JP4141569B2 - ディスクブレーキ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスクブレーキに関するもので、特にパッドスプリングの取付構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディスクブレーキには、図8〜図11に示すように、爪部117、シリンダ部118およびブリッジ部119からなるキャリパ120と、パッド(図示略)をディスク(図示略)の径方向に押圧するパッドスプリング121とを有し、該パッドスプリング121を、キャリパ120のディスクの外周面(図示略)に対向する内面部122とディスクのパッドと接触する両摩擦面(図示略)に沿って延在する一対の側面部123,124とで形成される凹部に嵌合させるものがある。
【0003】
このパッドスプリング121は、パッドを押圧するための第1爪部側腕部125、第2爪部側腕部126、第1シリンダ部側腕部127および第2シリンダ部側腕部128と、これらの腕部125〜128に対し直交する両側に設けられた一対の爪部側係止爪129およびシリンダ部側係止爪130とを有しており、図8に示すように、一方の爪部側係止爪129を先にキャリパ120の一方の側面部123の内面部122側に当接させた状態とし、この状態で図8に矢印Fで示すようにディスク半径方向に沿って内面部122の方向に押圧嵌合させて、他方のシリンダ部側係止爪130を他方の側面部124に当接させた取り付け状態となるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このパッドスプリング121は、取り付け時に先に側面部123に当接される爪部側係止爪129が、図9〜図11に示すように、ディスクの半径方向内方(図11における右方)に若干傾斜しつつ延出する延出板部132と、該延出板部132の先端から、ディスク半径方向内方に屈曲し延出する先端板部133とを有しており、その変形容易な方向(図11に示す矢印A方向)が、キャリパ120へのパッドスプリング121の取り付け時の押圧方向Fと一致可能となっている。
【0005】
このため、このパッドスプリング121を不適正な姿勢で無理にキャリパ120に嵌合させた場合に、パッドスプリング121が姿勢を正すことなくその爪部側係止爪129を過度に塑性変形させてしまうという問題が生じやすかった。なお、上記した不適正な姿勢とは、例えば、パッドスプリング121の爪部側係止爪129が、側面部123のディスク半径方向における内面部122に対し反対側に当接した姿勢や、パッドスプリング121のシリンダ部側係止爪130が先に側面部124の内面部122側に当接した姿勢である。そして、上記のように過度に塑性変形すると、爪部側係止爪129が嵌合後にキャリパ120に対し適正な締め代をもてなくなり、パッドスプリング121の姿勢が安定しなくなってしまう。
【0006】
したがって、本発明は、パッドスプリングを、不適正な姿勢で嵌合させた場合においても、過度な塑性変形を防止でき、嵌合後の姿勢を安定させることができるディスクブレーキの提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1記載のディスクブレーキは、ディスクの外周面に対向する内面部とディスクの各摩擦面に沿って延在する一対の側面部とを有する凹部を具備するキャリパと、該キャリパによってディスクに押し付けられる一対の摩擦パッドと、該摩擦パッドにディスクの半径方向における外側から当接して押圧する腕部を有し、前記キャリパの前記凹部に前記内面部方向に押圧嵌合されて取り付けられるとともに、該取り付け時に各側面部に当接する一対の係止爪を有するパッドスプリングと、を有するものであって、前記パッドスプリングの一方の係止爪は、前記ディスク半径方向に向け延出する延出板部と、該延出板部から前記係止爪の他方に対し反対側に傾斜しつつ延出した当接板部とを有し、該当接板部が前記側面部の一方にディスク軸線方向に弾性変形して当接することを特徴としている。
【0008】
このように、パッドスプリングの一方の係止爪が、前記ディスク半径方向に向け延出する延出板部と、該延出板部から前記係止爪の他方に対し反対側に傾斜しつつ延出した当接板部とを有し、該当接板部が前記側面部の一方にディスク軸線方向に弾性変形して当接するため、この当接板部を先にキャリパの凹部の一方の側面部に当接させた状態として、パッドスプリングを内面部方向に押圧すると、不適正な姿勢で凹部に嵌合させた場合においても、該一方の係止爪の当接板部がディスク軸線方向に弾性変形することで、パッドスプリングが容易に適正な姿勢に戻ることになる。
【0009】
本発明の請求項2記載のディスクブレーキは、請求項1記載のものに関し、前記当接板部、前一方の側面の方向に傾斜しつつディスク周方向における両外方にそれぞれ延出していることを特徴としている。
【0010】
このように、当接板部は、一方の側面部の方向に傾斜しつつディスク周方向における両外方にそれぞれ出しているため、この当接板部を先にキャリパの凹部の一方の側面部に当接させた状態として、パッドスプリングを内面部方向に押圧すると、不適正な姿勢で凹部に嵌合させた場合においても、該一方の係止爪の当接板部がディスク軸線方向に弾性変形することで、パッドスプリングが容易に適正な姿勢に戻ることになる。
【0011】
本発明の請求項3記載のディスクブレーキは、請求項1記載のものに関し、前記一方の係止爪は、前記パッドスプリングの前記腕部の基端となる中間板部からディスク軸線方向外方に延出する基板部を有し、前記延出板部は、該基板部の先端からディスク半径方向内方に向け屈曲し延出、前記当接板部は、該延出板部か一方の側面部の方向に傾斜しつつディスク周方向における両外方に延出していることを特徴としている。
【0012】
このように、一方の係止爪は、パッドスプリングの腕部の基端となる中間板部からディスク軸線方向外方に延出する基板部を有し、前記延出板部は、該基板部の先端からディスク半径方向内方に向け屈曲し延出前記当接板部は、該延出板部か一方の側面部の方向に傾斜しつつディスク周方向における両外方に延出しているため、この一方の係止爪を先にキャリパの凹部の一方の側面部に当接させた状態として、パッドスプリングを内面部方向に押圧すると、不適正な姿勢で凹部に嵌合させた場合においても、該一方の係止爪の当接板部がディスク軸線方向に弾性変形することで、パッドスプリングが容易に適正な姿勢に戻ることになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の一の実施の形態によるディスクブレーキを図1〜図7を参照して以下に説明する。
図1〜図4に示すように、このディスクブレーキは、車体側にボルト締結等で取り付けられるキャリア11と、ディスク12を跨ぐように配置された状態でキャリア11にディスク12の軸線方向に移動可能となるよう支持されるキャリパ13と、ディスク12の両摩擦面14,15とキャリパ13との隙間にそれぞれ配置された状態で、キャリパ13に取り付けられたピン16,17によりディスク12の軸線方向に移動可能となるよう支持される一対のパッド18,19とを有している。
【0014】
キャリパ13は、ディスク12の一方の摩擦面14に対向するように配置された爪部21と、ディスク12の他方の摩擦面15に対向するように配置されるシリンダ部22と、これら爪部21およびシリンダ部22をディスク12の外周面20の外側で連結させるブリッジ部23とを有している。シリンダ部22には、ディスク12の方向に開口する二つのシリンダ穴24,24(実際のディスクブレーキにおいては、図2のように見た場合にシリンダ穴24,24は見えないが、図2においては、便宜上パッドを一部割愛してシリンダ穴24,24を見えるように図示している)が形成されており、これらシリンダ穴24,24にはピストン25がそれぞれ嵌合されている。そして、これらピストン25,25が前進することでキャリパ13は一対のパッド18,19をピストン25,25と爪部21とで挟持してこれらパッド18,19をディスク12に押し付けて制動力を発生させる。
【0015】
ここで、一対のパッド18,19には、それぞれに、ディスク12の半径方向における外側に二カ所の突起部27,28が形成されている(一方のパッド18のみ図示)。それぞれのパッド18,19における二カ所の突起部27,28は、互いにディスク12の周方向に離間配置されている。
【0016】
図4に示すように、キャリパ13の爪部21のディスク12側となる部分には、ディスク12の摩擦面14に平行をなす第1面部30と、ディスク12の周方向における第1面部30の外側から、ディスク12の軸線方向においてディスク12から離れる方向に斜めに延在する第2面部31と、ディスク12の周方向における第2面部31の外側から、ディスク12の摩擦面14に平行をなして延在する第3面部(側面部)32とが形成されている。
【0017】
キャリパ13のブリッジ部23のディスク12側には、ディスク12の周方向における第3面部32の外側から、ディスク12の外周面20に対向するよう延在する第4面部(内面部)34と、該第4面部34の第3面部32に対し反対側から、ディスク12の半径方向においてディスク12から離れる方向に斜めに延在する第5面部35と、該第5面部35の第4面部34に対し反対側から第4面部34と平行に延在する第6面部36とが形成されている。
【0018】
キャリパ13のシリンダ部22のディスク12側には、ディスク12の軸線方向における第6面部36の第5面部35に対し反対側から、ディスク12の摩擦面15に平行をなして延在する第7面部(側面部)38と、ディスク12の半径方向における第7面部38の内側からディスク12の軸線方向においてディスク12から離間するよう湾曲する第8面部39と、ディスク12の半径方向における第8面部39の内側からディスク12の摩擦面15に平行をなして延在する第9面部40とが形成されている。
【0019】
さらに、図2に示すように、キャリパ13のブリッジ部23のディスク12(図2においては図示略)の周方向における一側には、ディスク12の半径方向に第4面部34の位置まで延出する第10面部42が形成されており、キャリパ13のブリッジ部23のディスク12の周方向における逆側には、ディスク12の半径方向において第4面部34の位置よりさらに外側まで延出する第11面部43が形成されていて、ディスク12の半径方向における第11面部43の外端部には第4面部34と平行をなす第12面部44が形成されている。さらに、この第12面部44の第11面部43に対し反対側には、ディスク12の半径方向に沿って第4面部34まで延出する第13面部45が形成されている。
【0020】
そして、第2面部31〜第8面部39および第10面部42〜第13面部45は、キャリパ13の鋳造時に肉盗みとして形成されている。これら第2面部31〜第8面部39および第10面部42〜第13面部45によりキャリパ13の凹部47が構成されている。
【0021】
パッドスプリング50は、キャリパ13の凹部47に嵌合されるもので、図5〜図7に示すように、中央に形成された中間板部51と、中間板部51の一側から相反する方向に延出する一対の第1爪部側腕部52および第2爪部側腕部53と、中間板部51の逆側から相反する方向に延出する一対の第1シリンダ部側腕部54および第2シリンダ部側腕部55と、中間板部51の両端に形成された爪部側係止爪(係止爪,一方の係止爪)56およびシリンダ部側係止爪(係止爪)57とを有している。なお、図6においては、下側が取り付け時のキャリパ13の凹部47の第4面部34の方向となる。
【0022】
このパッドスプリング50は、キャリパ13の凹部47に第4面部34の方向に押圧嵌合されて取り付けられるもので、該取り付け時に凹部47の第3面部33および第7面部38に当接する(詳細は後述する)。
以下、このパッドスプリング50についてそのキャリパ13への組み付け前の形状をもって説明する。
【0023】
中間板部51には、その中間所定範囲に、厚さ方向(図6における上下方向。以下同。)における一側に凸状をなすよう湾曲する一方向に長い突出部59が形成されている。
【0024】
第1爪部側腕部52は、中間板部51の外側に、突出部59の長さ方向に平行をなして、厚さ方向における突出部59に対し反対側に凸状をなすよう形成された湾曲形状の第1板部61と、該第1板部61の中間板部51に対し反対側に、中間板部51と同一平面に配置されるよう形成された第2板部62と、該第2板部62の第1板部61に対し反対側に、厚さ方向において第1板部61の突出方向に対し逆側に延出するように斜めに形成された第3板部63とを有している。
【0025】
また、第1爪部側腕部52は、該第3板部63の第2板部62に対し反対側に、厚さ方向において第1板部61の突出方向と同じ側に延出するように形成された第4板部64と、該第4板部64の第3板部63に対し反対側に、厚さ方向において第1板部61の突出方向と同じ側に延出するよう形成された第5板部65と、第4板部64の第1シリンダ部側腕部54の側に立設された第6板部66とを有している。
【0026】
第2爪部側腕部53は、中間板部51の外側に、突出部59の長さ方向に平行をなして、厚さ方向における突出部59に対し反対側に凸状をなすよう形成された湾曲形状の第1板部71と、該第1板部71の中間板部51に対し反対側に、中間板部51と同一平面に配置されるよう形成された第2板部72と、該第2板部72の第1板部71に対し反対側に、厚さ方向において第1板部71の突出方向に対し逆側に延出するように斜めに形成された第3板部73とを有している。
【0027】
また、第2爪部側腕部53は、第3板部73の第2板部72に対し反対側に、厚さ方向において第3板部73より角度を小さくして第1板部71の突出方向に対し逆側に延出するように斜めに形成された第4板部74と、該第4板部74の第3板部73に対し反対側に、厚さ方向において第1板部71の突出方向と同じ側に延出するよう形成された第5板部75と、第4板部74の第2シリンダ部側腕部55側に立設された第6板部76とを有している。
【0028】
ここで、第1爪部側腕部52の第3板部63の第2板部62に対する角度の方が、第2爪部側腕部53の第3板部73の第2板部72に対する角度よりも小さくされている。
【0029】
第1シリンダ部側腕部54は、中間板部51の外側に、突出部59の長さ方向に平行をなして、厚さ方向における突出部59に対し反対側に凸状をなすよう形成された湾曲形状の第1板部81と、該第1板部81の中間板部51に対し反対側に、中間板部51と同一平面に配置されるよう形成された第2板部82とを有している。
【0030】
また、第1シリンダ部側腕部54は、第2板部82の第1板部81に対し反対側に、第1爪部側腕部52の第3板部63と同一平面に配置されるよう形成された第3板部83と、該第3板部83の第2板部82に対し反対側に、第1爪部側腕部52の第4板部64と同一平面に配置されるよう形成された第4板部84と、該第4板部84の第3板部83に対し反対側に、第1爪部側腕部52の第5板部65と同一平面に配置されるよう形成された第5板部85とを有している。
【0031】
第2シリンダ部側腕部55は、中間板部51の外側に、突出部59の長さ方向に平行をなして、厚さ方向における突出部59に対し反対側に凸状をなすよう形成された湾曲形状の第1板部91と、該第1板部91の中間板部51に対し反対側に、中間板部51と同一平面に配置されるよう形成された第2板部92とを有している。
【0032】
また、第2シリンダ部側腕部55は、第2板部92の第1板部91に対し反対側に、第2爪部側腕部53の第3板部73と同一平面に配置されるよう形成された第3板部93と、該第3板部93の第2板部92に対し反対側に、第2爪部側腕部53の第4板部74と同一平面に配置されるよう形成された第4板部94と、該第4板部94の第3板部93に対し反対側に、第2爪部側腕部53の第5板部75と同一平面に配置されるよう形成された第5板部95とを有している。
【0033】
爪部側係止爪56は、中間板部51の外側に、厚さ方向における突出部59の突出方向に対し反対側に若干斜めに延出するように形成された基板部97と、該基板部97の中間板部51に対し反対から突出部59の突出方向に向け延出する延出板部98と、該延出板部98の基板部97に対し反対側からそれぞれシリンダ部側係止爪57に対し反対側に傾斜しつつほぼ相反する方向に延出する一対の当接板部99,100とを有する変形T字型となっている。
【0034】
ここで、当接板部99,100の長さ方向に直交する方向の断面積は、従来のパッドスプリングの相当部分の断面積より小さくされており、これによりその剛性を低くしている。また、当接板部99,100の長さは従来のパッドスプリングの相当部分の長さより長くなっており、これら当接板部99,100の先端に力を受けた場合にこれら当接板部99,100には図5に矢印Mで示す曲げモーメントがかかりやすくなっている。よって、当接板部99,100は爪部側係止爪56とシリンダ部側係止爪57とを結んだ方向(中間板部51に平行な方向)に変形しやすくなっている。
【0035】
また、当接板部99,100は、傾斜延出することにより、従来のパッドスプリングよりも弾性変形する領域が広がっている。
さらに、爪部側係止爪56の厚さ方向寸法は、従来のパッドスプリングの相当部分の寸法より小さくされている。
【0036】
シリンダ部側係止爪57は、中間板部51の外側に、厚さ方向における突出部59の突出方向に対し反対側に突出するように湾曲形成された湾曲板部102と、該湾曲板部102の中間板部51に対し反対から突出部59の突出方向に向け延出する延出板部103と、該延出板部103の湾曲板部102に対し反対側から爪部側係止爪56に対し反対側に傾斜しつつ延出する板片部104とを有している。
【0037】
ここで、シリンダ部側係止爪57の湾曲板部102は、その形状が湾曲形状でありしかもその断面積が爪部側係止爪56の断面積よりも大きくされているため、その剛性が爪部側係止爪56の剛性よりも高くなっている。
また、湾曲板部102の半径は、従来のパッドスプリングの相当部分の半径よりも大きくされている。
【0038】
このようなパッドスプリング50は、図4に示すように、爪部側係止爪56を爪部21側に、シリンダ部側係止爪57をシリンダ部22側に、それぞれ向けた状態で、爪部側係止爪56を先に凹部47の第3面部32に当接させた後、シリンダ部側係止爪57を第8面部39に当接させ、この状態で図4に矢印Fで示すように第4面部34の方向に作業者が押圧する。すると、爪部側係止爪56の当接板部99,100が、押圧方向Fに対し異なる第3面部32の方向(押圧方向Fに対し直交する方向)に塑性変形するとともに、シリンダ部側係止爪57が、第7面部38に載り上げて、該第7面部38に当接し、パッドスプリング50は凹部47に嵌合した取り付け状態となる。
【0039】
ここで、パッドスプリング50を不適正な姿勢で凹部47に嵌合させた場合においても、爪部側係止爪56の当接板部99,100が押圧方向に対し異なる第3面部32の方向に変形することになり、これによりパッドスプリング50が容易に適正な姿勢に戻ることになる。
【0040】
上記のようにしてキャリパ13に取り付けられたパッドスプリング50は、図2に示すように、第1爪部側腕部52の第4板部64が一方のパッド18のディスク12の回転方向における出口側の突起部27にディスク12の回転方向における入口側から斜めに当接するとともに、第2爪部側腕部53の第4板部74が同一方のパッド18のディスク12の回転方向における入口側の突起部28にディスク12の半径方向における外側から内側に向けて当接することになる。
【0041】
また、図示は略すが、第1シリンダ部側腕部54の第4板部74が他方のパッド19のディスク12の回転方向における出口側の突起部にディスク12の回転方向における入口側から斜めに当接するとともに、第2シリンダ部側腕部55の第4板部84が同他方のパッド19のディスク12の回転方向における入口側の突起部にディスク12の半径方向における外側から内側に向けて当接することになる。
【0042】
このように、第1爪部側腕部52の第4板部64が一方のパッド18のディスク12の回転方向における出口側の突起部27にディスク12の回転方向における入口側から斜めに当接し、第1シリンダ部側腕部54の第4板部74が他方のパッド19のディスク12の回転方向における出口側の突起部にディスク12の回転方向における入口側から斜めに当接するため、両パッド18,19をディスク12の回転方向における出口側に押圧し変位させることになる。これにより、ラトル音の発生を防止するようになっている。
【0043】
ここで、このような取り付け時の方向をもって、パッドスプリング50の取り付け前の状態を説明すると、爪部側係止爪56は、基板部97が、中間板部51からディスク12の軸線方向外方に延出することになり、延出板部98が、基板部97の先端からディスク12の半径方向内方に向け屈曲し延出することになり、さらに、一対の当接板部99,100が、ディスク12の周方向における延出板部98の両側からそれぞれ第3面部32の方向に傾斜しつつディスク12の周方向における両外方に延出することになる。
【0044】
以上に述べたディスクブレーキによれば、パッドスプリング50の爪部側係止爪56は、ディスク12の軸線方向外方に延出する基板部97と、該基板部97の先端からディスク12の半径方向内方に向け屈曲し延出する延出板部98と、ディスク12の周方向における延出板部98の両側からそれぞれ第3面部32の方向に傾斜しつつディスク12の周方向における両外方に延出する一対の当接板部99,100とを有する形状をなしているため、この爪部側係止爪56を先にキャリパ13の凹部47の第3面部32に当接させた状態として、パッドスプリング50を第4面部34の方向に押圧すると、不適正な姿勢で凹部47に嵌合させた場合においても、該爪部側係止爪56の当接板部99,100が押圧方向に対し異なる第3面部32の方向に変形することで、パッドスプリング50が容易に適正な姿勢に戻ることになる。
したがって、パッドスプリング50を、不適正な姿勢で凹部47に嵌合させた場合においても、過度な塑性変形を防止でき、嵌合後の姿勢を安定させることができ、しかも簡易な形状でできる。
【0045】
加えて、パッドスプリング50の当接板部99,100の変形によりキャリパ13の鋳造寸法のバラツキを吸収でき、これに起因したパッドスプリング50の組み付け性の悪化および姿勢の不安定を防止できる。
【0046】
また、パッドスプリング50の当接板部99,100の断面積は従来のパッドスプリングの相当部分の断面積より小さくされており、これによりその剛性を低くしている。また、当接板部99,100の長さは従来の相当部分の長さより長くなっており、これら当接板部99,100の先端に力を受けた場合にこれら当接板部99,100に曲げモーメントがかかりやすくなっている。よって、当接板部99,100は爪部側係止爪56とシリンダ部側係止爪57とを結んだ方向にさらに容易に変形しやすくなっている。
したがって、パッドスプリング50をキャリパ13の凹部47に取り付ける際に、過度な塑性変形を確実に防止でき、嵌合後の姿勢をさらに安定させることができる。
【0047】
上記パッドスプリング50の当接板部99,100は、従来のパッドスプリングよりも弾性変形する領域が広がっているため、パッドスプリング50がキャリパ13に取り付けられた後に、外力で姿勢が変位しても、元の姿勢に戻りやすくなる。
【0048】
加えて、上記パッドスプリング50の当接板部99,100は、傾斜延出することにより、第3面部32の鋳肌との当接面積が従来のパッドスプリングよりも小さくなり、その結果、鋳肌への食い付きが良く、鋳肌の表面あらさに大きな影響を受けることなくパッドスプリング50のディスク12の周方向におけるずれを防止できる。したがって、パッドスプリング50の姿勢の安定性をさらに向上させることができる。
【0049】
さらに、上記パッドスプリング50のシリンダ部側係止爪57は、従来のパッドスプリングよりも半径が大きくされており、その結果、第8面部39を介して第7面部38に円滑に載り上げることができる。したがって、鋳肌の表面あらさ等による影響を受けることなく、組み付け性を向上させることができる。
【0050】
また、上記パッドスプリング50の爪部側係止爪56の厚さ方向(ディスク12の半径方向)における寸法は、従来のパッドスプリングの相当部分の寸法より小さくされている。このため、キャリパ13に嵌合させる際に、爪部側係止爪56を先に凹部47の第3面部32に当接させ、シリンダ部側係止爪57を第8面部39に当接させた状態において、パッドスプリング50の第4面部34に対するセット角度を小さくでき、その後の組み付け性を向上させることができる。
【0051】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1記載のディスクブレーキによれば、パッドスプリングの一方の係止爪が、前記ディスク半径方向に向け延出する延出板部と、該延出板部から前記係止爪の他方に対し反対側に傾斜しつつ延出した当接板部とを有し、該当接板部が前記側面部の一方にディスク軸線方向に弾性変形して当接するため、この一方の係止爪を先にキャリパの凹部の一方の側面部に当接させた状態として、パッドスプリングを内面部方向に押圧すると、不適正な姿勢で凹部に嵌合させた場合においても、該一方の係止爪の当接板部ディスク軸線方向に弾性変形することで、パッドスプリングが容易に適正な姿勢に戻ることになる。
したがって、パッドスプリングを、不適正な姿勢で凹部に嵌合させた場合においても、過度な塑性変形を防止でき、嵌合後の姿勢を安定させることができる。
【0052】
本発明の請求項2記載のディスクブレーキによれば、当接板部は、一方の側面部に傾斜しつつディスク周方向における両外方にそれぞれ出しているため、この当接板部を先にキャリパの凹部の一方の側面部に当接させた状態として、パッドスプリングを内面部方向に押圧すると、不適正な姿勢で凹部に嵌合させた場合においても、該一方の係止爪の当接板部がディスク軸線方向に弾性変形することで、パッドスプリングが容易に適正な姿勢に戻ることになる。
したがって、パッドスプリングを、不適正な姿勢で凹部に嵌合させた場合においても、過度な塑性変形を防止でき、嵌合後の姿勢を安定させることが、簡易な形状でできる。
【0053】
本発明の請求項3記載のディスクブレーキによれば、当接板部は、パッドスプリングの腕部の基端となる中間板部からディスク軸線方向外方に延出する基板部を有し、前記延出板部は、該基板部の先端からディスク半径方向内方に向け屈曲し延出、前記当接板部は、該延出板部か一方の側面部の方向に傾斜しつつディスク周方向における両外方に延出しているため、この一方の係止爪を先にキャリパの一方の側面部に当接させた状態として、パッドスプリングを内面部方向に押圧すると、不適正な姿勢で凹部に嵌合させた場合においても、該一方の係止爪の当接板部がディスク軸線方向に弾性変形することで、パッドスプリングが容易に適正な姿勢に戻ることになる。
したがって、パッドスプリングを、不適正な姿勢で凹部に嵌合させた場合においても、過度な塑性変形を防止でき、嵌合後の姿勢を安定させることが、簡易な形状でできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一の実施の形態によるディスクブレーキを示す上面図である。
【図2】 本発明の一の実施の形態によるディスクブレーキを示す正断面図である。
【図3】 本発明の一の実施の形態によるディスクブレーキを示す下面図である。
【図4】 本発明の一の実施の形態によるディスクブレーキのキャリパおよびパッドスプリングを示す図2におけるZ−Z線に沿う断面図である。
【図5】 本発明の一の実施の形態によるディスクブレーキのパッドスプリングを示す平面図である。
【図6】 本発明の一の実施の形態によるディスクブレーキのパッドスプリングを示す正面図である。
【図7】 本発明の一の実施の形態によるディスクブレーキのパッドスプリングを示す図5に示すY−Y線に沿う側断面図である。
【図8】 従来のディスクブレーキのキャリパおよびパッドスプリングを示す側断面図である。
【図9】 従来のディスクブレーキのパッドスプリングを示す平面図である。
【図10】 従来のディスクブレーキのパッドスプリングを示す正面図である。
【図11】 従来のディスクブレーキのパッドスプリングを示す図9に示すX−X線に沿う側断面図である。
【符号の説明】
12 ディスク
20 外周面
34 第4面部(内面部)
14,15 摩擦面
32 第3面部(側面部)
38 第7面部(側面部)
47 凹部
13 キャリパ
56 爪部側係止爪(係止爪,一方の係止爪)
57 シリンダ部側係止爪(係止爪)
50 パッドスプリング
97 基板部
98 延出板部
99,100 当接板部

Claims (3)

  1. ディスクの外周面に対向する内面部とディスクの各摩擦面に沿って延在する一対の側面部とを有する凹部を具備するキャリパと、
    該キャリパによってディスクに押し付けられる一対の摩擦パッドと、
    該摩擦パッドにディスクの半径方向における外側から当接して押圧する腕部を有し、前記キャリパの前記凹部に前記内面部方向に押圧嵌合されて取り付けられるとともに、該取り付け時に各側面部に当接する一対の係止爪を有するパッドスプリングと、を有するディスクブレーキにおいて、
    前記パッドスプリングの一方の係止爪は、前記ディスク半径方向に向け延出する延出板部と、該延出板部から前記係止爪の他方に対し反対側に傾斜しつつ延出した当接板部とを有し、該当接板部が前記側面部の一方にディスク軸線方向に弾性変形して当接することを特徴とするディスクブレーキ。
  2. 前記当接板部、前一方の側面部の方向に傾斜しつつディスク周方向における両外方にそれぞれ延出していることを特徴とする請求項1記載のディスクブレーキ。
  3. 前記一方の係止爪は、前記パッドスプリングの前記腕部の基端となる中間板部からディスク軸線方向外方に延出する基板部を有し、前記延出板部は、該基板部の先端からディスク半径方向内方に向け屈曲し延出前記当接板部は、該延出板部から前一方の側面部の方向に傾斜しつつディスク周方向における両外方に延出していることを特徴とする請求項1記載のディスクブレーキ。
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