JP4145405B2 - 板材の切断方法および装置、板状部品セット、板状部品の接合方法、接合部品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、住宅の外壁を形成するサイディング等の板材を切断し、該切断した部品を接合してコーナ役物等を形成する場合において、前記板材を切断する方法および装置、切断された板状部品、該板状部品を接合する方法、板状部品を接合してなる役物としての接合部品に関するものである。
【0002】
【背景の技術】
住宅の屋根や壁や床を予めパネルとして工場で製造し、このようなパネルを建築現場において組み立てて行くことにより、住宅の施工を行うようにしたパネル工法において、さらに工場において、壁パネルの表面に予め外壁材であるサイディングを取付けることで、現場でのサイディングの取付作業を省き、これによって、現場工期の短縮化を図るようにした技術も行われている。
【0003】
ところで、上述したように、サイディングを予め工場で壁パネルに取付ける場合や、これに限らず、現場でサイディングを壁パネルに取付ける場合において、建物の出隅部にサイディングを取付ける場合、例えば特開平9−78754号公報に記載のように、断面L字状をなすコーナ用の役物を前記出隅部に取付けるようにしている。
【0004】
前記コーナ用の役物1は、図12に示すように、一方の側端面に傾斜面2a,3aを有する二つの板状部品2,3を、前記傾斜面2a,3aどうしを接合して直角に接合するとともに、角部に面取部4を形成したものである。
従来、前記コーナ用の役物1を製造する場合、図13に示すように、長方形板状をなすサイディングSをその幅方向に所定間隔で斜め(45度)に切断することで、傾斜面(切断面)2aを有する板状部品2…を形成するとともに、図14に示すように、別のサイディングSをその幅方向に幅方向に所定間隔で斜め(45度)に切断することで、前記傾斜面2aとは反対の方向に傾斜する傾斜面(切断面)3aを有する板状部品3…を形成しておき、これら板状部品2,3をその傾斜面2a,3aどうしを接合することで直角に接合したうえで、角部に面取部4を切削加工により形成するようにしている。
また、板状部品2,3を接合してなる役物1の端部に、前記サイディングSを斜めに切断したときの傾斜面2a,3aがある場合には、該端部を直角に切削加工するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のようにして、サイディングSを切断して役物1を製造する場合、以下のような課題があった。
すなわちまず、前記板状部品2,3の傾斜面2a,3aどうしを接合して役物1を形成した後、この役物1の角部に面取部4を加工するのに手間がかかっていた。
【0006】
また、サイディングSの表面には、外壁材としての外観意匠性を高めるために、目地等の模様が形成されているので、該サイディングSを切断してなる前記板状部品2,3の表面にも模様があり、該模様を接合された板状部品2,3間でピッタリと合わせるためには、多数の板状部品2,3から模様の合う板状部品2,3を適宜選択して接合する必要があるので、このような模様を合わせた板状部品2,3どうしの接合に苦慮していた。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、板材を切断して得られる二つの板状部品を接合することで、前記面取部を形成できるとともに、板状部品間で模様を合わせることができるようにした板状部品セットおよび板材の切断方法並びに板材の切断装置、さらには、板状部品の接合方法、この方法によって接合された接合部品を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の板材の切断方法は、例えば図1に示すように、上下面が平行な板材12を二つの平面状の切断面14a,15aで切断する板材12の切断方法において、一方の切断面14aと他方の切断面15aとを互いに直交させ、かつ、これら切断面14a,15aどうしの交線16を板材12の厚さ内に位置するようにして、該板材12を切断することによって、端部に凸状に直角に交わる2つの切断面を有する2つの板状部品を得ることを特徴としている。
【0009】
前記板材12としては、例えば、住宅の外壁材として使用される軽量気泡コンクリート製のサイディング10を使用するが、これに限ることなく別の材料を使用してもよい。また、サイディング10の幅が大きい場合は、予め該サイディング10を所定の幅に切断して前記板材12を形成しておく。
前記切断面14a,15aどうしの交線16を板材12の厚さ内に位置させる場合、この交線16と板材12の上面との切断面に沿う距離が、切断されてなる二つの板状部品20,21を直角に接合した際の面取部23の幅の半分程度の長さなるので、前記交線16の位置は面取部23に必要とされる幅に応じて設定する。
【0010】
請求項1の板材の切断方法においては、板材12を切断するに際し、一方の切断面14aと他方の切断面15aとを互いに直交させ、かつ、これら切断面14a,15aどうしの交線16を板材12の厚さ内に位置するようにして、該板材12を切断するので、図3および図4に示すように、切断されてなる板状部品20,21の切断面20a,21aどうしを、前記交線16を一致させるようにして当接して接合することで、該板状部品20,21どうしが直角に接合されるとともに、その接合部品23の角部には、交線16と板材12の上面との間にある切断面20b,21bによって面取部23が形成される。
【0011】
請求項2の板材の切断方法は、請求項1において、前記切断面14a,15aを板材12の上面に対して45度の角度で傾斜させることを特徴としている。
請求項2の板材の切断方法においては、板材12を切断してなる板状部品20,21の端部に、該板状部品20,21の上面に対して45度の角度で傾斜した切断面20a,21aが形成される。
したがって、該板状部品20,21の切断面20a,21aどうしを、前記交線16を一致させるようにして当接して接合する際において、この接合面が互いに直交する板状部品20,21の表面に対して45度の角度で傾斜するので、板状部品20,21どうしがバランスよく接合されるという利点がある。
【0012】
請求項3の板材の切断方法は、請求項1または2において、前記板材12の上面に、該板材12を切断していなる板状部品20,21間で連続する模様11が形成されていること特徴としている。
板材12を切断してなる板状部品20,21間で連続する模様とは、例えば板材12をその幅方向に二つに切断する場合において、該板材12の幅方向に連続している模様11のことを意味している。
また、前記模様11は、板材12がサイディングである場合は、サイディングの表面に形成される目地等の模様である。この模様は平面的にプリントされたものでもよいし、サイディングの表面に凹凸を形成したものでもよい。
【0013】
請求項3の板材の切断方法においては、板材12の上面には、該板材12を切断してなる板状部品20,21間で連続する模様11が形成されているので、該切断されてなる板状部品20,21の切断面20a,21aどうしを、前記交線16を一致させるようにして当接して接合することで、直角に接合された板状部品20,21間で模様11がピッタリと合うという利点がある。
【0014】
請求項4の板材の切断装置は、例えば図7〜図11に示すように、上下面が平行な板材12を二つの平面状の切断面で切断する板材の切断装置において、フレーム40と、このフレーム40に設けられて、前記板材12が載置固定されるテーブル41と、前記テーブル41の下方位置において板材12の長手方向に移動可能な移動部43と、この移動部43に設けられた一対の刃物57a,57bとを備え、該一対の刃物57a,57bを、前記板材12の端面視において、前記テーブル41上で直交し、かつ、その交線が前記板材12の厚み内に位置するようにして設け、
前記移動部43に前記刃物57a , 57を斜め45度の方向に昇降させる昇降手段をが設けたものである。
【0015】
前記テーブル41の上方には、上下に昇降可能に設けられて、テーブル41に載置された板材12を上方から押さえ付ける押え部61を設ける。また、前記移動部43には刃物57a,57bを昇降させる昇降手段(油圧シリンダ60)を設ける。そして、この昇降手段では、刃物57a,57bによってテーブル41上の板材12を切断するときには、該刃物57a,57bをテーブル41上まで上昇させ、切断後は刃物41をテーブル41下に下降させるようにする。
【0016】
請求項4の板材の切断装置においては、テーブル41上に切断すべき板材12を位置決めして載置固定した後、前記移動部43を板材12の一方の端面側から他方の端面側に移動させることにより、一対の刃物57a,57bによって板材12をその一方の端面側から他方の端面側に向けて切断して行く。
前記一対の刃物57a,57bは、前記板材12の端面視において、前記テーブル41上で直交し、かつ、その交線が前記板材12の厚み内に位置しているので、板材12は、一方の切断面と他方の切断面とが互いに直交し、かつ、これら切断面どうしの交線が板材の厚さ内に位置するようにして二つに切断される。
【0017】
請求項5の板材の切断装置は、請求項4において、前記一対の刃物57a,57bを、それぞれ円盤状をなし、中心部回りに回転することによって、外周の切刃で板材12を切断するものとし、
前記刃物57a,57bを板材12の上面に対して45度の角度で傾斜して設けたものである。
【0018】
請求項5の板材の切断装置においては、刃物57a,57bを回転させつつ外周の切刃で板材を切断していくことで、板材12を連続的に切断して行くことができる。
また、刃物57a,57bが板材12の上面に対して45度の角度で傾斜しているので、図3に示すように、板材12を切断してなる板状部品20,21の端部に、該板状部品20,21の上面に対して45度の角度で傾斜した切断面20a,21a,20b,21bが形成される。
【0019】
請求項6の板状部品セットは、例えば図1に示すように、上下面が平行な板材12を二つの平面状の切断面14a,15aで切断するに際し、一方の切断面14aと他方の切断面15aとを互いに直交させ、かつ、これら切断面14a,15aどうしの交線16を板材12の厚さ内に位置するようにして、該板材12を切断することによって2つ製造されてなり、
端部に凸状に直角に交わる2つの切断面20a(21a),20b(21b)を有するものである。
【0020】
請求項6の板状部品セットにおいては、図3および図4に示すように、板材12を切断してなる板状部品20,21の切断面20a,21aどうしを、該切断面どうしの交線16を一致させるようにして当接して接合することで、該板状部品20,21どうしが直角に接合されるとともに、その接合部品22の角部には、交線16と板材12の上面との間にある切断面20b,21bによって面取部23が形成される。
【0021】
請求項7の板状部品セットは、請求項6において、前記切断面14a,15aを板材12の上面に対して45度の角度で傾斜させたものである。
請求項7の板状部品セットにおいては、その切断面20a,21aどうしを、前記交線16一致させるようにして当接して接合する際において、この接合面が互いに直交する板状部品20,21の表面に対して45度の角度で傾斜するので、板状部品20,21どうしがバランスよく接合されるという利点がある。
【0022】
請求項8の板状部品セットは、請求項6または8において、前記板材12の上面に、該板材12を切断してなる板状部品20,21間で連続する模様11を形成したものである。
請求項8の板状部品セットにおいては、板状部品20,21の切断面20a,21aどうしを、該切断面20a,21aどうしの交線16を一致させるようにして当接して接合することで、直角に接合された板状部品20,21間で模様11がピッタリと合うという利点がある。
【0023】
請求項9の板状部品の接合方法は、請求項6〜8のいずれかに記載の板状部品セットの板状部品どうしを接合する板状部品の接合方法であって、前記板状部品20,21の切断面20a,21aどうしを、前記交線16を一致させるようにして当接して接合することを特徴としている。
【0024】
請求項9の板状部品の接合方法においては、前記板状部品20,21どうしを、それらの切断面20a,21aどうしの交線16を一致させるようにして当接して接合することで、該板状部品20,21どうしが直角に接合されるとともに、その接合部品22の角部には、交線16と板材12の上面との間にある切断面20b,21bによって面取部23が形成される。
【0025】
請求項10の接合部品は、請求項6〜8のいずれかに記載の板状部品セットの板状部品どうしを接合してなる接合部品であって、前記板状部品20,21の切断面20a,21aどうしを、前記交線16を一致させるようにして当接して接合してなるものである。
【0026】
請求項10の接合部品においては、前記板状部品20,21どうしを、それらの切断面20a,21aどうしの交線16を一致させるようにして当接して接合したので、該板状部品20,21どうしが直角に接合されるとともに、その接合部品22の角部には、交線16と板材12の上面との間にある切断面20b,21bによって面取部23が形成される。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係る板材の切断方法を説明するためのもので、住宅の外壁を形成するサイディング10の断面図である。このサイディング10は図1において紙面と直交する方向に長尺な長方形板状をなしており、その上面(表面)には、図2に示すように模様11が付与されている。
この模様11は目地を形どったもので、サイディング10の幅方向に連続して形成されるとともに、サイディング10の表面に深さの浅い凹溝を形成することにより、付与されている。
【0028】
図1に示すように、サイディング10は、まず、その幅方向において3等分に切断されるることで、帯状をなす3枚の板材12…とされる。なお、サイディング10を切断するには、外周に切刃を有する円盤状の刃物13によって切断する。この場合、該刃物13によってサイディング10の幅方向端部にある実部10a,10aは切り落とす。また、図1においては、刃物13が4つ図示されているが、実際には、一つの刃物13でサイディング10を3枚の板材12…に切断する。
【0029】
次に、前記板材12を互いに直交する二つの切断面で切断する。この場合、外周に切刃を有する円盤状の刃物14,15を板材12の端面視において、互いに直交させて切断する。刃物14,15には厚みがあるので、該刃物14,15の厚さの中心部を仮想の切断面14a,15aとすると、該切断面14a,15aを互いに直交させ、かつ、これら切断面14a,15aどうしの交線16を板材12の厚さ内に位置するようにして、該板材12を二つに切断する。また、切断する場合、切断面14a,15aをそれぞれ板材12の上面に対して45度の角度で傾斜させる。
同様にして、残りの2つの板材12,12も、刃物14,15によってそれぞれ二つに切断する。
【0030】
上記のようにして、板材12を切断することで、図3に示すように、二つの板状部品20,21が製造される。該板状部品20の端部に形成された傾斜している二つの面が実際の切断面20a,20bであり、同様に板状部品21の端部に形成された傾斜している二つの面が実際の切断面21a,21bである。なお、切断面20aと20bは直角であり、同様に切断面201aと21bとは直角である。
【0031】
板材12を切断して二つの板状部品20,21を製造したら、図4に示すように、該板状部品20,21を接合する。この場合、板状部品20の切断面20aと20bの稜線である前記交線16と、板状部品21の切断面21aと21bの稜線である交線16と一致させるとともに、切断面20aと切断面21aとを互いに当接して接合することにより行う。この接合は例えば切断面20a,21を接着剤によって接着することによって行うが、これに加えて、板状部品20から板状部品21に釘を打ちこむとともに、板状部品21から板状部品20に釘を打ちこんでもよい。
上記のようにして、板状部品20,21を接合することで、断面L字状をなす長尺な接合部品22を得ることができ、この接合部品22が、建物の出隅部に取付けられるコーナ用の役物22となる。
【0032】
そして、上記のようにして得られた接合部品(役物)22の角部には、前記交線16と板状部品20,21の上面との間にある切断面20b,21bによって面取部23が形成される。
したがって、従来と異なり、面取部を切削加工によって形成することなく、板状部品20,21を接合することで、面取部23を形成することができ、よって、役物22の製造に要する手間を軽減することができる。
【0033】
また、板状部品20,21は、板材12を切断してなるものであり、切断面20a,21aどうしを、前記16交線を一致させるようにして当接して接合したので、直角に接合された板状部品20,21間で模様11がピッタリと合うことになり、よって、模様11の合った役物(接合部品)22を容易に製造することができる。
さらに、板状部品20,21の接合面(切断面20a,20b)が互いに直交する板状部品20,21の表面に対して45度の角度で傾斜しているので、板状部品20,21どうしをバランスよく接合することができる。
【0034】
図5は、本発明に係る板材の切断方法の他の例を説明するためのものである。この例では、まず、前記サイディング10を刃物13によって、前記板材12と同幅の板材25と、この板材25より幅の大きい板材26とに切断する。この場合、該刃物13によってサイディング10の幅方向端部にある実部10a,10aは切り落とす。
【0035】
次に、板材26を前記刃物14,15によって切断して、三つの板状部品30,31,32を得る。
板材26を切断する場合、前記板材12の切断と同様に、刃物14,15を板材26の端面視において、互いに直交させて切断する。板材26を切断することで、三つの板状部品30,31,32が製造される。該板状部品30の端部に形成された傾斜している二つの面が切断面30a,30bであり、同様に板状部品31の両端部にそれぞれ形成された傾斜している二つの面が切断面31a,31bであり、板状部品32の端部に形成された傾斜している二つの面が切断面32a,32bである。
【0036】
また、前記板材25を前記刃物14,15によって切断して、前記板材12を切断した場合と同様に、二つの板材20,21を得る。そして、該板材20,21は、上記同様にして接合されて、図4に示すような、接合部品(役物)22となる。
【0037】
一方、前記板状部品30,31,32は、図6に示すようにして接合する。この場合、板状部品30の切断面30aと30bの稜線である前記交線16と、板状部品31の切断面31aと31bの稜線である交線16と一致させるとともに、切断面30aと切断面31aとを互いに当接して接合し、さらに、板状部品32の切断面32aと32bの稜線である前記交線16と、板状部品31の切断面31aと31bの稜線である交線16と一致させるとともに、切断面32aと切断面31aとを互いに当接して接合することにより行う。
【0038】
上記のようにして、板状部品30,31,32を接合することで、断面コ字状をなす長尺な接合部品33を得ることができ、この接合部品33が、例えば、玄関ポーチ柱の外面に取付けられる役物33となる。
なお、この役物33をポーチ柱に取付ける場合、該役物33を二つ用意しておき、該二つの役物33,33で断面矩形状のポーチ柱を囲むようにして取付ける。
【0039】
そして、上記のようにして得られた接合部品(役物)33の二つの角部には、それぞれ、面取部34,35が形成されるので、従来と異なり、面取部を切削加工によって形成することなく、板状部品30,31,32を接合することで、面取部34,35を形成することができ、よって、役物33の製造に要する手間を軽減することができる。
また、板状部品30,30,31は、板材26を切断してなるものであり、切断面30a,31aどうし、切断面32a,31aどうしを、前記16交線を一致させるようにして当接して接合したので、直角に接合された板状部品30,31間および板状部品32,31間で模様(図示略)がピッタリと合うことになり、よって、模様の合った役物(接合部品)33を容易に製造することができる。
【0040】
次に、例えば前記板材12を切断する切断装置について図7〜図10を参照して説明する。
図7は切断装置の側面図、図8は図7におけるA−A線矢視図、図9は図7におけるB−B線矢視図、図10は切断装置の平面図である。
図7〜図10において、符号40は切断装置のフレームを示す。このフレーム40は、鉄骨材を略直方体状に組んで形成されたものであり、該フレーム40の上面には、前記板材12が載置固定される平面視長方形状のテーブル41が設けられている。また、該テーブル41の上面には、当接板42が固定されている。この当接板42は、テーブル41の長手方向に延在する帯板状のものであり、前記板材12の側端面が当接されることで、板材12の幅方向の位置決めを行うようになっている。
【0041】
前記テーブル41の下方には、移動部43が図7において左右(図8において紙面と直交する方向)に移動可能に設けられている。
すなわち、まず、前記フレーム40の下部には、左右一対のレール44,44が該フレーム40の長手方向(図7において左右方向)に延在するようにして設けられており、一方、前記移動部43の下面には前記レール44,44上を摺動可能なスライド部45,45が設けられている。
また、前記フレーム40の上部には、左右一対のレール47,47が該フレーム40の長手方向に延在するようにして設けられており、一方、前記移動部43の上部には図8において左右に延在するフレーム48が固定されており、該フレーム48の両端部には、前記レール47,47上を摺動可能なスライド部49,49が設けられている。
【0042】
さらに、前記フレーム40の下部の左右両端部には、図7に示すように、プーリ50,50が設けられており、該プーリ50,50には無端状のベルト51が巻き掛けられ、該ベルト51には前記移動部43が取付けられている。
一方、前記フレーム40の左端部には、駆動モータ52が設けられており、この駆動モータ52によって、フレーム40の下部の左端部に設けられたプーリ50がベルト52aを介して回転されるようになっている。
【0043】
したがって、前記移動部43は、前記駆動モータ52を正方向に回転させることで、プーリ50,50、ベルト51を介して図7において左方に移動し、一方駆動モータ52を逆方向に回転させることで、プーリ50,50、ベルト51を介して右方に移動するようになっている。また、この移動の際において、移動部43は前記レール44,44およびレール47,47によって、左右方向への移動をガイドされて安定的に移動するようになっている。
【0044】
前記移動部43には、図7に示すように、左右一対のプレート53,53が所定間隔をもって設けられている。該プレート53,53は、図7において紙面と直交する方向(図8において左右方向)に移動可能に設けられたもので、一方のプレート53には、図8および図11に示すように、レール54,54が水平面に対して45度傾斜して設けられている。
該レール54,54には、プレート55がスライド部56,56を介して移動自在に設けられており、該プレート55には、刃物57aを回転させるモータ58が固定されている。このモータ58の回転軸には、刃物57aが取付けられている。この刃物57aは外周部に切刃を有する円盤状のものであり、水平面に対して45度の角度で傾斜されて前記モータ58の回転軸に取付けられている。
【0045】
また、前記プレート53の下部には、油圧シリンダ60が取付けられており、この油圧シリンダ60のピストンロッドが前記プレート55に連結されている。したがって、前記プレート53は油圧シリンダ装置60のピストンロッドを伸縮させることで、前記レール54,54に沿って斜め45度の方向に上下動し、該プレート53の上下動とともに前記刃物57aが斜め45度の方向に上下動するようになっている。
【0046】
また、他方のプレート53には、前記一方のプレート53の場合と同様にして、プレート55が設けられており、このプレート55には、モータ58が設けられ、このモータ55の回転軸に刃物57bが取付けられている。この刃物57bは前記刃物57aと同形、同大のものであり、水平面に対して、前記刃物57aとは逆方向に45度の角度で傾斜されて前記モータ58の回転軸に取付けられている。
さらに、前記刃物57a,57bは、図8に示すように、板材12の端面視において、前記テーブル41上で直交し、かつ、その交線が板材12の厚み内に位置するようにして設けられている。
【0047】
なお、図8においては、刃物57bを回転させるモータ58、このモータ58が設けられたプレート55、このプレート55を斜めに上下動させる油圧シリンダ60等は省略してあるが、前記刃物57bはプレート53の上下動とともに前記刃物57aと直交するようにして斜め45度の方向に上下動するようになっている。
また、前記刃物57a,57bは、前記プレート53,53を、図7において紙面と直交する方向(図8において左右方向)に移動させることで、板材12の端面視において(図8において)、左右に接離できるようになっており、これによって、刃物57a,57bの交線の位置を板材12の厚さ応じて調整できるようになっている。
【0048】
また、前記テーブル41の上方には、図7、図9および図10に示すように、テーブル41に載置された板材12を上方から押さえ付けるための押え部61が設けられている。この押え部61は、テーブル41の長手方向に沿って長尺なもので、その下面には、板材12を切断する際に前記テーブル41上から突出する刃物57a,57bが侵入可能な溝部(図示略)が設けられている。
【0049】
一方、前記フレーム40の両端部には、それぞれ油圧シリンダ62が設けられており、この油圧シリンダ62のピストンロッドには、昇降ロッド63が連結されている。この昇降ロッド63は、前記フレーム40の端部に設けられたガイド部64によって、昇降自在に支持されており、該昇降ロッド63の上端部は、前記押え部61の端部に連結されている。
そして、上記押え部61は、油圧シリンダ62,62のピストンロッドを伸縮させて、昇降ロッド63,63が昇降させることで、前記テーブル41上で昇降するようになっており、下降することで板材12を上方から押さえ付けてテーブル41上に固定するようになっている。
【0050】
次に上記構成の板材の切断装置の動作について説明する。
まず、予め、前記移動部43を図7において、フレーム40の右端部に寄せておくとともに、また、前記プレート53,53を、図7において紙面と直交する方向(図8において左右方向)に移動させることで、刃物57a,57bを接近または離間させて、該刃物57a,57bの交線の位置を板材12の厚さ応じて調整する。
【0051】
次に、テーブル41上に、切断すべき板材12を載置するとともに、該板材12の一方の側端面を、前記当接板42に当接することで、板材12の幅方向の位置決めを行い、その後、前記油圧シリンダ62,62のピストンロッドを引込むことで、押え部61を下降させて、該板材12を押え部61によって上方から押さえ付けてテーブル41上に固定する。
【0052】
次に、前記モータ58を起動して刃物57a,57bを回転させた後、前記油圧シリンダ60,60のピストンロッドを伸ばすことで、刃物57a,57bを斜め45度の角度で、かつ互いに直交させるようにして上昇させる(図7および図11参照)。このとき、刃物57a,57bは、板材12の端面視において、前記テーブル41上で直交し、かつ、その交線が板材12の厚み内に位置する。
【0053】
次に、前記駆動モータ52を正回転させることで、前記移動部43を、プーリ50,50、ベルト51を介して図7において左方に移動させる。すると、まず刃物57bによって板材12が切断されていき、引き続いて刃物57aによって板材12が切断されていく。
刃物57a,57bは、板材12の端面視において、テーブル41上で直交し、かつ、その交線が板材12の厚み内に位置しているので、板材12は、一方の切断面と他方の切断面とが互いに直交し、かつ、これら切断面どうしの交線が板材12の厚さ内に位置するようにして二つに切断されていく。
移動部43をフレーム40の左端部まで移動させると、前記板材12が刃物57b,57aによって完全に切断される。
【0054】
このようにして、板材12を切断することで、図3に示すような、二つの板状部品20,21を容易に製造することができる。また、刃物57a,57bが板材12の上面に対して45度の角度で傾斜しているので、板材12を切断してなる板状部品20,21の端部に、該板状部品20,21の上面に対して45度の角度で傾斜した切断面を形成することができる。
【0055】
板材12の切断が終了したならば、前記油圧シリンダ60,60のピストンロッドを引込むことで、刃物57a,57bを斜め45度の角度で下降させた後、前記駆動モータ52を逆回転させることで、前記移動部43を、プーリ50,50、ベルト51を介して図7において右方に移動させて元の位置に戻す。
また、前記油圧シリンダ62,62のピストンロッドを伸ばすことで、押え部61を上昇させて該板材12から離し、その後、切断された板状部品20,21を取出す。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1の板材の切断方法によれば、板材を切断するに際し、一方の切断面と他方の切断面とを互いに直交させ、かつ、これら切断面どうしの交線を板材の厚さ内に位置するようにして、該板材を切断するので、板材を切断してなる板状部品の端部に、これら板状部品を直角に接合するための切断面を形成することができるとともに、該板状部品を当接して接合してなる接合部品の角部の面取部となる切断面を形成することができる。
【0057】
請求項2の板材の切断方法によれば、請求項1と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、前記切断面を板材の上面に対して45度の角度で傾斜させたので、板材を切断してなる板状部品の端部に、該板状部品の上面に対して45度の角度で傾斜した切断面を形成することができる。
したがって、該板状部品の切断面どうしを、前記交線を一致させるようにして当接して接合する際において、この接合面が互いに直交する板状部品の表面に対して45度の角度で傾斜するので、板状部品どうしをバランスよく接合することができる。
【0058】
請求項3の板材の切断方法によれば、請求項1または2と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、前記板材の上面に、該板材を切断していなる板状部品間で連続する模様を形成したので、該切断されてなる板状部品の切断面どうしを、前記切断面どうしの交線を一致させるようにして当接して接合することで、直角に接合された板状部品間で模様がピッタリと合わせることができる。
【0059】
請求項4の板材の切断装置によれば、切断されるべき板材が載置固定されるテーブルの下方位置において板材の長手方向に移動可能な移動部と、この移動部に設けられた一対の刃物とを備え、該一対の刃物を、前記板材の端面視において、前記テーブル上で直交し、かつ、その交線が前記板材の厚み内に位置するようにして設けたので、板材を、一方の切断面と他方の切断面とが互いに直交し、かつ、これら切断面どうしの交線が板材の厚さ内に位置するようにして切断することができる。
【0060】
請求項5の板材の切断装置によれば、請求項4と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、前記一対の刃物を、それぞれ円盤状をなし、中心部回りに回転することによって、外周の切刃で板材を切断するものとしたので、刃物を回転させつつ外周の切刃で板材を切断していくことで、板材を連続的に切断して行くことができる。
また、前記刃物を板材の上面に対して45度の角度で傾斜したので、板材を切断してなる板状部品の端部に、該板状部品の上面に対して45度の角度で傾斜した切断面を容易に形成することができる。
【0061】
請求項6の板状部品セットは、一方の切断面と他方の切断面とを互いに直交させ、かつ、これら切断面どうしの交線を板材の厚さ内に位置するようにして、該板材を切断することによって製造したものであるので、該板状部品の切断面どうしを、該切断面どうしの交線を一致させるようにして当接して接合することで、該板状部品どうしを直角に接合することができるとともに、その接合部品の角部に、交線と板材の上面との間にある切断面によって面取部を形成することができる。
【0062】
請求項7の板状部品セットによれば、請求項6と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、前記切断面を板材の上面に対して45度の角度で傾斜させたものであるので、切断面どうしを、前記交線を一致させるようにして当接して接合する際において、この接合面が互いに直交する板状部品の表面に対して45度の角度で傾斜するので、板状部品どうしをバランスよく接合することができる。
【0063】
請求項8の板状部品セットによれば、請求項6または8と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、前記板材の上面に、該板材を切断してなる板状部品間で連続する模様を形成したので、板状部品の切断面どうしを、該切断面どうしの交線を一致させるようにして当接して接合することで、直角に接合された板状部品間で模様をピッタリと合わせることができる。
【0064】
請求項9の板状部品の接合方法および請求項10の接合部品によれば、請求項6〜8のいずれかに記載の板状部品セットの板状部品の切断面どうしを、前記交線を一致させるようにして当接して接合したので、該板状部品どうしを直角に接合することができるとともに、その接合部品の角部に、交線と板材の上面との間にある切断面によって面取部を形成することができる。したがって、従来と異なり、面取部を切削加工によって形成することがないので、接合部品の製造に要する手間を軽減することができる。また、請求項8の板状部品セットの板状部品を接合してなる板状の部品の接合方法および接合部品では、直角に接合された板状部品間で模様(図示略)がピッタリと合うので、模様の合った接合部品を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る板材の切断方法の一例を説明するためのもので、住宅の外壁を形成するサイディングと刃物を示す断面図である。
【図2】同、サイディングの斜視図である。
【図3】同、板材を切断してなる板状部品の断面図である。
【図4】本発明に係る接合部品の一例を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る板材の切断方法の他の例を説明するためのもので、住宅の外壁を形成するサイディングと刃物を示す断面図である。
【図6】本発明に係る接合部品の他の例を示す斜視図である。
【図7】本発明に係る板材の切断装置の一例を示すもので、該切断装置の側面図である。
【図8】同、図7におけるA−A線矢視図である。
【図9】同、図7におけるB−B線矢視図である。
【図10】同、切断装置の平面図である。
【図11】同、刃物を上下動させる機構の要部を示す側面図である。
【図12】従来の接合部品の一例を示す斜視図である。
【図13】従来の板材の切断方法の一例を説明するためのもので、住宅の外壁を形成するサイディングと切断位置を示す断面図である。
【図14】従来の板材の切断方法の一例を説明するためのもので、住宅の外壁を形成するサイディングと切断位置を示す断面図である。
【符号の説明】
12,25,26 板材
11 模様
14,15 刃物
14a,15a 切断面
16 交線
20,21,30,31,32 板状部品
20a,20b,21a,21b 切断面
30a,30b,31a,31b,32a,32b 切断面
22,33 接合部品
23,35 面取部
40 フレーム
41 テーブル
43 移動部
57a,57b 刃物
61 押え部
Claims (10)
- 上下面が平行な板材を二つの平面状の切断面で切断する板材の切断方法において、
一方の切断面と他方の切断面とを互いに直交させ、かつ、これら切断面どうしの交線を板材の厚さ内に位置するようにして、該板材を切断することによって、端部に凸状に直角に交わる2つの切断面を有する2つの板状部品を得ることを特徴とする板材の切断方法。 - 請求項1記載の板材の切断方法において、
前記切断面を板材の上面に対して45度の角度で傾斜させることを特徴とする板材の切断方法。 - 請求項1または2記載の板材の切断方法において、
前記板材の上面には、該板材を切断してなる板状部品間で連続する模様が形成されていること特徴とする板材の切断方法。 - 上下面が平行な板材を二つの平面状の切断面で切断する板材の切断装置において、
フレームと、このフレームに設けられて、前記板材が載置固定されるテーブルと、前記テーブルの下方位置において板材の長手方向に移動可能な移動部と、この移動部に設けられた一対の刃物とを備え、該一対の刃物は、前記板材の端面視において、前記テーブル上で直交し、かつ、その交線が前記板材の厚み内に位置するようにして設けられており、
前記移動部には前記刃物を斜め45度の方向に昇降させる昇降手段が設けられていることを特徴とする板材の切断装置。 - 請求項4記載の板材の切断装置において、前記一対の刃物は、それぞれ円盤状をなし、中心部回りに回転することによって、外周の切刃で板材を切断するものであり、前記刃物は板材の上面に対して45度の角度で傾斜して設けられていることを特徴とする板材の切断装置。
- 上下面が平行な板材を二つの平面状の切断面で切断するに際し、一方の切断面と他方の切断面とを互いに直交させ、かつ、これら切断面どうしの交線を板材の厚さ内に位置するようにして、該板材を切断することによって2つ製造されてなり、
端部に凸状に直角に交わる2つの切断面を有することを特徴とする板状部品セット。 - 請求項6記載の板状部品セットにおいて、
前記切断面が板材の上面に対して45度の角度で傾斜していることを特徴とする板状部品セット。 - 請求項6または7記載の板状部品セットにおいて、
前記板材の上面には、該板材を切断してなる板状部品間で連続する模様が形成されていることを特徴とする板状部品セット。 - 請求項6〜8のいずれかに記載の板状部品セットの板状部品どうしを接合する板状部品の接合方法であって、
前記板状部品の切断面どうしを、前記交線を一致させるようにして当接して接合することを特徴とする板状部品の接合方法。 - 請求項6〜8のいずれかに記載の板状部品セットの板状部品どうしを接合してなる接合部品であって、
前記板状部品の切断面どうしを、前記交線を一致させるようにして当接して接合してなることを特徴とする接合部品。
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