JP4122158B2 - 防錆塗工液、並びにこれを用いた防錆板紙及び防錆段ボール - Google Patents

防錆塗工液、並びにこれを用いた防錆板紙及び防錆段ボール Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、防錆塗工液、並びにこれを用いた防錆板紙及び防錆段ボールに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来から、防錆を目的とする包装材料としては、種々の包装材料が知られており、例えば、特許第2829314号公報に開示された防錆剤を練り込んだ熱可塑性樹脂フィルムや、特開平8−41663号公報に開示された防錆剤の水溶液やメタノール、イソプロピルアルコール、エタノール等のアルコール溶液を含浸又は塗布した紙等が知られている。
【0003】
しかしながら、上記の防錆剤を練り込んだ熱可塑性樹脂フィルムは、気体の透過を妨げる性質を有するために防錆剤が樹脂内に埋没してしまい、かえって、防錆剤の気化量が減少し、防錆効率が低下する場合がある。また、上記の防錆剤の水溶液やメタノール、イソプロピルアルコール、エタノール等のアルコール溶液を含浸又は塗布した紙等は、防錆剤の気化が抑制されないため、防錆剤の気化速度が速すぎ、防錆効果が長時間保持されにくい場合がある。
【0004】
そこで、この発明は、防錆効果を発揮してほしい時、特に錆の発生しやすい湿度の高いときに十分に防錆剤が気化され、かつ、防錆効果が長時間保持される防錆塗工液及びこれを用いた包装材料を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、防錆剤、水膨潤性又は水溶性の定着剤、消泡剤を含有し、上記防錆剤の含有率が全体の25〜70重量%、上記定着剤の含有量が全体の1〜10重量%である防錆塗工液を用いることにより、上記の課題を解決したのである。
【0006】
防錆剤に定着剤、特に水膨潤性又は水溶性の定着剤を加えて用いるので、低湿度では、防錆剤の気化が抑制され、一方、高湿度では、定着剤の膨潤によって防錆剤が気化しやすくなる。このため、高湿度の場合に選択的に気化しやすくなり、また、防錆効果を長時間保持することが可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下において、この発明について詳細に説明する。
この発明にかかる防錆塗工液は、防錆剤、定着剤、消泡剤を含有する。
上記防錆剤とは、防錆効果を発揮する化合物をいい、気化又は飛散して防錆効果を発揮するものをいう。このような防錆剤としては、それ自身が気化性を有する気化性防錆剤、単独では気化性はないが、他の化合物と反応して気化性を発現する反応気化性防錆剤、水に溶解し、水蒸気と共に飛散して防錆効果を発揮する飛散性防錆剤等があげられる。上記の各防錆剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0008】
上記気化性防錆剤としては、亜硝酸ジシクロヘキシルアンモニウム、亜硝酸ジイソプロピルアンモニウム、亜硝酸ニトロナフタリンアンモニウム等の亜硝酸化合物、カプリル酸、カプリル酸ジシクロヘキシルアンモニウム等のカプリル酸系化合物、ラウリン酸シクロヘキシルアンモニウム等のラウリン酸系化合物、アクリル酸ジシクロヘキシルアンモニウム、アクリル酸シクロヘキシルアミン等のアクリル酸系化合物、炭酸シクロヘキシルアミン等の炭酸化合物、安息香酸モノエタノールアミン、安息香酸シクロヘキシルアミン、安息香酸イソプロピル、安息香酸ブチル等の安息香酸化合物、桂皮酸ブチル等の桂皮酸化合物、カプリン酸等のカプリン酸化合物、カルバミン酸アンモニウム等のカルバミン酸化合物、サリチル酸ジシクロへキシルアンモニウム等のサリチル酸化合物、モノエチルアミン、ジエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、メチルモルホリン、エチルモルホリン、ヘキサメチレンテトラミン等のアミン化合物、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、メチルヒドロキシピラゾール、メルカプトベンゾチアゾール、ジメルカプトチアジアゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール等の複素環化合物類、尿素、チオ尿素等の尿素化合物等があげられる。
【0009】
上記反応気化性防錆剤としては、亜硝酸ナトリウムと尿素との組み合わせ、亜硝酸ナトリウムとヘキサメチレンテトラミン系との組み合わせ、又は亜硝酸ナトリウムと安息香酸アンモニウムとの組み合わせ等があげられる。
上記飛散性防錆剤としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、フタル酸、フタル酸ナトリウム等の芳香族カルボン酸又はその塩、クエン酸、コハク酸、酒石酸、カプロン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の炭素数4〜18の飽和若しくは不飽和脂肪酸のアルカリ金属塩やアンモニウム塩等の塩等があげられる。
【0010】
上記定着剤は、上記の防錆剤、特に気化性防錆剤及び反応気化性防錆剤を保持するものであり、湿度が高くなると、膨潤して上記防錆剤を開放するもの、すなわち、水膨潤性又は水溶性の物質がよい。このような定着剤としては、水溶性又は水膨潤性の天然或いは半合成化合物、水溶性又は水膨潤性の合成高分子化合物、多価アルコール類、界面活性剤等があげられる。
【0011】
上記水溶性又は水膨潤性の天然或いは半合成化合物としては、ゼラチン、アルブミン、カゼイン、デンプン、エーテル化デンプン、エステル化デンプン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、アセチル化セルロース、硝酸セルロース、アセタール化セルロース等のセルロース誘導体、寒天、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム等があげられる。
【0012】
上記水溶性又は水膨潤性の合成高分子化合物としては、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、エチレン・無水マレイン酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、メチルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体等やそれらの誘導体等があげられる。
【0013】
上記多価アルコール類としては、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール等の炭素数が2〜3、水酸基の数が2〜3のものやその誘導体等があげられる。
【0014】
上記界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等があげられる。
また、上記以外に、アルコールを加えると、紙への浸透効果が高まり、また、溶媒としての効果も得られる。
【0015】
上記消泡剤は、得られる防錆塗工液を板紙等の基材に塗布する際に発泡が生じ、塗工量が不安定になったり、作業性が悪くなったりするのを防止するために必要なものである。この消泡剤としては、油脂系消泡剤、脂肪酸系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤、アルコール系消泡剤、エーテル系消泡剤、りん酸エステル系消泡剤、アミン系消泡剤、アミド系消泡剤、金属せっけん系消泡剤、硫酸エステル系消泡剤、シリコーン系消泡剤等があげられ、また、これら以外に硫酸第二鉄,ボーキサイト,三塩化三フッ化プロパン等があげられる。
【0016】
上記油脂系消泡剤としては、ヒマシ油、ゴマ油、アマニ油、動植物油等があげられる。さらに、上記脂肪酸系消泡剤としては、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸等があげられる。
【0017】
また、上記脂肪酸エステル系消泡剤としては、ステアリン酸イソアミル、こはく酸ジステアリル、エチレングリコールジステアレート、ソルビタンモノラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンソリブタンモノラウリン酸エステル、ステアリン酸ブチル、天然ワックス、モノグリセリド等があげられる。
【0018】
さらに、上記アルコール系消泡剤としては、ポリオキシアルキレングリコールとその誘導体、ポリオキシアルキレンモノハイドリックアルコール、ジ−t−アミルフェノキシエタノール、3−ヘプタノール、2−エチルヘキサノール等があげられる。
【0019】
さらにまた、上記エーテル系消泡剤としては、ジ−t−アミルフェノキシエタノール−3−ヘプチルセロソルブ、ノニルセロソルブ−3−ヘプチルカルビトール等があげられる。
【0020】
また、上記りん酸エステル系消泡剤としては、トリブチルフォスフェート、Naオクチルフォスフェート、トリス(ブトキシエチル)フォスフェート等があげられる。
【0021】
さらに、上記アミン系消泡剤としては、ジアミルアミン等があげられる。さらにまた、上記アミド系消泡剤としては、ポリアルキレンアミド、アシレートポリアミン、ジオクタデカノイルピペラジン等があげられる。
【0022】
また、上記金属せっけん系消泡剤としては、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸カリウム、羊毛オレイン酸のカルシウム塩等があげられる。さらに、上記硫酸エステル系消泡剤としては、ラウリル硫酸エステルナトリウム等があげられる。
【0023】
さらにまた、上記シリコーン系消泡剤としては、ジメチルポリシロキサン、シリコーンペースト、シリコーンエマルジョン、シリコーン処理粉末、有機変性ポリシロキサン、フッ素シリコーン等があげられる。
【0024】
上記防錆剤の防錆塗工液全体に対する含有率は、25〜70重量%がよく、30〜60重量%が好ましい。25重量%より少ないと、紙に塗工した場合に、十分な効果が得られない場合がある。一方、70重量%より多いと、塗工液としての物性に劣る場合がある。
【0025】
また、上記防錆剤中の気化性防錆剤及び反応気化性防錆剤の合計の含有量は、50重量%以上がよく、75重量%以上が好ましい。50重量%より少ないと、気化性防錆効果が不十分な場合がある。なお、上記防錆剤が全て気化性防錆剤又は反応気化性防錆剤であってもよい。
【0026】
さらに、上記定着剤の防錆塗工液全体に対する含有率は、1〜10重量%がよく、1.5〜6.5重量%が好ましい。1重量%より少ないと、効果が持続しない場合がある。一方、10重量%より多いと、効果が十分に発揮されない場合がある。
【0027】
さらにまた、上記消泡剤の防錆塗工液全体に対する含有率は、0.0001〜1重量%がよい。0.0001重量%より少ないと、消泡効果が十分に発揮されない場合がある。一方、1重量%より多くてもよいが、過剰であり、必要性に乏しい。
【0028】
得られる防錆塗工液の泡立ち度は、45ml以下がよく、20ml以下がよい。45mlより大きいと、実際の塗工機での塗工量が不十分となり、また、塗工パンから液もれがする等、作業性が悪化する場合がある。なお、泡立ち度は、測定対象液100mlを200mlポリビーカーに入れ、高速分散機(特殊機化工業(株)製;T.K.ホモディスパー modelL、撹拌翼:折畳式クローバ羽根)にて3000rpmで1分間撹拌し、撹拌直後の泡立ち容積を測定し、容積の増加量を泡立ち度(ml)として評価する。
【0029】
また、得られる防錆塗工液のザーンカップ粘度は、粘度計No.3で10〜50秒がよく、15〜40秒が好ましい。10秒より小さいと、塗工量が少なく、また、塗工量にむらが生じやすい。一方、50秒より大きいと、塗工量は多いが、塗工面が乾燥不十分になったり、防錆剤の剥落の可能性が生じる。なお、上記ザーンカップ粘度は、ザーンカップ粘度計No.3を用いてTAPPI(パルプおよび紙技術協会) UM629に記載の澱粉溶液の粘度(ザーンカップ)の試験法によって測定することができる。
【0030】
この発明にかかる防錆塗工液を板紙等の基材に塗工することにより、防錆板紙が得られる。さらに、この防錆板紙を少なくとも1枚用いた段ボールは、防錆段ボールとして、内容物に対する防錆効果を発揮することができる。
【0031】
上記の塗工法としては、既知の各種方法を採用することができ、刷毛、バーコーター、ロールコーター、ブレードコーター、キスコーター、エアナイフコーター、ロッドコーター、ブラシコーター、カーテンコーター、チャンプレックスコーター、グラビアコーター等の塗工法を例示することができる。上記防錆塗工液の塗布量は、10〜50g/m2がよく、12〜35g/m2が好ましい。10g/m2より少ないと、十分に防錆効果を発揮しない場合がある。一方、50g/m2より多くてもよいが、表面がべとつく場合があり、50g/m2で十分である。
【0032】
上記防錆板紙の基材として使用される板紙としては、段ボール原紙、紙器用板紙、その他の板紙等があげられる。この段ボール原紙としては、クラフトライナ、ジュートライナ、内装用ライナ等のライナ、セミ中しん、特しん等の中しん等があげられる。上記紙器用板紙としては、マニラボール、白ボール等の白板紙、黄ボール、チップボール、色ボール等があげられる。上記その他の板紙としては、紙管原紙やワンプ等があげられる。
【0033】
上記防錆板紙の透湿度は、1500g/m2・24h以上がよく、2000〜2600g/m2・24hが好ましい。1500g/m2・24hより小さいと効果が不十分となる場合がある。
【0034】
上記防錆板紙や防錆段ボールは、それ自身、あるいは防錆板紙を使用した紙器や、防錆段ボールを使用した段ボールケース等に加工することにより、銀、鋼、鉄、銅、亜鉛等の金属に対する防錆効果を発揮することができる。
【0035】
また、上記の防錆板紙や防錆段ボールとして使用される上記板紙類の坪量は、特に限定されるものではなく、坪量にかかわらず防錆効果を発揮することができる。
【0036】
【実施例】
以下に実施例及び比較例をあげてこの発明をさらに具体的に説明する。まず、実施例及び比較例の評価法について説明する。
【0037】
[粘度(ザーンカップ粘度)]
TAPPI(パルプおよび紙技術協会) UM629に記載の澱粉溶液の粘度(ザーンカップ)の試験法により、(株)離合社製ザーンカップ粘度計No.3を用い、液温20℃で測定した。
【0038】
[泡立ち度]
測定対象液100mlを200mlポリビーカーに入れ、高速分散機(特殊機化工業(株)製;T.K.ホモディスパー modelL、撹拌翼:折畳式クローバ羽根)にて3000rpmで1分間撹拌し、撹拌直後の泡立ち容積を測定し、容積の増加量を泡立ち度(ml)とした。
【0039】
[透湿度]
JIS Z 0208に記載の防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)にしたがい、40℃、90%RHで透湿度を測定した。
【0040】
[防錆効果1]
JIS Z 1535 に記載の気化性さび止め性試験にしたがい、実施例及び比較例で得られた塗工板紙の鋼材に対する防錆試験を行った。その結果を下記の基準で評価した。
◎:錆が全く見られない
○:一部、錆が見られるが、全体的には防錆効果あり
△:全体的に錆が見られる
×:錆の進行が顕著である
【0041】
[防錆効果2]
実施例及び比較例で得られた塗工板紙を25℃、10日間大気開放した後、防錆効果1に記載の方法にしたがって防錆効果を測定した。その結果を上記の基準で評価した。
【0042】
[防錆効果3]
実施例及び比較例で得られた塗工板紙をライナとして用いた段ボールを製造した。そして、この段ボールを用いて、防錆効果1に記載の方法にしたがって防錆効果を測定した。その結果を上記の基準で評価した。
【0043】
[防錆効果4]
実施例及び比較例で得られた板紙で、研磨処理した冷間圧延鋼板(以下、「圧延鋼板」と略する。)、タフピッチ銅板(以下、「銅板」と略する。)、亜鉛めっき鋼板(以下、「めっき鋼板」と略する。)のいずれかの金属片を包み、サイクル試験を行った。サイクル条件は、JIS Z 1535の「接触さび止め性」の条件(5℃、8時間と、50℃、16時間の繰り返し、RH=95%一定)とし、20サイクル実施した。その結果を下記の基準で評価した。
◎:錆が全く見られない
○:一部、錆が見られるが、全体的には防錆効果あり
△:全体的に錆が見られる
×:錆の進行が顕著である
なお、使用した上記各金属片及び前処理は、次の通りである。
・圧延鋼板・・・SPCC−B、80×60×1mm
ナフサ脱脂をし、AA#240で研磨してふき取ったものを使用
・銅板・・・80×60×1mm
アセトン脱脂をし、CC#400で湿式研磨してふき取り、温風乾燥したものを使用
・めっき鋼板・・・ボンデ鋼板(電気亜鉛めっき鋼板、リン酸処理)、80×60×1mm
アセトン脱脂をし、温風乾燥したものを使用
【0044】
[塗工状態]
上記の防錆効果1に記載の方法で、得られた塗工板紙における防錆塗工液の塗工状態を目視で観察し、下記の基準で評価した。
○:塗工ムラがなく、均一に塗工できており、乾燥も十分。
△:塗工はできているが、乾燥が不十分でべとつく。
×:塗工ムラが生じる。
【0045】
(実施例1〜13、比較例1〜13)
表1に記載の割合で、水、所定の定着剤、気化性防錆剤、及び消泡剤を混合し、防錆塗工液を調製した。
この防錆塗工液をピアノ線コーターにて表1に記載の塗布量となるように、坪量220g/m2の板紙(レンゴー(株)製:RKA220)に塗工し、塗工板紙を得た。得られた塗工板紙を用いて、上記の各評価を行った。その結果を表1に示す。
なお、表1における定着剤、防錆剤及び消泡剤は、下記のものを使用した。
【0046】
▲1▼定着剤
・PVA:ポリビニルアルコール(クラレ(株)製PVA−117)
・活性剤1:非イオン高分子界面活性剤(花王(株)製;ポリオキシエチレンオレイルエーテル)
・活性剤2:非イオン界面活性剤(和光純薬工業(株)製;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル)
・グリセリン:キシダ化学(株)製特級グレード
・PEG:ポリエチレングリコール(キシダ化学(株)製1級グレード)
・アクリル系:サカタインクス(株)製G−1
・スチレン・アクリル系:サカタインクス(株)製N−670
・SBR系:旭化成ラテックス(株)製A2630
・ウレタン系:武田薬品工業(株)製;水性ウレタン
・防湿剤1:マイケルマン(株)製ベイパーコート120
・防湿剤2:ACACIA JAPAN(株)製V−620
【0047】
▲2▼防錆剤
・防錆剤A:亜硝酸ナトリウム+ベンゾトリアゾール+安息香酸アンモニウム+クエン酸ナトリウム(混合比(重量比)=3:1:3:2)
・防錆剤B:炭酸シクロヘキシルアンモニウム+トリルトリアゾール(混合比(重量比)=1:1)
・DICHAN:亜硝酸ジシクロヘキシルアンモニウム
【0048】
▲3▼消泡剤
・シリコーン消泡剤 エマルジョン型SH5510(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)
【0049】
【表1】
Figure 0004122158
【0050】
【発明の効果】
この発明にかかる防錆塗工液は、防錆剤に定着剤、特に水膨潤性又は水溶性の定着剤を加えて用いるので、低湿度では、防錆剤の気化が抑制され、一方、高湿度では、定着剤の膨潤によって防錆剤が気化しやすくなる。このため、高湿度の場合に選択的に気化しやすくなり、また、防錆効果を長時間保持することが可能となる。

Claims (4)

  1. 防錆剤、水膨潤性又は水溶性の定着剤、消泡剤を含有し、上記防錆剤の含有率が全体の25〜70重量%、上記定着剤の含有量が全体の1〜10重量%であり、上記防錆剤の添加量が塗工液の固形分に対して79.8重量%以上96.4重量%以下である防錆塗工液を板紙に塗工した防錆板紙
  2. 上記防錆塗工液の泡立ち度が45ml以下、ザーンカップ粘度が10〜50秒である請求項1に記載の防錆板紙
  3. 透湿度が1500g/m・24h以上である請求項1又は2に記載の防錆板紙。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の防錆板紙を用いた防錆段ボール。
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