JP4142831B2 - 合成樹脂製燃料タンクのシール部の構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成樹脂製燃料タンクのシール部の構造に関し、特に、壁に形成した開口からその内部に挿入した部品によって開口を閉じるように構成された合成樹脂製燃料タンクのシール部の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
防錆並びに軽量化が容易であり、且つ高い生産性が得られることから、合成樹脂材のブロー成型による燃料タンクを使用する機運が近時高まりつつある。この燃料タンクは、大気汚染を防止する見地から、蒸発ガスを漏洩し難くする要望が強く、そのために、各接合部に介設するシール部材に燃料透過性の低い材質のものを選んだり、シール部材の締め代が経年変化し難い構造としたりするなどの措置を採る必要がある。
【0003】
例えば特開平11−141427号公報には、燃料タンクの上壁に筒状の突出部を設け、この突出部の軸線方向端面とポンプユニットに形成したフランジとの間に、Oリングなどのシール部材を挟み込んだ上で、開口の周囲に配設した複数のボルトを締め付けたり、あるいはユニオンナットで締め付けたりしてポンプユニットのフランジを燃料タンクの突出部に結合するようにした構造が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、この従来の構造は、開口面に直交する方向の締付力に対するシール部材の反力で密閉性を得るものであり、複数のボルトを締め付ける構造の場合は、全てのボルトの締め付け力を均一にする必要があるために組み付けが厄介になりがちであり、またユニオンナットで締め付ける構造の場合は、全周の締め付け力を均一化するためにユニオンナットを螺合させるねじ部に高精度が要求されるなど、製造コストの増大要因を内在させたものである。
【0005】
本発明は、このような従来技術の問題点を解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、十分なシール性を確保し、かつ製造コストの増大を抑えることができる合成樹脂製燃料タンクのシール部の構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的を果たすために、本発明においては、壁に形成した開口からその内部に挿入した部品によって開口が閉じられる合成樹脂製燃料タンクのシール部の構造を、開口に連なる筒状内周面(3)を設け、部品(7)に筒状内周面と対向する筒状外周面(8)を設け、前記筒状外周面(8)にシール部材装着部(11,12)を軸線方向について並設すると共に、当該シール部材装着部の少なくとも1つの間隔寸法を、当該タンクの外方へ行くに連れて徐々に狭くなるように形成し、シール部材装着部における筒状外周面と筒状内周面との間にシール部材(10)を装着してタンク(1)内に部品を挿入することを特徴とするものとした。
【0007】
これによれば、円筒面は高精度な加工が比較的容易なので、シール部材の締め代精度の管理が容易になり、またシール部材の反力以外の力が作用しないので、耐久性の向上にも有利である。しかも、シール部材の断面積を最小限にできる上に開口端面をシールするものに比してシールする部分の直径が小さくて済むので、高価な燃料透過性の低い材料の使用量を低減できる。そして、タンクの外方へ行くに連れて徐々に狭くなる間隔寸法をそれぞれ有するシール装着部を軸線方向について並設することにより、密閉性を高めることが可能となると共に、互いに異なる特性のシール部材を用いることや、シール装着部の形状を異ならせることを可能とする。
【0008】
特に、シール部材装着部に、その特性が互いに異なるシール部材を装着すれば、密閉度をより一層高められる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図面を参照して本発明について詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明に基づく合成樹脂製燃料タンクにおけるシール部の構造を示している。ブロー成型などで形成されたタンク本体1の例えば上壁の内面には、筒状をなす下向き突出部2が形成されている。この下向き突出部2の筒状内周面3をもって、タンク本体1の上壁に円形の開口が形成されている。
【0011】
タンク本体1の外面には、開口、即ち筒状内周面3の直径と等しい内径の筒状部4を有するセッティングプレート5が溶着されている。このセッティングプレート5の筒状部4には、円周を等分割する位置に複数の角孔6が形成されている。
【0012】
下向き突出部2の内側に挿入される被取付部品7は、下向き突出部2の筒状内周面3に対して緩く嵌合し得る外周面8を有する筒状をなしており、その上端は閉じられている。そしてその上端側の外周面上には、セッティングプレート5の筒状部4に形成された角孔6に係合する突起9が形成されており、角孔6に突起9を突入させることでタンク本体1に被取付部品7が固定されるようにしてある。この被取付部品7を下向き突出部2に取り付けることにより、筒状内周面3の内側に画成された開口が閉じられる。
【0013】
被取付部品7の筒状外周面8には、シール部材としてのOリング10の装着部11・12が、軸線方向について並設されている。これらの装着部のうちの上側のもの11は、全周に渡って形成された断面形状が概ね矩形をなす溝からなり、下側のもの12は、全周に渡って面取りされた傾斜面からなっている。
【0014】
上側のOリング装着部11をなす溝は、その底面に傾斜がつけられており、下向き突出部2の筒状内周面3と溝底との間隔寸法が、下側に比して上側が狭くなっている(A<B、図2参照)。
【0015】
他方、下側のOリング装着部12をなす傾斜面は、下向き突出部2の下端側に形成された傾斜面と共働してOリング10の受容部13を形成しているが、両傾斜面の垂直面に対する角度が互いに異なっており、受容部13の隙間寸法が、上側の方がより狭くなっている(C<D、図3参照)。
【0016】
上記の如くして、Oリング装着部11・12の径方向寸法は、タンク本体1の外方へ向かうに連れて徐々に狭くなっているので、タンク内圧が高まると、Oリング10は隙間の狭い側へ押されることとなる。そのため、内圧が上昇するとOリング10の反力がより一層増大し、その結果、密閉度がより一層高まることとなる。また、この場合、例えば下側のOリングに耐低温性の高いものを用いるなど、上下のOリング10の特性を互いに異ならせると良い。
【0017】
図4は本発明の第2の実施例を示す。これの場合は、筒状内周面3の内径寸法、つまり開口の直径と等しい内径の内向きの鍔14を備えたセッティングプレート15をタンク本体1の外面に溶着し、上記第1実施例と同様な被取付部品16をOリング10を装着した状態で下向き突出部17の内側に挿入する。その後、セッティングプレート15に対してバヨネット式にリテーナ18をはめ込み且つ結合させる。これにより、被取付部品16は、リテーナ18によって脱落が防止される。Oリング装着部19は、上記の上側のOリング装着部11と全く同様である。
【0018】
図5は本発明の第3の実施例を示す。これの場合は、別部材で形成された上向き突出部20をタンク本体1の外面に溶着することにより、開口に連なる円筒内周面3を形成している。また、被取付部品21の外側の軸方向端面に外向きフランジ22を一体形成し、上向き突出部20に一体形成した内向きの鍔23に対してこのフランジ22を上記と同様にバヨネット結合させている。Oリング装着部24は、上記の上側のOリング装着部11と全く同様である。
【0019】
図6は本発明の第4の実施例を示す。これの場合は、上向き突出部25の外周面に形成されたねじ部26にユニオンナット27を螺着して被取付部品28をタンク本体1に結合させている。特に、上向き突出部25を別部材で形成してタンク本体1に溶着するものとすれば、高精度なねじを形成することができるので、ねじのピッチを小さく設定することにより、上向き突出部25の突出寸法を抑制し得る。Oリング装着部29は、上記の上側のOリング装着部11と全く同様である。
【0020】
なお、以上の実施の形態においては、被取付部品自体の具体的な機能については触れていないが、本発明は、合成樹脂製燃料タンクの壁に形成した開口からタンク内に挿入して取り付ける部品の全てに適用可能であり、その機能は選ばない。
【0021】
【発明の効果】
このように本発明によれば、径方向は高精度な加工が比較的容易なので、シール部材の締め代精度の管理が容易になり、また、反力以外の力がシール部材に作用しないので、耐久性の向上に大きな効果が得られる。しかも、シール部材の断面積を最小限にできる上に開口端面をシールするものに比してシールする部分の直径が小さくて済むので、高価な低燃料透過性材の使用量を低減できることから、製造コストを低減する上にも大きな効果を奏することができる。これらに加えて、前記筒状外周面にシール部材装着部を軸線方向について並設すると共に、当該シール部材装着部のうち少なくとも1つの間隔寸法を、当該タンクの外方へ行くに連れて徐々に狭くなるようね形成し、更に、特性が互いに異なるシール部材を用いれば、タンク内圧が高まると間隔寸法の狭い側へシール部材が押し込まれることとなるので、密閉度をより一層高める上にも効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるシール部の構造の一例を示す要部断面図
【図2】図1に示すシール部の一方の構造を示す要部拡大断面図
【図3】図1に示すシール部の他方の構造を示す要部拡大断面図
【図4】本発明によるシール部の構造の第2の例を示す要部断面図
【図5】本発明によるシール部の構造の第3の例を示す要部断面図
【図6】本発明によるシール部の構造の第4の例を示す要部断面図
【符号の説明】
1 タンク本体
3 筒状内周面
7 被取付部品
8 筒状外周面
10 Oリング(シール部材)
11・12 シール部材装着部
Claims (2)
- 壁に形成した開口からその内部に挿入した部品によって前記開口が閉じられるようにした合成樹脂製燃料タンクのシール部の構造であって、
前記開口に連なる筒状内周面を設け、
前記部品に前記筒状内周面と対向する筒状外周面を設け、
前記筒状外周面にシール部材装着部を軸線方向について並設すると共に、当該シール部材装着部の少なくとも1つの間隔寸法を、当該タンクの外方へ行くに連れて徐々に狭くなるように形成し、
前記シール部材装着部における筒状外周面と前記筒状内周面との間にシール部材を装着した上で当該タンク内に前記部品を挿入することを特徴とする合成樹脂製燃料タンクのシール部の構造。 - 前記シール部材装着部に、その特性が互いに異なるシール部材が装着されたことを特徴とする、請求項1に記載の合成樹脂製燃料タンクのシール部の構造。
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