止する。
【0040】本実施の形態では、変調レベルはレベルゼ
ロを含めて4レベルの強度変調であるが、さらに重み付
電流源を増加することにより強度変調レベルを増加する
ことが可能である。また本実施の形態にかかるレーザダ
イオード駆動装置では駆動回路をCMOSプロセスで作
製するので、PMOSトランジスタを用いて電流源8
0、82、電流スイッチ76、78を構成した吐き出し
型電流源を作ることが容易で、特にレーザダイオードア
レイのようにカソードが共通に接続され吐き出し型電流
源が必要な場合、吸い込み型電流源と吐き出し型電流源
とを組み合わせた従来の吐き出し型電流源に比較して低
ノイズ、高速で、かつ低コストの駆動回路、延いてはレ
ーザダイオード駆動装置を得ることができる。
【0041】更にレーザダイオードLD−Aのアノード
には可変電源76、PMOSトランジスタP8及び抵抗
R3からなるバイアス電流源84が接続されており、バ
イアス電流源84により常時、レーザダイオードLD−
Aに閾値電流Ithが供給されるように構成されている。
【0042】またダミーロード74の一端には可変電源
76、PMOSトランジスタP9及び抵抗R4からなる
バイアス電流源86が接続されており、バイアス電流源
86により常時、ダミーロード74にもバイアス電流が
供給されるように構成されている。バイアス電流源86
は強度変調しレーザダイオードLD−Aの端子電圧が変
化した際、同様にダミーロード74の端子電圧も変動
し、電流源80、82の出力ノードにおける電位Vdr
0−A,Vdr1−Aの変動が強度変調領域すべてで最
小にするためのものである。したがって強度変調の要求
精度により省略することも可能である。
【0043】ダミーロード74は電流スイッチ76、7
8をオン、オフした際に電流源80、82の出力ノード
における電位Vdr0−A,Vdr1−Aが直流的にも
また過渡的にも変動が小さくなるように、すなわち、直
流の電圧電流特性及び動作点でのインピーダンスがレー
ザダイオードLD−Aと略、等しくなるような負荷とし
てダイオード、抵抗、コンデンサ、インダクタンスを用
いて構成されている。したがって、電流スイッチ76、
78をオン、オフした際に電流源80、82の出力ノー
ドにおける電位Vdr0−A,Vdr1−Aの変動が抑
制される。
【0044】PDはレーザダイオードLD−Aの発光量
を検出する光検出手段として機能するフォトダイオード
であり、例えば、複数のレーザダイオードと共にパッケ
ージ内に実装され、レーザダイオードの背面からの光を
受光するPINフォトダイオードが使用される。フォト
ダイオードPDはアノードがフォトダイオードPDによ
り出力される光電流を電圧に変換する電流電圧変換手段
としての抵抗R7を介して接地され、カソードは電源V
ccに接続されている。
【0045】60はレーザダイオードLD−Aの発光光
量の目標値である基準電圧を生成する基準電源100に
より設定される基準電圧Vr1と抵抗R7により電流電圧
変換されたレーザダイオードLD−Aの発光光量に応じ
た電圧とを比較しその偏差に応じた電圧を出力する本発
明の比較手段に対応する比較器である。この比較器は演
算増幅器により構成されている。 基準電圧Vr1はレー
ザダイオードLD−Aの自動光量制御時にレーザダイオ
ードLD−Aの発光光量を光量計で測定しながら基準電
源100により設定する。しかし厳密には比較器は演算
増幅器で構成されており、比較器入力にはオフセットが
あり、更にスイッチ62ではオフする際NMOSトラン
ジスタN1,N2のゲート信号からの漏れ込みで電圧が
変動するため、実際設定される基準電圧はフォトダイオ
ードPDの光電流出力により抵抗R6の両端に生ずる電
圧に比較器60を含む光量制御系のオフセット電圧が加
わった値となる。特に比較器の入力オフセット電圧は比
較器ごとにばらつくためレーザダイオードの光量制御の
精度を上げるためには個々に基準電圧を設けたほうがよ
いが煩雑である。そこで本実施の形態ではオフセットが
レーザダイオードの駆動条件に大きく影響されないこと
を利用し、一方の基準電圧Vr1に対し、もう一方の駆動
回路Bの比較器160に供給される基準電圧Vr2を比較
器60、160の入力オフセット電圧の差を加えて印加
するように構成されている。すなわち、基準電圧Vr2は
比較器60、160の入力オフセット電圧の差だけが設
定される。これにより一方の基準電圧(本実施の形態で
は比較器60の基準電圧Vr1)を調整するだけで精度よ
く両方のレーザダイオードLD−A、LD−Bの発光光
量を高い精度で設定することができる。本実施の形態で
はレーザダイオード駆動駆動回路(レーザダイオード駆
動装置)は二つであるが、これがn個のレーザダイオー
ド駆動回路によりn個のレーザダイオードを時分割で光
量制御する場合においても、同様である。すなわち、レ
ーザダイオードの発光光量を検出する単一の光検出手段
であるフォトダイオードPDを他のレーザダイオード駆
動装置と共用するように構成されたレーザダイオードの
光量制御のための基準電圧と前記光検出手段の検出出力
とを比較する誤差検出手段としての比較器を有する複数
のレーザダイオード駆動装置l,…,n(n≧2)によ
り複数のレーザダイオード1,…,n(n≧2)を時分
割で光量制御する場合において、レーザダイオード1の
光量制御のための基準電圧1をレーザダイオード駆動装
置1の比較手段(比較器)に与え、レーザダイオード駆
動装置nへは基準電圧1にレーザダイオード駆動装置1
の比較手段の入力オフセット電圧とレーザダイオード駆
動装置nの比較手段の入力オフセット電圧との差を加え
た値を基準電圧nとして与えるようにすればよい。
【0046】比較器60の出力端は本発明の第2のスイ
ッチ手段に対応するスイッチ88を介してバッファアン
プ64の入力端及びコンデンサCsha の一端に接続され
ており、コンデンサCsha の他端は接地されている。
【0047】スイッチ88、バッファアンプ64及びコ
ンデンサCsha により自動光量制御終了時における比較
器60の出力電圧であるレーザダイオードLD−Aの駆
動電流を制御するための制御電圧を保持する保持手段9
0を構成している。保持手段90は本発明の保持手段に
対応している。
【0048】スイッチ88は、NMOSトランジスタN
1と、ソース・ドレイン間が短絡されNMOSトランジ
スタN1とバッファアンプ64の入力端との間に接続さ
れたノイズキャンセル用のNMOSトランジスタN2
と、インバータ62とを有している。NMOSトランジ
スタN1のソースは比較器60の出力端に、ドレインは
NMOSトランジスタN2のソースに接続されている。
NMOSトランジスタN2のドレインはバッファアンプ
64の入力端に接続されている。NMOSトランジスタ
N2はNMOSトランジスタN1とチャンネル長は等し
くゲート幅が半分になるように設計されている。
【0049】またNMOSトランジスタN1のゲートに
は直接、NMOSトランジスタN2のゲートにはインバ
ータ62を介して、それぞれスイッチ88のスイッチン
グを制御する制御信号APC−Aが入力されるようにな
っている。尚、NMOSトランジスタN1,N2のゲー
トへの制御信号はスイッチングノイズをできるだけ抑制
するため、動作に影響しない範囲内で立ち上がり、立ち
下がりを遅くした相補信号とすることが望ましい。
【0050】またスイッチ88がインバータ62を除
き、スイッチングノイズキヤンセル用を含めNMOSト
ランジスタだけで構成されているため故障等でスイッチ
88がオフ状態のままとなり、コンデンサCsha により
比較器60の出力の保持状態が長く続いてもその保持電
圧は接地電位側に変動し、バッファアンプ64の出力端
に接続されたNMOSトランジスタN3に流れる電流は
低下する。したがってレーザダイオードLD−Aの破壊
や被照射面へのダメージを防ぐことができる。
【0051】注意点としてはスイッチ88がNMOSト
ランジスタだけで構成されているためスイッチの両端の
電圧が1/2電源電圧以上にならないように電流出力用
トランジスタのサイズを設計しなければならない。また
ドループを少しでも減らしたい場合は、比較器60の出
力電圧のサンプルホールド時の収束電圧がバッファアン
プ64に接続されたNMOSトランジスタN3の閾値電
圧以上とならないようなPN接合面積を持つPMOSト
ランジスタを接続してもよい。この場合少しでもON抵
抗を下げたければPMOSトランジスタもスイッチとし
て駆動すればよいし、もしその必要がなければ単にPN
接合を持つソース・ドレインを短絡したPMOSトラン
ジスタだけを接続することもできる。
【0052】いずれにしてもスイッチ88を二つのMO
Sトランジスタで構成する場合には電源側に接続される
MOSトランジスタのソース・ドレインのPN接合面積
と接地側に接続されるMOSトランジスタのソース・ド
レインのPN接合面積との比がスイッチ88がオフ状態
にあり、レーザダイオードLD−Aが発光している時に
レーザダイオードLD−Aの発光量が減少する方向に変
化するように設定される。
【0053】バッファアンプ64は長時間、サンプルホ
ールドが可能であるように少なくとも入力段はMOSト
ランジスタで構成するのが望ましい。本実施の形態で
は、バッファアンプ64は例えば、CMOSトランジス
タで構成された演算増幅器が用いられる。
【0054】このように変調期間中にレーザダイオード
LD−Aの駆動電流を制御するための比較器60の出力
電圧を保持する保持手段90として、MOSトランジス
タを用いて構成されたスイッチ88と、少なくとも入力
段がMOSトランジスタで構成されたバッファアンプ6
4とを使用した保持手段90を用い、変調期間中の比較
器60の出力電圧の保持期間において保持手段90のM
OSトランジスタで構成されたスイッチのソース・ドレ
インのPN接合からの漏れ電流に起因するコンデンサC
sha により保持され電圧の変動が電流源80、82の出
力電流を低下させる方向、すなわちレーザダイオードL
D−Aが発光中であれば、その発光光量が減少する方向
に変化するように設計することで自動光量制御信号が入
って来なかった時にもレーザの破壊やあるいはレーザが
長時間照射することで生じるレーザゼログラフィーの感
光体の光疲労や、あるいは光記録であれば光媒体の劣化
を防止することができる。
【0055】さらに上記コンデンサCsha をIC内に作
りこめれば、コンデンサCsha を外部に接続した場合に
比べ出力端子部の接合部の漏れや外部コンデンサのリー
クや外部コンデンサを実装するプリント基板上のリーク
などを回避することができ保持手段(サンプルホールド
回路)のドループ特性を従来のバイポーラを使用したも
のに比べ飛躍的に改善し、レーザダイオードアレーを駆
動した際レーザダイオードの自動光量制御の間隔が広が
ることや、隣接したレーザダイオード同士で自動光量制
御のタイミングが異なることによる光量ずれで画質が劣
化するのを防止できる。
【0056】バッファアンプ64の出力端はNMOSト
ランジスタN3のゲートに接続され、NMOSトランジ
スタN3のドレインは抵抗R6を介して接地されてい
る。NMOSトランジスタN3のソースはゲート・ドレ
イン間が短絡されたPMOSトランジスタP1のドレイ
ンに接続され、PMOSトランジスタP1のソースは抵
抗R5を介して電源Vccに接続されている。PMOSト
ランジスタP1はカレントミラー回路を構成している。
抵抗R6はサンプルホールドコンデンサCshの電流リー
クによる電流源80、82を構成するPMOSトランジ
スタP2,P5のゲートにおける電圧変動がレーザLD
−Aの駆動電流に与える影響を緩和するために設けられ
ている。仮に抵抗R6を設けないと、PMOSトランジ
スタP2,P5のゲート電位の変動が二乗でドレイン電
流、すなわち電流源80、82の出力電流に影響するこ
とになる。
【0057】電流源80、82を構成するPMOSトラ
ンジスタP2,P5のゲートにはコンデンサCi−Aが
接続され、制御信号P0−A,P1−Aで電流スイッチ
76,78がスイッチングされ、レーザダイオードLD
−Aが強度変調された時にも電流源80、82の電流値
が過渡的に変動しないようにしてある。この場合にIC
チップ内にコンデンサCi−Aを形成する場合、大容量
のものは得られないためこのコンデンサCi−Aの容量
は、電流源80、82を構成するPMOSトランジスタ
P2,P5のゲート・ドレイン間の合計容量の16倍か
ら256倍以内を目安に容量を決定する。例えば16倍
に設定すると、両方の電流源が同時にオン、オフしても
電流源80、82を構成するPMOSトランジスタP
2,P5のゲート電圧の変動を1/16に押さえること
が可能になる バッファアンプ64の出力はNMOSトランジスタN3
を駆動し、カレントミラー回路を構成するPMOSトラ
ンジスタP1によって電流源80,82を定電流駆動す
る。カレントミラー回路で電流を反転したのは、バッフ
ァアンプ64を構成する演算増幅器を設計する際に入力
のダイナミックレンジを接地電位を基準にする場合が多
く、そのため演算増幅器をMOSトランジスタで構成す
る場合にその差動入力段がPMOSトランジスタとな
り、その結果電源電圧まで演算増幅器のダイナミックレ
ンジを確保できないことによる。レーザゼログラフィー
の場合、レーザダイオードの射出光の強度の変化は画像
の濃度となって現れる。しかし大きく強度が変化する画
像のエッジ部では絶対的な濃度の変動は視覚上大きな問
題とはならない。しかし広い面積で濃度が変化すると視
覚上も問題となるため本実施の形態ではカレントミラー
回路の動作で電流源80、82を構成するPMOSトラ
ンジスタP2,P5のゲート電圧が画像信号の一画素分
の時間程度で初期値に戻るようにカレントミラー回路の
出力インピーダンスを決定すれば問題ない。すなわち、
電流源80、82を構成するPMOSトランジスタP
2,P5のゲートを、PMOSトランジスタP2,P5
のゲート・ドレイン間容量と付加容量との総容量との積
として表わされる時定数が強度変調期間におけるおよそ
一画素変調期間となるような出力インピーダンスを有す
るバッファアンプ64で駆動することにより、コンデン
サCi−Aで抑制することができない上記電流源のPM
OSトランジスタP2,P5のゲート電位の変動をレー
ザダイオードLD−Aの強度変調の一画素期間内に留
め、レーザゼログラフィに応用された場合の強度変調の
精度低下による画質劣化を最小限に押さえることができ
る。ダミーロード74がレーザダイオードLD−Aと特
性が多少ずれていても精度低下を最小限にすることがで
きる。
【0058】カレントミラー回路を構成するPMOSト
ランジスタP1および電流源80、82を構成するPM
OSトランジスタP2,P5のソースと電源Vccとの間
に接続された抵抗R5,R1,R2は電流源80、82
の出力インピーダンスを高くするのに寄与している。バ
イポーラトランジスタをエミッタ接地でベースを電圧で
駆動するとコレクタ電流がベース電位に対し指数関数的
に増大するため、制御が難しく通常はエミッタに抵抗を
入れ制御性をよくしている。
【0059】しかしMOSトランジスタではゲート電位
に対しドレイン電流は二乗で変化するため特にソースに
抵抗を入れる必要は無い。MOSトランジスタの相互コ
ンダクタンスgmを大きくするためにMOSトランジス
タのチャンネル長を短くすると、MOSトランジスタで
構成する定電流源の出力インピーダンスは低下する。こ
れを補うにはMOSトランジスタを多段にするなどの方
法があるが電源電圧が低いと出力のダイナミックレンジ
が確保できない。そこで既述したように電流源80、8
2の出力インピーダンスがレーザダイオードLD−Aの
変調動作時における微分抵抗の16倍から256倍に大
きくなるような抵抗R5、R1、R2を定電流源回路を
構成するPMOSトランジスタP1,P2,P5のソー
スと電源Vccとの間に接続する。これにより16レベル
から256レベルの強度変調での精度と接続されるレー
ザダイオードLD−Aのための出力電圧のダイナミック
レンジの両方をバランスよく確保することが可能にな
る。
【0060】尚、制御信号P0−A,P1−A,APC
−A等(駆動回路Aに関して)を入力する図示してない
制御手段が本発明の制御手段に対応している。
【0061】次に上記構成からなる本実施の形態に係る
レーザダイオード駆動装置の動作を図2のタイムチャー
トを参照して説明する。最初に予めバイアス電源84、
86にレーザタイオードLD−Aの閾値電流を設定して
おく。駆動回路Bのバイアス電源についても同様であ
る。最初に駆動回路AによってレーザダイオードLD−
Aの自動光量制御を行う。先ず時刻t1で制御信号AP
C−Aがハイレベルになると、スイッチ88がオン状態
となり、保持手段90がサンプリングモードになり、比
較器60の出力電圧がコンデンサCsha に充電可能な状
態となる。
【0062】また時刻t1で制御信号P0−A,P1−
Aがハイレベルになることにより電流スイッチ76、7
8を構成するPMOSトランジスタP3,P6がオン状
態、PMOSトランジスタP4,P7がオフ状態とな
り、この結果、レーザダイオードLD−Aには電流源8
0、82より電流ILD−Aが供給され、レーザダイオ
ードLD−Aは発光する。このレーザダイオードLD−
Aの射出光は、フォトダイオードPDにより受光され、
フォトダイオードPDはレーザダイオードLD−Aの発
光光量に応じた光電流を出力する。この光電流は抵抗R
7により電圧に変換され、レーザダイオードLD−Aの
発光量を監視するためのモニタ電圧VPDとして比較器6
0の反転入力端子に入力される。比較器60の非反転入
力端子にはレーザダイオードLD−Aの自動光量制御に
おける発光量の目標値を設定するための基準電圧Vr1が
基準電源100より入力される。
【0063】比較器60は、基準電圧Vr1とモニタ電圧
VPDとを比較し、その偏差に応じた電圧をスイッチ88
を介してバッファアンプ64に出力する。この結果、コ
ンデンサCsha は比較器60の出力電圧により充電され
る。コンデンサCsha の充電電圧がバッファアンプ64
よりNMOSトランジスタN3のゲートに出力され、N
MOSトランジスタN3、カレントミラー回路を構成す
るPMOSトランジスタP1が駆動され、PMOSトラ
ンジスタP1により電流源80、82を構成するPMO
SトランジスタP2,P5が定電流駆動される。
【0064】モニタ電圧VPDは基準電源100により設
定された基準電圧Vr1に一致するまで上昇し、その後、
時刻t2で制御信号APC−Aがローレベルになると、
スイッチ88を構成するNMOSトランジスタN1がオ
フ状態となり、コンデンサCsha に自動光量制御終了時
の比較器60の出力電圧が保持される。
【0065】また時刻t2で制御信号P0−A,P1−
Aがローレベルになることにより電流スイッチ76、7
8を構成するPMOSトランジスタP3,P6がオフ状
態、PMOSトランジスタP4,P7がオン状態とな
り、この結果、これまで電流源80、82よりレーザダ
イオードLD−Aに供給されていた電流ILD-Aはダミー
ロード74に供給され、レーザダイオードLD−Aは消
灯し、フォトダイオードPDの受光光量も零となるので
モニタ電圧VPDも零になる。
【0066】次に時刻t3で制御信号P0−Aがハイレ
ベルになると、電流スイッチ76を構成するPMOSト
ランジスタP3がオン状態になるので、電流源80の出
力電流(1×I)がレーザダイオードLD−Aに供給さ
れ、レベル1の強度変調が行われる。このとき電流スイ
ッチ76のPMOSトランジスタP4,電流スイッチ7
8のPMOSトランジスタP6はオフ状態、電流スイッ
チ78のPMOSトランジスタP7はオン状態になるの
でダミーロード74には電流源82から2×Iの電流が
供給される。
【0067】また時刻t4で制御信号P0−Aがローレ
ベルになり、制御信号P1−Aがハイレベルになると、
電流スイッチ76のPMOSトランジスタP3がオフ状
態、PMOSトランジスタP4がオン状態、電流スイッ
チ78のPMOSトランジスタP6がオン状態、PMO
SトランジスタP7がオフ状態になるので、電流源82
の出力電流(2×I)がレーザダイオードLD−Aに供
給され、レベル2の強度変調が行われる。このときダミ
ーロード74には電流源80より(1×I)の電流が供
給される。
【0068】更に時刻t5で制御信号P0−Aがローレ
ベルの状態からハイレベルになり、制御信号P1−Aが
ハイレベルの状態のまま維持されると、電流スイッチ7
6のPMOSトランジスタP3がオン状態、PMOSト
ランジスタP4がオフ状態、電流スイッチ78のPMO
SトランジスタP6がオン状態、PMOSトランジスタ
P7がオフ状態になるので、電流源80の出力電流(1
×I)及び電流源82の出力電流(2×I)がレーザダ
イオードLD−Aに供給され、レベル3の強度変調が行
われる。このときダミーロード74にはバイアス電源8
6のPMOSトランジスタP9より所定のバイアス電流
のみが供給される。時刻t6で制御信号P0−A、P1
−Aが共にハイレベルからローレベルになると、電流ス
イッチ76のPMOSトランジスタP3がオフ状態、P
MOSトランジスタP4がオン状態、電流スイッチ78
のPMOSトランジスタP6がオフ状態、PMOSトラ
ンジスタP7がオン状態になるので、電流源80、82
の出力電流はすべてダミーロード74に流れ、レーザダ
イオードLD−Aにはバイアス電源84より閾値電流I
thが供給されるだけであり、時刻t2〜t3の期間と同
じレベル0の強度変調がなされる。レーザダイオードL
D−Aに流れる電流ILD−Aの変化に応じて抵抗R7
より比較器60の反転入力端子に入力されるモニタ電圧
VPDも変化する。
【0069】時刻t7以降では、駆動回路Bによりレー
ザダイオードLD−Bの自動光量制御及び自動光量制御
の後の強度変調動作が行なわれるが、駆動回路Aにより
レーザダイオードLD−Aについて時刻t1〜t6で行
なわれた自動光量制御及び強度変調動作と内容が同一で
あるので説明を省略する。
【0070】以上述べたように、本発明の実施の形態に
よれば、複数の電流源の各々を構成するPMOSトラン
ジスタのソースと電源との間にレーザダイオードの動作
時における微分抵抗から算出した適切な抵抗を接続する
ことで、強度変調時の精度を確保しつつ出力電圧のダイ
ナミックレンジも確保することが可能になる。
【0071】また駆動回路と制御電圧の保持回路をCM
OSトランジスタで作製するためPMOSトランジスタ
を用いて吐き出し電流源を作ることも容易で、特にレー
ザダイオードアレーのようにカソードが共通に接続され
吐き出し電流源が必要な場合、吸い込み電流源と吐き出
し電流源を組み合せた従来の吐き出し電流源に比べ低ノ
イズ、高速、低コストの駆動回路を得ることができると
共にMOSトランジスタのハイインピーダンス性により
外付けのコンデンサを用いることなしに制御電圧の保持
特性を改善することができる。
【0072】更に電流源を構成するPMOSトランジス
タのゲートと電源との間に電流源を構成するPMOSト
ランジスタのゲート・ドレイン間の総容量より十分、大
きい容量を有するコンデンサを接続することにより、強
度変調時に電流源がオン、オフする際生じる電流源を構
成するPMOSトランジスタのゲート電位の変動を抑制
することができる。
【0073】また電流スイッチのレーザ接続側と、逆側
に接続したレーザダイオードと直流の電圧電流特性及び
動作点でのインピーダンスが略、等しいダミーロードを
接続することにより電流源を構成するPMOSトランジ
スタのドレイン電位の変動を小さくすることができ、そ
して複数の電流源の各々を構成するPMOSトランジス
タのゲートを、これらのPMOSトランジスタのゲート
・ドレイン間容量と付加容量との総容量との積で表され
る時定数がレーザ変調期間のおよそ一画素変調期間とな
るような出力インピーダンスを有するバッファで駆動す
ることにより上記ゲート電位の変動防止用のコンデンサ
で押さえきれない電流源を構成するPMOSトランジス
タのゲート電位の変動をレーザ変調の一画素変調期間内
にとどめレーザゼログラフィーに応用された場合の強度
変調の精度低下による画質劣化を最小限に押さえること
ができる。
【0074】更にレーザダイオードアレーで必要なレー
ザダイオード毎の個別の基準電位を、一つの基準電位を
一つの駆動回路の比較器の基準電位とし、その他の駆動
回路の比較器の基準電位は、それぞれ先に与えた一つの
基準電位が接続された比較器を含む光量制御系のオフセ
ットと、その他の各駆動回路の比較器を含む各光量制御
系とのオフセット差分を先の基準電位に加えて与えるよ
うにしたので、最初にオフセットの差分を設定しておけ
ば、その後は上記一つの基準電位のみを調整することで
レーザダイオードアレーのすべてのレーザダイオードの
出力光量を正確に制御することができる。
【0075】
【発明の効果】以上に説明したように請求項1に記載の
発明によれば、レーザダイオードを駆動するための駆動
電流を供給する複数の電流源の各々を、MOSトランジ
スタと該MOSトランジスタのソースと接地または電源
との間にそれぞれ抵抗を接続して構成し、前記複数の電
流源の各々を構成するMOSトランジスタと前記抵抗に
おいてトランジスタ比W/Lと前記抵抗の抵抗値の逆数
との比が同じであり、かつレーザダイオード側から見た
前記複数の電流源の出力抵抗値がレーザダイオードを駆
動可能で変調動作時の前記レーザダイオードの微分抵抗
値より十分大きくなる値にしたので、レーザダイオード
の駆動電流を強度変調する際にレーザダイオードの端子
間電圧の変動による駆動電流の出力変動を抑制でき、レ
ーザダイオードの強度変調精度の向上が図れると共に、
前記抵抗による電圧降下を最小にできるのでレーザダイ
オードの端子間電圧が大きいレーザダイオードにも対応
することが可能になる。
【0076】また請求項2に記載の発明によれば、複数
の電流源をそれぞれ、2つのMOSトランジスタで構成
される差動型電流スイッチを用いてレーザダイオードを
駆動する駆動電流を強度変調する際に、上記各差動型電
流スイッチを駆動しても前記電流源を構成するMOSト
ランジスタのドレイン・ゲート間の総容量より十分、大
きい容量を有するコンデンサを複数の電流源の各々を構
成するMOSトランジスタのゲートと接地または電源と
の間に接続し、かつ二つの電流切換スイッチ手段の各々
を構成する二つのMOSトランジスタの一方のMOSト
ランジスタのドレインにレーザダイオードと直流の電圧
電流特性及び動作点でのインピーダンスが略等価な負荷
を接続することにより複数の電流源の各々を構成するM
OSトランジスタのゲートの電圧変動を抑制することが
できるので、強度変調の精度の向上が図れる。
【0077】更に請求項3に記載の発明によれば、発光
しているレーザが万が一制御系の停止などによって保持
手段により比較手段の出力が保持される状態が変調期間
外まで継続しても変調期間内においてレーザダイオード
の発光量が減少する方向に保持手段の保持電圧が変化す
るため、過電流によりレーザダイオードが被壊したり、
またはレーザダイオードの被照射面が損傷を受けるのを
防止できる。
【0078】また請求項4に記載の発明によれば、複数
のレーザダイオードのうちのいずれか一つのレーザダイ
オードの光量制御のための一つの基準電圧を該一つのレ
ーザダイオードを駆動するレーザダイオード駆動装置の
比較手段に与え、残りの他のレーザダイオードを駆動す
るレーザダイオード駆動装置の各比較手段へはそれぞ
れ、前記一つの基準電圧に該基準電圧が与えられる比較
手段の入力オフセット電圧と前記残りの他の各レーザダ
イオードを駆動するレーザダイオード駆動装置の各比較
手段の入力オフセット電圧との差を加えた値を基準電圧
として与え、後は上記一つの基準電圧のみを調整するこ
とですべてのレーザダイオードの光量調整を高精度に行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るレーザダイオード
駆動装置の構成を示す回路図。
【図2】 図1に示したレーザダイオード駆動装置の動
作を説明するためのタイムチャート。
【図3】 吐き出し型電流源を用いた従来のレーザダイ
オード駆動装置の要部の構成を示す回路図。
【図4】 複数の吐き出し型電流源を用いた従来のレー
ザダイオード駆動装置の要部の構成を示す回路図。
【図5】 PMOSトランジスタを利用した従来のレー
ザダイオード駆動装置の要部の構成を示す回路図。
【図6】 MOSトランジスタを用いたサンプルホール
ド回路の構成例を示す回路図。
【図7】 サンプルホールド回路における制御電圧保持
状態でのコンデンサ側のスイッチ端子における収束電圧
とスイッチを構成するMOSトランジスタの電源側と接
地側のPN接合面積比との関係を示す説明図。
【符号の説明】
LD−A レーザダイオード LD−B レーザ
ダイオード PD フォトダイオード 60 比較器 62 インバータ 64 バッフ
ァアンプ 66 インバータ 68 インバ
ータ 70 インバータ 72 インバ
ータ 76 電流スイッチ 78 電流ス
イッチ 80 電流源 82 電流源 84 バイアス電流源 86 バイア
ス電流源 88 スイッチ90 90 駆動電流制御電圧保持手段 100 基準電源 160 比較
器 200 基準電源

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザダイオードの光量制御のための基
    準電圧とレーザダイオードの発光量の検出出力とを比較
    する比較手段の比較結果に基づいてレーザダイオードの
    発光量が基準電圧に対応する値になるようにレーザダイ
    オードを自動光量制御した後、画像信号に基づいてレー
    ザ光を変調するレーザダイオード駆動装置において、 前記自動光量制御終了時の比較手段の出力を保持する保
    持手段と、 各々該保持手段の出力を受けるゲートが共通接続された
    MOSトランジスタと該MOSトランジスタのソースと
    接地または電源との間に接続された抵抗とで構成される
    と共に、レーザダイオードを駆動するための駆動電流を
    供給する複数の電流源と、 該複数の電流源の各々とレーザダイオードとの間に設け
    られた複数の第1のスイッチ手段と、 前記画像信号に基づいて前記複数の第1のスイッチ手段
    を選択的に動作させることにより前記レーザダイオード
    に供給する駆動電流を変調する制御手段と、を有し、 前記複数の電流源の各々を構成するMOSトランジスタ
    と前記抵抗において、MOSトランジスタのゲート幅W
    とゲート長Lとの比であるトランジスタ比W/Lと前記
    抵抗の抵抗値の逆数との比が同じであり、かつレーザダ
    イオード側から見た前記複数の電流源の出力抵抗値がレ
    ーザダイオードを駆動可能で変調動作時の前記レーザダ
    イオードの微分抵抗値より十分大きくなる値にしたこと
    を特徴とするレーザダイオード駆動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のレーザダイオード駆動
    装置において、前記複数の電流源の各々を構成するMO
    Sトランジスタのゲートと接地または電源との間に、前
    記各MOSトランジスタのドレイン・ゲート間容量の総
    容量の16倍より大きく256倍より小さい容量を有す
    るコンデンサを接続し、 前記保持手段を、 前記比較手段の出力端に一端が接続される第2のスイッ
    チ手段と、 前記各MOSトランジスタのドレイン・ゲート間容量と
    前記コンデンサの容量との総容量との積で表される時定
    数がおよそ画像信号の一画素の周期となる出力抵抗を有
    し、前記第2のスイッチ手段の他端にその入力端が接続
    され入力段がMOSトランジスタで構成されたバッファ
    アンプと、 該バッファアンプの入力端に一端が接続され他端が接地
    される前記比較手段の出力を保持するコンデンサとで構
    成し、 前記複数の第1のスイッチ手段の各々を、ソースが共通
    接続されて前記複数の電流源の各々の出力側に接続され
    ゲートが相補信号で駆動される2つのMOSトランジス
    タから成る差動型電流スイッチであり、該2つのMOS
    トランジスタの一方のドレインを前記レーザダイオード
    に接続し、相補的にオンした際の両ドレイン電圧が等し
    くなるように他方のドレインに直流の電圧電流特性及び
    動作点でのインピーダンスが前記レーザダイオードと略
    等しい負荷を接続したことを特徴とするレーザダイオー
    ド駆動装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のレーザダイオード駆動
    装置において、 前記保持手段を構成する第2のスイッチ手段はMOSト
    ランジスタで構成され、 前記第2のスイッチ手段を構成するMOSトランジスタ
    のソース・ドレインのPN接合において、電源側に接続
    されるP型MOSトランジスタの基板と該トランジスタ
    のソース・ドレインとのPN接合面積と、接地側に接続
    されるN型MOSトランジスタの基板と該トランジスタ
    のソース・ドレインとのPN接合面積との比が前記第2
    のスイッチ手段がオフ状態にあり、前記レーザダイオー
    ドが発光している時に該レーザダイオードの発光量が時
    間と共に減少する方向に変化するように設定されている
    ことを特徴とするレーザダイオード駆動装置。
  4. 【請求項4】 レーザダイオードの発光量を検出する単
    一の光検出手段を複数のレーザダイオード駆動装置で共
    用するように構成され、かつレーザダイオードの光量制
    御のための基準電圧と前記光検出手段の検出出力とを比
    較する比較手段の比較結果に基づいて複数のレーザダイ
    オードの発光量が基準電圧に対応する値になるように複
    数のレーザダイオードを時分割で光量制御するレーザダ
    イオードの駆動方法において、 前記複数のレーザダイオードのうちのいずれか一つのレ
    ーザダイオードの光量制御のための基準電圧を該一つの
    レーザダイオードを駆動するレーザダイオード駆動装置
    の比較手段に与え、残りの他のレーザダイオードを駆動
    するレーザダイオード駆動装置の各比較手段へはそれぞ
    れ、前記基準電圧に該基準電圧が与えられる比較手段を
    含む光量制御系が有するオフセット電圧と前記残りの他
    の各レーザダイオードを駆動するレーザダイオード駆動
    装置の各比較手段を含む各光量制御系が有するオフセッ
    ト電圧との差を加えた値を基準電圧として与えることを
    特徴とするレーザダイオードの駆動方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010516012A (ja) * 2007-01-05 2010-05-13 シリコン・コア・テクノロジー・インコーポレーテッド 高性能のdvdライト電流回路
CN117477918A (zh) * 2023-12-27 2024-01-30 成都氮矽科技有限公司 驱动信号输入检测电路、GaN栅驱动器和MOSFET栅驱动器

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