JP4145990B2 - 気化性金属防錆用組成物 - Google Patents

気化性金属防錆用組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP4145990B2
JP4145990B2 JP12364998A JP12364998A JP4145990B2 JP 4145990 B2 JP4145990 B2 JP 4145990B2 JP 12364998 A JP12364998 A JP 12364998A JP 12364998 A JP12364998 A JP 12364998A JP 4145990 B2 JP4145990 B2 JP 4145990B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water retention
nitrite
ammonium
water
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP12364998A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11315387A (ja
Inventor
信義 南部
和彦 福田
群 鄭
Original Assignee
株式会社キレスト技研
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社キレスト技研 filed Critical 株式会社キレスト技研
Priority to JP12364998A priority Critical patent/JP4145990B2/ja
Priority to PCT/JP1999/002165 priority patent/WO1999057333A1/ja
Publication of JPH11315387A publication Critical patent/JPH11315387A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4145990B2 publication Critical patent/JP4145990B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23FNON-MECHANICAL REMOVAL OF METALLIC MATERIAL FROM SURFACE; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL; MULTI-STEP PROCESSES FOR SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL INVOLVING AT LEAST ONE PROCESS PROVIDED FOR IN CLASS C23 AND AT LEAST ONE PROCESS COVERED BY SUBCLASS C21D OR C22F OR CLASS C25
    • C23F11/00Inhibiting corrosion of metallic material by applying inhibitors to the surface in danger of corrosion or adding them to the corrosive agent
    • C23F11/02Inhibiting corrosion of metallic material by applying inhibitors to the surface in danger of corrosion or adding them to the corrosive agent in air or gases by adding vapour phase inhibitors

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は気化性金属防錆用組成物に関し、たとえば鉄鋼材製の各種機械部品や自動車部品の如く酸化を受け易い金属からなる機具や部品等を保管し搬送し、もしくは輸送する際に、その表面が酸化を受けて発錆するのを防止するための金属防錆用組成物に関し、特に短期および長期のいずれにおいても優れた防錆能を発揮すると共に、使用済み後は防錆部品表面から簡単に除去することのできる気化性金属防錆用組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記の様な金属材の防錆対策として従来から最も汎用されてきたのは、防錆対象となる金属部材の表面に防錆油を塗布して油膜を形成し、防錆原因となる酸素や水分を遮断する方法である。ところが防錆油を使用する方法では、用済み後の油膜の除去が煩雑であることから、最近では少量で優れた防錆効果を発揮し、しかも用済み後は簡単に除去することのできる気化性防錆剤が広く実用化され始めている。
【0003】
この種の気化性金属防錆剤は、一般にVCI(Volatile Corrosion Inhibitor)と呼ばれており、代表的なものとしては、昇華性のシクロヘキシルアンモニウムシクロカルバメート[C611NHCOO・H3 NC611:CHC]やジイソプロピルアミン・亜硝酸塩{[(CH32 CH]2 NH・HNO2 :DIPAN}、ジシクロヘキシルアミン・硝酸塩[(C6112 NH・HNO2 :DICAN]等が知られている。
【0004】
ところが、CHCはその蒸気圧が4×10-1mmHg(25℃)と高く、初期防錆には優れた効果を発揮するが、蒸気圧が高いため長期防錆を発揮させるには包装形態を厳密に行なわねばならない。一方、DICANの蒸気圧は1×10-4mmHg(25℃)と低く、防錆効果を発揮するには20時間以上が必要であり、長期防錆には優れているものの初期防錆に欠ける。
【0005】
更に、DIPANの蒸気圧は5×10-3mmHg(25℃)であり、CHCとDICANの中間であり、初期防錆と長期防錆の両方に優れた性能を有するVCIと言えるが、長期に亘って大気中に放置するとその一部が変質してジイソプロピル−N−ニトロソアミンを生成することが知られており、このジイソプロピル−N−ニトロソアミンは、最近発癌性を有することが指摘されるにおよび、その使用には健康面から厳重な注意が必要となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、気化性防錆剤として初期防錆能および長期防錆能のいずれにも優れかつ健康障害を生じることがなく、更には錆が発生し易い高温多湿条件下においても優れた防錆能を発揮し、且つ用済み後は被防錆製品から簡単に除去することのできる気化性金属防錆用組成物を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決することのできた本発明にかかる気化性金属防錆用組成物とは、有機アミンの亜硝酸塩と、無機酸アンモニウム塩および/または有機酸アンモニウム塩、および保水性もしくは水持続放出性助剤を含み、初期防錆能と長期防錆能を兼備せしめたところに特徴を有している。
【0008】
本発明の気化性金属防錆用組成物を構成する上記亜硝酸塩としては、下記式[1]で示される水溶性亜硝酸塩が好ましいものとして例示され、これらは単独で使用し得る他、必要により2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
(R1 )(R2 )(R3 )N・HNO2 ……[1]
(式中、R1 ,R2 ,R3 は夫々同一もしくは異なって、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基もしくはアルカノール基を表わし、少なくとも1 つの基はアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基もしくはアルカノール基を表わす)
上記亜硝酸塩の中でも特に好ましいのは、ジシクロヘキシルアミンの亜硝酸塩である。
【0009】
また上記アンモニウム塩としては、ホウ酸、燐酸、炭酸および有機カルボン酸のアンモニウム塩、より具体的には、下記式[2],[3],[4]で示される水溶性アンモニウム塩が好ましいものとして挙げられ、これらも単独で使用し得る他、2種以上を適宜併用することができる。
(NH4447 ,(NH4 )2HPO4 ,(NH4 )3PO4 ,(NH4 )HCO3 ,( NH4 )2CO3 …[2]
4 −COO・NH4 …[3]
(上記式[3]中、R4 は水素原子または置換基を有していてもよい一価の炭化水素基を表わす)
4 N・OOC−R5 −COO・NH4 …[4]
(上記式[4]中、R5 は置換基を有していてもよい二価の炭化水素基を表わす)
上記アンモニウム塩の中でも特に好ましいのは、安息香酸アンモニウム、サリチル酸アンモニウム、p−ニトロ安息香酸アンモニウムである。
【0010】
また上記保水性もしくは水持続放出性助剤としては、下記方法によって求められる保水倍率が0.03〜1.0 倍であるものが好ましく、
(保水倍率測定法)
試料を100 ℃で24時間乾燥してからその一定量を秤取し、25℃で相対湿度100 %に保った容器内に入れる。同温度・ 同湿度で24時間放置した後に取り出して重量を測定し、下記式によって保水倍率を求める。
保水倍率=( 保水後の重量−乾燥状態の重量)/乾燥状態の重量
【0011】
こうした保水倍率を有するものであれば、様々の物質が挙げられるが、容易に入手することができて且つ適度の保水倍率を有するものとして特に好ましいのは、動物性繊維、植物性繊維、再生繊維、合成繊維などの繊維であり、中でも特に好ましいのはセルロース繊維粉末である。
【0012】
また本発明組成物においては、上記アンモニウム塩の含有量を、上記亜硝酸塩100モルに対し1〜20モル、上記保水性もしくは水持続放出性助剤の含有量を、上記アンモニウム塩と亜硝酸塩の総和100重量部に対し1〜1000重量部の範囲とすることにより、初期防錆能および長期防錆能のいずれにおいても非常に優れた気化性金属防錆用組成物となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
上記の様に本発明では、有機アミンの亜硝酸塩(以下、A成分ということがある)の1種以上と、無機もしくは有機アンモニウム塩(以下、B成分ということがある)の1種以上と、保水性もしくは水持続放出性助剤(以下、単に保水性助剤ということがある)の1種以上を必須成分として含有するものであり、これら3成分を含有させることによって、後記実施例でも明らかにする如く、気化性金属防錆剤として粉末状の保水性助剤を用いて粉末状のままで使用する場合はもとより、該粉末混合物を錠剤あるいは顆粒状にして使用することも可能であり、またA成分とB成分を溶剤に溶解した後、保水性助剤に含浸させて使用する場合でも、酸化腐食性金属材に対して非常に優れた防錆効果を発揮する防錆用組成物を得ることができる。
【0014】
ここで用いられるA成分として特に好ましいのは、前記式[1]で示される有機アミンの亜硝酸塩であり、該式[1]中の好ましいアルキル基としては炭素数1〜6の低級アルキル基、好ましいシクロアルキル基としては置換基を有していてもシクロヘキシル基、好ましいアルケニル基としては炭素数1〜6の低級アルケニル基、好ましいアルカノール基としてはメタノール、エタノール、プロパノールの如き炭素数1〜6の低級アルカノールである。A成分として特に実用性の高いものは、ジヘキシルアミン・亜硝酸塩、シクロヘキシルアミン・亜硝酸塩、ジシクロヘキシルアミン・亜硝酸塩( DICHAN) などが例示される。これらの中でもとりわけ好ましいのはDICHANである。
【0015】
次にB成分として好ましいのは、ホウ酸、燐酸、炭酸および有機カルボン酸のアンモニウム塩である。ホウ酸アンモニウム塩の中にはメタホウ酸アンモニウム、オルトホウ酸アンモニウム、四ホウ酸アンモニウムなどが挙げられるが、中でも特に好ましいのは四ホウ酸アンモニウム塩である。燐酸アンモニウム塩としては燐酸一アンモニウム、燐酸二アンモニウム、燐酸三アンモニウムが挙げられるが、好ましいのは燐酸二アンモニウムと燐酸三アンモニウムである。炭酸アンモニウムとしては炭酸二アンモニウム、炭酸一アンモニウムがいずれも好ましく使用される。
【0016】
また有機カルボン酸のアンモニウム塩としては、一価もしくは多価カルボン酸のアンモニウム塩が挙げられるが、中でも好ましいのは前記式[3]で示される一価カルボン酸のアンモニウム塩や前記式[4]で示される二価カルボン酸のジアンモニウム塩である。なお、前記式[3]、[4]において、置換基を有していてもよい一価の炭化水素基としては、炭素数が1〜6の低級アルキル基、低級アルキレン基、低級アルケニル基、低級アルカノール基、芳香族基であり、中でも特に好ましいのは低級アルキル基と芳香族基である。
【0017】
上記アンモニウム塩の中でも、本発明において最も好ましいのは、炭酸アンモニウム、安息香酸アンモニウム、サリチル酸アンモニウム、p-ニトロ安息香酸アンモニウム、セバシン酸アンモニウムであり、安息香酸アンモニウムは最も好ましいアンモニウム塩として推奨される。
【0018】
上記アンモニウム塩は、夫々単独で使用してもよく、或いは必要に応じて2 種以上を適当に組み合わせて使用することが可能である。
【0019】
さらに保水性助剤としては、後で詳述する如く加水分解に必要な適量の水を保持し或いは少しずつ放出する性質を持ったものであればどのような物質であっても構わないが、前述した適度の保水倍率を有し且つ安価で容易に入手することができるものとして特に好ましいのは繊維質物質であり、その種類は、動物性繊維、植物性繊維、再生繊維、合成繊維の如何を問わず、たとえば羊毛、綿、麻、セルロース、ビスコースレーヨン等が例示されるが、それらの中でも特に好ましいのはセルロース繊維である。これらの繊維は、後述する如く使用時に雰囲気中の水分を適度に吸水して上記有機アミノ化合物の亜硝酸塩とアンモニウム塩の加水分解反応を進めるうえで重要な機能を果たすものであり、保水性が不足する場合は、加水分解の進行が遅くて初期防錆能が不足気味になる傾向が生じ、一方高過ぎる場合は、加水分解が進み過ぎて長期防錆能が損なわれる恐れがあるので、該繊維としては、前記方法によって求められる保水倍率が0.03〜1.0 倍、より好ましくは0.05〜0.3 倍のものを選択使用すべきである。
【0020】
ちなみに、「加水分解用の水分を保持する」という機能のみからすれば、例えばカルボキシメチルセルロースや澱粉、あるいは各種吸水性樹脂などの粉末を使用することも有効と考えられるが、これら吸水性高分子物質では、使用に際し短時間で雰囲気中の水分を大量に吸収し、上記有機アミンの亜硝酸塩とアンモニウム塩の加水分解反応が短時間のうちに進行し、長期防錆能が有効に発揮できなくなる。
【0021】
上記A,B成分、および保水性助剤によって発揮される金属防錆作用は次の様に説明することができる。
【0022】
すなわち初期防錆の段階や錆の発錆が著しい比較的高温多湿雰囲気下では、大気中の水分が保水性助剤に保持され、更にこの水に前記A,B成分が溶解して下記式で示す加水分解反応を起こし、常温において蒸気圧が高く且つ防錆効果に優れた亜硝酸アンモニウムを生成する。
( R1 )(R2 )(R3 ) N・HNO2 +R4 −COO・NH4 +H2 O→ ( R1 )(R2 )(R3 ) N・OH+R4 −COOH+NH4 NO2
また長期防錆の段階では、加水分解されないで残った上記A成分が徐々に気化し、金属表面で酸化腐食を防止する。
【0023】
すなわち本発明では、前記A,B成分と、保水性助剤によって適度に保持もしくは放出される水分の存在による加水分解作用によって、初期防錆能、長期防錆能、高温多湿下での防錆能のすべてに優れた作用を発揮するものであり、これらのうち1成分でも欠く場合は本発明で意図する様な高レベルの防錆効果を得ることができない。
【0024】
そしてこうした短期・長期両方の防錆効果をより有効に発揮させるには、上記B成分の配合量を、A成分100モルに対して1モル以上、より好ましくは5モル以上で、且つ20モル以下、より好ましくは15モル以下とするのがよく、B成分の配合量が不足する場合は、加水分解による亜硝酸アンモニウムの生成量が不足するため初期防錆能が不足気味となり、一方B成分の配合量が多過ぎる場合は、A成分の加水分解による消費量が多くなり過ぎて長期防錆能が不十分になる傾向が生じてくる。
【0025】
また上記保水性助剤の配合量は、その保水倍率に応じて広い範囲から選ぶことができるが、一般的な基準としては、上記A,B成分の総和100重量部に対して1重量部以上、より好ましくは2重量部以上で且つ1000重量部以下、より好ましくは100 重量部以下とするのがよく、該助剤の配合量が不足する場合は、保水量不足により加水分解反応が不足気味となって十分な初期防錆効果が得られ難くなり、逆に多過ぎると、保水量が多くなり過ぎて加水分解が短時間の内に完結し、長期防錆効果が十分に発揮され難くなる。
【0026】
本発明の防錆用組成物を実用化するに当たっては、上記A,B成分を上記の様な好適配合比率で使用し、更に粉末状の保水性助剤を上記A,B成分100重量部に対して好ましくは2.5〜10重量部の比率で配合し粉末状のまま使用するか、あるいは錠剤あるいは顆粒に成形して用いられる。また、上記A,B成分を上記好適配合比率で使用し、それらを好ましくは1重量%以上、より好ましくは5重量%以上で且つ25重量%以下、より好ましくは10重量%以下となる様にアルコールなどの無害な有機溶剤に溶解し、これを保水性助剤として用いる織・編物状,不織布状、紐状などの繊維に含浸させた後、有機溶剤を揮発させて用いられる。
【0027】
かくして本発明によれば、保水性もしくは水持続性助剤により保持され或は少しずつ放出される水分を利用し、且つ前記A成分とB成分の加水分解作用をうまく活用することによって、初期防錆能と長期防錆能を兼ね備えると共に多湿雰囲気下においても優れた防錆能を発揮する気化性防錆用組成物を提供し得ることになった。
【0028】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0029】
実施例
有機アミンの亜硝酸塩とアンモニウム塩および保水性繊維を、下記表1,2に示す含有比率で配合して得た防錆用組成物について、JIS Z 15194.4に準じてH形の「気化性錆止め試験」およびJIS Z 15194.5に準じてH形の「曝露後の気化性錆止め試験」を行い、夫々の防錆性能を調べたところ、表1,2に示す結果が得られた。
【0030】
なお、実験で保水性もしくは水持続放出性助剤として使用した繊維の前記方法によって求められる保水倍率は下記の通りであり、また防錆剤の使用量は、粉末と錠剤の場合は0.05gとし、繊維布に含浸させた防錆剤は防錆成分の量が0.05gとなる様に使用し、下記の基準で評価した。
(繊維の保水倍率)
セルロース:0.1倍
吸水性樹脂:5.0 倍
アクリル系繊維:0.01倍
(防錆効果の評価基準)
◎:全く錆を生じない
○:5個未満の点錆発生
△:5〜10の点錆発生
×:11個以上の点錆発生
【0031】
【表1】
Figure 0004145990
【0032】
【表2】
Figure 0004145990
【0033】
上記表1,2において、実施例1〜5は本発明の規定要件を満たす実施例であり、比較例1〜6は上記実施例のうち1もしくは2成分を併用しなかった比較例である。夫々を対比すれば明らかである様に、3成分を含む各実施例は比較例に比べていずれも優れた防錆能を有していることが分かる。また比較例6は、気化性錆止め試験の結果は良好であるが、曝露後の気化性錆止め試験では、曝露中にすべての防錆成分が気化消失しており、防錆能が認められなかった。
【0034】
また、比較例7は保水倍率の高い吸水性樹脂を使用した例であり、防錆成分の加水分解が使用の初期に進行し、満足のいく防錆効果が得られていない。更に比較例8は殆ど保水性を持たない合成繊維を使用した例であり、やはり満足のいく防錆効果は期待できない。
【0035】
また下記表3は、高さ方向への防錆成分の有効到達距離を調べた結果を示したものであり、試験は下記の方法によって行った。
【0036】
(防錆成分の有効到達距離)
240#研磨布で研磨した熱間圧延鋼板(SS−41、45mm×45mm×8mm)を、30cm×30cmm×180cmのアクリル系樹脂製容器(163リットル)の底部から19cmの間隔で高さ方向に吊り下げ、また底部には5g(保水性繊維布に含浸させた防錆剤の場合は、防錆成分の量が5gとなる様に含浸量を調整した) を入れた容器を入れ、蓋をしてガムテープでシールして密封する。この容器全体を20℃の室内に1ヶ月放置した後、錆発生の有無を目視により下記の基準で評価し、下記表3に示す結果を得た。
◎:全く錆を生じない
○:10個未満の点錆発生
△:10〜20個の点錆発生
×:21個以上の点錆発生
【0037】
【表3】
Figure 0004145990
【0038】
上記表3において、実施例1〜5は本発明の規定要件を満たす実施例であり、比較例1〜6は、上記実施例のうち1もしくは2成分を配合しなかった比較例である。夫々を対比すれば明らかである様に、3成分を含む実施例は比較例に比べていずれも優れた防錆能を有していることが分かる。
【0039】
【発明の効果】
本発明は以上の様に構成されており、A,B成分と保水性もしくは水持続放出性助剤を必須成分として含有させ、好ましくはそれら各成分を前述した好適比率で配合することによって、それら物質から揮発する防錆成分によって気相雰囲気中において優れた防錆性能を示す防錆用組成物を提供し得ることになった。特にこの組成物は、従来の気化性防錆剤に比べて初期防錆および長期防錆のいずれにおいても優れた防錆作用を維持することができる他、高湿度雰囲気中においても優れた防錆作用を発揮する。またこの組成物は、粉末状のままで優れた防錆作用を発揮する他、錠剤や顆粒状あるいはそれらを紙や布などの繊維に含浸させて気化性成分を揮発させることにより防錆作用を発揮させることもでき、用途に応じて様々の形態で幅広く活用することができる。

Claims (5)

  1. 有機アミンの亜硝酸塩と、無機酸アンモニウム塩および/または有機酸アンモニウム塩、および保水性もしくは水持続放出性助剤を含有し、
    上記亜硝酸塩がジヘキシルアミン・亜硝酸塩、シクロヘキシルアミン・亜硝酸塩、ジシクロヘキシルアミン・亜硝酸塩 ( DICHAN ) から選ばれる少なくとも1種であり、
    上記アンモニウム塩が、炭酸アンモニウム、安息香酸アンモニウム、サリチル酸アンモニウム、p−ニトロ安息香酸アンモニウム、セバシン酸アンモニウムから選ばれる少なくとも1種であり、
    上記アンモニウム塩の含有量が、上記亜硝酸塩100モルに対し1〜20モルであることを特徴とする気化性金属防錆用組成物。
  2. 上記保水性もしくは水持続放出性助剤の、下記方法によって求められる保水倍率が0.03〜1.0倍である請求項1に記載の気化性金属防錆用組成物。
    (保水倍率測定法)試料を100℃で24時間乾燥してからその一定量を秤取し、25℃で相対湿度100%に保った容器内に入れる。同温度・同湿度で24時間放置した後に取り出して重量を測定し、下記式によって保水倍率を求める。
    保水倍率=(保水後の重量−乾燥状態の重量)/乾燥状態の重量
  3. 上記保水性もしくは水持続放出性助剤が、動物性繊維、植物性繊維、再生繊維、合成繊維から選ばれる少なくとも1種である請求項1または2に記載の気化性金属防錆用組成物。
  4. 上記繊維がセルロース繊維粉末である請求項に記載の気化性金属防錆用組成物。
  5. 上記保水性もしくは水持続放出性助剤の含有量が、上記アンモニウム塩と亜硝酸塩の総和100重量部に対し1〜1000重量部である請求項1〜のいずれかに記載の気化性金属防錆用組成物。
JP12364998A 1998-05-06 1998-05-06 気化性金属防錆用組成物 Expired - Lifetime JP4145990B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12364998A JP4145990B2 (ja) 1998-05-06 1998-05-06 気化性金属防錆用組成物
PCT/JP1999/002165 WO1999057333A1 (fr) 1998-05-06 1999-04-22 Composition antirouille vaporisable pour metaux

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12364998A JP4145990B2 (ja) 1998-05-06 1998-05-06 気化性金属防錆用組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11315387A JPH11315387A (ja) 1999-11-16
JP4145990B2 true JP4145990B2 (ja) 2008-09-03

Family

ID=14865837

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12364998A Expired - Lifetime JP4145990B2 (ja) 1998-05-06 1998-05-06 気化性金属防錆用組成物

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP4145990B2 (ja)
WO (1) WO1999057333A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107419273A (zh) * 2017-06-28 2017-12-01 常州凯恒纺织品有限公司 一种水基防锈剂及其制备方法

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4149708B2 (ja) * 2002-01-16 2008-09-17 中部キレスト株式会社 気化性固形防錆剤
CN1320164C (zh) * 2003-10-22 2007-06-06 北京化工大学 用于工业设备保护的气相缓蚀剂及其制备方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS599180A (ja) * 1982-07-08 1984-01-18 Chiyoda Kagaku Kenkyusho:Kk 気化性の金属防錆剤
JPH01100286A (ja) * 1987-10-09 1989-04-18 Nitto Denko Corp 防錆用物品
JP3659765B2 (ja) * 1997-05-20 2005-06-15 株式会社キレスト技研 金属防食用組成物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107419273A (zh) * 2017-06-28 2017-12-01 常州凯恒纺织品有限公司 一种水基防锈剂及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11315387A (ja) 1999-11-16
WO1999057333A1 (fr) 1999-11-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5745872B2 (ja) 気相腐食防止剤組成物、その製造方法および腐食に対する一時的な保護のためのその使用
CN104937092B (zh) 汽车空调器用清洗剂及填充有其的汽车空调器清洗用气溶胶容器
JP4145990B2 (ja) 気化性金属防錆用組成物
JPS61111398A (ja) コバルト含有金属の機械加工方法
JP4347458B2 (ja) 気化性防錆剤
JP2013036093A (ja) 徐放性防錆材
US2837432A (en) Corrosion inhibitor
JP4149708B2 (ja) 気化性固形防錆剤
JP3659765B2 (ja) 金属防食用組成物
JP5531180B2 (ja) 非可燃性を有する気化性防錆剤
JP5668256B2 (ja) 気化性防錆剤組成物
JP5712341B2 (ja) 防錆剤組成物
JP5660780B2 (ja) 金属腐食防止剤組成物
JP4406334B2 (ja) 気化性防錆紙用防錆剤組成物
JPS58193377A (ja) 気化性防錆剤
JPS5827345B2 (ja) 防錆剤組成物
JP5152688B2 (ja) 防錆紙
JP2851598B2 (ja) 防錆防蝕剤および防錆防蝕紙
JP6432028B2 (ja) 気化性防錆剤
JP4122158B2 (ja) 防錆塗工液、並びにこれを用いた防錆板紙及び防錆段ボール
JPS6071799A (ja) 気化性防錆紙
JPS6033371A (ja) 防食剤
JP3054668B2 (ja) 防錆包装材料
JPS5839786A (ja) 鉄系金属の防錆剤
JPH1192975A (ja) 防錆薬剤及び防錆方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040713

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050422

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080325

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080526

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080617

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080619

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110627

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120627

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120627

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130627

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140627

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term