JP3877834B2 - 透視窓 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車に搭載されるサージタンクや燃料タンク等の各種タンクの内部を視認するために用いられる透視窓に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
クランクケース等に付設される液面計として、次に説明するような液面計が知られている(実開昭57−84426号公報参照)。
【0003】
(イ) 図5に示すように、透明な合成樹脂から一体成形されたものであって、その外面にねじ部が形成された円筒部102をクランクケース101のねじ孔101aにねじ込んで取り付けることにより、窓部103から液面104を視認できるように構成した液面計。
【0004】
(ロ) 図6に示すように、大径部202aおよび小径部202bからなる金属製のリング202を、小径部202bのねじ部をクランクケース201のねじ孔201aにねじ込んで取り付け、前記大径部202aに嵌挿した透明な透明板203の面取り部とリング内壁面との間にOリング204を介在させるとともに、透明板203の外面をシム206を介在させた状態で止め輪205で固定することにより、透明板203より液面207を視認できるよう構成した液面計。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術のうち、(イ)は、透明な合成樹脂より一体成形されたものであって、使用する合成樹脂が透明なものに限定されるうえ、クランクケースにねじ込む際の締付力が大き過ぎると亀裂が発生して液洩れが生じるおそれがある。一方、(ロ)は金属製であるのでクランクケースにねじ込む際の締付力に耐えることができるものの、部品点数が多くクランクケースに取り付ける際の工程数が多くなるとともに、内圧が加わると透明板が抜け落ちるおそれがある。加えて、(イ)および(ロ)ともにねじ込み部の液洩れを防止するためのシール手段を設けなければならず、クランクケースに取り付ける際に手間がかかるという問題点がある。
【0006】
本発明は、上記従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであって、取り付ける際に手間がかからず、しかも液洩れのおそれがない透視窓を実現することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の的を達成するために、本発明の透視窓は、外周面が外径の大きな大径部と外径の小さい小径部からなるリング状の本体および前記大径部の外周面に連設された鍔部が熱可塑性樹脂から構成されており、前記本体の内径面に形成された環状溝に周縁部が嵌合された状態で保持されたレンズ体と、前記環状溝と前記レンズ体との当接面に介在されたOリングとを備え、前記レンズ体および前記Oリングが前記本体の成形時にインサートされた透視窓であって、熱可塑性樹脂からなるタンクの側壁に設けた挿入孔に前記本体の小径部を挿入して前記鍔部が前記側壁に当接した状態で溶着されていること、を特徴とするものである。
【0008】
【作用】
リング状の本体の内径面に形成された環状溝に周縁部が嵌合された状態でレンズ体が保持されているので、レンズ体が抜け落ちるおそれがない。また、前記環状溝とレンズ体との当接面にOリングが介在されているため、両者間に熱膨張率の相違等に起因する隙間が生じたとしてもこの隙間は前記Oリングによりシールされ、液洩れが生じるおそれがない。
【0009】
さらに、本体とレンズ体とは別体であるため、本体を透明な熱可塑性樹脂で構成する必要はなく、本体を溶着性や接着性、あるいは耐熱性等の良好な熱可塑性樹脂より構成することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に係る透視窓の一実施例について説明する。
【0011】
図1に示すように、透視窓Wは、熱可塑性樹脂から構成されたリング状の本体1と、本体1の内径面5に形成された環状溝5aに周縁部が嵌合された状態で保持されたレンズ体6と、環状溝5aとレンズ体6との当接面に介在されたシリコンゴム等の弾性体からなるOリング7とを備え、前記レンズ体6およびOリング7は本体1の射出成形等による成形時にインサートされたものである。
【0012】
本実施例において、リング状の本体1は、外径の大きな大径部2と外径の小さい小径部3からなり、大径部2の外周面に鍔部4が連設されているとともに、大径部2の内径面に上述したレンズ体6を保持するための環状溝5aが形成されている。一方、小径部3の外周面には周方向に沿って互いに間隔をおいて係止用凹部9が形成されているとともに、小径部3の前記係止用凹部9と干渉しない部位に径方向に貫通する連通孔8が周方向に沿って互いに間隔をおいて形成されている。
【0014】
次に、本発明の透視窓を用いた液面計を備えたタンクの一例について説明する。
【0015】
図2および図3に示すように、熱可塑性樹脂から構成されたタンク20には、図示左上隅近傍に液体を導入するための導入口21が設けられているとともに図示右下隅近傍に液体を排出するための排出口22が設けられており、周壁面に連設された外方へ向けて突出するフランジ部23には取付け用孔24が形成されている。タンク20のフランジ部23が連設されていない側壁には、図示上方部位および下方部位に透視窓Wを用いた液面計を取り付けるための挿入孔20a(図4に示す)がそれぞれ形成されており、各挿入孔20aに本体1の小径部3を嵌挿して鍔部4がタンク20の側壁に当接した状態で、スピン溶着、高周波溶着または超音波溶着等により溶着されている。
【0016】
なお、この液面計は、上述した透視窓Wの他に、図4に示すような、板状基体11に後述する筒状部12および係止用爪部14が設けられたキャップ部材10と、フロート15を準備しておき、キャップ部材10の筒状部12内にフロート15を入れた状態で透視窓Wの前記小径部3内に挿入するとともに、キャップ部材10の係止用爪部14を前記小径部3の外周面に形成された係止用凹部9に係合させることにより、キャップ部材10を透視窓Wに取り付けたものである。
【0017】
ここで、キャップ部材10の筒状部12には、周方向に沿って互いに間隔をおいて複数のスリット13が設けられており、該スリット13と透視窓Wの本体1の小径部3に形成された連通孔8とを経てタンク20内の液体が筒状部12内へ自由に出入りすることができるように工夫されている。その結果、フロート15が液体の流入または流出に伴なって上下動するため、タンク内の液面の高さをレンズ体6を通して視認することができる。
【0018】
本発明において、透視窓Wの本体1とレンズ体6とは別体であるため、本体1が透明である必要はなく、本体1とタンク20とを同一の熱可塑性樹脂より構成して両者をスピン溶着、高周波溶着、超音波溶着等により強固に溶着することができる。その結果、両者を耐熱性の良好なポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート等より構成することにより、例えば自動車のエンジン冷却液を収納するサージタンクのような温度変動の大きな用途に用いることができる。
【0019】
【発明の効果】
本発明は上述のとおり構成されているので、次に記載するような効果を奏する。
【0020】
レンズ体の周縁部がリング状の本体の内径面に形成された環状溝に嵌合されているので、レンズ体が抜け落ちるおそれがないばかりでなく、レンズ体と前記環状溝との当接面に介在されたOリングにより気密性が保たれるために液洩れのおそれがない。
【0021】
また、本体とレンズ体とは別体であるため、本体を透明な熱可塑性樹脂で構成する必要はなく、本体を構成する熱可塑性樹脂の種類の選択範囲が広がり、種々の用途に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る透視窓の一実施例の模式断面図である。
【図2】図1に示す透視窓を用いた液面計を付設したタンクの一例の正面図である。
【図3】図2の矢印A方向からみた側面図である。
【図4】図2に示すタンクの透視窓およびその近傍部分の拡大部分断面図である。
【図5】一従来例の液面計の模式断面図である。
【図6】他の従来例の液面計の模式断面図である。
【符号の説明】
1 本体
2 大径部
3 小径部
4 鍔部
5 内径面
5a 環状溝
6 レンズ体
7 Oリング
8 連通孔
9 係止用凹部
10 キャップ部材
11 板状基体
12 筒状部
13 スリット
14 係止用爪部
15 フロート
20 タンク
21 導入口
22 排出口
23 フランジ部
24 取付け用孔
Claims (1)
- 外周面が外径の大きな大径部と外径の小さい小径部からなるリング状の本体および前記大径部の外周面に連設された鍔部が熱可塑性樹脂から構成されており、前記本体の内径面に形成された環状溝に周縁部が嵌合された状態で保持されたレンズ体と、前記環状溝と前記レンズ体との当接面に介在されたOリングとを備え、前記レンズ体および前記Oリングが前記本体の成形時にインサートされた透視窓であって、熱可塑性樹脂からなるタンクの側壁に設けた挿入孔に前記本体の小径部を挿入して前記鍔部が前記側壁に当接した状態で溶着されていること、を特徴とする透視窓。
Priority Applications (1)
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JP12638897A JP3877834B2 (ja) | 1997-04-30 | 1997-04-30 | 透視窓 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP12638897A JP3877834B2 (ja) | 1997-04-30 | 1997-04-30 | 透視窓 |
Publications (2)
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JPH10300553A JPH10300553A (ja) | 1998-11-13 |
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ID=14933912
Family Applications (1)
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JP12638897A Expired - Fee Related JP3877834B2 (ja) | 1997-04-30 | 1997-04-30 | 透視窓 |
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Families Citing this family (1)
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CN112414498B (zh) * | 2019-08-20 | 2024-03-22 | 侯耀淞 | 流量计接管的强化结构 |
-
1997
- 1997-04-30 JP JP12638897A patent/JP3877834B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10300553A (ja) | 1998-11-13 |
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