JP4143999B2 - 物品搬送用箱 - Google Patents

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【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、主として物品搬送用として使用する、低発泡ポリプロピレン樹脂板で形成した物品搬送用箱に関する。
【0002】
【従来の技術】
物品搬送用箱は、紙段ボール製またはポリプロピレン段ボール製の物品搬送用箱、あるいは熱可塑性合成樹脂製で金型を使用して成形されるもので、主として製品や部品、半完成品等(以下、「被搬送物」という)を内部に収容して搬送するために使用されるものである。例えば、食品業界では食品の容器(例えばプリンの容器)等を多数収容し、搬送する場合などに使用されている。また医療業界では、医薬品の容器(例えば薬瓶、外装用箱)等を多数収容し、搬送する場合などに使用されている。
【0003】
上記物品搬送用箱に要求される機能は、収容される被搬送物が損傷しないこと、被搬送物が汚染されないことであり、この他に物品搬送用箱を繰り返して使用できるように物品搬送用箱自体の耐候性、耐久性及び衛生的使用性などの機能が要求される。
【0004】
また、特定の業界では製品に高い安全性と信頼性が求められることから、物品搬送用箱にも前記機能を高い水準で満たすことが求められる。例えば前述の食品業界や医療業界では、食品や医療用品に対して特に高い安全性と信頼性が要求されるため、当該食品や医薬品の容器については、外観に僅かな傷があるだけで需要者の不信を招き、商品価値を大きく損なうこととなるため、このような被搬送物を搬送するための物品搬送用箱は、搬送中に擦れ合ったり、倒れたりすることがない状態で物品搬送用箱に収容される必要がある。
【0005】
更に、食品や医薬品には異物が混入することは絶対に許されないため、食品や医薬品の容器に衛生上認められていない化学物質や塵芥が付着することを防止する必要がある。従って、物品搬送用箱は内部を衛生的に保つことによって物品搬送用箱内での汚染を防止するとともに、搬送中に内部を密封できるようにして外部からの汚染を防止する必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の物品搬送用箱には、以下に示すような、種々の問題点がある。
即ち、上記紙段ボール製やポリプロピレン段ボール製の物品搬送用箱では、箱形成素材が柔らかいため、物品搬送用箱の側壁や底面が湾曲する点に問題がある。このため、被搬送物を収容して持ち上げた際や搬送中に側壁や底面が湾曲し、被搬送物の間や被搬送物と物品搬送用箱の間に間隙が生じて被搬送物が動いて擦れ合ったり、間隙に被搬送物が倒れこんで損傷する場合がある。
【0007】
また、側壁や蓋部の重ね合わせ部分に隙間が多くあり、側壁や蓋部の変形によっても隙間が生じ、そこから塵芥が侵入して外部から被搬送物を汚染する。更に側面に形成した持ち手用穴からも塵芥が侵入する。
【0008】
これに加え、紙段ボール製の場合は表面や中空部分から紙粉と呼ばれる微細な塵芥が発生するため、物品搬送用箱の内部でも被搬送物を汚染する。さらに、紙段ボールの中空部分での害虫等の発生の畏れもあるだけでなく、水分に弱く、洗浄することが困難であるため衛生的使用性に問題がある。
【0009】
また、上記熱可塑性合成樹脂製で金型を使用して成形した物品搬送用箱では、成形上の必要性から内面に抜き勾配があるため、物品搬送用箱の中の空間形状が直方体ではなく、上部へいくほど僅かに広がった空間形状となる点に問題がある。このような空間形状では、物品搬送用箱の底部では被搬送物を隙間なく収容することができても、上方では被搬送物の間に隙間が生じることになり、被搬送物が動いて擦れ合い、損傷することとなる。
【0010】
更に、被搬送物が異なると物品搬送用箱をこれに合わせた寸法、形状とする必要があるが、被搬送物が多品種少量生産の場合、金型を製作するためのコストにより物品搬送用箱のコストが高騰する問題もある。
【0011】
以上のように、物品搬送用箱に高い機能性を要求する特定の業界においては、上記従来の物品搬送用箱のいずれもが機能的に満足できるものではなく、問題点を補うため物品搬送用箱の内部に別の内箱や仕切りを用いたり、シート状材などの他の包装用資材と組み合わせて使用する必要があった。このため、物品搬送用箱への梱包、開梱に労働力と時間を要し、また繰り返して使用できない包装用資材を大量に使用するため、被搬送物の搬送コストの高騰を招来していた。
【0012】
また、この他、従来の紙段ボール製の物品搬送用箱は、箱形成素材自体が水に弱く、箱の破損や異臭を招来することとなるほか、折り曲げて組み立てた物品搬送用箱は隙間があって水密化されていなかったため、食品などの水分の多い被搬送物を収容すると水が漏れる畏れがあり、水分の多い被搬送物を搬送することは行われていなかった。
【0013】
一方、上記従来の物品搬送用箱に代わる物品搬送用箱として、近年、低発泡ポリプロピレン樹脂板を用いた物品搬送用箱が開発されている。低発泡ポリプロピレン樹脂板は耐候性、耐久性に優れており、長期間繰り返して使用できる物品搬送用箱とすることができる。また食品衛生法上の基準を満たすほか、耐薬品性にも優れ、洗浄や滅菌の処理にも適応するとともに、紙粉の発生がなく、害虫等の発生を抑えることができるため、衛生的使用性の機能にも優れた素材である。また、折り曲げて組み立てることができるため、金型を製作する必要もない。従って、低発泡ポリプロピレン樹脂板は、物品搬送用箱の箱形成素材として優れた機能性を有する。
【0014】
しかし、低発泡ポリプロピレン樹脂板は弾性が強いため、従来の紙段ボール等と同じように曲げて組み立てる手段を用いると、底面と側壁の直角の折り曲げ部が弾性によって復元して直角状態を維持することができず、物品搬送用箱の中の空間形状が直方体ではなく、上部へいくほど広がった空間形状となる。このような空間形状では、物品搬送用箱の底部では被搬送物を隙間なく収容することができても、上方では被搬送物の間に隙間が生じることになり、被搬送物が動いて擦れ合い、損傷することとなる。
【0015】
また、底面と側壁の直角の折り曲げ部は固定されていないため、これを広げるような外力が作用すれば、底面と側壁は直角から広がって底面と側壁が大きく湾曲することとなる。このため、低発泡ポリプロピレン樹脂板を箱形成素材とした物品搬送用箱は、被搬送物を内部に収容して持ち上げた際や搬送する際に側壁や底面が湾曲し、被搬送物の間や被搬送物と物品搬送用箱の間に間隙が生じて被搬送物が動いて擦れ合ったり、間隙に被搬送物が倒れこんで損傷する場合がある。また、側壁が変形することによって蓋部との隙間が生じ、そこから外部の塵芥が侵入して内部の被搬送物を汚染する畏れもある。
【0016】
更に、低発泡ポリプロピレン樹脂板製の物品搬送用箱において水分量の多い被搬送物を収納する場合は、材質が水に弱いわけではないから、当該物品搬送用箱が破損することもないのは勿論であるが、結局のところ、底形成板と第一側壁形成板及び第二側壁形成板が一点に集中する、物品搬送用箱の底部の四隅では、箱体展開形成体の形状の特性から、組み立てた場合にわずかながら隙間が生じる可能性があり、物品搬送用箱を完全に水密化することができず、水漏れを防止することはできなかった。
【0017】
以上のように、従来の低発泡ポリプロピレン樹脂板製の物品搬送用箱は、紙段ボール製や熱可塑性合成樹脂製の物品搬送用箱と比較すれば、高い機能性を有する物品搬送用箱であるということができるが、前記例示した食品業界や医療品業界のように、製品に高い安全性と信頼性が求められ、物品搬送用箱に高い機能性を求める特定業界においては、収容される被搬送物が損傷しない機能と、被搬送物を汚染されない機能について不充分であり、この点に低発泡ポリプロピレン樹脂板製の物品搬送用箱の改良すべき点があった。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、低発泡ポリプロピレン樹脂板を箱形成素材とする一枚の箱体展開形成体を組立形成し、且つ、上部に開口部を備えた箱体からなり、前記箱体展開形成体 (1A) は、底形成板 (10) の対向する縁部に夫々各一対の第一側壁形成 (11)(11) と、第二側壁形成板 (12)(12) を延設し、更に、第一側壁形成板 (11)(11) の上縁部に第一折畳片 (16)(16) を、第二側壁形成板 (12)(12) の上縁部に第二折畳 (17)(17) を夫々延設し、第一折畳片 (16)(16) の側縁及び第二側壁形成板 (12)(12) の側縁には、相互を連結するための第一折畳片の連結片 (13B) (13B) 及び第二側壁形成板の連結片 (13D) (13D) を延設した構成を有し、第二折畳片 (17)(17) は組立て時において第一折畳片の連結片 (13B) (13B) と当接しない幅寸法を有してなり、前記底形成板 (10) と第一側壁形成板 (11)(11) の第一境界線 (14)(14) 、及び底形成 (10) と第二側壁形成板 (12)(12) の第二境界線 (15)(15) を谷折りし、第一境界 (14)(14) 、第二境界線 (15)(15) のいずれか又は両方の線上を加熱溶融した状態において直角に折り曲げ、硬化させて側壁を形成するとともに、第一側壁形成板 (11)(11) と第一折畳片 (16)(16) の境界線、及び第二側壁形成板 (12)(12) と第二折畳片 (17)(17) の境界線の夫々を山折りし、第一折畳片 (16)(16) が第一側壁形成板 (11)(11) と当接する面相互、及び、第ニ折畳片 (17)(17) が第ニ側壁形成板 (12)(12) と当接する面相互を、加熱、加圧手段による融着し、第一折畳片 (16)(16) と第一折畳片の連結片 (13B)(13B) との境界線、及び第二側壁形成板 (12)(12) と第二側壁形成板の連結片 (13D)(13D) の境界線の夫々を谷折りし、第一折畳片の連結片 (13B)(13B) が第ニ側壁形成板 (12)(12) と当接する面相互、及び、第二側壁形成板の連結 (13D)(13D) が第一側壁形成板 (11)(11) と当接する面相互を、加熱、加圧手段による融着したことを特徴とする物品搬送用箱を基本とするものである。
【0019】
【発明の効果】
請求項1に記載の物品搬送用箱に係る発明では、第一側壁形成板と第二側壁形成板の上縁部にそれぞれ第一折畳片と第二折畳片を延設し、各境界線を山折りするとともに、第一折畳片を第一側壁形成板に折り重ね、第一折畳片の裏面が第一側壁形成板の表面と当接する面相互、および第ニ折畳片を第二側壁形成板に折り重ねて第ニ折畳片の裏面が第ニ側壁形成板の表面と当接する面相互を、加熱、加圧手段による融着を行ったことにより、第一側壁形成板と第二側壁形成板の自由端となる上縁部がそれぞれ第一折畳片と第二折畳片により補強されることとなる。
【0020】
特に、側壁形成板の表面と、折畳片の裏面が当接する面相互を加熱、加圧手段により融着しているため、側壁形成板と折畳片が一体化された状態となって、摺動したりズレたりすることがない。ステープル等を使用した局部的な固定手段と異なり、補強の効果は著しく高いものである。
【0021】
これによって、被搬送物を内部に収容して持ち上げた場合や搬送する場合にも物品搬送用箱がたわまず、側壁や底面が湾曲しなくなり、被搬送物の間や被搬送物と物品搬送用箱の間に間隙が生じて被搬送物が動いて擦れ合ったり、間隙に被搬送物が倒れこんで損傷することを防止することができる。また、側壁が変形しなくなるため蓋部との隙間が生じることがなく、外部の塵芥が侵入して内部の被搬送物を汚染する畏れもない。
【0022】
また、折畳片に連続する境界線を折り曲げて、当該折畳片を融着することにより、低発泡ポリプロピレン樹脂板の切断面が箱体の開口部に露出した状態とならず、巻き込むような状態として処理されるため、低発泡ポリプロピレン樹脂板の切断時に生じる粉状物が物品搬送用箱内部に侵入する畏れは極めて少なくなり、物品搬送用箱の内部での被搬送物に対する汚染を防止することができる。
【0023】
折畳片を形成することにより、さらに強度を増すことができるとともに、物品搬送用箱を持ち上げる際の手掛かりとすることができ、よって側壁に持ち手用穴を形成する必要がなく、密封性を高めることができる。
【0024】
さらに、請求項2に記載の物品搬送用箱に係る発明では、副折畳片を形成し、第一側壁形成板と第一折畳片、または第ニ側壁形成板と第ニ折畳片によって副折畳片を挟持することにより、側壁の上端は低発泡ポリプロピレン樹脂板が三重に形成されることとなって、側壁の剛性が増し、湾曲等の変形を防止することができる。
【0025】
以上により、従来の低発泡ポリプロピレン樹脂板製の物品搬送用箱は、紙段ボール製や熱可塑性合成樹脂製の物品搬送用箱と比較すれば、高い機能性を有する物品搬送用箱であるということができるが、例えば食品業界や医療品業界のように、製品に高い安全性と信頼性が求められ、物品搬送用箱に高い機能性を求める特定業界において、収容される被搬送物が損傷しない機能と、被搬送物を汚染されない機能について充分満足させることができる。
【0026】
【発明の実施の形態及び実施例】
(実施例1)
本発明に係る物品搬送用箱の実施例1は低発泡ポリプロピレン樹脂板を箱形成素材とし、図4に示す、上部に開口部を有する箱体(a)と、図17に示す、該箱体(a)の開口部を閉塞する箱蓋部(b)から構成される物品搬送用箱である。
【0027】
実施例1に係る物品搬送用箱は、4mm厚の低発泡ポリプロピレン樹脂板を箱形成素材とした470×370×300(mm)のサイズのものであり、図1乃至図3に示すように、箱体(a)を形成する箱体展開形成体(1)と、図16及び図17の箱蓋部(b)を形成する箱蓋部展開形成体(2)から構成される。
【0028】
箱体展開形成体(1)は図1に示すように、長方形である底形成板(10)の各縁部に側壁を形成する側壁形成板を延設したものである。図1において、底形成板(10)の上下の縁部に一対の第一側壁形成板(11)(11)を第一境界線(14)(14)を介して延設し、底形成板(10)の左右の縁部に一対の第二側壁形成板(12)(12)を第ニ境界線(15)(15)を介して延設した構成である。
【0029】
前記第一側壁形成板(11)(11)の左右の縁部には、自由端から、長さ60mm、張り出し幅50mmの第一連結片(13A)を、谷折りされる境界線を介して延設しており、前記第ニ側壁形成板(12)(12)の上下の縁部には、底形成板(10)の縁部から、長さ230mm、張り出し幅50mmの第ニ連結片(13D)‥(13D)を、谷折りされる境界線を介して延設した構成である。
【0030】
箱体展開形成体(1)は、低発泡ポリプロピレン樹脂板を、例えば打ち抜き刃、熱歯型により当該箱体展開形成体(1)の輪郭形状に裁断し、これと同時に又はこれに続いて、熱歯型で谷折り可能となる折目を形成する。
【0031】
しかし、底形成板(10)と第一側壁形成板(11)(11)の間の第一境界線(14)(14)と、底形成板(10)と第二側壁形成板(12)(12)の間の第二境界線(15)(15)は後の組立てにおいて谷折りするのであるが、箱体展開形成体(1)を裁断する際には熱歯型等による折り目の形成は行わない。
【0032】
本実施例に係る箱蓋部展開形成体(2)は図16に示すように、長方形である蓋形成板(20)の各縁部に側壁を形成する側壁形成板を延設したものである。図16において、蓋形成板(20)の上下の縁部に一対の第三側壁形成板(21)(21)を山折りされる折り目を介して延設し、蓋形成板(20)の左右の縁部に一対の第四側壁形成板(22)(22)を山折りされる折り目を介して延設した構成である。第三側壁形成板(21)(21)と第四側壁形成板(22)(22)の張り出し幅は60mmとする。
【0033】
前記第三側壁形成板(21)(21)の左右の縁部には、長さ60mm、張り出し幅50mmの蓋部連結片(23A)‥(23A)を、山折りするための折り目を介して延設している。
【0034】
箱蓋部展開形成体(2)は、箱体展開形成体(1)と同様に、低発泡ポリプロピレン樹脂板を、例えば打ち抜き刃、熱歯型により当該箱蓋展開形成体(1)の輪郭形状に裁断し、これと同時に又はこれに続いて、熱歯型で谷折りするための折り目を形成する。
【0035】 箱体の組立て
次に上記説明した箱体展開形成体(1)による箱体(a)の組み立てについて説明すると、
まず、図1に示す箱体展開形成体(1)の底形成板(10)と第一側壁形成板(11)(11)の第一境界線(14)(14)を谷折とし、第一側壁形成板(11)(11)を、図2のように底形成板(10)に対して曲げ起しを行う。その際、第一境界線(14)(14)上を加熱溶融した状態とし、溶融状態で第一境界線(14)(14)を谷折りして第一側壁形成板(11)(11)と底形成板(10)とを直角として、次に、図22、23に示す如く、前記折り曲げによって形成した角部(44)‥(44)を直角状態に維持させたまま前記溶融部(19)(19)を硬化させて側壁を形成する。
【0036】
前記第一境界線(14)(14)上で溶融される部分は、谷折りして形成される隅部(45)となる部分であり、ここで隅部(45)とは、面が折り曲げられた状態において、略三角形状の溝状空間が形成される内側の部分をいうものとする。
【0037】
溶融状態とする範囲は、平面方向には、第一側壁形成板(11)(11)を曲げ起した場合に、隅部(45)において圧縮される範囲とし、深さは低発泡ポリプロピレン樹脂板の厚さの半分程度とする。
【0038】
上記第一境界線(14)(14)上を加熱溶融した状態とする手段の一例として、第一境界線(14)(14)上に加熱部材(3)を接触させる手段について説明する。図20に示すように、前記加熱部材(3)は当該加熱部材(3)が内蔵された、または外部からの加熱手段によって加熱される金属製の加熱部(30)を有する構成であり、箱体展開形成体(1)に接触する加熱部(30)は断面形状が楔形状であって、前記加熱部(30)は第一境界線(14)(14)上を一様に加熱溶融させる。図示は省略しているが、加熱部材(3)は、セットされた箱体展開形成体(1)に対して加熱部(30)が所定の位置に接触するように接近し、所定の時間が経過して第一境界線(14)(14)上が溶融した後に離れるように操作される構成である。
【0039】
接触部分の温度及び接触させる時間は、箱体展開形成体(1)を構成する低発泡ポリプロピレン樹脂板の厚み等により決定されるが、本実施例の場合、加熱部(30)の温度は約290℃とし、接触時間は3〜4秒間とする。
【0040】
上記加熱部材(3)を用いた手段等により、図21に示すように第一境界線(14)(14)上が加熱溶融された状態において、底形成板(10)に対して第一側壁形成板(11)(11)を曲げ起こし、直角に曲げた状態で、前記溶融部(19)を硬化させる。ここで図22に示すように、角部の直角状態を保持させる角部形成型(5)を用い、当該角部形成型(5)を外側から角部に当接した状態で硬化させることにより、第一境界線(14)(14)上に残存する復元力等によって直角でない状態で溶融部(19)が硬化してしまうことを防止することができる。
【0041】
隅部(45)において硬化した箱形成素材は、図23に示すように、隅部(45)においてやや盛り上がるような形態となり、底形成板(10)と第一側壁形成板(11)(11)を連結するため、角部(44)を直角状態に固定することができる。
【0042】
上記第一側壁形成板(11)(11)の溶融部(19)‥(19)が硬化した後、次に図1に示す箱体展開形成体(1)の底形成板(10)と第ニ側壁形成板(12)(12)の第ニ境界線(15)(15)を谷折とし、第ニ側壁形成板(12)(12)を、図3のように底形成板(10)に対して曲げ起しを行う。
この場合にも、前記第一側壁形成板(11)(11)を曲げ起す場合と同様に、第二境界線(15)(15)上を加熱溶融させ、その状態で第二側壁形成板(12)(12)を曲げ起し、折り曲げた角部(44)(44)を直角状態に維持させたまま前記溶融部(19)‥(19)を硬化させて側壁を形成する。
【0043】
また、本実施例1においては、第二側壁形成板(12)(12)の曲げ起しについては、加熱溶融状態を利用せず折り曲げるだけとすることもできる。本実施例1のように、底形成板(10)が長方形の場合、短辺より長辺に形成される角部の方が低発泡ポリプロピレン樹脂板の弾性によって直角状態を維持することが困難であるため、上記したように第一側壁形成板(11)(11)の第一境界線(14)(14)を加熱溶融状態として曲げ起しを行う必要がある。しかし、短辺に形成される角部では復元力は小さくなるため、角部を加熱溶融状態で形成しない場合であっても、長辺に形成される角部や側壁により直角状態は保持されうる。ただし、短辺についても加熱溶融状態で直角状態に角部を形成することが好ましいことはいうまでもない。なお、第二側壁形成板(12)(12)の曲げ起しにおいて加熱溶融させない場合には、第二境界線(15)(15)上に谷折りするための折り目を形成しておくことが必要である。
【0044】
次に図4に示すように、第一側壁形成板(11)(11)と第二側壁形成板(12)(12)に形成された第一側壁形成板の連結片(13A)及び第二側壁形成板の連結片(13D)を用いて、第一側壁形成板(11)(11)と第二側壁形成板(12)(12)相互を固定連結する。固定は、第一側壁形成板(11)(11)と第一側壁形成板の連結片(13A)‥(13A)との境界線、及び第二側壁形成板(12)(12)と第二側壁形成板の連結片(13D)‥(13D)との境界線を折り曲げて、当該連結片(13A)‥(13A)、(13D)‥(13D)が第一側壁形成板(11)(11)、第二側壁形成板(12)(12)と当接する面相互を、加熱、加圧手段による融着により行うものとする。
【0045】
例えば、第二側壁形成板の連結片(13D)‥(13D)と第一側壁形成板(11)(11)を固定する場合、当該第二側壁形成板の連結片(13D)‥(13D)が第一側壁形成板(11)(11)に接近するように第二側壁形成板(12)(12)と第二側壁形成板の連結片(13D)‥(13D)との境界線を折り曲げ、当該連結片(13D)‥(13D)と第一側壁形成板(11)(11)とが、略V字溝状空間を形成する状態とし、この状態で、工業用ドライヤー等による熱風の吹きつけ手段、型加熱手段によって、対峙する面のみを加熱し、それぞれの接着面となる表面のみが溶融される程度まで加熱した後、これを加圧して融着することにより固定する。
【0046】
このように第一側壁形成板(11)(11)と第一側壁形成板の連結片(13A)‥(13A)との境界線、及び第二側壁形成板(12)(12)と第二側壁形成板の連結片(13D)‥(13D)との境界線を折り曲げて、当該連結片(13A)‥(13A)(13D)‥(13D)が第一側壁形成板(11)(11)、第二側壁形成板(12)(12)と当接する面相互を融着することにより、面相互の融着結合となって一体化されるから、ステープル等を用いた他の接続手段と比較して、一段と高い連結強度と耐久性が得られ、また、一体化することで高い曲げ強度や座屈強度が得られることとなる。
【0047】
そして、連結片を、第一側壁形成板(11)(11)、第二側壁形成板(12)(12)と連続する第一側壁形成板の連結片(13A)‥(13A)及び第二側壁形成板の連結片(13D)‥(13D)を融着固定したことによって一応の箱体の構成は完成するが、当該物品搬送用箱の底部四隅に関して言えば、例えば第一側壁形成板(11)(11)と連結片(13)との当接部分において僅かな間隙が形成される可能性があり、この点で水密性は完全であるとは言えない。従って、本実施例においては、図24及び図25、更にその拡大断面として図26及び図27に示すように、底部外側四隅における連結片(13)の縁部と、該縁部に当接する第一側壁形成板(11)(11)の外側底辺とを、加熱圧着手段により融着した水密加工部(43)を形成している。図25に示すように、面に沿って浸入するおそれのある水分を完全に遮断すべく、加熱圧着により、当設面を融着させて押し潰し、固着させる。
【0048】 (箱蓋部の組立て)
次に前記箱蓋部展開形成体(2)による箱蓋部(b)の組み立てについて説明すると、
まず、図16に示す箱蓋部展開形成体(2)の蓋形成板(20)と第三側壁形成板(21)(21)の間の折り目を図17のように山折りし、第三側壁形成板(21)(21)を、下方に曲げるとともに、蓋形成板(20)と第四側壁形成板(22)(22)の間の折り目を山折りして、第四側壁形成板(22)(22)を、下方に折り曲げる。
【0049】
次に第三側壁形成板(21)(21)と第三側壁形成板の蓋部連結片(23A)‥(23A)との境界線を折り曲げて、該第三側壁形成板の連結片(23A)‥(23A)と第四側壁形成板(22)(22)を当接させて、第三側壁形成板(21)(21)と第四側壁形成板(22)(22)相互を連結固定する。連結固定は、加熱、加圧手段による融着により行うものとする。
【0050】
尚、上記各側壁の形成に関し、折り目を形成せず、蓋形成板(20)と第三側壁形成板(21)(21)及び第四側壁形成板(22)(22)の境界部分を加熱溶融させ、その状態で直角状態に曲げて硬化させるようにしてもよく、この場合、第三側壁形成板(21)(21)及び第四側壁形成板(22)(22)はそれぞれ蓋形成板(20)に対して直角状態を維持することができることとなるから、箱体(a)と箱蓋部(b)の間に隙間が生じず、密封状態が維持されることとなって好ましい。
【0051】
(実施例2)
次に、本発明の実施例2に係る物品搬送用箱について説明する。本実施例2に係る物品搬送用箱は、図5乃至図9に示すように、前記実施例1に係る物品搬送用箱と基本構成及び2サイズは略共通するものであり、本実施例2の特徴とするところは、箱体展開形成体(1A)の第一側壁形成板(11)(11)の上端部に第一折畳片(16)(16)を、第二側壁形成板(12)(12)の上端部に第二折畳片(17)(17)を夫々延設し、最終的に箱体(a1)の第一側壁及び第二側壁の上縁、即ち、箱体の上縁に第一折畳片(16)(16)及び第二折畳片(17)(17)が重合するものである。
【0052】
そして、第一折畳片(16)(16)の側縁には連結片を延設し、第二折畳片(17)(17)は、前記連結片との干渉を避けるべく、その幅寸法を、第二側壁形成板(12)(12)の幅寸法である300mmよりも小さい200mmとしている。
【0053】
本実施例2に係る箱体(a1)の組立においては、先ず、図5に示す箱体展開形成体(1A)の底形成板(10)と第一側壁形成板(11)(11)との境界となる第一境界線(14)(14)を谷折りし、第一側壁形成板(11)(11)を図6に示すように、直角に起す。この際、実施例1と同様の手法により、第一境界線(14)(14)上を加熱溶融した状態とし、溶融状態で第一境界線(14)(14)を谷折りして第一側壁形成板(11)(11)を直角に折り曲げ、その状態で溶融部(19)を硬化させる。
【0054】
そして、第一側壁形成板(11)(11)の上端部に設けられた第一折畳片(16)(16)と、前記第一側壁形成板(11)(11)との境界線を山折りし、図7に示すように、前記第一側壁形成板(11)(11)の上縁部に対して重合し、加熱、加圧手段によって融着するものである。
【0055】
更に、図8に示すように、第二境界線(15)(15)を谷折りし、第一側壁形成板(11)(11)の側端に第二側壁形成板(12)(12)の側縁が当接するとともに、第ニ側壁形成板(12)(12)の側端に第一側壁形成板(11)(11)の側縁が当接する。この状態において、第一折畳片(16)(16)と第一折畳片の連結片(13B)(13B)との境界線と、第二側壁形成板(12)(12)と第二側壁形成板の連結片(13D)(13D)の境界線を谷折りして、外側から第一側壁形成板(11)(11)及び第ニ側壁形成板(12)(12)に当接して融着させることで図9に示すように、箱体が完成する。
【0056】
尚、本実施例2においては、加熱、溶融において、第一側壁形成板(11)(11)と第一折畳片(16)(16)の間、及び、第二側壁形成面と第二折畳片(17)(17)の間には深さ1.5mm程度の平行する二本の溝(41)(42)を形成しており(図5参照)、このうち一本の溝(41)は、山折りして重合することで、第一側壁形成板(11)(11)の上端内側に、もう一本の溝(42)は、第一折畳片(16)(16)の上端外側に位置することとなる。
【0057】
即ち、これら二本の溝(41)(42)の形成によって、図28及び図29に示すように、その当該溝(41)(42)間に幅4mm程度の襠部(40)を形成することで、折返された第一折畳片(16)(16)に復元力が作用することを防止し、箱体(a1)の歪みを防止することができる。
【0058】
また、このように第一折畳片(16)(16)、第二折畳片(17)(17)、第一折畳片の連結片(13B)及び第二側壁形成板の連結片(13D)が箱体(a)の縁部に重合されることから、当該箱体(a1)の強度を高めることができる。
【0059】
更に、前記第一折畳片(16)(16)、第二折畳片(17)(17)、第一折畳片の連結片(13B)及び第二側壁形成板の連結片(13D)が箱体(a1)の縁部に重合されることで、縁部の厚みが大きくなり各段差が形成されることから、当該第一折畳片(16)(16)、第二折畳片(17)(17)の段差(46)‥(46)に指を掛けることができ、これによって、一般的な通い箱の側板に形成されるような把持用の穴を形成する必要がなく、埃等の発生や侵入を防止することができる。
【0060】
尚、当該箱体(a)の縁部が厚みを増し、把持の際に指を掛けることのできる段差(46)においては、当該箱体(a)を左右に並べた際に、箱体(a)相互が平面で当接することから、結局輸送時の揺れやがたつきは生じず、被収納物品の破損等を招来しないものとすることができる。
【0061】
(実施例3)
本発明の実施例3に係る物品搬送用箱は、図10乃至図15に示すように、第二折畳片(17)(17)の上端部に副折畳片 (18)(18)を形成したことを主として特徴とするものである。そして、第二折畳片(17)(17)と副折畳片 (18)(18)との間には、前記実施例2において第ニ側壁形成板(12)(12)と第ニ折畳片(17)(17)との間に形成した二本の溝(41)(42)及び襠部(40)と同様に、第一折畳片(16)(16)と第二折畳片(17)(17)との間に二本の溝(41)(42)及び襠部(40)を設けたものとしている。
【0062】
具体的には、本実施例3においては、図10に示すように、第二側壁形成板(12)(12)と第二折畳片(17)(17)の幅寸法を同一として、第二折畳片(17)(17)の上端に連続して、該第二折畳片(17)(17)よりも幅寸法の小さい副折畳片 (18)(18)を設け、また、第二側壁形成板(12)(12)と第二折畳片(17)(17)との間に形成される二本の溝(41)(42)間となる襠部(40)は幅7mm程度としている。
【0063】
本実施例3に係る物品搬送用箱の組立てにおいて、図11に示すように、二つの第一側壁形成板(11)(11)相互を対向するように第二境界線(15)(15)を谷折りし、次いで、図12に示すように、第一折畳片(16)(16)の二本の溝(41)(42)を夫々山折りして第一側壁形成板(11)(11)に重合し、
各連結片(13D)(13D)が箱体(a2)の縁部に重合され、
更に図13に示すように、第二側壁形成板(12)(12)の二本の溝(41)(42)を山折りして直角に折曲する点については、実施例2と同様である。
【0064】
次に、本実施例3においては、図14に示すように、第二折畳片(17)(17)と副折畳片(18)(18)との境界線を山折りして、第二折畳片(17)(17)と副折畳片(18)(18)を重合し、次いで、図15に示すように、第二折畳片(17)(17)と第二側壁形成板(12)(12)との境界線を山折りして外側へ折り曲げ、当該第二折畳片(17)(17)と第二側壁形成板(12)(12)とを重合する。即ち、外向きに副折畳片 (18)(18)を巻き込むように重合するものである。
【0065】
本実施例3によれば、実施例2よりも更に箱体(a2)の強度を向上できるとともに、より大きな各段差(46)(46)によって把持に十分な寸法の指掛け部が形成することができることから、輸送時の取扱いを非常に良好とする事ができる。
【0066】
(箱蓋部)
次に、本実施例2に係る箱蓋部(b1)は、図19に示すものであり、図18に斜視図として示す箱蓋部展開形成体(2A)を組立てることによって、得られるものである。当該箱蓋部展開形成体(2A)は、厚さ4mmの低発泡ポリプロピレン樹脂板によって形成され、蓋形成板(20)の向かい合う縁部にそれぞれ各一対の第三側壁形成板(21)(21)と第四側壁形成板(22)(22)を延設し、第三側壁形成面(21)(21)の向かい合う縁部から更に、第五境界線(27)(27)を介して折畳片(26)(26)を延設し、該折畳片(26)(26)の両端には、当該折畳片(26)(26)と第四側壁形成板(22)(22)を連結する折畳片の蓋部連結片(23B)‥(23B)を、第六境界線(28)(28)を介して延設したものとしている。
【0067】
当該箱蓋部(b)の組立てにおいては、図18及び図19に示すように、前記蓋形成板(20)と第三側壁形成板(21)(21)の第三境界線(24)(24)、蓋形成板(20)と第四側壁形成板(22)(22)の第四境界線(25)(25)上の折目を夫々山折りし、また、第五境界線 (27)(27)上の折目を谷折りし、前記第六境界線(28)(28)を谷折りして、第四側壁形成板(22)(22)の外側から重合し、加熱、加圧手段による融着により、第三側壁形成板(21)(21)と第四側壁形成板(22)(22)相互を連結することによって行うものである。
【0068】
尚、箱蓋部(b)は、本実施例に係るものに限定されるものではなく、例えば、実施例2や実施例3に示した箱体(a1)の第一折畳片(16)(16)、第二折畳片(17)(17)等と同様に、箱蓋部(b1)の第四側壁形成板(22)(22)の上端に連続して折畳片を形成したり、当該折畳片(26)(26)の上端に更に補助折畳片を形成することによって、箱の強度を高めることができる。
【0069】
また、本発明においては、第三側壁形成板 (21)(21)の側縁に第三側壁形成板の蓋部連結片(23A)(23A)を設けることに代えて、第二側壁形成板に蓋部連結片を設けることもできる
【0070】
本実施例2に係る箱蓋部(b1)は、実施例2及び実施例3に開示される箱体(a1)(a2)に対して使用するものであるが、本実施例に係る箱蓋部は、実施例1に係る箱体(a)やその他本発明に開示される箱体に対しても使用する事ができる。尚、本願発明に係る箱体(a)(a1)(a2)においては、箱蓋部(b1)(b2)を用いずに、例えばポリエチレンシート等を当該箱体(a)(a2)(a3)に被せる手段を用いることができるのは、いうまでもない。
【0071】
また、本発明においては、低発泡ポリプロピレン樹脂以外の箱形成素材を使用しておらず、また、接着剤等の他の化学物質やステープル等の金属を一切使用せず、単一素材で形成することができることから、使用期間を終えた物品搬送用箱を廃棄する際に分別して廃棄する必要もなく、非常に便利である。
【0072】
更に、長時間多量の水分が侵入した場合等に万全を期すべく、前記底面の四隅部分だけでなく、底形成板(10)の縁部と連結片の縁部についても、同様の手法によって加熱溶融して一体化し、完全な水密加工を行うこともできる。
【0073】
また、素材自体に持続性帯電防止材料を併用することによって、箱体の帯電を防止することができる。具体的には、持続性帯電防止フィルムを表面に施したり、或いは、低発泡ポリプロピレン樹脂板の成形時に共押しだしを行い、表面における帯電を防止するものとすることができる。
【0074】
尚、本発明の実施例においては、低発泡ポリプロピレン樹脂板の厚さを4mmとしており、本発明がこれに限られるものではないことは勿論であるが、当該ポリプロピレン樹脂板の厚さを3mm乃至5mm程度のものを使用すると非常に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1に係る箱体展開形成体の平面図である。
【図2】 図1の第一側壁形成板を曲げ起した状態の斜視簡略図である。
【図3】 図2の第二側壁形成板を曲げ起した状態の斜視簡略図である。
【図4】 実施例1に係る箱体であり、図3の連結片を折り曲げて溶着した状態の斜視簡略図である。
【図5】 実施例2に係る箱体展開形成体の平面図である。
【図6】 図5の第一側壁形成板を曲げ起した状態の斜視簡略図である。
【図7】 図6の第一折畳片を折り曲げて溶着した状態の斜視簡略図である。
【図8】 図7の第二側壁形成板を曲げ起した状態の斜視簡略図である。
【図9】 実施例2に係る箱体であり、図8の連結片と第二折畳片を折り曲げて溶着した状態の斜視簡略図である。
【図10】 実施例3に係る箱体展開形成体の平面図である。
【図11】 図10の第一側壁形成板を曲げ起した状態の斜視簡略図である。
【図12】 図11の第一折畳片を折り曲げて溶着した状態の斜視簡略図である。
【図13】 図12の第ニ側壁形成板を曲げ起した状態の斜視簡略図である。
【図14】 図13の副折畳片を折り曲げて溶着した状態の斜視簡略図である。
【図15】 実施例3に係る箱体であり、図14の連結片と第二折畳片を折り曲げて溶着した状態の斜視簡略図である。
【図16】 実施例1に係る箱蓋部展開形成体の平面図である。
【図17】 実施例1に係る箱蓋部の斜視簡略図である。
【図18】 実施例2に係る箱蓋部展開形成体の平面図である。
【図19】 実施例2に係る箱蓋部の斜視簡略図である。
【図20】 箱体展開形成体の第一側壁形成板を曲げ起しする際、第一境界線の線上を加熱溶融させる手段についての斜視簡略図である。
【図21】 図20のA−A断面図である。
【図22】 箱体展開形成体の第一側壁形成板を曲げ起しする際、谷折りした角部を直角状態とする手段についての斜視簡略図である。
【図23】 直角状態に曲げられた角部の拡大断面説明図である。
【図24】 第一側壁形成板に第一折畳片の連結片を融着した、一部拡大説明斜視図である。
【図25】 第一側壁形成板に第一折畳片の連結片を融着し、更にこの融着部の下縁を融着して、水密加工を行った一部拡大説明斜視図である。
【図26】 図24におけるB―B拡大断面説明図である。
【図27】 図24におけるC−C拡大断面説明図である。
【図28】 折畳前の実施例2における襠部及び溝を示す拡大断面説明図である。
【図29】 折畳後の実施例2における襠部及び溝を示す拡大断面説明図である。
【符号の説明】
(a) 箱体(実施例1)
(a1) 箱体(実施例2)
(a2) 箱体(実施例3)
(b) 箱蓋部(実施例1)
(b1) 箱蓋部(実施例2)
(1) 箱体展開形成体(実施例1)
(1A) 箱体展開形成体(実施例2)
(1B) 箱体展開形成体(実施例3)
(10) 底形成板
(11) 第一側壁形成板
(12) 第二側壁形成板
(13A) 第一側壁形成板の連結片
(13B) 第一折畳片の連結片
(13D) 第二側壁形成板の連結片
(14) 第一境界線
(15) 第二境界線
(16) 第一折畳片
(17) 第二折畳片
(18) 副折畳片
(19) 溶融部
(2) 箱蓋部展開形成体(実施例1)
(2A) 箱蓋部展開形成体(実施例2)
(20) 蓋形成板
(21) 第三側壁形成板
(22) 第四側壁形成板
(23A) 第三側壁形成板の蓋部連結片
(23B) 折畳片の蓋部連結片
(24) 第三境界線
(25) 第四境界線
(26) 折畳片
(27) 第五境界線
(28) 第六境界線
(3) 加熱部材
(30) 加熱部
(40) 襠部
(41) 溝
(42) 溝
(43) 水密加工部
(44) 角部
(45) 隅部
(46) 段差
(5) 角部形成型

Claims (2)

  1. 低発泡ポリプロピレン樹脂板を箱形成素材とする一枚の箱体展開形成体を組立形成し、且つ、上部に開口部を備えた箱体からなり、
    前記箱体展開形成体 (1A) は、底形成板 (10) の対向する縁部に夫々各一対の第一側壁形成板 (11)(11) と、第二側壁形成板 (12)(12) を延設し、
    更に、第一側壁形成板 (11)(11) の上縁部に第一折畳片 (16)(16) を、第二側壁形成板 (12)(12) の上縁部に第二折畳片 (17)(17) を夫々延設し、
    第一折畳片 (16)(16) の側縁及び第二側壁形成板 (12)(12) の側縁には、相互を連結するための第一折畳片の連結片 (13B) (13B) 及び第二側壁形成板の連結片 (13D) (13D) を延設した構成を有し、
    第二折畳片 (17)(17) は組立て時において第一折畳片の連結片 (13B) (13B) と当接しない幅寸法を有してなり、
    前記底形成板 (10) と第一側壁形成板 (11)(11) の第一境界線 (14)(14) 、及び底形成板 (10) と第二側壁形成板 (12)(12) の第二境界線 (15)(15) を谷折りし、第一境界線 (14)(14) 、第二境界線 (15)(15) のいずれか又は両方の線上を加熱溶融した状態において直角に折り曲げ、硬化させて側壁を形成するとともに、第一側壁形成板 (11)(11) と第一折畳片 (16)(16) の境界線、及び第二側壁形成板 (12)(12) と第二折畳片 (17)(17) の境界線の夫々を山折りし、
    第一折畳片 (16)(16) が第一側壁形成板 (11)(11) と当接する面相互、及び、第ニ折畳片 (17)(17) が第ニ側壁形成板 (12)(12) と当接する面相互を、加熱、加圧手段による融着し、
    第一折畳片 (16)(16) と第一折畳片の連結片 (13B)(13B) との境界線、及び第二側壁形成板 (12)(12) と第二側壁形成板の連結片 (13D)(13D) の境界線の夫々を谷折りし、第一折畳片の連結片 (13B)(13B) が第ニ側壁形成板 (12)(12) と当接する面相互、及び、第二側壁形成板の連結片 (13D)(13D) が第一側壁形成板 (11)(11) と当接する面相互を、加熱、加圧手段による融着したことを特徴とする物品搬送用箱。
  2. 低発泡ポリプロピレン樹脂板を箱形成素材とする一枚の箱体展開形成体を組立形成し、且つ、上部に開口部を備えた箱体からなり、
    前記箱体展開形成体 (1B) は、底形成板 (10) の対向する縁部に夫々各一対の第一側壁形成板 (11)(11) と、第二側壁形成板 (12)(12) を延設し、
    第一側壁形成板 (11)(11) の上縁部に境界線を介して第一折畳片 (16)(16) を、第二側壁形成板 (12)(12) の上縁部に境界線を介して第二折畳片 (17)(17) を夫々延設し、
    更に、箱体展開形成体 (1B) における第二折畳片 (17)(17) の上縁部に、境界線を介して副折畳片 (18)(18) を延設し、
    前記第一折畳片 (16)(16) の側縁には第一折畳片の連結片 (13B)(13B) を、第二側壁形成板 (12)(12) の側縁には第二側壁形成板の連結片 (13D)(13D) を夫々延設した構成を有し、
    副折畳片 (18)(18) は組立て時において第一折畳片の連結片 (13B) (13B) と当接しない幅寸法を有してなり、
    前記底形成板 (10) と第一側壁形成板 (11)(11) の第一境界線 (14)(14) を谷折りし、
    第一側壁形成板 (11)(11) と第一折畳片 (16)(16) の境界線を山折りして、該第一折畳片 (16)(16) と第一側壁形成板 (11)(11) との当接する面相互を、加熱、加圧手段により融着し、
    底形成板 (10) と第二側壁形成板 (12)(12) の第二境界線 (15)(15) を谷折りし、
    第一境界線 (14)(14) 、第二境界線 (15)(15) のいずれか又は両方の線上を加熱溶融した状態において直角に折り曲げ、硬化させて側壁を形成し、
    第二折畳片 (17)(17) と副折畳片 (18)(18) との境界線を山折りして、第二折畳片 (17)(17) と副折畳片 (18)(18) とを当接させ、
    第二側壁形成板 (12)(12) と第二側壁形成板の連結片 (13D)(13D) との境界線を谷折りし、第一側壁形成板 (11)(11) と第二側壁形成板の連結片 (13D)(13D) とを当接させ、
    第一折畳片 (16)(16) と第一折畳片の連結片 (13B)(13B) との境界線を山折りして、第二側壁形成板 (12)(12) と第一折畳片の連結片 (13B)(13B) とを当接させ、
    更に第二折畳片 (17)(17) と第二側壁形成板 (12)(12) との境界線を山折りし、第二折畳片 (17)(17) と第一折畳片の連結片 (13B)(13B) 、及び、副折畳片 (18)(18) と第二側壁形成板 (12)(12) を夫々当接させ、
    これらの当接する面相互を、加熱、加圧手段による融着したことを特徴とする物品搬送用箱。
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