JP5712341B2 - 防錆剤組成物 - Google Patents

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本発明は、金属、特に鉄鋼に対する防錆効果を有する防錆剤組成物に関するものである。
従来、金属製品の防錆手段として、防錆油の塗布や気化性防錆剤が知られている。特に、少量で優れた防錆効果を発揮し、用済み後は簡単に除去することのできる気化性防錆剤が、広く実用化され始めている。
気化性防錆剤のうち、有機アミン亜硝酸塩としては、ジイソプロピルアミン亜硝酸塩[((CHCH)NH・HNO:DIPAN]やジシクロヘキシルアミン亜硝酸塩[(C11NH・HNO:DICHAN]等が知られている。しかし、ジイソプロピルアミン亜硝酸塩(DIPAN)は、防錆効果に関しては満足するものの、脱水生成物であるジイソプロピルニトロソアミンが発ガン性を有するとの問題がある。ジシクロヘキシルアミン亜硝酸塩(DICHAN)は、発ガン性については問題ないものの、防錆効果に関しては、直接金属材料と接触させて用いる場合には防錆効果が発揮されやすくなるものの、ジシクロヘキシルアミン亜硝酸塩の気化により防錆効果を発揮させる場合は、気化性が低く、防錆効果が不十分となる場合がある。
有機アミン亜硝酸塩の防錆効果を改善するための組成物として、例えば、特許文献1には、有機アミン亜硝酸塩と、セルロース粉末等の保水性助剤と、酸物質とを含有する防錆剤組成物が開示され、特許文献2には、有機アミン亜硝酸塩と、セルロース粉末等の保水性助剤と、無機酸および/または有機酸アンモニウム塩と、炭酸水素金属塩とを含有する防錆剤組成物が開示されている。
しかし、特許文献1,2に開示された防錆剤組成物は、有機アミン亜硝酸塩の防錆効果は改善されるものの、防錆成分の気化性が良すぎるために、使用前の保存安定性や取り扱い性について、改善の余地があった。
特開2003−213462号公報 特開2001−31966号公報
上記のように、従来の防錆剤組成物では、防錆効果と保存安定性とを両立させる点に、改善の余地を残していた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、有機アミン亜硝酸塩の防錆効果を改善し、十分な防錆効果を有するとともに、保存安定性に優れた防錆剤組成物を提供することにある。
上記課題を解決することができた本発明の防錆剤組成物とは、有機アミン亜硝酸塩と下記式(1)に示される多価アルコールとを、有機アミン亜硝酸塩/多価アルコールの質量比として75/25〜99.5/0.5の比率で含有し、固体であるところに特徴を有する。

[式(1)中、X,Yは、同一または異なって、水素原子、水酸基、または炭素数1〜3のアルキル基を表し、nは0〜3の整数を表す。]
本発明の防錆剤組成物は、固体であり、かつ有機アミン亜硝酸塩と前記多価アルコールとを特定比率で含有することにより、有機アミン亜硝酸塩が気化しやすくなり、防錆効果が向上するとともに、保存安定性にも優れたものとなる。
前記多価アルコールは、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールエタン、およびジトリメチロールプロパンよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。かかる構成により、有機アミン亜硝酸塩の防錆効果がより改善される。
前記有機アミン亜硝酸塩は、ジシクロヘキシルアミン亜硝酸塩であることが好ましい。かかる構成により、十分な防錆効果が発揮され、防錆成分である有機アミン亜硝酸塩の気化が急激に起こりすぎないようにすることが容易となる。
本発明の防錆剤組成物は、十分な防錆効果を有するとともに、保存安定性に優れたものとなる。
本発明の防錆剤組成物は、有機アミン亜硝酸塩と下記式(1)に示される多価アルコールとを、有機アミン亜硝酸塩/多価アルコールの質量比として75/25〜99.5/0.5の比率で含有し、固体であることを特徴とする。

[式(1)中、X,Yは、同一または異なって、水素原子、水酸基、または炭素数1〜3のアルキル基を表し、nは0〜3の整数を表す。]
まず、本発明の防錆剤組成物に用いられる有機アミン亜硝酸塩について説明する。有機アミン亜硝酸塩としては、有機基を有するアミンと亜硝酸とからなる塩であれば特に限定されない。本発明の防錆剤組成物においては、有機アミン亜硝酸塩等の防錆成分が気化することにより、金属に対する防錆効果を発揮する。
有機アミン亜硝酸塩は、常温常圧で固体のものを用いることが好ましい。固体の有機アミン亜硝酸塩を用いれば、固体の防錆剤組成物を得やすくなる。また、本発明の防錆剤組成物は、式(1)に示される多価アルコールを含有しているが、固体の有機アミン亜硝酸塩であれば、後述するように多価アルコールにより細粒化あるいは表面が乾燥化されやすくなり、防錆剤組成物の防錆効果が向上されやすくなる。
有機アミン亜硝酸塩としては、下記式(2)で示される有機アミン亜硝酸塩が好ましい。
123N・HNO2 ・・・ (2)
前記式(2)中、R1,R2,R3は、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数4〜8のシクロアルキル基、または炭素数1〜4のアルカノール基を表す。ただし、R1,R2,R3の全てが水素原子となることはない。好ましくは、R1,R2,R3のうち、少なくとも1つは水素原子であり、残りの置換基は、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数4〜8のシクロアルキル基である。そのような有機アミン亜硝酸塩としては、例えば、ジシクロヘキシルアミンの亜硝酸塩、ジイソプロピルアミンの亜硝酸塩、シクロヘキシルアミンの亜硝酸塩等が挙げられる。これらは、十分な防錆効果を発現しやすい。
本発明で用いられる有機アミン亜硝酸塩としては、ジシクロヘキシルアミン亜硝酸塩が特に好ましい。ジシクロヘキシルアミン亜硝酸塩は、単独では防錆効果が十分発揮されない場合があるが、後述するように多価アルコールと併用することにより、十分な防錆効果を有しつつ、防錆成分である有機アミン亜硝酸塩の気化が急激に起こりすぎないようにすることが容易となる。
また、ジシクロヘキシルアミン亜硝酸塩は、単独では、水分がほとんどない状態であっても、粒子どうしがくっついて塊を形成しやすいところ、式(1)に示される多価アルコールが共存することで、細粒化あるいは表面が乾燥化されやすくなる。その結果、得られる防錆剤組成物の防錆効果を向上しやすくできる。
次に本発明の防錆剤組成物に用いられる前記式(1)に示される多価アルコールについて説明する。本発明の防錆剤組成物は、前記有機アミン亜硝酸塩とともに前記多価アルコールを用いることにより、防錆効果が向上する。前記有機アミン亜硝酸塩と前記多価アルコールとを併用することにより防錆効果が向上するメカニズムの詳細は不明であるが、有機アミン亜硝酸塩が、多価アルコールとの共存下、細粒化あるいは表面が乾燥化することと関係があると考えられる。すなわち、有機アミン亜硝酸塩が細粒化することにより有機アミン亜硝酸塩の表面積が増えたり、有機アミン亜硝酸塩の表面が乾燥化することにより、有機アミン亜硝酸塩が気化しやすくなり、防錆効果が向上すると考えられる。
多価アルコールとして、前記式(1)で示される多価アルコールが好ましい理由は、防錆効果を向上させる点にあるが、そのメカニズムは不明である。例えば、多価アルコールとして、セルロースやグルコースを用いた場合は、有機アミン亜硝酸塩の防錆効果の向上は確認されない。詳細は不明であるが、分子中にHO−CH2−C−CH2−OHの構造を有し、鎖状の多価アルコールが、有機アミン亜硝酸塩の防錆効果の向上に効果があると推測される。
多価アルコールとしては、常温常圧で固体のものを用いることが好ましい。固体の多価アルコールを用いることにより、固体の防錆剤組成物を得やすくなる。また、固体の多価アルコールであれば、有機アミン亜硝酸塩を細粒化あるいは表面を乾燥化しやすくなり、防錆剤組成物の防錆効果を向上しやすくなる。
前記式(1)で示される多価アルコールとしては、例えば、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、テトラペンタエリスリトール等のペンタエリスリトールおよびその縮合物;2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール;トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン等のトリメチロールアルキル;ジトリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパン、ジトリメチロールブタン等のジトリメチロールアルキル等が示される。これらは、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールエタン、またはジトリメチロールプロパンが特に好ましい。
本発明の防錆剤組成物中の有機アミン亜硝酸塩および多価アルコールの含有比率は、有機アミン亜硝酸塩/多価アルコールの質量比として75/25〜99.5/0.5の範囲にある。有機アミン亜硝酸塩/多価アルコールの質量比は、好ましくは80/20以上であり、より好ましくは85/15以上であり、また99/1以下が好ましく、98/2以下がより好ましい。
有機アミン亜硝酸塩/多価アルコールの質量比が75/25未満の場合は、有機アミン亜硝酸塩の含有量が低下し、防錆効果が十分発揮されない場合がある。有機アミン亜硝酸塩/多価アルコールの質量比が99.5/0.5超の場合は、多価アルコールの含有量が低下し、有機アミン亜硝酸塩の細粒化あるいは表面の乾燥化の効果が不十分となり、防錆効果が十分発揮されない場合がある。
次に、本発明の防錆剤組成物について説明する。本発明の防錆剤組成物は常温常圧(25℃、1気圧)で固体であることが好ましい。上記説明したように、防錆剤組成物に含まれる多価アルコールは、有機アミン亜硝酸塩を細粒化あるいは表面を乾燥化することにより、防錆効果を向上させていると考えられるが、多価アルコールによるこのような効果を確実に奏効させるためには、防錆剤組成物が固体であることが好ましい。
本発明の防錆剤組成物は、次のメカニズムにより防錆効果を発揮していると考えられる。まず、有機アミン亜硝酸塩が気化し、金属材料(特に鉄鋼材料)表面に吸着するとともに、結露等により金属材料表面に水が付着する。次いで、金属材料表面に付着した水に亜硝酸塩が溶解し、その結果、アノードとカソードの両極に影響が及び、金属表面が不働態化され、防錆効果が発現する。そして、本発明の防錆剤組成物は、式(1)で示される多価アルコールを含有することにより、有機アミン亜硝酸塩が細粒化あるいは表面乾燥化されて表面積が増えて、有機アミン亜硝酸塩の気化効率が向上するものと考えられる。
本発明の防錆剤組成物は、発錆が著しい高温高湿雰囲気下であっても、有機アミン亜硝酸塩が細粒化あるいは表面が乾燥化された状態が維持され、有機アミン亜硝酸塩が気化しやすくなり、その結果、防錆効果が十分発揮されやすくなる。
本発明の防錆剤組成物は、例えば、60μm以上の厚みのポリエチレンフィルムで密封すれば、大気中の水分を吸湿することなく、有機アミン亜硝酸塩の気化もほとんど起こらないため、取り扱いが容易となるとともに、劣化を防ぎやすくなる。従って、本発明の防錆剤組成物は、保存安定性にも優れたものとなる。
本発明の防錆剤組成物は、前記有機アミン亜硝酸塩と前記多価アルコール以外に、必要に応じて、バインダー、増量剤、顔料、色素等を含有してもよい。
本発明の防錆剤組成物の形状は、粉末状であってもよく、任意の方法で造粒した粒状、あるいは任意の方法で成形したペレット状等であってもよい。しかし、上述したように、本発明の防錆剤組成物に含まれる多価アルコールの効果を勘案すると、防錆剤組成物は粉末状の形状で用いることが好ましい。
本発明の防錆剤組成物を使用に当たっては、そのままの姿で用いてもよいが、取り扱い性を高めるため、通気性の不織布、あるいは孔開きフィルムや連続気泡タイプの発泡フィルムのような通気性フィルムからなる袋などに適量(例えば5g程度)包装して用いることが好ましい。ここで使用される不織布や通気性フィルムの種類は特に制限されない。防錆剤組成物の漏出を防止しつつ、防錆効果を有するガスの通過を許すものであれば、通常の植物性繊維、動物性繊維、再生繊維、合成繊維等の不織布、あるいは各種樹脂の連続発泡シート、孔開きフィルム等が全て使用可能である。なお、防錆剤組成物を使用する前は、防錆剤組成物あるいは防錆剤組成物を包装した袋を、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリイミド等の水蒸気不透過性のフィルムに密封して保管あるいは搬送し、使用時にフィルムを開封して使用するのがよい。
以下に、実施例を示すことにより本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
(1)防錆剤組成物の作製
表1の各番号に示された有機アミン亜硝酸塩、多価アルコール、およびその他の成分を、表1の各番号に示された配合率で配合し、防錆剤組成物を得た。表1中の多価アルコールとは、前記式(1)で示される多価アルコールを表し、粉末セルロースやグルコースは多価アルコールであってもその他の成分に分類される。
各試薬について、ジシクロヘキシルアミン亜硝酸塩はキレスト株式会社製のものを用い、粉末セルロースは日本製紙ケミカル株式会社製のKCフロックを用い、クエン酸は磐田化学工業株式会社製のものを用い、それ以外は関東化学株式会社から販売されているものを用いた。
(2)試験方法
(2−1)防錆試験
上記(1)で得られた防錆剤組成物を、表1の各番号に示された使用量分だけ量り取り、不織布製の袋(5cm×6cm)内に入れて密封し、防錆剤バッグを得た。20℃に調整した恒温槽内に、上面に穴を設けたアクリル樹脂(PMMA)製容器(アズワン株式会社製、ポータブルデシケータースタンダードPL、内寸法38cm×30cm×28.5cm、容量32.5L)を設置し、当該容器内のほぼ真ん中に防錆剤バッグをつり下げた。前記容器の上面の穴には、JIS Z 1519−1994 5.4「気化性さび止め性」に基づき作製した試験片付きゴム栓で、栓をした。前記試験片付きゴム栓は、アルミニウム管がゴム栓を貫通し、そのアルミニウム管の一端に試験片(みがき棒鋼用一般鋼材SGB3)が取り付けられたものであり、試験片が前記容器内の雰囲気と接していた。なお、アルミニウム管と試験片とは、別の穴あきゴム栓により両者が固定されていた。前記容器内の底部には、35%グリセリン水200mLを入れ、容器内を相対湿度90%に調整した。JIS Z 1519−1994 5.4「気化性さび止め性」の5.4.5「操作」に従い、20℃で20時間静置した後、アルミニウム管に0℃〜2℃の冷水を入れて試験片に結露を発生させ、その後20℃で3時間放置後、試験片の錆発生状況を5倍拡大ルーペで確認した。錆発生状況の評価は下記基準に従い、評価を表2に示した。
◎:錆の発生が見られない
○:1〜10個の点錆の発生が見られる
△:11個以上の点錆の発生、または試験片の全表面積の10%未満に錆または変色が見られる
×:試験片の全表面積の10%〜50%に錆または変色が見られる
××:試験片の全表面積の50%超に錆または変色が見られる
(2−2)保存安定性試験
上記(1)で得られた防錆剤組成物を1.0g量り取り、不織布製の袋(5cm×6cm)内に入れて密封し、防錆剤バッグを得た。得られた防錆剤バッグを10袋、厚さ60μmのポリエチレンフィルムの袋(10cm×10cm)に密封し、40℃、90%RHの環境下で10日間静置し、ポリエチレンフィルムの袋の膨れの状況を確認した。ポリエチレンフィルムの袋の膨れの状況の評価は下記基準に従い、評価を表2に示した。なお、保存安定性試験を行わなかった番号の欄には、「−」の記号を記した。
○:変化なし
△:膨れが少し見られる
×:袋がボールのように膨れる
(3)試験結果
防錆試験において、防錆剤組成物を容器内に設置しなかったNo.15では、評価は「××」となった。これに対し、ジシクロヘキシルアミン亜硝酸塩と前記式(1)で示される多価アルコールとを、有機アミン亜硝酸塩/多価アルコールの質量比として75/25〜99.5/0.5の範囲の比率で配合した防錆剤組成物を使用したNo.1〜3,5,6では、防錆試験の評価は「○」または「△」となった。No.1〜3,5,6では、防錆剤組成物を容器内に設置しなかったNo.15(評価:××)、あるいはジシクロヘキシルアミン亜硝酸塩のみを含み多価アルコールを含まない防錆剤組成物を使用したNo.7(評価:×)と比較して、防錆効果に改善が認められた。一方、ジシクロヘキシルアミン亜硝酸塩と、前記式(1)で示される多価アルコールとしてペンタエリスリトールとを、有機アミン亜硝酸塩/多価アルコールの質量比として70/30の比率で配合した防錆剤組成物を使用したNo.4では、No.1〜3,5,6と比較して防錆効果は弱く、ジシクロヘキシルアミン亜硝酸塩のみを含む防錆剤組成物を使用したNo.7と比較して防錆効果の改善が認められなかった。
保存安定性試験では、ジシクロヘキシルアミン亜硝酸塩のみを含む防錆剤組成物を使用したNo.7、およびジシクロヘキシルアミン亜硝酸塩と前記式(1)で示される多価アルコールとを含む防錆剤組成物を使用したNo.2〜4,6について検討し、いずれも保存安定性が良好となった。
従って、ジシクロヘキシルアミン亜硝酸塩と前記式(1)で示される多価アルコールとを、有機アミン亜硝酸塩/多価アルコールの質量比として75/25〜99.5/0.5の範囲の比率で配合した防錆剤組成物は、防錆効果と保存安定性の両方が優れていることが示された。
一方、多価アルコールでも、粉末セルロースやグルコースを、ジシクロヘキシルアミン亜硝酸塩とともに含む防錆剤組成物を使用したNo.8,9では、ジシクロヘキシルアミン亜硝酸塩のみを含む防錆剤組成物を使用したNo.7と比較して防錆効果の改善が認められなかった。また、ジシクロヘキシルアミン亜硝酸塩とケイ藻土を含む防錆剤組成物を使用したNo.10でも、ジシクロヘキシルアミン亜硝酸塩の防錆効果は改善されなかった。
No.11,12では、特開2001−31966号公報に開示された防錆剤組成物を使用したが、防錆効果の点では優れるものの、吸湿により防錆剤組成物が複分解反応して亜硝酸アンモニウムが発生し、保存安定性が良くなかった。
No.13,14では、特開2003−213462号公報に開示された防錆剤組成物を使用したが、防錆剤組成物の使用量が多いNo.13では、防錆効果の改善が認められず、逆に防錆剤組成物の使用量が少ないNo.14では、良好な防錆効果が認められた。No.13では、複分解反応により酸性の亜硝酸が多く発生し、酸性度が高くなった結果、防錆効果の改善が認められなかったものと考えられる。一方、No.14では、酸性度があまり高くならなかった結果、防錆効果の改善が認められたものと考えられる。No.13,14の保存安定性は、評価が「△」であり、保存安定性はあまり良くなかった。
本発明の防錆剤組成物は、金属の防錆用途へ適用できる。

Claims (3)

  1. 有機アミン亜硝酸塩と下記式(1)に示される多価アルコールとを、有機アミン亜硝酸塩/多価アルコールの質量比として75/25〜99.5/0.5の比率で含有し、固体であることを特徴とする防錆剤組成物。

    [式(1)中、X,Yは、同一または異なって、水素原子、水酸基、または炭素数1〜3のアルキル基を表し、nは0〜3の整数を表す。]
  2. 前記多価アルコールが、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールエタン、およびジトリメチロールプロパンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の防錆剤組成物。
  3. 前記有機アミン亜硝酸塩がジシクロヘキシルアミン亜硝酸塩である請求項1または2に記載の防錆剤組成物。
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