JP5631542B2 - 防錆剤 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼・鋳鉄等の鉄製製品や、銅・亜鉛・アルミニウム等の非鉄金属製製品のような金属製品の表面が錆びたりさらに腐食したりするのを揮発性防錆成分の付着によって防止することができる防錆剤に関するものである。
金属製品は、大気中の湿気・酸素・二酸化炭素等のせいで、その表面に酸化物類や、水酸化物又は炭酸塩等の塩類のような錆が生成され易く、さらに表面から内部に向かって腐食が進行して化学的に劣化し易いものである。
このような錆の生成を防止するために、金属製品に防錆剤が施される。防錆剤には、金属製品に塗布又は噴霧して油性被膜を形成し湿気等から隔離するものや、防錆剤中の揮発性防錆成分をガス化させ金属製品の表面に付着させて被覆して湿気等から隔離するものがある。
中でも、揮発性防錆成分を含有する防錆剤は、塗布や噴霧の手間が不要なことから、工業用部材や建材等の広範な金属製品に汎用されている。このような防錆剤中の揮発性防錆成分として、従来、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト(DICHAN)、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト(DIPAN)のような亜硝酸塩類や、シクロヘキシルアンモニウム−N−シクロヘキシルカルバメート(CHC)が、使用されていた。
しかし、DICHANを防錆成分として含有する防錆剤は、DICHANの揮発速度が遅いせいで、防錆成分を揮発可能な状態にした使用開始時点から、十分な防錆効果が発揮されるまでに、相当の時間を要する。
一方、DIPANを防錆成分として含有する防錆剤は、DICHANの揮発速度よりもDIPANの揮発速度が速いので、使用開始後に金属製品へ防錆成分が付着して速やかに十分な防錆効果を発揮する反面、防錆成分が揮発し易いせいで防錆効果が持続しないものである。しかもDIPANは大気中に長期間放置されると、その一部が発がん性物質であるジイソプロピル−N−ニトロソアミンに変質するため、このような防錆剤は、防錆処理作業者やその金属製品使用者の健康の観点から、使用が敬遠されている。
また、CHCを防錆成分として含有する防錆剤は、DIPANの揮発速度に比べてCHCの揮発速度の方がさらに速いので、使用開始直後に金属製品へ防錆成分が付着して極めて速やかに十分な防錆効果を発揮する反面、防錆効果がなお一層持続し難いものである。しかもCHCは、引火点が低いうえ、強い異臭がすることから、このような防錆剤は、使用場所や用途が極めて限定されてしまう。
これらの防錆剤は、鋳鉄に対し防錆効果が低く、一方、非鉄金属に対し防錆効果が低いばかりか却って腐食性を示すものである。
特許文献1に、防錆性、防食性を有するもので、アミン化合物を含有する水溶性金属加工油剤組成物が開示されている。
特開2005−15617号公報
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、亜硝酸塩を含まず、環境汚染物質や人体有害物質を含有したり生成したりせず、安全であって、使用開始直後に十分な防錆効果を発揮でき、鋳鉄等の鉄製製品や非鉄金属製製品に対し一層優れた防錆効果のみならず、防腐食効果を発揮でき、しかも簡便に大量に製造できる簡易で低臭の防錆剤を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するためになされた、特許請求の範囲の請求項1に記載された防錆剤は、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールの炭酸塩及びヘキサメチレンジアミンの炭酸塩から選ばれる揮発性防錆成分と吸水材とが、含まれており、粒状物、顆粒状物、錠剤、若しくはそれを不織布に詰めたパック、又はポリエチレンシートに含浸させたシートであることを特徴とする。
請求項2の防錆剤は、請求項1に記載されたものであって、前記揮発性防錆成分が、少なくとも1重量%含まれていることを特徴とする。
請求項3の防錆剤は、請求項1に記載されたものであって、1H−ベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾール、メルカプトベンゾチアゾール、3−(2−ベンゾチアジルチオ)プロピオン酸及びこれらの塩から選ばれるアゾール環含有化合物が含まれていることを特徴とする。
請求項4の防錆剤は、請求項3に記載されたものであって、前記揮発性防錆成分と前記アゾール環含有化合物とが、1:1×10−4〜1×10のモル比で含まれていることを特徴とする。
請求項5に記載の防錆剤は、請求項1に記載されたものであって、前記2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールの炭酸塩が、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールと炭酸ガスとのモル比を1:1〜1:5で合成され、前記ヘキサメチレンジアミンの炭酸塩が、ヘキサメチレンジアミンと炭酸ガスとのモル比を1:1〜1:5で合成されていることを特徴とする。
請求項6に記載の防錆剤は、請求項に記載されたものであって、前記吸水材が、動物性繊維、植物性繊維、再生繊維及び合成繊維から選ばれる繊維、又は、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、デンプン−アクリル酸共重合体、デンプン−アクリル酸塩共重合体及びポリアミノ酸から選ばれる吸水性ポリマーであることを特徴とする。
請求項7に記載の防錆剤は、請求項に記載されたものであって、前記吸水材が、0.01〜95重量%含まれていることを特徴とする。
本発明の防錆剤は、鋼・鋳鉄のような鉄製製品、特に鋳鉄、又は銅・亜鉛・アルミニウムのような非鉄金属製製品に使用でき、使用開始直後に十分な防錆効果を発揮するものである。この防錆剤は、鉄製製品・非鉄金属製製品に対し防錆効果のみならず、優れた防腐食効果を発揮でき、さらにそれらの効果が長期間持続するものである。この点でその防錆剤は、従来のように揮発性防錆成分による防錆効果の発現が速いほど持続性に劣る防錆剤よりも、優れている。
また、この防錆剤は、それに含有された揮発性防錆成分が揮発して数m先の金属製品にまで到達して防錆効果を発現するため、金属製品の大小に係わらず防錆処理作業を簡便にする。
しかも、この防錆剤は、亜硝酸塩を含まず、低臭であって、環境汚染物質や人体有害物質を含有したり生成したりせず安全であり、大量に継続して使用しても環境保全や健康維持に資する。
特に、この防錆剤がアゾール環含有化合物を含有していると、防錆効果のみならず非鉄金属に対する耐腐食性が一層向上する。
さらに、防錆剤が、吸水材を含有していると、高湿環境下でも、高い防錆効果及び防腐食効果を発揮する。
この防錆剤は、使用場所や用途を制限されないので、汎用性に優れている。
またこの防錆剤は、簡易であるので、簡便に大量に、歩留まり良く製造できる。
発明を実施するための好ましい形態
以下、本発明の実施するための好ましい形態を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
本発明の防錆剤は、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールの炭酸塩を揮発性防錆成分として含むものである。
この2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールの炭酸塩は、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールに炭酸ガスを約10L/分の速度で送り込むことで、合成される。このとき、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールと炭酸ガスとのモル比は、1:1〜1:5である。
防錆剤は、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールの炭酸塩に代えて、又はそれと共に、ヘキサメチレンジアミンの炭酸塩を揮発性防錆成分として含むものであってもよい。ヘキサメチレンジアミンの炭酸塩は、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールの炭酸塩と同様の方法、同様のモル比によって合成される。
防錆剤は、これら揮発性防錆成分を1〜100重量%含んでいることが好ましい。
また、この防錆剤は、鋼、鋳鉄のような鉄製製品、非鉄金属製製品などのように錆び易く腐食性である金属製品に対して優れた防錆効果を有し、特に鉄を含む金属及び防錆するのが難しいとされる鋳鉄に対して高い防錆効果を示すものである。
その防錆効果は、揮発性防錆成分の揮発速度が速いので、揮発性防錆成分を揮発可能な状態にした使用開始初期段階で得ることができ、さらに、優れた持続性を有する。
防錆効果の範囲は、防錆剤から揮発される揮発性防錆成分の有効到達距離が2m以上である。従って鉄骨建材のように大きな金属製品の防錆に使用する際、数m間隔で防錆剤を配置すれば済むので、経済的である。
防錆剤として、揮発性防錆成分のみからなる例について示したが、その他に、アゾール環含有化合物を含有させてもよい。揮発性防錆成分とアゾール環含有化合物とを含む防錆剤は、揮発性防錆成分により鉄含有金属や鋳鉄のような鉄製製品のみならず、非鉄製金属製品に対する高い防錆効果及び防腐食効果を一層向上させる。
このアゾール環含有化合物は、具体的には、1H−ベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾール、メルカプトベンゾチアゾール、3−(2−ベンゾチアジルチオ)プロピオン酸が挙げられる。これらのアゾール環含有化合物は、単独で用いてもよく複数混合して用いてもよい。
このアゾール環含有化合物は、防錆剤中に、揮発性防錆成分とアゾール環含有化合物とのモル比で、1:1×10−4〜1×10、より好ましくは1:1×10−3〜1×10、さらに好ましくは1:1×10−2〜1含まれる。
アゾール環含有化合物の含有量が、揮発性防錆成分とアゾール環含有化合物で1:1×10−4のモル比よりも少ないと、非鉄金属に対する防錆効果を低下させてしまう。一方、揮発性防錆成分とアゾール環含有化合物で1:1×10のモル比よりも多いと、鉄に対する防錆効果を低下させてしまう結果、十分な防錆効果を得るためにアゾール環含有化合物と揮発性防錆成分との両方を多量含有させなければならなくなり、非経済的である。
防錆剤は、吸水材を含有していてもよい。吸水材により、周囲が湿度の高い環境下であっても、揮発性防錆成分の含水量が低下するので、優れた防錆効果及び防腐食効果を発揮する機能付加がされる。
吸水材は、防錆剤中、0.01〜95重量%、より好ましくは0.1〜60重量%、さらに好ましくは1〜30重量%含まれる。
この吸水材の含有量が0.01重量%よりも少ないと、十分な吸湿機能が発揮されない。一方、95重量%より多いと、十分な防錆機能が発揮できず、防錆効果が弱くなってしまうので、十分な防錆効果を得ために防錆剤を多量に用いなければならなくなり、非経済的である。
吸水材は特に限定されないが、具体的には、動物性繊維、植物性繊維、再生繊維、合成繊維といった繊維物質や吸水性ポリマーが挙げられる。
繊維物質は、具体的に、羊毛、綿、麻、セルロース、ビスコースレーヨンが挙げられる。
吸水性ポリマーは、具体的に、架橋型ポリアクリル酸、架橋型ポリアクリル酸塩、デンプン・アクリル酸グラフト共重合体架橋物、デンプン・アクリル酸塩グラフト共重合体架橋物架橋型ポリアミノ酸が挙げられる。
これらの吸水材は、単独で用いてもよく、複数混合して用いてもよい。
防錆剤は、必要に応じて適量のバインダー、増量剤、顔料、色素などの添加剤が配合されていてもよい。
防錆剤の形態は、粉末であってもよく、任意の方法で造粒した粒状又は顆粒状物、錠剤であってもよく、不織布に詰めたパックであってもよく、ポリエチレンシート等に含浸させたシートであってもよい。
本発明を適用する防錆剤の試作例を、実施例1〜26に示す。また、本発明を適用外の防錆剤の試作例を、比較例1〜3に示す。
(実施例1)
2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール160モルを攪拌しながら、炭酸ガス800モルを速度10L/分で送り込み2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールの炭酸塩を合成した。それを実施例1の防錆剤とした。
(実施例2〜13)
この2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールの炭酸塩に1H−ベンゾトリアゾールを各々の重量%で含有させたものを実施例1〜4とした。
また、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールの炭酸塩にそれぞれメチルベンゾトリアゾール、メルカプトベンゾチアゾール、3−(2−ベンゾチアジルチオ)プロピオン酸及びこれらの塩を含有させたものを実施例5〜9とした。
また、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール炭酸塩に吸水材である架橋型ポリアクリル酸塩を各々の重量%で含有させたものを実施例10〜12とした。
また、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール炭酸塩に対して1H−ベンゾトリアゾール、吸水材である架橋型ポリアクリル酸塩を各々の重量%で含有させたものを実施例13とした。
各実施例2〜13の組成比を表1に示す。
Figure 0005631542
(実施例14)
ヘキサメチレンジアミン160モルを攪拌しながら、炭酸ガス800モルを速度10L/分で送り込みヘキサメチレンジアミンの炭酸塩を合成した。それを実施例13の防錆剤とした。
(実施例15〜26)
実施例2〜13の2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールの炭酸塩を、実施例14で合成したヘキサメチレンジアミンの炭酸塩に換えたこと以外は、同様にして、実施例15〜26の防錆剤を得た。
実施例15〜26の組成比を表2に示す。
Figure 0005631542
(比較例1〜3)
ジシクロロヘキシルアンモニウムナイトライト100重量%を比較例1、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト100重量%を比較例2、シクロヘキシルアンモニウム−N−シクロヘキシルカルバメート100重量%を比較例3とした。
(各防錆剤の評価)
評価数分用意したプラスチックケースに評価用テストピースである、鋳鉄(FC200)(40mm×35mm×10mm)、機械構造用炭素鋼鋼材(S45C)(40mm×35mm×5mm)、熱間圧延鋼材(SS−400)(40mm×35mm×3mm)、銅(C1100)(40mm×35mm×3mm)、亜鉛(H4321)(40mm×35mm×3mm)、アルミニウム(A5052P)(40mm×35mm×3mm)と、実施例1〜24、比較例1〜3に示す粉末状の防錆剤(使用量100g/m)とを、それぞれ設置し、プラスチックケースの上部を40μポリエチレンシートでラッピングした。プラスチックケースを静置し、温度25℃湿度50%の条件下で12時間、続いて温度50℃湿度70%の条件下で12時間の計24時間(1日)を1サイクルとして、10サイクル(10日間)繰り返した。この状態で評価用テストピース外観を目視にて評価した。
評価基準として、FC−250、S45C、SS−400に関しては、全く錆びの無い場合を◎とし、10個未満の点錆発生の場合を○、10〜20個の点錆発生の場合を△、21個以上の点錆発生の場合を×とする4段階で評価した。一方、銅、亜鉛、アルミニウムに関しては、全く変色の無い場合を◎とし、わずかに変色ありの場合を○、変色ありの場合を△、強い変色ありの場合を×とする4段階で評価した。
実施例1〜13の評価結果を表3、実施例14〜26の評価結果を表4に示す。また、各比較例の評価結果を表5に示す。
Figure 0005631542
Figure 0005631542
Figure 0005631542
上記の結果から明らかなように、2−アミノ−2メチル−1−プロパノールの炭酸塩又はヘキサメチレンジアミンの炭酸塩を使用した防錆剤では、鉄材及び防錆の難しい鋳鉄に対しても高い防錆効果を示し、銅、亜鉛、アルミニウムに対する変色性も非常に小さい。また1H−ベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾール、メルカプトベンゾチアゾール、3−(2−ベンゾチアジルチオ)プロピオニック酸及びこれらの塩を使用する事で銅、亜鉛、アルミニウムに対しても高い防腐食効果を示す。
(高湿度条件における各防錆剤の評価)
評価数分用意したポリプロピレン製プラスチックケースに、評価用テストピースである鋳鉄(FC200)(40mm×35mm×10mm)、機械構造用炭素鋼鋼材(S45C)(40mm×35mm×5mm)、熱間圧延鋼材(SS−400)(40mm×35mm×3mm)、銅(C1100)(40mm×35mm×3mm)、亜鉛(H4321)(40mm×35mm×3mm)、アルミニウム(A5052)(40mm×35mm×3mm)と、実施例1〜24、比較例1〜3に示す粉末状の防錆剤(使用量100g/m)とを、それぞれ設置し、プラスチックケースの上部を40μポリエチレンシートでラッピングした。プラスチックケースを静置し、温度25℃湿度60%の条件下で12時間、続いて温度50℃湿度95%の条件下で12時間の計24時間(1日)を1サイクルとして、10サイクル(10日間)繰り返した。この状態で評価用テストピース外観を目視にて評価した。
実施例1〜13の評価結果を表6、実施例14〜26の評価結果を表7に示す。また、各比較例の評価結果を表8に示す。
評価基準は前記防錆剤の評価と同様である。
Figure 0005631542
Figure 0005631542
Figure 0005631542
上記の結果より明らかなように2−アミノ−2メチル−1−プロパノールの炭酸塩又はヘキサメチレンジアミンの炭酸塩を使用した防錆剤では、高湿度の条件においても鉄材及び防錆の難しい鋳鉄に対しても高い防錆効果を示し、銅、亜鉛、アルミニウムに対する変色性も非常に小さい。さらに吸水材を併用する事で高湿度の条件において単独よりもさらに良い防錆性能を示すため、より高い防錆効果が得られる。
(揮発性防錆成分の有効到達距離)
評価用テストピース鋳鉄板(FC−250)(40mm×35mm×3mm)を直径10cm、高さ200cmの円柱アクリル系樹脂容器の底部から20cmの間隔で吊り下げ、防錆剤(100g/m)入りのシャーレと50mLのイオン交換水入りのシャーレとを設置し、ゴム栓で密閉した。この評価に使用した防錆剤は、実施例1、実施例14、比較例1〜3である。この円柱アクリル系樹脂容器の下部を40℃の水に浸漬し、2ヵ月後に評価用テストピースの外観を目視にて判断した。
評価基準は全く錆びの無い場合を◎として、10個未満の点錆発生の場合を○、10〜20個の点錆発生の場合を△、21個以上の点錆発生の場合を×とした。その評価結果を表9に示す。
Figure 0005631542
上記結果より明らかなように2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールの炭酸塩及び/又はヘキサメチレンジアミンの炭酸塩を使用した防錆剤では優れた有効到達距離と鋳鉄に対する優れた防錆効果を示す。
本発明の防錆剤は、鋼・鋳鉄等の鉄製や、銅・亜鉛・アルミニウム等の非鉄金属製の製品、例えば鉄骨のような建材や大小の各種工業用部材など各種金属製品が、酸化して錆びたりさらに浸食されて劣化したりするのを、防止するのに用いられる。

Claims (7)

  1. 2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールの炭酸塩及びヘキサメチレンジアミンの炭酸塩から選ばれる揮発性防錆成分と吸水材とが、含まれており、
    粒状物、顆粒状物、錠剤、若しくはそれを不織布に詰めたパック、又はポリエチレンシートに含浸させたシートであることを特徴とする防錆剤。
  2. 前記揮発性防錆成分が、少なくとも1重量%含まれていることを特徴とする請求項1に記載の防錆剤。
  3. 1H−ベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾール、メルカプトベンゾチアゾール、3−(2−ベンゾチアジルチオ)プロピオン酸及びこれらの塩から選ばれるアゾール環含有化合物が含まれていることを特徴とする請求項1に記載の防錆剤。
  4. 前記揮発性防錆成分と前記アゾール環含有化合物とが、1:1×10−4〜1×10のモル比で含まれていることを特徴とする請求項3に記載の防錆剤。
  5. 前記2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールの炭酸塩が、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールと炭酸ガスとのモル比を1:1〜1:5で合成され、
    前記ヘキサメチレンジアミンの炭酸塩が、ヘキサメチレンジアミンと炭酸ガスとのモル比を1:1〜1:5で合成されていることを特徴とする請求項1に記載の防錆剤。
  6. 前記吸水材が、動物性繊維、植物性繊維、再生繊維及び合成繊維から選ばれる繊維、又は、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、デンプン−アクリル酸共重合体、デンプン−アクリル酸塩共重合体及びポリアミノ酸から選ばれる吸水性ポリマーであることを特徴とする請求項に記載の防錆剤。
  7. 前記吸水材が、0.01〜95重量%含まれていることを特徴とする請求項に記載の防錆剤。
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