JPH07127622A - 部品取付用金具 - Google Patents

部品取付用金具

Info

Publication number
JPH07127622A
JPH07127622A JP29415893A JP29415893A JPH07127622A JP H07127622 A JPH07127622 A JP H07127622A JP 29415893 A JP29415893 A JP 29415893A JP 29415893 A JP29415893 A JP 29415893A JP H07127622 A JPH07127622 A JP H07127622A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal fitting
plastic
insert
fitting
component mounting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP29415893A
Other languages
English (en)
Inventor
Noboru Yamashita
昇 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suzuki Motor Corp filed Critical Suzuki Motor Corp
Priority to JP29415893A priority Critical patent/JPH07127622A/ja
Publication of JPH07127622A publication Critical patent/JPH07127622A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Connection Of Plates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プラスチック製部品のボルト締め箇所にOリ
ングやガスケット等を使用することを不要とすると共
に、ボルト締め箇所の気密性の向上を図る。 【構成】 インサート金具1を、頭部2とクサビ部3と
から大略構成し、頭部2に、その全周方向に沿ってイン
サート金具1のプラスチック製部品の穴部に対する挿入
方向へ突出した状態で鍔部5を形成し、クサビ部3の外
周部に、カエリ部6,7,8を形成すると共に各カエリ
部6,7,8の先端部を鋭利な形状に形成し、鍔部5と
当該鍔部5に対向したカエリ部6の垂直壁面とによって
溶融プラスチック充填用の溜まり部9を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、部品取付用金具に係
り、特に、例えばプラスチック製自動車部品等における
ボルト締め箇所等に用いて好適な部品取付用金具に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば自動車に搭載されるエンジ
ン等は、アルミニウム製部品やプラスチック製部品等の
多数種類の部品から組立てられている。この場合、プラ
スチック製部品に対しても、アルミニウム製部品等と同
様に高い締め付けトルクで所定の部品をボルト締めする
必要があるため、当該ボルト締め箇所にステンレス製も
しくは真鍮製のインサート金具を使用する場合が一般的
となっている。
【0003】図14は前述したインサート金具を使用し
てプラスチック製部品に所定の部品をボルト締めする場
合の従来構造を示す図であり、プラスチック製部品90
に対する部材のボルト締めに際しては、当該プラスチッ
ク製部品90の成形時にインサート金具91が嵌合する
形状の穴部92へインサート金具91を挿入するか又は
インサート金具91を後付けした後、インサート金具9
1の内径部分に形成されたメネジ部93と螺合する形状
のオネジ部94を有する部品95を、インサート金具9
1を介して締め付けていた。
【0004】この場合、プラスチック製部品90の穴部
92にインサート金具91を超音波等による発熱を利用
して装着した後、長時間にわたる加熱/冷却の繰返しや
吸湿・乾燥による膨張/収縮の繰返しにより、金属部分
とプラスチック部分との界面の密着力が低下するため、
プラスチック製部品90の内周部とインサート金具91
の外周部との間に隙間Sが生じ易いという不具合があっ
た。そこで、従来は、図15に示す如く部品95とプラ
スチック製部品90及びインサート金具96との間にO
リング97(またはゴム状の非金属製ガスケット)を介
在させることにより、ボルト締め箇所の気密性を保持し
ていた。図中矢印は内圧を示す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来技術においては、特に、プラスチック製部品に対
して所定の部品をボルト締めする場合、ボルト締め箇所
における気密性を高めるためにはOリングやガスケット
等の部品を使用する必要があるため、ボルト締め箇所の
構造が複雑化すると共に,部品点数の増大やコスト高を
招くという問題があった。また、プラスチック製部品の
ボルト締め箇所(インサート金具挿入箇所)にゴム等の
材質から成るOリングやガスケットを介挿しているた
め、プラスチック製部品の設計時には前述したゴム材料
の耐久性を考慮に入れた設計を行う必要が生じ、手間が
掛かる等の問題があった。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記従来例の有する不都合を
改善し、特に、プラスチック製部品のボルト締め箇所に
おけるインサート金具装着部分にOリングやガスケット
等を使用することを不要とすると共に、ボルト締め箇所
における気密性の向上を図ること等を可能とした部品取
付用金具を提供することを、その目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、所定の部品が
取付けられる樹脂製部材に形成された部品取付用穴部の
内周壁に対して嵌合状態に加熱挿入され,前記所定の部
品に付設されたオネジ部に螺合するメネジ部が内周壁に
形成された中空状の金具本体,及び当該金具本体の外周
部分に前記部品取付用穴部への前記金具本体挿入方向と
は逆方向へ向けて形成された金具本体離脱防止用カエリ
部を備えた部品取付用金具において、前記金具本体にお
ける前記部品取付用穴部への挿入側の端部とは反対側の
端部に、その全周方向に沿って且つ前記金具本体離脱防
止用カエリ部側へ向けて鍔部を形成すると共に、当該鍔
部に、その全周方向に沿って且つ前記金具本体離脱防止
用カエリ部側へ向けて気密保持用カエリ部を形成し、前
記鍔部の内側に沿って、溶融樹脂充填用の凹部を形成す
る、という構成を採っている。これによって、前述した
目的を達成しようとするものである。
【0008】
【作用】本発明によれば、部品取付用金具の樹脂製部材
の部品取付用穴部に対する加熱挿入時に、樹脂製部材と
部品取付用金具との接触部分が加熱により溶融して部品
取付用金具の鍔部側へ流動してきた際に,当該溶融樹脂
を凹部に高い圧力で効率良く充填することができ、この
結果、凹部に充填された溶融樹脂が固化した後で凹部の
内部で熱膨張や吸湿により膨潤した場合でも、凹部がほ
ぼ閉空間を形成しているため、凹部からの樹脂の流出を
抑えることができる。これにより、部品取付用金具と樹
脂製部品との間の接触面に高い面圧を生じさせることが
できるため、樹脂製部材のネジ締め箇所における気密性
を向上させることができる。従って、従来の如く,樹脂
製部材のネジ締め箇所における気密性を高めるためにO
リングやガスケット等を使用することが不要となり、ネ
ジ締め箇所における構造を簡易化することができると共
に,部品点数やコストを低減することができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明を適用してなる各実施例を図面
に基づいて説明する。
【0010】(1)第1実施例。 本第1実施例のインサート金具の構造を図1及び図2に
基づき説明すると、ステンレス製または真鍮製から成る
インサート金具1は、頭部2の外周部分に鍔部5及び溜
まり部9を形成すると共に,クサビ部3に例えば3箇所
のカエリ部6,7,8を形成した点が特徴となってい
る。本第1実施例では、インサート金具1を前記の構造
とすることにより、プラスチック製部品の穴部(プラス
チック成形下穴)にインサート金具1を挿入して所定の
部品をボルト締めする際に、従来のようなOリングやガ
スケットの使用を不要とし,ボルト締め箇所の気密性を
保持すると共に,インサート金具1にボルト締め付けト
ルクに対して充分な耐久性を持たせるようになってい
る。
【0011】ここで、本第1実施例のインサート金具1
の詳細構造を説明する前に、通常の形状を有するインサ
ート金具をプラスチック製部品の穴部へ挿入する際の状
態を図11及び図12に基づき説明すると、通常のイン
サート金具70の断面形状は、図11に示す如く、プラ
スチック製部品71の穴部72(プラスチック成形下
穴)に対して加熱及び超音波振動により挿入し易いよう
な形状となっている。図中符号73はインサート金具7
0が穴部72から抜け出るのを防止するためのカエリ部
を示す。
【0012】しかし、通常の形状を有するインサート金
具70では、加熱状態にある当該インサート金具70を
プラスチック製部品71の穴部72に挿入して固定した
後(図12参照)、加熱/冷却及び吸湿/乾燥を繰返す
と、プラスチック製部品71におけるインサート金具7
0との接触部分が溶けて当該インサート金具70のカエ
リ部73側へ流動して食い込むため(図中矢印方向)、
インサート金具70とプラスチック製部品71との間に
隙間が生ずることとなる。
【0013】そこで、本第1実施例では、インサート金
具1を上述した構造とすることにより、プラスチック製
部品の穴部に対するインサート金具1の加熱挿入時に、
プラスチック製部品におけるインサート金具1との接触
部分が溶けて頭部2側へ流動してくる溶融プラスチック
を鍔部5によって形成される溜まり部9に高い圧力で充
填させ、溶融プラスチックの固化後も溜まり部9内部で
熱膨張や吸湿により膨潤した際の当該プラスチックの流
出を抑え、インサート金具1とプラスチック製部品との
間の接触面に高い面圧を生じさせ、ボルト締め箇所にお
ける気密性を保持するようになっている。
【0014】本第1実施例のインサート金具1の詳細構
造を説明すると、インサート金具1は、頭部2とクサビ
部3とから大略構成されており、その内部には取付対象
となる所定の部品に付設されたボルト(図示略)のオネ
ジ部と螺合する形状を有するメネジ部4がインサート金
具1の軸方向に貫通した状態で形成されている。この場
合、鍔部5の外径はクサビ部3の外径よりも大なる形状
に形成されている。頭部2には、その全周方向に沿って
インサート金具1のプラスチック製部品の穴部(図示
略)に対する挿入方向へ突出した状態で鍔部5が形成さ
れている。
【0015】鍔部5には、その全周方向に沿ってカエリ
部5Aが後述のカエリ部6側へ向けて形成されており、
その先端は鋭利な形状に形成されている。これにより、
インサート金具1のプラスチック製部品の穴部に対する
加熱挿入時には、鍔部5のカエリ部5Aの鋭利な先端が
プラスチックに食い込むことにより、プラスチック製部
品のボルト締め付け箇所における気密性を保持するよう
になっている。また、インサート金具1のクサビ部3の
外周部には、例えば3箇所のカエリ部6,7,8が形成
されている。
【0016】更に、インサート金具1の鍔部5と当該鍔
部5に対向したカエリ部6の垂直壁面との間には、図示
の断面形状(多角形状)を有する溜まり部9が形成され
ており、インサート金具1のプラスチック製部品の穴部
に対する加熱挿入時に,当該インサート金具1と接触し
ている部分のプラスチックが溶融し,カエリ部6,7,
8の外側を伝わってきた当該溶融プラスチック(図1矢
印参照)を溜まり部9に充填するようになっている。
【0017】次に、上記の如く構成した本第1実施例の
作用を説明する。
【0018】インサート金具1のプラスチック製部品の
穴部に対する加熱挿入時において、プラスチック製部品
におけるインサート金具1との接触部分が加熱により溶
融し、溶融したプラスチックはカエリ部6,7,8の外
側を伝わってインサート金具1の頭部2の鍔部5側へ図
1矢印方向へ流動して行く。
【0019】インサート金具1の頭部2の鍔部5側へ流
動してきた溶融プラスチックは、鍔部5とカエリ部6と
によって形成された溜まり部9に高い圧力で効率良く充
填されることとなる。そして、溜まり部9の内部に充填
された溶融プラスチックが固化した後、当該固化したプ
ラスチックが溜まり部9の内部で熱膨張や吸湿により膨
潤した場合でも、溜まり部9が鍔部5とカエリ部6の垂
直壁面とによってほぼ閉空間を形成しているため、溜ま
り部9からのプラスチックの流出を抑えることができ
る。
【0020】即ち、本第1実施例によれば、上述した作
用により、インサート金具1とプラスチック製部品との
間の接触面に高い面圧が生ずるため、プラスチック製部
品のボルト締め箇所における気密性を向上させることが
できる。従って、従来の如く,プラスチック製部品のボ
ルト締め箇所における気密性を高めるためにOリングや
ガスケット等を使用することが不要となり、ボルト締め
箇所における構造を簡易化することができると共に,部
品点数やコストを低減することができる。
【0021】(2)第2実施例。 本第2実施例のインサート金具11の構造を図3及び図
4に基づき説明すると、インサート金具11は、頭部1
2とクサビ部13とから大略構成されており、その内部
にはメネジ部14が貫通状態で形成されている。頭部1
2には、その全周方向に沿って鍔部15が形成されると
共に、鍔部15には、その全周方向に沿って鋭利な先端
を有するカエリ部15Aが後述のカエリ部16側へ向け
て形成されている。また、クサビ部13の外周部には、
例えば3箇所のカエリ部16,17,18が形成されて
いる。更に、インサート金具11の鍔部15と当該鍔部
15に対向したカエリ部16の垂直壁面との間には、図
示の断面形状(台形状)を有する溜まり部19が形成さ
れている。
【0022】本第2実施例においても、インサート金具
11に鍔部15及び溜まり部19を形成することによ
り、インサート金具11とプラスチック製部品との間の
接触面に高い面圧を生じさせることができるため、プラ
スチック製部品のボルト締め箇所における気密性を向上
させることができる。従って、従来の如く,プラスチッ
ク製部品のボルト締め箇所における気密性を高めるため
にOリングやガスケット等を使用することが不要とな
り、ボルト締め箇所における構造を簡易化することがで
きると共に,部品点数やコストを低減することができ
る。
【0023】(3)第3実施例。 本第3実施例のインサート金具21の構造を図5及び図
6に基づき説明すると、インサート金具21は、頭部2
2とクサビ部23とから大略構成されており、その内部
にはメネジ部24が貫通状態で形成されている。頭部2
2には、その全周方向に沿って鍔部25が形成されると
共に、鍔部25には、その全周方向に沿って鋭利な先端
を有するカエリ部25Aが後述のカエリ部26側へ向け
て形成されている。また、クサビ部23の外周部には、
例えば3箇所のカエリ部26,27,28が形成されて
いる。更に、インサート金具21の鍔部25と当該鍔部
25に対向したカエリ部26の垂直壁面との間には、図
示の断面形状(半円形状)を有する溜まり部29が形成
されている。
【0024】本第3実施例においても、インサート金具
21に鍔部25及び溜まり部29を形成することによ
り、インサート金具21とプラスチック製部品との間の
接触面に高い面圧を生じさせることができるため、プラ
スチック製部品のボルト締め箇所における気密性を向上
させることができる。従って、従来の如く,プラスチッ
ク製部品のボルト締め箇所における気密性を高めるため
にOリングやガスケット等を使用することが不要とな
り、ボルト締め箇所における構造を簡易化することがで
きると共に,部品点数やコストを低減することができ
る。
【0025】(4)第4実施例。 先ず、本4実施例のインサート金具が使用される自動車
部品を図7に基づき説明すると、図7はエンジンに装備
されるプラスチック製インテークマニホールド30(以
下インテークマニホールドと略称)の外観図であり、イ
ンテークマニホールド30のサージタンク31側面の取
付用穴部32に本4実施例の真鍮製のインサート金具4
1を挿入した後、インサート金具41のメネジ部44
(図8参照)と螺合するネジ部33Aを備えた温度セン
サ33を例えば100[Kgf・cm]の締め付けトル
クで取付けるようになっている。
【0026】ところで、インテークマニホールド30に
対する温度センサ33の取付箇所が,車両のエンジンル
ーム内における雰囲気温度の低温状態/高温状態の繰返
しや振動の繰返し等による影響で緩むことを防止するた
め、取付箇所(メネジ部分)を金属から構成するのが一
般的である。そこで、インサート金具を半田ゴテで充分
に加熱して取付用穴部32に挿入し固着するが、この
時、インサート金具と取付用穴部32との接触箇所で加
熱により溶融したプラスチックが取付用穴部32の内部
で流動する現象が発生する。
【0027】しかし、インテークマニホールド30に対
する温度センサ33の取付時に図13に示す構造を有す
る通常のインサート金具81をした場合は、プラスチッ
ク基材P(サージタンク31の取付用穴部32付近の基
材)とインサート金具81との間の所々に気泡等の欠陥
が生ずるため、強い接着力が生ぜず、低温状態/高温状
態の繰返しによる材料線膨張率の相異(真鍮:(18〜
20)×10-6[cm/cm・度C],ガラス繊維強化
ナイロン樹脂:(26〜30)×10-6[cm/cm・
度C])や吸湿/乾燥の繰返し(寸法で0.2〜数
[%]の膨張収縮)により、次第にプラスチック基材P
とインサート金具81との界面に連続的な隙間が生じ、
サージタンク内への又はサージタンク内からの吸入空気
の漏洩が生ずる。
【0028】この場合、図13に示した通常のインサー
ト金具81は、頭部82と,クサビ部83と,クサビ部
83に形成された例えば4箇所のカエリ部84,85,
86,87と,メネジ部88とから構成されている。図
中符号33Aは温度センサ33に付設された温度検出
部、符号33Bはオネジ部、符号89は平ワッシャを示
す。
【0029】そこで、本第4実施例では、インサート金
具41を図8に示す構造とすることにより、前述した不
具合を防止するものである。
【0030】本第4実施例のインサート金具41の構造
を図8に基づき説明すると、インサート金具41は、鍔
部42とクサビ部43とから大略構成されており、その
内部にはメネジ部44が貫通状態で形成されている。鍔
部42には、その全周方向に沿って鋭利な先端を有する
カエリ部45が形成されており、クサビ部43の外周部
には、例えば4箇所のカエリ部46,47,48,49
が形成されている。更に、インサート金具41の鍔部4
2のカエリ部45とクサビ部43のカエリ部46との間
には、溜まり部50が形成されている。図中符号51は
インサート金具41が挿入されたプラスチック基材、符
号52は穴部、符号53は平ワッシャを示す。
【0031】本第4実施例では、インサート金具41の
鍔部42にカエリ部45を形成することにより,鍔部4
2のカエリ部45とクサビ部43のカエリ部46との間
に溜まり部50を形成した構造としているため、インサ
ート金具41とプラスチック基材51の接触箇所で加熱
により溶融したプラスチックが図8矢印方向へ流動し、
溜まり部50の内部に高い圧力で効率良く充填されるこ
ととなる。
【0032】即ち、本第4実施例によれば、上記によ
り、インサート金具41とプラスチック基材51との間
の接触面に高い面圧を生じさせることができると共に,
溜まり部50部分ではプラスチックの寸法変化を制限す
ることができるため、プラスチック基材51の温度セン
サ33取付箇所における気密性を向上させることができ
る。従って、従来の如く,プラスチック基材のインサー
ト金具挿入箇所にOリングやガスケット等を使用するこ
とが不要となり、インサート金具挿入箇所における構造
を簡易化することができると共に,部品点数やコストを
低減することができる。
【0033】本出願人は、本第4実施例のインサート金
具41を使用して温度センサ33を取付けたインテーク
マニホールド30を車両のエンジンに組付け、雰囲気温
度を低温から高温へ繰返し変化させる所定の試験室にお
いて車両走行距離が10万Kmに相当する耐久走行試験
を実施したところ、インテークマニホールド30のサー
ジタンク31における温度センサ33取付箇所に気密漏
れが発生しないという良好な結果を得た。
【0034】(5)第5実施例。 先ず、本5実施例の鉄製ニップルが使用される自動車部
品を図9に基づき説明すると、図9はエンジンに装備さ
れるプラスチック製インテークパイプ55(以下インテ
ークパイプと略称)の外観図であり、当該インテークパ
イプ55には、吸入空気の一部を分岐するための本第5
実施例の鉄製ニップル61を後付けで取付けるようにな
っている。
【0035】ところで、エンジンルーム内における雰囲
気温度の低温状態/高温状態の繰返しや振動の繰返し等
による影響で鉄製ニップルとインテークパイプ55との
間の界面に隙間を生ずるため、鉄製ニップルを、超音波
振動を利用した方法で摩擦発熱させてインテークパイプ
55の穴部に挿入固着しているが、この時、鉄製ニップ
ルと穴部との接触箇所で加熱により溶融したプラスチッ
クが穴部の内部で流動する現象が発生する。
【0036】しかし、インテークパイプ55の分岐用穴
部に上記図13に示した構造を有する通常のインサート
金具81を挿入した場合は、プラスチック基材P(イン
テークパイプ55の取付用穴部付近の基材)とインサー
ト金具81との間の所々に気泡等の欠陥が生ずるため、
強い接着力が生ぜず、低温状態/高温状態の繰返しによ
る材料線膨張率の相異(真鍮:(18〜20)×10-6
[cm/cm・度C],ガラス繊維強化ナイロン樹脂:
(26〜30)×10-6[cm/cm・度C])や吸湿
/乾燥の繰返し(寸法で0.2〜数[%]の膨張収縮)
により、次第にプラスチック基材Pとインサート金具8
1との界面に連続的な隙間が生じ、インテークパイプ内
への又はインテークパイプ内からの吸入空気の漏洩が生
ずる。
【0037】そこで、本第5実施例では、鉄製ニップル
61を図10に示す構造とすることにより、前述した不
具合を防止するものである。
【0038】本第5実施例の鉄製ニップル61の構造を
図10に基づき説明すると、鉄製ニップル61は、挿入
部62Aと,非挿入部62Bとから大略構成されてお
り、更に、挿入部62Aは、鍔部63とクサビ部64と
から構成されている。鍔部63には、その全周方向に沿
ってカエリ部65が形成されており、クサビ部64の外
周部には、例えば3箇所のカエリ部66,67,68が
形成されている。更に、鍔部63のカエリ部65とクサ
ビ部64のカエリ部66とによって、溜まり部69が形
成されている。
【0039】本第5実施例では、鉄製ニップル61の鍔
部63にカエリ部65を形成することにより,鍔部63
のカエリ部65とクサビ部64のカエリ部66との間に
溜まり部69を形成した構造としているため、鉄製ニッ
プル61とインテークパイプ55の穴部との接触箇所で
加熱により溶融したプラスチックが図10矢印方向へ流
動し、溜まり部69の内部に高い圧力で効率良く充填さ
れることとなる。
【0040】即ち、本第5実施例によれば、上記によ
り、鉄製ニップル61とインテークパイプ55との間の
接触面に高い面圧を生じさせることができると共に,溜
まり部69部分ではプラスチックの寸法変化を制限する
ことができるため、インテークパイプ55の鉄製ニップ
ル61取付箇所における気密性を向上させることができ
る。従って、従来の如く,プラスチック基材の鉄製ニッ
プル取付箇所にOリングやガスケット等を使用すること
が不要となり、鉄製ニップル取付箇所における構造を簡
易化することができると共に,部品点数やコストを低減
することができる。
【0041】本出願人は、本第5実施例の鉄製ニップル
61をインテークパイプ55に対しコンポーネント状態
に取付け、雰囲気温度を−30[度C]の低温から12
0[度C]の高温へ繰返し変化させる冷熱サイクル試験
を1000回実施し、鉄製ニップル61を取付けたイン
テークパイプ55を水中に浸析させて当該取付箇所にお
ける気密漏れの有無を検査したところ、気密漏れが発生
しないという良好な結果を得た。
【0042】この場合、上記各実施例では、インサート
金具をステンレス製または真鍮製として構成したが、ス
テンレス製や真鍮製に限定されるものではなく、セラミ
ックス製やプラスチック製として構成することも可能で
ある。
【0043】また、上記各実施例では、インサート金具
或いは鉄製ニップルをプラスチック製部品に適用した場
合について説明したが、プラスチック製部品に限定され
るものではなく、他の樹脂製部品に適用することも可能
である。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の部品取付
用金具によれば、金具本体における部品取付用穴部への
挿入側の端部とは反対側の端部にその全周方向に沿って
且つ金具本体離脱防止用カエリ部側へ向けて鍔部を形成
すると共に,鍔部にその全周方向に沿って且つ金具本体
離脱防止用カエリ部側へ向けて気密保持用カエリ部を形
成し,鍔部の内側に沿って溶融樹脂充填用の凹部を形成
しているため、部品取付用金具の樹脂製部材の部品取付
用穴部に対する加熱挿入時に、樹脂製部材と部品取付用
金具との接触部分が加熱により溶融して部品取付用金具
の鍔部側へ流動してきた際に,当該溶融樹脂を凹部に高
い圧力で効率良く充填することができ、この結果、凹部
に充填された溶融樹脂が固化した後で凹部の内部で熱膨
張や吸湿により膨潤した場合でも、凹部がほぼ閉空間を
形成しているため、凹部からの樹脂の流出を抑えること
ができる。これにより、部品取付用金具と樹脂製部品と
の間の接触面に高い面圧を生じさせることができるた
め、樹脂製部材のネジ締め箇所における気密性を向上さ
せることができる、という効果を奏することができる。
【0045】上記により、従来の如く,樹脂製部材のネ
ジ締め箇所における気密性を高めるためにOリングやガ
スケット等を使用することが不要となり、ネジ締め箇所
における構造を簡易化することができると共に,部品点
数やコストを低減することができる、という効果を奏す
ることができる。
【0046】また、本発明の部品取付用金具において、
気密保持用カエリ部の断面形状を鋭利な形状に形成した
場合には、部品取付用金具の樹脂製部材の部品取付用穴
部に対する加熱挿入時に、鍔部のカエリ部の鋭利な先端
が樹脂に食い込むことにより、樹脂製部材のネジ締め付
け箇所における気密性を保持することができる、という
効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1実施例におけるインサー
ト金具の構成を示す縦断面図である。
【図2】図1に示すインサート金具の外観図である。
【図3】第2実施例におけるインサート金具の構成を示
す縦断面図である。
【図4】図3に示すインサート金具の外観図である。
【図5】第3実施例におけるインサート金具の構成を示
す縦断面図である。
【図6】図5に示すインサート金具の外観図である。
【図7】第4実施例におけるインテークマニホールドに
対するインサート金具及び温度センサの取付方向を示す
斜視図である。
【図8】第4実施例におけるプラスチック基材に対する
インサート金具及び温度センサの取付状態を示す一部を
断面とした説明図である。
【図9】第5実施例におけるインテークパイプに対する
鉄製ニップルの取付状態を示す斜視図である。
【図10】第5実施例におけるプラスチック基材に対す
る鉄製ニップルの取付状態を示す縦断面図である。
【図11】プラスチック製部品に対する通常のインサー
ト金具の挿入途中状態を示す縦断面図である。
【図12】プラスチック製部品に対する通常のインサー
ト金具の挿入状態を示す縦断面図である。
【図13】プラスチック基材に対する通常のインサート
金具及び温度センサの取付状態を示す一部を断面とした
説明図である。
【図14】従来例におけるインサート金具と部品との取
付状態を示す一部を省略した縦断面図である。
【図15】従来例におけるインサート金具と部品との取
付状態を示す一部を省略した縦断面図である。
【符号の説明】
1,11,21,41 部品取付用金具としてのインサ
ート金具 3,13,23,43 クサビ部 4,14,24,44 メネジ部 5,15,25,42,63 鍔部 5A,15A,25A,65 気密保持用としてのカエ
リ部 6,7,8,15A,16,17,18,26,27,
28,45,46,47,48,49,65,66,6
7,68 金具本体離脱防止用カエリ部としてのカエリ
部 9,19,29,50,69 凹部としての溜まり部 30 樹脂製部材としてのインテークマニホールド 33 所定の部品としての温度センサ 33B オネジ部 55 樹脂製部材としてのインテークパイプ 61 鉄製ニップル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の部品が取付けられる樹脂製部材に
    形成された部品取付用穴部の内周壁に対して嵌合状態に
    加熱挿入され,前記所定の部品に付設されたオネジ部に
    螺合するメネジ部が内周壁に形成された中空状の金具本
    体,及び当該金具本体の外周部分に前記部品取付用穴部
    への前記金具本体挿入方向とは逆方向へ向けて形成され
    た金具本体離脱防止用カエリ部を備えた部品取付用金具
    において、 前記金具本体における前記部品取付用穴部への挿入側の
    端部とは反対側の端部に、その全周方向に沿って且つ前
    記金具本体離脱防止用カエリ部側へ向けて鍔部を形成す
    ると共に、当該鍔部に、その全周方向に沿って且つ前記
    金具本体離脱防止用カエリ部側へ向けて気密保持用カエ
    リ部を形成し、前記鍔部の内側に沿って、溶融樹脂充填
    用の凹部を形成して成ることを特徴とした部品取付用金
    具。
  2. 【請求項2】 前記気密保持用カエリ部の断面形状を、
    鋭利な形状に形成して成ることを特徴とした請求項1記
    載の部品取付用金具。
JP29415893A 1993-10-30 1993-10-30 部品取付用金具 Withdrawn JPH07127622A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29415893A JPH07127622A (ja) 1993-10-30 1993-10-30 部品取付用金具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29415893A JPH07127622A (ja) 1993-10-30 1993-10-30 部品取付用金具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07127622A true JPH07127622A (ja) 1995-05-16

Family

ID=17804068

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29415893A Withdrawn JPH07127622A (ja) 1993-10-30 1993-10-30 部品取付用金具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07127622A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008138739A (ja) * 2006-11-30 2008-06-19 Meira Corp インサート用部品、樹脂成形体並びに樹脂成形体の製造方法
JP2009156309A (ja) * 2007-12-25 2009-07-16 Toyota Boshoku Corp ナット
JP2012002337A (ja) * 2010-06-21 2012-01-05 Santoku Shoji Kk パイプ端面固定体
CN106122237A (zh) * 2016-08-23 2016-11-16 瑞安市威孚标准件有限公司 自锁紧螺钉

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008138739A (ja) * 2006-11-30 2008-06-19 Meira Corp インサート用部品、樹脂成形体並びに樹脂成形体の製造方法
JP2009156309A (ja) * 2007-12-25 2009-07-16 Toyota Boshoku Corp ナット
JP2012002337A (ja) * 2010-06-21 2012-01-05 Santoku Shoji Kk パイプ端面固定体
CN106122237A (zh) * 2016-08-23 2016-11-16 瑞安市威孚标准件有限公司 自锁紧螺钉

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2011094608A (ja) フューエルディストリビュータ
JPH1113593A (ja) インジェクターの燃焼ガスシール
CA2562280A1 (en) Spacer for coaxially sheathed fuel pipes
JPH07127622A (ja) 部品取付用金具
US20080315457A1 (en) Joint in Fluid Device and Method of Manufacture
US6863039B2 (en) Casing cover having a device for assuring sealing forces
US10012192B2 (en) End seal structure of a fuel rail for a gasoline direct injection engine
JP3504068B2 (ja) タンクの配管接続装置
JP6871762B2 (ja) 樹脂ダクトに形成した穴に付加部品を取り付ける構造
JP3395611B2 (ja) 樹脂製燃料タンク
KR20100006973A (ko) 차량용 파이프 고정 브라켓
CN220540557U (zh) 一种衬塑三通管
JP3244928U (ja) 樹脂管と可撓継手との接続構造
JPH04337189A (ja) 枝付きアイジョイントの取付け構造
JP3894791B2 (ja) 燃料噴射弁の取付構造
US1431212A (en) Means for introducing temperature-responsive elements into engine cooling systems
US20010042567A1 (en) Holding structure for holding deive on fuel tank
JPH06346996A (ja) 分岐管接続継手
JP2005048857A (ja) ホース接続構造およびホース接続方法
KR870000549Y1 (ko) 압력용기에의 특수재질로된 노즐의 장착구조
JPS6320829Y2 (ja)
JPS5855328Y2 (ja) 小型熱交換器を内蔵する内燃機関用放熱器
WO2009038821A1 (en) Fluid conduit having integrated sensor
JP2007162743A (ja) フレア継手及びこれを用いた冷凍サイクル装置
JPH1096491A (ja) 管継手の受口構造

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20010130