JP4145613B2 - 樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は磁性粉末、無機、有機充填剤などのフィラーを高充填し得る、強度、柔軟性が良好な樹脂組成物に関する。更に詳しくは、磁性粉末や無機充填剤等のフィラーの多量充填が要求されているゴム磁石、電磁波遮蔽材、電磁波吸収材、難燃樹脂組成物、放熱性シート、遮音、制振材、圧電、焦電材、導電材などの産業資材、建築資材、自動車部品に好適に使用できる樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、磁性粉末や無機充填剤などのフィラーを多量に充填した樹脂組成物は、ゴム磁石、モーター、電磁波遮蔽材、電磁波吸収材、難燃樹脂、遮音、制振材、導電材などの様々な分野に使用されている。これらの製品特性はフィラーの充填量と相関関係があり、一般的に高充填するほどフィラーに基づく好ましい特性が得られるが、逆に強度や柔軟性、加工性が低下することが知られている。
【0003】
これらの組成物は、一般に比較的柔軟性を要求されることが多く、この場合には様々な合成樹脂、合成ゴムが使用されている。例えば軟質ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ニトリルゴム、スチレンブタジエン系エラストマー、ブチルゴム、塩素化ポリエチレンなどが挙げられる。
【0004】
近年、環境負荷低減のため、ハロゲンを含まないか、あるいは含んでいても微量な組成物が求められており、またリサイクルの観点から、出きる限り架橋しない(溶融加熱により再成形可能)組成物が求められている。
塩素化ポリエチレンは磁性粉末や無機充填剤の多量充填性に優れるエラストマーである(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、軟質ポリ塩化ビニルと同様、塩素を含んでおり、前記の環境負荷の観点から考えると課題を残している。ニトリルゴム、ブチルゴムなどの合成ゴムは充填性が不足する上、ほとんどの場合、架橋を施す必要があり、リサイクル性などに問題があった。
【0005】
一方、特定のポリエチレンに充填剤を添加した組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。しかし、これらの組成物は柔軟性が不足し、折り曲げて使用する際には問題になる。また、特定のエラストマーとエチレン−酢酸ビニル共重合体を有機過酸化物で処理し、部分的に架橋したプラスチック磁石組成物が知られている(例えば、特許文献3参照。)。しかし、エラストマーの分子量や組成比率には言及されておらず、充填性が劣る欠点があった。
【0006】
【特許文献1】
特開昭62−30144号公報(第5−12頁、表1、表2)
【特許文献2】
特開昭60−31550号公報(第4−5頁、表1)
【特許文献3】
特開昭56−65036号公報(第2頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上のことから、本発明はこれらの問題がなく、すなわち磁性粉末あるいは無機フィラーを高充填が可能であり、柔軟性、強度、加工性に優れ、ハロゲンをほとんど含まない樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、特定エラストマーとエチレン共重合体を組み合わせることで上記目的を達成しうることを見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の[1]〜[8]に示される樹脂組成物に関する。
【0009】
[1]ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量が100万以上であるポリイソブチレン(A)を50〜95質量部、融点が110℃以下であるエチレン共重合体(B)を50〜5質量部(但し、ポリイソブチレン(A)+エチレン共重合体(B)を100質量部とする)、および磁性粉末(C)を(A)+(B)の合計100質量部に対して100〜900質量部含むことを特徴とする樹脂組成物。
【0010】
[2]エチレン共重合体(B)が、エチレン−ビニルエステル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体およびエチレン−メタクリル酸エステル共重合体からなる群から選ばれる少なくとも一つである上記[1]に記載の樹脂組成物。
[3]エチレン共重合体(B)が、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体およびエチレン−メタクリル酸メチル共重合体からなる群から選ばれる少なくとも一つである上記[1]に記載の樹脂組成物。
[4]エチレン共重合体(B)の融点が80℃以上105℃以下である上記[2]または[3]に記載の樹脂組成物。
[5]上記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の樹脂組成物の成形体。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明で用いるエラストマー(A)としては、エチレン−プロピレン共重合体およびエチレン−プロピレン共重合体に、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネンなどの第三成分を共重合したもの、スチレン−ブタジエン共重合体およびその水素添加改質品、スチレン−イソプレン共重合体およびその水素添加改質品、ポリブタジエン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体およびその水素添加改質品、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、イソブチレン−イソプレン共重合体およびその塩素化、臭素化品、ポリウレタン、ポリノルボルネンなどが挙げられる。
【0012】
上記の中ではイソブチレンをモノマー単位として有するエラストマー(以下、「ブチル系エラストマー」という。)であるポリイソブチレン、イソブチレン−イソプレン共重合体が好ましく、ポリイソブチレンが高充填性に優れており、特に好ましい。
【0013】
エラストマー(A)はゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量が30万以上である。これらのエラストマーの重量平均分子量が30万より小さいと、磁性粉末や無機フィラーの高充填性が悪くなることがある。重量平均分子量は、好ましくは50万以上、さらに好ましくは100万以上である。分子量の上限については特に制限はない。ただし、300万以上であると、混練、押出などの加工性が悪くなる場合がある。
【0014】
本発明で用いるエチレン共重合体(B)としては、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−ビニルエステル共重合体、エチレン−α、β−不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン−α、β−不飽和カルボン酸共重合体またはエチレン−α、β−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル共重合体およびそのアミド、イミド、アイオノマーなどが挙げられる。
【0015】
更に具体的には、エチレン−α−オレフィン共重合体として、エチレンとブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1などの共重合体が挙げられる。
【0016】
またエチレン−ビニルエステル共重合体としては、エチレンと酢酸ビニル、カプロン酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニルとの共重合体が挙げられる。
【0017】
また、エチレン−α、β−不飽和カルボン酸エステル共重合体としては、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体などが挙げられ、更に具体的には、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸ブチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸グリシジル共重合体などが挙げられる。
【0018】
エチレン−α、β−不飽和カルボン酸共重合体またはエチレン−α、β−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル共重合体としては、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−無水マレイン酸−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸のNa、Zn塩などのアイオノマーが挙げられる。
【0019】
これらのエチレン共重合体(B)の中では、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体が好ましい。
【0020】
また、エチレン共重合体(B)の融点は110℃以下である。融点は示差走査熱量測定法(DSC) JIS K7121 による結晶融解のピーク温度で示される。エチレン系共重合体の融点はエチレンと共重合するモノマーの量に依存することは知られており、エチレン系共重合体の融点が110℃より高いと、共重合量が少なく、充填性、柔軟性に劣る。エチレン共重合体(B)の融点が80℃以上105℃以下の範囲にあると柔軟性、耐熱性のバランスが良好であり、好ましい。
【0021】
エチレン共重合体(B)の分子量については特に限定はないが、分子量の目安となるメルトフローレート(試験温度190℃、加重21.18N)の範囲は0.1〜50g/10分程度であることが好ましい。0.1g/10分以下だと、混練、押出などの加工性が悪くなり、50g/10分以上であると、エラストマー(A)との混合性が悪くなると共に、充填性が悪くなる傾向がある。
【0022】
エラストマー(A)とエチレン共重合体(B)との比率は、(A)が50〜95質量部、(B)が50〜5質量部である。但し、(A)+(B)の合計で100質量部とする。エラストマー(A)が50質量部未満では、充填性が悪くなり、95質量部より多くなると、混練、押出などの加工性が悪くなる。
【0023】
本発明で用いるフィラー(C)は磁性粉末、金属およびその酸化物、水酸化物、ケイ酸塩、炭酸塩、硫酸塩、炭素類などの無機充填剤、または有機充填剤であり、特に限定されない。
【0024】
磁性粉末の例としては、アルニコ(Al−Ni−Fe合金類)、フェライト類(MO・xFe2O3、x=Ba、Srなど)、希土類磁性粉(Sm−Co、Sm−T、Nd−Fe−B合金類など)、純鉄、炭素鋼粉末、ケイ素鋼粉末、パーマロイ(Ni−Fe合金類)、Fe−Co合金類、Al−Fe合金類、センダスト(Al−Si−Fe合金類)、カルボニル鉄、マンガンビスマス磁石などが挙げられる。
【0025】
金属およびその酸化物、水酸化物の例としては、亜鉛、酸化亜鉛、銅粉、酸化銅、黄銅、酸化チタン、ボロン、タングステン、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化アンチモン、鉛、酸化鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、アルミニウム粉、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化ベリリウム、塩基性炭酸マグネシウム、シリカなどが挙げられる。
【0026】
炭酸塩の例としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドーソナイトなどが挙げられる。ケイ酸塩としては、タルク、クレー、マイカ、ケイ酸カルシウム、珪藻土、ガラス(繊維、ビーズ、発泡ビーズ)、モンモリロナイト、ベントナイト、などが挙げられる。硫酸塩としては、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸アンモニウムなどが挙げられる。炭素類としては、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、カーボンナノチューブ、フラーレン類などが挙げられる。
【0027】
その他として、炭化ケイ素、窒化ホウ素、ホウ酸亜鉛、チタン酸カリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム、硫化モリブデンなどが挙げられる。
【0028】
有機充填剤としては、木粉;木綿;セルロース、ナイロン、アラミド、超高分子量ポリエチレンなどの繊維、微粉、フレークが挙げられる。
【0029】
本発明の樹脂組成物はフィラー(C)を単独あるいはその他種類とを併用してもよい。
【0030】
フィラー(C)の含有量はフィラーの密度によって状況は変わるが、エラストマー(A)とエチレン共重合体(B)との合計100質量部に対して、100〜2000質量部である。100質量部未満であると、フィラーを高充填することによって得られる機能が不足し、2000質量部を越えると、加工性が悪くなり、得られた組成物の柔軟性が不足する。
【0031】
本発明の樹脂組成物は、さらに上記(A)〜(C)以外にも改質のため、その他樹脂、エラストマーを添加しても良い。但し、その添加量は(A)+(B)100質量部に対して30質量部以下が望ましい。
【0032】
また当該分野で通常実施されているように各種配合剤、例えば酸化防止剤、光安定剤、加工助剤、滑剤、可塑剤、粘性賦与剤、難燃剤、顔料などを加えることも可能である。さらに、必要に応じて、有機過酸化物などの架橋剤や架橋促進剤として、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレートなどを使用して架橋することも可能である。
【0033】
本発明における各成分、配合剤の添加、混合方法としてはオープンロール、バンバリーミキサー、加圧式ニーダー、インターミキサー、押出機等の通常の樹脂、ゴム混練に適用される方法が利用できる。
【0034】
さらに、本発明の樹脂組成物の成形は、金型による圧縮成形、射出成形、トランスファー成形や押出成形、カレンダー成形などの任意の方法を採用することが出来る。
【0035】
【実施例】
以下に本発明を実施例および比較例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
尚、実施例および比較例中、各化合物は次のように表される。
エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合体(EPDM)
イソブチレン−イソプレン共重合体(IIR)
ポリイソブチレン(PBR)
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)
エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)
エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)
エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)
エチレン−ブテン−1共重合体(VLDPE)
低密度ポリエチレン(LDPE)
エチレン−ヘキセン−1共重合体(LLDPE)
【0036】
<エラストマーの重量平均分子量(Mw)の測定>
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した。
溶離液:THF(1mL/min)
分子量標準物質:ポリスチレン
検出器:RI
カラム:Shodex KF803L+KF804L+KF805L
【0037】
<エチレン共重合体の融点測定>
示差走査熱量測定法(DSC) JIS K7121 により測定し、結晶融解のピーク温度を融点とした。昇温速度は10℃/min。
測定装置:パーキンエルマー社製 DSC−7型
【0038】
<エラストマー>
EPDM1:
GPCで測定した重量平均分子量(以下、Mwという)が50万、プロピレン含有量28%、ヨウ素価15のエチレン−プロピレン−(5−エチリデン−2−ノルボルネン)3元共重合体(日本合成ゴム(株)製、EP57C)
EPDM2:
Mwが20万、プロピレン含有量26%、ヨウ素価20のエチレン−プロピレン−(5−エチリデン−2−ノルボルネン)3元共重合体(日本合成ゴム(株)製、EP51)
IIR1:
Mwが45万、イソプレン量が1.5%のイソブチレン−イソプレン共重合体(日本合成ゴム(株)製、Butyl 268)
IIR2:
Mwが25万、イソプレン量が1.0%のイソブチレン−イソプレン共重合体(日本合成ゴム(株)製、Butyl 065)
PBR1:
Mwが200万のポリイソブチレン(エクソン化学(株)製、ビスタネックスMML−140)
PBR2:
Mwが80万のポリイソブチレン(エクソン化学(株)製、ビスタネックス MML−80)
【0039】
<エチレン系(共)重合体>
EVA:
酢酸ビニルの含有量が14質量%、融点が92℃、試験温度190℃、加重21.18Nで測定したメルトフローレート(以下MFRという)が2g/10分のエチレン−酢酸ビニル共重合体(日本ポリオレフィン(株)製、ジェイレクスEVA VE430A)
EMA1:
アクリル酸メチルの含有量が20質量%、融点が77℃、MFRが8g/10分のエチレン−アクリル酸メチル共重合体(日本ポリオレフィン(株)製、レスクパール RB5200)
EMA2:
アクリル酸メチルの含有量が12質量%、融点が90℃、MFRが8g/10分のエチレン−アクリル酸メチル共重合体(日本ポリオレフィン(株)製、レスクパール RB5120)
EEA1:
アクリル酸エチルの含有量が25質量%、融点が91℃、MFRが5g/10分のエチレン−アクリル酸エチル共重合体(日本ポリオレフィン(株)製、ジェイレクスEEA A4250)
EEA2:
アクリル酸エチルの含有量が15質量%、融点が99℃、MFRが1g/10分のエチレン−アクリル酸エチル共重合体(日本ポリオレフィン(株)製、ジェイレクスEEA A1150)
EMMA:
メタクリル酸メチルの含有量が38質量%、融点が57℃、MFRが15g/10分のエチレン−メタクリル酸メチル共重合体(住友化学工業(株)製、アクリフト WM403)
VLDPE:
密度が0.898g/cm3、融点が108℃、MFRが1g/10分のエチレン−ブテン−1共重合体(住友化学工業(株)製、エクセレンVL EUL130)
LDPE:
密度が0.918g/cm3、融点が108℃、MFRが2g/10分の低密度ポリエチレン(日本ポリオレフィン(株)製、ジェイレクスLD JK401N)
LLDPE:
密度が0.905g/cm3、融点が120℃、MFRが1g/10分のエチレン−ヘキセン−1共重合体(直鎖状低密度ポリエチレン)(日本ポリオレフィン(株)製、ハーモレックス NF324A)
【0040】
<フィラー>
フィラーとしては、平均粒径が1μmのストロンチウムフェライト(以下「フェライト」という。戸田工業(株)製)を使用した。
【0041】
<その他成分>
熱安定剤としてn−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’、5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート(以下「AO剤」という。旭電化工業(株)製)を用いた。
【0042】
(実施例1〜10、比較例1〜5、参考例1〜3)
表1に各実施例、比較例、参考例の組成を質量部で示す。混練は130℃の6インチロールにてエラストマーを素練りしたのち、エチレン共重合体を加え、5分混練した。これにフェライトとAO剤を添加し、10分間混練したのち、厚さ約2mmでシート化した。
【0043】
評価は、得られたシートを打ち抜き、以下の評価を実施した。
【0044】
<硬さ試験>
JIS−K6253に準じて実施し、Dデュロメーター硬さを求めた。
<引張試験>
JIS−K6251に準じて実施した。ただし引張試験片形状は2号ダンベル、ダンベル打ち抜きは列理方向、試験速度は200mm/分とした。
【0045】
<折り曲げ試験>
シートから列理方向に幅3mm、長さ40mmの短冊状試験片を打ち抜き、23℃でこれを180゜折り曲げて、亀裂の有無を確認した。
【0046】
○:亀裂なし
×:亀裂あり
【0047】
評価結果を表1に示す。なお、シート化不可と記載があるものは、ロールにてシートにならなかったもので、充填性が著しく悪いことを示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、磁性粉末、無機充填剤などのフィラーを高充填しても、強度、柔軟性が良好な樹脂組成物を提供できる。つまり磁性粉末や無機充填剤の多量充填が必要なゴム磁石、電磁波遮蔽材、電磁波吸収材、難燃樹脂組成物、放熱性シート、遮音、制振材、圧電、焦電材、導電材などの産業資材、建築資材、自動車部品などの幅広い分野に使用できる。
Claims (5)
- ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量が100万以上であるポリイソブチレン(A)を50〜95質量部、融点が110℃以下であるエチレン共重合体(B)を50〜5質量部(但し、ポリイソブチレン(A)+エチレン共重合体(B)を100質量部とする)、および磁性粉末(C)を(A)+(B)の合計100質量部に対して100〜900質量部含むことを特徴とする樹脂組成物。
- エチレン共重合体(B)が、エチレン−ビニルエステル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体およびエチレン−メタクリル酸エステル共重合体からなる群から選ばれる少なくとも一つである請求項1に記載の樹脂組成物。
- エチレン共重合体(B)が、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体およびエチレン−メタクリル酸メチル共重合体からなる群から選ばれる少なくとも一つである請求項1に記載の樹脂組成物。
- エチレン共重合体(B)の融点が80℃以上105℃以下である請求項2または3に記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物の成形体。
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