JP2018172149A - 紙製バリア包装材料 - Google Patents

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Masanori Hatada
眞紀 畠田
岡本 匡史
Tadashi Okamoto
匡史 岡本
加藤 茂
Shigeru Kato
茂 加藤
利幸 住谷
Toshiyuki Sumitani
利幸 住谷
悟 大島
Satoru Oshima
悟 大島
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Abstract

【課題】気化性防錆紙にガスバリア性と防湿性(水蒸気バリア性)を有する層を設けることにより、防湿性に優れ、気化性防錆剤の効果が持続するガスバリア性を有し、かつ、フィルムを用いないことにより、リサイクル可能な紙製バリア包装材料を提供すること。【解決手段】紙基材と、前記紙基材上に形成された顔料及びバインダー樹脂を含有する水蒸気バリア層と、前記水蒸気バリア層上に形成された水溶性高分子を含有するガスバリア層と、を有し、気化性防錆剤を含有することを特徴とする紙製バリア包装材料。【選択図】なし

Description

本発明は、防湿性、ガスバリア性、防錆性を有し、かつ、水離解性を有し、古紙としてリサイクル可能な紙製バリア包装材料に関する。具体的には、鉄鋼材料、銅合金材料等からなる金属製品の保管、流通等で使用することができる紙製バリア包装材料に関する。
一般に、鉄鋼材料、銅合金材料等からなる金属製品は、輸送時や保管時に包装材が吸湿し、水分によって錆が発生することがある。このため、防錆油等を塗布する、気化性防錆剤を塗布・含浸させた気化性防錆紙で包装するなどの手段が用いられている。
このうち、気化性防錆紙は、常温で気化性を有する金属腐食抑制剤である気化性防錆剤をクラフト紙等の紙に塗布・含浸させたものである。気化性防錆紙は、支持体である紙が水蒸気透過性や吸湿性を有するため、防錆紙が高湿下におかれた場合は、外部からの水分により内容物の金属が錆びてしまうことがあった。また、気化性防錆紙は、支持体である紙をガス等の気体が透過するため、気化性防錆紙に塗布・含浸させている気化性防錆剤が、防錆紙外に飛散し、防錆効果が長続きしないことがあった。
防錆紙の防湿性を改善するため、支持体であるクラフト紙にポリエチレンやポリプロピレンなどのフィルムを積層することにより、耐湿性などを付与したラミネート防錆紙が提案されている。また、特許文献1、2には、フィルムではなく、合成樹脂等を用いた、水に離解できるリサイクル可能な防湿防錆紙も提案されている。
特開2000−170095号公報 特開2003−193399号公報
しかしながら、支持体である紙上にフィルムを積層させたラミネート防錆紙は、フィルム層を有するため、水に再離解することができず、古紙のようにリサイクルできなかった。また、防湿防錆紙は、防湿性は有するもののフィルムのようにガスバリア性を有しないため、気化性防錆剤が外部に飛散してしまい、防錆効果を長く持続させることは困難であった。
そこで、本発明は、気化性防錆紙にガスバリア性と防湿性(水蒸気バリア性)を有する層を設けることにより、防湿性に優れ、気化性防錆剤の効果が持続するガスバリア性を有し、かつ、フィルムを用いないことにより、リサイクル可能な紙製バリア包装材料を提供することを目的とする。
本発明は以下の[1]〜[4]を提供する。
[1]紙基材と、
前記紙基材上に形成された顔料及びバインダー樹脂を含有する水蒸気バリア層と、
前記水蒸気バリア層上に形成された水溶性高分子を含有するガスバリア層と、
を有し、
気化性防錆剤を含有することを特徴とする紙製バリア包装材料。
[2]前記紙基材が、気化性防錆剤を含有することを特徴とする[1]に記載の紙製バリア包装材料。
[3]少なくとも1層の気化性防錆剤を含有する塗工層を有することを特徴とする[1]ないし[2]に記載の紙製バリア包装材料。
[4]前記塗工層が、水蒸気バリア層、ガスバリア層のいずれか、または両方であることを特徴とする[3]に記載の紙製バリア包装材料。
本発明の紙製バリア包装材料は、内部への酸素および水蒸気の侵入が少なく、高湿度下でも内容物である金属の錆を防止することができる。また、本発明の紙製バリア包装材料は、気化性防錆剤の外部への飛散を抑制し、防錆効果を長期間持続させることができる。
本発明の紙製バリア包装材料は、フィルム等の樹脂を積層しておらず、水に離解することができるため、古紙としてリサイクルすることが可能であり、環境への負荷が少ない。
本発明は、少なくとも紙基材(以下、「原紙」ということがある。)上に水蒸気バリア層、及びこの水蒸気バリア層上に形成されたガスバリア層を有する紙製バリア包装材料において、気化性防錆剤を含有する紙製バリア包装材料である。
<紙基材>
本発明において紙基材とは、主としてパルプからなるシートであり、他に填料、各種助剤を含んでもよい。パルプとしては、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)、サルファイトパルプ(SP)等の化学パルプ、ストーングラインドパルプ(SGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等の機械パルプ、古紙パルプ(DIP)、ケナフ、竹、麻等から得られた非木材繊維等を用いることができる。また、これらの素材を適宜配合して用いることが可能である。これらの中でも、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)等の化学パルプが好ましい。化学パルプは、原紙中への異物混入が発生し難いこと、使用後の包装材料を古紙原料に供してリサイクル使用する際に経時変色が発生し難いこと、高い白色度を有するため印刷時の面感が良好であり包装材料用の紙製材料として使用価値が高くなること等の理由から適している。
本発明の紙基材は、単層抄きでも多層抄きでもよい。本発明の紙基材の坪量は特に限定されないが、例えば一般的に用いられている20g/m以上500g/m以下程度とすることができる。品種としては、上質紙、薄模造紙、晒クラフト紙、未晒クラフト紙、片艶クラフト紙、重袋クラフト紙、純白ロール紙、グラシン紙、白板紙、紙管原紙、ライナー原紙、再生紙などの包装用紙を好適に用いることができる。なかでも包装する金属製品の錆を防止する観点から、そのpHが6.5以上7.5以下であり、塩素イオン濃度が0.01重量%以下、硫酸イオン濃度が0.01重量%以下である中性紙を用いることが好ましい。
填料は添加してもしなくてもよいが、添加する場合は、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、ゼオライト、合成樹脂填料等の公知の填料を使用することができる。また、硫酸バンドや各種のアニオン性、カチオン性、ノニオン性あるいは、両性の歩留まり向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤や内添サイズ剤等の抄紙用内添助剤を必要に応じて使用することができる。さらに、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等も必要に応じて添加することができる。
紙基材の製造(抄紙)方法は特に限定されるものではなく、公知の長網フォーマーマシン、オントップハイブリッドフォーマーマシン、ギャップフォーマーマシン、円網フォーマーマシンを用いて、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ性抄紙方式で抄紙して単層あるいは多層の紙基材を製造することができる。また、紙基材は、一般に塗工紙に用いられる坪量20g/m以上500g/m以下程度のものが好ましい。紙基材の坪量は、袋、容器とする場合に好適な坪量とすることができる。さらに、紙基材の表面を各種薬剤で処理することが可能である。使用される薬剤としては、酸化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、酸素変性澱粉、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、表面サイズ剤、耐水化剤、保水剤、増粘剤、滑剤等を例示することができ、これらを単独あるいは2種類以上を混合して用いることができる。紙基材の表面処理の方法は特に限定されるものではないが、ロッドメタリング式サイズプレス、ポンド式サイズプレス、ゲートロールコーター、スプレーコーター、ブレードコーター、カーテンコーター等公知の塗工装置を用いることができる。
<水蒸気バリア層>
本発明において、水蒸気バリア層は、バインダー樹脂と顔料を含有する。水蒸気バリア層は、防湿性を有しているため、水分の影響を抑制できるとともに、紙基材から浸透する水分のガスバリア層への影響を抑制することができる。また、水蒸気バリア層を設けることにより、ガスバリア層を形成する塗工液の紙基材への浸透が抑制されるため、均一なガスバリア層を形成させることができ、よりガスバリア性能を発揮しやすい。
(バインダー樹脂)
水蒸気バリア層に含有させるバインダー樹脂としては、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成樹脂を、単独あるいは2種類以上混合して使用することができる。これらの中ではスチレン・ブタジエン系樹脂が水蒸気バリア性の点から好ましい。
本発明においてスチレン・ブタジエン系合成樹脂とは、スチレンとブタジエンを主構成モノマーとし、これに変性を目的とする各種のコモノマーを組み合わせ、乳化重合したものである。コモノマーの例として、メチルメタクリルレート、アクリロニトリル、アクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレートや、イタコン酸、マレイン酸、アクリル酸等の不飽和カルボン酸等が挙げられる。
バインダー樹脂は、水を分散剤とし、乳化したエマルジョンタイプの塗工液として使用する。乳化剤としては、オレイン酸ナトリウム、ロジン酸石鹸、アルキルアリルスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤が挙げられる。これらを単独、又はノニオン性界面活性剤と組み合わせて用いることができる。さらに、必要に応じて両性又はカチオン性界面活性剤を用いてもよい。
本発明において、ガスバリア層を形成する塗工液がはじかれない範囲で、水蒸気バリア層を形成する塗工液に炭化水素、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、脂肪酸及び脂肪酸とアルコールのエステル等の撥水成分を含有させることができる。
(顔料)
本発明において、水蒸気バリア層に顔料を含有させることにより、水蒸気バリア性、及びガスバリア層との密着性を向上させることができる。
顔料としては、無機顔料、有機顔料を用いることができる。無機顔料は、カオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイト等である。有機顔料は、密実型、中空型、又はコアーシェル型等である。これらの顔料を単独又は2種類以上混合して使用することができる。
これらの顔料の中でも、形状が扁平なカオリン等の無機顔料は、水蒸気バリア性を向上させる点から好ましい。特に、平均粒子径5μm以上且つアスペクト比10以上のカオリンがより好ましい。扁平な顔料は、塗工層に平行に分布するため、水蒸気バリア層内に浸透した水蒸気は、扁平な顔料によって厚さ方向に移動することが遮られ、迂回して移動することとなる。そのため、水蒸気が水蒸気バリア層を通過する経路が長くなり、水蒸気バリア性が向上する。添加する顔料のアスペクト比が小さいと塗工層中を水蒸気が迂回する回数が減少し、移動する距離が短くなるため、結果として水蒸気バリア性は、アスペクト比が大きい扁平な顔料を添加した場合よりも劣ることとなる。なお、扁平な顔料は、ガスバリア層でも同様の作用が期待できる。
扁平な顔料として、カオリンの他、マイカやモンモリロナイトを使用することも可能である。しかしながら、マイカ、モンモリロナイトの分散液は、カオリンの分散液より低濃度である。マイカ、モンモリロナイトを用いた水蒸気バリア層用の塗工液は、顔料濃度が低いため、この塗工液から形成される水蒸気バリア層中において、顔料が塗工層に平行に配向しにくい。そのため、塗工液中に高濃度に含むことができるカオリンの方が、マイカ、モンモリロナイトより適している。
水蒸気バリア層に、上記した扁平な顔料に加えて、平均粒子径が5μm以下の顔料を添加することにより、水蒸気バリア性をさらに向上させることができる。この小粒径の顔料は扁平である必要はない。
本発明において、水蒸気バリア層は、水蒸気バリア性、及びガスバリア層との密着性の点から、平均粒子径5μm以上且つアスペクト比10以上のカオリン、さらに平均粒子径5μm以下の顔料を含有することが好ましい。平均粒子径5μm以上且つアスペクト比10以上のカオリンと、平均粒子径5μm以下の顔料とを含有する水蒸気バリア層は、重層的に存在する平均粒子径5μm以上且つアスペクト比10以上のカオリンの間に、平均粒子径5μm以下の顔料が入り込む構造となる。水蒸気は、扁平なカオリンの面に沿って移動することを余儀なくされ、さらに、カオリンの間では平均粒子径5μm以下の顔料により移動が阻止される。つまり、水蒸気バリア層に扁平な大粒径顔料と小粒径顔料を含有させた場合、水蒸気バリア層中で、隣接する扁平な大粒径顔料の間に形成される空隙に、小粒径顔料が充填された状態となり、水蒸気は、大粒径顔料を迂回し、さらに、小粒径顔料により移動が阻害されるため、小粒径顔料を含有しない水蒸気バリア層と比較して、高い水蒸気バリア性を発揮する。
本発明において、平均粒子径5μm以上且つアスペクト比10以上のカオリンと平均粒子径5μm以下の顔料(小粒径顔料)の配合比率(カオリン/小粒径顔料)は、乾燥重量で50/50〜99/1の範囲であることが好ましい。平均粒子径5μm以上且つアスペクト比10以上のカオリンの配合比率が上記範囲より少ないと水蒸気が塗工層中を迂回する距離が短くなるため、十分な水蒸気バリア性を得ることができない。一方、上記範囲より多いと、塗工層中の大粒径顔料が形成する空隙を平均粒子径5μm以下の顔料で十分に埋めることができないため、水蒸気バリア性の向上は見られない。
本発明において、平均粒子径5μm以下の顔料としてはカオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイト等の無機顔料、及び密実型、中空型、又はコアーシェル型等の有機顔料等を、単独又は2種類以上混合して使用することができる。これらの顔料の中では、重質炭酸カルシウムが好ましい。
水蒸気バリア層に顔料を含有させる場合、バインダー樹脂と顔料の配合量は、顔料(乾燥重量)100重量部に対して、バインダー樹脂(乾燥重量)5重量部以上200重量部以下の範囲で使用されることが好ましく、より好ましくは20重量部以上150重量部以下である。また、水蒸気バリア層には、バインダー樹脂、顔料の他、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、染料、蛍光染料等の通常使用される各種助剤を使用することができる。
(架橋剤)
本発明において、水蒸気バリア層に多価金属塩等に代表される架橋剤を添加することが好ましい。架橋剤は、水蒸気バリア層に含有されるバインダー樹脂と架橋反応を起こすため、水蒸気バリア層内の結合の数(架橋点)が増加する。つまり、水蒸気バリア層が緻密な構造となり、良好な水蒸気バリア性を発揮する。
本発明において、架橋剤の種類としては特に限定されるものではなく、水蒸気バリア層に含有されるバインダー樹脂の種類に合わせて、多価金属塩(銅、亜鉛、銀、鉄、カリウム、ナトリウム、ジルコニウム、アルミニウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、チタン等の多価金属と、炭酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、燐酸イオン、珪酸イオン、窒素酸化物、ホウ素酸化物等のイオン性物質が結合した化合物)、アミン化合物、アミド化合物、アルデヒド化合物、ヒドロキシ酸等から適宜選択して使用することができる。架橋剤の配合部数は、塗工可能な塗工液濃度や塗工液粘度の範囲内であれば特に限定されることなく配合することができる。なお、水蒸気バリア性に優れた効果を発揮するスチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系等のスチレン系のバインダー樹脂を用いた場合、架橋効果発現の観点から、多価金属塩を使用することが好ましい。さらに、カリウムミョウバンがより好ましい。
架橋剤の添加量は、水蒸気バリア層に使用されるバインダー樹脂100重量部に対して、1重量部以上10重量部以下である。より好ましくは3重量部以上5重量部以下である。1重量部より少ないと、十分な効果が得られず、10重量部より多いと、塗工液の粘度が著しく増加するため、塗工困難になる。
本発明において、水蒸気バリア層を形成する塗工液に架橋剤を添加する場合、水酸化アンモニウム溶液等の極性溶媒に架橋剤を溶解させてから塗工液へ添加することが好ましい。架橋剤を極性溶媒に溶解することにより、架橋剤と極性溶媒とが水素結合を作るため、架橋剤を塗工液へ配合しても直ちにバインダー樹脂との架橋反応が起こらず、塗工液の増粘を抑制することができる。この場合、紙への塗工後に乾燥することにより極性溶媒成分が揮発した後に、架橋剤とバインダー樹脂との架橋反応が起こり、緻密な水蒸気バリア層が形成されると推測される。
(接触角)
本発明において、紙基材上に設ける水蒸気バリア層表面の水との接触角は、90°未満が好ましく、より好ましくは85°未満、さらに好ましくは80°未満である。水との接触角が90°以上であると、均一なガスバリア層を設けることが困難となり、高い酸素バリア性を発揮することが困難となる。90°未満であれば、水蒸気バリア層とガスバリア層の反撥性を抑えて両層間の剥離を抑制することができる。この接触角は水蒸気バリア層とガスバリア層の親和性を推測する目安となる。なお、水蒸気バリア層表面の水との接触角を調整する方法としては、限定されるものではないが、バインダー樹脂の種類、顔料の添加量等を挙げることができる。
<ガスバリア層>
本発明において、ガスバリア層は、水溶性高分子を含有する。ガスバリア層は、主にガスバリア性を発揮するものであり、ガスバリア性とは、気体を通さない、または通しにくい性能のことをいう。
ガスバリア層は、水蒸気バリア層上に設けられる。なお、本発明において、紙基材の他面側に追加のガスバリア層を設けることもできる。
(水溶性高分子)
ガスバリア層において、バインダー樹脂として使用される水溶性高分子としては、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、エチレン共重合ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、変性デンプン、デキストリン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等を例示することができる。これらの中では、ガスバリア性の点から、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースが好ましく、ポリビニルアルコールがさらに好ましい。
(顔料)
本発明において、ガスバリア層に顔料を添加することが可能である。顔料としては、カオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイト、マイカ等の無機顔料、及び密実型、中空型、又はコアーシェル型等の有機顔料を用いることができる。これらを単独又は2種類以上混合して使用することができる。これらの中では、ガスバリア性の点から無機顔料を使用することが好ましく、平均粒子径3μm以上、且つアスペクト比が10以上の無機顔料(特にカオリン)を使用することがさらに好ましく、平均粒子径5μm以上、且つアスペクト比が50以上の無機顔料(特にカオリン)を使用することが特に好ましい。ガスバリア層に顔料を含有させた場合、気化性防錆剤などのガス状の成分は顔料を迂回して通過するため、顔料を含有していない水溶性高分子からなるガスバリア層と比較して、優れたガスバリア性を有する。
本発明において、ガスバリア層に含有する顔料と水溶性高分子の配合比率(乾燥重量)は、顔料/水溶性高分子が1/100〜1000/100の範囲であることが好ましい。顔料の比率が上記範囲外であると充分なガスバリア性を発揮しない。
本発明において、顔料を水溶性高分子中に配合する際に、顔料を水分散してスラリー化したものを添加し混合することが好ましい。
(架橋剤)
本発明において、ガスバリア層に多価金属塩等に代表される架橋剤を添加することが可能である。架橋剤は、水溶性高分子の水酸基同士を架橋構造にて結合させるため、高湿度となった場合に結合が緩む(または切れる)水酸基量が減少して層全体の耐水性が向上し、高湿度下でのガスバリア性の低下が抑制できる。
本発明において、架橋剤の種類としては特に限定されるものではなく、ガスバリア層に含有される水溶性高分子の種類に合わせて、多価金属塩(銅、亜鉛、銀、鉄、カリウム、ナトリウム、ジルコニウム、アルミニウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、チタン等の多価金属と、炭酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、燐酸イオン、珪酸イオン、窒素酸化物、ホウ素酸化物等のイオン性物質が結合した化合物)、アミン化合物、アミド化合物、アルデヒド化合物、ヒドロキシ酸等を適宜選択して使用することができる。架橋剤は、塗工可能な塗工液濃度や塗工液粘度の範囲内であれば特に限定されることなく配合することができる。なお、架橋効果発現の観点から、多価金属塩を使用することが好ましく、カリウムミョウバンを使用することがより好ましい。
架橋剤の添加量は、ガスバリア層に使用される水溶性高分子100重量部に対して、1重量部以上10重量部以下であり、より好ましくは3重量部以上5重量部以下である。1重量部より少ないと、十分な効果が得られず、10重量部より多いと、塗工液の粘度が著しく増加するため、塗工困難になる。
本発明において、ガスバリア層を形成する塗工液に架橋剤を添加する場合、水酸化アンモニウム溶液等の極性溶媒に架橋剤を溶解させてから塗工液へ添加することが好ましい。架橋剤を極性溶媒に溶解することにより、架橋剤と極性溶媒とが水素結合を作るため、架橋剤を塗工液へ配合しても直ちにバインダー樹脂である水溶性高分子との架橋反応が起こらず、塗工液の増粘を抑制することができる。この場合、紙への塗工後に乾燥することにより極性溶媒成分が揮発した後に、架橋剤と水溶性高分子との架橋反応が起こり、緻密なガスバリア層が形成されると推測される。
(添加剤)
本発明において、ガスバリア層には、水溶性高分子、顔料の他、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、染料、蛍光染料等の通常使用される各種助剤を使用することができる。
<各塗工層の塗工量>
本発明において、ガスバリア層の塗工量は、乾燥重量で0.2g/m以上10g/m以下、好ましくは2g/m以上6g/m以下とすることが好ましい。塗工量が0.2g/m未満であると均一な塗工層を形成することができないため、十分な酸素バリア性が得られない問題がある。一方、10g/mを超えると、塗工時の乾燥負荷が大きくなり、操業面、コスト面の両方の観点より好ましくない。
本発明において、水蒸気バリア層の塗工量は、乾燥重量で4g/m以上30g/m以下とすることが好ましく、より好ましくは6g/m以上25g/m以下であり、さらに好ましくは10g/m以上20g/m以下であることが好ましい。塗工量が4g/m未満であると原紙を塗工液が完全に被覆することが困難となり、ガスバリア層を形成する塗工液が紙基材に浸透し、均一なガスバリア層が得られないため、酸素バリア性の向上は見込めない。一方、30g/mを超えると、塗工時の乾燥負荷が大きくなり、操業面、コスト面の両方の観点より好ましくない。
<塗工方法>
本発明において、水蒸気バリア層、ガスバリア層の塗工方法については特に限定されるものではなく、公知の塗工装置を用いることができる。例えば、ブレードコーター、バーコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、リバースロールコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、エアナイフコーター、サイズプレスコーター、ゲートロールコーター等が挙げられる。なかでも、ガスバリア層については、カーテンコーター、エアナイフコーター、スプレーコーターなどの非接触型コーターが好ましい。また、塗工層を乾燥させる手法としては、例えば、蒸気加熱ヒーター、ガスヒーター、赤外線ヒーター、電気ヒーター、熱風加熱ヒーター、マイクロウェーブ、シリンダードライヤー等の通常の方法が用いられる。
<防錆剤>
本発明の紙製バリア包装材料は、紙基材に防錆剤を含有させる、防錆剤を含有する塗工層を設ける、のいずれか、または両方が行われる。防錆剤には、金属に接触して錆を防止する接触性防錆剤と、防錆成分を気化させて錆を防止する気化性防錆剤とがあり、本発明においてはいずれでも良いが、使用形態の多様性を勘案すると気化性防錆剤が好ましい。以下、気化性防錆剤を使用する場合について詳述する。
気化性防錆剤とは、常温で気化性を有する金属腐食抑制剤であり、その気化ガスが、金属表面に化学的・物理的に吸着、反応する、あるいは金属の腐食を防止する雰囲気を形成するなどして金属の腐食を防止するものである。
気化性防錆剤を含有する塗工層は、水蒸気バリア層、ガスバリア層のいずれか、または両方であってもよく、防錆剤を含有する塗工層(以下、気化性防錆剤塗工層ともいう。)を設けてもよい。本発明の紙製バリア包装材料としては、例えば、紙基材(気化性防錆剤含有)/水蒸気バリア層/ガスバリア層、紙基材/水蒸気バリア層(気化性防錆剤含有)/ガスバリア層、紙基材/水蒸気バリア層/ガスバリア層(気化性防錆剤含有)、紙基材/水蒸気バリア層(気化性防錆剤含有)/ガスバリア層(気化性防錆剤含有)、気化性防錆剤塗工層/紙基材/水蒸気バリア層/ガスバリア層、紙基材/気化性防錆剤塗工層/水蒸気バリア層/ガスバリア層、紙基材/水蒸気バリア層/ガスバリア層/気化性防錆剤塗工層といった構成のものが挙げられる。
本発明において気化性防錆剤塗工層を設ける場合は、紙基材上に水蒸気バリア層、ガスバリア層の順で塗工層を設けた後に、気化性防錆剤を含有する塗工液を塗工してもよいし、先に気化性防錆剤を含有する塗工液を塗布した後に水蒸気バリア層、ガスバリア層を設けてもよい。水蒸気バリア層、ガスバリア層を設けた後に気化性防錆剤を含有する塗工液を塗布すると、均一に塗工することが困難であり、また、気化性防錆剤を含有する塗工液の乾燥が困難になるため、先に気化性防錆剤を含有する塗工液を塗布した方が好ましい。
本発明においては、水蒸気バリア層、ガスバリア層を設ける面と、気化性防錆剤を含有する塗工液を塗布する面は、紙基材の同一面側でも、他面側でもよい。いずれの場合も、金属等の内容物に気化性防錆剤塗工層が一番近くになるように包装する。
気化性防錆剤は、金属の種類によって変えることができる。一般的に鉄用としては、アミン類の亜硝酸塩類、アミン類のカルボン酸塩類、アミン類のクロム酸塩類、カルボン酸のエステル類、これらの混合物などがある。銅および銅合金用としては、複素環状化合物であるトリアゾール類、ピロール環、ピラゾール環、チアゾール環、イミダゾール環やチオ尿素類、メルカプト基を有するものなどがある。
気化性防錆剤を水蒸気バリア層、ガスバリア層のいずれか、または両方に含有させる場合は、前述した水蒸気バリア層、ガスバリア層のいずれか、または両方を形成するための塗工液中に気化性防錆剤を含有させればよい。気化性防錆剤の水蒸気バリア層、ガスバリア層、気化性防錆剤塗工層中の含有量は、固形分重量で5g/m以上40g/m以下の範囲にすることが好ましい。
紙基材に気化性防錆剤を含有させるには、気化性防錆剤を水等の溶媒に溶解または分散した液体を、紙基材に塗布または含浸させる。一般的には、バーコーター、ロールコーター、グラビアコーター、エアナイフコーターなどの塗工機を用いて塗工する。気化性防錆剤の含浸・塗布量は、固形分重量で、5g/m以上40g/m以下の範囲にすることが好ましい。5g/m未満では防錆効果が不足気味となり、40g/mを超えると、乾燥する際に多量の熱を要し、乾燥時間も長くなることがある。より好ましい塗布量は、10g/m以上30g/m以下である。
<酸素バリア性と水蒸気バリア性>
本発明の紙製バリア包装材料の酸素透過度(乾燥下:23℃、0%RH)は、5ml/m・day以下であることが好ましく、2.5ml/m・day以下であることがさらに好ましく、0.3ml/m・day以上1.5ml/m・day以下であることが好ましい。
本発明の紙製バリア包装材料の水蒸気バリア性としては、温度40±0.5℃、相対湿度90±2%の条件下で、水蒸気透過度が500g/m・day以下であることが好ましく、300g/m・day以下であることがより好ましい。
<使用方法>
本発明の防錆性に優れる紙製バリア包装材料は、そのまま金属等を包む包装紙として用いてもよいし、箱、袋、紙管容器などの内容物を入れる容器としても使用できる。また、袋、箱などの容器に封入しても使用できる。
以下、本発明について、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本明細書において、特に断らない限り「部」、「%」は、それぞれ「重量部」、「重量%」であり、数値範囲はその端点を含むものとする。
「実施例1」
(ガスバリア層用塗工液の調製)
無機顔料である大粒径エンジニアードカオリン(イメリス社製 バリサーフHX、粒子径9.0μm、アスペクト比80−100)に分散剤としてポリアクリル酸ソーダを添加し(対無機顔料0.2部)、セリエミキサーで分散し固形分濃度55%の大粒径カオリンスラリーを調整した。ポリビニルアルコール(クラレ社製 PVA117)を固形分濃度10%となるよう調製し、PVA溶液を得た。得られたカオリンスラリーと、PVA溶液を固形分で顔料:PVA=100:100として固形分濃度が10%となるよう混合し、ガスバリア層用塗工液を調整した。
(水蒸気バリア層用塗工液の調製)
無機顔料である大粒径エンジニアードカオリン(イメリス社製 バリサーフHX、粒子径9.0μm、アスペクト比80−100)に分散剤としてポリアクリル酸ソーダを添加し(対無機顔料0.2部)、セリエミキサーで分散して固形分濃度55%の大粒径カオリンスラリーを調製した。得られたカオリンスラリー中にスチレン・ブタジエン系ラテックス(日本ゼオン社製 PNT7868)を無機顔料100重量部に対して100重量部(固形分)となるように配合し、固形分濃度50%の水蒸気バリア層用塗工液を得た。
(紙製バリア包装材料の作製)
両更クラフト紙(坪量70g/m)の片面に亜硝酸系気化性防錆剤(岩通マニュファクチャリング社製)を固形分重量で10g/mとなるようにグラビア塗工機で塗工し、乾燥して気化性防錆紙を得た。
次に、気化性防錆剤を塗工した面の裏面に、水蒸気バリア層用塗工液を塗工量(乾燥重量)15g/mとなるよう塗工速度300m/分でブレードコーターを用いて片面塗工、乾燥した後、その上にガスバリア層用塗工液を塗工量(乾燥重量)4.0g/mとなるよう塗工速度50m/分でエアナイフコーターを用いて片面塗工し、坪量89g/m、紙厚103μmの紙製バリア包装材料を得た。得られた紙製バリア包装材料について以下に示す評価方法に基づいて試験を行った。
(評価方法)
(1)酸素透過度:酸素透過率測定装置(MOCON社製、OX−TRAN2/21)を使用し、23℃−0%RH条件(乾燥下)および23℃−85%RH条件(高湿度下)にて測定した。なお、ラミネート層を形成させる前の紙製バリア包装材料を用いて測定した。
(2)水蒸気透過度:温度40±0.5℃、相対湿度90±2%の条件下で、透湿度測定器(Dr.Lyssy社製、L80−4000)を用いて測定した。なお、ラミネート層を形成させる前の紙製バリア包装材料を用いて測定した。
得られた紙製バリア包装材料は、酸素透過度(乾燥下)1.1ml/m・day、酸素透過度(高湿度下)55.9ml/m・day、水蒸気透過度は14.2g/m・dayであった。
「比較例1」
実施例1で用いた気化性防錆剤を塗布した両更クラフト紙に、水蒸気バリア層、ガスバリア層を設ける代わりに、押出しラミ機でLDPE(20μm)を積層した気化性防錆紙(ラミネートあり)を製造した。得られた気化性防錆紙は、酸素透過度(乾燥下)3.1ml/m・day、酸素透過度(高湿度下)3.1ml/m・day、水蒸気透過度2.9g/m・dayであった。
「比較例2」
実施例1において、気化性防錆剤を塗工していない以外は、実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
得られた紙製バリア包装材料は、酸素透過度(乾燥下)1.1ml/m・day、酸素透過度(高湿度下)55.9ml/m・day、水蒸気透過度14.2g/m・dayであった。
〔防錆試験〕
冷間圧延鋼板(SPCC:60×80×1.2mm)を#240研磨紙で研磨した後、脱脂処理を行って試験片を用意した。上記紙製バリア包装材料または気化性防錆紙の気化性防錆剤塗布面を内側にして試験片を包み、試験片の防錆試験を、環境試験機(カトー社製 シルバリーエンペラー)を用いて行った。なお、比較例2は紙基材を内側とした。
環境試験機の温湿度条件は(10℃・70%RH/3時間→60℃・70%RH/3時間→10℃・70%RH/2時間→60℃・70%RH/16時間)を1サイクルとし、このサイクルを4サイクル繰り返した(n=3)。試験後、試験片表面を目視観察し、錆、腐食、変色状態を下記基準で評価した。結果を表1に示す。
◎:腐食、錆、変色なし
○:極僅かな腐食(点錆1〜3個、変色面積10%未満)
△:軽度の腐食(点錆4〜9個、変色面積10%以上30%未満)
×:明確な腐食(点錆10個以上、変色面積30%以上50%未満)
××:激しい腐食(変色面積50%以上)
Figure 2018172149
[水離解性試験]
実施例1の紙製バリア包装材料と比較例1の気化性防錆紙について、45g相当分を約5cm四方に裁断したものを、TAPPI離解標準機(ディスインテグレーター、2リットル容器)を用いて水1500g中で20分間離解した。得られたスラリーから実験室手抄きマシンで坪量60g/mのシートを作製した。上記により得たシートにおける未離解物(フィルム片もしくは紙片)の大きさを目視で評価し、シートに存在する未離解片の大きさが長径で5mm以下のものを○、5mmより大きい未離解片が存在するものを×として評価した。なお、未離解片の大きさが5mm以下であれば古紙として再利用できる。結果を表2に示す。
Figure 2018172149

Claims (4)

  1. 紙基材と、
    前記紙基材上に形成された顔料及びバインダー樹脂を含有する水蒸気バリア層と、
    前記水蒸気バリア層上に形成された水溶性高分子を含有するガスバリア層と、
    を有し、
    気化性防錆剤を含有することを特徴とする紙製バリア包装材料。
  2. 前記紙基材が、気化性防錆剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の紙製バリア包装材料。
  3. 少なくとも1層の気化性防錆剤を含有する塗工層を有することを特徴とする請求項1ないし2に記載の紙製バリア包装材料。
  4. 前記塗工層が、水蒸気バリア層、ガスバリア層のいずれか、または両方であることを特徴とする請求項3に記載の紙製バリア包装材料。
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